JP5438877B2 - 加熱保温構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、融雪や解凍ないし凍結防止などの設備に用いられる加熱保温構造体に関する。より詳しくは、本発明は、融雪や解凍ないし凍結防止などの設備において熱効率に優れた加熱構造体に関する。
豪雪地帯では、積雪によって建物や道路などの生活環境に生じる障害を除去するために除雪作業や融雪作業などが不可欠である。この除雪作業などには多大な労力がかかり、コストの負担も大きい。しかも人手不足などの理由によって十分な除雪作業が行われないことがある。また、気温が上昇し、道路上の雪が融解した後に気温が低下して道路が凍結すると、交通障害や歩行者の転倒などの危険が生じる。特に傾斜のある道路は積雪や凍結による事故が生じやすい。
従来、定常的に融雪する方法として、積雪部分の地下に熱源を設置し、加熱して融雪する方法が行われている。例えば、道路ではアスファルト舗装面の下側に加熱装置を埋設したロードヒーティングが知られており、また建物の屋根に熱源を設置して融雪することが行われている。加熱源の種類としては、パイプを通して地下水や水道水などの液体を通す方法や、電気やガスを利用して液体を加熱し、循環させて融雪させる方法、あるいは電熱線を通して加熱する方法などが知られている。さらに、熱効率を良くするために、発熱体下部へ断熱材を敷く方法が試みられている(特許文献1、2、3)
しかし、融雪のために地下水を汲み上げて散水する方法では、地下水の過剰な汲み上げによって地盤沈下の問題が生じる。また、電気やガスなどの加熱手段を使用する方法はランニングコストが高くなり、負担が大きいと云う問題がある。
また、熱源を設置して融雪を行う場合、熱源の下側に断熱材を設置して熱効率を高めることが試みられており、一般的には砕石、砂利やコンクリートブロックを敷く方法や、発泡スチロール等の有機系発泡樹脂が用いられている。しかし、砕石、砂利、コンクリートブロックなどの無機材料は断熱性や保温性に限界があり、しかも多量に用いると重量増になり構造体の軽量化を図る場合には好ましくない。また、有機系の断熱材は耐熱性や耐久性が不十分であり、強度不足による撓みが生じる問題があった。さらに、これらは固体であるため、地面や発熱体への密着性が不十分であり、十分な効果が得られない。
特開平11−269809号公報 特開平9−177018号公報 特開平9−132706号公報
本発明は、融雪や解凍ないし凍結防止などの設備に用いられる加熱構造について、従来の上記問題を解決したものであり、軽量でありながら十分な強度を有し、しかも断熱保温性と共に蓄熱性に優れた中空微粒子を断熱保温材として利用することによって、熱効率を高めた加熱保温構造体を提供する。本発明の加熱保温構造体は、融雪や解凍ないし凍結防止などの設備に用いる加熱手段として最適である。
本発明は、以下に示す構成によって上記問題を解決した加熱保温構造体に関する。
〔1〕容重0.10〜0.35g/cm 3 の中空微粒子が加熱源の下側に敷き詰められており、加熱源がこの中空微粒子層に接触して設けられており、加熱源の上側には構造材が設けられており、上記加熱源が上記中空微粒子と上記構造材によって積層された構造を形成していることを特徴とする融雪や解凍ないし凍結防止の設備に用いられる加熱保温構造体。
〔2〕加熱源がその上部を露出し、かつその下部が露出しないように中空粒子層に埋設されている構造を有する上記[1]に記載する加熱保温構造体。
〔3〕中空微粒子の下側に透水性の布材が敷設されており、加熱源の上部が中空微粒子層から露出し、かつ加熱源の下部が上記布材に接触しないように、加熱源が中空微粒子層に埋設されている上記[1]または上記[2]に記載する加熱保温構造体。
〔4〕粒子数で50%以上の粒子の内部空間が隔壁によって区切られた複数の独立気泡を有するシリカ質の中空微粒子が用いられる上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する加熱保温構造体。
〔5〕粒径0.5mm以下の粒子を10質量%以上含有し、かつ90%通過粒径が5mm以下である中空微粒子が用いられる上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する加熱保温構造体。
〔6〕棒状、コイル状、または板状の加熱源に対して、中空微粒子層の厚さが上記加熱源の厚さの1/3〜2/3である上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する加熱保温構造体。
本発明の加熱保温構造体は、加熱源の下側に中空微粒子が敷き詰められて、該加熱源がこの中空微粒子層に接触して設けられており、加熱源が上記中空微粒子と上記構造材によって積層された構造を形成している。この中空微粒子は優れた断熱性を有し、従って、中空微粒子の下方には熱が殆ど逃げず、加熱源の熱が上方に効率よく伝達されるので、融雪効果や凍結防止効果、あるいは解凍効果に優れる。
また、この中空微粒子は、好ましくは、内部空間に隔壁を有するシリカ質中空微粒子が用いられるので、隔壁のない単一空間からなる中空粒子に比較して粒子の強度が大きい。このため、外部からの負荷に対して破壊され難く、長期間安定に中空状態が維持することができる。
さらに、シリカ質中空微粒子の内部空間は独立気泡によって形成された閉じられた空間であるので、加熱によって熱が蓄積されると、加熱終了後も蓄積された熱が長時間保持されるので保温性に優れる。従って、断絶的に加熱を行っても、この保温性によって比較的定常的に融雪効果や凍結防止効果を得ることができる。
また、上記中空粒子は、隔壁によって区切られた独立気泡からなる複数の内部空間を有するので、粒材に局部的な亀裂や破損が生じても、残りの内部空間によって中空状態が維持されるので、断熱性および保温性に優れている。従って、熱効率の高い融雪設備や凍結防止設備を形成することができる。
本発明に係る構造体の模式的な断面構造を示す断面図。 中空微粒子を用いない構造体を示す模式的な断面図。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明の加熱保温構造体は、容重0.10〜0.35g/cm 3 の中空微粒子が加熱源の下側に敷き詰められており、加熱源がこの中空微粒子層に接触して設けられており、加熱源の上側には構造材が設けられており、上記加熱源が上記中空微粒子と上記構造材によって積層された構造を形成していることを特徴とする融雪や解凍ないし凍結防止の設備に用いられる加熱保温構造体である。

本発明に係る加熱保温構造体の一例を図1に示す。図示する構造体は、地面4の上側に透水性布材6が設置されており、該透水性布材6の上面に中空微粒子5が敷き詰められており、この中空微粒子5の層に加熱源2が埋設されており、該加熱源2の上部は中空微粒子層から露出しており、その上側に構造材1が積層されている。
なお、図2は中空微粒子を用いない構造例(比較例)であり、地面4の上側に一般的な断熱樹脂製の保温材ないし断熱材が設置されており、その上面に加熱源2が設置されており、該加熱源2の上側には構造材1が設けられている。
本発明の加熱保温構造体は、加熱源2としては、電熱コイル等の発熱体を用いたヒータ、熱水や温水が流れる管を用いたものなど各種の熱源を利用することができ、また棒状、コイル状、または板状など各種形状のものを用いることができる。また、中空微粒子5としては、内部が中空な微粒子であって、耐熱性を有するようにシリカ質などの鉱物質微粒子が好ましい。構造材1は設置場所によって異なり、例えば、ロードヒーティングの融雪設備として用いる場合には、歩道や道路の路面部分であり、屋根の融雪設備として用いる場合には屋根材などである。
本発明の加熱保温構造体は、具体的には、例えば、歩道や道路の融雪・凍結防止設備に適用する場合(ロードヒーティングなど)には、地面に中空微粒子を敷き詰め、その上に加熱源のヒーターを設置し、その上にアスファルトやコンクリートを敷いて構造材になる舗装面を形成する。また、屋根の融雪設備に用いる場合には、例えば、屋根面の下側に中空微粒子を敷き詰めて、その上にヒーターパネルを設置し、その上に屋根材を施工する。
本発明の加熱保温構造体は、加熱源の下側に中空微粒子が敷き詰められて中空微粒の層が形成されており、該中空微粒子層に接触させて加熱源が設置されているので、中空微粒子と加熱源との密着性が良くなり、無駄な放熱がなくなる。さらに、中空微粒子を加熱源の下側に敷設することによって熱の下方向(地面方向)への拡散が抑制される。また、その結果、熱が上部方向(積雪側)に向かうことになり、下側に向う余分な熱が解消されるので、熱効率が向上する。同様に、屋根の融雪設備として用いた場合にも、下方への熱拡散が防止され、屋根側に熱が拡散するので融雪効果および凍結防止効果が向上する。このように、本発明の加熱保温構造体において、中空微粒子は主に熱伝導に対する強力な断熱作用および保温材としての役割を果たす。
本は発明の好ましい構造体の例としては、図1に示すように、中空微粒子の下側、即ち、中空微粒子と地面の間に透水性の布材が敷設されており、該布材の上面に中空微粒子が敷き詰められており、加熱源がその上部を露出し、かつその下部が上記布材に接触しないように上記中空粒子層に埋設された構造を有するものである。
例えば、中空微粒子の下側が砂利等で敷き詰められている場合には、中空微粒子が砂利の隙間へ漏れて分散するため保温効果が低下する。この対策として、図1に示す構造体のように、地面の上側に透水性の布材を敷き、その上面に中空微粒子を敷き詰め、この中空微粒子層に加熱源を埋設する構造にすれば、中空微粒子が砂利の隙間などに漏れることがなく、高い保温効果を維持することができる。
上記布材としては、不織布などの透水性を有する天然繊維、紙、合成樹脂などの布材を用いると良い。透水性がない布材を用いると、水が浸透したときに、中空微粒子の間隙や内部に水が溜まって断熱性が低下し、加熱源から発生した熱が地面へ逃げるため、熱効率が低下する。なお、この布材に中空微粒子を接着剤等を用いて接着させておくと、布材に中空微粒子を敷設する施工時の作業性が良い。
加熱源の下側に敷き詰められる中空微粒子の設置厚さは制限されない。加熱源の上部が中空微粒子層から露出するように、好ましくは、中空微粒子層の厚さは加熱源の厚さの1/3〜2/3が適当であり、より好ましくは、加熱源の下部約半分が中空微粒子に埋設される厚さが適当である。
具体的には、例えば、図1の構造体において、棒状ないしコイル状の加熱源について、加熱源の厚さが5mm程度のとき、中空微粒子層の厚さは2.5mm以上、好ましくは5mm以上であって加熱源の下側に数mm厚さの中空微粒子が介在する厚さが適当である。
中空微粒子層の下側に透水性の布材を設置する場合には、加熱源はその上部が露出し、かつその下部が布材に接触しないように中空粒子に埋設される状態が好ましい。加熱源の上部が露出することによって熱放射が良好になり、また加熱源の下部が布材に接触しないので、布材を通じて地面に熱が逃げるのを避けることができる。加熱源が布材に接触すると、該布材を通じて地面への放熱が起こり、また加熱源の上部が覆われると、上側への熱放射が制限されるため、融雪効果が低下する。
上記中空微粒子は乾燥粉体の状態で使用することができる。また、中空微粒子を樹脂や塗料と混合して敷き詰めても良い。樹脂や塗料は、本発明の効果を阻害しないものであれば限定されない。例えば、塗料に使用される公知の溶剤や樹脂、増粘剤、糊剤、分散剤、着色顔料などと併用してもよい。また、ガラス繊維等の断熱材と併用しても効果が高い。
上記中空微粒子は、好ましくは、内部空間が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成されている中空微粒子が用いられる。中空微粒子が内部隔壁を有することによって粒子の強度が向上する。この隔壁は1個よりも複数個あることが望ましい。複数の隔壁を有することによって、粒子の強度がさらに向上する。隔壁の厚さは本発明の効果を喪失させない限り制限されない。
上記中空微粒子において、隔壁を有する粒子の割合が多いほど材料の強度が向上するので好ましい。例えば、粒子数で50%以上の粒子の内部空間が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成されている中空微粒子が好ましい。隔壁を有する粒子の割合が多いと、歩道や道路においてアスファルトなどの舗装面の下側に敷設される場合でも、上側の舗装面から大きな圧力が加わっても、中空微粒子の強度が大きいので壊れ難く、中空構造が維持されるので、高い断熱性能を有することができる。なお、強度が小さいものは外部の圧力により破損し易く、次第に断熱性が低下する。
本発明で用いる中空微粒子はシリカ質微粒子である。シリカ含有量は70〜90%のものが好ましい。シリカ含有量が70%未満であると不純物が多くなり、均一な発泡ができなくなるため適当ではない。またシリカ含有量が90%を超えると融点が高くなるため発泡温度が高くなり、もしくは高温でも発泡しなくなるため、適当ではない。
上記シリカ質中空微粒子はシリカ(化学成分としてSiO2)を主成分とする無機系材料から製造することができる。具体的には、シラス、真珠岩、黒曜石、松脂岩などのシリカ含有量70〜90%の天然ガラス質岩石を微粒子に粉砕し、該岩石微粒子を900℃〜1500℃に加熱して発泡させて中空微粒子にし、この中空微粒子から内部空間が隔壁によって区切られたものを選択することによって製造することができる。また、上記シリカ質中空微粒子は、天然ガラス質岩石に限らず、例えば、岩石粉末に発泡原料を混合して造粒し、加熱発泡させることによって製造することもできる。
また、このようにして製造した中空微粒子は内部に大きな空間を有するシリカガラス質粒子であるので、光学顕微鏡によって内部空間や隔壁構造を確認することができる。
本発明の加熱保温構造体に用いる中空微粒子はシリカ質の無機材料なので、耐水生、耐酸性に優れている。従って、歩道や道路に用いた場合でも、地中にしみ込んできた雨水にさらされても劣化せず、中空状態を維持するため断熱性を損なうことはない。また、耐熱性に優れているので、例えば夏季に温度が上昇しても劣化しない。
本発明で用いる中空微粒子は、好ましくは、粒子内部の空間が表面に開口のない独立気泡によって形成されているので吸水率が低く、かつ大きな内部空間を有するので軽量であり、水中での浮揚率が高い。また、強度が大きいので加圧下でも亀裂が生じ難く、部分的に亀裂が生じても内部空間が隔壁によって区切られているので水が浸透する範囲が限られる。従って、歩道や道路、屋根などの加熱保温構造体に使用した場合、外側に水が存在する場合でも中空状態を維持することができる。また、地中にて雨水が浸る場合においても中空状態を維持し、断熱効果を得ることができる。
一方、閉口気孔の粒子であっても、内部空間が連続気泡によって形成されている中空粒子は、部分的に亀裂が生じると、粒子内部の空間全体に液体が浸透して充満し、中空状態を維持できなくなり、十分な断熱性が得られなくなる。
本発明で用いる中空微粒子は、平均粒径5mm以下が適当である。また、0.5mm以下の粒子を10質量%以上含有していることが好ましい。0.5mm以下の粒子を含有していることによって、大きな粒子の隙間に小さな粒子が入り、隙間なく充填された状態になり、蓄熱性が向上する。この蓄熱性により、加熱源からの熱量が少なくすることができ、また加熱停止後も蓄熱された熱で積雪や凍結の融解に効果がある。
本発明で用いるシリカ質中空微粒子は容重0.10〜0.35g/cm3の範囲が好ましい。容重が0.35g/cm3を超えると内部空間の割合が少なくなり、断熱効果が小さくなる。一方、容重が0.10g/cm3より小さいと、粒子の殻や隔壁が薄いので強度が低下する。
以下、本発明の実施例を示す。
真珠岩〔化学成分含有率(質量%):SiO2 74%、Al2O3 13%、Fe2O3 1%、CaO1%、ig.loss 2.2%〕を粉砕し、発泡させてシリカ質中空微粒子を製造した。容重0.08〜0.36g/cm3、篩目10mm、5mm、1.2mmの通過品を使用した。なお、製造した粒子は殆どが内部に隔壁が存在するものであることを光学顕微鏡によって確認した。
〔実施例1〕
50cm四方の木製型枠に粗骨材(最大粒径20mm)を約10cmの厚さに敷き詰め、その上に不織布を敷き、この不織布の上に1.5L量の断熱材(中空微粒子、表1の試料A1〜A7)を均等に敷き詰めて中空微粒子層を形成し、その上部に直径約8mmのラインヒーター(2m、20W)を10cm間隔で設置した。このラインヒータの上側にモルタルを10mm厚に充填し、1週間モルタルを硬化させて加熱保温構造体を形成した。その後、ヒーターを加熱して、モルタル上部中央部の温度を測定した。測定は5℃の恒温室中で加熱開始から30分経過後の上昇温度を測定した。さらに加熱を止めて30分後の温度を測定した。この結果を表1に示した。また、比較のため、アルミナボール(粒径2mm:内部空洞のない緻密粒子)を用いて同様の試験を行い、この結果を表1に示した(比較試料A8)。
表1に示すように、試料A1〜A3は何れも中空微粒子層の断熱効果が良いので、上部温度が高く、上昇温度量が大きい。また、加熱停止後の温度低下も小さい。
中空微粒子の粒径が大きいと上昇温度量が少ない(試料A5)。これは粒子間の隙間が大きいために、この隙間を通じて下側に逃げる熱量が増すためであると思われる。さらに中空微粒子の粒径が大きいと、敷き詰めたときに表面の凹凸が大きくなるのでヒーターが中空微粒子に密着せず、断熱保温効果が不均一になる。
中空微粒子の10%通過粒径が大きいと(試料A4)、同程度の粒度分布の中空微粒子を用いた場合に比べて上昇温度量は同程度であるが、加熱停止後の温度低下がやや大きくなる傾向がある。これは、大きな粒子の隙間に小さな粒子が充填されている割合が少なく、蓄熱効果が小さいためであると思われる。
中空微粒子の密度が大きいと(試料A6)、上昇温度量が少なくなる傾向がある。これは、内部空洞部が少ないので断熱効果が小さいためであると思われる。一方、中空微粒子の密度が小さいと(試料A7)、上昇温度が少なくなる傾向がある。これは、中空微粒子の強度が小さいので、ヒーターを中空粒子層の上部へ設置する際に、上部からの圧力によって中空微粒子が破損し、内部空洞部が減少したため断熱効果が低下したためであると思われる。
また、内部が緻密な粒子を用いた比較試料A8は上昇温度量が最も少ない。これは、微粒子の断熱性が殆どなく、従って、下側への放熱が大きいためである。
Figure 0005438877
〔実施例2〕
実施例1の試料A1〜試料A3の中空微粒子を用い、粗骨材と中空微粒子層との間の不織布を除いた以外は実施例1と同様の加熱保温構造体を形成し、実施例1と同様の加熱試験を行った(試料B1〜B3)。また、比較のため、中空微粒子層と不織布を除いた以外は上記と同様の構造体を形成し、上記と同様の加熱試験を行った(試料B4)。この結果を表2に示した。
表2示すように、不織布を用いない試料B1〜B3は、同様の中空微粒子A1〜A3を用いた表1の結果に比較して、上部温度の上昇温度量が少なく、一方、加熱後の温度低下量はやや大きい。これは断熱用の中空微粒子が下側の骨材の隙間へ入り込み、微粒子の厚みが薄くなるため、熱が骨材を通じて下側に伝導しやすくなるためである。また中空微粒子を用いない比較試料B4は下側への熱の伝導が多いため、上昇温度量が大幅に少ない。
Figure 0005438877
〔実施例3〕
実施例1の中空微粒子A1の構造体を用い(試料C1)、また、中空微粒子A1に代えて発泡スチロールを用いた以外は上記と同様に形成した構造体を用い(試料C2)、外気温25℃において、ヒーターの加熱量を高めて上部温度を測定した。加熱開始から30分経過後に測定した温度を表3に示した。
表3に示すように、断熱材として中空微粒子A1を用いた試料C1は、上部温度の上昇量が大きい。一方、断熱材として発泡スチロールを用いた試料C2は、上部温度の上昇量が少ない。測定後に構造体を解体して状態を観察したところ、試料C1は全く劣化は見られなかったが、試料C2の発泡スチロールはヒーターとの接触部分が軟化して沈下しており、断熱効果が殆ど失われた状態であった。
Figure 0005438877
〔実施例4〕
縦2m×横2mの枠内に電気式のロードヒーティングを設置した。上記枠内において、地盤上部に不織布を敷き、実施例1の中空微粒子NoA1およびNoA2を高さ約5〜10mmに敷き詰めて中空微粒子層を形成した。その上にヒーターを設置し、その上部に30mm高さにコンクリートを打設して加熱保温構造体を形成した(試料D1、D2)。比較例として、中空微粒子を用いずに地盤上部にヒーターのみを設置した加熱構造体を形成した(試料D3)。前日夕刻より加熱を開始し、朝6時の時点で上部コンクリート表面の温度を測定した。このときの外気温は−6℃であった。この結果を表4に示した。
表4の結果から、本発明の中空微粒子を敷き詰めた加熱構造体(試料D1、D2)は、比較試料D3に比べて加熱保温効果が良いことが確認された。特に、中空微粒子A2を用いたものは比較例に比べて+4℃の加熱保温効果が得られる。
Figure 0005438877
1−構造材、2−加熱源、3−保温剤等、4−地面、5−中空微粒子、6−透水性布材、

Claims (6)

  1. 容重0.10〜0.35g/cm 3 の中空微粒子が加熱源の下側に敷き詰められており、加熱源がこの中空微粒子層に接触して設けられており、加熱源の上側には構造材が設けられており、上記加熱源が上記中空微粒子と上記構造材によって積層された構造を形成していることを特徴とする融雪や解凍ないし凍結防止の設備に用いられる加熱保温構造体。
  2. 加熱源がその上部を露出し、かつその下部が露出しないように中空粒子層に埋設されている構造を有する請求項1に記載する加熱保温構造体。
  3. 中空微粒子の下側に透水性の布材が敷設されており、加熱源の上部が中空微粒子層から露出し、かつ加熱源の下部が上記布材に接触しないように、加熱源が中空微粒子層に埋設されている請求項1または請求項2に記載する加熱保温構造体。
  4. 粒子数で50%以上の粒子の内部空間が隔壁によって区切られた複数の独立気泡を有するシリカ質の中空微粒子が用いられる請求項1〜請求項3の何れかに記載する加熱保温構造体。
  5. 粒径0.5mm以下の粒子を10質量%以上含有し、かつ90%通過粒径が5mm以下である中空微粒子が用いられる請求項1〜請求項4の何れかに記載する加熱保温構造体。
  6. 棒状、コイル状、または板状の加熱源に対して、中空微粒子層の厚さが上記加熱源の厚さの1/3〜2/3である請求項1〜請求項5の何れかに記載する加熱保温構造体。
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