JP5418331B2 - 液滴吐出装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出して種々のパターンを形成する記録ヘッドを備えた液滴吐出装置および画像形成装置に関する。
例えばプリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、インク液滴を吐出する記録ヘッドを用いたインクジェット方式(液体吐出記録方式)の画像形成装置が知られている。
このインクジェット方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行うものである。
なお、本明細書において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
こうしたインクジェット方式による画像形成装置では、インクを確実に吐出させるためにインクを安定して供給させる必要がある。
ここで、記録ヘッドとインクカートリッジとが分離されたオフキャリッジ方式では、カートリッジと記録ヘッドが供給経路にて直接連結されている。そのため、送液するインク圧力が小さいと、供給経路(フィルタ含む)の圧力損失により、インクの供給が記録ヘッドの吐出に間に合わなくなり(リフィル不足という)、結果として吐出不良となってしまう。
このため、記録ヘッドとインクカートリッジを繋ぐチューブにポンプを設け、更にそのポンプの上流側と下流側にバイパス経路を接続し、そのバイパス経路に弁を介在させて、圧力損失をカバーする技術が知られている。
また、特許文献1には、インクの圧送効率を改善する目的で、インクカートリッジと記録ヘッドの間に、加圧による液送機能を有するポンプを備えたインク供給路と、その供給路と並列に、開放と閉塞をする弁機構を備えた供給迂回路が設けられた構成が開示されている。インク供給迂回路は、記録ヘッドがインクを吐出する際のインク供給路として使用され、その迂回路に設けられた弁機構は、インク供給迂回路を選択的に開閉させる制御機構となっている。
しかしながら、上述したバイパス経路に弁を設けて圧力損失をカバーするインク供給方式や、上述した特許文献1のものでは、バイパス経路に設けた弁を適宜制御して所望の圧力を保つ必要がある。このため、色の異なる複数種のインクを用いる画像形成装置に適用する場合などには、インクの色種ごとに弁とポンプを制御することが求められ、装置が大型化してしまうだけでなく、複雑な制御が必要となる問題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、色の異なる複数のインクを用いる場合であっても、インクの消費量に応じてポンプの送液量を複雑にすることなく、簡易で単一なポンプ制御により、リフィル不足を生じさせず、記録ヘッド内の負圧を適切に維持することができる液滴吐出装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明に係る液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給する液体を貯留する液体タンクと、記録ヘッドに液体を供給する第1の流路と、液体タンクに連通する第2の流路と、第1の流路と第2の流路を連通させ、第1の流路を流れる液体の流量に応じて内部の流路抵抗が変化する圧力調整弁と、第2の流路から分岐して、送液ポンプを介して圧力調整弁に接続された第3の流路と、を備え、記録ヘッドの液滴吐出面は、液体タンク内の液面よりも高い位置に配置されて、記録ヘッドと液体タンクとの水頭差により記録ヘッドの負圧が保持され、圧力調整弁は、ハウジングおよび該ハウジング内に収容され、第1の流路を流れる液体の流量に応じて移動する弁体を有し、ハウジングは、第1の流路と接続される上端部と、第2の流路と接続される下端部と、上端部と下端部との間に配置され、第3の流路が接続される横穴とを有し、弁体は、軸形状を有し、ハウジングの上端部に対向して配置される上部と、ハウジングの下端部に対向して配置される下部と、上部及び下部よりも小径に形成され、ハウジングの横穴と対向して配置される中央部と、弁体の上部に設けられ、ハウジング内において第2の流路及び第3の流路と第1の流路とを連通させる貫通穴と、弁体の上部において貫通穴よりも外周側に設けられ、弁体のハウジング内での移動方向に向けて凸設された突起部とを有し、ハウジングは、突起部が貫通可能な、突起部と同形状の開口を有し、弁体がハウジング内で移動した場合であっても突起部が開口を常に閉塞可能な長さを有することにより、第3の流路の送液ポンプにより加圧され、横穴を通じてハウジング内に圧送された液体が、弁体の上部に設けられた貫通穴のみを通過して第1の流路へ流出することを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、上述した本発明に係る液滴吐出装置であって、上記液体はインクであることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、色の異なる複数のインクを用いる場合であっても、インクの消費量に応じてポンプの送液量を複雑にすることなく、簡易で単一なポンプ制御により、リフィル不足を生じさせず、記録ヘッド内の負圧を適切に維持することができる。
本発明の実施形態としてのインクジェットプリンタの構成例を示す図である。 本実施形態におけるインク供給システムを示す図である。 流路抵抗可変ユニットの基本的な動作原理を説明するための図である。 記録ヘッド1の圧力変化を示す図である。 本発明の第1の実施形態としての流路抵抗可変ユニット83の断面図である。 図5(c)のV部の拡大断面図である。 図5(c)のV部の拡大断面図で、インクが突起収容部201に流れる状態を示す図である。 第1の実施形態に大気開放口を追加した構成例を示す部分拡大断面図である。 第1の実施形態にインク位置検出装置を追加した構成例を示す部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態としての流路抵抗可変ユニット83の断面図である。 図10(c)のW部の拡大断面図である。 第2の実施形態に大気開放口を追加した構成例を示す部分拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態としての流路抵抗可変ユニット83の断面図である。 図13(c)のX部の拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態としての流路抵抗可変ユニット83の断面図である。 図15のY部の拡大図である。 第4の実施形態の別構成例を示す部分拡大断面図である。 本発明の第5の実施形態を示す部分拡大断面図である。
次に、本発明に係る液滴吐出装置および画像形成装置を、インクジェットプリンタに適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本実施形態の概略について説明する。
本実施形態は、カートリッジにある液体を記録ヘッドに供給する際に、以下の特徴を有する。
本実施形態では、カートリッジと記録ヘッド間に弁と、それを迂回するようにポンプを設け、ポンプは常にONの状態である。弁内部にある弁体(可動部材)は、記録ヘッドの吐出流量に応じて移動し、この移動により、弁体下部のハウジング内の側壁とのギャップが小さくなり、送液ポンプから加圧されたインクの圧力が増加する。その結果、記録ヘッド方向の供給経路で生じる圧力損失をカバーする。このような特徴を有するため、複雑なポンプ制御、または制御機構を必要としないことが特徴になっている。
次に、本実施形態の構成について、図面を参照して詳細に解説する。
図1は、本発明の一実施形態としてのインクジェットプリンタを示す図である。図1(a)は、インクジェットプリンタの正面図を示しており、図1(b)は、右側側面図、 図1(c)は平面図を示している。
図1に示すインクジェットプリンタは、左右の側板123L、123Rに横架したガイド部材であるガイドロッド122とガイドレール128とでキャリッジ120を主走査方向(ガイドロッド長手方向)に摺動自在に保持している。このキャリッジ120は、図示しない主走査モータとタイミングベルトによってガイドロッド122の長手方向(主走査方向)に移動走査する。
また、キャリッジ120上には、複数の色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなど)のインク滴を吐出する記録ヘッド1が主走査方向と交叉する方向に配列され、インク滴吐出方向を下方に向けて装着されている。記録ヘッド1は、インクの膜沸騰により吐出圧を得るサーマル方式のものである。記録ヘッドには、圧電素子を用いて振動板を変形させたり、静電力で振動板を変形させたりして吐出圧を得るものなど様々な方式があり、いずれの方式のものも本発明に適用することができる。
記録ヘッド1の上部には吐出するインクを一時的に貯留するためのインク室が形成されたヘッドタンク101が一体的に接続される。ここで言う一体的とは、記録ヘッド1とヘッドタンク101がチューブ、管等で接続されることも含んでおり、どちらも一緒にキャリッジに搭載されるという意味である。ヘッドタンク101には液体供給チューブ16が接続され、液体供給チューブ16のもう一端は、本体据え置きのカートリッジホルダ77と接続されている。カートリッジホルダ77には、インクカートリッジ76とポンプユニット80、更に圧力制御ユニット81が接続されている。この圧力制御ユニット81は、図1から分かるように、インクカートリッジ76の上部に配置されており、内部に流路抵抗可変ユニット83を備えている。
次に、本実施形態におけるインク供給システムについて、図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態における圧力制御ユニット81と、ポンプユニット80を接続したインク供給システムの概略図を示している。
液体供給チューブ16は、圧力制御ユニット81を介してインクカートリッジ76に連通している。インクカートリッジ76には大気連通部45が設けられており、この大気連通部45は、内径の小さい蛇道状の構造にしてインクの乾燥を抑制している。大気連通部45は、蛇道状の構造に限定せず、乾燥を抑制できればどんな構成でも良い。また、乾燥に強いインクや液体を使用する場合、大気連通部45を乾燥抑制構造にしなくても良い。
ところで、インクカートリッジ76内の液面は記録ヘッド1のインク吐出面100よりも低い位置(h)になるように配置されている。これにより、インクがインク供給全経路に満たされている状態では、記録ヘッド1とインクカートリッジ76の液面の水頭差hにより、記録ヘッド1は負圧に保持されるので、記録ヘッド1からインクを安定して吐出することができる。
また、記録ヘッド1には、非吐出時にインクの水分乾燥を防止すると同時に、記録ヘッド1内の気泡を取り除き、ノズルが詰まったときなどに記録ヘッド1内のインクを吸引する目的で保湿・吸引用のキャップ50が備わっている。記録ヘッド1内のインクを吸引するときは、記録ヘッド1のインク吐出面100にキャップ50をキャッピングさせ、吸引ポンプ51により、インクを廃液貯蔵部52へ導く。なお、キャップ50は、保湿用と吸引用を併用しているが、それぞれの役割を独立させたキャップを構成しても良い。また、吸引したインクは、廃液貯蔵部52ではなく、インクカートリッジ76に戻す構成であっても良い。
また、キャップ50は、吸引動作だけではなく、記録ヘッド1からの空吐出受けとしての役割を持つことがある。ワイパーブレード71は、ワイピングユニット70に取り付けられており、このワイパーブレード71により、メンテナンス後の記録ヘッド1のインク吐出面100を払拭することで、ノズル面のメニスカスが整えられる。
次に、流路抵抗可変ユニットの動作原理について、図3を参照して説明する。
図3は、圧力制御ユニット81内にある流路抵抗可変ユニット83の一例における基本的な動作原理について示している。ここでは、流路抵抗可変ユニット83がどのように流路抵抗を変化させるかについて説明する。
流路抵抗可変ユニット83は、ハウジング40と可動弁(可動部材)88から構成されている。ハウジング40の側面には、横穴86cが形成されており、この横穴86cに、図2に示す送液ポンプ78が供給経路17を介して接続されている。この送液ポンプ78の送液流量は、記録ヘッド1の最大吐出流量よりも多い。
可動弁88は軸形状のもので、上部88t、中央部88m、下部88bの少なくとも3つの要素からなり、中央部88mの径が下部88bよりも小径な構成とされている。また、可動弁上部88tには貫通穴84が設けられている。
可動弁88はハウジング40の内部で移動可能であり、内部の流れの状態等に応じて、図3(a)や図3(b)、あるいはその中間の形態をとる。図3(a)は記録ヘッド1が停止しているときの流路抵抗可変ユニット83の状態を示している。この状態では、可動弁88は、ハウジング40の下端部であるポート86b側にある。これは、ハウジング40と可動弁下部88bの間のギャップGbが、ハウジング40と可動弁上部88tに形成された貫通穴84よりも大きく、かつ、ハウジング40の上端部であるポート86aの先には図2に示すように流体抵抗の大きいチューブ16やフィルタ109があるためである。
その結果、矢印Qaで示すポンプによって送液されたインクは流れやすい、すなわち流体抵抗が小さいポート86b側(矢印A方向)に流れるので、可動弁下部88bはインクの流れにより、ポート86b側に力を受ける。この状態で、ポンプユニット80にある送液ポンプ78が停止することなく稼働し続けても、図2の矢印αに示すようにインクは、送液ポンプ78を介した供給チューブ18、17内を循環するだけで、加圧されたインクの圧力を記録ヘッド1に与えることがない。つまり、記録ヘッド1の吐出流量が小さい、または非吐出時には、可動弁88がポート86b方向に移動し、ポンプユニット80から作られるインクの流れをポート86b側へ逃がすことが可能であることを意味する。
図3(b)は、記録ヘッド1が吐出している条件での流路抵抗可変ユニット83の状態を示すものである。ハウジング40と可動弁上部88tのギャップGtを狭く作っているため、流体抵抗は貫通穴84の方が小さい。そのため、ヘッド吐出によるインクは、矢印Qhで示すように貫通穴84を通過する。このとき、ポート86a側に流れるインクは、貫通穴84を通過することに起因して圧力損失を生じる。つまり、可動弁88mを流れるインクの圧力よりも、貫通穴84を通過し、ポート86a側を流れるインクの圧力の方が小さい。この圧力差により、可動弁上部88tはポート86a側に力を受ける。この力は、ポート86b側(矢印A方向)に流れるインクから、ポート86b側に受ける力よりも大きい(ポート86a側の圧力差>ポート86b側の圧力差であるため)。そのため、可動弁88はポート86a側に移動する。
可動弁88がポート86a側に移動すると、可動弁下部88bがハウジング40の小径部400と重なり、ハウジング40と可動弁下部88bの間のギャップは、図3(a)のギャップGbよりも小さいギャップGb’となり、流体抵抗が増大する。この流体抵抗は、可動弁88のポート86a側に対する移動量に比例して大きくなる。つまり、可動弁88がポート86a側に移動すれば、その移動量に伴ってギャップGb’の流体抵抗は大きくなる。また、ギャップGb’の流体抵抗が大きくなると、それに伴いポート86b方向(矢印A方向)に流れるインクの圧力差も大きくなる(圧力差 = 流体抵抗×流量で決まるため)。従って、可動弁88がポート86a側に移動していくと、貫通穴84による圧力差(一定)に対して、ギャップGb’の圧力差がある地点で追いつくことと成る。
こうした圧力差と、可動弁上部88tと可動弁下部88bの面積比から、ハウジング40内のある地点で可動弁88がポート86a側に受ける力と、ポート86b側に受ける力が釣り合うため、その地点で可動弁88は静止する。
ところで、ギャップGb’の流体抵抗が大きくなると、送液ポンプ78によって供給されたインクは、ポート86b方向(矢印A方向)へ流れにくくなり、送液ポンプ78から供給されたインクの圧力は、可動弁88内部で増大することになる(記録ヘッド1の最大吐出流量<送液ポンプの供給流量であるため)。この圧力が増大したインクが、貫通穴84を通過し、記録ヘッド1方向に流れる。これはすなわち、送液ポンプ78により供給されたインクの圧力が、流体抵抗可変ユニット83で増大し、記録ヘッド1方向に流れることで、液体供給チューブ16やフィルタで発生する圧力損失をカバーできることを意味している。
記録ヘッド1の吐出流量が少ないときは、その吐出流量に応じて図3(a)と図3(b)の中間の状態で可動弁88は釣り合う。
以上の動作を繰り返すことにより、本供給システムは、水頭差供給において、記録ヘッド1に対するインク供給でリフィル不足を生じさせず、安定した圧力を供給することができる。更にこの供給システムは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)に代表されるような異なる複数種のインクで構成されていても、記録ヘッド1がどんな流量を吐出しても、ポンプの制御動作は、同一である。
図4は、本供給システムにおける記録ヘッド1の圧力変化を示している。縦軸が記録ヘッド1の液室の圧力であり、横軸が時間である。またこの圧力変化で示している圧力はゲージ圧であり、原点は大気圧である。
記録ヘッド1の圧力は、送液ポンプ78を駆動させると(ステップS1)、上昇する。これは、送液ポンプ78の圧力が、供給経路を通じて記録ヘッド1の液室に伝播したためである。記録ヘッド1が吐出を開始すると(ステップS2)、圧力は、インクの慣性により一度下がり(P1)、その後、安定領域に達する。この安定領域の圧力と大気圧の圧力の差をΔPとする。記録ヘッド1の吐出を止めると(ステップS3)、インクの慣性により、圧力は一度上昇する(P2)。最後に送液ポンプ78を止めると(ステップS4)、圧力は初期状態に戻る。なお、このグラフでは、記録ヘッド1から連続で吐出を続けたときのものである。
ところで、本件発明者の調査によると、本供給システムにおける可動弁88の寸法ばらつきによって、記録ヘッド1の圧力ΔPが目標値からばらつくことが分かっている。具体的には、可動弁上部88tの貫通穴84の寸法ばらつき、および可動弁上部88tとハウジング40の嵌め合い寸法、つまり図3のギャップGtのばらつきに伴って記録ヘッド内の負圧値ΔPが、目標値からばらついてしまう。これを防ぐために、貫通穴の寸法ばらつきに関しては、貫通穴に高い寸法精度を有したパイプを装着するなどの対策があるが、弁体上部とハウジングの嵌め合い寸法であるギャップGtのばらつきは、簡単な対処方法はない。特に、寸法ばらつきによりギャップGtが大きくなると、その間を流れるインクが増え、目標となる圧力ΔPに対してばらついてしまう。
このような問題を鑑みて、本発明の各実施形態では、リフィル不足にならずに単純なポンプ制御で負圧を維持する供給システムのために、可動弁内部に流れるインクが貫通穴84のみを流れるような構成としたため、可動弁上部88tと、ハウジング40の嵌め合い寸法であるギャップGtのばらつきを無視し、ギャップGtを流れるインクを考慮しないことを可能にする構成とした。この各実施形態については以下に後述する。
このように、本発明の各実施形態によれば、画像形成装置において、単純なポンプ制御にて記録ヘッド内の負圧を適切に維持することができ、かつその効果生み出すために必要となる弁体の寸法ばらつきの影響を受けなくすることができる。
本発明の各実施形態で、リフィル不足にならずに単純なポンプ制御で負圧を維持できる理由について説明する。
本発明の各実施形態では、カートリッジと記録ヘッド間に、内部を流れる液体の流れ方向や流量によって、流体抵抗が変化する特性を有する弁を備える。この弁は、ハウジングと弁体から構成されている。弁体は軸形状のもので、中央部の軸径は、上部・下部よりも小径な構造である。また、弁体上部には貫通穴が設けられている。
弁体はハウジングの内部で移動可能であり、内部の流れ、すなわち記録ヘッドの吐出流量に応じて、上下動する。弁体が下死点にいるときは、弁体下部とハウジング側壁との間にギャップが生じるが、弁体が上昇すると、ハウジング側壁と弁体下部のギャップが小さくなる構造である。
ハウジングには弁体の中央部に横穴が形成されており、この穴に弁を迂回するように取り付られた送液ポンプを接続する。送液ポンプは、常に送液状態にあり、記録ヘッドから液体が吐出していないときは、弁体が下死点にいるため、ハウジング側壁とのギャップが大きい。よって、送液ポンプからの液体の流れは、弁体下部を通り、再び送液ポンプに戻るという循環を繰り返す。
記録ヘッドから液体が吐出されると、弁体が圧力差により上昇し、ハウジング側壁とのギャップが小さくなる。そのため、送液ポンプから加圧された液体は、弁体上部の貫通穴を通じて記録ヘッドに供給される。このとき、供給路の圧力損失は、送液ポンプの加圧によりカバーされる。記録ヘッドが吐出を停止すると、液体は貫通穴を流れず、弁体下部方向に流れ、弁体は下死点に移動する。その結果、液体は弁体下部を通り、再び送液ポンプに戻り、循環を繰り返すので、単純なポンプ制御でリフィル不足を起こさないようにすることができる。
次に、本発明の各実施形態で、弁体の寸法ばらつきの影響を受けない理由について説明する。
本発明の各実施形態では、弁体上部に貫通穴を設け、その貫通穴の外側に、弁体のハウジング内での移動方向(上流側または下流側)に向けた突起部を形成する。ハウジングには、弁体に設けられた突起部が貫通するような円形開口部が設られ、更に穴の先には空洞が設けられている。弁体突起部と円形開口部により、弁体は下死点から上昇しても、突起部がハウジングと間で常に閉塞状態にあり、大きな流体抵抗を持つことになる。そのため、弁体とハウジング間の寸法ばらつきにより、弁体とハウジング側壁とのギャップがあっても、弁内部を流れる液体は突起部とハウジング間の大きな抵抗により、流れが妨げられる。また、もし突起部とハウジング間の抵抗部分を液体が通過しても、液体は、その先にある空洞に留まるだけであり、弁体とハウジング側壁とのギャップへ液体が流れることはない。
従って、送液ポンプから加圧された液体は、弁体上部の貫通穴のみを通過し、弁体とハウジング側壁とのギャップを通過することはなく、その結果、ハウジングと弁体上部の寸法ばらつきが生じて、隙間ばめになっても、液体は、貫通穴のみを通過するので、寸法ばらつきの影響を受けない。
次に、弁体寸法ばらつきが生じることによる技術的課題について説明する。
本件発明者の調査結果によると、弁とポンプによりリフィル不足を補うシステムでは、弁体上部の貫通穴の寸法精度、および弁体上部とハウジングの嵌め合い寸法精度がばらつくと、それに伴って記録ヘッド内の負圧値が目標とする値から、ばらついてしまうことが分かっている。
この問題を防ぐために、貫通穴の寸法ばらつきに関しては、貫通穴にパイプを装着するなどの対策があるが、弁体上部とハウジングの嵌め合い寸法のばらつきは、簡単な対処方法はなく、可能な限り抑えることが必要となる。
このような問題を鑑みて、本発明の各実施形態では、リフィル不足にならずに単純なポンプ制御で負圧を維持する供給システムとして、弁体内部に流れる液体が貫通穴のみを流れるようにしたため、弁体上部とハウジングの嵌め合い寸法のばらつきを無視することができる構成とした。
〔第1の実施形態〕
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態であり、流路抵抗可変ユニット83の断面図である。図5(a)は、記録ヘッド1が非吐出であり、かつ送液ポンプ78が駆動している状況下での流路抵抗可変ユニット83を示している。送液ポンプ78から供給されるインクは、ポート86b(下端部)側のみに流れるため、可動弁88は、ポート86b側に力を受け、ポート86b側で静止する。この図に示す可動弁88は、上部88tに貫通穴84を設け、更にその外周のポート86b側に突起部95を設ける構成としている。
ハウジング202は、可動弁88tの突起部95を貫通させるように、突起部95と同形状に開口210を開けて作られており、可動弁88をハウジング202に取り付けたとき、突起部95はハウジング202から突き出すようになっている。突起収容部201は、可動弁88tのハウジング202から突き出た突起部95を内部に収容可能なように、突起部95と同形状の開口210に連接して設けられ、かつ、その内部は空洞となっている。ハウジングキャップ200はハウジング202の上からキャップし、可動弁88を覆うことができる構成である。
なお、突起部95は可動弁上部88tの外周の縁に限定せず、貫通穴84よりも外周方向であり、それに伴ってハウジング202に開口210が形成されてあれば、どこに配置しても良い。また、組立の観点から突起収容部201およびハウジングキャップ200は、ハウジング202とは別部材で構成されていることが望ましい。同様に突起部収容部201を取り付けるために、横穴部86cはハウジング202に対して別部材であることが望ましい。図5におけるハウジングキャップ200は、ポート86a(上端部)側に向かって先細り形状となっているが、この形に限定することなく、液体供給チューブ16と接続できる形状であれば、どんな形状でも良い。
図5(b)は、記録ヘッド1が吐出を開始した瞬間を示す図である。送液ポンプ78から供給されたインクは、矢印B側に流れ出す。このときギャップTは、可動弁上部88tがポート86b側にあるため小さく、流体抵抗も高い。そのため矢印B方向に流れるインクが、ギャップTと突起部を流れようとはせず、貫通穴84を通過していく。
図5(c)は図5(b)から、更に記録ヘッド1が吐出を続けた状態の流路抵抗可変ユニット83を示している。可動弁88は、貫通穴84を通過したインクとの圧力差により、ポート86a側に力を受け、その方向に移動する。可動弁88はある位置で釣り合うが、そのとき、釣り合い位置がどこであっても、つまり最もポート86a側にいても、突起部95は開口210を閉塞するような長さにしてあることが望ましい。また、突起長さは、可動弁88tがどんな位置にいても、閉塞できれば、どんな長さでも良い。
可動弁88が上昇すると、図5(b)のギャップTが広がるが、突起部95が常に開口210を閉塞しているので、インクは突起収容部方向に流れ難いことになる。また、もしインクが突起収容部201内に流れ込んでも、内部に形成された空洞211によって、受け止められる。この開口210におけるインクの流れと本実施形態の特徴を詳細に説明するために、図5(c)で示すV部を拡大して説明する。
図6は、図5(c)のV部、すなわち図5における突起収容部201と突起部95周りを拡大し、可動弁88がポート86a側に移動していくときのインクの流れを示している。図6(a)は、記録ヘッド1が非吐出のときの拡大図である。
前述のようにギャップTが小さいため、流体抵抗は大きく、更に突起部95が開口210とハウジング202を閉塞しているため、その間にできるギャップGt_inは大きな流体抵抗となる。そのため、インクはギャップTを通らずに貫通穴84を通過する。
図6(b)は、可動弁がポート86a側に移動したときのインクの流れを示している。図6(a)と比べると、ギャップTが広がるが、突起部95が開口210とハウジング202を常に閉塞しているため、ギャップGt_inの大きな流体抵抗は、可動弁の位置によらず一定である。したがって、インクは貫通穴84方向に流れる。しかし、送液ポンプ78から供給されたインクの圧力が高まると、インクはハウジング202と突起収容部201方向(d1方向)に流れることとなるが、ギャップGt_inの抵抗があるため、その量は少なく、突起収容部201内に溜まる。溜まったインク300はポート86a側と連通していないので、インク300がギャップGtを通過することはない。
なお、突起収容部201は、少量のインクを蓄えていくため、内部の空洞211の体積は大きいことが望ましく、そのために、ポート86b側に深さがあっても良い。また、突起収容部201内の空洞211の形状は、図に示す形に限定せず、突起部95が収まる溝でも良い。また、空洞211内のインクが溜まってきた場合、前述のように突起収容部201を別部材にして、交換することも可能である。
図7は、図5(c)のV部、すなわち図5における突起収容部201と突起部95周りを拡大し、貫通穴84をポート86a側に通過したインクが突起収容部201に流れる状態を示している。
可動弁88が、ポート86a側に移動すると、空洞部211の圧力はポート86a側のインクよりも相対的に小さくなる。その結果、矢印d2に示すように、ギャップGtを通過してインクが空洞部211に流れる。この状態でも、空洞部211に溜まったインク300は、ハウジング202内部のインクと連通していないので、ギャップTを通過して、ハウジング202内部に流れることはない。
以上説明したように、本実施形態によれば、ギャップGtの寸法がばらつき、すきまばめに近い状態になっても、そのばらつきに関係なく、流路抵抗可変ユニット83の可動弁88内を流れるインクは、貫通穴84を主として流れる構成とすることができる。このため、ハウジング202ないしハウジングキャップ200と可動弁上部88tとのギャップGtがばらついていても、貫通穴の内径寸法を確保することで、図4の安定圧力ΔPを制御することができる。従って、この発明の効果は大きい。
このように、上述した実施形態によれば、弁体の寸法ばらつきの影響を受けることなく、単純なポンプ制御にて、記録ヘッド内の負圧を適切に維持することができる。
このため、色の異なる複数のインクを用いる画像形成装置に適用する場合であっても、インクの消費量に応じてポンプの送液量を複雑にすることなく、簡易で単一なポンプ制御により、リフィル不足を生じさせず、記録ヘッド内の負圧を適切に維持することができる。
次に、第1の実施形態に大気開放口を追加した構成について、図8を参照して説明する。
図8は、図6に示す突起収容部201と突起部95を拡大した図に、大気開放口(大気連通穴)400を付与したものである。
図6ないし図7で示す、突起収容部201の空洞部211は密閉されているため、可動弁88の移動によって、圧力が変わってしまう。特に、内部の圧力が負圧になると、正圧のインクを引き込んでしまう。そこで、図8に示すように、空洞部211に大気開放口400を設けることで、常に空洞部211内部を大気圧に保つことができる構成としても良い。
この図8に示す構成例では、空洞部211内が大気圧に保たれているので、可動弁88が移動しても、インクを空洞部211に引き込むことがない。そのため、可動弁88から矢印d1方向に流れるインク量を少なくすることができ、更にポート86a側から矢印d2方向に流れるインク量も少なくすることができる。
なお、大気開放口400は、流路抵抗可変ユニット83内のインクの蒸発を防ぐために、内径の小さい蛇道状の構造にしていることが望ましい。また、空洞部211に溜まったインク300が、大気開放口400から漏れ出すことを防ぐために、大気開放口400は突起収容部201の底からできるだけ高い位置(矢印Z方向)に設置することが望ましい。更に、大気開放口400の設置位置は、流路抵抗可変ユニット83の設置する向きよって、自由に変更して良いが、空洞部211に溜まるインク300が漏れ出しにくい位置に設置することが望ましい。
次に、第1の実施形態にインク位置検出装置を付与した構成例について、図9を参照して説明する。図9は、空洞部211の内部に溜まったインク300の液面位置を検出するためのフォトセンサ450を、突起収容部201に備えた構成例を示す。
空洞部211内に溜まったインク300の液面位置が上昇すると、大気開放口400から、インクが漏れ出す可能性がある。そこで、突起収容部201内の空洞部211にフォトセンサ450を取り付け、光の透過率が所定の閾値以下になると、大気開放口400の近くまでインク300が溜まっていると判断する構成である。フォトセンサにより検知されるインク収容残量高さが所定の閾値以下になった場合、その残量が閾値以下である旨をユーザに通知して突起収容部201を取り替えさせれば、流路抵抗可変ユニット83を長期的に使用することができる。
なお、空洞部211の内部に溜まったインク300の液面位置を調節する手段として、フォトセンサを用いたが、これに限らず、液面位置を検出できる手段であれば、どんな検出手段でも良い。また、液面検出手段を用いずに、実験的に何枚印字したら、空洞部211内部にどれくらいのインクが溜まるのかを求め、その結果から、突起部収容部201の交換タイミングを予測する構成でも良い。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態であり、流路抵抗可変ユニット83の断面図である。
図10に示す可動弁88は、上部88tに貫通穴84を設け、更にその外周のポート86a側、すなわち図5の構成例とは逆側に突起部95を設ける構成としている。また、ハウジングキャップ200は、可動弁88tの突起部95を貫通させるように、突起部95と同形状に開口204を開けて作られており、可動弁88に対してハウジングキャップ200を取り付けたとき、突起部95はハウジングキャップ200から突き出すようになっている。
また、ハウジングキャップ200は、ハウジング202の上からキャップし、可動弁88を覆う構成である。突起収容部205は、可動弁88tのハウジングキャップ200から突き出た突起部95を内部に収容可能なように、突起部95と同形状の開口204に連接して設けられ、かつ、その内部は空洞となっている。
なお、突起部95は可動弁上部88tの外周の縁に限定せず、貫通穴84よりも外周方向であり、それに伴ってハウジングキャップ200に開口204が形成されてあれば、どこに配置しても良い。また、突起収容部205およびハウジングキャップ200は、ハウジング202とは別部材で構成されていることが望ましい。同様に突起部収容部205を取り付けるために、横穴部86cはハウジング202に対して別部材であることが望ましい。
図10(a)は、記録ヘッド1が非吐出であり、かつ送液ポンプ78が駆動している状況の流路抵抗可変ユニット83を示している。記録ヘッド1が非吐出であるので、ポート86a側に流れは無いため、インクは矢印A方向に流れる。
図10(b)は、記録ヘッド1が吐出を開始した瞬間を示す図である。送液ポンプ78から供給されたインクは、矢印B側に流れ出す。このときギャップTは、可動弁上部88tがポート86b側にあるため小さく、流体抵抗も高い。更にギャップGtの流体抵抗もあるため、インクは貫通穴84を通過し、ポート86a方向に流れていく。
図10(c)は図10(b)から、更に記録ヘッド1が吐出を続けた状態の流路抵抗可変ユニット83を示している。可動弁88は、貫通穴84を通過したインクとの圧力差により、ポート86a側に力を受け、その方向に移動し、ある位置で釣り合う。
突起部95は、可動弁88がどこで釣り合っても、突起部95は、ハウジングキャップ200と開口204を閉塞するような長さにしてあることが望ましい。また、突起長さは、可動弁88がどんな位置にいても、ハウジングキャップ200と開口204を閉塞できれば、どんな長さでも良い。
図10(b)の状態から、可動弁88が釣り合いの位置に移動すると、図10(c)に示すようにギャップTが広がるが、突起部95が常に開口204を閉塞しているので、インクは突起収容部方向に流れ難いことになる。この開口204におけるインクの流れを詳細に説明するために、図10(c)で示すW部を拡大して説明する。
図11は、図10(c)のW部、すなわち図10における突起部95周りを拡大し、可動弁88がポート86a側に移動していくときのインクの流れを示している。図11(a)は、可動弁88がポート86b側にいるときの拡大図であり、図11(b)は可動弁88がポート86a方向に移動したときの拡大図である。
図11(a)の状態では、図10に示すギャップTが小さいので流体抵抗が大きく、かつギャップGtの流体抵抗がある。更に突起部95が、ハウジングキャップ200を閉塞しているため、その間にあるギャップG_outの流体抵抗もある。よって、送液ポンプ78から供給されたインクは、ギャップT、ギャップGt、ギャップG_outの流体抵抗を突き進まずに、貫通穴84を通過する。
図11(b)の状態では、図11(a)よりもギャップTが広がるが、突起部95がハウジングキャップ200を常に閉塞しているため、ギャップGt_outの流体抵抗は、可動弁の位置によらず一定である。同様にギャップGtの流体抵抗も存在する。そのため、可動弁88がポート86a方向に移動しても、インクは貫通穴84方向に流れていく。
しかし、可動弁の位置によっては、送液ポンプ78から供給されたインクの圧力が高まることがあり、インク圧力が高く、かつギャップGtの嵌め合い寸法や、突起部95とハウジングキャップ200の嵌め合い寸法が大きいとき、インクは突起収容部205方向(矢印d3方向)に流れることとなる。このとき、嵌め合い寸法が大きくても、ギャップGtとギャップG_outの流体抵抗があるので、矢印d3方向に流れるインクの量は少ない。また、インクが突起収容部に到達しても、外周方向に対してポート86b側に傾けられた空洞部206の中で溜まることとなる。インクを外周方向に溜めることにより、空洞部内部206溜まったインク300は、ギャップG_outから離れた位置に溜まるので、空洞部内部206に溜まるインク300の量がある所まで達しなければ、ギャップG_outからインクが流れることは無い。従って、空洞部206は外周方向に対してポート86b側に傾けられた形状が望ましい。
また、突起収容部205は、少量のインクを蓄えていくため、内部の空洞206の体積は大きいことが望ましく、そのために、突起収容部205はポート86b側に深さがあっても良い。また、突起収容部205内の空洞206の形状は、図に示す形に限定せず、突起部95が収まる溝でも良い。また、空洞206のインクが溜まってきた場合、前述のように突起収容部205を別部材にして、交換することも可能である。
また、可動弁88が、ポート86a側に移動すると、空洞部206の圧力はポート86a側のインクよりも相対的に高くなる。そのため、貫通穴84を通過したインクが、空洞部206に入ることは無く、インクが空洞部206に流れることを妨げることになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ギャップGtと弁体上部88tの寸法がばらつき、両者がすきまばめに近い状態になっても、そのばらつき関係なく、流路抵抗可変ユニット83の可動弁88内を流れるインクは、貫通穴84を主として流れる構成とすることができる。
更に、図5に示す第1の実施形態の構成と比較すると、突起部95をポート86a側に設ける構成としたので、インクが空洞部205方向に流れるときの流体抵抗を大きくすることができた。そのため、図5に示した、突起部95がポート86b方向にある構成よりも、インクが突起収容部に流れ難くなる。したがって、長期に渡って、流路抵抗可変ユニット83を使用でき、かつハウジングキャップ200ないしハウジング202と可動弁上部88tとのギャップGtがばらついていても、貫通穴の内径寸法により、図4の安定圧力ΔPを制御することができるので、この発明の効果は大きい。
次に、第2の実施形態に大気開放口を追加した構成について、図12を参照して説明する。図12は、突起収容部205に、大気開放口400を付与した構成例を示す図である。
図8で上述した第1の実施形態と同様に、突起収容部205の空洞部206は密閉されているため、可動弁88がポート86a方向に移動すると、内部が加圧され、可動弁88がポート86a方向に移動するときに押し返してしまうことが推測できる。これを防ぐために、空洞部206に大気と連通した大気開放口400を設け、常に空洞部211内部を大気圧に保つことができる構成としても良い。
なお、大気開放口400は、流路抵抗可変ユニット83内のインクの蒸発を防ぐために、内径の小さい蛇道状の構造にしていることが望ましい。また、空洞部206に溜まったインク300が、大気開放口400から漏れ出すことを防ぐために、大気開放口400は突起収容部201の底からできるだけ高い位置に設置することが望ましい。また、大気開放口400の設置位置は、流路抵抗可変ユニット83の設置する向きよって、自由に変更して良いが、空洞部211に溜まるインク300が漏れ出しにくい位置に設置することが望ましい。また、空洞部206に溜まったインクが、大気開放口400から漏れ出すことを防ぐために、インク300が大気開放口400近傍の高さまで溜まったら、突起収容部205を交換することが望ましい。また、インク300が空洞部206内のどの高さまで溜まっているのかを検知するために、図示しないフォトセンサを突起収容部205に取り付けて検知する構成としても良い。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態であり、流路抵抗可変ユニット83の断面図である。
図13に示す可動弁88は、上部88tに貫通穴84を設け、更にその外周のポート86a側に突起部95tを、ポート86b側に突起部95bを設ける構成としている。ハウジングキャップ200は、突起部95tを貫通させるように、突起部95tと同形状に開口204を開けて作られており、可動弁88に対してハウジングキャップ200を取り付けたとき、突起部95tはハウジングキャップ200から突き出すようになっている。
また、ハウジングキャップ200は、ハウジング202の上からキャップし、可動弁88を覆う構成である。
ポート86a側突起収容部205は、可動弁88tのハウジングキャップ200から突き出た突起部95tを内部に収容可能なように、突起部95と同形状の開口204に連接して設けられ、かつ、その内部は空洞となっている。
また、ハウジング202は、突起部95bを貫通させるように突起部95bと同形状の開口210が開けられ、可動弁88がポート86b側にあるとき、突起部95bが突き出すようになっている。ポート86b側突起収容部201は、可動弁88bのハウジング202から突き出た突起部95bを内部に収容可能なように、突起部95bと同形状の開口210に連接して設けられ、内部は空洞である。
ここで、突起部95tは、可動弁上部88tの外周の縁に限定せず、貫通穴84よりも外周方向であり、それに伴ってハウジングキャップ200と開口204が形成されていれば、どこに配置しても良い。同様に、突起部95bも、貫通穴84よりも外周方向で、ハウジング202と開口210が形成されてあれば、どこに配置しても良い。また、ポート86a側突起収容部205、ポート86b側突起収容部201、ハウジングキャップ200は、ハウジング202とは別部材で構成されていることが望ましい。更にポート86b側突起部収容部201を取り付けるために、横穴部86cはハウジング202に対して別部材であることが望ましい。
図13(a)は、記録ヘッド1が非吐出であり、かつ送液ポンプ78が駆動している状況の流路抵抗可変ユニット83を示している。記録ヘッド1が非吐出であるので、ポート86a側に流れは無いため、インクは矢印A方向に流れる。
図13(b)は、記録ヘッド1が吐出を開始した瞬間を示す図である。送液ポンプ78から供給されたインクは、矢印B側に流れ出す。このときギャップTは、可動弁上部88tがポート86b側にあるため小さく、流体抵抗も高い。そのため、記録ヘッド1が吐出を開始した直後は、インクは貫通穴84を通過し、ギャップT方向には流れ難い。
図13(c)は図13(b)から、更に記録ヘッド1が吐出を続けた状態の流路抵抗可変ユニット83を示している。可動弁88は、貫通穴84を通過したインクとの圧力差により、ポート86a側に力を受けて移動し、ある位置で釣り合う。
ここで、突起部95tは、可動弁88がどこで釣り合っても、ハウジングキャップ200と開口204を閉塞するような長さにしてあることが望ましい。同様に、突起部95bも、可動弁88がどこで釣り合っても、ハウジング202と開口210を常に閉塞する長さであることが望ましい。また、突起部95tおよび突起部95bの突起長さは、可動弁88がどんな位置にいても、それぞれの開口204,210を閉塞できれば、どんな長さでも良い。
図13(c)のギャップTは、可動弁88が釣り合いの位置に移動することにより広がるが、突起部95bが開口210を閉塞しているので、その閉塞状態で作られる流体抵抗が大きく、インクは突起収容部方向に流れ難いことになる。また、ポート86a側を流れるインクがポート86a側突起収容部201に流れ込んでも、インクはポート86a側突起収容部205に溜められる。つまり、突起部95tと突起部95bのそれぞれを通過したインクは、それぞれの突起収容部で分散して溜められる。前述のインクの流れを詳細に説明するために、図13(c)で示すX部を拡大して説明する。
図14は、図13(c)のX部、すなわち図13における突起部95b、95t周りを拡大し、可動弁88がポート86a側に移動していくときのインクの流れを示している。図14(a)は、可動弁88がポート86b側にいるときの拡大図であり、図14(b)、図14(c)は可動弁88がポート86a方向に移動したときの拡大図である。
図14(a)の状態では、ギャップTが小さいため、流体抵抗が大きく、更に突起部95bが、ハウジング202を閉塞しているため、その間にあるギャップGt_inに流体抵抗が存在する。よって、送液ポンプ78から供給されたインクは、ギャップT、ギャップGt_in方向へ流れ難くなり、貫通穴84を通過する。
図14(b)の状態では、図14(a)よりもギャップTが広がるが、突起部95bがハウジング202を常に閉塞しているため、ギャップGt_outの流体抵抗は、可動弁の位置によらず一定である。そのため、可動弁88がポート86a方向に移動しても、インクは貫通穴84方向に流れていく。しかし、可動弁の位置によっては、送液ポンプ78から供給されたインクの圧力が高まることがあり、インク圧力が高く、かつ突起部95bとハウジング202の嵌め合い寸法が大きく、ギャップGt_inが広いとき、インクは矢印d1で示すポート86b側突起収容部201に流れることとなる。インクが矢印d1方向に流れたとしても、ギャップGt_inの流体抵抗があるので、ポート86b側突起収容部201に流れるインクの量は少ない。インクがポート86b側突起収容部に到達しても、空洞部211の中で溜まることとなる。
ここで、ポート86b側突起収容部201は、少量のインク300を蓄えていくため、内部の空洞部211の体積は大きいことが望ましく、そのために、ポート86b側突起収容部201はポート86b側に深さがあっても良い。また、ポート86b側突起収容部201内の空洞211の形状は、図に示す形に限定せず、突起部95bが収まる溝でも良い。また、空洞部211のインクが溜まってきた場合、ポート86b側突起収容部201を別部材にして、交換することも可能である。また、溜まったインク300はポート86a側と連通していないので、インク300がギャップGtを通過することはない。
貫通穴84を通過したポート86a側にあるインクは、記録ヘッド1の吐出により、液体供給チューブ16内に導かれる。しかし、貫通穴84の内径が大きく、送液ポンプ78から供給されたインクが、貫通穴84を通過するときに生じる圧力損失が小さければ、ポート86a側にあるインクの圧力は大きく、それによりギャップG_outを通過し、ポート86a側突起収容部205内に流れ込むことが推測できる。
図14(c)に、こうしてインクが流れ込んだ状態を示す。流れ込んだインク301は、ポート86a側突起収容部205内の空洞部206の外周方向に溜められる。外周方向に溜まったインク301は、ギャップG_outから離れた位置に溜まるので、空洞部206の内部に溜まるインク301の量が、ある所まで達しなければ、ギャップG_outからインクがギャップGtを通り、ポート86b側突起収容部201まで流れることは無い。従って、空洞部206は外周方向に対してポート86b側に傾けられた形状が望ましい。
このように、送液ポンプ78から供給されたインクは、主として貫通穴84を通過し、記録ヘッド1に流れる。しかし、インクの圧力が大きく、突起部がすきまばめであるとき、インクはギャップGt_inないしG_outを通過し、それぞれの突起収容部に溜められる。つまり、貫通穴84を通過する前後で、インクは独立した別の場所で溜められる。
このように、本実施形態によれば、ギャップGtと弁体上部88tの寸法がばらつき、両者がすきまばめに近い状態になっても、そのばらつき関係なく、流路抵抗可変ユニット83の可動弁88内を流れるインクは、貫通穴84を主として流れることができる。
更に、貫通穴84を通過する前後で、インクは独立した別の場所で溜めることができる構成としたので、突起収容部の交換頻度を少なくし、長期に渡って流路抵抗可変ユニット83を使用でき、貫通穴の内径寸法により、図4に示す安定圧力ΔPを制御することを可能にする。よって、この発明の効果は大きい。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図15は、本発明の第3の実施形態であり、流路抵抗可変ユニット83の断面図である。
図15では、記録ヘッド1が非吐出であり、かつ送液ポンプ78が駆動している状況下での流路抵抗可変ユニット83の断面を示している。可動弁88は、上部88tに貫通穴84を設け、更にその外周のポート86b側に突起部95を設ける構成としている。ハウジング202は、可動弁88tの突起部95を貫通させるように、突起部95と同形状に開口210を開けて作られており、可動弁88をハウジング202に取り付けたとき、突起部95はハウジング202から突き出すようになっている。
突起収容部201は、可動弁88tのハウジング202から突き出た突起部95を内部に収容可能なように、突起部95と同形状の開口210に連接して設けられ、かつ、その内部は空洞となっている。ハウジングキャップ200はハウジング202の上からキャップし、可動弁88を覆うことができる。
更に、開口210と突起部95の隙間に弾性部材250を取り付ける構成としている。
前述のように、組立の観点から突起収容部201およびハウジングキャップ200は、ハウジング202とは別部材で構成されていることが望ましい。同様に突起部収容部201を取り付けるために、横穴部86cはハウジング202に対して別部材であることが望ましい。開口210と突起部95の隙間に取り付けられた弾性部材250は、送液ポンプ78から供給されたインクが、突起収容部201に流れることを抑えるために取り付けられている。その詳細を説明するために、図15に示すY部を拡大して説明する。
図16(a)は、図15のY部、すなわち図15における突起部95周りを拡大したものである。図16(b)は、弾性部材250を取り付けた開口210の正面図と平面図を示している。
図16(a)は、記録ヘッド1が吐出状態にあり、可動弁88がポート86a側に移動した状態を示している。弾性部材250は、開口210を少なくとも含む部分の表面に取り付けられ、ギャップGt_inを狭くするように作用している。そのため、送液ポンプ78から供給されたインクの圧力が高まり、矢印d1方向に流れることを防ぐことができる。
なお、弾性部材250の突起部95側側面255の摩擦抵抗が大きいと、可動弁88の動作そのものを妨げてしまい、流路抵抗可変ユニット83の機能を果たさなくなる。そのため、側面255は摩擦抵抗が少なく、滑らかなであることが望ましい。また、弾性部材250の内径が突起部95よりも小さいと、可動弁88が弾性部材250に挿入されてしまい、動かなくなってしまう恐れがある。そのため、弾性部材250の内径は、突起部95の外径よりも大きいことが望ましい。
また、本実施形態では、突起部95がポート86b方向に形成され、その向きに対応するように、開口210周りの表面に弾性部材250が取り付けられているが、図10に示すように、ポート86a側に突起部を形成し、それに対応するようにハウジングキャップに弾性部材250を形成しても良い。同様に、図13に示すように、突起部がポート86a側方向とポート86b側方向に形成されている場合も、それに対応するように、突起収容部に弾性部材250が形成されている構成でも良い。
次に、第4の実施形態の別構成例について、図17を参照して説明する。
図17は、図16で示した弾性部材の別の実施形態である。
図17で示す弾性部材251は円形のブレード状になっており、開口210の表面のみに取り付けられている。弾性部材251がブレード状になっているため、可動弁88と接触する面積が小さく、可動弁88に生じる摩擦抵抗が小さい。よって、可動弁88の動きを妨げることがない。
更に、ギャップTを通り矢印d1方向にインクが流れるときの抵抗となる。従って、インクは矢印d1方向に流れず、貫通穴84方向に流れ、突起収容部201に溜まることが無い。そのため、突起収容部201を交換する必要が無く、流路抵抗可変ユニット83を長期に渡って使用可能にすることができるため、この発明の効果は大きい。
なお円形ブレード状の弾性部材251の数は2枚に限定せず、可動弁88の動きを妨げなければ、何枚であっても良い。また、図10に示すように、ポート86a側に突起部を形成されている場合は、それに対応するようにハウジングキャップに円形ブレード形状の弾性部材251を形成しても良い。同様に、図13に示すように、突起部がポート86a側方向とポート86b側方向に形成されている場合も、それに対応するように、突起収容部に円形のブレード形状の弾性部材251が形成される構成でも良い。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図18は、本発明の第5の実施形態における突起部95周りを拡大して示す。
図18では、記録ヘッド1が吐出状態にあり、可動弁88がポート86a側に移動した状態を示している。また、凸部260は、突起部95の表面上に複数形成され、流れに対する抵抗となり、凸部260表面を経由して突起収容部201内の空洞部211に流れる流路の流路抵抗を増大させる構成となっている。そのため、送液ポンプ78から供給されたインクの圧力が高まっても、矢印d1方向にインクが流れ難くなる。よって、インクは矢印d1方向に流れず、貫通穴84方向に流れ、突起収容部201に溜まることを防ぐことができる。
なお、凸部の形状は円形に限定せず、流体抵抗を高める形状であれば、例えば四角形のようにどのような構成でも良いが、流体解析により、もっとも流体抵抗が高まるような形状にすることが望ましい。また、凸部と凸部の間隔も、流体抵抗を高める作用があれば、どのような間隔でも良い。
また、図10に示すように、ポート86a側に突起部を形成されている場合や、図13に示すように、突起部がポート86a側方向とポート86b側の両方向に形成されている場合でも、それに対応するように、それぞれの突起部状に凸部が形成されていることが望ましい。
〔各実施形態について〕
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した各実施形態による供給システムは、インクの種類を問わずに適用可能である。また、各実施形態で示す送液ポンプ78はインクを送液できればどの種のポンプでも良い。
1 記録ヘッド
16 液体供給チューブ
76 インクカートリッジ
80 ポンプユニット
81 圧力制御ユニット
83 流路抵抗可変ユニット
84 貫通穴
86a 下流側ポート
86b 上流側ポート
86c 横穴部
88 可動弁
95 突起部
200 ハウジングキャップ
201、205 突起収容部
202 ハウジング
204、210 開口
特開2004−351845号公報

Claims (12)

  1. 液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに供給する液体を貯留する液体タンクと、
    前記記録ヘッドに前記液体を供給する第1の流路と、
    前記液体タンクに連通する第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路を連通させ、前記第1の流路を流れる液体の流量に応じて内部の流路抵抗が変化する圧力調整弁と、
    前記第2の流路から分岐して、送液ポンプを介して前記圧力調整弁に接続された第3の流路と、
    を備え、
    前記記録ヘッドの液滴吐出面は、前記液体タンク内の液面よりも高い位置に配置されて、前記記録ヘッドと前記液体タンクとの水頭差により前記記録ヘッドの負圧が保持され、
    前記圧力調整弁は、ハウジングおよび該ハウジング内に収容され、前記第1の流路を流れる液体の流量に応じて移動する弁体を有し、
    前記ハウジングは、前記第1の流路と接続される上端部と、前記第2の流路と接続される下端部と、前記上端部と前記下端部との間に配置され、前記第3の流路が接続される横穴とを有し、
    前記弁体は、軸形状を有し、前記ハウジングの前記上端部に対向して配置される上部と、前記ハウジングの前記下端部に対向して配置される下部と、前記上部及び前記下部よりも小径に形成され、前記ハウジングの前記横穴と対向して配置される中央部と、前記弁体の前記上部に設けられ、前記ハウジング内において前記第2の流路及び前記第3の流路と前記第1の流路とを連通させる貫通穴と、前記弁体の前記上部において前記貫通穴よりも外周側に設けられ、前記弁体の前記ハウジング内での移動方向に向けて凸設された突起部とを有し、
    前記ハウジングは、前記突起部が貫通可能な、前記突起部と同形状の開口を有し、前記弁体が前記ハウジング内で移動した場合であっても前記突起部が前記開口を常に閉塞可能な長さを有することにより、前記第3の流路の前記送液ポンプにより加圧され、前記横穴を通じて前記ハウジング内に圧送された液体が、前記弁体の前記上部に設けられた前記貫通穴のみを通過して前記第1の流路へ流出することを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記弁体の前記下部と前記ハウジング内の側壁との間のギャップは、前記弁体が前記上端部側へ移動するのに応じて小さくなることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記突起部は、前記弁体に、前記第1の流路側、前記第2の流路側の何れかまたは両方に向けて凸設されたことを特徴とする請求項1または2記載の液滴吐出装置。
  4. 前記ハウジングは、前記開口の先に突き出た前記突起を収容する突起収容部を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記突起収容部には、大気と連通する大気連通穴が開設されたことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出装置。
  6. 前記大気連通穴は、前記突起収容部の底部に対して重力方向の上部位置に設けられていることを特徴とする請求項5記載の液滴吐出装置。
  7. 前記突起収容部の内部に溜まった液体の液面位置を検知する液面位置検知手段を備えたことを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記突起収容部は、前記第1の流路方向から前記第2の流路方向に向かって傾斜がつけられた形状であることを特徴とする請求項4から7の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  9. 前記突起収容部は、前記容器に対して着脱可能に設けられたことを特徴とする請求項4から8の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  10. 前記開口の表面に前記液体の流れを遮断する弾性部材が設けられたことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  11. 前記突起部の表面に、該突起部表面における流路抵抗を増大させる凸部が形成されたことを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  12. 請求項1から11の何れか1項に記載の液滴吐出装置は画像形成装置であり、
    前記液体はインクであることを特徴とする画像形成装置。
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