JP5422148B2 - 電気泳動粒子及びその製造方法、並びに画像表示媒体及び画像表示装置 - Google Patents

電気泳動粒子及びその製造方法、並びに画像表示媒体及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、メモリー性に優れる電気泳動粒子及び電気泳動粒子の製造方法、並びに画像表示媒体及び画像表示装置に関する。
従来より、文字、静止画、動画等の画像を表示する画像表示装置としては、カソードレイチューブ(CRT)、液晶ディスプレイ等が用いられている。これらの画像表示装置は、画像を瞬時に表示することができ、また、書き換えることができるが、持ち歩くことが困難であること、眼が疲労しやすいこと、電源をオフにすると画像を表示できないこと等の問題がある。
一方、文字、静止画等の画像は、プリンターを用いて紙媒体に記録された後、配布されたり、保存されたりする。このような画像が記録された紙媒体は、ハードコピーとして広く使用されている。ハードコピーは、ディスプレイよりも文字が読みやすいこと、目が疲れにくいこと、自由な姿勢で読めること、軽量で自由に持ち運べること等の特徴を有する。しかし、ハードコピーは、使用後に廃棄されたり、リサイクルされたりするが、多くの労力と費用を要し、省資源の点で問題がある。
このため、ディスプレイとハードコピーの両方の長所を有し、書き換えが可能なペーパーライクな画像表示媒体のニーズが高くなり、例えば、高分子分散型液晶素子、双安定性コレステリック液晶素子、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子等が知られている。これらの画像表示媒体は、反射型であるため、明るい画像を表示することができると共に、メモリー性があるため、注目されている。これらの中でも、電気泳動素子を用いた画像表示媒体は、表示品質、表示動作時の消費電力等の点で優れている。
このような画像表示媒体は、例えば着色した分散媒が一組の透明電極の間に封入されており、着色した分散媒中に、異なる色を有すると共に、表面が帯電している電気泳動粒子が分散されている。このため、透明電極の一方に、電子泳動粒子の帯電している電荷と反対の電圧を印加すると、電気泳動粒子が堆積して電気泳動粒子の色が観測される。また、透明電極の一方に、電気泳動粒子の帯電している電荷と同じ電圧を印加すると、電気泳動粒子が透明電極の他方に移動して分散媒の色が観測される。電気泳動素子を用いた画像表示媒体は、このような原理に基づいて、画像が表示される。
分散媒中における電気泳動粒子の安定性は、一般的に、静電効果又は立体効果(吸着層効果とも呼ばれる)により得られる。
前記静電効果については、DLVO理論が知られており、電気二重層の広がり及び界面電位(いわゆるζ電位)が重要な因子となっている。これらを形成するためには、イオンの存在が必要とされている。
前記立体効果については、例えば非特許文献1において、安定な非水溶媒系分散液の製造方法が開示されている。この非特許文献1には、溶媒中に分散させる粒子に対して相溶性を有する成分と、溶媒に対して溶解性を有する成分とを含むブロック共重合体又はグラフト共重合体が溶媒中で製造されている。
このように電気泳動粒子の製造方法については、これまでに数多くの提案がなされているが、これらは、電気泳動粒子としての分散安定性に関する記述が主である。
また、特許文献1には、カーボンブラックを化合物と反応させるには、ジアゾニウム基が好ましく、「Cabot Corporation,Boston,Massachusettsの一連の特許に、広範囲の官能基をカーボンブラックに結合するために、ジアゾニウムの化学的性質を使用することが記述されている」と開示されている。この特許文献1には、電気泳動分散液ではなく、インクジェットに使用する分散体としてカーボンブラックのジアゾニウム反応が開示されている。
また、特許文献2には、電気泳動粒子の光学安定性を制御するために、帯電粒子の懸濁流体への相溶性と非相溶性について開示されている。電気泳動粒子の作製については分散安定性と共に表示特性が重要である。表示特性には主にコントラストの高さとメモリー性が挙げられる。これまでの提案では、白黒の反射率を向上させる検討に重きが置かれてきた。このため、粒子の表面処理方法の改善に関する提案が数多く見られる。しかし、電気泳動粒子を表示媒体として用いる場合の最大のセールスポイントはメモリー性であり、メモリー性がなければ画像表示媒体としての使用が難しいことは明らかである。
メモリー性に関して、例えば特許文献3には、グラフト重合したチタニア粒子とカーボンブラック粒子に、アルキルポリエーテルアミンを添加剤として加えることによりメモリー性が付与されることが提案されている。
また、特許文献4には、電気泳動粒子として、有機粒子、又は無機粒子、或いはこれらに帯電制御剤を添加した粒子を用いた例が提案されている。
しかし、これらの電気泳動粒子は、帯電量が十分に大きいものを得ることが難しく、電界に対する感受性が十分に高いとは言えない。
また、特許文献5には、画像表示媒体のメモリー性を向上させるために、ポリイソブチレンを配合することが提案されている。
また、特許文献6には、チタニア粒子の表面リビング重合で則鎖にイオン性基を有する重合体を結合する内容が提案されている。
また、特許文献7には、プラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子を用いることによりメモリー性を有するフルカラー表示が可能な表示方法が提案されている。
これらの提案には、電気泳動粒子を用いると当然ながらメモリー性があるのが当たり前の様に述べられているが、特段メモリー性が発現する方法に関する記述は見当らない。そして、これらの提案の実施例を追試してみても、メモリー性は全くと言ってよい程見られず、電気泳動粒子を作製して、帯電制御剤やポリマーを加えても、十分なメモリー性が現れないのが実情である。
このように電気泳動粒子は、単に作製するだけでは本来メモリー性は備わっておらず、メモリー性を得るための更なる粒子の処理が必要である。メモリー性については古くから種々検討されてきたが、これまでに十分なメモリー性がある画像表示媒体として世の中に出ているものは数少なく、メモリー性に関して十分満足できる結果が得られているものは殆どないのが現状である。
特表2004−526210号公報 特表2007−508588号公報 特開2006−235137号公報 特開2006−235137号公報 特開2003−66494号公報 特表2004−526199号公報 特開2007−225732号公報 特開2007−79532号公報 F.A.Waite,J.Oil Col.Chem.Assoc.,54,342(1971)
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたメモリー性を持続でき、高いコントラストが得られる電気泳動粒子、該電気泳動粒子を効率よく製造することができる電気泳動粒子の製造方法、並びに該電気泳動粒子を有する画像表示媒体、及び該画像表示媒体を有する画像表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> カーボンブラックの表面に、重合性基を有するシランカップリング剤を用いて重合性基を付与する重合性基付与工程と、
カーボンブラックの表面に、カチオン性基を有するシランカップリング剤を用いてカチオン性基を付与するカチオン性基付与工程と、
前記重合性基からカーボンブラックの表面をグラフト重合するグラフト重合工程と、を含むことを特徴とする電気泳動粒子の製造方法である。
<2> 重合性基が、ビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、及びアクリロキシ基から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の電気泳動粒子の製造方法である。
<3> カチオン性基が、アミノ基である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電気泳動粒子の製造方法である。
<4> 重合性基付与工程及びカチオン性基付与工程が、重合性基とカチオン性基を共に有するシランカップリング剤を用いて行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の電気泳動粒子の製造方法である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の電気泳動粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする電気泳動粒子である。
<6> 1対の電極基板と、該1対の電極基板間に、前記<5>に記載の電気泳動粒子を有してなることを特徴とする画像表示媒体である。
<7> 前記<6>に記載の画像表示媒体を表示手段として用いたことを特徴とする画像表示装置である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、優れたメモリー性を持続でき、高いコントラストが得られる電気泳動粒子、該電気泳動粒子を効率よく製造することができる電気泳動粒子の製造方法、並びに該電気泳動粒子を有する画像表示媒体、及び該画像表示媒体を有する画像表示装置を提供することができる。
(電気泳動粒子及び電気泳動粒子の製造方法)
本発明の電気泳動粒子の製造方法は、重合性基付与工程と、カチオン性基付与工程と、グラフト重合工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の電気泳動粒子は、本発明の前記電気泳動粒子の製造方法により製造される。
以下、本発明の電気泳動粒子の製造方法の説明を通じて、本発明の電気泳動粒子の詳細についても明らかにする。
<重合性基付与工程及びカチオン性基付与工程>
前記重合性基付与工程は、カーボンブラックの表面に、重合性基を有するシランカップリング剤を用いて重合性基を付与する工程である。
前記カチオン性基付与工程は、カーボンブラックの表面に、カチオン性基を有するシランカップリング剤を用いてカチオン性基を付与する工程である。
この場合、前記重合性基付与工程と前記カチオン性基付与工程は別々に行っても、同時に行ってもよい。
前記重合性基付与工程及びカチオン性基付与工程は、重合性基とカチオン性基を共に有するシランカップリング剤を用いて行われることが特に好ましい。
ここで、一般的に、微粒子の表面処理に関しては種々の方法があり、化学的に表面処理する場合にも種々の反応がある。有機顔料(例えばカーボンブラック等)の場合には、ジアゾニウム反応やフリーデルクラフツアルキル化反応、フリーデルクラフツアシル化反応などがある。無機顔料(例えば酸化チタン等)の場合には、シランカップリング反応などがある。
このようにシランカップリング反応は無機顔料と有機化合物を結合するために用いられる反応であると一般的には考えられてきた。
−シランカップリング剤によるカーボンブラックの表面処理−
本発明においては、これまで無機顔料との反応に用いられてきたシランカップリング剤をカーボンブラックとの反応に用いた場合に、カーボンブラック表面の官能基とどのように反応するか、それと得られた電気泳動粒子の表示特性について検討した。その結果、通常考えられるシランカップリング剤とカーボンブラック表面の水酸基との反応(第一の反応)に加えて別の反応も起きているのではないかと考えられた。また、電気泳動粒子について優れたメモリー性等の表示特性が観察された。
シリル化剤とカーボンブラックとの反応は、シリル化剤の官能基とカーボンブラック表面の官能基との置換反応であると予想できるが、シランカップリング剤とカーボンブラックとの反応でも、反応の一部のメカニズムはシリル化剤と有機化合物との間で起こる置換反応と同様な反応(第二の反応)が起きていることが予想できる。そして、第一の反応と第二の反応によりカーボンブラック表面に官能基を形成すると考えられた。このため、シランカップリング剤の反応を用いて正の荷電基をカーボンブラックの表面に結合することにより、メモリー性を発現させる効果が優れており、また高いメモリー性のある泳動粒子を得ることが可能であることが分かった。
ここで、前記メモリー性とは、電極に電圧をかけると電気泳動粒子が電極の極性に応じて泳動するが、電圧印加を止めて両電極を短絡させても画像が消えずに維持される現象を意味する。
前記メモリー性に関して、電気泳動粒子表面へのカチオン性基の付与を行わず、単にカーボンブラックの粒子表面にグラフト重合するだけであるとメモリー性が無いことが確認されている。粒子表面にカチオン性基を付けるとメモリー性が現れるメカニズムについては、明らかではないが、粒子が正又は負の電圧が印加された電極に向かって泳動する際に、カチオン性基を持つ粒子の方がカチオン性基を持たない粒子よりも、電極に吸着し易いのではないか、又は電極近傍に堆積や凝集がし易いのではないかと推測される。実際に、電極近傍に泳動した粒子を顕微鏡で観察すると、カチオン性基を持つ粒子は電極近傍に堆積や凝集していることが観察され、時間の経過に因らず変化しないことが確認できている。一方、カチオン性基を持たない粒子では、堆積や凝集が見られず時間の経過に従って拡散していくのが観察されている。このことから粒子表面にカチオン性基を有することによりメモリー性が現れることは明らかであると考えられる。
このようにシランカップリング剤をカーボンブラックと反応させることにより、カーボンブラックにメモリー性が発現することが明らかになったが、単にメモリー性が発現しただけではなく、コントラストの高さとメモリー性の持続性の効果において優れた特性があることも認められた。コントラストの高さはカーボンブラックに結合しているカチオン性基の結合位置が関係していると推測される。メモリー性の維持効果が高いことはカーボンブラックに結合しているカチオン性基の結合量と関係があるものと推測される。
これらのメモリー性の優れた効果を発現させるメカニズムとして、シランカップリング剤によるカーボンブラックとの反応の特異性を考察した。具体的には、シランカップリング剤によりカーボンブラック粒子に結合した場合にできる粒子表面のカチオン性基の分子構造・分子形態の特異性について検討した。
シランカップリング剤による反応は、従来から考えられてきた反応(第一の反応)に加え、別の求核置換反応(第二の反応)が起きている。シランカップリング剤による反応と他の反応、例えばジアゾニウム反応とを比べると、反応性の高さと反応選択性に違いがある。
まず、反応性とは、荷電基を粒子表面に化学結合させるときの反応速度と官能基の反応量のことを意味する。この反応性はシランカップリング剤による反応の方がジアゾニウムなどの他の反応に比べて高いことが考えられる。
次に、反応選択性とは、シランカップリング剤による反応の在る官能基が粒子表面の或る官能基と反応する際のお互いの相性のようなものである。反応させたい官能基同士が反応してくれると好ましいが、反応させたくない官能基同士が反応してくれては困る事態が生じる。この反応選択性は好ましい官能基の反応収率の点からシランカップリング剤による反応の方がジアゾニウム反応などの他の反応に比べて優っていることが考えられる。
化合物の反応性と反応選択性を考慮した結果、シランカップリング剤による反応では、粒子表面に結合した場合にできる粒子表面のカチオン性基の分子構造が緻密に隙間無く整然と配置されていると推定される。そして、粒子表面に結合した状態で発現される荷電量や表示特性が他の反応で結合された官能基の荷電量や表示特性と比べて高いと考えられる。この反応性と反応選択性がシランカップリング剤による反応から得られ、Siとカーボンブラック表面との結合によるメモリー性への効果が高いと考えられるからである。その理由として、Si原子を含む官能基がカーボンブラック表面にある場合には無い場合と比べてメモリー性等の表示特性が高いからである。このことは、他の合成方法によりカチオン性基を付けた場合それ程高いメモリー性が得られないことから、粒子表面のカチオン性基の結合している位置や結合量が関係していることも考えられる。この効果は実験の反応収率や得られた電気泳動粒子の表示特性からも裏付けられている。したがってこれらのことがメモリー性の優れた効果と関係していると考えられる。
−シランカップリング剤−
次に、シランカップリング剤を用いて無機顔料を表面修飾する場合について説明する。図1は、シランカップリング剤と無機質表面との反応機構を表す図である。
前記シランカップリング剤は、下記一般式(1)で示されるように、1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持っている。
<一般式(1)>
前記一般式(1)において、Xは、各種合成樹脂などの有機質材料と化学結合する反応基であり、ビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基などを表す。
ORは、ガラス、金属、珪石等の無機質材料と化学結合する反応基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基などを表す。
前記シランカップリング剤は、水により加水分解されてシラノールとなり、部分的に縮合してオリゴマー状態になる。続いて、無機質表面に水素結合的に吸着する。その後、無機材料を乾燥処理することで脱水縮合反応して強固な化学結合となる(第一の反応)。
次に、シランカップリング剤とカーボンブラックとの反応機構を考える上で重要となるシリル化剤と有機化合物との反応例を示す。
シリル化剤の使用例としては、難揮発性化合物を揮発性化合物に変える誘導体化でよく用いられるのがシリル化である。広義のシリル化は、下記反応式で表される置換反応である。
<シリル化剤と有機化合物との置換反応>
前記反応式中、HYは有機化合物中の活性水素を持つ官能基である(Hは活性水素、Yは官能基を表す)。Yとしては、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アミド基、メルカプト基等を表す。
Zは、クロロ基、メトキシ基、エトキシ基などの官能基であり、脱離基である。
Rは、アルキル基又はハロカーボンを表し、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、クロロフルオロカーボン基などを表す。
本発明の重合性基付与工程及びカチオン性基付与工程では、(1)化合物中にカチオン性基と重合性基を共に有しているシランカップリング剤を用いてカーボンブラック表面に化学結合する場合、(2)化合物中にカチオン性基と重合性基の一方のみを有するシランカップリング剤を用いて、2段階で化学結合する場合がある。
前記(1)では、化合物中にカチオン性基と重合性基を共に有するシランカップリング剤が用いられ、カーボンブラック表面に化学結合し重合性基を与えると共にカチオン性を付与する。このようなるシランカップリング剤を用いて、カーボンブラック表面へのカチオン性基結合反応と重合反応を順次行えばカーボンブラックの表面処理を一度に行うことができる。
前記(1)の化合物中にカチオン性基と重合性基を共に有するシランカップリング剤としては、例えばN−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)アミン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)ジエチレントリアミン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)尿素などが挙げられる。
前記(2)の化合物中にカチオン性基と重合性基の一方のみを有するシランカップリング剤を用いて、2段階で官能基を付与する。
前記重合性基としては、ビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、及びアクリロキシ基から選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記カチオン性基としては、アミノ基が挙げられる。
グラフト重合をするための重合性基を有するシランカップリング剤としては、次の様な化合物が挙げられる。
〔ビニル基〕
(1)ビニルトリメトキシシラン
(2)ビニルトリエトキシシラン
〔スチリル基〕
p-スチリルトリメトキシシラン
〔メタクリロキシ基〕
(1)3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
(2)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(3)3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
(4)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
〔アクリロキシ基〕
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
カチオン性基を有するシランカップリング剤としては、以下の化合物が挙げられる。カーボンブラックの粒子表面にカチオン性基を付与するために用いられる。
〔アミノ基〕
(1)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
(2)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(3)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(4)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(5)3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(6)3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン
(7)N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
前記(2)では、化合物中にカチオン性基と重合性基の一方のみを有するシランカップリング剤を用いて、2段階で官能基を付与する。
まず、カチオン性基(アミノ基)を有するシランカップリング剤を用いカーボンブラック表面にカチオン性基を結合する。
次に、電気泳動粒子として用いるには粒子表面をグラフト重合し非極性溶媒中に分散し易くする必要があるため、グラフト重合を行うための重合性基(ビニル基等)をカーボンブラック表面に結合する。これらの反応は、重合性基結合の反応を先に行い、カチオン性基結合の反応を後に行ってもよい。また、こられの反応を同時に行ってもよく、別々に行ってもよい。いずれの場合でも、その後、グラフト重合反応を行えばよい。
−カーボンブラック−
前記カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体であり、化学組成が炭素98%以上の限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
前記カーボンブラックの種類は、製法で分類する方法が一般的であり、表Aに示すように、原料炭化水素の熱分解か、不完全燃焼かのいずれかに大別され、更に原料の種類により細分化される。
前記コンタクト法は、炎を鉄や石などに接触させる製造法であり、チャンネル法やその改良法であるガスブラック法(ローラ法)等が含まれる。チャンネルブラックは、コンタクト法の代表的な製品で、チャンネル鋼の底面に炎を接触させて採取するものである。
前記ファーネス法は、燃料の空気による燃焼熱によって、原料としての炭化水素を連続的に熱分解させてカーボンブラックを生成させる方法で、ガスファーネス法とオイルファーネス法に分類される。
前記サーマル法は、原料の炭素源として天然ガスを利用し、燃焼と熱分解を周期的に繰り返す特殊な製造法で、その特徴は大粒子径を有するカーボンブラックが得られることにある。アセチレンブラックもアセチレンを原料とする一種のサーマル法であるが、アセチレンの熱分解は他の原料が吸熱反応であるのに対し発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転ができる。アセチレンブラックの特徴は、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達し、かつストラクチャーが高いことにあるため導電性に優れ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
このようにして作製されたカーボンブラックの化学組成は、製造方法、プロセスの条件、原料、水質、品種などで変化するが、炭素95〜99%、酸素〜1.0%、水素0.3〜0.7%、硫黄〜0.7%、灰分(鉄、アルミニウム、ケイ素など)〜1.0%からなる。このうちの酸素含有量は、チャンネルブラックでは例外的に3%前後あり、アセチレンブラック、サーマルブラックでは極めて低い。
カーボンブラックの酸素含有量の簡易評価法としてpH、揮発分が用いられる。カーボンブラックの粒子内部には炭化水素が残留しており、粒子表面には酸素を含んだ各種の官能基が存在する。カーボンブラック表面の各種官能基は、粒子表面に露出した多環芳香族層平面のエッジ部に形成され、フェノール、キノン、カルボキシル、ラクトンなどが主なものである。代表的なカーボンブラックの表面官能基量、含有物量を表Bに示す。なお、表面官能基量の測定は、無機塩基又は有機塩基を用いた中和滴定、各種の有機試薬を用いた有機化学的分析手法、X線光電子分光法、赤外分光等の機器分析、カーボンブラックの加熱分解ガス分析による同定などにより行うことができる。
Chemical and thermal analysis of functional groups on carbon black surface.
〔Type〕
Ca,C:Channel black
F,Fb:Furnace black
Tc:Thermal black
−カーボンブラックの3大基本特性−
カーボンブラックを電気泳動分散体に用いる際の重要な因子は(I)粒子径と、(II)ストラクチャーと、(III)粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大基本特性と呼んでいる。
(I)粒子径:粒子径と比表面積
(II)ストラクチャー:DBP給油量(ml/100g)とストラクチャー指数
(III)表面の物理化学的性質:揮発分(%)、pH
前記粒子径と前記比表面積とは、互いに逆の関係にあり粒子径が大きい粒子の比表面積は小さくなる。電気泳動分散体としては黒色度やメモリー性を得る観点からある程度の粒径が必要であり、一次平均粒径は10nm以上が好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。前記カーボンブラックの比表面積は20〜200m/gが好ましい。
前記カーボンブラックのストラクチャーの発達はDBP給油量から推定でき、適度なストラクチャーの発達が好ましい。ストラクチャーが発達し過ぎていると泳動の妨げや応答速度などに悪い影響をもたらす。前記カーボンブラックのDBP給油量は50〜150ml/100gが好ましい。
前記表面の物理化学的性質で規定される揮発分とpHについては、カーボンブラック粒子表面における官能基の存在量を間接的に現すと考えることができ、アイソパー中の分散性等に関しては何某かの影響があると考えられる。本発明におけるシランカップリング反応がシリル化剤とカーボンブラック表面官能基との置換反応であるため、特に規定していないが、反応性などに関係があると考えられる。
前記カーボンブラックのpHは3〜10が好ましい。
ここで、前記カーボンブラックのpHは、以下の方法によって測定することができる。
まず、カーボンブラック試料1〜10gをビーカーに量り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸する(試料を濡れやすくするため、エタノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去して、泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極pH計の電極を入れ、JIS Z8802(pH測定法)によってpHを測定する。この場合、電極の挿入位置により測定値が変化することがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変えて電極面の泥状面が十分に接触するように注意して量り、pH値が一定になったときの値を読む。また、カーボンブラックの揮発分は以下の測定方法によって得られる。カーボンブラックの乾燥試料を白金るつぼ又はそれと同形、同容量の落とし蓋付き磁器るつぼに蓋下2mmを超えない程度まで打振して詰め、その質量を量る。これに蓋をして電気炉に入れ、950±25℃で正確に7分間加熱した後取出し、デジケーター中で室温になるまで放冷して加熱後の質量を量り、下記数式2によって揮発分を算出する。
<数式2>
V=(WD−WR)/WD×100
ただし、式中、Vは揮発分(%)、WDは乾燥試料の質量(g)、WRは加熱後の試料の質量(g)を表す。
前記カーボンブラックとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばデグサ社製のカラーブラックFW200、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW1、カラーブラックFW18、スペシャルブラック6、カラーブラックS170、カラーブラックS160、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4A、プリンテックス150T、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック550、スペシャルブラック350、スペシャルブラック250、スペシャルブラック100;三菱化学株式会社製のMA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA230、MA220、#2200B;キャボット社製のMONARCH700、MONARCH800、MONARCH880、MONARCH900、MONARCH1000、MONARCH1300、MONARCH1400、MOGUL−L、REGAL400R、VULCAN XC−72R;コロンビア社製のRAVEN1255、などが挙げられる。
<グラフト重合工程>
前記グラフト重合工程は、重合性基からカーボンブラックの表面をグラフト重合する工程である。
重合性基からカーボンブラックの表面をグラフト重合する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばトルエン等の溶剤中でラジカル開始剤を用いて2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等の二重結合を有するモノマーを70℃〜80℃に加熱してラジカル重合する方法、アニオン又はカチオン開始剤を用いたイオン重合やリビング重合などがある。
本発明の電気泳動粒子の製造方法により製造された電気泳動粒子は、カチオン性基を有するグラフトカーボンブラックである。カーボンブラック表面がカチオン性基を有するグラフトで表面処理されていることは、例えば発生ガス分析法又は瞬間熱分析法により、検出することが可能である。使用機器としては、例えばガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)、ダブルショット・パイロライザーなどがある。
本発明の電気泳動粒子の製造方法により製造された電気泳動粒子は、カチオン性基を有するグラフトカーボンブラックからなり、優れたメモリー性を持続でき、高いコントラストが得られるので、以下に説明する画像表示媒体、及び該画像表示媒体を有する画像表示装置などに幅広く用いられる。
<電気泳動分散液>
本発明で用いられる電気泳動分散液は、本発明の前記電気泳動粒子を含有し、白色電気泳動粒子としての酸化チタン粒子、分散媒、染料、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−酸化チタン粒子−
白色電気泳動粒子を形成するのに好ましい材料としては、金属酸化物及び水酸化物の少なくともいずれかが挙げられる。これらの中でも、酸化チタン(チタニア)粒子が特に好ましい。
前記酸化チタン粒子は、例えば酸化物(例えば、アルミナ又はシリカ)で被覆することができる。このような被覆物が存在していると、光化学反応(これは、裸のチタニア表面と懸濁流体との間の界面で起こり得る)のような反応を抑制することにより、電気泳動媒体中でのチタニアの安定性が向上すると思われる。これらのチタニア粒子は、1層、2層又はそれ以上の層の金属酸化物被覆を有する。例えば、本発明において使用するチタニア粒子は、1層のアルミナ被覆及び1層のシリカ被覆を有する。
このような被覆粒子では、被覆物によりチタニアが完全に覆われているので、その粒子の表面に開始剤又は重合可能基を結合するのに使用される任意の試薬は、この被覆物と反応しなければならず、チタニアと反応する必要はない。
前記チタニア粒子としては、例えば商品名R960、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)社製、商品名タイペークCR−90、平均粒子径:0.25μm、石原産業株式会社製などが好ましい。
前記分散媒は、用いる電気泳動粒子等に応じて異なり一概には規定できないが、無色透明であってもよいし、電気泳動粒子と異なる色の染料を溶解して着色されていてもよい。
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、トリアリルメタン系染料、などが挙げられる。該染料としては、例えば、スピリットブラック(SB,SSBB,AB)、ニグロシンベース(SA,SAP,SAPL,EE,EEL,EX,EXBP,EB)、オイルイエロー(105,107,129,3G,GGS)、オイルオレンジ(201,PS,PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B,RR,OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン(GR,416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502,BG)、オイルブルー(613,2N,BOS)、オイルブラック(HBB,860,BS)、バリファーストイエロー(1101,1105,3108,4120)、バリファーストオレンジ(3209,3210)、バリファーストレッド(1306,1355,2303,3304,3306,3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402,3405)、バリファーストブルー(3405,1501,1603,1605,1607,2606,2610)、バリファーストバイオレット(1701,1702)、バリファーストブラック(1802,1807,3804,3810,3820,3830)、マクロレックスブルーRR(バイエル社製)、などが挙げられる。
前記分散媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のパラフィン系炭化水素、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素、流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジアルキルシリコーンオイル、アルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサン又は環状ポリアルキルフェニルシロキサン等のシリコーンオイル、などが挙げられる。これらの中でも、イソパラフィン系炭化水素、シリコーンオイルが特に好ましい。前記イソパラフィン系炭化水素としてはエクソン化学株式会社製のIsoper、変性シリコーンオイル(東レダウ・チッソ社製)などを用いることができる。
前記電気泳動分散液は、電気泳動粒子の保存安定性を更に向上させるために、分散剤を更に含有してもよい。前記分散剤としては、分散媒に相溶すると共に電気泳動粒子を安定に分散させることが可能であれば、特に限定されないが、従来公知の顔料用分散剤を用いることができる。
前記分散剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリエチレングリコールジイソステアレート等);ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等);脂肪族ジエタノールアミド系等のノニオン系界面活性剤を用いることができる。
また、高分子系分散剤としては、例えば、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ロジン、ウレタン系高分子化合物BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製)、ウレタン系分散剤EFKA−47、LP−4050(EFKA社製)、ポリエステル系高分子化合物ソルスパース24000(ゼネカ社製)、脂肪族ジエタノールアミド系高分子化合物ソルスパース17000(ゼネカ社製)、などが挙げられる。
前記高分子分散剤は、数平均分子量が1,000以上であることが好ましい。
その他の高分子系分散剤としては、分散媒に溶媒和する部分を形成することが可能なラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、セチルメタクリレート等のモノマー、分散媒に溶媒和しにくい部分を形成することが可能なメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン等のモノマー及び極性の官能基を有するモノマーのランダム共重合体、特開平3−188469号公報に開示されているグラフト共重合体等が挙げられる。極性の官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸等の酸性の官能基を有するモノマー;ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、ビニルピロリジン、ビニルピペリジン、ビニルラクタム等の塩基性の官能基を有するモノマー;これらの塩;スチレン−ブタジエン共重合体、特開昭60−10263号公報に開示されているスチレンと長鎖アルキルメタクリレートのブロック共重合体等が挙げられる。これらの中でも、特開平3−188469号公報に開示されているグラフト共重合体が好ましい。
電気泳動粒子を分散媒中に分散させる際の電気泳動粒子に対する分散剤の質量比は、0.05質量%〜5質量%が好ましい。これにより、電気泳動粒子を安定に分散させることができる。
(画像表示媒体)
本発明の画像表示媒体は、1対の電極基板と、該1対の電極基板間に、少なくとも本発明の前記電気泳動粒子を有してなり、1対の電極基板間に電圧を印加することによる微粒子の電気泳動により画像表示を行うものである。
この場合、前記一対の電極基板のうち少なくとも一方が光透過性であることが好ましい。
本発明の画像表示媒体は、分散媒中の粒子の凝集や偏りを抑えるために一対の基板間に隔壁又はマイクロカプセルなどにより分散媒を微小空間に隔離してもよい。いずれにせよ2つの電極間を微細な多数のセルで区切った方が重力による粒子の偏りや粒子同士の凝集を防ぐことができるので好ましい。
前記マイクロカプセルの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、コアセルベーション法、相分離法などの公知の方法が使用できる。
−電極基板−
前記電極基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、ガラスやプラスチックス等からなる基板上に、導電層を形成した電極基板等が挙げられる。
前記プラスチック基板の材質としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記導電層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透明導電層が好ましく、Al、Ag、Ni、Cu等の金属やITO、SnO、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒又は合成樹脂に混合して塗布したものが用いられる。
前記導電剤としては、例えば、ポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。
前記導電層は自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合もあるし、自己保持機能を有する基体上に導電層が設けられている場合もあり、いずれの場合も好適に使用できる。
また、導電層は、異方導電性を示す層であってもよく、厚さ方向に導電性部分が貫通したパターン状ないしマルチドット状のセグメントを有する層であってもよい。いずれにおいても導電層の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層の間に電界を生じさせることが可能となるので、白色ないし着色粒子は確実に移動できる。表示を行うには導電層間の電圧印加手段を用意すればよいので、簡便である。
−その他の部材−
前記その他の部材としては、例えば、金属反射板、光拡散板、反射防止層、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記電極基板(下基板)には、更に、TFT等が取り付けられてもよい。
ここで、図2に、本発明の画像表示媒体の第1実施形態を示す。画像表示媒体10は、電気泳動分散液11が導電層12及び13の間に挟持されている。また、電気泳動分散液11は、黒色の粒子11a及び白色の粒子11bが非極性溶媒11c中に分散されており、電気泳動効果とメモリ効果を併せ持っている。なお、黒色の粒子11aは、正に帯電している。更に、導電層12は、光透過性を有し、導電層13は、光透過性を有してもよいし、有さなくてもよい。また、導電層12及び13は、右半分と左半分に仕切られている。なお、電気泳動分散液11は、本発明で用いられる電気泳動分散液である。
次に、図3A〜図3Dを用いて、画像表示媒体10に画像を表示させる動作を説明する。まず、導電層12及び13の右半分に、外部の電圧印加手段(不図示)を用いて、それぞれ負及び正の電圧を印加する(図3A参照)。これにより、黒色の粒子11aは、静電引力により上方に移動するが(図3B参照)、導電層12に徐々に到達し(図3C参照)、導電層12に付着する(図3D参照)。このとき、画像表示媒体10を上方から見ると、左半分には、白色の粒子11bの色が、右半分には、黒色の粒子11bの色が見える。なお、画像表示媒体10に可逆的に画像を表示させることができるため、画像表示媒体10を繰り返し使用することができる。
図4は、本発明の画像表示媒体の第2実施形態を示す。なお、図4において、図3と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。画像表示媒体20は、マイクロカプセル21が導電層12及び13の間に挟持されている。
また、マイクロカプセル21は、図5に示すように、マイクロカプセル膜21aにより電気泳動分散液11が内包されている。画像表示媒体20は、導電層12又は13上に、電着塗装等によりマイクロカプセル21を単層になるように配置することにより作製される。また、マイクロカプセル21は、電気泳動分散液11を、ゼラチンが溶解されている水中に分散させ、ゼラチンとアラビアゴムのコアセルベートにより内包した後、グルタルアルデヒドにより架橋してマイクロカプセル膜21aを形成することにより作製される。
図6に、本発明の画像表示媒体の第3実施形態を示す。画像表示媒体30は、透明基板31A及び31B上にそれぞれパターン形成された透明電極32A及び32Bを有し、対向配置された透明電極32A及び32Bの間に、スペーサ33を介して、電気泳動分散液34が封入されている。これにより、電気泳動粒子の凝集や付着による表示ムラの発生を抑制することができる。透明基板31A及び31Bとしては、特に限定されないが、フィルム等を用いることができる。また、電気泳動分散液34は、非極性溶媒中に白色と黒色の粒子が分散されている。また、スペーサ33としては、特に限定されないが、メッシュ状又は多孔質状の有孔スペーサを用いることができる。
次に、図6の画像表示媒体30に画像を表示させる動作を説明する。まず、透明電極32A及び32Bにそれぞれ正及び負の電圧を印加すると、黒色の粒子は、静電引力により透明電極32Bに付着し、白色の粒子は、静電引力により透明電極32Aに付着し、画像表示媒体30を上方から見ると、白色が観測される。一方、透明電極32A及び32Bにそれぞれ負及び正の電圧を印加すると、白色の粒子は、静電引力により透明電極32Bに付着し、黒色の粒子は、静電引力により透明電極32Aに付着し、画像表示媒体30を上方から見ると、黒色が観測される。以上のようにして、画像表示媒体30に可逆的に画像を表示させることができるため、画像表示媒体30を繰り返し使用することができる。
図7は、本発明の画像表示媒体の第4実施形態を示す。この図7の画像表示媒体40は、シート状で折り曲げが可能であるため、折り畳み状態で携帯することができる。
(画像表示装置)
本発明の画像表示装置は、前記本発明の画像表示媒体を表示手段として用いてなり、駆動回路、演算回路、内部メモリ、電源、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
ここで、図8は、本発明の画像表示装置の一例を示す概略図である。この図8の画像表示装置50は、画像表示媒体10、筺体52、情報入力手段51、図示を省略している駆動回路、演算回路、内部メモリ、及び電源等を備えている。図8の画像表示媒体10における電極は、ドットマトリックスを形成し、指定のドットをON表示することにより、全体として画像を表示することができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
下記の例における粒子表面のグラフト量の測定は以下の熱質量分析により行った。
<熱質量分析>
熱質量分析は、TGA−50H(島津製作所製)を用いて、乾燥した試料を白金セルに20mg入れて開始した。次に、窒素雰囲気中、20℃/分で室温〜600℃まで昇温した後、600℃で10分間保持し、600℃に到達した3分間後に雰囲気を空気に切り替え、空気雰囲気中、20℃/分で600℃〜1000℃まで昇温した。このとき、窒素雰囲気中でポリマーが熱分解し、空気雰囲気中でカーボンブラック又は酸化チタンが燃焼した。
(製造例1)
−重合性基を有する酸化チタンの合成−
1Lのガラス製の反応容器にエタノール300.0g、脱イオン水20.0gを投入して150rpmで攪拌しながら、酢酸を滴下し、pH4.5に調整した。次に、酸化チタン(R−960、Dupont社製)200gを投入して150rpmで30分間攪拌した後、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート20gをエタノール80gに溶解させた溶液を、1時間程度で滴下した後、60℃で4時間攪拌した。次に、室温に戻して攪拌して得られた分散物を5,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた白色粉体にエタノール400mLを投入して攪拌し再分散させ後、得られた分散物を5,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた白色粉体を一夜間放置し、乾燥した後、70℃で4時間真空乾燥し、重合性基を有する酸化チタンが得られた。
−グラフト重合−
次に、1Lの加圧反応容器にラウリルメタクリレート100.0g、パラフィン炭化水素(ネオチオゾール、中央化成株式会社製)300.0g、予め粉砕した重合性基を有する酸化チタン96.0g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.600gを投入して窒素置換を行い、0.1MPaに窒素で加圧した後、300rpmで攪拌しながら、30分間分散を行った。その後、1時間程度で75℃まで加熱し、75℃で7時間攪拌した。次に、室温に戻して攪拌して得られた分散物を10,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた白色粉体にイソオクタン600mL投入して攪拌し、再分散させた後、10,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションする操作を計2回繰り返した。更に、一夜間放置し、乾燥した後、70℃で4時間真空乾燥し、グラフト酸化チタンTが得られた。
得られたグラフト酸化チタンTを熱質量分析すると、質量減少が9.3%であった。
(実施例1)
<電気泳動粒子の作製>
−重合性基及びカチオン性基を有するカーボンブラックの合成−
1Lのガラス製の反応容器にエタノール600g、カーボンブラック(Printex A、Degussa社製、比表面積45m/g、DBP吸油量118ml/100g、平均一次粒径41nm、pH9)50gを投入して150rpmで攪拌しながら、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン10.0gをメタノール100gに溶解させた溶液を、60分間程度で滴下した後、60℃で4時間攪拌した。次に、室温に戻して攪拌して得られた分散物を10,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた黒色粉体にエタノール400mLを投入して攪拌し、再分散させた後、10,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた黒色粉体を一夜間放置し、乾燥した後、70℃で4時間真空乾燥し、表面処理カーボンブラックが得られた。以上の方法により、カーボンブラックの表面に重合性基及びカチオン性基を導入した。
−グラフト重合−
次に、1Lの加圧反応容器にラウリルメタクリレート25.0g、パラフィン炭化水素(ネオチオゾール、中央化成株式会社製)160.0g、予め粉砕した重合性基及びカチオン性基を有するカーボンブラック25.0g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.250gを投入して窒素置換を行い、0.1MPaに窒素で加圧した後、300rpmで攪拌しながら、30分間分散を行った。その後1時間程度で75℃まで加熱し、75℃で7時間攪拌した。次に、室温に戻して攪拌して得られた分散物を10,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた黒色粉体にイソオクタン300mLを投入して攪拌し、再分散させた後、10,000rpmで30分間遠心分離し、デカンテーションする操作を計2回繰り返した。更に、一夜間放置し、乾燥した後、70℃で4時間真空乾燥し、グラフトカーボンブラックG1が得られた。
得られたグラフトカーボンブラックG1を熱質量分析すると、質量減少が9.4%であった。
(比較例1)
−重合性基を有するカーボンブラックの合成−
4Lのガラス製の反応容器に脱イオン水3.0Lを投入して250rpmで攪拌しながら、カーボンブラック(Printex A、Degussa社製、比表面積45m/g、DBP給油量118ml/100g、平均一次粒径41nm、pH9)115gを投入した。次に、37%塩酸を3.0mL投入した後、4−ビニルアニリン2.5gを投入し、65℃で30分間以上攪拌した。更に、亜硝酸ナトリウム1.43gを脱イオン水10mLに溶解させた溶液を、1時間程度で滴下し、65℃で3時間攪拌した。次に、室温に戻して一夜間攪拌して得られた分散物を30,000rpmで20分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた黒色粉体に脱イオン水500mLを投入して攪拌し、再分散させた後、30,000rpmで20分間遠心分離し、デカンテーションした。得られた黒色粉体を一夜間放置し、乾燥した後、40℃で4時間真空乾燥し、重合性基を有するカーボンブラックが得られた。
−グラフト重合−
次に、1Lのガラス製の反応容器に重合性基を有するカーボンブラック50g、トルエン100mL、2−エチルヘキシルメタクリレート100mL、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.65gを投入した。次に、250rpmで攪拌しながら、20分間窒素置換し、1時間程度で70℃まで加熱した後、7時間攪拌し、室温まで冷却した。更に、テトラヒドロフラン(THF)500mLを投入して攪拌したものを、3Lのメタノール中に再沈させ、吸引濾過した。得られた残渣にテトラヒドロフラン(THF)1.5Lを投入して攪拌し、再分散させた後、10℃に冷却し、30000rpmで20分間遠心分離し、デカンテーションする操作を計3回繰り返した。更に、一夜間放置し、70℃で4時間真空乾燥し、グラフトカーボンブラックG0が得られた。
得られたグラフトカーボンブラックG0を熱質量分析すると、質量減少が10.3%であった。
(実施例2)
−電気泳動分散液の作製−
1.7質量部のグラフトカーボンブラックG1、40質量部のグラフト酸化チタンT、分散剤(Solsperse 17000、アビシア社製)0.47質量部、ノニオン系界面活性剤(ソルビタントリオレート、和光純薬株式会社製)0.53質量部、及びアイソパーG(エクソンモービル社製)57.26質量部を混合し、超音波で1時間分散し、の電気泳動分散液を作製した。
−画像表示セルの作製−
2枚のITO電極付きガラス基板(ジオマテック社製)の間に1cmの開口を設けた厚さ50μmのポリエステルフィルムを挟むことにより設けられた空間に、マイクロシリンジを用いて、毛細管現象により前記作製した電気泳動分散液を封入した。
なお、ITO電極付きガラス基板は、ガラスの材質がソーダガラスであり、寸法が29.8±0.1mm×39.8±0.1mmであり、外周部が面取りされており、ITO電極の表面抵抗が50±10Ω/□であった。
(比較例2)
実施例2において、グラフトカーボンブラックG1の代わりにグラフトカーボンブラックG0を用いた以外は、実施例2と同様にして、電気泳動分散液を作製した。
得られた電気泳動分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして、比較例2の画像表示セルを作製した。
<画像表示セルの評価方法>
画像表示セルの上部のITO電極に15Vを印加すると、実施例2の黒のカーボンブラック粒子はプラスに帯電しているので下部のITO電極に速やかに移動した。白の電気泳動粒子は酸化チタン自体が若干マイナスに帯電しているのでITO電極の極性に応じて移動することはできるので、上部のITO電極から観察すれば白が観察される。次に、上部のITO電極に−15Vを印加すると、実施例の黒のカーボンブラック粒子は上部のITO電極に速やかに移動し、同様に下部から観察すれば白が観察された。
これに対し比較例2では、カーボンブラックと酸化チタンの顔料自体がそれぞれ若干プラスとマイナスに帯電しているので応答速度は遅くメモリー性はないがITO電極の極性に応じて電気泳動することは可能であった。したがって比較例2では、上部のITO電極に15Vを印加すると、黒の電気泳動粒子は下部に移動し、上部には白の電気泳動粒子が移動した。これとは逆に、上部のITO電極に−15Vを印加すると、黒の電気泳動粒子は上部に移動し、下部には白の電気泳動粒子が移動した。
この電圧の印加の切り替えを周波数0.1Hzで100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても実施例2では、電着した状態(メモリー性)を保持していた(図9参照)。これに対し比較例2では、メモリー性が見られなかった(図10参照)。
次に、実施例2及び比較例2の画像表示セルの反射率、コントラスト、応答速度、及び1.5時間(90分間)のメモリー性を、LCD EVALUATION SYSTEM LCD−5000(大塚電子株式会社製)を用いて測定した。なお、メモリー性の有無の判断は、90分間における白黒の反射率の変化の割合で判断した。結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例2では、白反射率は40%以上、黒反射率は5%以下で、共に90分間大きく変化が無かった。この場合はメモリー性が有りと判断した。
これに対し、比較例2では、90分間の白黒反射率共に大きく変化している。この場合はメモリー性がないと判断した。
メモリー性の有無の判断基準として、原則的に、90分間の保持時間中に、白反射率が40%以上、黒反射率が5%以下であり、共に大きく変化しない場合にはメモリー性があると判断される。メモリー性がないと判断される場合は、白黒共に大きく変化する場合である。
以上のように、カーボンブラックの粒子表面にシランカップリング剤を用いてカチオン性基と重合性基を化学結合し、カーボンブラック表面の重合性基からグラフト重合することにより、メモリー性に優れたカーボンブラック粒子が得られることが分かった。
本発明の電気泳動粒子の製造方法により製造された電気泳動粒子は、優れたメモリー性を持続でき、高いコントラストが得られるので、ペーパーライクな各種画像表示媒体に好適に用いられる。
図1は、シランカップリング剤と無機質表面との反応機構を表す図である。 図2は、本発明の画像表示媒体の第1実施形態を示す断面図である。 図3Aは、図2の画像表示媒体に画像を表示させる動作を説明する断面図であり、負及び正の電圧を印加した状態を示す図である。 図3Bは、図2の画像表示媒体に画像を表示させる動作を説明する断面図であり、黒色の粒子が静電引力により上方に移動する状態を示す図である。 図3Cは、図2の画像表示媒体に画像を表示させる動作を説明する断面図であり、黒色の粒子が導電層に徐々に達する状態を示す図である。 図3Dは、図2の画像表示媒体に画像を表示させる動作を説明する断面図であり、黒色の粒子が導電層に付着した状態を示す図である。 図4は、本発明の画像表示媒体の第2実施形態を示す断面図である。 図5は、図4のマイクロカプセルを示す断面図である。 図6は、本発明の画像表示媒体の第3実施形態を示す断面図である。 図7は、本発明の画像表示媒体の第4実施形態を示す斜視図である。 図8は、本発明の画像表示装置の一例を示す斜視図である。 図9は、実施例2のメモリー性がある状態を表したグラフである。 図10は、比較例2のメモリー性のない状態を表したグラフである。
符号の説明
10、20、30、40 画像表示媒体
11、34 電気泳動分散液
11a 黒色の粒子
11b 白色の粒子
11c 非極性溶媒
12、13 導電層
21 マイクロカプセル
21a マイクロカプセル膜
31A、31B 透明基板
32A、32B 透明電極
33 スペーサ
50 画像表示装置
51 入力部

Claims (7)

  1. カーボンブラックの表面に、重合性基を有するシランカップリング剤を用いて重合性基を付与する重合性基付与工程と、
    カーボンブラックの表面に、カチオン性基を有するシランカップリング剤を用いてカチオン性基を付与するカチオン性基付与工程と、
    前記重合性基からカーボンブラックの表面をグラフト重合するグラフト重合工程と、を含むことを特徴とする電気泳動粒子の製造方法。
  2. 重合性基が、ビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、及びアクリロキシ基から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電気泳動粒子の製造方法。
  3. カチオン性基が、アミノ基である請求項1から2のいずれかに記載の電気泳動粒子の製造方法。
  4. 重合性基付与工程及びカチオン性基付与工程が、重合性基とカチオン性基を共に有するシランカップリング剤を用いて行われる請求項1から3のいずれかに記載の電気泳動粒子の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電気泳動粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする電気泳動粒子。
  6. 1対の電極基板と、該1対の電極基板間に、請求項5に記載の電気泳動粒子を有してなることを特徴とする画像表示媒体。
  7. 請求項6に記載の画像表示媒体を表示手段として用いたことを特徴とする画像表示装置。
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