JP5418727B1 - 感光性導電ペーストおよび導電性配線付き基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、酸化チタンを用いた感光性導電ペーストにおいて、様々な焼成環境に応じて、断線が発生しない緻密な焼成膜、所望する適切な形状、抵抗値を特徴とする安価な導電性配線を形成できる感光性導電ペーストを提供することを目的とする。本発明は、導電性粉末、ガラスフリットおよび酸化チタン粒子を含む無機成分、ならびに感光性有機成分を含有する感光性導電ペーストであって、該酸化チタン粒子の含有量が該導電性粉末100重量部に対して0.1〜5.0重量部、体積平均粒子径が0.001〜1.0μmであることを特徴とする感光性導電ペーストを提供する。
Description
本発明は、感光性導電ペーストおよび導電性配線付き基板の製造方法に関する。
近年、ガラスやセラミックス、コンポジット材料等の基板上に塗布、描画、印刷してパターン化された導電性配線を形成するための導電ペーストは、比較的安価で微細加工に優れていることから、ディスプレイ、太陽電池などの分野において採用されている。導電性や微細加工性といった性能を維持向上する一方で、近年環境負荷の低減、低コスト化が注目されている。
これらの用途で用いられる一般的な導電ペーストは、導電性粉末およびガラスフリットを含む無機粉末と、有機バインダーを含む。このような導電ペーストを基板上に特定のパターンに塗布するか、塗布後パターン加工することによって所望のパターンの導電ペースト塗膜を形成した後、空気中で500℃以上で焼成して有機バインダーを除去するとともにガラスフリットを軟化させて導電性材料とガラスからなる導電性配線を形成する。
例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)は液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、OA機器および広報表示装置等の分野に浸透している。また、高品位テレビジョンの分野等で活用されている。
PDPは、前面板と背面板の2枚のガラス基板の間に作られた僅かな隙間を放電空間とし、アノード電極およびカソード電極の間にプラズマ放電を生じさせ、放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内に設けた蛍光体にあてて発光させることにより表示を行うものである。このため、電極は前面板と背面板にそれぞれストライプ状に、複数本の電極が平行に設けられており、前面板の電極と背面板の電極は僅かの間隙を介して対向し、かつ互いに直交するように形成される。PDPの中で、蛍光体によるカラー表示に適した3電極構造の面放電型PDPにおいては、前面板に設けられ、互いに平行に隣接した表示電極からなる複数の電極対と、各電極対と直交するよう背面板に設けられた複数のアドレス電極とを有する。また、背面板には光のクロストークを防ぎ、放電空間を確保するための隔壁が、電極間のスペースに形成される。さらに、その放電空間内に蛍光体が形成されている。
上記電極のうち、背面板に形成されるアドレス電極は、広い範囲に、厚みや線幅を均一に形成する必要がある。さらに、PDPの高精細化に伴い、アドレス電極のファインピッチ化が進んでいる。なお、導電ペーストを用いて電極を形成する場合は、上述のように空気中で500℃以上の温度での焼成工程を経るため、焼成工程を経てもライン形状が屈曲、膨らみなどの変形を起こさない材料を用いる必要があった。これらの制約から、導電性粉末として、銀、金といった貴金属を用いた感光性ペーストを使用することが提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1で用いられている電極ペーストは、貴金属を含有していることから、コストが高いという問題があった。一方、アルミニウムや銅などの金属を単体で電極材料として用いる場合、空気中での焼成工程において厚い酸化皮膜が形成されてしまい、金属粉末同士の融着が阻害され、抵抗が高くなってしまうという問題がある。よってアルミニウムや銅などのパターン形成には被覆層を施すような複雑な工程を要するのが一般的である。
このようなことから、単体で用いても酸化することなく展性に富み保存安定性に優れた貴金属の粉末を導電性粉末として用いた導電ペーストが広く使用されている。
特許文献1および2の感光性導電ペーストは、焼成炉内の給排気量が十分でない酸素不足条件や、特許文献3記載の電極、誘電体および隔壁を同時に焼成する条件など、様々な焼成環境を想定した場合に、焼成過程で残存した有機バインダー成分により、焼結開始時の均一な焼結進行を阻害され、隣接する導電性粉末同士でのみ焼結を進行してしまう問題があった。導電性粉末は見かけ上、大きく成長し、緻密な焼成膜を形成せずに断線してしまうため、様々な焼成環境への対応が十分ではなかった。
本発明は、酸化チタンを用いた感光性導電ペーストにおいて、様々な焼成環境に応じて、断線が発生しない緻密な焼成膜、所望する適切な形状、抵抗値を特徴とする安価な導電性配線を形成できる感光性導電ペーストを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため本発明の感光性導電ペーストは以下の構成をとる。すなわち、導電性粉末、ガラスフリットおよび酸化チタン粒子を含む無機成分、ならびに感光性有機成分を含有する感光性導電ペーストであって、該酸化チタン粒子の含有量が該導電性粉末100質量部に対して0.1〜5.0質量部、体積平均粒子径が0.001〜1.0μmであることを特徴とする感光性導電ペーストである。
本発明の感光性導電性ペーストを用いれば、様々な焼成環境に応じて、断線が発生しない緻密な焼成膜、所望する適切な形状、抵抗値を特徴とする安価な導電性配線を形成できる感光性導電ペーストを提供できる。
本発明に使用する酸化チタン粒子は、銀の焼結開始のタイミングを遅らせ、残存した有機バインダー成分の蒸発を促す効果がある。そのため、酸化チタン粒子は適切に配合する必要がある。酸化チタン粒子の含有量は導電性粉末100質量部に対して0.1〜5.0質量部の範囲内であることが好ましい。これは、電極中の有機バインダー成分が残存しやすいような条件で焼成された場合、0.1質量部未満では、不均一に焼結が進行し、緻密な焼成膜を形成することができなくなるためである。一方、5.0質量部を超えると、導電性粉末の焼結を阻害し、密着強度不足や、抵抗値が高くなる問題が生じる。
酸化チタン粒子の体積平均粒子径は、0.001〜1.0μmであることが好ましい。0.001μm未満の場合、酸化チタン粒子は凝集しやすく、ペースト中の分散が困難となり、導電性配線形成時に偏りができ、導通不良が発生したり、銀の焼結や有機バインダー蒸発への効果を十分に発揮できない。1.0μmを超える場合、銀の焼結を阻害し、密着強度不足や、抵抗値が高くなる問題が生じる。また、本発明に使用する酸化チタン粒子は、導電性粉末以外の無機粉末であるフィラーの1種であり、600℃以下に軟化点や融点、分解点等を有さないものである。
本発明に用いる導電性粉末は、導電性を有する粉末であればよく、好ましくは、Ag、Au、Pd、Ni、Cu、AlおよびPtの群から選ばれる少なくとも1種を含むもので、低抵抗の導電性粉末が好ましい。より好ましくはAgすなわち銀である。これらは、単独、合金、混合粉末のいずれの状態であっても用いることができる。 導電性粉末の体積平均粒子径は0.1〜2.5μmであることが好ましく、含有量は35質量%〜54質量%であるがことが好ましい。35質量%未満の場合、導電性粉末同士の接触確率が下がり、断線不良や導通不良が発生する。54質量%を超えると、電極中の有機バインダー成分が残存しやすい条件で焼成した場合、導電性粉末同士の接触確率が上がり、焼結開始のタイミングが早くなり、焼結が促進され、不均一に焼結が進行する。
また、導電性粉末の比表面積は、0.3〜2.5m2/gのサイズを有していることが導電性配線の精度の点で好ましい。より好ましくは、比表面積0.35〜2.0m2/gである。
また、導電性粉末のタップ密度は3〜6g/cm2であるのが好ましい。より好ましくは、3.5〜5g/cm2の範囲である。導電性粉末の形状は、球状のものが好ましく、中でも粒度分布がシャープで、凝集体が少ないことがより好ましい。この場合、球状とは球形率が90個数%以上を意味する。球形率は、粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影し、このうち計数可能な粒子を計数し、球形のものの比率を表すものとする。
さらに、導電性粉末の体積平均粒子径(μm)をA、酸化チタン粒子の含有量を導電性粉末100質量部に対しB質量部と表した場合、がAとBを乗算した値A×Bが0.1〜12の範囲内にあることが好ましい。これは、電極中の有機バインダー成分が残存しやすいような条件で焼成された場合、AとBを乗算した値A×Bが0.1未満であれば、導電性粒子の粒子径に対して、酸化チタン粒子の添加量が不足し、均一な焼成膜を形成することができなくなる場合があるためである。また、AとBを乗算した値A×Bが12を超える場合、導電性粉末の粒子径に対して、酸化チタン粒子の添加量が過剰になり、焼結阻害による基板への密着強度不足や、抵抗値が高くなる原因となる場合がある。
本発明におけるガラスフリットは、導電性粉末を基板上に強固に焼き付けるために、好ましくは導電性粉末100質量部に対して3〜20質量部の範囲内で用いられる。さらに好ましくは導電性粉末100質量部に対して5〜20質量部の範囲内である。また、ガラスフリットは導電性粉末を焼結するための焼結助剤効果や導体抵抗を下げる効果がある。ガラスフリットの含有量が導電性粉末100質量部に対して3質量部未満の場合は、基板と導電性配線の密着強度が小さくなり、導電性配線が基板から剥がれる問題が生じる場合がある。また、導電性粉末同士の焼結性が悪くなってしまうため、得られる配線の抵抗が大きくなってしまうという問題を生じる場合がある。一方、ガラスフリットの含有量が導電性粉末100質量部に対して20質量部よりも多い場合は、感光性有機成分の蒸発が十分でなくなるため、焼成後の導電性配線の膨らみの原因となる場合がある。
本発明の感光性導電ペーストに用いるガラスフリットのガラス転移温度(Tg)および軟化点(Ts)は、それぞれ400〜600℃、450〜700℃の範囲内であることが好ましい。本発明では、転移点や軟化点の異なるガラスフリットを1種または2種以上使用することができる。
ガラスフリットの粉末粒子径は、体積平均粒子径が0.1〜1.4μm、90%粒子径が1〜2μmおよびトップサイズが4.5μm以下であることが好ましい。体積平均粒子径、体積基準の粒度分布曲線における90%粒子径がそれぞれ0.5μm、1μm未満では、ガラスフリットの粒子サイズが小さくなり過ぎて紫外線が未露光部まで散乱され、導体膜のエッジ部・端部の光硬化が起こり、完全に現像できなくなることがあり、導体膜のパターンの切れ・解像度が低下する傾向がある。体積平均粒子径、90%粒子径およびトップサイズがそれぞれ1.4μm、2μm、4.5μmを超えると、粗大なガラスフリットと導電性粉末との熱膨張係数が異なることにより、特に10μm以下の薄膜では、導体膜の接着強度が低下するため膜はがれが起こることがあり、また、粗大ガラスフリットが導体膜中に残留し、接着強度が低下する傾向がある。
本発明においては、ガラスフリットの組成としては、Bi2O3は30〜70質量%の範囲で配合することが好ましい。30質量%未満の場合は、ガラス転移点や軟化点を制御する点や、基板に対する導体膜の接着強度を高める点での効果が少ない。また70質量%を超えるとガラスフリットの軟化点が低くなり感光性導電ペースト中のバインダーが蒸発する前にガラスフリットが溶融する。このためペーストの脱バインダー性が悪くなり、導体膜の焼結性が低下し、また基板との接着強度が低下する傾向がある。
特に、ガラスフリットが、酸化物換算表記で
Bi2O3 30〜70質量%
SiO2 5〜30質量%
B2O3 6〜20質量%
ZrO2 3〜10質量%
Al2O3 1〜5質量%
の組成範囲からなるものを80質量%以上含有し、かつNa2O,K2O,Li2Oを実質的に含有しないアルカリフリーのガラスフリットであることが好ましい。この範囲であると、ガラス基板を用いる場合の好ましい焼成温度である550〜600℃で導体膜を基板上に強固に焼成できるガラスフリットが得られる。
Bi2O3 30〜70質量%
SiO2 5〜30質量%
B2O3 6〜20質量%
ZrO2 3〜10質量%
Al2O3 1〜5質量%
の組成範囲からなるものを80質量%以上含有し、かつNa2O,K2O,Li2Oを実質的に含有しないアルカリフリーのガラスフリットであることが好ましい。この範囲であると、ガラス基板を用いる場合の好ましい焼成温度である550〜600℃で導体膜を基板上に強固に焼成できるガラスフリットが得られる。
感光性ポリマーは、炭素−炭素二重結合を有する化合物から選ばれた成分の重合または共重合により得られる。
不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後のアルカリ水溶液での現像を可能にすることができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価は50〜180mgKOH/g、さらには70〜140mgKOH/gの範囲が好ましい。
本発明の感光性導電ペーストは感光性有機成分を含む。感光性有機成分としては、感光性ポリマーおよび/または感光性モノマーを含むことが好ましい。
感光性ポリマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等の重合体もしくは共重合体からなるアクリル樹脂の側鎖または分子末端に光反応性基を付加したもの等が好ましく用いられる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。
本発明の感光性導電ペーストにおける感光性ポリマーの含有量は、1〜30質量%、さらには、2〜30質量%であることが好ましい。
本発明の感光性導電ペーストにおける感光性ポリマーの含有量は、1〜30質量%、さらには、2〜30質量%であることが好ましい。
感光性モノマーの具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレートおよび上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
本発明の感光性導電ペーストにおいては、感光性有機成分が導電性粉末100質量部に対して5〜40質量部含まれることが光に対する感度の点で好ましい。さらには10〜35質量部含まれることが好ましい。
本発明の感光性導電ペーストは、感光性有機成分以外に、さらに、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等のセルロース系樹脂、ポリ−α−メチルスルホン、ポリビニルアルコール、または、ポリブテン等の非感光性ポリマーを含有することができる。
また、本発明の感光性導電ペーストは、必要に応じ光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、有機溶媒を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4’−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルー、アセトフェノン、アニソイン、4−ベンゾイルビフェニル、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4−モルフォリノブチロフェノン、ジベンゾスベレノン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、エチルアントラキノン、3−ヒドロキシアセトフェノン、3−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−メチル−4−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−クロロチオキサンテン−9−オン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−チオキサン−9−オン、市販品としてチバスペシャリティーケミカルズ社製IRGACURE369、IRGACURE907、IRGACURE1300、4,4−ビス(ジエチルアミノベンゾフェノン)、IRGACURE651、IRGACURE784、IRGACURE819、IRGACURE2100、IRGACURE2022、DAROCUR TPOなどが挙げられる(「IRGACURE」「DAROCUR」は登録商標である)。
増感剤は、感度を向上させるために添加されることが好ましい。増感剤の具体例としては、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ジエチルチオキサントン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。
増感剤を本発明の感光性導電ペーストに添加する場合、その添加量は感光性有機成分に対して0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
感光性導電ペーストは保存時の熱安定性を向上させるため、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、感光性導電ペースト中に、0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは、0.2〜3質量%である。重合禁止剤の量が少なすぎれば、保存時の熱的な安定性を向上させる効果が発揮されず、重合禁止剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
本発明の感光性導電ペーストには、溶液の粘度を調整したい場合、有機溶媒を加えてよい。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセルソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトンなどがあげられる。これらの有機溶媒は、単独あるいは2種以上併用して用いられる。
本発明の感光性導電ペーストの組成は、上述の通り次の範囲で選択することが好ましい。
導電性粉末:導電ペースト全体に対して35〜54質量%
ガラスフリット:導電性粉末100質量部に対して3〜20質量部の範囲内、好ましくは5〜20質量部の範囲内
酸化チタン粒子:導電性粉末100質量部に対して0.1〜5.0質量%
感光性有機成分:導電性粉末100質量部に対して5〜40質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜35質量%
各成分の量が上述の範囲内であると露光時において紫外線がよく透過し、光硬化の機能が十分発揮され、現像時における露光部の膜強度が高くなり、微細な解像度を有する導電性配線が形成できる。また基板と導電性配線の密着強度が高く、低抵抗、かつ断線が発生しない緻密な焼成膜を形成することができる。
導電性粉末:導電ペースト全体に対して35〜54質量%
ガラスフリット:導電性粉末100質量部に対して3〜20質量部の範囲内、好ましくは5〜20質量部の範囲内
酸化チタン粒子:導電性粉末100質量部に対して0.1〜5.0質量%
感光性有機成分:導電性粉末100質量部に対して5〜40質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜35質量%
各成分の量が上述の範囲内であると露光時において紫外線がよく透過し、光硬化の機能が十分発揮され、現像時における露光部の膜強度が高くなり、微細な解像度を有する導電性配線が形成できる。また基板と導電性配線の密着強度が高く、低抵抗、かつ断線が発生しない緻密な焼成膜を形成することができる。
本発明の感光性導電ペーストを製造する方法について説明する。上述の導電性粉末、ガラスフリット、酸化チタン粒子、感光性有機成分、さらに必要に応じて光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、有機溶媒を添加し、混合物のスラリーとする。所定の組成となるように調整されたスラリーはホモジナイザなどの攪拌機で均質に混合した後、3本ローラーや混練機で均質に分散し、ペーストを作製する。
感光性導電ペーストの粘度は導電性粉末、ガラスフリット、無機フィラー、有機溶媒、有機成分の組成・種類、可塑剤、チキソトロピー剤、沈殿防止剤および有機のレベリング剤などの添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は3rpmにおいては、10〜150Pa・sの範囲内であることが好ましい。
例えばガラス基板への塗布をスクリーン印刷法やバーコータ、ローラコータ、アプリケータで1〜2回塗布して膜厚1〜25μmを得るには、30〜100Pa・sの範囲内であることが好ましい。
本発明の導電性配線付き基板の製造方法は、上述の感光性導電ペーストを基材上に塗布し、フォトリソグラフィ法でパターン形成した後、焼成して導電性配線を形成することを特徴とする。本発明の感光性導電ペーストは上述の通り、微細なパターン加工が可能であって、基板と導電性配線の密着強度が高く、かつ様々な焼成環境において、焼成後の導電性配線の抵抗値は低く、緻密な焼成膜を形成することができる。
次に具体例として、本発明の感光性導電ペーストを用いてプラズマディスプレイの電極を形成する場合の方法について説明する。
本発明の感光性導電ペーストは、ガラス基板上に通常スクリーン印刷法で塗布される。印刷厚みはスクリーンの材質(ポリエステルまたはステンレス製)、250から380メッシュのスクリーンを用い、スクリーンの目開き、スクリーンの張力、ペーストの粘度等を調製することによって任意に制御できるが、一般的には0.1〜25μmの範囲内であり、さらに好ましい厚みの範囲は、0.1〜15μmである。0.1μm未満になると印刷法では、均質な厚みを得ることが難しくなる傾向がある。また25μmを超えると電極パターンは、精度が低下し、断面形状が逆台形になり、例えば最小線幅/最小幅間隔が30μm/30μm以下の高精細なパターンを形成しようとした場合に、パターンやエッジの切れが悪くなる。
ガラス基板としては、通常、ソーダガラスや旭硝子社製の“PD−200”、日本電気化学社製の“PP−8”などの高歪み点ガラスを用いたガラス基板が用いられる。
次に感光性導電ペーストを基板上に塗布した膜を130℃で10分加熱して乾燥して溶媒類を蒸発させてから、パターン露光し、感光性導電ペーストを光硬化させる。次に露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行い、電極パターンを形成する。現像には、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像液には、感光性導電ペースト中の有機成分、特にポリマーが溶解可能な溶液を用いるとよい。
次いで、基板を大気雰囲気中590℃で10分保持して焼成し、焼成後厚み1.5μmのストライプ状電極を形成する。
以下に、本発明を実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の実施例および比較例に使用した材料を以下に示す。
導電性粉末:湿式還元法により製造されたもので比表面積0.41m2/g、タップ密度5.0g/cm3の銀粉末を用いた。各実施例、比較例で用いた銀粉末の体積平均粒子径を表1〜3に示す。
フリットガラス:酸化ビスマス(48.1質量%)二酸化ケイ素(27.5質量%)、酸化ホウ素(14.2質量%),酸化亜鉛(2.6質量%)、酸化アルミニウム(2.8質量%)、酸化ジルコニウム(4.8質量%)の成分比を持ち、体積平均粒子径が0.9μm、ガラス転移点(Tg)が465℃、熱軟化点(Ts)が510℃のものを用いた。
酸化チタン粒子:表1〜4に示す体積平均粒子径を有する酸化チタン粒子を用いた。
シリカ粒子:比較例5および6では表4に示す体積平均粒子径を有するシリカ粒子を用いた。
感光性ポリマー:アクリル酸、メチルメタクリレート、スチレンを重量比で40/30/30の比率で共重合し、グリシジルメタクリレートをアクリル酸1モルに対し0.4モル付加させたポリマー(重量平均分子量32,000、酸価110)
有機溶媒1:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
有機溶媒2:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
感光性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート
重合禁止剤:ヒドロキノンモノメチルエーテル
光重合開始剤:IRGACURE651
表1〜4に示した組成、比率で各材料を計量後、混合し、3本ローラーで混練して31種類のペーストを得た。
導電性粉末:湿式還元法により製造されたもので比表面積0.41m2/g、タップ密度5.0g/cm3の銀粉末を用いた。各実施例、比較例で用いた銀粉末の体積平均粒子径を表1〜3に示す。
フリットガラス:酸化ビスマス(48.1質量%)二酸化ケイ素(27.5質量%)、酸化ホウ素(14.2質量%),酸化亜鉛(2.6質量%)、酸化アルミニウム(2.8質量%)、酸化ジルコニウム(4.8質量%)の成分比を持ち、体積平均粒子径が0.9μm、ガラス転移点(Tg)が465℃、熱軟化点(Ts)が510℃のものを用いた。
酸化チタン粒子:表1〜4に示す体積平均粒子径を有する酸化チタン粒子を用いた。
シリカ粒子:比較例5および6では表4に示す体積平均粒子径を有するシリカ粒子を用いた。
感光性ポリマー:アクリル酸、メチルメタクリレート、スチレンを重量比で40/30/30の比率で共重合し、グリシジルメタクリレートをアクリル酸1モルに対し0.4モル付加させたポリマー(重量平均分子量32,000、酸価110)
有機溶媒1:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
有機溶媒2:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
感光性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート
重合禁止剤:ヒドロキノンモノメチルエーテル
光重合開始剤:IRGACURE651
表1〜4に示した組成、比率で各材料を計量後、混合し、3本ローラーで混練して31種類のペーストを得た。
なお、銀粉末、酸化チタン粒子およびシリカ粒子の体積平均粒子径は、HORIBA社製動的光散乱式粒度分布計を用いて測定した。
評価方法
まず、スクリーン印刷機で感光性導電ペーストを340×260×2.8mmサイズのガラス基板(PD−200;旭硝子(株)製)基板の全面に塗布した。130℃10分の条件で溶剤を乾かし、フォトマスクを使って、超高圧水銀灯によるパターン露光を行い、35℃の0.1%2−アミノエタノール水溶液でシャワー現像してパターンを得た。
まず、スクリーン印刷機で感光性導電ペーストを340×260×2.8mmサイズのガラス基板(PD−200;旭硝子(株)製)基板の全面に塗布した。130℃10分の条件で溶剤を乾かし、フォトマスクを使って、超高圧水銀灯によるパターン露光を行い、35℃の0.1%2−アミノエタノール水溶液でシャワー現像してパターンを得た。
緻密性評価
クリアランスを1.3mmとして、基板の上にガラス基板でフタをし、大気雰囲気中590℃で10分保持し、電極中の有機バインダー成分が残存しやすい条件で焼成し、ストライプ状電極を形成した。電子線マイクロアナライザー(EPMA)EPMA−1610(島津制作所製)を用いて、電極中の銀の元素マッピングを実施し、銀の存在箇所を確認した。次に、解析ソフトを用いて2値化を実施し、銀の濃度が14%以上の箇所を黒色化、銀の濃度が14%未満の箇所を白色化(図2)、黒色部の占有率を算出し、黒色占有率=緻密性として、評価を行った。断線が発生しない黒色占有率96%以上の場合を「◎」、95〜90%の場合を「○」、89〜85%の場合を「△」、85%未満の場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
クリアランスを1.3mmとして、基板の上にガラス基板でフタをし、大気雰囲気中590℃で10分保持し、電極中の有機バインダー成分が残存しやすい条件で焼成し、ストライプ状電極を形成した。電子線マイクロアナライザー(EPMA)EPMA−1610(島津制作所製)を用いて、電極中の銀の元素マッピングを実施し、銀の存在箇所を確認した。次に、解析ソフトを用いて2値化を実施し、銀の濃度が14%以上の箇所を黒色化、銀の濃度が14%未満の箇所を白色化(図2)、黒色部の占有率を算出し、黒色占有率=緻密性として、評価を行った。断線が発生しない黒色占有率96%以上の場合を「◎」、95〜90%の場合を「○」、89〜85%の場合を「△」、85%未満の場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
導通特性の評価
基板を大気雰囲気中590℃で10分保持して焼成し、ストライプ状電極を形成し、評価を行った。電極ライン幅40μm、ライン長80cmとし、検査装置(日本電産リード製)を用いて電極導通不良を評価。20,000本の電極を検査し、不良率が2%未満の場合を「○」、不良率が2%以上の場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
基板を大気雰囲気中590℃で10分保持して焼成し、ストライプ状電極を形成し、評価を行った。電極ライン幅40μm、ライン長80cmとし、検査装置(日本電産リード製)を用いて電極導通不良を評価。20,000本の電極を検査し、不良率が2%未満の場合を「○」、不良率が2%以上の場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
抵抗値の評価
基板を大気雰囲気中590℃で10分保持して焼成し、ストライプ状電極を形成し、評価を行った。電極ライン幅65μm、ライン長60cmとし、テスターを用いてライン抵抗を評価した。1000Ω以下の場合を「◎」、1000〜2000Ωの場合を「○」、測定できなかった場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
基板を大気雰囲気中590℃で10分保持して焼成し、ストライプ状電極を形成し、評価を行った。電極ライン幅65μm、ライン長60cmとし、テスターを用いてライン抵抗を評価した。1000Ω以下の場合を「◎」、1000〜2000Ωの場合を「○」、測定できなかった場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
密着強度の評価
基板を大気雰囲気中590℃で10分保持して焼成し、ストライプ状電極を形成し、評価を行った。パターン端にデジタルフォース・ゲージDFG−5KR(日本電産シンポ製)を使用して評価した。密着強度測定用パターンにコネクト治具を半田付け、直角方向に引っ張り、基板から2mm角の測定部分が外れた時点での強度を20回測定し、その平均値を求め、1.5kgf以上の場合を「○」、1.5kgfより小さい場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
基板を大気雰囲気中590℃で10分保持して焼成し、ストライプ状電極を形成し、評価を行った。パターン端にデジタルフォース・ゲージDFG−5KR(日本電産シンポ製)を使用して評価した。密着強度測定用パターンにコネクト治具を半田付け、直角方向に引っ張り、基板から2mm角の測定部分が外れた時点での強度を20回測定し、その平均値を求め、1.5kgf以上の場合を「○」、1.5kgfより小さい場合を「×」とした。評価結果を表5に示す。
本願の範囲内である実施例1〜25は全ての評価で良好な結果が得られたが、酸化チタン粒子の体積平均粒子径が小さすぎる比較例1、酸化チタン粒子の添加量が少なすぎる比較例3、酸化チタン粒子以外の無機フィラーを用いた比較例5および6では、電極中の有機バインダー成分が残存しやすい条件で焼成した場合、緻密性に欠け、導通不良が生じた。また、酸化チタン粒子が大きすぎる比較例2、酸化チタン粒子の含有量が多すぎる比較例4では、銀の焼結不良が発生し、密着強度不足や導通不良が発生した。
Claims (11)
- 導電性粉末、ガラスフリットおよび酸化チタン粒子を含む無機成分、ならびに感光性有機成分を含有する感光性導電ペーストであって、該酸化チタン粒子の含有量が該導電性粉末100質量部に対して0.1〜5.0質量部、体積平均粒子径が0.001〜1.0μmであることを特徴とする感光性導電ペースト。
- 該導電性粉末が銀粉末であることを特徴とする請求項1記載の感光性導電ペースト。
- 該導電性粉末の含有量が35〜54質量%、体積平均粒子径が0.1〜2.5μmであることを特徴とする請求項1または2記載の感光性導電ペースト。
- 該導電性粉末の体積平均粒子径(μm)をA、該酸化チタン粒子の含有量を該導電性粉末100質量部に対しB質量部と表した場合、AとBを乗算した値A×Bが0.1〜12の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性導電ペースト。
- 該導電性粉末の比表面積が0.3〜2.5m2/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の感光性導電ペースト。
- 該ガラスフリットの軟化点が450〜700℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の感光性導電ペースト。
- 請求項1〜6のいずれか一項記載の感光性導電ペーストを基材上に塗布し、フォトリソグラフィ法でパターン形成した後、焼成して電極を形成することを特徴とする電極付き基板の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項記載の感光性導電ペーストを基材上に塗布し、フォトリソグラフィ法でパターン形成、その上に、誘電体ペースト塗布膜を形成した後、焼成して電極および誘電体を形成することを特徴とする電極および誘電体付き基板の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項記載の感光性導電ペーストを基材上に塗布し、フォトリソグラフィ法でパターン形成、その上に、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターンを形成した後、焼成して電極、誘電体および隔壁を形成することを特徴とする電極、誘電体および隔壁付き基板の製造方法。
- 請求項7〜9のいずれか一項記載の電極の膜厚が0.1〜2.0μmであることを特徴とする電極付き基板の製造方法。
- 請求項7〜9のいずれか一項記載の製造方法によって形成された電極を備えることを特徴とする基板。
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