JP5413276B2 - 熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱延鋼板およびその製造方法に関する。詳しくは、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の用途に用いられる素材として好適な、加工性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法に関する。
自動車をはじめとする輸送用機械や各種産業機械の構造用部材等の素材として供される鋼板には、各種用途に応じて、強度、伸びや穴拡げ性などの加工性、靱性、それら特性の均一性、などの多様な特性が要求される。
自動車の骨格部材であるメンバ(サブフレーム)やリンフォース(補強部材)に適用される高強度鋼板には、延性のみならず、優れた穴拡げ性が要求される。また、高強度鋼板は一般に形状凍結性が低下しやすいことから、部品精度を向上させるために低降伏比であることも求められる。
鋼板の機械特性を総合的に高めるには、鋼板の組織を微細化することが有効であることが知られている。
他方、残留オーステナイトやマルテンサイトを含有する複合組織を用いることで、加工性に富む高強度熱延鋼板を得ようとする検討も広く行われている。
例えば、特表2004−536965号公報(特許文献1)には、フェライト、ベイナイト、残留オーステナイトおよびマルテンサイト組織からなる複合組織鋼板であって、極低P鋼化、ミクロ組織や介在物の最大長さ等の制御、ミクロ組織の硬さ制御等によって穴拡げ性を向上させた熱延鋼板とその製造方法が提案されている。
特開2006−274318号公報(特許文献2)には、引張強度が780MPa以上で伸びおよび穴拡げ加工性に優れた高強度熱延鋼板とその製造方法が提案されている。この鋼板は、C:0.05〜0.15%、Si:1.50%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.035%以下、S:0.01%以下、Al:0.02〜0.15%、Ti:0.05〜0.2%を夫々含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる化学組成を有し、かつ60〜95面積%のベイナイトの他、固溶強化または析出強化したフェライトまたはフェライトとマルテンサイトを含む金属組織を有する。
特表2004−536965号公報 特開2006−274318号公報
上述したように、残留オーステナイトやマルテンサイトを含有する複合組織を利用して加工性に富む高強度熱延鋼板を得ようとする検討が行われている。しかし、上記特許文献に記載された熱延鋼板は、延性、穴拡げ性、プレス加工性などの特性バランスが十分とはいえない。
本発明は、強度−延性バランスと強度−穴拡げ性バランスとがともに良好で、高強度でありながら延性、穴拡げ性、プレス加工性にも優れた熱延鋼板とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、フェライトを主体とする微細複合組織を有する熱延鋼板の延性および穴拡げ性に関して詳細な検討を行い、以下の新たな知見を得た。
単にC含有量を増加させることにより鋼の高強度化を図ると、セメンタイト、マルテンサイトおよびベイナイトなどの第二相の面積率が増加して、強度−穴拡げ性バランスが著しく低下する。したがって、強度−延性バランスと強度−穴拡げ性バランスがともに優れた鋼板にするには、Cによる鋼の高強度化をより効率的に行うこと、すなわち、より少ないC含有量でより高い強度を得ることが重要である。このためには、C含有量と引張強度TSとの間に下記式(3)を満足させることが有効である。
TS≧4500C+350 ・・・ (3)
ここで、上記式(3)におけるCは、鋼の化学組成におけるCの含有量(単位:質量%)を意味する。
Cによる鋼の高強度化をより効率的に行うには、SiおよびMnの含有量を高めて、Siによるフェライト変態促進作用およびセメンタイト析出遅延化作用とMnによる焼入性向上作用との相乗作用により、熱間圧延後の冷却過程において未変態オーステナイトへのCの濃化を促進させたのちに変態させ、第二相の硬度を高めることが重要である。すなわち、低硬度の第二相を多量に含有させることにより鋼の高強度化を図るのに代えて、第二相を高硬度化するととともに、その割合を減じて適正化することが重要である。このために、Mn含有量を1.9%以上、かつMnおよびSiの合計含有量を2.7%以上とすることが有効である。
第二相は、降伏比を低下させて良好な延性を具備させるために必要である。しかし、その面積率が過大になると、穴拡げ性と延性がともに低下する。したがって、第二相の面積率を適正化することが重要である。また、穴拡げ加工における鋼板の板厚方向の歪分布は、板厚中心部より鋼板の表層部において大きくなる。このため、穴拡げ性は鋼板の表層部における鋼組織に強く影響される。したがって、鋼板表層部における鋼組織を適正化することが重要である。このために、鋼板表面から100μm深さ位置における鋼組織を指標として、該位置における第二相の面積率X(%)を3%以上、40%以下とし、かつ下記式(1)を満足させることが有効である。
X≦10×(120C+Mn)0.5 ・・・ (1)
ここで、上記式(1)におけるCおよびMnは、鋼の化学組成におけるCおよびMnの含有量(単位:質量%)をそれぞれ意味する。
フェライトの微細粒化に伴って、第二相も微細化され、これにより穴拡げ性が向上する。また、上述したように、穴拡げ性は鋼板の表層部における鋼組織に大きく影響されるので、鋼板表層部における鋼組織を適正化することが重要である。このため、鋼板表面から100μm深さ位置における鋼組織を指標として、この位置におけるフェライトの平均粒径Ds(μm)を4.0(μm)以下とし、かつ下記式(2)を満足させることが有効である。
Ds≦8/(200C×Mn)0.3 ・・・ (2)
ここで、上記式(2)におけるCおよびMnは、鋼の化学組成におけるCおよびMnの含有量(単位:質量%)をそれぞれ意味する。
鋼組織の適度な微細化は、第二相の硬度を高めて加工硬化性を向上させ、鋼板の延性を向上させる。また、上述したように、穴拡げ性の観点からは、鋼板の表層部における鋼組織は微細化した方が好ましい。しかしながら、過度の微細粒化は降伏比を著しく上昇させる場合がある。したがって、鋼板の表層部における鋼組織を微細化しつつ、板厚中心位置における鋼組織を表層部に比して粗大なものとすることにより、鋼板全体としてのフェライト平均粒径を適正化して低降伏比を確保することが好ましい。このため、鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライトの平均粒径Ds(μm)と板厚中心位置におけるフェライトの平均粒径Dc(μm)との平均値を2.0μm以上、5.0μm以下とすることが好ましい。
穴拡げ性をより一層高めるためには、r値の面内異方性を改善することが有効である。具体的には面内において最小となるr値を所定の値以上とすることが有効である。本発明に係る熱延鋼板は、圧延方向に対して45°方向のr値が高く、圧延方向および圧延直交方向のr値が低い、いわゆる逆V字型の面内異方性を有する。したがって、圧延方向および圧延直交方向のr値をともに0.6以上とすることが好ましい。
上記の熱延鋼板を得るには、化学組成を有する鋼材を多パス熱間圧延して、Ar点以上かつ800℃以上の温度で熱間圧延を完了し、熱間圧延完了後0.3秒間以内に400℃/秒以上の平均冷却速度で750℃まで冷却し、600℃以上、750℃以下の温度域で2秒間以上保持し、50℃/秒以上の平均冷却速度で300℃以下の温度域まで冷却する。これによって、目的とする鋼組織と機械特性とを有する高強度熱延鋼板が得られる。
前記多パス熱間圧延における最終圧延パスの1つ前の圧延パスの出側温度を850℃以上とすることにより、r値とともに穴拡げ性がさらに向上する。
このように、低降伏比、延性および穴拡げ性を兼備する高強度熱延鋼板とするためには、C含有量と引張強度の関係に制限を設け、同時にMnとSi含有量を高めるとともに、これらの合計量に制限を設けること、さらに第二相面積率および鋼板表層部のフェライト粒径に条件を設けることが有用であり、より一層機械的性質を向上させるには、鋼板表層部と板厚中心部とのフェライトの平均粒径に条件を設け、圧延方向および圧延直交方向のr値を高めることが好ましいことを新たに知見したのである。
このような知見に基づいて完成した本発明は、下記の化学組成、鋼組織および機械特性を有することを特徴とする熱延鋼板である。:
<化学組成> 質量%で、C:0.005%以上、0.15%以下;Si:0.10%以上、3.0%以下;Mn:1.9%以上、4.0%以下;P:0.20%以下;S:0.01%以下;sol.Al:0.001%以上、1.0%以下;およびN:0.001%以上、0.02%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、SiおよびMnの合計含有量が2.7%以上、5.0%以下である;
<鋼組織> 鋼板表面から100μm深さ位置において、主相であるフェライトとマルテンサイトを含有する第二相とからなり、前記第二相の面積率X(%)が3%以上、40%以下で、かつ、下記式(1)を満足し、前記フェライトの平均粒径Ds(μm)が4.0(μm)以下で、かつ、下記式(2)を満足する;
<機械特性> 引張強度TS(MPa)が550(MPa)以上かつ下記式(3)を満足し、降伏比YRが0.75以下である。
X≦10×(120C+Mn)0.5 ・・・ (1)
Ds≦8/(200C×Mn)0.3 ・・・ (2)
TS≧4500C+350 ・・・ (3)
ここで、上記式(1)〜(3)におけるCおよびMnは、前記化学組成におけるCおよびMnの含有量(単位:質量%)をそれぞれ意味する。
本発明に係る熱延鋼板は、下記の1または2以上の条件をさらに満たすことができる。
・前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Mo:0.5%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する。
・前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Cr:2.0質量%以下を含有する。
・前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する。
・鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライトの平均粒径Ds(μm)と板厚中心位置におけるフェライトの平均粒径Dc(μm)との平均値[=(Ds+Dc)/2]が2.0μm以上、5.0μm以下である。
圧延方向および圧延直交方向のr値がともに0.6以上である。
上述した本発明に係る熱延鋼板は、上記化学組成を有する鋼材を多パス熱間圧延して、Ar点以上かつ800℃以上の温度で熱間圧延を完了し、熱間圧延完了後0.3秒間以内に400℃/秒以上の平均冷却速度で750℃まで冷却し、600℃以上、750℃以下の温度域で2秒間以上保持し、50℃/秒以上の平均冷却速度で300℃以下の温度域まで冷却することを特徴とする方法により製造される。
この熱延鋼板の製造方法において、前記多パス熱間圧延における最終圧延パスの1つ前の圧延パスの出側温度を850℃以上とすることが好ましい。
本発明によれば、TSが550MPa以上と高強度でありながら、強度−延性バランスと強度−穴拡げ性バランスがともに良好であり(具体的には、TS×Elが15000MPa・%以上、好ましくは17000MPa・%以上であり、TS×HER(HER=穴拡げ率)が35000MPa・%以上、好ましくは50000MPa・%以上、さらに好ましくは60000MPa・%以上)、強度、延性、穴拡げ性、プレス加工性のバランスがとれた熱延鋼板が提供可能となる。本発明に係る熱延鋼板は、プレス加工と穴拡げ加工がともに容易であるので、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の用途に用いられる部品の素材として好適である。
以下に本発明についてより詳しく説明する。以下の説明において、鋼組成に関する%は、特に指定しない限り質量%である。
<鋼組成>
C:0.005%以上、0.15%以下
Cは、硬質な第二相を生成させて鋼の強度を高める作用を有する。C含有量が0.005%未満では上記作用による効果を十分に得ることが困難である。したがって、C含有量は0.005%以上とする。好ましくは0.007%以上である。一方、C含有量が0.15%超では、穴拡げ性やr値の低下が著しくなる。また、熱間圧延後のフェライト変態が著しく遅延し、第二相の面積率が過大となる。さらにまた、溶接性の劣化が顕著となる。したがって、C含有量は0.15%以下とする。好ましくは0.12%以下、さらに好ましくは0.10%以下である。
Si:0.10%以上、3.0%以下
Siは、フェライト変態を促進するとともにセメンタイト析出を抑制する作用を有するので、熱間圧延後の冷却過程において未変態オーステナイトへのC濃縮を促進し、後述するMnの焼入性向上作用と相俟って、冷却後の鋼組織における第二相の硬度を高め、鋼の強度を効率的に高めることを可能にする重要な元素である。また、固溶強化による強度向上作用も有する。Si含有量が0.10%未満では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがってSi含有量は0.10%以上とする。好ましくは0.4%以上、さらに好ましくは0.8%以上である。一方、Si含有量が3.0%超では、熱間圧延工程における表面酸化により表面性状の劣化が著しくなる場合がある。したがって、Si含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。
Mn:1.9%以上、4.0%以下
Mnは、焼入性を高める作用を有するので、熱間圧延後の冷却過程において、上述したSiによるフェライト変態促進作用とセメンタイト析出抑制作用とによる未変態オーステナイトへのC濃縮促進と相俟って、冷却後の鋼組織における第二相の硬度を高め、鋼の強度を効率的に高めることを可能にする重要な元素である。また、固溶強化による強度向上作用も有する。Mn含有量が1.9%未満では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがってMn含有量は1.9%以上とする。好ましくは2.2%以上、さらに好ましくは2.4%以上である。一方、Mn含有量が4.0%超では、熱間圧延後の冷却過程におけるフェライト変態が過度に遅延してしまい、第二相の面積率が過大となる場合がある。したがって、Mn含有量は4.0%以下とする。好ましくは3.6%以下、さらに好ましくは3.2%以下である。
SiおよびMnの合計含有量:2.7%以上、5.0%以下
上述したように、本発明は、SiおよびMnの含有量を高めて、SiおよびMnの相乗作用により第二相の硬度を高めて、Cによる鋼の高強度化をより効率的に行うものである。すなわち、熱間圧延後の冷却過程において、Siによるフェライト変態促進作用とセメンタイト析出遅延化作用とにより未変態オーステナイトへのCの濃化を促進させ、このCが濃縮された未変態オーステナイトをMnによる焼入性向上作用により確実に変態させることによって、第二相の硬度を高めるものである。SiおよびMnの合計含有量が2.7%未満では上記SiおよびMnの相乗作用による効果を得ることが困難となる。したがって、SiおよびMnの合計含有量を2.7%以上とする。好ましくは2.9%以上、さらに好ましくは3.1%以上、特に好ましくは3.3%以上である。一方、SiおよびMnの合計含有量が5.0%超では、上述したSiやMnの含有量が過剰である場合の問題が生じる可能性が高くなる。したがって、SiおよびMnの合計含有量は5.0%以下とする。好ましくは4%以下である。
P:0.20%以下
Pは、不純物として含有される元素であり、鋼板の加工性を低下させる作用を有する。このため、P含有量は0.20%以下とする。好ましくは0.06%以下、さらに好ましくは0.03%以下、特に好ましくは0.015%以下である。
S:0.01%以下
Sは、不純物として含有される元素であり、鋼板の加工性を低下させる作用を有する。このため、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.003%以下、特に好ましくは0.001%以下である。
sol.Al:0.001%以上、1.0%以下
Alは、脱酸により鋼を健全化する作用を有する。sol.Al含有量が0.001%未満では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.02%以上である。一方、sol.Al含有量を1.0%超としても、上記作用による効果は飽和してしまい、いたずらにコスト上昇を招く。したがって、sol.Al含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.6%以下である。
N:0.001%以上、0.02%以下
Nは、高い固溶強化能を有する。N含有量が0.001%未満では上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、N含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.0015%以上、さらに好ましくは0.002%以上である。一方、N含有量が0.02%超では時効による成形性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.02%以下とする。好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.01%以下、特に好ましくは0.006%以下である。
鋼組成は、以上に述べた必須元素を含有し、残部はFeおよび上記SおよびP以外の不純物である。しかし、鋼組成は、残部のFeの一部に代えて、次に述べる元素を場合により含有しうる。
Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Mo:0.5%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択される1種または2種以上
Ti、Nb、V、MoおよびBは、炭化物または窒化物として鋼中に析出して鋼の強度を高める作用を有する。また、フェライトの粗大化を抑制して鋼組織を微細化する作用を有する。TiおよびNbについては、さらに、オーステナイトの粗大化を抑制して鋼組織をより一層微細化する作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、過剰に含有させると、粗大な炭化物または窒化物により加工性が劣化したり、降伏比が高くなったりする。TiおよびNbについては、さらに、再結晶温度が高くなりすぎてr値の低下が著しくなる。したがって、TiおよびNbの含有量はそれぞれ0.1%以下とする。それぞれ好ましくは0.06%以下、さらに好ましくは0.03%以下、特に好ましくは0.02%以下、最も好ましくは0.01%以下である。また、VおよびMoの含有量はそれぞれ0.5%以下とする。それぞれ好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.05%以下、最も好ましくは0.01%以下である。また、Bの含有量は0.005%以下とする。好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.001%以下、特に好ましくは0.0005%以下である。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Ti:0.001%以上、Nb:0.001%以上、V:0.01%以上、Mo:0.001%以上、およびB:0.0001%以上のいずれかを満足させることが好ましい。
Cr:2.0%以下
Crは、焼入性を高めることによりマルテンサイトを含有する第二相の生成を促進する作用を有する。したがって、Crを含有させてもよい。しかし、過剰に含有させると、熱間圧延後の冷却過程におけるフェライト変態が過度に遅延してしまい、第二相の面積率が過大となる場合がある。したがって、Cr含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.5%以下である。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Cr含有量を0.02%以上とすることが好ましい。
Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上
Ca、MgおよびREMは、溶鋼が凝固する過程において生成する酸化物や窒化物を微細化してスラブの健全性を保つ作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、過剰に含有させても上記作用による効果は飽和してしまい、これらの元素が高価であることからいたずらにコストの増加を招く。したがって、これらの元素の含有量はそれぞれ0.01%以下とする。これら元素の含有量は合計で0.005%以下とすることが好ましい。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、いずれかの元素を0.0002%以上含有させることが好ましい。
<鋼組織>
本発明に係る熱延鋼板の鋼組織は、主相であるフェライトと、マルテンサイトを含有する第二相とからなる。
主相であるフェライトは、ポリゴナルフェライトのほか、ベイニティックフェライト、アシキュラーフェライト、グラニュラーベイニティックフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトを含み、パーライト組織やベイナイト組織を構成するフェライトを含まない。
第二相とは、主相を構成する上記フェライト以外の相および組織を意味する。第二相はマルテンサイトを必ず含有し、マルテンサイト単相であってもよいが、粒界セメンタイト、ベイナイト、残留オーステナイトおよびパーライトからなる群から選択される1種以上を含有する混合組織であってもよい。第二相が混合組織である場合も、その主体(面積率で50%以上)はマルテンサイトであることが好ましい。
第二相は、熱延鋼板の降伏比を低下させて良好な延性を確保するのに必要であるが、その面積率が過大になると、穴拡げ性と延性がともに低下する。穴拡げ加工は鋼板の表層部における鋼組織に影響を受けることから、本発明では、鋼板表面から100μm深さ位置(以下、表層位置ともいう)における鋼組織を次に述べるように制御する。
鋼板表面から100μm深さ位置における第二相の面積率X:
3%以上、40%以下、かつX≦10×(120C+Mn)0.5
第二相は、可動転位の発生源となり、加工硬化率向上と低降伏比化に寄与して、鋼板の延性を高める作用を有する。一方、ボイドの発生起点となり、穴拡げ性を低下させる作用も有する。したがって、第二相の面積率を適正にすることが重要であり、特に、穴拡げ加工時の変形量が大きい鋼板表層部における面積率を適正化することが重要である。このため、鋼板表面から100μm深さ位置における第二相の面積率X(%)を3%以上、40%以下とし、かつ下記式(1)を満足するものとする。上記第二相の面積率Xが3%未満では良好な延性を得ることが困難となる。一方、Xが40%を超えたり、下記式(1)を満足しなかったりすると、良好な穴拡げ性を得ることが困難となる。
X≦10×(120C+Mn)0.5 ・・・ (1)
第二相の面積率X(%)の上限を上記式(1)で規定するのは、第二相の面積率はCおよびMnの含有量の増加にともなって増加する傾向を有するので、CおよびMnの含有量に応じて規定する必要があるからである。
鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライト平均粒径Ds(μm):
4.0(μm)以下、かつDs≦8/(200C×Mn)0.3
鋼板表層部の鋼組織の微細化は、き裂の発生、進展および連結を抑制して穴拡げ性を向上させる。したがって、鋼板表層部の鋼組織の微細化は重要である。このため、鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライトの平均粒径Ds(μm)を、4.0(μm)以下とし、かつ下記式(2)を満足するようにする。好ましくは、下記式(4)を満足するようにする。上記フェライトの平均粒径Ds(μm)が4.0(μm)を超えるか、または下記式(2)を満足しないと、良好な穴拡げ性を得ることが困難となる。
Ds≦8/(200C×Mn)0.3 ・・・ (2)
Ds≦7/(200C×Mn)0.3 ・・・ (4)
フェライトの平均粒径Dsの上限を上記式(2)で規定するのは、CおよびMnの含有量の増加にともなって第二相の面積率や硬度が増加して穴拡げ性を低下させる傾向を有するので、CおよびMnの含有量の増加に応じて鋼組織を一層微細化して穴拡げ性の低下を補償する必要があるからである。
鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライトの平均粒径Ds(μm)と板厚中心位置におけるフェライトの平均粒径Dc(μm)の平均値:
2.0μm以上、5.0μm以下
鋼組織の適度な微細化は、第二相の硬度を高めて加工硬化性を向上させ、鋼板の延性を向上させる。また、上述したように、穴拡げ性の観点からは、鋼板の表層部における鋼組織は微細化した方が好ましい。しかし、過度の微細粒化は降伏比を著しく上昇させる場合がある。したがって、鋼板の表層部における鋼組織を微細化しつつ、板厚中心位置における鋼組織を表層部に比して粗大なものとすることにより、鋼板全体としてのフェライト平均粒径を適正化して低降伏比を確保することが好ましい。このため、鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライトの平均粒径Ds(μm)と板厚中心位置におけるフェライトの平均粒径Dc(μm)との平均値[=(Ds+Dc)/2]を2.0μm以上、5.0μm以下とすることが好ましい。この平均値はより好ましくは2.0μm以上、3.5μm以下である。当然のことながら、板厚中心部より表層部の方が、冷却速度が大となることから、Ds<Dcの関係がある。
<機械特性>
引張強度TS:550MPa以上、かつTS≧4500C+350
鋼板の引張強度TSが小さいと、車体軽量化や剛性向上などの効果が十分に得られない。したがって、引張強度TSは550MPa以上とする。より少ないC含有量でより高い強度を得ることにより、強度−延性バランスおよび強度−穴拡げ性バランスがともに優れた鋼板が得られる。したがって、引張強度TSはさらに下記式(3)を満足するものとする。下記式(5)を満足することが好ましく、下記式(6)を満足することがさらに好ましい。
TS≧4500C+350 ・・・ (3)
TS≧4500C+400 ・・・ (5)
TS≧4500C+450 ・・・ (6)
降伏比YR:0.75以下
降伏比YRが高いと、フェライトが十分に加工硬化されず、歪分布が一様化され難いため、鋼板の延性が低下する。したがって、降伏比YRは0.75以下とする。YRは好ましくは0.70以下、さらに好ましくは0.65以下である。
圧延方向および圧延直交方向のr値:0.6以上
穴拡げ性をより一層高めるためには、r値の面内異方性を改善することが有効である。具体的には面内において最小となるr値を所定の値以上とすることが有効である。本発明に係る熱延鋼板は、圧延方向に対して45°方向のr値が高く、圧延方向および圧延直交方向のr値が低い、いわゆる逆V字型の面内異方性を有する。したがって、圧延方向および圧延直交方向のr値をともに0.6以上とすることが好ましい。このr値はさらに好ましくは0.65以上、特に好ましくは0.70以上である。
<製造条件>
上記化学組成を有する鋼材を多パス熱間圧延して、Ar点以上かつ800℃以上の温度で熱間圧延を完了し、熱間圧延完了後0.3秒間以内に400℃/秒以上の平均冷却速度で750℃まで冷却し、600℃以上〜750℃以下の温度域で2秒間以上保持してから、50℃/秒以上の平均冷却速度で300℃以下の温度域まで冷却する。
熱間圧延に供する鋼材は、連続鋳造や鋳造・分塊圧延により得たスラブやストリップキャスティングにより得た鋼板を用いることができ、それらに熱間加工または冷間加工を加えたものであってもよい。また、熱間圧延に供する鋼材は再加熱したものであってもよいし、連続鋳造後や分塊圧延後の高温状態にあるものをそのまま用いてもよい。後述する熱間圧延完了温度を確保できれば特に制限はない。熱間圧延に供する鋼材の温度は一般的に900〜1350℃である。熱間圧延はレバースミルまたはタンデムミルを用いて多パスで行う。工業的生産性の観点からは、少なくとも最終の数段はタンデムミルを用いることが好ましい。
熱間圧延完了温度は、熱間圧延後にオーステナイトからフェライトへと変態させることにより鋼組織の微細化を図るために、Ar点以上かつ800℃以上の温度とする。熱間圧延完了温度がAr点未満では、熱間圧延中にフェライトが生成してしまい目的とする鋼組織を得ることができなくなる。また、熱間圧延完了温度が800℃未満では、圧延荷重が過大となって操業が困難になる場合がある。圧延完了温度は850℃以上とすることが好ましい。
上記多パス熱間圧延における最終圧延パスの1つ前の圧延パスの出側温度を850℃以上とすることにより、r値が向上するとともに穴拡げ性が向上する。これは、最終圧延パスの1つ前の圧延パスと最終圧延パスとのパス間で加工オーステナイトの再結晶が促進されて、これによって、冷却後の集合組織が変化して、面内異方性が改善されるためと推測される。したがって、上記多パス熱間圧延における最終圧延パスの1つ前の圧延パスの出側温度を850℃以上とすることが好ましい。この温度はさらに好ましくは880℃以上、特に好ましくは890℃以上、最も好ましくは910℃以上である。最終圧延パスの1つ前の圧延パスの出側温度の上限は特に規定する必要はないが、オーステナイトが再結晶した後の粒成長を抑制することにより鋼組織のより一層の微細化が可能となるので、1100℃以下とすることが好ましい。さらに好ましくは1050℃以下である。なお、これらの温度は鋼板の表面温度であり、放射温度計等によって測定することができる。
熱間圧延における圧下量は特に規定する必要はないが、鋼組織の微細化に寄与する熱間圧延完了時における加工歪量をより多くする観点からは、熱間圧延完了温度〜(熱間圧延完了温度+100℃)の温度域における圧下率を板厚減少率で40%以上とすることが好ましい。このときの圧延は、操業性の観点からは、1パス当たりの圧下率を60%以下として複数パスの圧延で行うことが好ましく、熱間圧延完了時における加工歪量をより多くする観点からは、1パス当たりの圧下率を15%以上として複数パスの圧延を連続したものとすることが好ましい。
熱間圧延完了後は、オーステナイトに導入された加工歪の解放を抑制しつつ、オーステナイトからフェライトへの変態が活発となる温度域まで冷却し、当該温度域において一旦保持することにより、上記加工歪を駆動力としてオーステナイトからフェライトへ一気に変態させる。これにより、フェライト変態の核生成の密度が飛躍的に高まり、微細な鋼組織を得ることが可能となる。このため、熱間圧延完了から0.3秒間以内に400℃/秒以上の平均冷却速度で750℃まで冷却する。熱間圧延完了から750℃までの冷却時間は0.2秒間以内とすることが好ましい。熱間圧延完了後750℃までの冷却は、水冷を用いるのが望ましく、その冷却速度は、空冷期間を除外した強制冷却を行っている期間の平均冷却速度で400℃/秒以上とする。
ここで、熱間圧延完了から750℃までの冷却時間を規定するのは、750℃を超える温度で冷却を停止もしくは鈍化させると、オーステナイトからフェライトへの変態が活発となる温度域に到達する前に熱間圧延によって導入された歪が解放されてしまい、または、歪の存在形態が変化してしまい、フェライト変態の核生成密度向上に有効に寄与しなくなり、フェライトの結晶粒が顕著に粗大化するからである。
600℃以上、750℃以下の温度域に達すると、オーステナイトからフェライトへの変態が活発となる。したがって、600℃以上、750℃以下の温度域に達した後、冷却を一次停止するか、またはその冷却速度を鈍化させて、上記温度域で2秒間以上保持する。それにより、上記加工歪を駆動力としてオーステナイトからフェライトへ一気に変態させ、フェライト変態の核生成の密度を高めて、微細な鋼組織を得ることができる。また、Siによるフェライト変態促進作用およびセメンタイト析出遅延化作用により、フェライト変態の促進と未変態オーステナイトへのCの濃化が促進される。上記保持時間が2秒間未満では、オーステナイトからフェライトへの変態が十分に進行せず、最終的な鋼組織において第二相の面積率が過大となるとともに第二相の硬質化が不十分となって、延性や穴拡げ性の劣化を招く場合がある。上記温度域における保持時間の上限は特に規定する必要はないが、生産性の観点から20秒間以内とすることが好ましい。
上記温度域に保持した後は、Siによるフェライト変態促進作用およびセメンタイト析出遅延化作用によりCの濃化が促進された未変態オーステナイトを、Mnによる焼入性向上作用によってマルテンサイトを含有する硬質な第二相とするために、50℃/秒以上の平均冷却速度で300℃以下の温度域まで冷却する。その後、一般には巻取りを行う。
表1に示す化学組成を有する鋼を溶製して鋳造した後、熱間鍛造によって30mm厚さの鋼片とした。得られた鋼片を1250℃に加熱し、試験用小型タンデムミルにて表2に示す条件で熱間圧延を施して、2mmの板厚に仕上げた。このとき、[圧延完了温度+100℃]から圧延完了温度までの温度域における圧下率は、板厚減少率で60〜80%とし、各々の圧延パスの圧下率は板厚減少率で22〜42%とした。
得られた熱延鋼板について、走査型電子顕微鏡を用いて鋼板板厚の断面を観察し、第二相の組織を調査するとともに、鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライトの平均粒径Dsおよび板厚中心位置におけるフェライトの平均粒径Dcを求めるとともに、表面から100μm深さ位置における第二相の面積率Xを点算法で測定した。
機械特性を評価するため、JIS5号引張試験片にて引張試験を行って、引張強度TS、降伏比YR、伸びElを求めるとともに、圧延方向および圧延直行方向のr値を求めた。また、日本鉄鋼連盟規格JFS−T1001−1996に準拠して穴拡げ試験を行い、HER(穴拡げ率)を測定した。伸びElおよび穴拡げ率HERについては、強度とのバランスを示すTS×ElおよびTS×HERの値を求めた。
表3に、鋼組織および機械特性の調査結果を示す。第二相の種類の欄において、Mはマルテンサイト、Bはベイナイト、Pはパーライトをそれぞれ意味する。
Figure 0005413276
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本発明に従って熱延鋼板はいずれも強度−延性バランス(TS×El)および強度−穴拡げ性バランス(TS×HER)の値が大きく、強度、延性(プレス加工性)、穴拡げ性のバランスに優れている。
一方、比較例である試験番号3は、化学組成は本発明の規定を満たしているが、鋼板表層部におけるフェライトの平均粒径が粗大であるとともに、第二相の面積率が高いため、TSは高いにもかかわらず、延性が極めて低いため、強度−延性バランスが著しく劣る。試験番号24は、SiおよびMnの含有量が少ないために、焼入れ性が不足し、鋼板表層部にパーライトが散見されるとともに、C含有量に対してTSが低く、降伏比も高く、機械特性が全般的に(すなわち、強度−延性バランスと強度−穴拡げ性バランスの両方に)劣る。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.005%以上0.15%以下、Si:0.10%以上3.0%以下、Mn:1.9%以上4.0%以下、P:0.20%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上1.0%以下およびN:0.001%以上0.02%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、SiおよびMnの合計含有量が2.7%以上5.0%以下である化学組成を有し、
    鋼板表面から100μm深さ位置において、主相であるフェライトとマルテンサイトを含有する第二相とからなるとともに、前記第二相の面積率X(%)が3%以上40%以下かつ下記式(1)を満足し、かつ前記フェライトの平均粒径Ds(μm)が4.0(μm)以下かつ下記式(2)を満足する鋼組織を有し、
    引張強度TS(MPa)が550(MPa)以上かつ下記式(3)を満足し、降伏比YRが0.75以下である機械特性を有することを特徴とする熱延鋼板。
    X≦10×(120C+Mn)0.5 ・・・ (1)
    Ds≦8/(200C×Mn)0.3 ・・・ (2)
    TS≧4500C+350 ・・・ (3)
    ここで、上記式(1)〜(3)におけるCおよびMnは、前記化学組成におけるCおよびMnの含有量(単位:質量%)をそれぞれ意味する。
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Mo:0.5%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Cr:2.0質量%以下を含有する、請求項1または2に記載の熱延鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の熱延鋼板。
  5. 鋼板表面から100μm深さ位置におけるフェライトの平均粒径Ds(μm)と板厚中心位置におけるフェライトの平均粒径Dc(μm)との平均値が2.0μm以上5.0μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱延鋼板。
  6. 圧延方向および圧延直交方向のr値がともに0.6以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の熱延鋼板。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の化学組成を有する鋼材を多パス熱間圧延して、Ar点以上かつ800℃以上の温度で熱間圧延を完了し、熱間圧延完了後0.3秒間以内に400℃/秒以上の平均冷却速度で750℃まで冷却し、600℃以上750℃以下の温度域で2秒間以上保持し、50℃/秒以上の平均冷却速度で300℃以下の温度域まで冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  8. 前記多パス熱間圧延における最終圧延パスの1つ前の圧延パスの出側温度を850℃以上とすることを特徴とする請求項7に記載の熱延鋼板の製造方法。
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