JP5422371B2 - 管継手、継手構造およびマンホールの配管接続口と推進管との接続方法 - Google Patents
管継手、継手構造およびマンホールの配管接続口と推進管との接続方法 Download PDFInfo
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Description
したがって、前記特許文献1に記載の管継手を用いる場合、マンホールの内側からの施工が煩雑であるという欠点がある。
しかしながら、前記管継手では、例えば、前記推進管に土圧などがかかって、当該推進管の軸心が前記カラーの軸心に対して平行に移動するように、推進管が位置ずれした場合、1つのリップのみでは、この推進管の位置ずれにより、リップにおけるずれ方向両端部に生じる内部応力の偏りを十分に吸収することができなくなる。そのため、リップにおいて、推進管の外周面との密着性が著しく低くなる箇所が生じ、この箇所で漏水が生じやすくなるため、前記管継手は、十分な止水性を確保することができないという欠点がある。
したがって、本発明の管継手によれば、マンホールの配管接続口と推進管との接続に際して、マンホール内側から容易に施工することができる。
また、本発明の管継手では、前記リップ部が、リップ部の横断面と前記カラーの軸心との交点を中心として、前記カラーの軸心と非平行になるように前記推進管が屈曲変位したときに、前記リップ部における屈曲変位方向両端部に生じる内部応力が略均等にされる。これにより、前記推進管の径方向への移動を抑制することができるので、漏水を防ぐことができる。
したがって、本発明の管継手によれば、優れた止水性を確保することができる。
かかる構成を採用した管継手によれば、前記推進管の径方向に移動しないように当該推進管を固定することができるので、前記推進管が屈曲変位した場合における止水性を有効に確保することができる。
これにより、推進管が継手本体内に挿入されることにより、各リップが前記推進管の進行方向に沿って容易に傾斜変形する。したがって、かかる構成を採用した管継手によれば、前記リップ部と推進管との間に生じる摩擦を低減することができるので、施工が容易になる。
この場合、かかるフランジ部によって、継手本体の前記推進管を挿入する側に向かって、前記カラーが過度に移動しないように固定されるので、推進管の挿入に伴って継手本体が過度にカラーの内側に入り込むのを防ぐことができる。
前記管継手が、前記配管接続口に内挿され、かつ前記推進管を水密的に内嵌しており、
前記配管接続口の内周面と前記管継手のカラーの外周面との間が、充填材によってシールされていることを特徴としている。
本発明の継手構造は、本発明の管継手が用いられているので、上述の管継手と同様の作用効果が奏される。
(a)前記推進管の一端部を前記配管接続口内に配置する工程、
(b)前述した管継手を前記配管接続口に内挿し、かつ当該管継手に前記推進管を水密的に内嵌させる工程、および
(c)前記配管接続口の内周面と前記管継手のカラーの外周面との間に充填材を充填する工程
本発明のマンホールの配管接続口と推進管との接続方法は、本発明の管継手を用いるので、上述の管継手と同様の作用効果が奏される。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の管継手および継手構造それぞれの一実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る継手構造の構成を示す一部断面側面図である。図2は、本発明の一実施の形態に係る管継手の構成を示す一部断面側面図である。
この継手構造1では、管継手2の外周側に、環状の漏出防止材50が取り付けられている。これにより、マンホール30外側への充填材60の漏出を防止している。
この継手本体20の軸方向一端側は、推進管40を挿入する挿入口21となっている。そして、継手本体20の挿入口21側の内周には、リップ部22を一体的に形成している。また、この継手本体20は、挿入口21側の外周面に、カラー10の外径よりも大径としたフランジ部27を有している。
これらリップ23,24,25,26のうち、リップ24の径方向内方高さは、リップ24の軸方向両端側のリップ23,25,26よりも高くなっている。これにより、リップ24と推進管40の外周面とが、他のリップ23,25,26よりも高い接触圧力で密着して、止水することができる。
かかるリップ部22では、継手構造1において、推進管40が屈曲変位したときに、リップ部22における径方向内方高さが最も高いリップ24とともに、リップ23,25,26のいずれかによっても当該推進管が支持されるようになる。これにより、推進管40は、径方向に移動しないように固定されるので、推進管40が屈曲変位した場合における止水性が確保される。
なお、本明細書において、推進管40の屈曲変位とは、リップ部22の径方向内方高さが最も高いリップ24を通る横断面Sとカラー10の軸心L1との交点Pを中心として、推進管40の軸心とカラー10の軸心とが角度θをなし、カラー10の軸心と非平行になるように推進管40が変位することをいう(図7(b)参照)。
また、フランジ部27は、継手構造1において、漏出防止材50をマンホール30の外側に向かって移動しないように固定している。
以下、添付図面を参照して、管継手2を用いた本発明の一実施の形態に係るマンホールの配管接続口と推進管との接続方法を詳細に説明するとともに、管継手2の施工上の利点を説明する。本実施の形態に係る接続方法は、推進工法におけるマンホールの配管接続口と推進管との接続に採用することができる。
この場合、立坑100を地盤に形成するために、仮土留め部材として鋼管ケーシング35を用いる鋼管圧入工法を採用することができる。この鋼管圧入工法とは、円筒状の鋼管からなるケーシング35を圧入機によって地中に圧入してこれを設置し、その内部の土砂を図3に示すようにバックホー101等で掘削する方法である。ケーシング35には、例えば呼び径1200mmの鋼管が使用され、立坑100の底部100aはコンクリートを打設によって底部コンクリート層とされる。
これにより、管継手2の継手本体20のリップ部22と推進管40の外周面40aとが密着するので、高い止水性を確保することができる。
このとき、漏出防止材50は、そのマンホール外側の一端部50aがフランジ部27の側面27aと接触することによって、マンホール外側に向けて移動しないように固定される。
本発明においては、カラー10には、SUS304などのステンレス鋼材、溶接構造用圧延鋼材、一般構造用圧延鋼材などの鋼材を用いることができる。また、カラー10には、鋼材に代えて、強度を保つことができる範囲で、繊維強化プラスチックなどを用いてもよい。
水膨潤性ゴムには、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴムなどを用いることができる。
継手本体20を構成する可撓体の材料には、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのエラストマーなどを用いることができる。
充填材60には、モルタルなどを用いることができる。
つぎに、添付の図面に基づいて、本実施の形態に係る管継手の作用効果を詳細に説明する。
継手構造において推進管が屈曲変位した場合について、本実施の形態に係る継手構造1(図7参照)と、本実施の形態のものより少ない2条のリップ221,222からなるリップ部を有する継手本体220を備えた管継手202を用いた継手構造201(図8参照)とを比較する。なお、継手構造201では、リップ222は、径方向内方高さがリップ221に比べて高くなるように形成されている。
したがって、本実施の形態に係る管継手2によれば、継手構造1において推進管40が屈曲変位した場合であっても止水性を確保することができる。
なお、屈曲変位方向端部24a,24bは、リップ部22の径方向内方高さが最も高い部分であるリップ24を通る横断面Sと、横断面Sの中心を通る当該横断面Sの法線(カラー10の軸心L1)と推進管40の軸心L2とを含む縦断面との交差線の両端部である。
これにより、屈曲変位方向端部222aと推進管40の外周面40aとの密着性と、屈曲変位方向端部222bと推進管40の外周面40aとの密着性との間に差が生じ、漏水を招きやすくなる。
したがって、管継手202では、継手構造201において推進管40が屈曲変位した場合には、止水性を十分に確保することができない。
Claims (5)
- マンホールの配管接続口に内挿され、この配管接続口に推進管を接続する管継手であって、
筒状のカラーと、
前記カラーの軸方向一端側に部分的に内挿された環状の可撓体からなる継手本体と、
前記継手本体の内周に一体的に形成され、前記推進管を水密的に内嵌するリップ部と
を備え、
前記リップ部は、
前記継手本体の内周側に形成した第1のリップと、
この第1のリップの軸方向両端側にそれぞれ形成された1または複数列の第2のリップと、を含む軸方向に3列以上のリップよりなり、
前記第1、第2のリップは、前記リップ部の横断面と前記カラーの軸心との交点を中心として、前記カラーの軸心と非平行になるように前記推進管が屈曲変位したときに、前記リップ部における屈曲変位方向両端部に生じる内部応力を略均等にし、
前記第1、第2のリップそれぞれの先端部が、前記推進管の外周面に接触し、
前記第1のリップは、前記第2のリップよりも径方向高さが高く形成されている
管継手。 - 前記第1および第2のリップは、前記推進管の挿入方向前方に向けて形成されている請求項1に記載の管継手。
- 前記継手本体の前記推進管を挿入する側の外周面には、前記カラーの外径よりも大径としたフランジ部が形成されている請求項1または請求項2記載の管継手。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の管継手によって、マンホールの配管接続口に推進管を接続する継手構造であって、
前記管継手が、前記配管接続口に内挿され、かつ前記推進管を水密的に内嵌しており、
前記配管接続口の内周面と前記管継手のカラーの外周面との間が、充填材によってシールされていることを特徴とする継手構造。 - 下記工程(a)〜(c)を含むマンホールの配管接続口と推進管との接続方法。
(a)前記推進管の一端部を前記配管接続口内に配置する工程、
(b)請求項1〜3のいずれかに記載の管継手を前記配管接続口に内挿し、かつ当該管継手に前記推進管を水密的に内嵌させる工程、および
(c)前記配管接続口の内周面と前記管継手のカラーの外周面との間に充填材を充填する工程
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