JP5415233B2 - 眼鏡レンズの設計方法および製造方法 - Google Patents

眼鏡レンズの設計方法および製造方法

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Description

本発明は、個人の視覚動作に応じた眼鏡レンズの設計方法および製造方法に関する。
人は物を見る際に癖があり、側方あるいは上下方を見るとき、頭を回転させたり目を回転させたりする(以降、視覚動作という)。このような頭の回転角度や目の回転角度は個人に特有のものであり、このような個人の視覚動作に対応した眼鏡レンズの設計方法が種々提案されている。例えば、人が物を見るときの実際の頭部や目の回転角度を測定し、この測定結果に応じたレンズ設計を行っている(特許文献1〜7参照)。
一方、累進屈折力レンズは、屈折力の異なる2つの屈折領域と、これら屈折領域間で屈折力(度数)が累進的に変化する累進領域(中間部)とを備えた非球面レンズである。このような累進屈折力レンズには、中間部の側方に収差が生じるため、視野が制限される。また、2つの屈折領域の間で倍率差が生じるために像の歪みが発生し、このような累進屈折力レンズを装着して頭部を動かすと、像がゆれるように見える「ゆれ」という現象が発生する。
特表2003−523244号公報 特表2007−536043号公報 特開2007−241276号公報 特表2008−521027号公報 特開2008−249828号公報 特表2008−511033号公報 特表2008−541142号公報
特許文献1〜7においては、実際の頭部や目の回転角度(視覚動作)に応じた眼鏡レンズの設計を行ってはいるものの、累進屈折力レンズの視野の広さと、ゆれ・歪みとのバランスが考慮されていない。また、収差やゆれが付加されたことによる視覚動作の変化が考慮されていない。収差に対する耐性やゆれに対する耐性は、人によって様々であり、この個人特性に応じた累進屈折力レンズの設計を行うことで、装着者により最適なレンズ設計を行うことができる。
本発明の目的は、累進屈折力レンズにおける個人特有の視覚動作に対応し、個人がより快適に着用できる眼鏡レンズの設計方法および製造方法を提供することである。
本発明の眼鏡レンズの設計方法は、裸眼または単焦点レンズを着用した状態で、人が物体を見るときの視覚動作を表す基本視覚動作指数を求める基本値算出ステップと、基準となる累進屈折力レンズを着用した状態で、前記人が前記物体を見るときの視覚動作を表す累進視覚動作指数を求める累進値算出ステップと、前記累進視覚動作指数が前記基本視覚動作指数より頭部を動かす比率が大きい場合は、前記基準となる累進屈折力レンズより視野を広く設計し、前記累進視覚動作指数が前記基本視覚動作指数より頭部を動かす比率が小さい場合は、前記基準となる累進屈折力レンズより収差領域を広く設計するレンズ設計ステップと、を備えたことを特徴とする。
視覚動作とは、人が物体を見るときに頭部または眼を回転させる動作を言う。具体的には、物体を見るときの頭部の回転角度や眼の回転角度である。また、視覚動作指数とは、人が物体を見るときに頭部または目をどの程度動かしているかを表す指標である。例えば、人の正面方向から実際に物体が存在する方向への頭部の回転角度の比率や、人の正面方向から実際に物体が存在する方向への目の回転角度の比率で表すことができる。なお、主に頭部を動かして物体を見る人をヘッドムーバー(HM)、主に目を動かして物体を見る人をアイムーバー(EM)と言う。
裸眼または単焦点レンズを装着して物体を見る場合の視覚動作と、累進屈折力レンズを装着して物体を見る場合の視覚動作には差がある。これは、累進屈折力レンズに収差や歪みがあるためである。例えば、収差に対する耐性が低い人は、累進屈折力レンズの収差領域を避けるような視覚動作を行う。また、ゆれに対する耐性が低い人は、頭を動かさないようにして物体を見ようとする。このように、収差やゆれに対する個々の耐性によって視覚動作は異なってくる。
この発明では、まず、裸眼または単焦点レンズを着用した状態での視覚動作を表す指標としての基本視覚動作指数と、累進屈折力レンズを着用した状態での視覚動作を表す指標としての累進視覚動作指数を算出する。この基本視覚動作指数と累進視覚動作指数との差に応じて、個々の収差やゆれに対する耐性を推定することができる。
具体的には、累進視覚動作指数が、基本視覚動作指数より頭部を動かす比率が大きい場合(HM側にシフトする場合)は、収差に対する耐性が低い特性であること、およびゆれに対する耐性が高い特性であることを推定できる。そのため、この場合は基準となる累進屈折力レンズより視野を広く設計することが好ましい。したがって、このような場合には視野を広く、つまり収差領域を狭くする設計を行う。このような設計をハード設計という。なお、視野の広さの度合いは、基本視覚動作指数と累進視覚動作指数との差の大きさに応じて決定すればよい。
一方、累進視覚動作指数が、基本視覚動作指数より頭部を動かす比率が小さい場合(EM側にシフトする場合)は、収差に対する耐性が高い特性であること、およびゆれに対する耐性が低い特性であることを推定できる。したがって、このような場合には視野を狭く、かつ収差領域を広くする設計を行い、最大収差量を小さくすることで、ゆれを感じにくくする。このような設計をソフト設計という。なお、視野を狭くする度合いは、基本視覚動作指数と累進視覚動作指数との差の大きさに応じて決定すればよい。
この発明によれば、累進屈折力レンズに生じる収差やゆれに対する個々の耐性を考慮したレンズ設計を行うため、個々がより快適に着用できる眼鏡レンズを提供することができる。
本発明の眼鏡レンズの設計方法において、前記基本値算出ステップは、前記人の正面方向と、前記正面方向と角度αをなす方向にある物体を前記人が見るときの頭部の方向と、のなす角度βsを測定し、以下の式(1)により基本視覚動作指数Msを算出し、前記累進値算出ステップは、前記人の正面方向と、前記正面方向と角度αをなす方向にある物体を前記人が見るときの頭部の方向と、のなす角度βpを測定し、以下の式(2)により累進視覚動作指数Mpを算出し、前記レンズ設計ステップは、基本視覚動作指数の値および累進視覚動作指数の値に対して予め決定された設計タイプを選択することが好ましい。
Figure 0005415233
(式(1)中、nは各物体を示す。)
Figure 0005415233
(式(2)中、nは各物体を示す。)
この発明では、基本視覚動作指数Msを上記式(1)で算出し、累進視覚動作指数Mpを上記式(2)で算出する。これらの式では、視覚動作指数は頭部を動かす比率である。例えば、視覚動作指数が0.8の場合は、物体を見るときに80%頭部を動かし、残り20%は目を動かしているということになる。
また、基本視覚動作指数および累進視覚動作指数に適合するレンズ設計のタイプは、サンプリングによる統計データから得られる対応表が予め作成されている。ここで、レンズ設計のタイプは、物体を見るときに100%頭部を動かす人から、100%目を動かす人までの比率を区切って複数のレンズ設計タイプを設定する。このレンズ設計タイプは、数が大きいほど厳密な設計を反映させることができる。
したがって、上記式(1)により得られる基本視覚動作指数Msと、上記式(2)により得られる累進視覚動作指数Mpとを、対応表に当てはめることにより最適なレンズ設計のタイプを得ることができる。
この発明によれば、基本視覚動作指数と累進視覚動作指数を算出することにより、収差とゆれが生じた場合(累進屈折力レンズを着用した場合)の視覚動作の変化を数値化することができる。したがって、これらの数値を、基本視覚動作指数と累進視覚動作指数とレンズ設計のタイプとが対応づけられた対応表に当てはめることでより最適なレンズ設計のタイプが得られ、より簡単に最適なレンズ設計を行うことができる。
なお、対応表は、サンプリングによる統計データから得られるものであるので信頼性が高く、より厳密なレンズ設計を行うことができる。
本発明の眼鏡レンズの製造方法は、前述の眼鏡レンズの設計方法に基づくことを特徴とする。
この発明によれば、前述の設計方法で決定された設計に基づいて眼鏡レンズを製造するので、前述と同様の作用効果を奏することができる。
本発明において収差に着目した場合の視覚動作の変化を示す説明図。 本発明においてゆれに着目した場合の視覚動作の変化を示す説明図。 本発明の実施形態にかかる眼鏡レンズの設計方法を示すフローチャート。 前記実施形態において対象者と物体との位置関係を示す説明図。 前記実施形態において対象者が物体を見た際の位置関係を示す説明図。 前記実施形態において視覚動作指数とレンズ設計との関係を示す対応図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態で用いる眼鏡レンズは累進屈折力レンズである。累進屈折力レンズは、屈折力の異なる2つの屈折領域(遠用部領域と近用部領域)と、これら屈折領域間で屈折力(度数)が累進的に変化する累進領域とを備えた非球面レンズである。遠用部領域と近用部領域とを境目なくつなぐ必要性から、累進領域の側方に収差が生じる。また、2つの屈折領域の間で倍率差が生じるために像の歪みが発生し、このような累進屈折力レンズを装着して頭部を動かした際に像がゆれるように見える「ゆれ」という現象が発生する。
このような収差とゆれに対する耐性には、個人差がある。収差に対する耐性が低い人に対しては、収差が生じる領域(収差領域)が小さくなるように設計することが好ましい。このように、収差領域を小さくし、収差のない領域(視野)を広くする設計をハード設計という。一方、ゆれに対する耐性が低い人に対しては、ゆれの少ない設計、すなわち収差を広範囲に散らすために収差領域を大きくする設計を行うことが好ましい。このように収差領域を大きくすることで最大収差量(歪み)を小さくし、視野を小さくする設計をソフト設計という。
累進屈折力レンズの設計において、レンズの側方における収差量が大きいほどゆれは大きくなることから、視野の広い設計とゆれの少ない設計とは、相反関係になる。すなわち、ハード設計では、収差領域が小さく視野は広いが、収差領域の最大収差量が大きいため頭を動かしたときのゆれが大きくなる。一方、ソフト設計では、収差領域が広いため視野は狭くなるが、収差領域の最大収差量が小さいためゆれが小さい。
ここで、視覚動作において、側方や上下方の物体を注視する際に、主に頭を回転させる人をヘッドムーバー(HM)と呼び、主に目を回転させる人をアイムーバー(EM)と呼ぶ。HMの場合は、頭を動かすことでゆれを感じやすいため、ソフト設計である方が好ましい。また、EMの場合は、レンズの周辺部を使用して側方視するため、視野が広いほうがよいので、ハード設計である方が好ましい。
単焦点レンズには大きな収差や歪みがないため、単焦点レンズのどの位置でも焦点が合う。この場合の収差や歪みに対する視覚動作は、裸眼の場合と同じになる。
一方、累進屈折力レンズには収差や歪みが生じるため、これらを回避するように頭部や目の動きが変化する。したがって、裸眼または単焦点レンズを装着した場合と、累進屈折力レンズを装着した場合とでは、視覚動作が異なる。
図1に、単焦点レンズを装着した状態で収差に対する耐性に着目して測定したHMとEMの比率と、累進屈折力レンズを装着した状態で収差に対する耐性に着目して測定したHMとEMの比率を示す。図1の縦軸は、HMとEMとの比率を示す。HMの位置は100%頭を動かす人、EMの位置では100%目を動かす人を表し、これらの中間でHMとEMとの比率が変化する。なお、HMまたはEMの比率の測定は、従来の測定装置を用いて行うことができる。
図1では、単焦点レンズを装着した状態ではEM側のAの位置の比率となっている。そこで、累進屈折力レンズの収差に対する耐性が低い場合は、収差領域を極力避けようとして頭部を動かす比率が増加するため、HM側にシフトしたA’の位置の比率になると推定できる。また、累進屈折力レンズの収差に対する耐性が高い場合は、頭部を動かす比率は増えないのでA’位置ほどシフトせず、A’’位置になると推定できる。
図2に、単焦点レンズを装着した状態でゆれに対する耐性に着目して測定したHMとEMの比率と、累進屈折力レンズを装着した状態でゆれに対する耐性に着目して測定したHMとEMの比率を示す。図2の縦軸は、HMとEMとの比率を示す。
図2では、単焦点レンズを装着した状態では、HM側のBの位置の比率となっている。そこで、累進屈折力レンズのゆれに対する耐性が低い場合は、頭部を動かすことによりゆれを感じるため、頭部の動作を避けようとし、目を動かす比率が増加する。すなわち、EM側にシフトしたB’の位置の比率になると推定できる。また、累進屈折力レンズのゆれに対する耐性が高い場合は、あまりゆれを意識しないため比率はほとんど変化せずB’’の位置の比率になると推定できる。
以上のように、累進屈折力レンズを装着した場合の視覚動作は、各個人の収差に対する耐性およびゆれに対する耐性に応じて変化する。実際の測定においては、収差およびゆれの2つの現象が複合的に発生するため、どちらの現象が優勢かによって収差に対する耐性とゆれに対する耐性とのどちらが大きいかを知ることができる。
そこで、収差や歪みがないときの視覚動作と、収差や歪みがあるときの視覚動作と、の変化を数値化することにより、最適なレンズ設計を行うことができる。
以下に、その眼鏡レンズの設計方法を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
(1.眼鏡レンズの設計方法)
まず、図4に示すように、対象者10の左前方に物体1、対象者10の右前方に物体2をそれぞれ配置する。対象者の正面方向を基準点20とすると、対象者10と基準点20とを結ぶ直線の方向と、対象者10と物体1とを結ぶ直線の方向とがなす角度をα、対象者10と基準点20とを結ぶ直線の方向と、対象者10と物体2とを結ぶ直線の方向とがなす角度をαとする(ステップS1)。
次に、図5に示すように、裸眼の対象者10が物体1を見た際に動かす頭部の回転角度βsを測定する。頭部の回転角度βsは、対象者10と基準点20とを結ぶ直線の方向と、物体1を見ている対象者10の正面方向と、がなす角度である。同様にして、裸眼の対象者10が物体2を見た際に動かす頭部の回転角度βs(図示しない)を測定する。このようにして、対象者10が裸眼で物体を見た際の頭部の回転角度が得られる(ステップS2)。
そして、上述のステップS1およびステップS2で得られた角度α、α、βs、βsに基づいて、裸眼での視覚動作指数Msを以下の式(1)で算出する(ステップS3)。ここで、視覚動作指数は、人が物体を見るときの癖を指標化したものであり、本実施形態では、頭部が回転する比率を表す。すなわち、視覚動作指数が0.7の場合は、頭部を70%動かし、あとの30%は目を動かすことを意味する。
Figure 0005415233
上記式(1)中、nは各物体を示す数値である。
視覚動作指数Msは各物体について算出され、全ての物体の視覚動作指数Msの平均値Msを算出し、このMsを基本視覚動作指数として用いる。本実施形態では、n=1の場合は物体1を示し、n=2の場合は物体2を示す。
次に、基準となる累進屈折力レンズを装着した対象者10は、物体1を見た際に動かす頭部の回転角度βpを測定する。頭部の回転角度βpは、対象者10と基準点20とを結ぶ直線の方向と、物体1を見ている対象者10の正面方向と、がなす角度である。同様にして、基準となる累進屈折力レンズを装着した対象者10が物体2を見た際に動かす頭部の回転角度βpを測定する。このようにして、対象者10が累進屈折力レンズを装着した状態で物体を見た際の頭部の回転角度が得られる(ステップS4)。ここで、基準となる累進屈折力レンズとは、個人に応じたレンズ設計を行うための基準となるレンズであり、統計的に標準となる設計がなされたものである。
そして、上述のステップS1およびステップS4で得られた角度α、α、βp、βpに基づいて、累進屈折力レンズを装着した状態での累進視覚動作指数Mpを以下の式(2)で算出する(ステップS5)。
Figure 0005415233
上記式(2)中、nは各物体を示す数値である。
累進視覚動作指数Mpは各物体について算出され、全ての物体の累進視覚動作指数Mpの平均値Mpを算出し、このMpを累進視覚動作指数として用いる。本実施形態では、n=1の場合は物体1を示し、n=2の場合は物体2を示す。
次に、裸眼での基本視覚動作指数Msと、累進屈折力レンズを装着した状態での累進視覚動作指数Mpに基づいて、レンズ設計タイプを決定する(ステップS6)。
図6にレンズ設計タイプを示し、以下の表1に視覚動作指数(Ms、Mp)とレンズ設計タイプの対応表を示す。
図6において、レンズ設計タイプは、ハード設計41側からソフト設計42までA〜Mの12タイプに分かれている。すなわち、Aタイプは100%目を動かすEM向けのレンズ設計であり、Mタイプは100%頭部を動かすHM向けのレンズ設計である。B〜LはHMとEMとの比率が順次変化し、GタイプはHMとEMとが50%/50%の比率となるバランス設計43である。なお、レンズ設計タイプの数はこれに限られず、設計の厳密度に応じて適宜調整すればよい。
また、表1に示すように、基本視覚動作指数Msおよび累進視覚動作指数Mpに対応するレンズ設計タイプが、サンプリングによる統計データに基づいて予め決められている。
Figure 0005415233
表1において、例えば、基本視覚動作指数Msが0.5、累進視覚動作指数Mpが0.7の場合、最適なレンズ設計タイプはFである。この場合、裸眼の状態よりも累進屈折力レンズを装着した場合にHM側にシフトすることから、収差に対する耐性が低い特性であることおよびゆれに対する耐性が高い特性であることを推定できる。したがって、視野を拡大するハード設計41側にシフトしたFタイプのレンズ設計が最適となる。
このようにして決定されたレンズ設計タイプに基づいて、公知の方法を用いて眼鏡レンズを製造する。眼鏡レンズを製造する方法としては、例えば、半製品などのガラスまたはポリマー材の機械加工、射出または注型などによる鋳造、あるいは機械加工と鋳造との組み合わせが挙げられる。
以上のような本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
本実施形態では、裸眼での基本視覚動作指数Msと累進屈折力レンズを着用した状態での累進視覚動作指数Mpとを算出し、基本視覚動作指数Msおよび累進視覚動作指数Mpを表1に示す対応表に当てはめて最適なレンズ設計のタイプを決定する。
これによれば、基本視覚動作指数Msと累進視覚動作指数Mpとの差により、収差およびゆれに対する耐性を推定することができ、個々の耐性に応じたレンズ設計を行うことができる。
また、個々の視覚動作を基本視覚動作指数Msと累進視覚動作指数Mpのように数値化するので、表1に示す対応表に当てはめるだけで簡単に個々に最適なレンズ設計を行うことができる。特に、対応表は、サンプリングによる統計データから得られるものであるので信頼性が高い。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、対象者10の左前方に物体1、右前方に物体2を配置したが、物体の数および位置はこれに限られない。より多くの物体を様々な位置に配置してもよい。これによれば、得られるデータ数が増えることでデータの信頼性が高まり、より対象者10に適した眼鏡レンズを設計することができる。
また、上述の実施形態では、2つの物体1および2について基本視覚動作指数Ms、Ms、累進視覚動作指数Mp、Mpをそれぞれ算出し、これらの平均値である基本視覚動作指数Ms、累進視覚動作指数Mpを用いて計算を行ったが、平均値を用いずに各物体についての基本視覚動作指数Ms、累進視覚動作指数Mpをそれぞれレンズ設計に反映させてもよい。例えば、対象者10が物体を見る方向に応じてレンズの左半面にはハード設計、右半面にはソフト設計を施すこともできる。
これによれば、レンズの各点における設計を最適化できるため、対象者10にとってより快適なレンズを設計することができる。
さらに、上述の実施形態では、対象者10の視覚動作を式(1)および(2)で表される視覚動作指数MsおよびMpを用いたが、視覚動作指数MsおよびMpは上述の式(1)および(2)に限られない。対象者10の視覚動作を表現できる量であればよい。
例えば、上述の実施形態では、視覚動作指数として対象者10の頭部の回転角度に基づいた値を使用したが、対象者10と物体1および2との距離が小さい場合は、対象者10の頭部の回転中心と眼の位置関係に基づいた値を視覚動作指数の算出に用いてもよい。この場合、対象者10の正面方向と対象者10と物体1とを結ぶ直線の方向とがなす角度αを用いて、左右のそれぞれの眼の正面方向と左右のそれぞれの眼と物体1とを結ぶ直線の方向とがなす角度を算出する。例えば、左眼を基準にして得られる角度をα1L、右眼を基準にして得られる角度をα1Rとすると、以下の式(3)および(4)により算出することができる。
Figure 0005415233
上記式(3)および(4)中、lは頭部の回転中心、rは頭部の半径、PDは瞳孔間距離である。そして、α1Lおよびα1Rを用いて光線追跡を行い、上述の実施形態と同様に基本視覚動作指数Msおよび累進視覚動作指数Mpを算出し、レンズ設計を行う。
これによれば、対象者10と物体1および2との距離が小さい場合は頭部の回転角度が小さいため、頭部の回転中心と眼の位置関係に基づいた値を用いることでデータの信頼性をより向上させることができる。
また、同様に、上述の実施形態では、表1に示す対応表によって視覚動作とレンズ設計のタイプを対応させたが、これに限らず、視覚動作とレンズ設計を関連付けられるものであれば、その指標として用いることができる。
本発明は、各個人に最適な設計の累進屈折力レンズを提供する眼鏡店等で利用できる。
1、2…物体、10…対象者、20…基準点、41…ハード設計、42…ソフト設計。

Claims (4)

  1. 裸眼または単焦点レンズを着用した状態で、人が物体を見るときの視覚動作を表す基本視覚動作指数を求める基本値算出ステップと、
    基準となる累進屈折力レンズを着用した状態で、前記人が前記物体を見るときの視覚動作を表す累進視覚動作指数を求める累進値算出ステップと、
    前記累進視覚動作指数が前記基本視覚動作指数より頭部を動かす比率が大きい場合は、前記基準となる累進屈折力レンズよりも、累進屈折力レンズに起因して収差が生じる領域である収差領域を狭くして視野を広げるかわりに最大収差量を増加させるようにレンズを設計する一方、
    前記累進視覚動作指数が前記基本視覚動作指数より頭部を動かす比率が小さい場合は、前記基準となる累進屈折力レンズよりも、累進屈折力レンズに起因して収差が生じる領域である収差領域を広くして視野を狭めるかわりに最大収差量を減少させるようにレンズを設計するレンズ設計ステップと、を備えた
    ことを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
  2. 請求項1に記載の眼鏡レンズの設計方法において、
    前記レンズ設計ステップにおいては、前記基本視覚動作指数および前記累進視覚動作指数の関係性に基づいて作成された図表から、得るべき累進屈折力レンズのレンズ設計タイプを選択する
    ことを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
  3. 請求項に記載の眼鏡レンズの設計方法において、
    前記基本値算出ステップは、前記人の正面方向と、前記正面方向と角度αをなす方向にある物体を前記人が見るときの頭部の方向と、のなす角度βsを測定し、以下の式(1)により基本視覚動作指数Msを算出し、
    前記累進値算出ステップは、前記人の正面方向と、前記正面方向と角度αをなす方向にある物体を前記人が見るときの頭部の方向と、のなす角度βpを測定し、以下の式(2)により累進視覚動作指数Mpを算出し、
    前記レンズ設計ステップは、基本視覚動作指数の値および累進視覚動作指数の値に対して予め決定された設計タイプを選択する
    ことを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
    Figure 0005415233
    (式(1)中、nは各物体を示す。)
    Figure 0005415233
    (式(2)中、nは各物体を示す。)
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の眼鏡レンズの設計方法に基づくことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
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