JP5421356B2 - ブタジエン/ビニル芳香族共重合体を臭素化する方法 - Google Patents

ブタジエン/ビニル芳香族共重合体を臭素化する方法 Download PDF

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Description

この出願は、2008年4月7日に提出された米国仮特許出願第61/042,915号および2008年10月29日に提出された米国仮特許出願第61/109,350号に基づく優先権を主張する。
本発明は、スチレンとブタジエンのブロック、ランダムまたはグラフト共重合体のようなブタジエン共重合体を臭素化する方法に関する。
国際公開第2008/021417号は、ブタジエン共重合体を臭素化する方法について記載している。臭素化剤は、三臭化フェニルトリアルキルアンモニウム、三臭化ベンジルトリアルキルアンモニウムまたは三臭化テトラアルキルアンモニウムである。その方法は溶液中の共重合体で行なわれる。芳香環は本質的に影響されずに、高い選択率で脂肪族炭素−炭素二重結合への臭素化が達成される。その方法は、好ましくは、酸素を含まない塩素化された溶媒の中で実行される。これは、重合体上のエーテル基の形成を最小限にするのに役立ち、それは、エーテル基が臭素化された重合体の耐熱性に多くの場合悪影響を及ぼすので、有益である。別の利点は、驚いたことに、温度条件が約80℃よりも低く管理される場合は、臭素化された重合体と塩素化された溶媒の間のハロゲン交換がほとんど生じないということである。その結果、臭素化されたブタジエン重合体は、良好な熱特性を有する傾向があり、たとえば、ポリスチレンのような熱可塑性重合体のための難燃剤添加物として使用することができる。
国際公開第2008/021417号
国際公開第号2008/021417に記載された方法は、大量の溶媒および洗浄液を必要とするので、望むよりも費用がかかる。これは、処理装置のすべてのための高い資本、および様々なプロセス流れから溶媒および洗浄流体を除去するための高エネルギー費用につながる。したがって、より経済的な臭素化プロセスが望まれている。
本発明は、1つの態様において、次の工程を含む方法である。
a.原料のブタジエン重合体と三臭化第四級アンモニウムが反応し、臭素化されたブタジエン重合体および一臭化第四級アンモニウム副生成物を生成するような条件下で、原料の脂肪族炭素−炭素二重結合を含むブタジエン重合体を三臭化第四級アンモニウムと接触させる工程(ただし、原料のブタジエン重合体の反応は、反応条件下で原料のブタジエン重合体と三臭化第四級アンモニウムの両方が溶解し、かつ臭素化されたブタジエン重合体が少なくとも部分的に溶解する溶媒の存在下で行われ、そしてその溶媒中の臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーが反応において形成されるように行なわれる。)、
b.還元剤を含む水性の相で臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーを抽出し、一臭化第四級アンモニウム塩水溶液流れおよび臭素化されたブタジエン重合体の洗浄された溶液またはスラリーを形成する工程、
c.工程bにおいて得られた一臭化第四級アンモニウム塩水溶液流れを、元素の臭素および溶媒流れと接触させ、水性のラフィネート流れおよび溶媒中の三臭化第四級アンモニウムの溶液を形成する工程、および
d.工程cで得られた三臭化第四級アンモニウム溶液を工程aへリサイクルする工程。
この方法は、一臭化第四級アンモニウム副生成物を回収し、そして臭素化工程において再使用するために三臭化第四級アンモニウム出発物質を再生するための効率的かつ経済的な方法を提供する。この方法は、第一に、溶媒相から水性相への一臭化第四級アンモニウム塩種の抽出を容易にし、第二に、臭素化反応工程の中へ再導入のために水性相から新鮮な溶媒相への三臭化第四級アンモニウム種の抽出を容易にするために、三臭化第四級アンモニウム塩と一臭化第四級アンモニウム塩の異なる溶解度を利用する。
本発明の好ましい実施態様はさらに次の工程を含む。
e.工程bにおいて得られた洗浄された溶液またはスラリーから臭素化されたブタジエン重合体を回収し、固体の臭素化されたブタジエン重合体と溶媒流れを生成する工程、および
f.工程eにおいて得られた溶媒流れの少なくとも一部を工程cへリサイクルする工程。
工程eは、好ましくは、e1)洗浄された溶液またはスラリーを細かい小滴にし、e2)小滴から熱により溶媒を除去して臭素化されたブタジエン重合体の粒子を形成し、そして、熱による溶媒除去工程の前または後に、e3)小滴または粒子を水で洗浄することにより行なわれる。
本発明の他の好ましい実施態様はさらに次の工程を含む。
g.工程e3)の後に、洗浄水から臭素化されたブタジエン重合体の粒子を分離し、洗浄水の少なくとも一部を工程a、工程bまたは工程eの少なくとも1つへリサイクルする工程。
図1は、本発明の方法の実施態様の概略図である。
図1において、ブタジエン重合体は貯蔵タンクV1からライン10を通って溶解槽V2に供給される。ライン10は、容器V1から溶解槽V2へ固体のブタジエン重合体を移すためのある種の供給手段を含んでいてもよい。固体のブタジエン重合体は、好ましくは、供給を容易にするために、微粒子の形をしている。供給手段は、コンベヤベルト、スクリューフィーダーまたは他のいかなる適切な装置であってもよい。
溶媒はライン11aから溶解槽V2の中に供給され、ブタジエン重合体は溶解槽V2の中で溶媒に溶解され、ブタジエン重合体溶液が生成される。下により詳細に説明されるように、ライン11aから供給される溶媒は、示された実施態様においてリサイクル溶媒流れである。その代わりに、ブタジエン重合体溶液を生成するために、新鮮な溶媒を使用してもよいし、または新鮮な溶媒とリサイクルされた溶媒の組合わせを使用してもよい。
ブタジエン重合体溶液はライン12を通って反応器V3に移される。三臭化第四級アンモニウムの溶液はライン18を通って反応器V3へ導入される。ブタジエン重合体と三臭化第四級アンモニウムは反応器V3の中で反応し、臭素化されたブタジエン重合体を生成する。本発明の文脈においては、「臭素化」とは、1個の炭素−炭素二重結合に2個の臭素原子が付加し、各炭素原子に1個の臭素原子が結合することをいう。三臭化第四級アンモニウムの少なくとも一部は一臭化第四級アンモニウム副生成物に変換される。
臭素化反応のための好ましい条件は国際公開第2008/021417号に記載されている。一般に、ブタジエン重合体中のブタジエン単位の1モル当たり、約0.5〜約5モルの三臭化第四級アンモニウムが使用される。より好ましい量は約0.9〜約2.5モル/モルであり、さらに好ましい量は1〜1.5モル/モルである。一般に、臭素化を達成するために穏やかな条件だけが必要である。臭素化温度は−20〜100℃の範囲であり、好ましくは0〜90℃であり、より好ましくは40〜80℃である。100℃より高い温度は、用いてもよいが、必要でないし、選択率の減少および/または副生成物に増加につながる場合がある。反応温度が溶媒の沸点以上でない限り、大気圧を超える圧力は一般に必要ではない。反応温度が溶媒の沸点以上である場合には、溶媒が沸騰するのを防ぐために必要なときは、大気圧を超える圧力を使用してもよい。
望むならば、脂肪族炭素−炭素二重結合の転化を監視するために、反応を分析的に追跡してもよい。臭素化の程度はプロトンNMR法を使用して測定することができる。残余の脂肪族炭素−炭素二重結合は、残余の二重結合プロトン(テトラメチルシラン(TMS)に対して4.8〜6ppm)および臭素化されたポリブタジエンのプロトン(その信号は3.0〜4.8ppmである。)による信号の積分面積を比較することにより測定することができる。その測定にはVarian INOVATM 300 NMR分光計またはそれと同等の装置が有用であり、好ましくは定量的積分のためのプロトンの緩和を最大限にするために30秒の遅延時間で操作される。重水素化クロロホルムまたはd5−ピリジンのような重水素置換溶媒が、NMR分析のための試料を希釈するのに適切である。
上に記載された条件の下では、臭素化反応は、いくつかの点において選択率が高い傾向がある。芳香環にほとんどまたはまったく臭素化が生じない。他の点では、臭素化は、1,2−および1,4−ブタジエン単位の両方の炭素−炭素二重結合に起こる傾向があり、また、第三級炭素原子にはほとんど臭素化が生じないように、臭素化が起こる傾向がある。第三級炭素原子に望まれない臭素を導入する傾向があるフリーラジカル機構ではなく、むしろイオン機構によって臭素化が生じると考えられている。第三級の臭素は、臭素化された共重合体の温度安定性に悪影響を及ぼすと考えられている。ヒドロブロム化すなわち炭素−炭素二重結合へのHBrの付加は、この方法を使用して最小であることが見いだされた。
反応器V3は連続的反応器または回分式反応器のいずれであってもよい。連続的反応器の方が小さいし、したがって費用がより少ないので、反応速度が速いときは、連続的反応器が一般に好ましい。一般に単位操作間のサージベッセルもまた同様により小さい。もし望むならば、図1に示される単一の反応器の代わりに、複数の反応器V3を並列または直列に使用することができる。
反応器V3の中で生じる反応は、臭素化されたブタジエン重合体、溶媒および一臭化第四級アンモニウム塩の混合物を生成する。残余の三臭化第四級アンモニウムがいくらか存在してもよい。本発明のいくつかの実施態様においては、水性の相が存在してもよい。混合物は、他の物質を少量含んでいてもよい。臭素化されたブタジエン重合体は、溶媒に部分的にまたは完全に溶解するであろう。一臭化第四級アンモニウム塩は、溶媒への溶解度がほとんどないので、もし水性の相が存在しなければ、反応混合物から沈殿する傾向がある。したがって、反応器V3において生成した反応混合物は、通常、スラリーの状態にあり、一臭化第四級アンモニウム塩と恐らく臭素化されたブタジエン重合体のいくらかが溶媒の中に懸濁している。水性の相が存在する場合は、一臭化第四級アンモニウム塩は水性の相の中に溶解していてもよく、その場合には、反応混合物は二相系であり、それは、有機相および水性の相に加えて、いくらかの溶解していない一臭化第四級アンモニウム塩および/または溶解していない臭素化されたブタジエン重合体を含んでいてもよい。
反応混合物は、(図示されるように、ライン13経由で)第一の抽出塔V5に移される。移送するための1つ以上のポンプまたは他の装置(図示せず)を使用することができる。反応器V3が回分式反応器である場合、1つまたは2つ以上の貯蔵タンクを、反応器V3と第一の抽出塔V5の間に置くことができる。第一の抽出塔V5は、最も好都合には、連続方式で操作される。1つまたは2つ以上の貯蔵タンクは、上流の回分式プロセスから、第一の抽出塔V5から始まる連続式プロセスへの移行を容易にする。
臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーは、第一の抽出塔V5において、還元剤を含む水性の相で抽出される。示された実施態様においては、水は2か所から第一の抽出塔V5へ導入される。水と還元剤の溶液はライン14経由で導入される。さらに、水の第二の流れはライン15a経由で導入される。この配置は、還元剤添加の速度の良好な制御を可能にし、より少ない体積の還元剤流れを取り扱うことを可能にする。この配置は、また、還元剤がブタジエン重合体溶液またはスラリーと接触するのを可能にし、溶液またはスラリーが水の流れの大部分と接触する前に残余の三臭化第四級アンモニウムを一臭化物塩に還元することを可能にする。これは、水性の相への第四級アンモニウム化合物の抽出を容易にし、したがって、より少ないイオン性不純物を有する抽出された重合体溶液を生成すると考えられる。その代わりに、水および還元剤のすべてを1つの流れで第一の抽出容器V5へ導入するのも本発明の範囲内である。
図示されているように、第一の抽出容器V5は向流で操作される。図示された配置は、溶媒が水よりも密度が大きいことを仮定している。そのような場合は、ブタジエン重合体溶液は、ライン13から第一の抽出塔V5の塔頂の近くに導入され、塔の中を下方へ移動する。水と還元剤は、第一の抽出塔V5のより低いところに導入され、塔の中を上方へ移動する。
一臭化第四級アンモニウム塩は、第一の抽出塔V5で水性の相へ移され、そのようにして、臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーから取り除かれる。言及されるように、還元剤は、すべての残余の溶媒に可溶な三臭化第四級アンモニウムを、溶媒にそれほど溶けないが、水性の相にはより溶けやすい対応する一臭化物塩に変換する。これは、抽出の効率を上げ、価値のある一臭化第四級アンモニウム塩の高い回収率を保証する。
一臭化第四級アンモニウム水溶液は、第一の抽出塔V5の塔頂の近くから抜き出され、ライン16経由で第二の抽出塔V4に移される。図示された実施態様においては、追加の洗浄水(それはプロセスの別の部分からリサイクルされてもよい。)は、ライン17経由で第二の抽出塔V4へ導入される。ライン17は、たとえば、ライン15からのリサイクル流れの一部を第二の抽出塔V4へ方向転換することができる。追加の洗浄水をすべて省略するのもまた本発明の範囲内である。
一臭化第四級アンモニウム水溶液は、第二の抽出塔V4で臭素および溶媒と接触させられる。図示された実施態様においては、第二の抽出塔V4は向流で操作され、再び、溶媒が水より密度が大きいと仮定する。したがって、一臭化第四級アンモニウム溶液(およびもしあれば追加のリサイクル水)は、第二の抽出塔V4の塔底の近くに導入される。図示されているように、臭素はライン26を通って加えられる。臭素は、溶媒に溶かした溶液として加えることができる。溶媒は、ライン11bを通って、抽出塔V4の塔頂の近くに加えられる。臭素と溶媒を一つの流れとして加えることが可能である。しかし、溶媒の大部分とは別に臭素を加え、かつ水性のラフィネート中の臭素損失を減少させるために溶媒より下に臭素を加えることが好ましい。その溶液が第二の抽出塔V4を去る前に、新鮮なリサイクル溶媒は水性のラフィネートと接触する。水性のラフィネート中の痕跡量の連行された臭素は、このようにして、新鮮なリサイクル溶媒の中に抽出される。同様に、追加の洗浄水は、好ましくは、第二の抽出塔V4に、(図示されているように)一臭化第四級アンモニウムの供給口より下で、加えられる。これは、洗浄水が三臭化第四級アンモニウム溶液から痕跡量の連行された一臭化第四級アンモニウム塩を抽出するのを可能にする。これらの別々の水および溶媒の添加は、水性の相の中に強く分配する一臭化物塩が、逆に溶媒相に強く分配する三臭化第四級アンモニウム種に効率的に変換されるのを可能にする。
したがって、三臭化第四級アンモニウム溶液は第二の抽出塔V4の中で形成される。この溶液は、ライン18を通って、反応器V3へリサイクルされる。反応器V3が回分式反応器である場合、またはそうでなくとも必要な場合は、1つまたは2つ以上の貯蔵タンクを、第二の抽出塔V4と反応器V3の間のライン18内に置くことができる。前と同様に、貯蔵タンクは第二の抽出塔V4の好ましい連続操作から反応器V3の回分操作への移行を容易にすることができる。
第一の抽出塔V5および第二の抽出塔V4における抽出および反応は、もし望まれるならばまたは必要であるならば、撹拌回分式混合容器で行なうことができるが、これは一般により大きなより高価な装置および中間貯蔵容器を必要とする。これらの抽出は連続式装置で行なうことが好ましく、多段装置で行なうことがより好ましい。多くの場合、多段塔または微分接触塔が経済的理由のために好ましい。
ブタジエン重合体の洗浄された溶液またはスラリーが、第一の抽出塔V5で形成される。臭素化されたブタジエン重合体は、その洗浄された溶液またはスラリーから回収され、固体の臭素化されたブタジエン生成物および溶媒流れが生成する。溶媒流れのすべてまたは一部をプロセスへリサイクルすることができる。溶媒流れの少なくとも一部はプロセスの工程cへリサイクルすることが好ましい。溶媒流れの一部は、プロセスの最初においてブタジエン重合体を溶解するために再使用されてもよく、そのようにもリサイクルされてもよい。
図に示されるように、臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーは、第一の抽出塔V5からライン27を通って抜き出され、回収容器V8に移される。臭素化されたブタジエン重合体は、回収容器V8において溶媒から分離され、臭素化されたブタジエン重合体流れ24および混合蒸気流れ22を生成する。
臭素化されたブタジエン重合体の回収に種々の手法を使用することができ、回収容器V8の設計および操作は、当然、選ばれる特定の手法を反映するであろう。溶液またはスラリーから溶媒を蒸発させてもよい。あるいは、臭素化されたブタジエン重合体を、逆溶媒の添加によって、溶液またはスラリーから沈殿させてもよい。
好ましい実施態様においては、回収容器V8に入る、洗浄された溶液またはスラリーは、細かい小滴にされる。溶媒が小滴から熱により除去され、臭素化されたブタジエン重合体の粒子を形成する。熱による除去工程の前にまたはその工程の後に、小滴または粒子は水で洗浄される。これは、湿った微粒子の臭素化されたブタジエンの流れを生成し、その流れを濾過および/または乾燥して生成物を回収することができる。
図に示された実施態様においては、第一の抽出容器V5を出る臭素化されたブタジエン溶液またはスラリーは、ライン27経由で移され、回収容器V8の中に噴霧される。回収容器V8は、水で部分的に満たされている。図示されるように、溶液またはスラリーは、回収容器V8の上部空隙へ噴霧されて、小滴を形成し、その小滴は回収容器V8中の水の中に落下する。小滴が落下している間に、小滴が水面に達する前に、熱により小滴から溶媒を除去することができる。あるいは、小滴が水の中に落下し、水の中に分散した後に、小滴から溶媒を除去することもできる。溶媒の一部は小滴が水面に達する前に除去され、溶媒の残りは小滴が水に分散した後に除去されることも可能である。水相は、好ましくは、溶媒が除去され、臭素化された重合体が沈殿して固体粒子を形成するまでは、小滴の分散を維持するように撹拌される。
小滴から溶媒を除去するために回収容器V8の中に熱源が供給される。好ましい熱源は直接注入される水蒸気である。図示された実施態様においては、水蒸気はライン23およびライン30を通って2か所から回収容器V8へ導入される。ライン23は、臭素化されたブタジエン重合体の小滴が導入される点のすぐ近くに水蒸気を導入するが、それは好ましい態様である。このように水蒸気を導入するための特に好ましい装置は、臭素化されたブタジエンの溶液またはスラリーを霧にし小滴にし、そして水蒸気と小滴を一緒に回収容器V8へ導入する二流体ノズルである。ライン23中の水蒸気の一部は、霧にするエネルギーを加えずに追加の熱エネルギーを供給するために、二流体ノズルをバイパスし、二流体ノズルからの噴霧に比べて低い速度で二流体ノズルのすぐ近くに加えてもよい。ライン30は、回収容器V8の中の流体の表面より下に水蒸気を導入する。好ましい実施態様においては、ライン23を通って導入される水蒸気の流量は、ライン30を通って導入される水蒸気の流量よりも大きい。代替の実施態様においては、水蒸気はすべてライン30経由で導入されてもよい。
別の代替の実施態様においては、小滴は、そして好ましくは水蒸気も、回収容器V8の中の水の表面より下に導入される。再び、それらの物質を導入するために、二流体ノズルを使用することができる。
溶媒蒸気とともに水蒸気も含む混合蒸気流れ22は、回収容器V8を出る。混合蒸気流れ22の中に含まれる溶媒は、好ましくは、前述のとおり、プロセスへリサイクルされる。混合蒸気流れ22は、連行されたごく小さな重合体粒子を含んでいるかもしれないが、それはその流れから取り除かれ、好ましくは回収されるべきである。図に示されるように、混合蒸気流れ22は粒子スクラバーV9に移され、そこでごく小さな重合体粒子は、スクラバーの内部を適切に循環している熱水で洗い落とされる。スクラバー水は水蒸気または溶媒のいずれの凝縮をも防ぐのに十分なだけ熱くなければならない。スクラバー水を加熱する好ましい方法は、直接注入される水蒸気によるものであり、その水蒸気は都合のよいいかなる位置から注入してもよい。循環するスクラバー水の中に固体が蓄積するのを防ぐために、循環する(重合体粒子を含む)スクラバー水の一部は粒子スクラバーV9からライン28を通って抜き出される。循環するスクラバー水の減損を防ぐために、追加の水がライン35を通って粒子スクラバーV9へ導入される。ライン35を通って粒子スクラバーV9に加えられる水の体積は、ライン28を通って抜き出される水の量とほぼ等しくなければならない。ライン35を通って導入される水は、好ましくは、プロセスの別の部分からリサイクルされる。図示されるように、その水は、重合体回収装置V10からリサイクルされた洗浄水である。その後、洗浄された蒸気は、ライン29経由で凝縮器V6に移される。図示されるように、ライン28経由で粒子スクラバーV9から抜き出された水(連行された臭素化された重合体粒子を含む。)は、ライン36を通って回収容器V8へリサイクルされる。
溶媒と水蒸気は凝縮器V6で凝縮され、そして生じた水/溶媒混合物はライン20経由で分離器V7に移され、そこで水と溶媒が相分離される。分離器V7はデカンターであってもよいし他の2つの液相を分離のための装置であってもよい。その後、溶媒相はライン11を通ってリサイクルされる。図示されるように、リサイクルされる溶媒の一部はライン11b経由で第二の抽出塔V4にリサイクルされ、そしてリサイクルされる溶媒の別の一部はライン11a経由で溶解槽V2にリサイクルされる。リサイクルされる溶媒の少なくとも一部は、第二の抽出塔V4にリサイクルされることが好ましい。水相はライン21およびライン36を通って回収容器V8にリサイクルされる。便宜のために、ライン21およびライン36中のリサイクルされる水相は回収容器V8に入る前にライン28の中で希薄な水スラリーと混合されてもよい。
第二の抽出塔V4において生成された水性ラフィネート流れはイオン性不純物を含み、その性質は、流れ14の中に導入された特定の還元剤および緩衝剤に依存する。チオ硫酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが使用される場合は、副生成物は臭化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムになるであろう。臭化物を回収するためにそれをさらに処理する前にまたは処分する前に、水性ラフィネート流れからいかなる残留溶媒も取り除くことが好ましい。
図に示される実施態様においては、水性ラフィネート流れは、第二の抽出塔V4からライン19を通って抜き出され、ストリッパー塔V11において残留溶媒が取り除かれる。好ましいストリッピング法は水蒸気ストリッピングである。図示されるように、水蒸気はライン32経由でストリッパー塔V11に供給される。ストリッパー塔V11からの蒸気は、好ましくは、凝縮され、回収され、リサイクルされる。図示された実施態様においては、ストリッパー塔V11からの蒸気はライン34を通って凝縮器V6に送られる。もし望むならば、ライン34およびライン29の中身は、凝縮器V6へ導入される前に混合してもよい。また、ライン34およびライン29の各々のために別個の凝縮装置を使用することも可能である。同様に、ライン34およびライン29から回収された、結果として生じた液相を分離するために、(図示されたように)単一のデカンターV7を使用してもよいし、別個のデカンターを設けてもよい。イオン性不純物を含む廃液流れ33はストリッパー塔V11から抜き出され、プロセスから取り除かれる。
水は、回収容器V8から、臭素化されたブタジエン重合体粒子と共にスラリーとして、ライン24を通って抜き出される。水と臭素化されたブタジエン重合体粒子は重合体回収装置V10において分離される。重合体回収装置V10は任意の適切な固液分離装置を含む。固液分離装置は、濾過器、真空濾過器、遠心分離機などのような機械的装置であってもよいし、乾燥機のような熱的装置であってもよい。通常、機械的固液分離装置は、大部分の水を取り除くために使用され、その後に乾燥工程が続くであろう。遠心分離と、それに続く乾燥工程が、スラリーから水を取り除くための好ましい方法である。プッシャー遠心分離機のような連続操作のできる遠心分離機が特に有用である。
遠心濾過が、多くの場合、水圧濾過より効率的に、臭素化されたブタジエン重合体粒子から水を取り除くことが見いだされた。これは、粒子が表面張力効果によって水を吸収することができる軽く凝集した一次粒子の形をしている傾向があるからかもしれない。排液のために遠心力を適用すると、臭素化されたブタジエン重合体粒子によって保持された水の量を、重合体粒子1gあたり水3g以上(多くの場合、濾過法を使用して達成される値)から重合体粒子1gあたり水約1〜2gの範囲に、急速に減らすことができる。これは、次の乾燥工程において除去されなければならない水の量を減らし、そしてその理由で乾燥機と関連した設備および運転の経費を削減することができる。もう一つの利点は、乾燥機を出る熱い気体流れと共に失われる残留溶媒がより少ないことである。
重合体回収装置V10から回収された水の大部分は、ライン15bを通って回収容器V8に直接リサイクルされてもよい。固体重合体粒子から不純物を洗い落とすために、追加の水がライン31を通って重合体回収装置V10に加えられてもよい。第一の抽出塔V5(ライン15a経由)、第二の抽出塔V4(ライン17経由)および臭素化反応器V3のために必要なリサイクル水の量が利用可能なリサイクル水の量を超える場合、リサイクル水を補うまたは置き換えるために、新しい水を直接加えることができる。回収された臭素化されたブタジエン重合体は、(たとえばライン25を通って)重合体回収装置V10から抜き出され、さらに、たとえば乾燥、圧縮および包装することによって、処理することができる。乾燥は、臭素化されたブタジエン重合体粒子の水含有量をさらに減少させる。圧縮は、粒子の嵩密度を増加させ、その体積を減少させる。より低い体積は包装および運送の費用を減少させるので、製品が包装され輸送されることになっているときは、圧縮することが好ましい。圧縮は、好都合なことに、ローラー圧縮機またはそれに類似の装置を使用して行なわれる。圧縮の後には、一般に、圧縮された物質をペレットまたは粒子にするために、フレークにするおよび/または造粒する工程が続く。
図は、本方法の実施態様を図式的に説明することのみを意図している。それは種々の好ましい特徴またはオプションの特徴を含む。図は、示された種々の構成要素の設計を含む、特定の工学的特徴または詳細を示すようには意図されていない。さらに、種々の弁、ポンプ、加熱および冷却装置、分析および/または制御装置などのような補助装置は示されていないが、必要に応じてまたは所望により、もちろん使用することができる。
本方法は、前に述べたものまたは図に示されたもの以外の特徴を含んでもよい。たとえば、本方法は、蓄積する不純物を工程から取り除く方法として、種々のパージ流れをとるための手段を含んでもよい。系からパージされた量を補充するために、新しい薬剤または溶媒を加えてもよい。
本発明の代替の実施態様においては、臭素化反応が少なくとも25%の転化率に達した後、ただし反応が90%の転化率に達する前に、水が反応器V3に導入される。その後、反応の残りは水の存在する状態において行なわれる。転化率が少なくとも50%に達した後に、より好ましくは少なくとも60%に達した後に、ただし転化率が80%に達する前に、水を加えることが好ましい。これらの代替の実施態様においては、臭素化反応において形成された一臭化第四級アンモニウム塩の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも90%を溶解するのに十分な水が加えられるべきである。「転化率」とは、原料ブタジエン重合体中の脂肪族炭素−炭素二重結合が、その二重結合に2つの臭素原子が付加することによって臭素化された百分率を意味する。このような水の添加は、非常に望ましい熱的性質を有する臭素化された重合体を生成しながら、反応速度を大幅に加速することが見いだされた。
工程中の任意の適切な点からリサイクルされた水は、本方法の工程a、すなわち図1における反応器V3に導入することができる。たとえば、ライン15aまたは15bからの水の一部は反応器V3に導入することができる。反応器V3が連続式反応器である場合、水は、ブタジエン重合体が所望の転化率になる反応器内の位置に加えられる。反応器V3が回分式反応器である場合、水は、ブタジエンが所望の転化率になった時に加えられる。水は、反応混合物の残りと一緒に抜き出し、本方法の工程bに導入することができる、すなわち、反応器V3からライン13を通って抜き出し、第一の抽出塔V5に移すことができる。その後、水は、工程bにおいて形成される一臭化第四級アンモニウム塩水溶液流れの一部を形成するであろう。
本方法のもう一つのオプションであるが好ましい工程は、プロセス中の臭素化されたブタジエン重合体への種々の添加物の導入である。添加物を添加する好都合な場所は、本方法の工程b後に得られる洗浄された臭素化されたブタジエン重合体溶液またはスラリーの中、すなわち図において第一の抽出容器V5からライン27経由で抜き出された物質の中である。液体であるかまたは溶媒中に可溶の添加物は、容易に、プロセス中のこの点において臭素化されたブタジエン重合体に添加される。添加物の導入のためにライン27に混合容器を介在させてもよい。
ブタジエンの重合体がこの方法における出発原料である。ブタジエン重合体は、単独重合体であってもよいし、ブタジエンと1種以上の他の単量体の共重合体であってもよい。共重合体はランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよく、重合したポリブタジエンを少なくとも10質量%含んでいるべきである。ブタジエンは重合して2種類の反復単位を形成する。ここで「1,2−ブタジエン単位」と呼称する一方のタイプは、
Figure 0005421356
の形をとり、したがって、重合体にペンダント不飽和基を導入する。ここで「1,4−ブタジエン」単位と呼称する第二のタイプは、−CH−CH=CH−CH−の形をとり、重合体主鎖に不飽和を導入する。ブタジエン重合体は少なくともいくつかの1,2−ブタジエン単位を含んでいるべきである。ブタジエン重合体中のブタジエン単位のうち、適切には少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも25%が、1,2−ブタジエン単位である。1,2−ブタジエン単位は、ブタジエン重合体中のブタジエン単位の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%または少なくとも70%を構成してもよい。1,2−ブタジエン単位の割合は、重合体中のブタジエン単位の85%超であってもよいし、さらには90%超であってもよい。
制御された1,2−ブタジエン含有量を有するブタジエン重合体を調製する方法は、ジェイ・エフ・ヘンダーソン(J. F. Henderson)およびエム・シュワルツ(M. Szwarc),ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(D,マクロモレキュラー・レビュー)(Journal of Polymer Science (D, Macromolecular Review)),1968年,第3巻,p.317、ワイ・タナカ(Y. Tanaka),ワイ・タケウチ(Y. Takeuchi),エム・コバヤシ(M. Kobayashi)およびエッチ・タドコロ(H. Tadokoro),ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(J. Polym. Sci.)A−2,1971年,第9巻,p.43−57、ジェイ・ジモナ(J. Zymona),イー・サンテ(E. Santte)およびエッチ・ハーウッド(H. Harwood),マクロモレキュールズ(Macromolecules),1973年,第6巻,p.129−133、およびエッチ・アシタカ(H. Ashitaka)ら,ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス,ポリマー・ケミストリー(J. Polym. Sci., Polym. Chem.),1983年,第21巻,p.1853−1860に記載されている。
好ましい出発原料は、ブタジエンのランダム、ブロックまたはグラフト共重合体および少なくとも1種のビニル芳香族単量体である。「ビニル芳香族」単量体は、芳香環の炭素原子に直接結合した重合可能なエチレン性不飽和基を有する芳香族化合物である。ビニル芳香族単量体としては、スチレンおよびビニルナフタレンのような非置換の物質、ならびに(たとえばα−メチルスチレンのような)エチレン性不飽和基の上に置換基を有する化合物および/または環置換された化合物が挙げられる。環置換されたビニル芳香族単量体としては、芳香環の炭素原子に直接結合したハロゲン、アルコキシル、ニトロまたは非置換のもしくは置換されたアルキル基を有するものが挙げられる。そのような環置換されたビニル芳香族単量体の例としては、2−または4−ブロモスチレン、2−または4−クロロスチレン、2−または4−メトキシスチレン、2−または4−ニトロスチレン、2−または4−メチルスチレンおよび2,4−ジメチルスチレンが挙げられる。好ましいビニル芳香族単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレンおよびそれらの混合物である。
「ビニル芳香族単位」は、ビニル芳香族単量体が重合されるときに形成される出発原料中の反復単位である。適切なブタジエン/ビニル芳香族出発共重合体は、5〜90質量%の重合したビニル芳香族モノマー単位および少なくとも10質量%の重合したブタジエンを含む。
ブタジエン/ビニル芳香族共重合体は、ランダム、ブロック(ジブロックまたはトリブロック型のようなマルチブロックを含む。)またはグラフトのいずれの型の共重合体であってもよい。スチレン/ブタジエンブロック共重合体は、商業的な量で広く入手可能である。VECTORTMの商品名でデクスコ・ポリマーズ社(Dexco Polymers)から入手可能なものが適している。スチレン/ブタジエンランダム共重合体は、エー・エフ・ハワサ(A. F. Halasa),ポリマー(Polymer),2005年,第46巻,p.4166に記載された方法に従って調製することができる。スチレン/ブタジエングラフト共重合体は、エー・エフ・ハワサ(A. F. Halasa),ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(ポリマー・ケミストリー・エディション)(Journal of Polymer Science (Polymer Chemistry Edition)),1976年,第14巻,p.497に記載された方法に従って調製することができる。スチレン/ブタジエンランダムおよびグラフト共重合体は、また、シー(Hsieh)およびクワーク(Quirk),「アニオン重合の原理と実用的応用(Anionic Polymerization Principles and Practical Applications)」,マルセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.),ニューヨーク,1996年,第9章に記載された方法に従って調製することができる。
ブタジエン重合体は、また、ブタジエンおよびビニル芳香族単量体以外の単量体を重合することにより形成された反復単位を含んでいてもよい。そのような他の単量体としては、エチレンおよびプロピレンのようなオレフィン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸などのようなアクリル酸エステルまたはアクリル酸単量体が挙げられる。これらの単量体は、ブタジエンとランダム重合されてもよいし、ブロックを形成するように重合されてもよいし、またはブタジエン重合体の上にグラフトされてもよい。
最も好ましい型のブタジエン重合体は、1つ以上のポリスチレンブロックおよび1つ以上のポリブタジエンブロックを含むブロック共重合体である。これらの中でも、中心ポリブタジエンブロックおよび末端ポリスチレンブロックを有するブロック共重合体が、特に好ましい。
ブタジエン重合体は、1,000〜400,000、好ましくは2,000〜300,000、より好ましくは5,000〜200,000、さらに好ましくは50,000〜175,000の範囲内の質量平均分子量(M)を有する。この発明の目的のためには、分子量は、ポリスチレン標準を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される見掛けの分子量である。GPC分子量決定は、直列につないだ2つのポリマー・ラボラトリーズ社(Polymer Laboratories)PLgel 5μm Mixed−Cカラムおよびアジレント社(Agilent)G1362A屈折率検出器を装備したAgilent 1100シリーズ液体クロマトグラフを使用して、溶離剤として1mL/minの流量の35℃の温度に加熱されたテトラヒドロフラン(THF)を用いて行なうことができる。
この発明に使用される臭素化剤は三臭化第四級アンモニウムである。三臭化物は、好ましくは、三臭化フェニルトリアルキルアンモニウム、三臭化ベンジルトリアルキルアンモニウムまたは三臭化テトラアルキルアンモニウムの1種以上から選ばれる。これらの例としては、三臭化フェニルトリメチルアンモニウム、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、三臭化テトラメチルアンモニウム、三臭化テトラエチルアンモニウム、三臭化テトラプロピルアンモニウム、三臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムなどが挙げられる。
溶媒に必要な要件がいくつかある。それは臭素化反応条件下で液体である。原料ブタジエン重合体および三臭化第四級アンモニウムは、溶媒に可溶でなければならない。臭素化されたブタジエン重合体は、好ましくは、溶媒に可溶である。
一臭化第四級アンモニウム塩副生成物は溶媒に実質的に不溶性であることが望ましい。一臭化第四級アンモニウム塩が溶媒に部分的に可溶の場合は、溶媒抽出はまだ可能である。溶媒から水の中への一臭化物の抽出のための平衡分配係数Kは、水相中の一臭化第四級アンモニウム塩の濃度を溶媒相中のその濃度で割った比である。抽出因子Eは、Kに溶媒/供給原料の比を掛けることにより計算される。水の中への一臭化物塩の抽出については、溶媒相が「供給原料」相と見なされ、水が「溶媒」相と見なされる。溶媒抽出によって高い回収率が可能になるためには、Eの値は1よりも大きくなければならない。抽出装置の資本を最小限にするために、Eの値は、1.3超であるべきであり、好ましくは2超である。しかし、10を超えるEの値はさらなる資本の縮小に効果的ではない。
溶媒から水への一臭化物塩の抽出に関して、Eの値は、Kを上げることにより、または水/供給原料の比率を上げることにより、上げることができる。Kの値は、使用される一臭化第四級アンモニウム塩および溶媒の特定の組合わせに依存する。Kを1よりはるかに大きくすることが好ましく、それは一臭化物塩が溶媒相に実質的に不溶の場合である。しかし、Eは相比率の影響も受けるので、より低いKを補うために、より大きな相比率を使用することができる。より低い相比率を使用することができるので、より高いKが好ましく、より低い相比率はより小さくより低費用の装置に帰着する。
同様に、水から溶媒への三臭化第四級アンモニウムの抽出は、その抽出に関するEによって制御され、それはその分配係数Kおよび溶媒/供給原料の比率に依存する。この抽出に関しては、水相が「供給原料」相であり、溶媒/臭素相が「溶媒」相である。前と同様に、Kの高い値は、より小さな溶媒/供給原料の比率、そしてしたがってより小さくより費用がかからない装置の使用を可能にするので、望ましい。しかし、より低い値のKの系は正確な溶媒/供給原料の比率で使用することができる。
このプロセスについては、2つの抽出工程は相互に関係する。一臭化物抽出の「溶媒」相は水性であり、その抽出物は三臭化物抽出の「供給原料」相になる。2つの抽出の相比率は、分配係数と同様に、結合される。
溶媒は実質的に水と混ざらないことが好ましい。分離した相を形成するためにやや静止した条件下で溶媒が水から容易に分離するように、溶媒の密度は、水の密度と異なり、好ましくは水の密度より高い。密度差は、また、工程bおよびcの間、向流操作を促進する。溶媒密度は、好ましくは少なくとも1.05、より好ましくは少なくとも1.10g/cmである。さらに、溶媒は、原料ブタジエン重合体、臭素化されたブタジエン重合体または三臭化第四級アンモニウムと反応してはならない。
抽出効率を改善するために、多数の向流接触段を有する抽出装置を使用することが有利である。ミキサー・セトラー型システムは1つのそのようなシステムであり、大きな相比率で使用することができる。第二の手法は拡張微分接触ゾーン(extended differential contacting zone)を有する装置を使用することである。回転ディスク抽出塔またはカール(Karr)往復プレート抽出塔は2つのそのような装置である。相間に小さな密度差しかない場合は、ポドビールニアク(Podbielniak)接触装置またはロバテル(Robatel)接触装置のような遠心抽出装置が有用であり得る。
適切な溶媒の例としては、テトラヒドロフランのようなエーテル;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ブロモクロロメタン(CHBrCl)、ジブロモメタンおよび1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化アルカン;シクロヘキサンおよびトルエンのような炭化水素;ならびにブロモベンゼン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族化合物が挙げられる。酸素含有溶媒はブタジエン/ビニル芳香族共重合体の脂肪族二重結合の付加反応に関与することができ、生成物の熱的性質の劣化につながるので、溶媒は非プロトン性であり、酸素化されていないことが好ましい。したがって、ハロゲン化溶媒および炭化水素溶媒は、酸素含有溶媒を超える溶媒として、好ましい。穏やかな反応条件が使用されるときは、ハロゲン交換反応があまり起こらないことが知られており、その理由で、塩素化溶媒は、本発明で使用するのに非常に適している。溶媒は、ハロゲン化溶媒と少量の炭化水素溶媒のような、溶媒の混合物であってもよい。
溶媒は、工程aにおける臭素化反応の条件下でブタジエン重合体を溶解するのに十分な量で使用される。溶媒中のブタジエン重合体の濃度は、たとえば1〜50質量%、特に5〜35質量%の範囲内で変動してもよい。
還元剤は、水に可溶であり、三臭化第四級アンモニウムを対応する一臭化第四級アンモニウム塩に還元する任意の物質である。チオ硫酸ナトリウム(Na)は適切な還元剤である。pHを調節するためにまたは他の方法で還元剤を運ぶ水性の流れを緩衝するために、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムのような追加の塩基または塩が存在してもよい。
本発明の方法は、優れた熱的安定性を有する臭素化された共重合体生成物を生成する傾向がある。熱的安定性の有用な指標は5%減量温度であり、それは、熱重量分析によって、以下のように測定される。10mgの重合体を、ティー・エイ・インスツルメント社(TA Instruments)製型式Hi−Res TGA 2950またはそれと同等な装置を使用し、窒素ガス流量60ミリリットル/分(mL/min)および室温(名目上25℃)から600℃まで範囲にわたって10℃/minの加熱速度で分析する。試料が失った質量を加熱工程中監視し、(試料が含んでいるかもしれない残余の溶媒およびその他の揮発物を失った後)試料がその初期の質量の5%を失った温度を5%減量温度(5%のWLT)と呼ぶ。この方法は、初期の試料の質量を基準として、試料が5質量%の累積的減量を受けた温度を与える。臭素化された共重合体は、好ましくは、少なくとも200℃の5%WLTを示す。5%のWLTは、好ましくは少なくとも220℃、より好ましくは少なくとも230℃、さらに好ましくは少なくとも240℃、さらに好ましくは少なくとも250℃である。ブタジエン単位の少なくとも85%が臭素化されており、かつそのような5%のWLT値を有する臭素化された共重合体は、特に興味深い。
臭素化されたブタジエン重合体をアルカリ金属塩基で処理すると、熱的安定性のさらなる増加が見られる場合がある。アルカリ金属塩基は、たとえば、水酸化物であってもよいし、炭酸塩であってもよい。アルカリ金属アルコキシドはアルカリ金属水酸化物、炭酸塩またはカルボン酸塩のような他の塩基よりも、より多くの熱的安定性の増加を与える傾向があるので、アルカリ金属塩基は好ましくはアルカリ金属アルコキシドである。アルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウムまたはセシウムであってもよい。リチウム、ナトリウムおよびカリウムが好ましい。好ましい実施態様においては、塩基はアルカリ金属アルコキシドである。アルコキシドイオンは1〜8個の、好ましくは1〜4個の炭素原子を含むことができ、メトキシドおよびエトキシドが特に好ましい。特に好ましいアルカリ金属アルコキシドは、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドである。臭素化されたブタジエン重合体は、(臭素化されていようとなかろうと)共重合体中の重合したブタジエン単位の1モル当たり0.01モル程度のアルカリ金属塩基で処理することができる。費用および取り扱いの考慮は、共重合体中の重合した(臭素化されたまたは臭素化されていない)ブタジエン単位1モル当たりアルカリ金属塩基を約1モル超使用することを減じるが、アルカリ金属塩基の量に上限はない。好ましい量は、重合した(臭素化されたまたは臭素化されていない)ブタジエン単位1モル当たり0.03〜0.50モルであり、特に好ましい量は0.05〜0.20モル/モルである。
臭素化されたブタジエン重合体は、様々な有機重合体用の難燃剤添加物として有用である。興味のある有機重合体としては、ビニル芳香族またはアルケニル芳香族重合体(アルケニル芳香族単独重合体、アルケニル芳香族共重合体、または1種以上のアルケニル芳香族単独重合体および/またはアルケニル芳香族共重合体のブレンドを含む。)、ならびに臭素化された共重合体がその中に可溶であるかまたは分散して大きさが30μm未満、好ましくは15μm未満のドメインを形成することができる他の有機重合体が挙げられる。好ましくは、ブレンドの質量を基準として0.1質量%〜25質量%の範囲内の臭素含有量を有する混合物を提供するために十分な量の臭素化されたブタジエン重合体がブレンドの中に存在する。
臭素化されたブタジエン重合体のブレンドは、追加の難燃剤添加物、難燃剤相乗剤、熱安定剤、紫外線安定剤、可塑剤、分散助剤、気泡サイズ拡大剤、酸化防止剤、発泡剤、酸掃去剤、相溶化剤および着色剤のような他の添加物を含んでもよい。
前に述べたように、これらの添加物は、場合によっては、臭素化されたブタジエン重合体が溶媒から単離される前に、本方法の工程bから得られる臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーに加えることができる。驚くべきことに、本方法におけるこの点で添加物を混合することは、時には、臭素化されたブタジエン粒子が回収されるときに、利点を提供する。エポキシド含有酸掃去剤または酸化防止剤のような添加物がこの段階で加えられるときは、生じるブレンドされたブタジエン重合体は、多くの場合、遠心分離のような機械的脱水工程の間に、より完全に脱水されることができる。これは、次の乾燥工程のエネルギー必要量を減少させる。より高い熱的安定性を有する臭素化されたポリブタジエンに帰着するエポキシ添加物のような酸掃去剤の混合によって、追加の利点が生じる。エポキシ酸掃去剤を含有する単離された臭素化されたポリブタジエン重合体は、エポキシ酸掃去剤を含有しないものよりも低い遊離の臭化物含有量を有するであろう。遊離臭化物価は、臭素化されたポリブタジエン重合体の中に存在するHBrの含量を示し、HBrは臭素化されたポリブタジエンの熱的安定性を減少させることが知られている。
本方法の工程bから得られる臭素化されたブタジエン重合体溶液にある種の添加物を加える予期しない利点は、臭素化されたブタジエン重合体が溶液から回収されるときに、それが、多くの場合、ブレンドを形成するために別の有機重合体の中により容易に分散することである。これは、特に、有機重合体がスチレン系重合体、特にポリスチレンであるときにそうである。改善された分散性の結果として、臭素化されたブタジエン重合体は、より均一に分散するようになり、有機重合体の中により小さなドメインを形成する。そのようなブレンドが押出発泡体に成形されるときは、特に発泡剤が二酸化炭素を含むまたは二酸化炭素からなるときは、発泡体はいくぶんより大きな平均気泡サイズを有する傾向がある。ポリスチレンおよび/または臭素化されたブタジエン重合体のいずれかに可塑化効果を有する添加物は、特に、この改善された分散性を提供する。そのような可塑剤添加物の例としては、たとえば、エポキシ化脂肪酸または植物油、グリセリンモノステアラート、トリブロモネオペンチルアルコール、鉱油、アジピン酸のノニルジエステル(バスフ社(BASF)製Hexamoll(登録商標)DINCH)のような脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステル、および40,000以下の質量平均分子量を有するポリ(α−メチルスチレン)のようなスチレン系重合体が挙げられる。さらに、臭素化されたブタジエン重合体および有機重合体のために相溶化剤(典型的には種々のブロック共重合体)の役割をする添加物は、類似の効果を提供することができる。
臭素化されたブタジエン重合体に添加物を加えるもう一つの好都合な時は、粒子が少なくとも部分的に脱水された後、圧縮工程の前である。添加物は、(添加物が固体である場合は)部分的にまたは完全に脱水された重合体とドライブレンドしてもよいし、または(添加物が液体である場合は)重合体粒子上に噴霧してもよい。ブレンドは、(濾過または遠心分離のような)機械的脱水工程の後に、そして乾燥工程の前に行うことができる。あるいは、ブレンドは、乾燥工程後に、そして圧縮の前に行うことができる。好ましくは、得られたブレンドは、その後、より密度が高い物質を形成するために、前に述べたように圧縮される。添加物を混合するこの手法は、低費用の利点を有し、臭素化されたブタジエン重合体の中に添加物を溶融ブレンドする方法のようないくつかの代替手法に見られる熱応力を回避する。添加物の存在は、場合によっては、特に添加物が可塑剤を含むときは、ローラー圧縮方法自体に役立つ場合がある。ローラー圧力は、所望の圧縮度をまだ達成しつつあるときに、しばしば減少させることができる。処理量もまた増加し、したがってより小さくおよび/またはより少ないローラー圧縮機がプロセス規模で必要とされ、したがって加工費を下げる。
次の実施例は本発明を説明するために提供されるが、本発明の範囲を限定するものではない。部およびパーセントは、別段の明示がない限り、すべて質量基準である。
60%の重合したブタジエン単位を含むスチレンブタジエンブロック共重合体を、図に示すような装置で臭素化する。ライン10はスクリューフィーダーを含む。溶解槽V2は撹拌タンクである。反応器V3は一連の3つのジャケット付き撹拌容器(V3A、V3B、V3C)である。反応器V3と第一の抽出塔V5の間のライン13上にサージタンクが置かれている。第一の抽出塔V5および第二の抽出塔V4は両方とも向流抽出塔である。第二の抽出塔V4と反応器V3の間のライン18の中にサージタンクが置かれている。凝縮器V6は水冷式である。分離器V7はデカンターである。スクラバーV9は水蒸気を投入するベンチュリスクラバーシステムである。重合体回収装置V10はベルトフィルターを含む。
原料の共重合体は、約36.3kg/時間の流量で貯蔵槽V1からライン10を通って溶解槽V2の中に供給される。水を飽和させたリサイクルされた塩化メチレン溶媒が、約363kg/時間の流量でライン11aを通って溶解槽V2に入る。ポリブタジエンポリマー溶液が、約400kg/時間の流量で溶解槽V2からライン12を通って反応器V3Aに移される。約42%の三臭化テトラエチルアンモニウム、56%の塩化メチレンならびに少量の水、臭素および不純物を含む溶液が、約350kg/時間の流量で、第二の抽出塔V4からライン18を通って反応器V3Aに供給される。約86kg/時間の水が反応器V3Bに加えられる。約835kg/時間の粗反応混合物が反応器V3Cから抜き出される。この粗反応混合物は、約9.6%の一臭化テトラエチルアンモニウム塩、12%の臭素化されたブタジエン重合体、66%の塩化メチレン、11%の水ならびに少量の三臭化テトラエチルアンモニウムおよび他の不純物を含む。
反応器V3Cからの粗反応混合物は、第一の抽出容器V5の上部に供給される。リサイクルされた水が、約292kg/時間の流量でライン15を通って第一の抽出容器V5の底部に供給される。36%の水酸化ナトリウム、14%のチオ硫酸ナトリウムおよび50%の水の流れが、約5.8kg/時間の流量でライン14を通って第一の抽出容器V5に注入される。第一の抽出容器V5は向流的に操作され、臭素化されたブタジエン重合体の洗浄された溶液を生成し、それは約652kg/時間の流量でライン27経由で抜き出される。一臭化第四級アンモニウム水溶液が第一の抽出容器V5において生成される。この溶液は、約481kg/時間の流量で16ラインを通って塔の塔頂から抜き出され、第二の抽出容器V4に移される。一臭化テトラエチルアンモニウム塩の50%水溶液の約17kg/時間のメーキャップ流れが、第二の抽出器V4における損失を補うために、流れ16に加えられる。
リサイクル水は、約26kg/時間の流量で、ライン17経由で第二の抽出容器V4の塔底の近くに導入される。液体臭素が約67kg/時間の流量でライン26経由で導入される。リサイクル溶媒は、約228kg/時間の流量でライン11bを通って第二の抽出容器V4へ導入される。水性ラフィネートは、約438kg/時間の流量で、第二の抽出容器V4の塔頂からライン19経由で抜き出される。この流れは少量の溶媒、2〜3%の一臭化テトラエチルアンモニウム塩およびいくらかのその他の塩を含む。ライン19の中身はストリッパー塔V11の中を通され、水/無機物の流れ(ライン33)を生成し、それは無機物の回収のための別の工程にリサイクルされてもよいし、環境上容認された方式で処分されてもよい。約48%の溶媒および52%の水を含む塔頂流れ34は、その後、凝縮器V6に送られる。
第一の抽出容器V5を出る粗反応混合物は、ライン27を通って分離容器V8に移される。それは二流体ノズルを通って水蒸気と一緒に分離容器V8のヘッドスペースの中に注入され、小滴を形成する。小滴は分離容器V8の中に存在する水の中に落下し、その水の中に分散し、スラリーを形成する。スラリーから追加の溶媒を取り除くために、ライン30を通ってスラリーに水蒸気が添加される。スラリーはライン24経由で分離容器V8から抜き出され、重合体回収装置V10に供給され、そこで臭素化されたブタジエン重合体粒子は、水から分離される。重合体回収装置V10で回収された水は、ライン15a、15b、17および35経由で工程にリサイクルされる。
水蒸気、および分離容器V8においてブタジエン小滴から熱により取り除かれた溶媒は、ライン22を通ってスクラバーV9に移され、そこで蒸気流れの中に浮遊して運ばれる小さな重合体粒子は、循環する熱水で蒸気から洗い落とされる。リサイクルされた熱水がライン35経由でスクラバーV9に加えられ、細かい重合体粒子を含む等体積の熱水がスクラバーV9からライン28経由で抜き出される。溶媒/水蒸気混合物はライン29経由で凝縮器V6に送られ、そこでライン34経由のストリッピング塔V11の塔頂流れと混合される。凝縮器V6に入る混合された流れは凝縮され、デカンターV7に移される。デカンターV7において水と溶媒は2つの相に分離し、水が軽い方の相を形成する。溶媒が飽和した水は、デカンターV7からライン21を通って抜き出され、そこでスクラバーV9からライン28経由で抜き出された水流れと混合され、分離容器V8に送られ、そこでタンクの中に存在する液相の一部になる。デカンターV7中の下層中の水が飽和した溶媒は、その後、ライン11、11aおよび11b経由で工程にリサイクルされる。
重合体回収装置V10からの臭素化されたブタジエン重合体は、さらに、乾燥、粉砕、圧縮操作に送られる。100kg/時間の臭素化された重合体が得られる。生成物の臭素含有量は63.7%である。

Claims (15)

  1. a.原料ブタジエン重合体と三臭化第四級アンモニウムが反応して臭素化されたブタジエン重合体および一臭化第四級アンモニウム副生成物を生成する条件下で、原料の脂肪族炭素−炭素二重結合を含むブタジエン重合体を三臭化第四級アンモニウムと接触させる工程(ただし、原料ブタジエン重合体の反応は、原料ブタジエン重合体と三臭化第四級アンモニウムが両方とも反応条件下で可溶でありかつ臭素化されたブタジエン重合体が少なくとも部分的に可溶である溶媒の存在下で行なわれ、そして溶媒中の臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーが、その反応で形成される。)、
    b.還元剤を含む水性の相で臭素化されたブタジエン重合体の溶液またはスラリーを抽出し、一臭化第四級アンモニウム塩水溶液流れと臭素化されたブタジエン重合体の洗浄された溶液またはスラリーを生成する工程、
    c.工程bで得られた一臭化第四級アンモニウム塩水溶液流れを、元素臭素および溶媒流れと接触させ、水性のラフィネート流れ、および溶媒に三臭化第四級アンモニウムが溶けた溶液を生成する工程、および
    d.工程cで得られた三臭化第四級アンモニウム溶液を工程aにリサイクルする工程
    を含む方法。
  2. e.工程bで得られた洗浄された溶液またはスラリーから臭素化されたブタジエン重合体を回収し、固体の臭素化されたブタジエン重合体および溶媒流れを生成する工程、および
    f.工程eで得られた溶媒流れの少なくとも一部を工程cにリサイクルする工程
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 工程eが、e1)洗浄された溶液またはスラリーを細かい小滴にする工程、e2)小滴から熱により溶媒を除去し、臭素化されたブタジエン重合体の粒子を形成する工程、および、熱による除去工程の前にまたはその工程の後に、e3)水の中で小滴または粒子を洗浄する工程によって行なわれることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. g.工程e3の後に、洗浄水から臭素化されたブタジエン重合体の小滴または粒子を分離し、そして、洗浄水の少なくとも一部を工程a、工程bまたは工程eの少なくとも1つにリサイクルする工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  5. 工程gは固体の臭素化されたブタジエン重合体を遠心分離機にかけ、そして乾燥することによって行なわれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 工程eまたは工程gにおいて得られた固体の臭素化されたブタジエン重合体に、少なくとも1種の添加物が添加されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. h.工程gの後に、乾燥した臭素化されたブタジエン重合体を圧縮する工程をさらに含む請求項5または6に記載の方法。
  8. 工程e2において、小滴が水蒸気ストリッピングされることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程bの後に、臭素化されたブタジエン重合体の小滴または粒子に、少なくとも1種の添加物が添加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 工程bにおいて得られた臭素化されたブタジエン重合体の洗浄された溶液またはスラリーに、少なくとも1種の添加物が添加されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  11. 工程gは臭素化されたブタジエン重合体の粒子を遠心分離機にかけかつ乾燥することによって行なわれ、そして該方法がさらに、h.工程gの後に、乾燥した臭素化されたブタジエン重合体を圧縮する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 溶媒が、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ブロモクロロメタン(CHBrCl)、ジブロモメタン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサン、トルエン、ブロモベンゼン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンの1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 三臭化第四級アンモニウムが、三臭化フェニルトリメチルアンモニウム、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、三臭化テトラメチルアンモニウム、三臭化テトラエチルアンモニウム、三臭化テトラプロピルアンモニウムおよび三臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 原料ブタジエン重合体が、ブタジエン単独重合体、またはブタジエンと少なくとも1種のビニル芳香族単量体のランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 原料ブタジエン重合体がブタジエンとスチレンのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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