JP5434341B2 - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents
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Description
これらの無機薄膜は薄膜形成の工程でピンホールやクラック等が発生し易く、さらに加工工程において無機薄膜層がひび割れてクラックが発生し、期待通りの十分なガスバリア性は得られていない。特に、レトルト包装用途に用いた場合には、レトルト後のガスバリア性の低下が大きく、また無機薄膜とそれに接する樹脂間の層間接着強度が低下してレトルト中やレトルト後に内容物が漏れ出たりする問題が発生していた。
さらに、ガスバリア性の発現方法として樹脂中に無機層状化合物などの扁平形態の無機物を分散させる方法も知られており、上記ビニルアルコール系樹脂にモンモリロナイトなどの無機層状化合物を配合したバリア層を樹脂フィルムにコートしたガスバリア性フィルムも提案されている。例えば、基材フィルム上にポリビニルアルコール、架橋剤、無機層状化合物で構成されたバリアコート層を設ける例、基材フィルム上にエチレン−ビニルアルコール系共重合体、水溶性ジルコニウム系架橋剤、無機層状化合物からなるバリアコート層を設ける例(例えば、特許文献2、3参照)が挙げられる。これらのガスバリア性フィルムは樹脂を架橋しているため、耐湿性や、ボイル程度の耐水性には耐えられるものの、レトルト用に用いた場合には120−130℃の加圧下で行われるレトルト処理後のガスバリア性、ラミネート強度が十分満足できるものではなかった。
しかし、これらの方法であっても、ボイルや高湿下での特性の改良は認められるものの、レトルト後のガスバリア性、ラミネート強度が十分満足できかつ安定した品質のガスバリア性フィルムは得られていないのが現状であった。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
本発明のガスバリア性複合フィルムを構成するガスバリア層を設けるために使用するガスバリア性樹脂組成物層について説明する。本発明のガスバリア性樹脂組成物層は、ガスバリア性樹脂としてエチレンービニルアルコール系共重合体(EVOH)からなるガスバリア性樹脂と無機層状化合物と添加剤とからなるガスバリア性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする。そして無機層状化合物の含有量は、ガスバリア性樹脂組成物100質量%に対して0.1〜9.0質量%の範囲が好ましい。より好ましくは0.5〜7.0質量%の範囲である。さらに好ましくは1.0〜6.0質量%の範囲で、特に好ましくは1.2〜5.0質量%の範囲である。無機層状化合物が0.1質量%未満になると、ガスバリア性が低下する場合があったり、レトルト処理後のラミネート強度が低下する場合がある。無機層状化合物が9.0質量%を超えると、レトルト処理後のラミネート強度が低下するだけでなく、レトルト処理後のガスバリア性が低下する場合がある。これは、レトルト処理により層間剥離強度が低下するために無機薄膜層とガスバリア性樹脂層間で剥離が生じる、ガスバリア性樹脂層の柔軟性が低下するためにレトルト処理時のシャワー水の応力によりガスバリア性樹脂層に亀裂が入る等の理由によりガスバリア性が低下していると推定している。
従来、無機層状化合物の量が少ないとガスバリア性は低く、多くなるとガスバリア性は高くなるとされていたが、無機薄膜との積層においては、ガスバリア性樹脂組成物層中の無機層状化合物含有量が比較的少ない場合であっても無機薄膜との相乗効果により高いガスバリア性を示す。これは、無機薄膜層上のガスバリア性樹脂組成物層は無機薄膜のピンホールや割れによって生じた欠点を埋めるだけでなく、無機薄膜の割れなどの破損を防ぐ機能を持つが、無機層状化合物含有量が少ない量であっても欠点を埋める機能は十分に果たしていることによると考えられる。逆に無機層状化合物含有量が多くなるとレトルト処理時の層間接着力の低下、膜の柔軟性の低下といった現象が現れ、無機薄膜の破損を防ぐ機能が低下して、全体としてはそれ以上のガスバリア性の向上効果が得られないだけでなく、逆にガスバリア性の低下につながっていると考えられる。
(1)ガスバリア性樹脂
本発明において用いることができるエチレン−ビニルアルコール系共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル系共重合体をケン化して得られるものが使用できる。上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体をケン化して得られるものの具体例としては、エチレン及び酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得られるもの、並びに、エチレン及び酢酸ビニルとともに、その他の単量体を共重合して得られるエチレン−酢酸ビニル系共重合体をケン化して得られるものが挙げられる。エチレン−酢酸ビニル系共重合体の共重合前の単量体におけるエチレン比率が20〜60モル%であることが好ましい。エチレン比率が20モル%未満であると、高湿度下におけるガスバリア性が低下し、また、レトルト後のラミネート強度が低下することがある。一方、エチレン比率が60モル%を超えると、全般に渡ってのガスバリア性が低下する傾向がある。上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体は、酢酸ビニル成分のケン化度が95モル%以上のものが好ましく、95モル%未満ではガスバリア性や耐油性が不充分になる傾向がある。
上記過酸化物としては、以下の(1)〜(7)が挙げられる。
(1)H2O2
(2)M2O2型(M:Na、K、NH4、Rb、Cs、Ag、Li等)
(3)M’O2型(M’:Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cs、Hg等)
(4)R−O−O−R型(Rはアルキル基を表す。以下同様):過酸化ジエチル等の過酸化ジアルキル類
(5)R−CO−O−O−CO−R型:過酸化ジアセチル、過酸化ジアミル、過酸化ジベンゾイル等の過酸化アシル等
(6)過酸化酸型
a)−O−O−結合を持つ酸:過硫酸(H2SO5)、過リン酸(H3PO5)等
b)R−CO−O−OH:過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸等
(7)過酸化水素包含物:(NaOOH)2/H2O2、(KOOH)2/3H2O2等
このなかでも特に過酸化水素は、後から還元剤、還元性酵素や触媒を用いて、容易に分解処理することが可能であるために好適である。
より詳しくは、過酸化物として過酸化水素を使用する方法を例にとると、該EVOH溶液を後記する溶剤中に溶解した溶液に過酸化水素(通常は35質量%水溶液)を添加し、攪拌下で、温度40〜90℃、時間1〜50時間の条件で処理する。過酸化水素(35質量%水溶液)の添加量は、溶液中のEVOH100質量部に対して3〜300質量部程度である。また、分子鎖切断を行うための触媒として、酸化分解の反応速度を調整するため、金属触媒(CuCl2、CuSO4、MoO3、FeSO4、TiCl4、SeO2等)をEVOH溶液当たり1〜5000ppm程度添加してもよい。かかる処理の終了時点は、溶液の粘度が初期の1割程度以下となった点を一つの目安とすることができる。該溶液より公知の方法にて溶媒を除去することにより、分子末端に0.03〜0.2meq/g程度のカルボキシル基を含有した、末端カルボン酸変性EVOHを得ることができる。
本発明で用いる無機層状化合物は、スメクタイト、カオリン、雲母、ハイドロタルサイト、クロライト等の粘土鉱物を挙げることができる。具体的には、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、金雲母、タルク、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。また鱗片状シリカ等も使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、特にスメクタイト(その合成品も含む)が望ましい。また、無機層状化合物中に酸化還元性を有する金属イオン、特に鉄イオンが存在するものが有効である。更に、これらの中でも、塗工適性、ガスバリア性からモンモリロナイトの使用が好ましい。モンモリロナイトとしては、従来からガスバリア剤に使用されている公知のものが使用できる。例えば、一般式:(X,Y)2〜3Z4O10(OH)2・mH2O・(Wω)(式中、Xは、Al、FeIII、CrIIIを表す。Yは、Mg、FeII、MnII、Ni、Zn、Liを表す。Zは、Si、Alを表す。Wは、K、Na、Caを表す。H2Oは、層間水を表す。)で示されるモンモリロン石群鉱物を使用することができる。これらの中でも、WはNaであるものが水性媒体中でへき開する点から好ましい。さらに、無機層状化合物の粒径としては、5μm以下、アスペクト比としては50〜5000、とりわけ200〜3000の範囲がより好ましい。
本発明では、ガスバリア性樹脂組成物層に添加剤としてカップリング剤あるいは架橋剤の少なくとも一種を含有している。ガスバリア性樹脂組成物100質量%に対して、カップリング剤および架橋剤の合計量で0.3〜20質量%添加されていることが好ましい。より好ましくは0.5〜18質量%であり、さらに好ましくは1〜15質量%である。上記未満であるとレトルト処理後のラミネート強度低下となることがある。
架橋剤としては水素結合性用架橋剤が好ましく、カップリング剤としては有機官能基を少なくとも1種類以上含むシランカップリング剤が好ましく、これらを単独、併用で用いても良く少なくとも1種類以上含んでいる。
水素結合性基用架橋剤としては、水溶性ジルコニウム化合物、水溶性チタン化合物などが挙げられる。水溶性ジルコニウム化合物は、具体的に塩酸化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、乳酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、等が例示でき、塗布凝集力の向上による熱水処理後の熱水処理適性及びラミネート用ガスバリア性コーティング組成物の安定性の点から、塩酸化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムが好ましく、特に塩酸化ジルコニウムが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性チタン化合物は、チタン化合物の一例はチタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、ジイソプロポキシチタン(トリエタノールアミネート)、ジ−n−ブトキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)等であり、ジルコニウム化合物の一例はモノヒドロキシトリス(ラクテート)ジルコニウムアンモニウム、テトラキス(ラクテート)ジルコニウムアンモニウム、モニヒドロキシトリス(スレート)ジルコニウムアンモニウム等であるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機官能基含有シランカップリング剤は、有機官能基を少なくとも1種類以上含む。有機官能基としては、エポキシ基、アミノ基、アルコキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。
具体的には、エポキシ基含有シランカップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アミノ基含有シランカップリング剤としては2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−[N−(2−アミノエチル)アミノ]エチルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
アルコキシ基含有シランカップリング剤としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
イソシアネート基含有シランカップリング剤としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ガスバリア性樹脂組成物層を無機薄膜層上に積層させる方法としては、ガスバリア性樹脂組成物の各材料を溶媒に溶解・分散させた塗工液を無機薄膜層を有するフィルムの無機薄膜層上に塗工する方法、ガスバリア性樹脂組成物を溶融して無機薄膜層を有するフィルムの無機薄膜層上に押し出してラミネートする方法、ガスバリア性樹脂組成物のフィルムを別途作成してこれを無機薄膜層を有するフィルムの無機薄膜層上に接着剤等で貼り合わせる方法が挙げられる。中でも、塗工による方法が簡便性、生産性等の面から好ましい。なお、この際に無機薄膜層上にアンカーコート層を設け、アンカーコート層上にガスバリア性樹脂組成物層を設けても良い。
ガスバリア性樹脂組成物の溶媒(溶剤)としては、エチレンービニルアルコール系共重合体を溶解し得る水性及び非水性のどちらの溶剤でも使用できるが、水と低級アルコールとの混合溶剤用いることが好ましい。具体的には、水と、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数2〜4の低級アルコールの少なくとも1種を15〜70質量%含む混合溶剤を使用すると、エチレン−ビニルアルコール系共重合体の溶解性が良好となり、適度な固形分を維持するためにも好適である。混合溶剤中の低級アルコールの含有量が70質量%を超えると、後述する無機層状化合物を分散した場合、へき開が不充分になることがある。一方、混合溶剤中の低級アルコールが15質量%未満であると、ガスバリア性樹脂組成物を溶解・分散させた塗工液の塗工適性が低下する傾向がある。
そして、ガスバリア性樹脂組成物を溶剤に溶解、分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体溶液に、無機層状化合物(必要により予め水等の分散媒体中に膨潤・へき開させておいてもよい)を添加混合し、無機層状化合物を分散させる方法;水等の分散媒体中に無機層状化合物を膨潤・へき開させた分散液に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(必要により予め溶剤に溶解させておいてもよい)を添加(溶解)する方法等が挙げられる。このとき、エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなるガスバリア性樹脂と無機層状化合物との質量比率が、無機層状化合物の含有量が、ガスバリア性樹脂組成物100質量%に対して0.1〜9.0質量%の範囲となる量で混合する。
これらの混合に際しては通常の攪拌装置や分散装置を利用して、無機層状化合物を均一に分散することができるが、特に透明で安定な無機層状化合物分散液を得るために、高圧分散機を使用することができる。そして、そのために利用する高圧分散機としては、例えば、ゴーリン(APVゴーリン社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、マイクロフルイタイザー(マイクロフライデックス社製)、アルチマイザー(スギノマシン社製)、DeBee(Bee社製)等が挙げられ、これら高圧分散機の圧力条件として100MPa以下で分散処理を行うことが好ましい。圧力条件が100MPaを超えると、無機層状化合物の粉砕が起こり易くなり、目的であるガスバリア性が低下する場合もある。
なお、添加剤の添加は攪拌だけで行えるため、どの時期で添加してもよいが、できるだけ添加剤の影響を抑えるという観点から、最終段階で添加することが好ましい。
塗工の方式は、グラビアコート、バーコート、ダイコート、スプレーコートなど従来の物が塗液の特性に合わせて採用することができる。
ガスバリア性樹脂組成物層の厚み(μm)は好ましくは0.01〜0.70μmであり、より好ましくは0.05〜0.50μmであり、特に好ましくは0.08〜0.30μmである。0.01μm未満であるとレトルト処理後のガスバリア性が低下し、0.70μmを超えるとコート時に乾燥不足が生じて膜が脆くなりレトルト処理後のラミネート強度測定時に凝集破壊が発生しラミネート強度の低下が生じる。
ガスバリア性樹脂組成物層のコート後の乾燥温度は好ましくは100〜200℃であり、より好ましくは130〜200℃であり、さらに好ましくは150〜200℃である。別処理工程での追加の熱処理(150〜200℃)も効果的である。100℃未満であるとコート層の乾燥不足が生じて、コート層の結晶性、架橋が進行せずレトルト処理後のガスバリア性、ラミネート強度が低下する。一方、200℃を超えるとフィルムに熱がかかりすぎてしまいフィルムが脆くなったり、収縮してしまい加工性が悪くなってしまう。
本発明で用いる基材フィルムは、有機高分子樹脂からなり、溶融押出し後、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12などで代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどで代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどで代表されるポリオレフィンの他、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸などを挙げることができる。
また本発明における基材層は、積層型フィルムであってもよい。積層型フィルムとする場合の積層体の種類、積層数、積層方法等は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
また基材フィルムにはシリカなどの他の有機重合体を少量共重合したり、ブレンドしたりしてもよい。基材層の製造方法については、共押出し法、キャスト法など、既存の方法を使用することができる。
本発明における無機薄膜層を形成する材料としては金属薄膜の場合はマグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、インジウムなど薄膜にできるものなら特に制限はないが、コスト等の点で、より好ましくはアルミニウムである。
アンカーコート層に用いる組成物としては、樹脂組成物にウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、チタン系、イソシアネート系、イミン系、ポリブタジエン系などの樹脂を使用することができ、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系など、少なくとも1種類以上の硬化剤を添加して使用することができる。
また、高いバリア性が求められる場合には、本発明のバリア性積層フィルムを2枚以上積層することもできる。また、ガスバリア性樹脂組成物層の上にさらに無機蒸着層を設けたり、さらにその上にガスバリア性樹脂組成物層を設けるなど、交互に積層しても良い。さらには、基材フィルムの両面に無機蒸着層とガスバリア性樹脂組成物層および必要に応じてアンカー層等を設けても良い。
例えば、レトルトパウチ等やレトルト食品の蓋材として用いる場合には、ガスバリア性樹脂組成物層の上にポリエチレンやポリプロピレンなどのヒートシール層を設けることが好ましい。また、ガスバリア性樹脂層とヒートシール層の間に他の樹脂フィルムを積層しても良い。他の樹脂フィルムとしては基材フィルムとして挙げたような樹脂フィルムを用いることができる。これらの積層の際には接着剤を介して積層することができる。
実施例、比較例で得られたガスバリア性積層フィルムのガスバリア性樹脂層の上に、ウレタン系2液硬化型接着剤を用いてドライラミネート法により熱接着性樹脂として厚み70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績株式会社製、P1147)を貼り合わせ、40℃にて4日間エージングして実施例1〜11、比較例1〜6のラミネートガスバリア性積層フィルムを得た。なお、アンカーコート層の厚みは乾燥後0.30μm、ガスバリア性樹脂層の厚みは乾燥後0.25μm、接着層の厚みは乾燥後3μmであった。
上記(1)で作成したラミネートガスバリア性積層フィルムを121℃、30分の熱水処理後、40℃にて1日間乾燥後、JIS K7129 B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W3/33MG MOCOM社製)を用い、温度40℃、湿度100%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。なお、ガスバリア性フィルムへの調湿は、基材層側からガスバリア層側に水蒸気が透過する方向とした。
上記(1)で作成したラミネートガスバリア性積層フィルムを121℃、30分の熱水処理後、40℃にて1日間乾燥後、JIS K7126 B法に準じて、酸素透過度測定装置(OX−TRAN 2/20 MOCOM社製)を用い、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で酸素透過度を測定した。
上記(1)で作成したラミネートガスバリア性積層フィルムを121℃、30分の熱水処理後、ラミネートフィルムを幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、東洋ボールドウイン社製の「テンシロンUMT−II−500型」を用いてラミネート強度測定した。なお、引張速度は200mm/分、ガスバリア性積層フィルム層と無延伸ポリオレフィンフィルム層との層間に水を付けて剥離角度90度で剥離したときの強度を測定した。
以下に実施例、比較例で使用するガスバリア性樹脂組成物層を形成するための塗工液の調製について説明する。
精製水20.996質量部とn−プロピルアルコール(NPA)51質量部の混合溶媒に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノール V2603、日本合成化学社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得られた重合体、エチレン比率26モル%、酢酸ビニル成分のケン化度約100%、以下、EVOHと略記)15質量部を加え、更に濃度が30%の過酸化水素水13質量部とFeSO4の0.004質量部を添加して攪拌下で80℃に加温し、約2時間反応させた。その後冷却してカタラーゼを3000ppmになるように添加し、残存過酸化水素を除去し、これにより固形分15%のほぼ透明なエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液(EVOH溶液)を得た。
精製水40質量%、n−プロピルアルコール(NPA)60質量%からなる混合溶剤(以後、混合溶剤Aと記載)70質量部に、完全けん化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:ゴーセノールNL−05、日本合成化学社製、けん化度99.5%以上)30質量部を加え、溶解させ、これにより固形分30%の透明なポリビニルアルコール溶液を得た。
無機層状化合物であるモンモリロナイト(商品名:クニピアF、クニミネ工業社製)4質量部を精製水96質量部中に攪拌しながら添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定にて充分に分散した。その後、40℃にて1日間保温し固形分4%の無機層状化合物分散液を得た。
<添加剤>
塩酸化ジルコニウム(第一稀元素化学社製、商品名 Zc−20、固形分20%)
チタンラクテート(松本製薬工業社製、商品名 オルガチックス TC−310、固形分約45%)
シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製、商品名:KBE−403、固形分100%)
混合溶剤A62.30質量部に、EVOH溶液を31.75質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.95質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例1のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A65.76質量部に、EVOH溶液を33.00質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液1.24質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97.00質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例2のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A64.00質量部に、EVOH溶液を32.36質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液3.64質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例3のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A66.21質量部に、EVOH溶液を33.17質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液0.62質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例4のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A60.67質量部に、EVOH溶液を31.15質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液8.18質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例5のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A62.30質量部に、EVOH溶液を31.75質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.95質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:)の0.15質量部と、混合溶剤A2.85質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例6のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A62.30質量部に、EVOH溶液を31.75質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.95質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対してチタンラクテートの0.33質量部と、混合溶剤A2.67質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例7のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A59.10質量部に、EVOH溶液を30.58質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液10.32質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例8のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A61.52質量部に、EVOH溶液を32.40質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液6.08質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.25質量部と、混合溶剤A2.75質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例9のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A65.02質量部に、EVOH溶液を29.46質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.52質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの2.50質量部と、混合溶剤A0.50質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の実施例10のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
実施例1で得たものを使用した。
混合溶剤A66.67質量部に、EVOH溶液を33.33質量部添加し、充分に攪拌混合した。更に、この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
この様にして得られた混合液97質量部に対して、塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の比較例3のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A78.17質量部に、ポリビニルアルコール樹脂溶液を15.87質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.95質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の比較例4のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A62.30質量部に、EVOH溶液を31.75質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.95質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の比較例5のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
混合溶剤A56.85質量部に、EVOH溶液を29.76質量部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液13.39質量部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97質量部に対して塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%の比較例6のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系酸化物無機薄膜層(酸化ケイ素/酸化アルミナの比率=60/40)を形成した厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの無機薄膜層上に、ウレタン系の樹脂(三井化学ポリウレタン株式会社製 タケラック A525−S)にイソシアネート系の硬化剤(三井化学ポリウレタン株式会社製 タケラック A−50)を添加し、溶媒に酢酸エチルを用いて、固形分濃度が6.5%になるよう調製し、アンカーコート剤樹脂組成物100質量%に対して、エポキシ系カップリング剤(信越化学工業株式会社製 KBM403)を5質量%添加して得たアンカーコート剤をグラビアロールコート法によって塗布し乾燥させアンカーコート層を形成した。アンカーコート層上に実施例1〜10のガスバリア性樹脂組成物をグラビアロールコート法によって塗布し、160℃で乾燥させガスバリア性樹脂層を形成し、ガスバリア性積層フィルムを作製した。
なお、アンカーコート層の厚みは乾燥後0.30μm、ガスバリア性樹脂層の厚みは乾燥後0.25μmであった。
2元系酸化物無機薄膜層の酸化ケイ素と酸化アルミニウムの比率を50/50に変更したこと以外は、実施例1と同様にガスバリア性積層フィルムを得た。
アンカーコート剤で用いるカップリング剤をイソシアネート系(信越化学工業株式会社製 KBE9007に代えた以外は実施例11と同様にしてガスバリア性積層フィルムを作成した。
アンカーコート剤で用いるカップリング剤をアミン系(信越化学工業株式会社製 KBM603に代えた以外は実施例11と同様にしてガスバリア性積層フィルムを作成した。
アンカーコート剤の樹脂を東洋モートン株式会社製 EL−530A、硬化剤を東洋モートン株式会社製 EL−530Bとし、エポキシ系カップリング剤を信越化学工業株式会社製 KBE403)とした以外は実施例11と同様にしてガスバリア性樹脂フィルムを作成した。
アンカーコート剤のシランカップリング剤を用いなかった以外は実施例11と同様にしてガスバリア性積層フィルムを作成した。
ガスバリア性樹脂層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にガスバリア性積層フィルムを得た。
無機薄膜層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にガスバリア性積層フィルムを得た。
本発明のガスバリア性フィルムは、レトルト用の食品包装に止まらず、各種食品や医薬品、工業製品の包装用途、高温高湿の環境下に置かれたり長期の安定したガスバリア性、耐久性が求められる太陽電池、電子ペーパー、有機EL素子、半導体素子、等の工業用途にも広く用いることができる。
Claims (10)
- プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に無機薄膜層、ガスバリア性樹脂組成物層をこの順に積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、該ガスバリア性樹脂組成物層は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなるガスバリア性樹脂と無機層状化合物と添加剤とからなるガスバリア性樹脂組成物により形成され、該ガスバリア性樹脂組成物中の無機層状化合物の含有量が、ガスバリア性樹脂組成物100質量%に対して0.1〜9.0質量%の範囲であり、かつ、該ガスバリア性樹脂組成物中に、添加剤としてカップリング剤あるいは架橋剤の少なくとも一種を含有していることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
- 無機層状化合物が、スメクタイト粘土鉱物である請求項1記載のガスバリア性積層フィルム。
- 添加剤が有機官能基を少なくとも1種類以上含むシランカップリング剤を少なくとも1種以上含む請求項1〜2のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
- 架橋剤が水素結合性基用架橋剤を少なくとも1種類以上含む請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
- ガスバリア性組成物における添加剤としてのカップリング剤および架橋剤の添加量合計がガスバリア性樹脂組成物100質量%に対して1〜20質量%である請求項1〜4記載のガスバリア性積層フィルム。
- 無機薄膜層として、無機酸化物を少なくとも1種類以上含有する請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
- 無機薄膜層が酸化ケイ素・酸化アルミニウム二元系無機酸化物薄膜である請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
- 無機薄膜層とガスバリア性樹脂層間にアンカーコート層を積層してなる請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
- アンカーコート層に、有機官能基を少なくとも1種類以上含むシランカップリング剤を、少なくとも1種類以上含有している請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
- アンカーコート層に添加されるシランカップリング剤の添加量がアンカーコート剤樹脂組成物100質量%に対して0.1〜10質量%である請求項9記載のガスバリア性積層フィルム。
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