以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、ファックス送信方法、およびファックス送信プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態においては、本発明における画像処理装置を、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を一つの筺体に収納した複合機(MFP:Multi Functional Peripherals)に適用した例を示すが、これに限定されることなく、アプリケーションをインストール可能なファクシミリ装置、スキャナ装置等の画像処理装置であれば本発明を適用することができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる遠隔管理システムの構成を示す概要図である。図1に示すように、遠隔管理システムは、アプリダウンロードサーバ400と、ライセンス管理サーバ300と、複数の複合機100a、100b、100c(以下、特定しない複合機を単に複合機100と称する。)が、インターネットなどのネットワーク80を介して接続されている。そして、ネットワーク80と複数の複合機100との間には、ファイアウォール90が設けられている。
ファイアウォール90は、公衆回線やインターネットなどの外部ネットワークを通じて遠隔管理システムに侵入した第三者により不正が行われないように、外部との境界を流れるデータを監視し、不正なアクセスを検出・遮断する。
複合機100は、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を備えた装置であって、LAN(Local Area Network)などのローカルネットワークにより相互に接続されている。本実施の形態の遠隔管理システムでは、3台の複合機100a、100b、100cが接続されているが、これに限定されることなく、1台、2台、または4台以上の複合機を接続した構成としてもよい。
アプリダウンロードサーバ400は、複合機100において利用されるアプリケーションを保持しており、該アプリケーションを、複合機100に提供する装置である。
ライセンス管理サーバ300は、アプリダウンロードサーバ400から提供され、複合機100にインストールされるアプリケーションのライセンス(利用権)を管理する装置である。
本実施例の遠隔管理システムは、遠隔管理を実現するため、各装置に、RPC(Remote Procedure Call)により、相互実装するアプリケーションのメソッドに対する処理の要求、応答を送受信する機能を有しており、また、RPCを実現するために、SOAP(Simple Object Access Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)等のプロトコルを利用することができる。
次に、ライセンス管理サーバ300のシステム構成について説明する。図2は、ライセンス管理サーバ300のシステム構成図である。図2に示すように、ライセンス管理サーバ300は、複合機100とネットワーク80を介してデータを送受信する。
ライセンス管理サーバ300は、ライセンス情報が登録されているデータベースを備え、複合機100は、プロダクトキーを含むプロダクト情報を保持している。そして、ライセンス管理サーバ300は、複合機100からプロダクトキーを受信すると、該プロダクトキーをもとに、データベースに登録されているライセンス情報を検索し、プロダクトキーが一致するライセンス情報を取得する。ライセンス管理サーバ300は、プロダクトキーが一致するライセンス情報を取得すると、一致したライセンス情報を複合機100に送信する。なお、現在時刻において、ライセンスの有効期限が超過している場合は、該ライセンスのアプリケーションは無効化される。
次に、ライセンス情報とプロダクト情報の構成について説明する。図3は、ライセンス情報とプロダクト情報の構成例を示す図である。図3に示すように、ライセンス情報は、個々のライセンス情報の識別子となるライセンスID、プロダクトの識別子となるプロダクトID、ライセンスの有効期限を示す有効期限より構成されている。また、プロダクト情報は、個々のアプリケーションを識別するためのプロダクトIDより構成されている。
次に、複合機100について説明する。図4は、実施の形態1にかかる複合機のハードウェア構成図である。図4に示すように、複合機100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)110とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM12aと、RAM12bと、をさらに有する。
CPU11は、複合機100の全体制御を行うものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD110およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD213は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
図5は、実施の形態1にかかる複合機のソフトウェア構成図である。図5に示すように、複合機100は、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101と、カラーレーザプリンタ(Color LP)102と、HDD213と、スキャナ、ファクシミリ、メモリなどのハードウェアリソース104、ネットワークインターフェース(I/F)105を有するとともに、プラットホーム120と、アプリケーション130とから構成されるソフトウェア群110とを備えている。
プラットホーム120は、アプリケーションからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)123と、汎用OS121とを有する。
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)122と、ECS(エンジンコントロールサービス)124と、MCS(メモリコントロールサービス)125と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)126と、FCS(ファックスコントロールサービス)127と、NCS(ネットワークコントロールサービス)128と、NRS(ニューリモートサービス)129と、アプリインストール制御サービス131と、から構成される。このプラットホーム120は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション130から処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)を有する。
汎用OS121は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム120並びにアプリケーション130の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
SRM123のプロセスは、SCS122とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM123のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
具体的には、このSRM123は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM123は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
SCS122のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを行う。
ECS124のプロセスは、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101、カラーレーザプリンタ(Color LP)102、スキャナ、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース104のエンジンの制御を行う。
MCS125のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。
FCS127のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。
NCS128のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信したりする際の仲介を行う。
本実施の形態では、NCS128のプロセスは、アプリケーションおよびライセンス情報とともに、インストール要求やアンインストール要求を受信する。また、NCS128のプロセスは、インストール要求に基づくプリケーションのインストールが成功した場合は、仲介装置200にインストール完了情報を通知する。一方、インストール要求に基づくアプリケーションのインストールが失敗した場合は、仲介装置200にインストール未完了情報を通知する。また、NCS128のプロセスは、アンインストール要求に基づくアプリケーションのアンインストールが成功した場合は、仲介装置200にアンインストール完了情報を通知する。一方、アンインストール要求に基づくアプリケーションのアンインストールが失敗した場合は、仲介装置200にアンインストール未完了情報を通知する。
OCS126のプロセスは、オペレータ(利用者)と本体制御間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)の制御を行う。OCS126は、オペレーションパネルからキー押下(またはタッチ操作)をキーイベントとして取得し、取得したキーに対応したキーイベント関数をSCS122に送信するOCSプロセスの部分と、アプリケーション130またはコントロールサービスからの要求によりオペレーションパネルに各種画面を描画出力する描画関数やその他オペレーションパネルに対する制御を行う関数などがあらかじめ登録されたOCSライブラリの部分とから構成される。このOCSライブラリは、アプリケーション130およびコントロールサービスの各モジュールにリンクされて実装されている。なお、OCS126のすべてをプロセスとして動作させるように構成しても良く、あるいはOCS126のすべてをOCSライブラリとして構成しても良い。
アプリインストール制御サービス131は、NCS128のプロセスにより受信したインストール要求に基づいて、受信したアプリケーションおよびライセンス情報により、アプリケーションのインストール処理を行う。また、アプリインストール制御サービス131は、NCS128のプロセスにより受信したアンインストール要求に基づいて、受信したライセンス情報により、アプリケーションのアンインストール処理を行う。
NRS129のプロセスは、ネットワークを介してデータを送受信する際のデータの変換を行う等のネットワークを介した機器遠隔管理に関する機能及びスケジューラ機能を有している。
アプリケーション130は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ112と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ114と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ115と、工程検査用アプリケーションである工程検査アプリ116と、インターネットに接続されたPC等のクライアント端末に対してWEBサーバ(httpサーバ)として動作し、クライアント端末上で動作するWEBブラウザに各種画面を表示するWEBアプリ117とを有している。
アプリケーション130の各プロセス、コントロールサービスの各プロセスは、関数呼び出しとその戻り値送信およびメッセージの送受信によってプロセス間通信を行いながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを実現している。
このように、実施の形態1にかかる複合機100には、複数のアプリケーション130および複数のコントロールサービスが存在し、いずれもプロセスとして動作している。そして、これらの各プロセス内部には、一または複数のスレッドが生成されて、スレッド単位の並列実行が行われる。そして、コントロールサービスがアプリケーション130に対し共通サービスを提供しており、このため、これらの多数のプロセスが並列動作、およびスレッドの並列動作を行って互いにプロセス間通信を行って協調動作をしながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを提供するようになっている。
また、複合機100には、複合機100の顧客、サードベンダなどの第三者がコントロールサービス層の上のアプリケーション層に外部アプリ172を開発して搭載することが可能となっている。この外部アプリ172は、仲介装置200から受信したアプリケーションであり、アプリインストール制御サービス131によりインストールされる。
なお、実施の形態1にかかる複合機100では、複数のアプリケーション130のプロセスと複数のコントロールサービスのプロセスとが動作しているが、アプリケーション130とコントロールサービスのプロセスがそれぞれ単一の構成とすることも可能である。また、各アプリケーション130は、アプリケーションごとに追加または削除することができる。すなわち、上述したように、外部アプリ172をインストール可能であり、かつアンインストールも可能となっている。
次に、複合機100の機能構成について説明する。図6は、複合機100の機能構成図である。図6に示すように、複合機100は、入力制御部201と、画像読取部202と、現在時刻取得部203と、指定時刻取得部204と、差分時間算出部205と、宛先数カウント部206と、表示制御部207と、通信部208と、送信可能画像数算出部209と、通信時間記録部210と、通信時間テーブル作成部211と、送信制御部212と、HDD213とを主に備え、操作表示部220、およびスキャナ部230と接続されている。
HDD213は、通信時間テーブル、保管文書、通信時間、送信履歴その他各種情報を記憶する。ここで、通信時間テーブルとは、ファックス送信において、複合機100aが他の複合機100bと通信する時間のことである。また、通信時間は、ファックス送信の際に、他の複合機100との通信時間であって、ファックス送信における複数の処理ごとに要した通信時間が記憶される。また、送信履歴とは、ファックス送信した宛先に送信日時および送信枚数が対応付けられた履歴のことである。また、保管文書とは、すでに入力制御部201が入力を受け付けた文書ファイル、または画像読取部202により読み取られた文書であって、画像データとして保管している文書のことである。
入力制御部201は、操作表示部220からユーザにより入力された各種入力情報を受け付け、入力情報の種類に応じて、入力情報を各部へ渡す。例えば、ファックス送信の宛先の入力を受け付けた場合は、該入力情報を宛先数カウント部206に渡す。また、ファックス送信を完了する時刻として指定される指定時刻の入力を受け付けた場合は、該入力情報を指定時刻取得部204に渡す。また、ファックス送信の送信文書として、保管文書の入力を受け付けた場合は、入力を受け付けた保管文書を画像読取部202、および送信画像数算出部209に渡す。
表示制御部207は、各種情報を操作表示部220に視認可能な状態で表示する。画像読取部202は、スキャナ部230から原稿画像を読み取って、画像データを取得する。
送信制御部212は、画像読取部202により読み取って、取得された画像データを、通信部208を介して、入力制御部201により入力を受け付けた宛先に送信する。
現在時刻取得部203は、現在の時刻を示すクロック(不図示)から現在時刻を取得する。指定時刻取得部204は、入力制御部201により入力を受け付けられた指定時刻を取得する。
差分時間算出部205は、現在時刻取得部203により取得された現在時刻と、指定時刻取得部204により取得された指定時刻の差分を示す差分時間を算出する。
宛先数カウント部206は、入力制御部201から入力を受け付けられた宛先を受信し、総宛先数をカウントする。
通信時間記録部210は、ファックス送信において、通信部208が他の複合機100と通信した時間である通信時間を記録する。具体的には、通信時間記録部210は、画像データ1枚当たりの、通信前処理、画像送信、通信後処理等の通信時間を処理種別ごとにカウントし、カウントした各通信時間の値をHDD213に記録する。
通信時間テーブル作成部211は、通信時間記録部210によりHDD213に記録された通信時間の値をファックス送信の宛先に対応付けた通信時間テーブルを、宛先ごとに作成する。
通信部208は、ライセンス管理サーバ300、およびアプリダウンロードサーバ400と、ネットワーク80を介して、通信する。また、LAN(不図示)を介して、他の複合機100bと通信する。具体的には、通信プロトコルの制御や、通信データの変復調を行う。
送信可能画像数算出部209は、HDD213に記憶されている通信時間テーブルに基づいて、指定時刻までに送信可能な画像数を算出する。以下、通信時間テーブルに基づいた送信可能画像数の算出方法について説明する。
図7は、通信時間の構成例を示す図である。図7に示すように、通信時間は、S、C1、F、C2、C3の5つの時間種別からなる区分(以下、時間種別区分という。)で構成されている。Sは、入力制御部201がユーザからの送信開始要求を受け付けてから、画像読取部202による画像データの取得および加工が終了するまでの時間を示す。C1は、発呼開始後の通信先複合機とのネゴシエーションの時間を示す。Fは、画像の送信時間を示す。なお、送信する画像が複数ある場合は、Fが画像の枚数分繰り返される。C2は、原稿送信完了後の通信の後処理時間を示す。C3は、次宛先がある場合の、前宛先送信処理終了から次宛先発呼開始までの発呼間隔の時間を表す。
通信時間は、上記時間種別区分により下記の式で表すことができる。
上記(1)式を展開することで、画像枚数が求めることができる。
ここで、通信時間を指定時刻と現在時刻の差分とすれば、通信時間テーブルと入力宛先数に基づいて、指定時刻までに送信可能な画像数を求めることができる。なお、画像数の解が、小数点になった場合は、切り上げる。
図8は、通信時間テーブルの一例を示す図である。図8に示すように、通信時間テーブルは、通信時間の時間値を、「画像加工」、「通信前処理」、「画像通信」、「通信後処理」、「発呼間隔」の5つの時間種別に分けて保持している。また、「画像加工」については、さらに、その画像の入力形式を、「DF/片面」、「DF/両面」、「保管文書」の3つの入力種別に分けて時間値を保持している。送信可能画像数算出部209は、これら通信時間テーブルの時間値を、上記(2)式に代入して、送信可能画像数を求める。なお、図8に示した通信時間テーブルの値は、製品規格の固定値として設定されるが、後述するように設定を更新することも可能である。
次に、送信可能画像数算出部209による送信可能画像数算出処理について説明する。図9は、送信可能画像数算出部209による送信可能画像数算出処理の手順を示すフローチャートである。
入力制御部201は、宛先の入力の検知を待機し(ステップS1)、宛先の入力を検知した場合は(ステップS1:Yes)、宛先数カウント部206に宛先についての入力情報を送信する。なお、宛先の入力を検知しなかった場合は(ステップS1:No)、ファックス送信処理を行うことなく終了する。
宛先数カウント部206は、入力制御部201から受信した宛先数をカウントし、現在入力制御部201により入力が受け付けられた宛先数を取得する(ステップS2)。
現在時刻取得部203は、現在時刻を示すクロックから現在時刻を取得し(ステップS3)、指定時刻取得部204は、入力制御部201より受信した指定時刻を取得する(ステップS4)。
差分時間算出部205は、指定時刻取得部204により取得した指定時刻から、現在時刻取得部203により取得した現在時刻を差し引いて、差分時間を算出する(ステップS5)。
送信可能画像数算出部209は、HDD213に記憶されている通信時間テーブルを取得する(ステップS6)。通信時間テーブルには、デフォルトの通信時間テーブルと、送信履歴のある宛先ごとに作成された通信時間テーブルとがある。デフォルトの通信時間テーブルとは、図8で説明した、固定値が設定されている通信時間テーブルである。
一方、宛先ごとに作成された通信時間テーブルとは、デフォルトの通信時間テーブルに、宛先が対応付けられており、デフォルトの通信時間テーブルの処理種別のうち、通信前処理と、通信後処理に、当該宛先への前回送信時に要した通信時間が記録されている通信時間テーブルである。図10は、宛先ごとに作成された通信時間テーブルの一例を示す図である。図10に示すように、宛先ごとに作成された通信時間テーブルには、宛先が対応付けられており、通信前処理と、通信後処理の通信時間の値は、当該宛先への送信処理において要した値が記録されている。
ここで、通信時間テーブルを取得する処理である通信時間テーブル取得処理について、具体的な方法について説明する。図11は、通信時間テーブル取得処理の手順を説明するフローチャートである。
送信可能画像数算出部209は、入力された宛先が送信履歴のある宛先であるか否かを、HDD213を参照し、確認する(ステップS11)。確認した結果、HDD213に送信履歴がなかった場合は(ステップS11:No)、送信可能画像数算出部209は、デフォルトの通信時間テーブルを特定し、特定した通信時間テーブルから各時間値を取得する(ステップS13)。
ここで、さらに、通信時間テーブルから各時間値を取得するにあたり、通信時間テーブルの「画像加工」区分の時間の切り替え処理について説明する。図12は、通信時間テーブルの「画像加工」区分の時間の切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
送信可能画像数算出部209は、入力制御部201により受け付けたファックス送信の送信文書として、保管文書が入力されているか否かを確認する(ステップS21)。送信可能画像数算出部209は、保管文書が入力されていることを確認した場合は(ステップS21:Yes)、画像加工の入力種別を「保管文書」に変更する(ステップS22)。具体的には、送信可能画像数算出部209は、図8において、保管文書に対応する時間「0sec」を取得する。
一方、保管文書が選択されていることを確認しなかった場合は(ステップS21:No)、入力制御部201により受け付けたファックス送信についての入力情報において、原稿送りの方式が片面であるか否かを確認する(ステップS23)。原稿送りの方式が片面であることを確認した場合は(ステップS23:Yes)、画像加工の入力種別を「DF/片面」に変更する(ステップS24)。具体的には、送信可能画像数算出部209は、図8において、DF/片面に対応する時間「2sec」を取得する。
一方、原稿送りの方式が片面であることを確認しなかった場合は(ステップS23:No)、画像加工の入力種別を「DF/両面」に変更する(ステップS25)。具体的には、送信可能画像数算出部209は、図8において、DF/両面に対応する時間「3sec」を取得する。
ステップS11において、送信履歴のある宛先であった場合は(ステップS22:Yes)、図9のステップS1において、入力が検知された宛先の通信時間テーブルを取得する(ステップS23)。
図9のフローチャートのステップS7において、送信可能画像数算出部209は、算出された差分時間と、取得した通信時間テーブルに基づいて、送信可能画像数を算出する(ステップS7)。具体的には、ステップS6において取得した通信時間テーブルから、各処理時間を取得し、上記(2)式に代入することにより、送信可能画像数を求める。
次に、ファックス送信の実行後に、通信時間テーブル作成部211により作成される、通信時間テーブルの作成処理について説明する。
通信時間テーブル作成部211は、通信部208による通信の通信時間、および入力制御部201により入力を検知した宛先に基づいて、通信時間テーブルを作成する。
ここで、通信時間テーブルを作成する処理である通信時間テーブル作成処理について説明する。通信時間テーブル作成処理として、送信の際に要した通信前処理と通信後処理の時間に基づいて作成する方法を以下に説明する。図13は、送信の際に要した通信前処理と通信後処理の時間に基づく通信時間テーブル作成処理の手順を示すフローチャートである。
通信時間記録部210は、送信の際に、通信前処理と、通信後処理の時間をHDD213に記録する(ステップS31)。具体的には、通信時間記録部210は、図9のステップS1において入力を検知した宛先ごとに、通信前処理と通信後処理の時間をカウントし、カウントした各時間をHDD213に記録する。
図14−1は、ファックス送信の宛先に、通信前処理と通信後処理の時間を対応付けた図である。図14−1に示すように、通信時間記録部210は、ファックス送信の宛先「000−×××−×××」に、通信前処理の時間値「12.5sec」と、通信後処理の時間値「3.5sec」を対応付けてHDD213に記録している。
通信時間テーブル作成部211は、HDD213に記憶されているデフォルトの通信時間テーブルに宛先を対応付け、宛先ごとの通信時間テーブルを作成する(ステップS32)。具体的には、デフォルトの通信時間テーブルの処理種別のうち、通信前処理と、通信後処理の時間値を、通信時間記録部210により記録された通信前処理と、通信後処理の時間値に書き換える。通信時間テーブルにおいて区分されている複数の処理種別のうち、通信前処理と、通信後処理は、宛先により時間値が異なる。そこで、宛先に適した時間値を用いて送信可能画像数を算出するために、通信時間テーブル作成部211は、宛先ごとの通信時間テーブルを作成する。
図14−2は、宛先ごとに作成された通信時間テーブルの一例を示す図である。図14−2に示すように、通信時間テーブル作成部211は、デフォルトの通信時間テーブルに宛先を対応付け、通信前処理の時間値として、通信時間記録部210により記録された「12.5sec」を入力している。また、通信後処理の時間値として、通信時間記録部210により記録された「3.5sec」を入力している。
また、通信時間テーブル作成処理の他の例として、複数のデータの平均値を用いて作成する方法を説明する。
通信時間テーブル作成部211は、同一の宛先への送信履歴が複数ある場合は、既にHDD213に保存されている通信時間の処理種別ごとの平均値を求め、求めた平均値に基づいて、宛先ごとの通信時間テーブルを作成することも可能である。図15は、平均値に基づく通信時間テーブル作成処理の手順を示すフローチャートである。
通信時間記録部210は、送信日時に、時間種別ごとの時間値を対応付けてHDD213に記録する(ステップS41)。通信時間テーブル作成部211は、通信時間記録部210により記録された時間種別ごとの時間値の平均値を算出する(ステップS42)。
図16−1は、ファックス送信の宛先に、時間種別ごとの時間値、および時間種別ごとの平均値を対応付けた図である。図16−1に示すように、通信時間記録部210は、ファックス送信の宛先「000−×××−×××」に、送信日時「3/x xx:xx」に、処理の種別ごとの時間値を、また、送信日時「4/x xx:xx」に、時間種別ごとの時間値を対応付けて記録している。また、平均値は、通信時間テーブル作成部211により算出された、処理の種別ごとの時間値の平均値である。
図15のステップS43において、通信時間テーブル作成部211は、デフォルトの通信時間テーブルに、宛先を対応付け、算出した平均値を入力し、平均値に基づく通信時間テーブルを作成する(ステップS43)。図16−2は、平均値に基づいて作成された通信時間テーブルの一例を示す図である。図16−2に示すように、通信時間テーブル作成部211は、「通信前処理」、「画像送信」、「通信後処理」、「発呼間隔」の時間種別ごとに、平均値を入力し、通信時間テーブルを作成している。
通信前処理、および通信後処理の時間値は、自機と送信の相手機の回線速度によってのみ定まるので、一度通信を行ってそれら時間値を取得し、記憶していれば、次の通信においても同一の時間値を使用することができる。そこで、このように、宛先毎に過去に行った通信の通信前処理、および通信後処理の時間値を記憶しておき、記憶した時間で更新された通信時間テーブルに基づいて送信可能画像数を算出することにより、機能性を向上することができる。
また、このように、宛先毎に過去に行った通信の通信時間テーブルで区分された時間種別ごとの時間値を記憶しておき、そこから算出された各々の時間値の平均値からより正確に送信可能画像数を算出することができるので、さらに機能性を向上することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1における指定時刻を、アプリケーションの有効期限とし、アプリケーションの有効期限を超過している場合は、そのアプリケーションを無効化する。
まず、実施の形態2における複合機500について説明する。図17は、実施の形態2における複合機500の機能構成図である。図17に示すように、複合機500は、入力制御部201と、画像読取部202と、現在時刻取得部203と、有効期限取得部504と、差分時間算出部205と、宛先数カウント部206と、表示制御部207と、通信部208と、送信可能画像数算出部209と、通信時間記録部210と、通信時間テーブル作成部211と、無効化部510と、送信制御部212と、HDD213とを主に備え、操作表示部220、およびスキャナ部230と接続されている。なお、遠隔管理システムの構成、および複合機500のハードウェア構成については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
有効期限取得部504と、無効化部510の機能および構成について説明する。なお、有効期限取得部504と、無効化部510以外の各部の機能および構成は、実施の形態1における複合機100と同様であるので説明を省略する。
有効期限取得部504は、ライセンスファイルから、アプリケーションのライセンス有効期限を取得する。ここで、ライセンスファイルとは、アプリケーションのライセンス有効期限やライセンス許諾項目等、ライセンスについての情報が記されたファイルのことであり、ライセンス管理サーバ300から受信され、HDD213に記憶されている。
無効化部510は、現在時刻取得部203により取得された現在時刻と、有効期限取得部504により取得されたライセンス有効期限とを比較し、現在時刻が、ライセンス有効期限を超過しているか否かを確認し、超過していた場合に、アプリケーションを無効化する。
次に、アプリケーションを無効化する処理(以下、アプリケーション無効化処理という。)の手順について説明する。図18は、アプリケーション無効化処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS50から、ステップS52については、図9の送信可能画像数算出処理の手順を示すフローチャートのステップS1からステップS3と同様であるので、説明を省略する。
ステップS53において、有効期限取得部504は、HDD213に記憶されているライセンスファイルから、ライセンス有効期限を取得する(ステップS53)。
無効化部510は、ステップS52において取得された現在時刻と、ステップS53で取得されたライセンス有効期限とを比較し、現在時刻がライセンス有効期限を超過しているか否かを確認する(ステップS54)。確認した結果、現在時刻がライセンス有効期限を超過していることを確認した場合は(ステップS54:Yes)、無効化部510は、ライセンス有効期限を超過しているアプリケーションを無効化する(ステップS55)。
一方、現在時刻がライセンス有効期限を超過していることを確認しなかった場合は(ステップS54:No)、差分時間算出部205は、現在時刻からライセンス有効期限までの差分時間を算出する(ステップS56)。
送信可能画像数算出部209は、通信時間テーブルを取得し(ステップS57)、算出された差分時間と、取得した通信時間テーブルに基づいて、送信可能画像数を算出する(ステップS58)。
このように、本実施形態では、指定時刻をアプリケーションのライセンス有効期限とし、該ライセンス有効期限を超過している場合は、そのアプリケーションを無効化することにより、無効化されたアプリケーションの機能のみ利用できないこととできるので、機能性を向上することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1において、送信可能画像数算出部209により算出された送信可能画像数、または、ユーザにより入力された画像数の送信が指定時刻内に送信完了可能か否かを通知する。
まず、実施の形態3における複合機600について説明する。図19は、実施の形態3における複合機600の機能構成図である。図19に示すように、複合機600は、入力制御部601と、画像読取部202と、現在時刻取得部203と、指定時刻取得部204と、差分時間算出部205と、宛先数カウント部206と、表示制御部207と、通信部208と、送信可能画像数算出部209と、通信時間記録部210と、通信時間テーブル作成部211と、通知制御610と、送信制御部212と、HDD213とを主に備え、操作表示部220、およびスキャナ部230と接続されている。なお、遠隔管理システムの構成、および複合機600のハードウェア構成については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
入力制御部601と、通知制御部610の機能および構成について説明する。なお、入力制御部601と、通知制御部610以外の各部の機能および構成は、実施の形態1における複合機100と同様であるので説明を省略する。
入力制御部601は、操作表示部220からユーザにより入力された各種入力情報を受け付ける。入力情報として、ファクス送信の宛先、送信画像数、指定時刻、通知時刻等の入力を受け付ける。ここで、送信画像数とは、ファックス送信する画像の数のことである。また、通知時間とは、指定時刻から一定時間前の時間を定める時間であって、ユーザに送信可能画像数、または、入力された送信画像数が指定時刻内に送信完了可能か否か(以下、送信完了可否という。)の通知を開始する基準となる時間である。
入力制御部601は、入力情報の種類に応じて、入力情報を各部へ送信する。例えば、ファックス送信の宛先の入力を受け付けた場合は、該入力情報を宛先数カウント部206に送信する。また、ファックス送信を完了する時間として指定される指定時間の入力を受け付けた場合は、該入力情報を指定時刻取得部204に送信する。また、送信画像数や、通知時間の入力を受け付けた場合は、該送信画像数や、該通知時間を通知制御部610に送信する。
通知制御部610は、通知時刻を求め、現在時刻が通知時刻を過ぎたか否かを確認し、通知時刻が過ぎたことを確認した場合に、送信可能画像数、または、送信完了可否をユーザに通知する。ここで、通知時刻とは、指定時刻から通知時間を差し引いた時刻である。また、送信完了可否は、入力制御部601により送信画像数の入力を受け付けられた場合に通知する。
具体的には、通知制御部610は、まず、指定時刻から通知時間を差し引いて通知時刻を求める。そして、現在時刻取得部203により取得された現在時刻と、求めた通知時刻とを比較し、現在時刻が通知時刻を過ぎたか否かを確認する。そして、通知時刻を過ぎたことを確認した場合に、操作表示部220に、送信可能画像数、または、送信完了可否を表示する。ここで、送信可能画像数の表示については、送信可能画像数算出部209により算出された送信可能画像数を表示する。また、送信完了可否については、入力された送信画像数が、送信可能画像算出部209により算出された送信可能画像数の数よりも多いか否かを比較し、多い場合には、送信完了不可能と、同一、または少ない場合には、送信完了可能と表示する。
次に、送信可能画像数、または送信完了可否の通知の処理(以下、送信可能画像数通知処理という。)手順について説明する。図20は、送信可能画像数通知処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS60およびステップS61については、図9の送信可能画像数算出処理の手順を示すフローチャートのステップS1およびステップS2と同様であるので、説明を省略する。
ステップS62において、入力制御部601は、送信画像数の入力を受け付ける(ステップS62)。なお、送信画像数の入力は任意であり、入力を受け付けなかった場合は、通知制御部610により、送信可能画像数が通知され、送信完了可否は通知されないこととなる。
ステップS63およびステップS64については、図9の送信可能画像数算出処理の手順を示すフローチャートのステップS3およびステップS4と同様であるので、説明を省略する。
ステップS65において、通知制御部610は、入力制御部601から通知時間を取得する(ステップS65)。通知制御部610は、現在時刻取得部203により取得した現在時刻が、通知時刻を過ぎているか否かを確認する(ステップS66)。具体的には、通知時刻は、指定時刻取得部204により取得した指定時刻から、ステップS64で取得した通知時間を差し引いて求める。
通知制御部610は、現在時刻が通知時刻を過ぎていることを確認した場合は(ステップS66:Yes)、差分時間算出部205は、指定時刻取得部204により取得した指定時刻から、現在時刻取得部203により取得した現在時刻を差し引いて、差分時間を算出する(ステップS67)。
ステップS68およびステップS69は、図9の送信可能画像数算出処理の手順を示すフローチャートのステップS6およびステップS7と同様であるため、説明を省略する。
ステップS70において、通知制御部610は、送信可能画像数または送信完了可否を通知する(ステップS70)。具体的には、通知制御部610は、送信可能画像数算出部209により算出された送信可能画像数を操作表示部220に表示する。または、ステップS62において、送信画像数の入力が受け付けられた場合は、入力が受け付けられた送信画像数と、算出された送信可能画像数とを比較し、送信完了可否を表示する。詳細には、送信画像数が、算出された送信可能画像数よりも多い場合は、送信不可能を操作表示部220に表示し、算出された送信可能画像数と同一または少ない場合は、送信可能を操作表示部220に表示する。
図21は、送信可能画像数の表示例を示す図である。図21では、指定時刻をライセンス有効期限として設定されており、本図に示すように、通知制御部610は、「ライセンス期限まであと25枚送信できます」と、ライセンス有効期限までに送信完了可能な画像数を表示する。
このように、通知制御部610は、指定時刻までの送信可能画像数、または、入力された送信画像数の送信完了可否を通知するので、ユーザはあと何枚の画像を送信可能か、または、全ての画像の送信が指定時刻内に完了可能か否かを把握することができるので、指定時刻までに送信完了しないような送信を行わないことが可能となる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1において送信可能画像数算出部209により算出された送信可能画像数以上の画像が入力された場合は、その送信ジョブをキャンセルする。
まず、実施の形態4における複合機700について説明する。図22は、実施の形態4における複合機700の機能構成図である。図22に示すように、複合機700は、入力制御部701と、画像読取部202と、現在時刻取得部203と、指定時刻取得部204と、差分時間算出部205と、宛先数カウント部206と、表示制御部207と、通信部208と、送信可能画像数算出部209と、通信時間記録部210と、通信時間テーブル作成部211と、ジョブ中止判断部710と、送信制御部712と、HDD213とを主に備え、操作表示部220、およびスキャナ部230と接続されている。なお、遠隔管理システムの構成、および複合機700のハードウェア構成については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
入力制御部701と、ジョブ中止判断部710と、送信制御部712の機能および構成について説明する。なお、入力制御部701と、ジョブ中止判断部710と、送信制御部712以外の各部の機能および構成は、実施の形態1における複合機100と同様であるので説明を省略する。
入力制御部701は、操作表示部220からユーザにより入力された各種入力情報を受け付ける。入力情報として、ファクス送信の宛先、送信画像数、指定時刻等の入力を受け付ける。
入力制御部701は、入力情報の種類に応じて、入力情報を各部へ送信する。例えば、ファックス送信の宛先の入力を受け付けた場合は、該入力情報を宛先数カウント部206に送信する。また、ファックス送信を完了する時間として指定される指定時間の入力を受け付けた場合は、該入力情報を指定時刻取得部204に送信する。また、送信画像数の入力を受け付けた場合は、該送信画像数をジョブ中止判断部710に送信する。また、送信を開始する指示である送信開始指示の入力を受け付けると、該送信開始指示を送信制御部712に送信する。
ジョブ中止判断部710は、送信ジョブをキャンセルするか否かを判断し、キャンセルすると判断した場合は、その旨を送信制御部712に送信する。具体的には、ジョブ中止判断部710は、送信可能画像数算出部209により算出された送信可能画像数と、入力制御部701により入力を受け付けた送信画像数を比較し、入力を受け付けた送信画像数の方が、算出された送信可能画像数よりも多い場合は、送信ジョブをキャンセルすると判断する。
送信制御部712は、入力制御部701から送信開始指示を受信すると、画像読取部202により読み取って、取得された画像データを、通信部208を介して、入力制御部201により入力を受け付けた宛先に送信する。しかし、送信制御部712は、入力制御部701から送信開始指示を受信した場合であっても、ジョブ中止判断部710により送信ジョブをキャンセルすると判断された場合は、送信ジョブをキャンセルする。
次に、送信ジョブをキャンセルする処理(以下、送信ジョブキャンセル処理という。)の手順について説明する。図23は、送信ジョブキャンセル処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS80およびステップS81については、図9の送信可能画像数算出処理の手順を示すフローチャートのステップS1およびステップS2と同様であるので、説明を省略する。
ステップS80からステップS86については、図9の送信可能画像数算出処理の手順を示すフローチャートのステップS1およびステップS7と同様であるので、説明を省略する。
ステップS87において、入力制御部701は、送信開始指示の入力を受け付けると(ステップS87)、ジョブ中止判断部710は、入力制御部701より入力された、または、画像読取部202により入力された送信画像数を取得する(ステップS88)。
ジョブ中止判断部710は、取得した送信画像数が、送信可能画像数よりも多いか否かを比較する(ステップS89)。ここで、取得した送信画像数が、送信可能画像数よりも多い場合は、ジョブ中止判断部710は、送信ジョブをキャンセルすると判断する。
ジョブ中止判断部710により、取得した送信画像数が、送信可能画像数よりも多いため、ジョブをキャンセルすると判断された場合は(ステップS89:Yes)、送信制御部712は、送信ジョブをキャンセルする(ステップS90)。一方、ジョブ中止判断部710により、取得した送信画像数が、送信可能画像数と同一または少ないため、送信ジョブをキャンセルしないと判断された場合は(ステップS89:No)、画像データを入力された宛先に送信する(ステップS91)。
このように、本実施形態によれば、入力された送信画像数が、送信可能画像数よりも多い場合は、送信ジョブをキャンセルすることとしたので、指定時刻(ライセンス有効期限)までに、送信を完了することができない送信を回避することができる。
なお、本実施の形態の画像処理装置で実行されるファックス送信プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施の形態の画像処理装置で実行されるファックス送信プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態の画像処理装置で実行されるファックス送信プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像処理装置で実行されるファックス送信プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態の画像処理装置で実行されるファックス送信プログラムは、上述した各部(入力制御部、画像読取部、現在時刻取得部、指定時刻取得部、差分時間算出部、宛先数カウント部、表示制御部、通信部、送信可能画像数算出部、通信時間記録部、通信時間テーブル作成部、送信制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからファックス送信プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力制御部、画像読取部、現在時刻取得部、指定時刻取得部、差分時間算出部、宛先数カウント部、表示制御部、通信部、送信可能画像数算出部、通信時間記録部、通信時間テーブル作成部、送信制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。