JP5427051B2 - エンジンのバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのクランク角に対するカム角の回転位相を油圧によって進角又は遅角させる可変バルブタイミング機構を有するエンジンのバルブタイミング制御装置に関する。
近年、エンジンのクランク軸とカム軸との間の回転位相を可変する可変バルブタイミング機構システムを備えたエンジンが実用化されており、エンジン運転状態に応じて吸気弁と排気弁との少なくとも一方のバルブタイミングを連続的に変更することができる。
このような可変バルブタイミング機構は、特許文献1に開示されているように、油圧によって駆動される油圧駆動式が一般的である。この油圧駆動式の可変バルブタイミング機構は、吸気カムプーリに一体回転可能に連結されるハウジング内に、吸気カム軸の先端部に取り付けられたロータを回転自在に収納し、このロータに設けられたベーンによって区画される進角室及び遅角室に供給する油圧を油圧制御弁を介して制御することでロータを相対回転させ、吸気カムプーリに対する吸気カム軸の相対回転位相を調整してバルブタイミングを変更する。
特開2005−2992号公報
特許文献1に開示されているように、進角側と遅角側とにそれぞれ油圧を供給してカム位置を決める型式の可変バルブタイミング機構では、現状の角度を保持するための制御点(保持点)が存在する。この保持点は、具体的には、可変バルブタイミング機構の進角速度が0となるときの油圧制御弁に対する制御量であり、温度による影響(エンジンの熱膨張等)や可変バルブタイミング機構の個体差等等の外部要因によって多少変化する。
このため、従来は、バルブタイミング制御中にカム角度が安定している制御点を保持点として学習し、温度による影響や可変バルブタイミング機構の個体差等による実バルブタイミングとのずれを防止するようにしている。
しかしながら、保持点を学習する際、最遅角位置或いは最進角位置のように可変バルブタイミング機構のハウジングとベーンが接触しているような状況では、ベーンがハウジングに押し当てられて角度が安定しているのか、保持点への制御が正しく動作して角度が安定しているのかの判別が困難である。このため、最遅角位置近傍或いは最進角位置近傍で保持点を学習した場合、誤学習を生じ、次回制御時の制御量が不適切なものとなって応答性が劣化する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、可変バルブタイミング機構の最遅角位置近傍或いは最進角位置近傍における保持点の誤学習を防止することのできるエンジンのバルブタイミング制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるエンジンのバルブタイミング制御装置は、エンジンのクランク角に対するカム角の回転位相を油圧によって進角又は遅角させる可変バルブタイミング機構を備えたエンジンのバルブタイミング制御装置であって、上記可変バルブタイミング機構の進角量を一定に保持するための保持点を、最遅角位置近傍範囲と通常範囲と最進角位置近傍範囲とに区分して学習する保持点学習部と、上記最遅角位置近傍範囲の学習範囲と上記最進角位置近傍範囲の学習範囲とを、上記通常範囲の学習で取得した保持点を基準として制限する学習範囲制限部と、上記保持点の学習値の進角側上限値或いは遅角側下限値への張り付きを監視し、学習値が進角側上限値に張り付いたと判定した場合、進角側の制御範囲を設定値だけ遅角側にシフトさせて上記可変バルブタイミング機構の可動部の機械的接触による騒音発生を防止する方向に制限する一方、学習値が遅角側下限値に張り付いたと判定した場合には、遅角側の制御範囲を設定値だけ進角側にシフトさせて上記可変バルブタイミング機構の可動部の機械的接触による騒音発生を防止する方向に制限する制御範囲制限部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、可変バルブタイミング機構の最遅角位置近傍或いは最進角位置近傍における保持点の誤学習を防止することができ、常に最適なバルブタイミング制御を行うことが可能となる。
可変バルブタイミング機構付エンジンの全体構成図 可変バルブタイミング機構の概略構成を示す説明図 学習制御のメイン処理を示すフローチャート 保持点学習処理のフローチャート 学習値上限張り付き判定処理のフローチャート 学習値下限張り付き判定処理のフローチャート
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は、可変バルブタイミング機構付きエンジン(以下、単に「エンジン」と略記する)である。図1においては、エンジン1は、シリンダブロック1aがクランク軸1bを中心として左右2つのバンク(図の右側が左バンク、左側が右バンク)の気筒群に分割される水平対向型エンジンを示している。
先ず、エンジン1の吸排気系について説明する。エンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられている。シリンダヘッド2の各吸気ポートには、インテークマニホルド3が連通され、このインテークマニホルド3の各気筒の吸気ポート直上流に、インジェクタ11が配設されている。尚、シリンダヘッド2の各気筒毎には、放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ12が配設されている。
インテークマニホルド3は、各気筒の吸気通路が集合するエアチャンバ4を介してスロットルチャンバ5に連通されている。スロットルチャンバ5には、スロットルアクチュエータ10によって駆動されるスロットルバルブ5aが介装されている。更に、スロットルチャンバ5の上流には、吸気管6を介してエアクリーナ7が取り付けられ、このエアクリーナ7に接続されるエアインテーク通路にチャンバ8が連通されている。
一方、シリンダヘッド2の各排気ポートには、エキゾーストマニホルド14が連通され、このエキゾーストマニホルド14の集合部に排気管15が連通されている。排気管15には触媒コンバータ16が介装され、マフラ17に連通されている。
次に、エンジン1の動弁系について説明する。エンジン1の左右バンクの各シリンダヘッド2内には、それぞれ吸気カム軸19、排気カム軸20が配設され、各カム軸19,20にクランク軸1bの回転が伝達される。このクランク軸1bの吸気カム軸19、排気カム軸20への回転の伝達は、クランク軸1bに固設されたクランクプーリ21、タイミングベルト22、吸気カム軸19に介装された吸気カムプーリ23、排気カム軸20に固設された排気カムプーリ24等を介して行われる。そして、吸気カム軸19に設けられた吸気カム、及び排気カム軸20に設けられた排気カムにより、それぞれクランク軸1bと2対1の回転角度に維持される各カム軸19,20の回転に基づいて、吸気弁25、排気弁26が開閉駆動される。
また、左右バンクの各動弁系には、吸気カム軸19のクランク軸1bに対する回転位相(変位角)を連続的に変更する油圧駆動式の可変バルブタイミング機構27inと、排気カム軸20のクランク軸1bに対する回転位相を連続的に変更する油圧駆動式の可変バルブタイミング機構27exとが設けられている。
尚、本実施の形態においては、エンジン1は、吸気側と排気側とにそれぞれ可変バルブタイミング機構27in,27exを備えているが、本発明は、これに限定されるものではなく、吸気側と排気側との何れか一方に可変バルブタイミング機構を備えるエンジンにも適用される。
吸気側の可変バルブタイミング機構27inは、吸気カム軸19と吸気カムプーリ23との間に設けられ、カム角制御弁28inによって制御される油圧により吸気カムプーリ23と吸気カム軸19とを相対回転させる。一方、排気側の可変バルブタイミング機構27exは、排気カム軸20と排気カムプーリ24との間に設けられ、カム角制御弁28inによって制御される油圧により排気カムプーリ24と排気カム軸20とを相対回転させる。
吸気側の可変バルブタイミング機構27in,排気側の可変バルブタイミング機構27exは、同様の構成であり、吸気側の可変バルブタイミング機構27inで代表して説明すると、可変バルブタイミング機構27inは、概略的には、図2に示すように、吸気カムプーリ23に一体回転可能に連結されるハウジング50内に、吸気カム軸19の先端部に取り付けられたロータ51を収納して構成されている。このロータ51を油圧によって相対回転させることで、吸気カムプーリ23に対する吸気カム軸19の相対回転位相を変更し、吸気弁25のバルブタイミングを変更する。
具体的には、ハウジング50に形成される扇状空間部に、ロータ51に設けられたベーン51aが回動自在に収納されている。各扇状空間部は、ベーン51aによって進角室(進角作動の油圧室)52aと遅角室(遅角作動の油圧室)52bとに区画され、それぞれ、進角用油圧通路53、遅角用油圧通路54を介してカム角制御弁28inに接続されている。
カム角制御弁28inは、オイルパン1cからエンジン駆動式オイルポンプ(図示せず)及びチェックバルブ55を介して油圧を供給するメイン油圧通路56のポート、進角用油圧通路53,遅角用油圧通路54の各ポート、後述するドレイン通路57のポート等を切り換える制御弁であり、可動子60aを有する電磁ソレノイド60と、この電磁ソレノイド60により進退駆動されて各ポートを開閉するスプール弁61とで構成されている。
スプール弁61は、ロータ51の中央部に配設されたスリーブ62内に、各ポートを切り換えるスプール63と、このスプール63を電磁ソレノイド60の可動子60aに当接する方向に付勢するスプリング64とを収容して構成されている。排気側のカム角制御弁28exも同様である。
カム角制御弁28in,28exは、マイクロコンピュータ等からなる電子制御装置(以下、「ECU」と略記する)100によってデューティ制御され、電磁ソレノイド60の可動子60aを介してスプール弁61のスプール63を進退駆動することにより、各ポートが切り換えられる。すなわち、デューティ制御のデューティ比に応じて電磁ソレノイド60の通電電流が増減され、電磁ソレノイド60の可動子60aを介してスプール弁61のスプール63が軸方向に移動すると、メイン油圧通路56、進角用油圧通路53、遅角用油圧通路54の各ポートが切換えられ、オイルの流れ方向が切り換えられると共にパッセージの開度が調整される。その結果、進角室52a、遅角室52bに供給される油圧の大きさが調整され、吸気弁25や排気弁26の開閉タイミングが進角或いは遅角側に制御される。
また、可変バルブタイミング機構27in,27exには、エンジンの始動時等、油圧の低い状態においてバルブタイミングを所定のタイミングに固定すべく、カム軸の回転位相を所定のタイミングに対応する位相にてロックするロック機構70が設けられている。このロック機構70は、ハウジング50に設けられたロック孔50aと、このロック孔50aへ没入可能に配設されるロックピン71とを主として構成されている。
ロックピン71は、スプリング72によってロック孔50a方向に付勢された状態で、ロータ51に形成されたロックピン孔51bに収納されている。ロックピン穴51bはロック孔50aと対向した状態において、ロックピン71が摺動可能なシリンダを形成している。ここで、ロック孔50aはロックピン71に油圧を印加してロックピン71のロック孔50aへの係合を解除するためのアンロック用油圧室を兼ねている。そしてロック孔50aは油圧回路74を介して、スプール弁61に連結されている。
カム角制御弁28in(28ex)によって油圧回路74がドレイン通路57に連通され、ロック孔50aの油圧が所定以下の状態では、ロックピン71がスプリング72の付勢力によってロック孔50aに挿入され、ハウジング50に対するロータ51の相対回転が機械的にロックされる。本実施の形態においては、最遅角位置と最進角位置との中間の位置にロックされるよう、ロックピン71とロック孔50aとの係合位置が設定されている。 一方、油圧回路74がメイン油圧通路56に連通され、ドレイン通路57が閉じられると、メイン油圧通路56から油圧通路74を介してロック孔50aに所定の油圧が印加される。この油圧により、スプリング72の付勢力に抗してロックピン71がロック孔50aから係脱され、ロックが解除される(アンロック)。
次に、エンジン1の状態を検出するためのセンサ類について説明する。スロットルチャンバ5のスロットルバルブ5aには、スロットルバルブ5aの開度を検出するスロットルセンサ30が介装され、吸気管6のエアクリーナ7の直下流には、吸入空気量センサ31が介装されている。一方、排気管15の触媒コンバータ16の上下流側には、空燃比センサ32,33がそれぞれ配設されている。
また、シリンダブロック1aのクランク軸1bに軸着するクランクロータ34の外周に、クランク角センサ35が対設され、シリンダブロック1aの左右両バンクを連通する冷却水通路36に水温センサ37が臨まされると共に、シリンダブロック1a下部のオイルパン1cに油温センサ29が臨まされている。更に、シリンダブロック1aには、左バンク或いは左バンクで発生するノッキングによってシリンダブロック1aに伝わる振動を検出するピエゾ式センサ等からなるノックセンサ38が配設されている。
また、吸気側の可変バルブタイミング機構27inの作動位置を検出するためのセンサとして、吸気カム軸19の後端に固設されたカムロータ39の外周に、吸気カム位置検出用のカム位置センサ40が対設されている。更に、排気側の可変バルブタイミング機構27exの作動位置を検出するためのセンサとして、排気カム軸20の後端に固設されたカムロータ41の外周に、排気カム位置検出用のカム位置センサ42が対設されている。
以上の各センサ類の出力信号は、ECU100に入力されて処理され、エンジン運転状態が検出される。ECU100は、予め内部に格納されている制御プログラムに従って、各センサ類・スイッチ類等からの信号を処理し、前述のインジェクタ11、スロットルアクチュエータ10、吸気側の可変バルブタイミング機構27inのカム角制御弁28in、排気側の可変バルブタイミング機構27exのカム角制御弁28ex等に対する制御量を演算し、燃料噴射制御、点火時期制御、スロットル制御、バルブタイミング制御等のエンジン制御を行う。
ここで、バルブタイミング制御においては、エンジン運転状態、例えばエンジン負荷とエンジン回転数とに基づいて、吸気カム軸19及び排気カム軸20の回転位相の各制御目標値である目標バルブタイミングを設定すると共に、クランク角センサ35から出力されるクランク角を表すクランクパルスとカム位置センサ40,42から出力されるカム位置を表すカム位置パルスとから、クランク軸1bの実際の回転角と吸気カム軸19,排気カム軸20の実際の回転角との位相差である実バルブタイミングを算出する。そして、実バルブタイミングが目標バルブタイミングに収束するよう、カム角制御弁28in,28exをデューティ制御により駆動し、可変バルブタイミング機構27in,27exをフィードバック制御する。
また、ECU100は、バルブタイミング制御において現在角度を保持するための保持点の学習を実施する。保持点の学習は、具体的には、カム角制御弁28in,28exに与えるデューティ比や電流値等の制御量に対する学習である。例えば、目標進角値VTTGTと実進角値VTとの偏差に基づくフィードバック制御では、比例微分制御等による偏差のフィードバック電流値に、保持電流値を加算した値をカム角制御弁28in,28exの制御電流値として、この制御電流値を与えるデューティ比を決定する。
保持電流値は、カム角制御弁28in,28exのスプール63を、ベーン51aが進角側にも遅角側にも変位しない移動速度0の点に維持するための電流値、換言すれば、所定の目標バルブタイミングに収束した定常状態に保持するための電流値である。この保持電流値を与える制御点は、フィードバック制御における保持点として個別の可変バルブタイミング機構毎に学習される。
このような保持点の学習においては、最遅角位置近傍や最進角位置近傍で学習を行うと、最遅角位置或いは最進角位置でカム角度が安定しているのか、保持点への制御が正しく動作してカム角度が安定しているのかの判別が困難であり、誤学習が生じる虞がある。
このため、ECU100は、保持点学習部としての機能により、保持点の学習範囲を「通常範囲」、「最遅角位置近傍範囲」、「最進角位置近傍範囲」に区分して学習を実施し、学習範囲制限部としての機能により、最遅角位置近傍範囲の学習範囲と最進角位置近傍範囲の学習範囲とを、通常範囲の学習で取得した保持点を基準として制限することで、誤学習を防止する。
この場合、最遅角近傍範囲或いは最進角近傍範囲の学習範囲を制限することで誤学習は防止できるが、最遅角近傍範囲或いは最進角近傍範囲の学習では、学習中に最遅角位置や最進角位置のように可変バルブタイミング機構27in,27exのハウジング50とベーン51aが接触するような制御状態となる可能性がある。このため、ハウジング50とベーン51aの材質によっては、ハウジング50とベーン51aとの接触による騒音が発生する虞がある。
従って、ECU100は、更に、制御範囲制限部としての機能により、学習値の進角側上限値或いは遅角側下限値への張り付きを監視することで、ベーン51aとハウジング50とが接触するか否かを推定する。そして、学習値が進角側上限値或いは遅角側下限値へ張り付いたと判定した場合、ベーン51aとハウジング50とが接触する可能性があると判断し、現在の制御範囲を可変バルブタイミング機構の可動部が接触しない方向に制限することで、騒音の発生を抑制する。
具体的には、以上の保持点学習に係るECU100の機能は、図3〜図6のフローチャートに示すプログラム処理によって実現される。以下、このプログラム処理について説明する。
図3のフローチャートは、学習制御のメイン処理を示し、このメイン処理では、最初のステップS1,S2において、保持点の学習範囲を、最遅角位置近傍の範囲、通常範囲、最進角位置近傍の範囲に区分するための判断を行う。具体的には、先ずステップS1で現在の進角値(カム角)VTが進角側の設定値A1(絶対値)未満か否かを調べる。設定値A1は、現在の進角値が最進角位置近傍であるか否かを判定するための閾値である。
その結果、ステップS1において、VT≧A1の場合にはステップS13〜S19の最進角位置近傍の処理を実施し、VT<A1の場合、更にステップS2で進角値VTが設定値A2(絶対値)より大きいか否かを調べる。設定値A2は、現在の進角値が最遅角位置近傍であるか否かを判定するための閾値であり、VT≦A2の場合、ステップS23〜S29の最遅角位置近傍の処理を実施し、VT>A2の場合、ステップS3〜S6の通常範囲の処理を実施する。
先ず、ステップS3〜S6の通常範囲の処理について説明する。この通常範囲の処理では、予め規定された範囲内で学習を実施するため、ステップS3で学習上限値Lmaxとして設定値(絶対値)A3をセットし、ステップS4で学習下限値Lminとして設定値(絶対値)A4をセットしてステップS5へ進む。ここで、各設定値A3,A4は、全体の学習可能範囲を規定するものであり、最遅角位置近傍或いは最進角位置近傍での学習では、これらの値を超えて学習することはできない。
ステップS5では、先に設定した学習上限値Lmaxと学習下限値Lminとの範囲内で、後述する図4のフローチャートに示す保持点学習処理を実施する。そして、ステップS6で、保持点学習処理によって得られた学習値(保持点学習値)Lhを、進角側或いは遅角側の領域での学習の基準となる学習基準値Lrefとして保存し(Lref←Lh)、本処理を抜ける。
次に、ステップS13〜S19の最進角位置近傍範囲での学習処理について説明する。この最進角位置近傍範囲の学習処理では、先ずステップS13で、学習基準値Lrefに設定値αを加算した値を設定値A3と比較し、そのうちの小さい方の値を学習上限値Lmaxとする(Lmax←min(Lref+α,A3))。次に、ステップS14へ進み、学習基準値Lrefから設定値βを減算した値を、学習下限値Lminとする(Lmmin←Lref−β)。設定値αは誤学習の可能性のある範囲、設定値βは誤学習し得ない範囲を規定するものであり、進角側では進角量が大きくなる方向で誤学習が起こり易いため、ここでの処理では、学習の上限値をLref+αとA3とを比較して小さい方の値に設定する。
次に、ステップS15へ進み、進角側に設定した学習上限値Lmaxと学習下限値Lminとによって制限される範囲内で保持点学習処理を実施し、ステップS16で学習値が上限値に張り付いているか否かを判定する図5の学習値上限張り付き判定処理を実行する。図4の保持点学習処理及び図5の学習値上限張り付き判定処理については後述する。
その後、ステップS17へ進み、学習値が上限値或いは下限値に張り付いていることを示す学習値張り付きフラグFの値を参照する。学習値張り付きフラグFは、F=1のとき学習値が張り付いていることを示しており、最進角側の処理では、F=1で学習値が上限値に張り付いていることを示している。
ステップS17において、F=0で学習値が上限値に張り付いていない場合には本処理を抜け、F=1で学習値が上限値に張り付いている場合、ステップS18へ進んで進角側の制御範囲を制限する。そして、ステップS19で保持点学習値Lhを学習基準値Lrefに戻して(Lh←Lref)本処理を抜ける。
本来、バルブタイミングの制御範囲は、可変バルブタイミング機構の物理的な可動範囲よりも狭く設定されているが、構成部品の個体差や角度算出基準の誤差等により、通常の制御範囲のままであると、ハウジング50とベーン51とが接触して騒音が発生する可能性がある。従って、予め可変バルブタイミング機構の構成部品の個体差や角度算出基準の誤差等を考慮して決定した設定値θだけ本来の制御範囲よりも遅角側にシフトさせ、可変バルブタイミング機構の可動部の機械的接触(ハウジング50とベーン51aとの接触)による騒音発生を防止する。
次に、ステップS23〜S29の最遅角側の学習処理について説明する。先ず、ステップS23において、学習基準値Lrefに設定値βを加算した値を学習上限値Lmaxとする(Lmax←Lref+β)。更に、ステップS24で、学習基準値Lrefから設定値αを減算した値と設定値A4とを比較し、大きい方の値を、学習下限値Lminとする(Lmin←max(Lref−α,A4))。遅角側での学習では、進角側の学習とは逆に、進角量が小さくなる方向で誤学習が起こり易いため、学習の下限値をLref−αとA4とのうちの大きい方の値に設定する。
そして、ステップS25において、遅角側に設定した学習上限値Lmaxと学習下限値Lminとによって制限される範囲内で保持点学習処理を実施し、ステップS26で学習値が下限値に張り付いているか否かを判定する図6の学習値下限張り付き判定処理を実行する。学習値下限張り付き判定処理については、学習値上限張り付き判定処理と共に後述する。
次に、ステップS27へ進み、学習値張り付きフラグFの値を参照する。この遅角位置近傍の処理では、F=1で学習値が下限値に張り付いていることを示し、F=0の場合(学習値が下限値に張り付いていない場合)には本処理を抜け、F=1の場合(学習値が下限値に張り付いている場合)、ステップS28で遅角側の制御範囲を設定値θだけ進角側にシフトさせることで、可変バルブタイミング機構の可動部の機械的接触による騒音発生を防止する。その後、ステップS29で保持点学習値Lhを学習基準値Lrefに戻し(Lh←Lref)、本処理を抜ける。
次に、図4の保持点学習処理について説明する。この保持点学習処理では、最初のステップS501において、目標進角値VTTGTと実進角値VTの偏差が設定値A5未満か否か、すなわち実進角値VTが目標進角値VTTGTに対して一定の範囲内に収束している状態であるか否かを調べる。その結果、|VTTGT−VT|≧A5の場合には、学習に適した状態でないと判断して学習を実施することなく本処理を抜け、|VTTGT−VT|<A5の場合、ステップS502へ進んで目標進角値VTTGTが変化しているか否かを調べる。
その結果、ステップS502において、目標進角値VTTGTが変化している場合には、制御状態が未だ安定していないと判断して本処理を抜ける。一方、ステップS502において、目標進角値VTTGTが変化していない場合には、制御状態が安定していると判断し、ステップS503へ進んで、現在の制御量VVTが学習上限値Lmax以下か否かを調べる。
その結果、ステップS503においてVVT>Lmaxの場合、ステップS506で保持点学習値Lhを学習上限値Lmaxで制限し(Lh←Lmax)、本処理を抜ける。一方、ステップS503においてVVT≦Lmaxの場合には、更にステップS504で制御量VVTが学習下限値Lmin以上か否かを調べる。その結果、VVT≧Lminの場合、ステップS505で現在の制御量VVTを保持点学習値Lhとして保持し(Lh←VVT)、VVT<Lminの場合、ステップS507で保持点学習値Lhを学習下限値Lminで制限し(Lh←Lmin)、本処理を抜ける。
次に、図5の学習値上限張り付き判定処理、図6の学習値下限張り付き判定処理について説明する。学習値の上限値或いは下限値への張り付きは、学習値が上限値或いは下限値となっている状態の継続時間で判定し、その判定結果に応じて学習値張り付きフラグFをセット/クリアする。
先ず、図5の学習値上限張り付き判定処理では、最初のステップS601で現在の学習値Lが学習上限値Lmaxに達しているか否かを調べる。その結果、L=Lmaxの場合、ステップS602で学習値Lが学習上限値Lmaxとなっている状態の継続時間を計時するためのカウンタCTをカウントアップ(CT←CT+1)してステップS603へ進み、L≠Lmaxの場合、ステップS605でカウンタCTをクリア(CT←0)してステップS603へ進む。
ステップS603では、カウンタCTが設定値C1に達したか否かを調べることにより、学習値の張り付き判定を行う。そして、CT≧C1の場合、学習値が上限値に張り付いていると判定し、ステップS604で学習値張り付きフラグFをセット(F←1)して本処理を抜ける。一方、CT<C1の場合には、ステップS606で学習値張り付きフラグFをクリア(F←0)して本処理を抜ける。
図6の学習値下限張り付き判定処理も同様であり、図5の学習値上限張り付き判定処理に対して、ステップS601に代えてステップS601’で現在の学習値Lが学習下限値Lminに達しているか否かを調べる。そして、ステップS603でCT≧C1の場合、学習値が下限値に張り付いていると判定する。
以上のように、本実施の形態においては、最遅角位置近傍或いは最進角位置近傍における保持点の学習に際して、通常範囲の学習で取得した学習基準値に基づいて学習範囲を制限し、誤学習を防止する。これにより、常に最適なバルブタイミング制御を辞することが可能となり、制御応答性の向上を図ることができる。
また、学習値が最遅角側の下限値或いは最進角側の上限値に張り付いてしまったと判定差される場合には、現在の制御範囲を可変バルブタイミング機構の可動部が接触しない方向に制限するため、可動部の機械的接触による騒音発生を未然に回避することができ、運転者に不快感を与えることがない。
1 エンジン
1b クランク軸
19 吸気カム軸
20 排気カム軸
27in,27ex 可変バルブタイミング機構
28in,28ex カム角制御弁
100 電子制御装置(保持点学習部、学習範囲制限部、制御範囲制限部)

Claims (1)

  1. エンジンのクランク角に対するカム角の回転位相を油圧によって進角又は遅角させる可変バルブタイミング機構を備えたエンジンのバルブタイミング制御装置であって、
    上記可変バルブタイミング機構の進角量を一定に保持するための保持点を、最遅角位置近傍範囲と通常範囲と最進角位置近傍範囲とに区分して学習する保持点学習部と、
    上記最遅角位置近傍範囲の学習範囲と上記最進角位置近傍範囲の学習範囲とを、上記通常範囲の学習で取得した保持点を基準として制限する学習範囲制限部と
    上記保持点の学習値の進角側上限値或いは遅角側下限値への張り付きを監視し、学習値が進角側上限値に張り付いたと判定した場合、進角側の制御範囲を設定値だけ遅角側にシフトさせて上記可変バルブタイミング機構の可動部の機械的接触による騒音発生を防止する方向に制限する一方、学習値が遅角側下限値に張り付いたと判定した場合には、遅角側の制御範囲を設定値だけ進角側にシフトさせて上記可変バルブタイミング機構の可動部の機械的接触による騒音発生を防止する方向に制限する制御範囲制限部と
    を備えたことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装置。
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