以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る制御システムを示す図である。制御システム100は、表示装置5、制御装置40及び入力装置1を含む。
図2は、入力装置1を示す斜視図である。入力装置1は、ユーザが持つことができる程度の大きさとされる。入力装置1は、筐体10を備えている。また、入力装置1は、筐体10の上部中央に設けられたボタン11、このボタン11に隣接するボタン12などの操作部を有する。
ボタン11、12は、典型的には押圧タイプのボタンであり、プッシュボタンあるいは静電容量式のタッチボタンが用いられる。操作部23は、押圧タイプのボタンに限られず、一端を支点として操作されるスティックタイプの操作部23、スライドタイプの操作部23が用いられてもよい。操作部23は、内部に図示しないスイッチを有しており、このスイッチは、ユーザによる操作部への操作を検出し、操作信号を出力する。操作信号を出力するスイッチとして、光センサや、静電容量センサが用いられてもよい。
ボタン11は、例えばPCで用いられる入力デバイスとしてのマウスの左ボタンに相当する機能を有し、ボタン11に隣接するボタン12はマウスの右ボタンに相当する機能を有する。例えば、ボタン11のクリックにより、アイコン4(図5参照)を選択する操作、ボタン11のダブルクリックによりファイルを開く操作が行われるようにしてもよい。アイコンとは、コンピュータ上のプログラムの機能、実行コマンド、またはファイルの内容等が画面3上で画像化されたものである。ボタン11などの機能についての詳細は、後述する。
図3は、入力装置1の内部の構成を模式的に示す図である。図4は、入力装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
入力装置1は、センサユニット17、制御ユニット30、バッテリー14を備えている。
図8は、センサユニット17を示す斜視図である。
センサユニット17は、互いに異なる角度、例えば直交する2軸(X’軸及びY’軸)に沿った加速度を検出する加速度センサユニット16を有する。すなわち、加速度センサユニット16は、X’軸方向の加速度センサ161、及びY’軸方向の加速度センサ162の2つセンサを含む。
また、センサユニット17は、その直交する2軸の周りの角加速度を検出する角速度センサユニット15を有する。すなわち、角速度センサユニット15は、ヨー方向の角速度センサ151、及びピッチ方向の角速度センサ152の2つのセンサを含む。これらの加速度センサユニット16及び角速度センサユニット15はパッケージングされ、回路基板25上に搭載されている。
ヨー方向、ピッチ方向の角速度センサ151、152としては、角速度に比例したコリオリ力を検出する振動型のジャイロセンサが用いられる。X’軸方向、Y’軸方向の加速度センサ161、162としては、ピエゾ抵抗型、圧電型、静電容量型等、どのようなタイプのセンサであってもよい。角速度センサ151または152としては、振動型ジャイロセンサに限られず、回転コマジャイロセンサ、レーザリングジャイロセンサ、あるいはガスレートジャイロセンサ等が用いられてもよい。
図2及び図3の説明では、便宜上、筐体10の長手方向をZ’方向とし、筐体10の厚さ方向をX’方向とし、筐体10の幅方向をY’方向とする。この場合、上記センサユニット17は、回路基板25の、加速度センサユニット16及び角速度センサユニット15を搭載する面がX’−Y’平面に実質的に平行となるように、筐体10に内蔵され、上記したように、両センサユニット16、15はX’軸及びY’軸の2軸に関する物理量を検出する。
本明細書中では、入力装置1とともに動く座標系、つまり、入力装置1に固定された座標系をX’軸、Y’軸、Z’軸で表す。一方、地球上で静止した座標系、つまり慣性座標系をX軸、Y軸、Z軸で表す。また、以降の説明では、入力装置1の動きに関し、X’軸周りの回転方向をピッチ方向、Y’軸周りの回転方向をヨー方向といい、Z’軸(ロール軸)周りの回転方向をロール方向という場合もある。
制御ユニット30は、メイン基板18、メイン基板18上にマウントされたMPU19(Micro Processing Unit)(あるいはCPU)、水晶発振器20、送受信機21、メイン基板18上にプリントされたアンテナ22を含む。
MPU19は、必要な揮発性及び不揮発性メモリを内蔵している。MPU19は、センサユニット17による検出信号、操作部による操作信号等を入力し、これらの入力信号に応じた所定の制御信号を生成するため、各種の演算処理等を行う。上記メモリは、MPU19とは別体で設けられていてもよい。
典型的には、センサユニット17はアナログ信号を出力するものである。この場合、MPU19は、A/D(Analog/Digital)コンバータを含む。しかし、センサユニット17がA/Dコンバータを含むユニットであってもよい。
送受信機21(出力手段)は、MPU19で生成された制御信号をRF無線信号として、アンテナ22を介して制御装置40に送信する。また、送受信機21は、制御装置40から送信された各種の信号を受信することも可能となっている。
水晶発振器20は、クロックを生成し、これをMPU19に供給する。バッテリー14としては、乾電池または充電式電池等が用いられる。
制御装置40は、MPU35(あるいはCPU)、RAM36、ROM37、ビデオRAM41、表示制御部42、アンテナ39及び送受信機38等を含む。
送受信機38は、入力装置1から送信された制御信号を、アンテナ39を介して受信する(受信手段)。また、送受信機38は、入力装置1へ所定の各種の信号を送信することも可能となっている。MPU35は、その制御信号を解析し、各種の演算処理を行う。表示制御部42は、MPU35の制御に応じて、主に、表示装置5の画面3上に表示するための画面データを生成する。ビデオRAM41は、表示制御部42の作業領域となり、生成された画面データを一時的に格納する。
制御装置40は、入力装置1に専用の機器であってもよいが、PC等であってもよい。制御装置40は、入力装置に専用の機器に限られず、表示装置5と一体となったコンピュータであってもよいし、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、ゲーム機器、またはカーナビゲーション機器等であってもよい。
表示装置5は、例えば液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等が挙げられるが、これらに限られない。あるいは、表示装置5は、テレビジョン放送等を受信できるディスプレイと一体となった装置でもよし、このようなディスプレイと上記制御装置40とが一体となった装置でもよい。
図5は、表示装置5に表示される画面3の例を示す図である。画面3上には、アイコン4やポインタ2等のUIが表示されている。また、画面3上には例えば複数の文字7を含む画像6が表示されている。なお、画面3上の水平方向をX軸方向とし、垂直方向をY軸方向とする。
図6は、ユーザが入力装置1を握った様子を示す図である。図6に示すように、入力装置1は、操作部23として、上記ボタン11、12のほか、例えばテレビ等を操作するリモートコントローラに設けられるような各種の操作ボタン29や電源スイッチ28等を備えていてもよい。このようにユーザが入力装置1を握った状態で、入力装置1を空中で移動させ、あるいは操作部を23操作することにより発生するコマンドの信号が制御装置40に出力され、制御装置40によりUIが制御される。
次に、入力装置1の動かし方及びこれによる画面3上のポインタ2の動きの典型的な例を説明する。図7はその説明図である。
図7(A)、(B)に示すように、ユーザが入力装置1を握った状態で、入力装置1のボタン11、12が配置されている側を表示装置5側に向ける。ユーザは、親指を上にし子指を下にした状態、いわば握手する状態で入力装置1を握る。この状態で、センサユニット17の回路基板25(図8参照)は、表示装置5の画面3に対して平行に近くなり、センサユニット17の検出軸である2軸が、画面3上の水平軸(X軸)及び垂直軸(Y軸)に対応するようになる。以下、このような図7(A)、(B)に示す入力装置1の姿勢を基本姿勢という。
図7(A)に示すように、基本姿勢の状態で、ユーザが手首や腕を上下方向、つまりピッチ方向に振る。このとき、Y’軸方向の加速度センサ162は、Y’軸方向の加速度ayを検出し、ピッチ方向の角速度センサ152は、X’軸の周りの角速度ωθを検出する。これらの物理量に基き、制御装置40は、ポインタ2がY軸方向に移動するようにそのポインタ2の表示を制御する。
一方、図7(B)に示すように、基本姿勢の状態で、ユーザが手首や腕を左右方向、つまりヨー方向に振る。このとき、X’軸方向の加速度センサ161は、X’軸方向の加速度axを検出し、ヨー方向の角速度センサ151は、Y’軸の周りの角速度ωψを検出する。このように検出された物理量に基き、制御装置40は、ポインタ2がX軸方向に移動するようにそのポインタ2の表示を制御する。
次に、以上のように構成された制御システム100の動作を説明する。図9、及び図10は、その動作を示すフローチャートである。
まず、入力装置1に設けられた操作部23がユーザにより操作されていない場合の制御システム100の動作について説明する。図9は、操作部23が操作されていない場合の動作を示すフローチャートである。
図9に示すように、例えばユーザによる電源スイッチ28の押圧により、入力装置1に電源が入力されると、角速度センサユニットから2軸の角速度信号が出力される。この角速度信号による第1の角速度値ωψ及び第2の角速度値ωθはMPU19に入力される(ステップ101)。
また、入力装置1に電源が投入されると、加速度センサユニット16から2軸の加速度信号が出力される。MPU19は、この2軸の加速度信号による第1の加速度値ax及び第2の加速度値ayを入力する(ステップ102)。なお、図9では、角速度センサユニットにより角速度信号を取得した後に加速度センサユニットにより加速度信号を取得する態様とされている。しかし、この順番に限定されるものではなく、加速度信号を取得した後に角速度信号を取得する態様とすることも可能であり、加速度信号と角速度信号を並列に(同時に)取得する態様とすることも可能である。
MPU19は、加速度値(ax、ay)及び角速度値(ωψ、ωθ)に基いて、所定の演算により速度値(第1の速度値Vx、第2の速度値Vy)を算出する(ステップ103)。第1の速度値VxはX’軸に沿う方向の速度値であり、第2の速度値VyはY’軸に沿う方向の速度値である。
速度値(Vx、Vy)の算出方法としては、MPU19が、例えば加速度値(ax、ay)を積分して速度値を求め、かつ、角速度値(ωψ、ωθ)をその積分演算の補助して用いる方法がある。
あるいは、MPU19は、加速度値(ax、ay)を、角加速度値(Δωψ、Δωθ)で割ることで入力装置1の動きの回転半径(Rψ、Rθ)を求めてもよい。この場合、その回転半径(Rψ、Rθ)に角速度値(ωψ、ωθ)が乗じられることにより速度値(Vx、Vy)が得ることができる。回転半径(Rψ、Rθ)は、加速度の変化率(Δax、Δay)を、角加速度の変化率(Δ(Δωψ)、Δ(Δωθ))で割ることで求められてもよい。
上記算出方法により、速度値が算出されることで、ユーザの直感に合致した入力装置1の操作感が得られ、また、画面3上のポインタ2の動きも入力装置1の動きに正確に合致する。しかしながら、速度値(Vx、Vy)は、必ずしも上記算出方法により、算出されなくてもよい。例えば、加速度値(ax、ay)が単純に積分されて速度値(Vx、Vy)が算出されても構わない。あるいは、検出された角速度値(ωψ、ωθ)をそのまま筐体の速度値(Vx、Vy)として用いてもよい。検出された角速度値(ωψ、ωθ)は時間微分することで角加速度値(Δωψ、Δωθ)を求めることができ、これを筐体の加速度値として用いることも可能である。
MPU19は、算出された速度値(Vx、Vy)の情報を、送受信機21及びアンテナ22を介して制御装置40に送信する(ステップ104)。
制御装置40のMPU35は、アンテナ39及び送受信機38を介して、速度値(Vx、Vy)の情報を受信する(ステップ105)。この場合、入力装置1は、所定のクロックごとに、つまり所定時間ごとに速度値(Vx、Vy)を送信し、制御装置40は、所定のクロック数ごとに速度値を受信する。
制御装置40のMPU35は、速度値を受信すると、下の式(1)、(2)により、速度値を座標値に加算することで、新たな座標値(X(t)、Y(t))を生成する(ステップ106)。この座標値の生成により、MPU35は、ポインタ2が画面3上で移動するように表示を制御する(ステップ107)。
X(t) =X(t-1)+Vx・・・(1)
Y(t) =Y(t-1)+Vy・・・(2)
式(1)、(2)に示すように、速度値(Vx、Vy)は、画面上のX軸方向、Y軸方向の所定時間当たりのポインタ2の変位に対応する量、つまり変位対応量である。以降の説明では、MPU19により算出された速度値を変位対応量として説明する。
次に、操作部23がユーザにより操作された場合の入力装置1の動作について説明する。図10は、操作部23が操作された場合の、入力装置1の動作のフローチャートである。同図では、ユーザにより操作部23のうちボタン11が操作された場合について説明する。
図11、図12及び図13は、図10に示す動作を説明するためのタイミングチャートである。図11は、ユーザがボタン11を押圧し、その押圧を第1の時間内に解除した場合のタイミングチャートであり、図12は、ユーザがボタン11を第1の時間以上継続して押圧した場合のタイミングチャートである。図13は、ユーザがボタン11を第1の時間内で押圧解除後、再び第2の時間内でボタン11の押圧を開始し、ボタン11を第1の時間以上押圧し続けた場合のタイミングチャートである。
図14は、図10に示す動作を実現するための入力装置1の機能的なブロック図である。図14に示す分周器91は、水晶発振器20から供給されるパルスに基づき所定の周波数のクロックパルスを生成する。カウンタ92は、分周器91で生成されたクロックパルスをカウントする。カウント値設定部93では、例えば所定数のカウント値が設定されそのカウント値を記憶する。制御部94は、カウンタ92から供給されるカウント値とカウント値設定部93から供給されるカウント値とを比較することで、後述する第1の時間、及び第2の時間の経過を判定する。
分周器91、カウンタ92、カウント値設定部93、制御部94などの各ブロックは、典型的には、MPU19が有している。以降の説明では、これらのブロックは、MPU19が有しており、制御部94の処理は、MPU19の処理であるとして説明する。しかし、各ブロックは、MPU19に限られず、DSP、FPGA等が有していてもよい。
カウント値設定部93にはあらかじめ、第1の時間に対応する第1のカウント値、及び第2の時間に対応する第2のカウント値が記憶される。
この第1の時間、及び第2の時間は、典型的には、0.2秒〜0.4秒の間の時間とされるが、これに限られず0.2秒以下であってもよいし、0.4秒以上であってもよい。
第1の時間、及び第2の時間は、ユーザによってカスタマイズすることができるようになっていてもよい。このユーザによるカスタマイズを実現するために、入力装置1には、例えばディップスイッチや可変抵抗が設けられていてもよい。また、ユーザが入力装置1及び操作部23を操作し、画面3上のGUIを操作することでカスタマイズできるようになっていてもよい。
このように、第1の時間、及び第2の時間がカスタマイズできることで、ユーザは自己の操作感に合った第1の時間を任意に設定することができるため、ボタン11に対しての入力の操作感を向上させることができる。
まず、図11を参照しつつ、ユーザがボタン11を押圧し、その押圧を第1の時間内に解除した場合の入力装置1の動作について説明する。
図10に示すように、ボタン11が押圧されていない状態では、入力装置1は、変位対応量(Vx、Vy)を出力している状態であり(ステップ201のNO)、ユーザが入力装置1を例えば、ヨー方向、ピッチ方向へ振ることで、画面3上でポインタ2が移動する。なお、以降の説明では、このように変位対応量(速度値)が出力されている状態、あるいは、変位対応量が出力可能な状態を第1のモードとし、後述するスクロール対応量、ズーム対応量が出力されている状態、あるいは、出力可能な状態をそれぞれ第2のモード、第3のモードとして説明する。
ユーザによりボタン11が押圧されると、図示しないスイッチが操作信号を生成し、この操作信号がMPU19に入力される(ステップ201のYES)。MPU19は、スイッチからの操作信号の入力が開始されると、変位対応量の出力を停止する(ステップ202)。あるいはMPU19は、変位対応量をゼロ(Vx、Vy)=(0、0)とした出力を開始する。これにより、ユーザがボタン11を押圧したことにより、筐体10が傾くことで、ポインタ2が画面3上で移動することを防止することができる。
MPU19は、操作信号の入力が開始されると、操作信号の入力の開始から第1の時間内にスイッチからの操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ203)。
操作信号の入力の開始から第1の時間内で、ボタン11の押圧が解除され、操作信号の入力が解除された場合(ステップ203のYES)、つまり、ユーザがクリックの操作をした場合、MPU19は、操作コマンドとして決定コード(決定コマンド)を出力する(ステップ204)。
この決定コードは、例えばパルス状の短時間の信号として送受信機21から出力される(図11参照)。ユーザが第1の時間内でボタン11の押圧を解除した場合、図11に示すように、モードは切り替えられず、スクロール対応量及びズーム対応量は、出力されない。
制御装置40は、入力装置1から出力された決定コードを入力すると、所定の処理を実行する。例えば、上記図5において、画面3上におけるボタン11が押されたときのポインタ2の位置がアイコン4上であれば、制御装置40のMPU35は、そのアイコン4を選択する処理を実行したり、そのアイコン4に対応するアプリケーションプログラムを起動したりする。ボタン11が押されたときのポインタ2の位置がアイコン4上でない場合、制御装置40は、他の所定の処理を実行する。
MPU19は、決定コードを出力すると、操作信号の入力が解除されてから第2の時間内に操作信号が再び入力されるか否かを判定する(ステップ205)。MPU19は、第2の時間が経過した場合(ステップ205のNO)、変位対応量の出力を開始する(ステップ206)。
ステップ201〜ステップ206に示す処理により、ボタン11は、押圧が開始され、第1の時間未満でその押圧が解除された場合に、例えばマウスの左ボタンに相当する機能を発揮する。ユーザは、ボタン11を押圧し、その押圧を第1の時間内に解除することで(クリック)、例えば、画面3上のアイコンを選択する操作を行うことができる。
次に、図12を参照しつつ、ユーザがボタン11を第1の時間以上継続して押圧した場合の入力装置1の動作について説明する。
MPU19は、ボタン11が押圧され、操作信号の入力が開始されると(ステップ201のYES)、変位対応量の出力を停止し(ステップ202)、操作信号の入力の開始から第1の時間内に操作信号の入力が解除されるか否かを判定する(ステップ203)。第1の時間内に操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ203のNO)、つまり、ユーザがボタン11を第1の時間以上、押圧し続けた場合、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替え(ステップ213)(モード切り替え手段)、スクロール対応量(Vx(s)、Vy(s))の出力を開始する(ステップ214)(図12参照)。
制御装置40のMPU35は、スクロール対応量を入力すると、上記図5において、画像6がアクティブの状態にある場合、あるいは、ポインタ2が画面3上の画像6内に位置する場合、このスクロール対応量に応じた速度で例えば画像6内で文字7がスクロールするように表示を制御する。なお、スクロールされる対象となるスクロール対象は、文字7であるとして説明するが、スクロール対象は、画像6内に表示された静止画や、動画などであってもよい。ズームされる対象となるズーム対象についても同様である。
ステップ214において出力されるスクロール対応量(Vx(s)、Vy(s))は、典型的には、変位対応量に基づいて生成される信号である。例えば、MPU19は、変位対応量(Vx、Vy)の信号に所定周波数の信号を重畳し、スクロール対応量(Vx(s)、Vy(s))を生成し、送受信機21から出力する。これにより、制御装置のMPU35は、変位対応量と、スクロール対応量とを区別して認識し、ポインタの移動の表示の制御から、画像6のスクロールの表示の制御に切り替える。
第2のモード時に、ユーザが入力装置1を振ると、入力装置の移動速度に応じた速度で画像6内に表示された文字7がスクロールする。例えば、入力装置1が基本姿勢の状態から、ユーザが手首の回転させ、上方へ入力装置1を振ると、画面3上でのY軸の正の方向へ画像6内の文字7がスクロールする。あるいは、ユーザの上方への手首の回転に応じて画面3上のY軸の負の方向に文字7がスクロールするような処理を制御装置40に実行させてもよい。一方で、ユーザがヨー方向に入力装置1を振ると、画面3上でのX軸方向へ文字7がスクロールする。これにより、ユーザは、容易かつ、直感的な画像6のスクロール操作が可能となる。
ボタン11が第1の時間以上押圧され続け、スクロール対応量の出力が開始されると(ステップ214)、MPU19は、ボタン11の押圧が解除され、スイッチからの操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ215)。ボタン11の押圧が解除され、操作信号の入力が解除された場合(ステップ215のYES)、MPU19は、スクロール対応量の出力を停止する(ステップ216)。すると、MPU19は、スクロール対応量を出力する第2のモードを、変位対応量を出力する第1のモードに切り替え(ステップ217)、変位対応量の出力を開始する(ステップ206)。ユーザが第1の時間以上ボタン11を押圧し続けた場合、決定コードは、出力されない(図12参照)。
ステップ201〜ステップ203及びステップ213〜ステップ217に示す処理により、ボタン11は、第1のモードと第2のモードとを相互に切り替えるモード切り替えボタンに相当する機能を発揮する。ユーザは、ボタン11を第1の時間以上押圧した後に、入力装置1を空間操作することで、画面3上に表示された画像6内の文字7をスクロールすることができる。
次に、図13を参照しつつ、ユーザがボタン11を第1の時間内で押圧解除後、再び第2の時間内でボタン11の押圧を開始し、ボタン11を第1の時間以上押圧し続けた場合(以下、特殊押圧操作)の入力装置1の動作について説明する。
MPU19は、ボタン11の押圧の開始から第1の時間内にその押圧が解除された場合(ステップ203のYES)、決定コードを出力し(ステップ204)、その押圧が解除されてから第2の時間内に再びボタン11が押圧されるか否かを判定する(ステップ205)。
第2の時間内に再びボタン11が押圧され、操作信号が入力された場合(ステップ205のYES)、MPU19は、再び押圧されたボタン11の押圧が第1の時間内に解除されるか否かを判定する(ステップ207)。第1の時間内にボタン11の押圧が解除され、操作信号の入力が解除された場合(ステップ207のYES)再びステップ204に戻り、MPU19は、決定コードを出力する。制御装置40のMPU35は、決定コードを入力した後、所定時間内に再び決定コードを入力した場合にダブルクリックに対応する処理を実行してもよい。
一方で、再び押圧されたボタン11が第1の時間以上押圧され続けた場合(ステップ207のNO)、MPU19は、変位対応量を出力する第1のモードを第3のモードに切り替え(ステップ208)(モード切り替え手段)、ズーム対応量(Vx(z)、Vy(z))の出力を開始する(ステップ209)(図13参照)。つまり、ユーザがボタン11を第1の時間内で押圧解除後、再び第2の時間内でボタン11の押圧を開始し、ボタン11を第1の時間以上押圧し続けた場合(特殊押圧操作)、MPU19は、第1のモードを第3のモードに切り替える。
制御装置40のMPU35は、ズーム対応量をアンテナ39及び送受信機38を介して受信すると、ズーム対応量に応じた速度で画像6内の文字7が拡大、縮小するように制御する。
第3のモード時に出力されるズーム対応量は、典型的には、変位対応量に基づいて生成される信号であり、例えば変位対応量に所定周波数の信号を重畳して生成される信号である。
第3のモード時に、ユーザが入力装置1を振ると、入力装置1の移動速度に応じた速度で画像6内に表示された文字7が拡大、縮小する。例えば、入力装置1が基本姿勢の状態から、ユーザが手首を回転させ、上方へ入力装置1を振ると、画面3上での画像6内の文字7が拡大する。一方で、入力装置1が基本姿勢の状態から、ユーザが入力装置1を下方へ振ると画像内6の文字7が縮小される。これにより、ユーザは、容易かつ、直感的な画像6のズーム操作が可能となる。なお、ユーザが入力装置1をヨー方向に振った場合にも文字7は、拡大、縮小される。入力装置1の操作方向と、拡大、縮小の関係は、適宜設定される。
MPU19は、ズーム対応量の出力を開始すると(ステップ209)、ボタン11の押圧が解除されるか否かを判定する(ステップ210)。ボタン11の押圧が解除され、操作信号の入力が解除された場合(ステップ210のYES)、ズーム対応量の出力を停止する(ステップ211)。その後、MPU19は、第3のモードを第1のモードに切り替え、変位対応量の出力を開始する(ステップ206)。
ステップ201〜ステップ212に示す処理により、ユーザがボタン11を特殊押圧操作することにより、ボタン11は、第1のモードと第3のモードとを相互に切り替えるモード切り替えボタンに相当する機能を発揮する。ユーザは、ボタン11の特殊押圧後に、入力装置1を空間操作することで、画面3上に表示された画像6内の文字7を拡大、縮小することができる。
以上のような処理により、ユーザは、簡単なボタン11の押圧操作、及び入力装置1の空間操作で、例えば、アイコン4の選択、実行などを入力すること(決定操作)ができ、画像6内の文字7をスクロール、ズームすることができる。
また、本実施形態では、ユーザは、1つの操作部(ボタン11)の押圧操作、及び入力装置1の空間操作により、ポインタ2の移動操作、画像6のスクロール操作、画像6のズーム操作が実現されるため、スクロール操作、ズーム操作を実現するための特別な操作部として例えばホイールボタンが入力装置に設けられる必要がなく、コスト削減を実現することができる。
ステップ203において、第1の時間以上ボタン11が押圧され続け(ステップ203のNO)、第1のモードが第2のモードに切り替えられた場合(ステップ213)、MPU19は、変位対応量と、制御装置40にスクロールの表示の制御をさせるための信号(スクロール表示信号)とを出力してもよい。この場合には、変位対応量(速度値)に所定周波数の信号が重畳される必要はなく、変位対応量と、スクロール表示信号とが並行して、第1の時間経過後からボタン11の押圧の解除まで入力装置1から出力される。制御装置40は、変位対応量と、スクロール表示信号とを並行して受信している場合に画像6内の文字7がスクロールするように制御する。この場合、スクロールすべき量に対応するのは、変位対応量であるため、スクロール対応量は、変位対応量である。本明細書中において、「スクロール対応量を出力する」とは、変位対応量とスクロール表示信号とが並行して出力される場合が含まれる。あるいは、第1のモードが第2のモードに切り替えられた場合(ステップ213)、MPU19は、モードが切り替えられたことを示す信号(モード切り替え信号)を出力してもよい。この場合、制御装置40は、モード切り替え信号を受信した場合に、ポインタの移動の表示から、画像のスクロールの表示へと切り替える。
同様に、第1のモードが第3のモードに切り替えられた場合に(ステップ208)、MPU19は、変位対応量(速度値)と、ズーム表示信号とを並行して出力してもよい。本明細書中において、「ズーム対応量を出力する」とは、変位対応量とズーム表示信号とが並行して出力される場合が含まれる。あるいは、第1のモードが第3のモードに切り替えられた場合(ステップ208)、MPU19は、モードが切り替えられたことを示す信号(モード切り替え信号)を出力してもよい。この場合、制御装置40は、モード切り替え信号を受信した場合に、ポインタの移動の表示から、画像のズームの表示へと切り替える。
本実施形態では、入力装置1が、操作信号が入力されていない状態では、第1のモードで動作し、ボタン11の第1の時間以上の押圧により第1のモードから第2のモードに切り替え、ボタン11の特殊押圧操作により第1のモードから第3のモードに切り替える場合について説明した。しかし、入力装置1は、操作信号が入力されていない状態で第2のモード、あるいは、第3のモードであってもよい。また、ボタン11の押圧操作により切り替えられるモードも適宜変更可能である。
上述の説明では、第1の時間内に操作信号の入力が解除された場合に、操作信号の入力が解除された直後に決定コードが出力される場合について説明した(ステップ204、図11、図13参照)。しかし、これに限られず、MPU19は、第1の時間内に操作信号の入力が解除された場合に、その解除がされたときから第2の時間内に操作信号が入力されない場合に決定コードを出力してもよい。
図10に示すモード切り替え処理は、制御装置40が実行してもよい。この場合、制御装置40のMPU35は、入力装置1から出力された変位対応量の情報を受信し、ボタン11の操作の情報として押圧信号(例えば押圧コード)を受信する。制御装置40のMPU35は、押圧信号が入力されていない状態では、受信された変位対応量に応じて、画面3上でポインタ2を移動させる。MPU35は、押圧信号の入力が開始されると、ポインタ2の移動を停止させる。押圧信号の入力の開始からから第1の時間以上押圧信号が入力され続けた場合、ポインタ2の移動するように画面3の表示を制御する第1のモードから、画像6をスクロールするように表示を制御する第2のモードに切り替える(モード切り替え手段)。そして、押圧信号の入力が解除されるまで、受信された変位対応量に応じたスクロール速度値で画像6がスクロールするように表示を制御する。押圧信号の入力の開始から第1の時間内に押圧信号の入力が解除され、第2の時間内に再び押圧信号の入力が開始され、この押圧信号が第1の時間以上継続して入力された場合、第1のモードを、画像6をズームするように表示を制御する第3のモードに切り替える。MPU35は、第3のモードにおいて、変位対応量に応じたズーム速度値で画像6がズームするように表示を制御する。後述する各実施形態の処理においても同様に、制御装置40がモード切り替え処理を実行してもよい。なお、変位対応量(速度値)は、制御装置40が算出しても構わない。
次に、入力装置1の別の実施形態について説明する。以降の説明では、上述の実施形態と同様の構成及び機能を有する部分については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
上記図1〜図14に示した入力装置1は、ボタン11への押圧操作の有無及び押圧操作の態様の違いに応じて第1〜第3のモードを切り替えていた。しかし、本実施形態に係る入力装置1は、ボタン11が押圧され続けた場合に所定のサイクル時間毎に順次モードを切り替える点、及びモード状態を視覚的に示すためのLED表示部を備えている点において、上記図1〜図14に示した入力装置1と異なっている。
図15は、本実施形態に係る入力装置1が備えるLED表示部を示す模式図である。LED表示部82は、ユーザが見やすい位置であれば、筐体10のどこに配置されてもよい。LED表示部82は、第1のモード時に点灯する第1の表示部82aと、第2のモード時に点灯する第2の表示部82bと、第3のモード時に点灯する第3の表示部82cとを有する。このLED表示部82により、ユーザは、入力装置1のそのときのモードを視認することができる。なお、筐体10にLED表示部82が設けられず、図15に示すような形態のGUIが画面3上に表示されるようにしてもよい。
図16は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートであり、図17、及び図18は、図16に示す動作を説明するためのタイミングチャートである。図17は、押圧されたボタン11が第1の時間内に解除された場合のタイミングチャートであり、図18は、ボタン11が第1の時間以上継続して押圧された場合のタイミングチャートである。
図16に示す動作を実現するために、例えば図14に示すカウント値設定部93にサイクル時間に対応する第3のカウント値が記憶される。この第3の時間は、典型的には、0.8秒〜1.2秒の間の時間とされるが、これに限られず0.8秒以下であってもよく、1.2秒以上であってもよい。
図16に示すように、ボタン11が押圧されておらず、操作信号が入力されていない状態では(ステップ301のNO)、モードは、第1のモードであり、MPU19は、変位対応量を出力している。また、MPU19は、第1の表示部82aが点灯するように、LED表示部82を制御している。
MPU19は、ボタン11が押圧され、操作信号が入力されると(ステップ301のYES)、変位対応量の出力を停止し(ステップ302)、入力された操作信号が第1の時間内で解除された場合(ステップ303のYES)、決定コードを出力する(ステップ304)(図17参照)。つまり、ボタン11は、ユーザによりクリックされることで、決定ボタンに相当する機能を発揮する。
MPU19は、操作信号の入力から第1の時間が経過したか否かを判定し(ステッ305)、第1の時間が経過した場合(ステップ305のYES)、変位対応量の出力を開始する(ステップ306)(図17参照)。このように、操作信号の入力から第1の時間経過後に変位対応量を出力することで、ボタン11の押圧が解除された後に、筐体10が傾くことで、ユーザの意図しない処理が画面上で実行されることを防止することができる。
一方で、ステップ303において、操作信号の入力の開始から第1の時間内で操作信号の入力が解除されない場合(ステップ303のNO)、つまりユーザがボタン11を第1の時間以上押圧し続けた場合、MPU19は、第1のモードを、第2のモードに切り替える(ステップ307)。この場合、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替えても、すぐにはスクロール対応量を出力せず、スクロール対応量が出力され得る状態とするのにとどまる(図18参照)。
MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替えると、第1の表示部82aが消灯し、第2の表示部82bが点灯するように、LED表示部82を制御する(ステップ308)。
MPU19は、ボタン11の押圧の開始の第1の時間経過後からサイクル時間が経過したか否かを判定し、このサイクル時間内にボタン11の押圧が解除され、操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ309)。
操作信号の入力の開始から第1の時間経過後から、サイクル時間内に操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ309のNO)、MPU19は、第2のモードを第3のモードに切り替える(ステップ307)。この場合にも、MPU19は、すぐにはズーム対応量を出力しない(図18参照)。
MPU19は、第2のモードを第3のモードに切り替えると、第2の表示部82bが消灯し、第3の表示部82cが点灯するように、LED表示部82を制御する(ステップ308)。
MPU19は、このサイクル時間経過後から再びサイクル時間内に操作信号の入力が解除されるか否かを判定し(ステップ309)、さらに操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ309のNO)、第3のモードを第1のモードに切り替える(ステップ307)。そして、MPU19は、第3の表示部82cが消灯し、第1の表示部82aが点灯するように、LED表示部82を制御する(ステップ308)。
このように、ユーザがボタン11を押圧し続けた場合、MPU19は、第1、第2及び第3のモードをサイクル時間ごとに順に切り替える。
一方で、サイクル時間内にボタン11の押圧が解除され、操作信号の入力が解除された場合(ステップ309のYES)、MPU19は、そのときのモードに応じて、変位対応量、スクロール対応量、またはズーム対応量の出力を開始する。例えば図18に示す例では、第2のモード時にボタン11の押圧が解除されたため、MPU19は、スクロール対応量の出力を開始する。
図16に示す動作により、ボタン11は、例えばマウスの左ボタン(決定ボタン)に相当する機能と、第1のモード、第2のモード及び第3のモードを他のモードに切り替えるためのモード切り替えボタンに相当する機能を有することになる。
ユーザは、押圧したボタン11を第1の時間内で解除することで、例えば、画面3上のアイコンを選択することができ、ボタン11を押圧し続けるだけで、第1乃至第3のモードを他のモードに切り替えることができる。また、本実施形態では、1つの操作部の押圧操作、及び入力装置1の空間操作により、ポインタの移動操作、スクロール操作、ズーム操作が実現されるため、スクロール、ズームを実現するための特別な操作部として例えばホイールボタンが入力装置に設けられる必要がなく、コストを下げることができる。
本実施形態では、第1のモード→第2のモード→第3のモード→第1のモードの順でモードが切り替えられる場合について説明したが、モードが切り替えられる順序は、第1のモード→第3のモード→第2のモード→第1のモードであってもよい。また、本実施形態では、操作信号が入力されていない状態でのモードが第1のモードであるとして説明したが、操作信号が入力されていない状態でのモードは、第2のモードであってもよく、第3のモードであってもよい。
次に、入力装置1のさらに別の実施形態について説明する。
本実施形態に係る入力装置1は、モード切り替えのためのいわゆる2段スイッチを有する操作部を備えている点で、上記図1〜図18に示した入力装置1と異なっている。
図19(A)〜(C)は、本実施形態に係る入力装置が備える操作部を示す模式図である。本実施形態に係る入力装置1が有する操作部50は、決定ボタンに相当する機能を有しない。したがって、図6に示したボタン11の本来の機能である決定ボタンとしての機能を維持させるため、典型的には、この操作部50は、ボタン11から離れた、筐体10側面の親指で操作可能な位置に配置される(図6参照)。しかし、これに限られず、操作部50は、図6に示すボタン11、またはボタン12の位置に配置されてもよく、筐体10のその他の位置に配置されてもよい。
操作部50は、押圧タイプのボタンであり、2段階アクションを有するボタンである。操作部50は、例えば第1のボタン57と、この第1のボタン57とは物理的に離れて設けられた第2のボタン58と、第1のボタン57及び第2のボタン58を連続的に押すことが可能な表面ボタン56とを有する。第1のボタン57は、内部に図示しないスイッチ(第1のスイッチ)を有し、第2のボタン58も、内部に図示しないスイッチ(第2のスイッチ)を有する。第1のボタン57が押され、第1のスイッチがONの状態となると、第1のスイッチは、第1の操作信号の生成を開始し、この第1の操作信号をMPU19へ出力する。一方で、第2のボタン58が押され、第2のスイッチがONの状態となると、第2のスイッチは、第2の操作信号の生成を開始し、この第2の操作信号をMPU19へ出力する。第1のボタン57及び第2のボタン58の各スイッチは、メイン基板18に電気的に接続されている。
図19(A)は、操作部50がユーザにより押されていない状態を示す図である。表面ボタン56は、筐体10に設けられた軸59に接続され、その反対側の端部でバネ24を介して筐体に接続されている。ユーザの指34で表面ボタン56の表面が押されることにより、表面ボタン56は、軸59を中心としてバネ24のバネ力に抗して回動する。第1のボタン57及び第1のボタン57はプッシュタイプのボタンである。表面ボタン56の裏面には、第1のボタン57及び第2のボタン58をそれぞれ押すことが可能な突起56a及び56bが設けられている。
第1のボタン57及び第2のボタン58は、例えば筐体10内から筐体10の表面に露出するように設けられている。表面ボタン56が所定の距離(第1の距離)押されることで(図19(B)参照)、突起56aにより第1のボタン57が押され、続いて表面ボタン56がさらに所定の距離(第2の距離)押されることで(図19(C)参照)、突起56bにより第2のボタン58が押される。図19(B)は、第1のボタン57が押され、第2のボタン58が押されていない状態を示している。図19(C)は、第1のボタン57及び第2のボタン58が両方ともに押されている状態を示している。
押された表面ボタン56が解除される場合、バネ24の戻り力により、表面ボタン56は図19(C)→図19(B)→図19(A)の順に動き、第2のボタン58、第1のボタン57の順に、それらの押された状態が解除される。
上記第1の距離及び第2の距離は、同じでもよいし異なっていてもよく、適宜設定可能である。図19(A)に示す状態から図19(B)に示す状態まで移行するときに必要な力と、図19(B)に示す状態から図19(C)に示す状態まで移行するときに必要な力は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
以上のような操作部50では、第1のボタン57が押され、かつ、第2のボタン58が押されない状態(図19(B))が維持される、いわゆる半押しも可能である。
次に、操作部50を備える入力装置1の動作について説明する。図20は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートである。
図20に示すように、第1のボタン57が押圧されておらず、第1の操作信号がMPU19に入力されていない状態では、モードは、第1のモードであり、MPU19は、変位対応量(Vx、Vy)を出力している(ステップ401のNO)。
ユーザが表面ボタン56を半押しすると(図19(B)参照)、第1のボタン57が押圧され、第1のスイッチからの第1の操作信号が入力される(ステップ401のYES)。すると、MPU19は、変位対応量の出力を停止し(ステップ402)、第1のモードを第2のモードに切り替える(ステップ403)。MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替えると、スクロール対応量の出力を開始する(ステップ404)。つまり、第1のボタン57は、本実施形態では、第1のモードと第2のモードとを相互に切り替え可能な切り替えボタンに相当する機能を有するボタンである。
ユーザが表面ボタン56の半押し状態を維持したまま入力装置1を振ると、画面3上の画像6内の文字7がスクロールする。
MPU19は、スクロール対応量(Vx(s)、Vy(s))の出力開始すると、第1の操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ405)。ユーザが表面ボタン56から指34を離し(図19(A)参照)、第1の操作信号の入力が解除されると(ステップ405のYES)、MPU19は、スクロール対応量の出力を停止する(ステップ406)。
その後、MPU19は、第2のモードを第1のモードに切り替え(ステップ407)、変位対応量の出力を開始する(ステップ408)。
一方、ステップ405において、第1の操作信号の入力が解除されず(ステップ405のNO)、第1の操作信号が入力されたまま、第2の操作信号が入力された場合(ステップ409のYES)、つまり、ユーザが表面ボタン56を第2の距離まで押圧した場合、MPU19は、スクロール対応量の出力を停止する(ステップ410)。
MPU19は、スクロール対応量の出力を停止すると、第2のモードを第3のモードに切り替え(ステップ411)、ズーム対応量(Vx(z)、Vy(z))の出力を開始する(ステップ412)。つまり、第2のボタン58は、本実施形態では、第2のモードと第3のモードとを相互に切り替え可能な切り替えボタンに相当する機能を有する。
ユーザが表面ボタン56の第2の距離までの押圧を維持した状態で、入力装置1を振ると、例えば、画面3上に表示された画像6がアクティブである場合、画像6内の文字7が拡大、縮小する。
MPU19は、ズーム対応量の出力を開始すると、第2の操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ413)。表面ボタン56が半押しの状態とされ(図19(B)参照)、第2のスイッチからの第2の操作信号の入力が解除されると(ステップ413のYES)、MPU19は、ズーム対応量の出力を停止する(ステップ414)。その後、MPU19は、第3のモードを第2のモードに切り替え(ステップ415)、スクロール対応量の出力を開始し(ステップ416)、再び第1の操作信号の入力が解除されるか否かを判定する(ステップ405)。
図20に示す処理により、ユーザは、第1のモード及び第2のモードを切り替え可能な第1のボタンと、第2のモード及び第3のモードを切り替え可能な第2のボタンを連続的に切り替えることができる。これにより、直感的な操作が可能となる。
ステップ403、ステップ407において、相互に切り替えられるモードと、ステップ411、ステップ415において相互に切り替えられるモードは、変更可能である。例えば、ステップ403、407において切り替えられるモードが第1のモードと第3のモードであり、ステップ411、415において切り替えられるモードが第1のモードと第2のモードであってもよい。
次に、入力装置1のさらに別の実施形態について説明する。
本実施形態に係る入力装置1は、モード切り替えのための回動部(レバー)を有する操作部を備えている点で、上記図1〜図20に示した入力装置1と異なっている。
図21は、本実施形態に係る入力装置1が備える操作部を示す模式図である。図21(A)は、操作部60の上面図であり、図21(B)は、側面図である。操作部60は、典型的には、筐体10のボタン11の位置に配置される(図6参照)。しかし、これに限られず、操作部60は、ボタン12の位置に設けられてもよく、筐体10側面の親指で操作可能な位置に配置されてもよい。
図21に示すように、操作部60は、この操作部60の中心に位置する押圧タイプのボタン61と、このボタン61を囲むように設けられ、ボタン61の押圧方向の軸を中心に回動可能な回動部62とを有している。回動部62は、回動部本体62aと、この回動部から遠心方向に伸びるように設けられたレバー型の回動操作部62bとを有している。ボタン61は、内部に図示しないスイッチを有しており、回動部62は、内部に図示しない回動スイッチを有している。
ボタン61は、ユーザによる押圧がされていない状態では、回動部本体62aより上方に突出しており、ユーザによる押圧操作に応じて上下方向に移動する。回動操作部62bも同様に、回動部本体62aより上方に突出しており、ユーザによる指での回動操作が可能となっている。回動部62は、回動操作部62bのユーザによる回動操作に応じて3段階に回動する。
ボタン61と回動操作部62bとは、所定の距離d離れて配置される。これにより、回動操作部62bの回動操作の際に、誤ってボタン61を押圧することを防止することができる。
次に、図21に示す操作部60を含む入力装置1の動作について説明する。図22は、回動操作部62bが回動操作をされた場合の動作を示すフローチャートである。
回動操作部62bが図21(A)に示す位置(以下、基準位置)である場合、入力装置1のモードは、第1のモードであり、MPU19は、変位対応量を出力している。ユーザにより基準位置の回動操作部62bが指で回動操作され、回動操作部62bが角度θ1回動すると、回動スイッチは、切り替え信号を生成し、MPU19へ出力する。MPU19は、回動スイッチからの切り替え信号を入力すると(ステップ501のYES)、切り替え信号入力時の対応量である、変位対応量の出力を停止する(ステップ502)。すると、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替え(ステップ503)、切り替えられた第2のモードにより、スクロール対応量の出力を開始する(ステップ504)。
ユーザにより回動操作部62bが角度θ1回動され、基準位置まで回動操作部62bが戻されると、MPU19に切り替え信号が入力される(ステップ501のYES)。切り替え信号が入力されると、MPU19は、スクロール対応量の出力を停止する(ステップ502)。その後、MPU19は、第2のモードを第1のモードに切り替え(ステップ503)、変位対応量の出力を開始する(ステップ504)。
ユーザにより基準位置の回動操作部62bが回動され、回動操作部62bが角度θ2回動すると、MPU19は、変位対応量の出力を停止する(ステップ501、ステップ502)。そして、MPU19は、第1のモードを第3のモードに切り替え(ステップ503)、ズーム対応量の出力を開始する(ステップ504)。ユーザにより回動操作部62bが角度θ2回動され、基準位置まで回動操作部62bが戻されると、MPU19に切り替え信号が入力される(ステップ501のYES)。切り替え信号が入力されると、MPU19は、ズーム対応量の出力を停止する(ステップ502)。その後、MPU19は、第3のモードを第1のモードに切り替え(ステップ503)、変位対応量の出力を開始する(ステップ504)。
ユーザがボタン61を押圧した場合、この押圧に応じて、ボタン61内部のスイッチが操作信号を生成し、MPU19へ出力する。MPU19は、スイッチからの操作信号を入力すると、決定コードを出力する。つまり、ボタン61は、決定ボタンに相当する機能を有する。
上述のような処理により、ユーザは、1つの指を使った簡単な操作で、例えば画面3上のアイコン4を選択したり、第1乃至第3のモードを他のモードに切り替えたりすることができる。
MPU19は、回動操作部62bの角度θ1の回動に応じて第1のモードと第3のモードとを相互に切り替えてもよく、角度θ2の回動に応じて第2のモードと第3のモードとを相互に切り替えてもよい。あるいは、回動操作部62bが基準位置にある場合に、第2のモードであってもよいし、第3のモードであってもよい。
MPU19は、ボタン61が押圧された場合にスイッチから入力される操作信号に応じて、第1乃至第3のモードでの各対応量の出力を制御してもよい。この場合、MPU19は、第1乃至第3モード時に、ボタン61が押圧され、スイッチからの操作信号が入力されている場合にのみ各対応量を出力する。あるいは、MPU19は、ボタン61が押圧されておらず、スイッチからの操作信号の入力が解除されている場合にのみ各対応量を出力してもよい。この様な処理により、ボタン61は、ポインタ2の移動の開始、停止を制御する移動制御ボタンと、スクロールの開始、停止を制御するスクロール制御ボタンと、ズームの開始、停止を制御するズーム制御ボタンとの機能を有することになる。
これにより、ユーザは、簡単な押圧操作で、ポインタの移動、スクロール、及びズームの開始、停止を制御することができる。さらに、ユーザは、ボタン61を押圧した指を離して、回動操作部62bを回動操作することで、簡単に第1乃至第3のモードを他のモードに切り替えることができる。
次に、入力装置1のさらに別の実施形態について説明する。
本実施形態における入力装置1は、上記図21に示した回動型の操作部60に替えて、摺動型の操作部により同様の機能を実現している。
図23は、本実施形態に係る入力装置1が備える操作部を示す模式図である。図23(A)は、操作部70の上面図であり、図23(B)は、側面図である。操作部70は、典型的には、筐体10のボタン11の位置に配置される(図6参照)。しかし、これに限られず、操作部70は、ボタン12の位置に設けられてもよく、筐体10側面の親指で操作可能な位置に配置されてもよい。
図23に示すように、操作部70は、筐体10に設けられた溝74に係合し、該溝74を摺動移動可能な係合部73と、押圧タイプのボタン71を有し、係合部73に設けられた操作部本体72とで形成される。操作部70は、操作部本体72のユーザによる摺動操作に応じて3段階に摺動する。筐体10内部には、操作部70の3段階の摺動に応じて、切り替え信号を生成するスライドスイッチが設けられている。また、ボタン71は、内部にスイッチを有している。
次に、図23に示す操作部70を含む入力装置1の動作について説明する。図24は、操作部本体72が摺動操作をされた場合の動作を示すフローチャートである。
例えば、操作部本体72が図23(A)に示すように、操作部70の中央に位置(以下、基準位置)している場合、入力装置1のモードは、第1のモードであり、MPU19は、変位対応量を出力している。ユーザにより基準位置の操作部本体72が指で摺動され、操作部本体72が距離d1摺動すると、スライドスイッチは、切り替え信号を生成し、MPU19へ出力する。MPU19は、スライドスイッチからの切り替え信号を入力すると(ステップ601のYES)、切り替え信号入力時の対応量である、変位対応量の出力を停止する(ステップ602)。すると、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替え(ステップ603)、スクロール対応量の出力を開始する(ステップ604)。
ユーザにより操作部本体72が距離d1摺動され、基準位置まで操作部本体71が戻されると、MPU19に切り替え信号が入力される(ステップ601のYES)。切り替え信号が入力されると、MPU19は、スクロール対応量の出力を停止する(スッテップ602)。その後、MPU19は、第2のモードを第1のモードに切り替え(ステップ603)、変位対応量の出力を開始する(ステップ604)。
ユーザにより基準位置の操作部本体72が摺動され、操作部本体72が距離d2摺動すると、MPU19は、変位対応量の出力を停止する(ステップ601、602)。そして、MPU19は、第1のモードを第3のモードに切り替え(ステップ603)、ズーム対応量の出力を開始する(ステップ604)。ユーザにより操作部本体72が距離d2摺動され、基準位置まで操作部本体72が戻されると、MPU19に切り替え信号が入力される(ステップ601のYES)。切り替え信号が入力されると、MPU19は、ズーム対応量の出力を停止する(ステップ602)。その後、MPU19は、第3のモードを第1のモードに切り替え(ステップ603)、変位対応量の出力を開始する(ステップ604)。
ユーザがボタン71を押圧した場合、この押圧に応じて、ボタン71内部のスイッチが操作信号を生成し、MPU19へ出力する。MPU19は、スイッチからの操作信号を入力すると、決定コードを出力する。つまり、ボタン72は、決定ボタンに相当する機能を有する。
上述のような処理により、ユーザは、1つの指を使った簡単な操作で、例えば画面3上のアイコン4を選択したり、第1乃至第3のモードを他のモードに切り替えたりすることができる。
MPU19は、操作部本体72の距離d1の摺動に応じて第1のモードと第3のモードとを相互に切り替えてもよく、距離d2の摺動に応じて第2のモードと第3のモードとを相互に切り替えてもよい。あるいは、操作部本体72が基本位置にある場合に、第2のモードであってもよいし、第3のモードであってもよい。
MPU19は、ボタン71が押圧された場合にスイッチから入力される操作信号に応じて、第1乃至第3のモードでの各対応量の出力を制御してもよい。この場合、MPU19は、第1乃至第3モード時に、ボタン71が押圧され、スイッチからの操作信号が入力されている場合にのみ各対応量を出力する。あるいは、MPU19は、ボタン71が押圧されておらず、スイッチからの操作信号の入力が解除されている場合にのみ各対応量を出力してもよい。この様な処理により、ボタン71は、ポインタ2の移動の開始、停止を制御する移動制御ボタンと、スクロールの開始、停止を制御するスクロール制御ボタンと、ズームの開始、停止を制御するズーム制御ボタンとの機能を有することになる。
これにより、ユーザは、簡単な押圧操作で、ポインタの移動、スクロール、及びズームの開始、停止を制御することができる。
なお、この制御ボタンの機能を有するボタン71は、操作部本体72と分離され、別個に筐体10に設けられてもよい。
次に、入力装置1のさらに別の実施形態について説明する。
本実施形態に係る入力装置1は、押圧毎にモードを切り替え可能な、モード切り替え専用のボタンを備えている点で上記図1〜図24に示した入力装置1と異なっている。
図25は、本実施形態に係る入力装置1の斜視図である。図25に示すように、本実施形態では、ボタン11、及び12の他に、筐体10の側面の親指で操作可能な位置に(図6参照)、ボタン81が設けられる。しかし、ボタン81は、これに限らず、筐体10の他の位置に配置されてもよい。ボタン81は、内部に図示しないスイッチを有する。
筐体10には、ボタン81の他、図15に示すようなLED表示部82が設けられる。このLED表示部82は、ユーザが見やすい位置であれば、筐体10のどこに配置されてもよい。あるいは、筐体10にLED表示部82が設けられず、図15に示すような形態のGUIが画面3上に表示されるようにしてもよい。
図26は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートである。
例えば、操作信号が入力されていない状態で(ステップ701のNO)、第1のモードである場合、MPU19は、変位対応量を出力しており、第1の表示部82aが点灯するようにLED表示部82を制御している。ボタン81の押圧が開始され、操作信号が入力されると(ステップ701のYES)、MPU19は、操作信号入力時の対応量である、変位対応量の出力を停止し(ステップ702)、第1のモードを第2のモードに切り替える(ステップ703)。すると、MPU19は、第1の表示部82aを消灯し、第2の表示部82bが点灯するように、LED表示部82を制御し(ステップ704)、スクロール対応量の出力を開始する(ステップ705)。
操作信号が入力されていない状態で、第2のモードである場合、MPU19は、操作信号を入力すると(ステップ701のYES)、スクロール対応量の出力を停止し(ステップ702)、第2のモードを第3のモードに切り替える(ステップ703)。そして、第3の表示部82cが点灯するように、LED表示部82を制御し(ステップ704)、ズーム対応量の出力を開始する(ステップ705)。
同様に、操作信号が入力されていない状態で、第3のモードである場合、MPU19は、操作信号を入力すると、第3のモードを第1のモードに切り替え、変位対応量の出力を開始する(ステップ701〜ステップ705)。
このように、MPU19は、ボタン81の押圧が開始されるごとに、第1のモード→第2のモード→第3のモード→第1のモードの順に切り替える。つまり、ボタン81は、モードを切り替える専用のモード切り替えボタンである。これにより、ユーザは、ボタン81の簡単な押圧操作により、第1乃至第3のモードを順に切り替えることができる。
MPU19は、第1のモード→第3のモード→第2のモード→第1のモードの順にモードを切り替えてもよい。あるいは、MPU19は、ユーザによりボタン81の押圧が解除され、操作信号の入力が解除されるごとに第1乃至第3のモードを他のモードに切り替えてもよい。
次に、入力装置1の処理についてのさらに別の実施形態について説明する。
上記図25及び図26に示した実施形態においては、入力装置1は、ボタン81が押圧される毎にモードを切り替えていたが、本実施形態においては、入力装置1は、ボタン81が押圧され続けた場合に所定のサイクル時間毎に順次モードを切り替えることとしている。本実施形態では、上記図25及び図26に示す実施形態と異なる点を中心に説明する。
図27は、本実勢形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートである。図27に示す動作を実現するために、例えば図14に示すカウント値設定部93にサイクル時間に対応する第3のカウント値が記憶される。この第3の時間は、典型的には、0.8秒〜1.2秒の間の時間とされるが、これに限られず0.8秒以下であってもよく、1.2秒以上であってもよい。
ボタン81が押圧されておらず、ボタン81の有するスイッチからの操作信号が入力されていない状態では、入力装置1のモードは、第1のモードであり、MPU19は、変位対応量を出力している(ステップ801のNO)。また、MPU19は、第1の表示部82aが点灯するように、LED表示部82を制御している。
ユーザによりボタン81が押圧され、操作信号が入力されると(ステップ801のYES)、MPU19は、変位対応量の出力を停止し(ステップ802)、第1のモードを第2のモードへ切り替える(ステップ803)。この場合、MPU19は、モードを切り替えてもすぐには、スクロール対応量の出力を開始しない。
MPU19は、モードを切り替えると、第1の表示部82aが消灯し、第2の表示部82bが点灯するように、LED表示部82を制御する(ステップ804)。
MPU19は、操作信号の入力時からサイクル時間内に操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ805)。サイクル時間内に操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ805のNO)、つまり、ユーザがボタン81をサイクル時間以上押圧し続けた場合、MPU19は、第2のモードを第3のモードへ切り替える(ステップ803)。そして、MPU19は、第2の表示部82bが消灯し、第3の表示部82cが点灯するようにLED表示部82を制御する(ステップ804)。
MPU19は、このサイクル時間経過後から再びサイクル時間内に操作信号の入力が解除されるか否かを判定し(ステップ805)、さらに操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ805のNO)、第3のモードを第1のモードに切り替える(ステップ803)。そして、第3の表示部82cが消灯し、第1の表示部82aが点灯するようにLED表示部82を制御する(ステップ804)。
このように、ユーザがボタン81を押圧し続けた場合、MPU19は、サイクル時間ごとに、第1のモード→第2のモード→第3のモードの順に切り替える。
一方、ユーザが押圧したボタン81の押圧を解除し、スイッチからの操作信号の入力が解除された場合(ステップ805のYES)、MPU19は、その操作信号の入力が解除されたときのモードに応じて、変位対応量、スクロール対応量、またはズーム対応量の出力を開始する(ステップ806)。
これにより、ユーザは、ボタン81の簡単な押圧操作で、第1のモード乃至第3のモードを他のモードに切り替えることができる。
MPU19がステップ803において切り替えるモードは、第1のモード→第3のモード→第2のモードの順であってもよい。操作信号が入力されていない状態での入力装置1のモードは、第2のモードであってもよく、第3のモードであってもよい。
次に、入力装置1のさらに別の実施形態について説明する。
上述の各実施形態では、第1乃至第3のモードを他のモードに切り替える場合について説明した。以降で説明する各実施形態では、第1のモード乃至第3のモードのうち、2つのモードを他のモードに切り替える場合について説明する。本実施形態では、図10に示す実施形態と異なる点を中心に説明する。
図29は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートである。
図30は、図29に示す動作を説明するためのタイミングチャートである。図30(A)は、ユーザがボタン11を押圧し、その押圧を第1の時間内に解除した場合の図であり、図30(B)は、ユーザがボタン11を第1の時間以上継続して押圧した場合の図である。
ボタン11が押圧されていない状態では、入力装置1は、変位対応量(Vx、Vy)を出力している状態である(ステップ901のNO)。ユーザによりボタン11が押圧されると、操作信号がMPU19に入力され、MPU19は、変位対応量の出力を停止する(ステップ902)。MPU19は、操作信号の入力から第1の時間内に操作信号の入力が解除された場合(ステップ903のYES)、MPU19は、決定コードを出力し(ステップ904)、操作信号の入力から第1の時間経過が経過したか否かを判定する(ステップ905)。第1の時間が経過した場合(ステップ905のYES)、変位対応量の出力を開始する(ステップ906)(図30(A)参照)。つまり、ボタン11は、ユーザによりクリックされることで、決定ボタンに相当する機能を発揮する。
一方、ステップ903において、操作信号の入力が開始されてから第1の時間内に操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ903のNO)、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替え(ステップ907)(モード切り替え手段)、スクロール対応量の出力を開始する(ステップ908)。
MPU19は、ボタン11の押圧が解除され、スイッチからの操作信号の入力が解除された場合(ステップ909のYES)、スクロール対応量の出力を停止する(ステップ910)。すると、MPU19は、第2のモードを第1のモードに切り替え(ステップ911)、変位対応量の出力を開始する(ステップ906)(図30(B)参照)。つまり、ボタン11は、ユーザにより第1の時間以上継続して押圧されることで、第1のモードと、第2の
と相互に切り替える切り替えボタンに相当する機能を発揮する。
図29に示す処理により、ユーザは、ボタン11の押圧の開始から第1の時間内でその押圧を解除することで例えばアイコンの選択、実行などを入力する操作(決定操作)を行い、ボタン11を第1の時間以上押圧した後、入力装置1を空間操作することでスクロール操作を行うことができる。
入力装置1には、図28に示すようなホイールボタン13が筐体10の側面に設けられてもよい。この場合、このホイールボタン13には、ズーム機能が割り当てられる。ユーザが親指でホイールボタン13を回転させると、筐体10に対するホイールボタン13の回転量に応じて、画像6内の文字7が拡大、縮小する。
ステップ907において、第1のモードを第3のモードに切り替え、ステップ911において第3のモードを第1のモードに切り替えてもよい。この場合、スクロール機能が割り当てられたホイールボタン13が入力装置1に設けられてもよい。
図29に示す処理は、制御装置40が実行してもよい。この場合、制御装置40のMPU35は、入力装置1から出力された変位対応量の情報を受信し、ボタン11の操作の情報として例えば、押圧信号を受信する。制御装置40のMPU35は、押圧信号が入力されていない状態では、受信された変位対応量に応じて、画面3上でポインタ2を移動させる。MPU35は、押圧信号の入力が開始されると、ポインタ2の移動を停止させ、第1の時間内に押圧信号の入力が解除された場合、ポインタ2の位置に応じて所定の処理を実行する。一方で、第1の時間以上押圧信号が入力された場合、ポインタ2を移動するように画面3の表示を制御する第1のモードから、画像6をスクロールするように表示を制御する第2のモードに切り替える。そして、押圧信号の入力が解除されるまで、変位対応量に応じたスクロール速度値で画像6がスクロールするように表示を制御する。なお、変位対応量(速度値)は、制御装置40が算出しても構わない。
次に入力装置1のさらに別の実施形態について説明する。本実施形態においては、上述の図29に示す実施形態と異なる点を中心に説明する。
図31は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートであり、図32は、図31に示す動作を説明するためのタイミングチャートである。図32は、ユーザが、ボタン11を第1の時間内で押圧解除後、再び第2の時間内でボタン11の押圧を開始し、ボタン11を第1の時間以上押圧し続けた場合のタイミングチャートである。
図31に示すステップ1001〜1006、ステップ1011〜1015においては、上述の図29に示すステップ901〜906、ステップ907〜911と同様の処理が実行される。したがって、ユーザがボタン11を押圧し、その押圧を第1の時間内で解除することで、ボタン11は、決定ボタンに相当する機能を発揮し、ユーザがボタン11を第1の時間以上継続して押圧することで、ボタン11は、第1のモードと第2のモードとを相互に切り替えるモード切り替えボタンに相当する機能を発揮する。
MPU19は、操作信号の入力の開始から第1の時間内で操作信号の入力が解除され(ステップ1003のYES)、操作信号の入力の解除から第2の時間内で再び操作信号が入力された場合(ステップ1005のYES)、その操作信号の入力から第1の時間内で操作信号の入力が解除されるか否かを判定する(ステップ1007)。第1の時間内に操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ1007のNO)、MPU19は、変位対応量の出力を開始し、かつ、操作コマンドとしての決定コードの出力を開始する(ステップ1008)。
すなわち、ユーザがボタン11を第1の時間内で押圧解除後、再び第2の時間内でボタン11の押圧を開始し、ボタン11を第1の時間以上押圧し続けた場合(特殊押圧操作)、MPU19は、再びボタン11が押圧されてからの第1の時間経過後から変位対応量及び決定コードの出力を開始する(ステップ1008)(図32参照)。ユーザがボタン11を特殊押圧操作した場合、MPU19は、モードを切り替えない。
この場合、制御装置40は、入力装置1から出力された変位対応量と、決定コードとを並行して受信する。制御装置40のMPU35は、変位対応量と、決定コードとを並行して入力している場合に(図32参照)、受信される変位対応量(vx、vy)に応じて座標値(X(t)、Y(t))を生成する。そして、ポインタ2がアイコン4上に位置している場合、この座標値(X(t)、Y(t))に応じて、画面3上で、ポインタ2及びアイコン4が移動するように制御する。すなわち、制御装置40のMPU35は、変位対応量と、決定コードとを並行して入力している場合に、ドラッグ動作の表示の制御を行う。
MPU19は、変位対応量、及び決定コードの出力を開始すると、操作信号の入力が解除されたか否かを判定し(ステップ1009)、操作信号の入力が解除された場合(ステップ1009のYES)、決定コードの出力を停止する(ステップ1010)。
ステップ1010において決定コードの出力が停止されると、制御装置40のMPU35は、画面3上でのドラッグ動作の表示の制御を終了し、ポインタ2が画面3上で移動するように表示を制御する。
図31に示す処理により、ユーザがボタン11を特殊押圧操作した場合に、画面3上でドラッグ動作の表示がなされる。これにより、ユーザは、押圧したボタン11を第1の時間内で解除することで例えばアイコンの選択、実行などを入力する操作、ボタン11を第1の時間以上押圧し続けた後に入力装置1を空間操作することでスクロール操作、ボタン11の特殊押圧操作後に入力装置を空間操作することで、ドラッグ操作を行うことができる。
ステップ1011、ステップ1015の処理において、MPU19は、第1のモードと第3のモードとを相互に切り替える処理を実行してもよい。
次に入力装置1のさらに別の実施形態について説明する。本実施形態においては、上述の図29に示す実施形態と異なる点を中心に説明する。
図33は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートであり、図34は、図33に示す動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、図33は、ユーザが、ボタン11を特殊押圧操作した場合のタイミングチャートである。
図33に示すステップ1101〜1106、ステップ1112〜1116においては、上述の図29に示すステップ901〜906、ステップ907〜911と同様の処理が実行される。したがって、ユーザがボタン11を押圧し、その押圧を第1の時間内で解除することで、ボタン11は、決定ボタンに相当する機能を発揮し、ユーザがボタン11を第1の時間以上継続して押圧することで、ボタン11は、第1のモードと第2のモードとを相互に切り替えるモード切り替えボタンに相当する機能を発揮する。
図33に示す処理では、ステップ1102、1107において、MPU19は、ボタン11の押圧の開始による操作信号の入力の開始に応じて、押圧コードの出力を開始する。また、ステップ1104、1111、及び1115において、MPU19は、ボタン11の押圧の解除による操作信号の入力の解除に応じて、押圧コードの出力を停止する。つまり、MPU19は、ユーザがボタン11の押圧を開始してからその押圧を解除するまで押圧コードを出力する(図34参照)。
MPU19は、操作信号の入力の開始から第1の時間内で操作信号の入力が解除され(ステップ1103のYES)、操作信号の入力の解除から第2の時間内で再び操作信号が入力された場合(ステップ1105のYES)、押圧コードの出力を開始する(ステップ1107)。そして、MPU19は、操作信号の入力から第1の時間内で操作信号の入力が解除されるか否かを判定し(ステップ1108)、第1の時間内に操作信号の入力が解除されなかった場合(ステップ1108のNO)、MPU19は、変位対応量の出力を開始する(ステップ1109)。
すなわち、ユーザがボタン11を特殊押圧操作した場合、MPU19は、再びボタン11が押圧されてからの第1の時間経過後から変位対応量の出力を開始する(ステップ1109)(図34参照)。ユーザがボタン11を特殊押圧操作した場合、MPU19は、モードを切り替えない。
この場合、制御装置40は、入力装置1から出力された変位対応量と、押圧コードとを並行して受信する。制御装置40のMPU35は、変位対応量と、押圧コードとを並行して入力している場合に(図34参照)、変位対応量(vx、vy)に応じて座標値(X(t)、Y(t))を生成する。そして、ポインタ2がアイコン4上に位置している場合、この座標値座標値(X(t)、Y(t))に応じて、画面3上で、ポインタ2及びアイコン4が移動するように制御する。すなわち、制御装置40のMPU35は、変位対応量と、押圧コードとを並行して入力している場合に、ドラッグ動作の表示の制御を行う。
MPU19は、変位対応量の出力を開始すると、操作信号の入力が解除されたか否かを判定し(ステップ1110)、操作信号の入力が解除された場合(ステップ1110のYES)、押圧コードの出力を停止する(ステップ1111)。
ステップ1111において押圧コードの出力が停止されると、制御装置40のMPU35は、画面3上でのドラッグ動作の表示の制御を終了し、ポインタ2が画面3上で移動するように表示を制御する。
図33に示す処理により、ユーザがボタン11を特殊押圧操作した場合に、画面3上でドラッグ動作の表示がなされる。これにより、ユーザは、押圧したボタン11を第1の時間内で解除することで例えばアイコンの選択、実行などを入力する操作、ボタン11を第1の時間以上押圧し続けた後に入力装置1を空間操作することでスクロール操作、ボタン11の特殊押圧操作後に入力装置を空間操作することで、ドラッグ操作を行うことができる。
ステップ1112、ステップ1116の処理において、MPU19は、第1のモードと第3のモードとを相互に切り替える処理を実行してもよい。
次に入力装置1の処理についてのさらに別の実施形態について説明する。本実施形態では、図20に示す実施形態と異なる点を中心に説明する。
図35は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートである。本実施形態に係る入力装置1は、図20に示す実施形態と同様に、図19に示す、2段階のアクションを有する操作部50が筐体10に設けられる。本実施形態では、この操作部50は、典型的には、図6に示すボタン11の位置に配置される。しかし、これに限られず、操作部50は、ボタン12の位置に配置されてもよく、筐体10側面の、ユーザが親指で操作可能な位置に配置されてもよい。
図35に示すように、第1のボタン57が押圧されておらず、第1の操作信号がMPU19に入力されていない状態では、モードは、第1のモードであり、入力装置1は、変位対応量(Vx、Vy)を出力している(ステップ1201のNO)。この場合、ユーザが入力装置1を例えば、ヨー方向、ピッチ方向へ振ることで、画面3上でポインタ2が移動する。
ユーザが表面ボタン56を半押しすると(図19(B)参照)、第1のボタン57が押圧され、第1のスイッチからの第1の操作信号が入力される(ステップ1201のYES)。すると、MPU19は、変位対応量の出力を停止する(ステップ1202)。あるいは、変位対応量をゼロ((Vx、Vy)=(0、0))とした出力を開始する。これにより、例えば、2段操作部50の押圧が開始された後に筐体10が傾くことで、画面3上でユーザの意図しない処理が実行されることを防止することができる。
MPU19は、変位対応量の出力を停止すると、決定コードを出力する(ステップ1203)。決定コードが入力装置1から出力されたときのポインタ2の画面3上での位置が例えばアイコン4上である場合、そのアイコン4に応じた処理が画面上で実行される。つまり、第1のボタン57は、決定ボタンに相当する機能を有する。
MPU19は、決定コードを出力すると、MPU19は、第1の操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ1204)。第1のスイッチからの第1の操作信号の入力が解除された場合(ステップ1204のYES)、変位対応量(Vx、Vy)の出力を開始する(ステップ1205)。
一方で、第1の操作信号の入力が解除されずに(ステップ1204のNO)、第2のスイッチからの操作信号がMPU19に入力された場合(ステップ1206のYES)、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替える(ステップ1207)。つまり、ユーザが表面ボタン56を第2の距離まで押圧した場合(図19(C)参照)、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替える。このように第2のボタン58は、第1のモードと第2のモードとを相互に切り替える切り替えボタンに相当する機能を有する。
MPU19は、モードを第2のモードに切り替えると、スクロール対応量(Vx(s)、Vy(s))の出力を開始する。制御装置40のMPU35は、このスクロール対応量を受信すると、例えば、画面3上の画像6がアクティブの状態にある場合、このスクロール対応量に応じた速度で画像6内の文字7がスクロールするように表示を制御する。したがって、ユーザが表面ボタン56の第2の距離までの押圧を維持した状態で、入力装置1を振ると、画像6内の文字7がスクロールする。
入力装置1のMPU19は、スクロール対応量の出力を開始すると、第2のスイッチからの第2の操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ1209)。ユーザが表面ボタン56を半押しの状態に戻し(図19(B)参照)、第2のボタン58の押圧が解除されると、第2の操作信号の入力が解除される(ステップ1209のYES)。そうすると、MPU19は、スクロール対応量の出力を停止し(ステップ1210)、第2のモードを第1のモードに切り替える(ステップ1211)。その後、MPU19は、再び第1の操作信号の入力が解除されるか否かを判定する(ステップ1204)。
図35に示す処理により、ユーザは、決定ボタンに相当する第1のボタンと、第1のモードと第2のモードとを相互に切り替える切り替えボタンに相当する第2のボタンを連続的に切り替えることができる。これにより、直感的な操作が可能となる。
入力装置1には、図28に示すようなホイールボタン13が筐体の側面に設けられてもよい。この場合、ホイールボタン13には、ズーム機能が割り当てられる。ユーザが親指でホイールボタン13を回転させると、筐体10に対するホイールボタン13の回転量に応じて、画面3上の画像6内文字7が拡大、縮小する。
MPU19は、ステップ1207において、第1のモードを第3のモードに切り替え、ステップ1211において第3のモードを第1のモードに切り替えてもよい。この場合、ユーザが表面ボタン56の第2の距離までの押圧を維持した状態で(図19(C)参照)、入力装置1を振ることで画像6内の文字7が拡大縮小する。
次に入力装置1の処理についてのさらに別の実施形態について説明する。
本実施形態では、図35に示す実施形態と異なる点を中心に説明する。入力装置1には、図19で示したのと同様の2段階のアクションを有する操作部50が筐体に設けられる。
図36は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートである。
本実施形態に係る入力装置1の操作部50は、決定ボタンの機能を有しない。したがって、図19と同様、操作部50は、筐体10側面のユーザが親指で操作可能な位置に配置される(図6参照)。しかし、これに限られず、操作部50は、図6に示すボタン11、12の位置に配置されてもよい。
図36に示すように、第1操作信号がMPU19に入力されていない状態では(ステップ1301のNO)、モードは、第1のモードであるが、変位対応量は、出力されていない(ステップ1302)。したがって、ユーザが入力装置1を振ったとしても、画面3上でポインタ2は、移動しない。
ユーザが表面ボタン56を半押し、第1のスイッチからの第1の操作信号が入力されると(ステップ1301のYES)、MPU19は、変位対応量の出力を開始する(ステップ1303)。ユーザが表面ボタン56の半押し状態を維持したまま、入力装置1を振ることで、画面3上のポインタ2が移動する。
MPU19は、変位対応量の出力を開始すると、第1の操作信号の入力が解除されたか否かを判定する(ステップ1304)。例えば、ユーザが表面ボタン56から指34を離し、第1の操作信号の入力が解除された場合(ステップ1304のYES)、MPU19は、変位対応量の出力を停止する(ステップ1305)。
ステップ1301〜ステップ1305に示す処理により、ユーザは、表面ボタン56を半押しすることで、ポインタの移動を開始し、表面ボタン56から指34を離すことで、ポインタの移動を停止することができる。つまり、第1のボタン57は、本実施形態では、ポインタの移動、停止を制御する移動制御ボタンに相当する機能を有する。
一方、ステップ1304において、第1の操作信号の入力が解除されず(ステップ1304のNO)、第1の操作信号が入力されたまま、第2の操作信号が入力された場合(ステップ1306のYES)、MPU19は、変位対応量の出力を停止する(ステップ1307)。その後、MPU19は、第1のモードを第2のモードに切り替え(ステップ1308)、スクロール対応量の出力を開始する(ステップ1309)。つまり、第2のボタン58は、本実施形態では、第1のモードと第2のモードとを相互に切り替える切り替えボタンに相当する機能を有する。
ユーザが表面ボタン56を第2の距離まで押圧したまま入力装置1を振ると、画面3上に表示された画像6内の文字7がスクロールする。
MPU19は、第2の操作信号の入力が解除されるか否かを判定し(ステップ1310)、第2の操作信号の入力が解除された場合(ステップ1310のYES)、スクロール対応量の出力を停止し(ステップ1311)、第2のモードを第1のモードに切り替える(ステップ1312)。すると、MPU19は、変位対応量の出力を開始し(ステップ1313)、再び第1の操作信号の入力が解除されるか否かを判定する(ステップ1304)。
図36に示す動作により、移動制御ボタンの機能を有する第1のボタン57と、第1のモード及び第2のモードを相互に切り替える切り替えボタンに相当する機能を有する第2のボタンとを連続的に切り替えることができる。これにより、直感的な操作が可能となる。
MPU19は、第1のボタンがモードを切り替え可能な切り替えボタンとしての機能を有するように、第2のボタンが移動制御ボタンの機能を有するように処理してもよい。
次に、上述の各実施形態に係る入力装置1が出力するスクロール対応量の算出方法について説明する。
図37は、スクロール対応量の算出方法の一実施形態についての入力装置1の動作を示す図である。
図37に示すように、MPU19は、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16からの物理量の信号(ωψ、ωθ、ax、ay)を入力すると、この物理量に基づいて変位対応量(Vx、Vy)を算出する(ステップ1401〜ステップ1403)。MPU19は、モードが第2のモードであるか否かを判定し(ステップ1404)、第2のモードでない場合(ステップ1404のNO)、各モードに応じて出力を制御する(ステップ1407)。
一方で、モードが第2のモードである場合(ステップ1404のYES)、MPU19は、下記の式(3)、(4)に示すように、算出された変位対応量に所定のゲイン値(Kx、Ky)を乗じることで、スクロール対応量(Vx(s)、Vy(s))を算出する(ステップ1405)。
Vx(s)= Kx・Vx・・・(3)
Vy(s)= Ky・Vy・・・(4)
MPU19は、このスクロール対応量を送受信機21及びアンテナ22を介して制御装置40に送信する(ステップ1406)。制御装置40のMPU35は、アンテナ39及び送受信機38を介して、スクロール対応量を受信すると、このスクロール対応量に応じて、例えば画面3上に表示された画像6内の文字7がスクロールするように表示を制御する。
図38(A)は、上記式(3)または(4)のゲイン値Kx及び/またはKyのプロファイルの1例を示すグラフである。図38(A)において、横軸がステップ1403で算出された変位対応量Vx及び/またはVyであり、縦軸がゲイン値Kx及び/またはKyである。つまり、ゲイン値Kx及び/またはKyは、変位対応量Vx及び/またはVyのそれぞれの関数である。図38(A)では、ゲイン値が、変位対応量に比例して一次関数で増えていくプロファイルである。
以下の説明では、図38(A)のようなゲインプロファイルについて、横軸が変位対応量Vx及びVyのうち一方を示し、縦軸もそれらの変位対応量Vx及びVyのうちの一方についてのゲイン値Kとして説明する。
図38(B)は、図38(A)に示したゲインプロファイルによって得られる、スクロール対応量のプロファイル(以下、スクロールプロファイルという。)を示すグラフである。横軸は、図38(A)と同様に、ステップ1403で得られた、変位対応量Vx及び/またはVyである。図38(A)のゲインプロファイルを時間微分したグラフが、図38(B)のスクロールプロファイルのグラフになる。ゲインは、変位対応量VxまたはVyを入力とし、スクロール対応量(Vx(s)、Vy(s))を出力とした値である。
MPU19は、ゲインプロファイルを表す関数をメモリに記憶し、その関数を用いて動的にスクロール対応量を算出すればよい。あるいは、変位対応量VxまたはVyと、スクロール対応量との対応を示した、ゲインプロファイルに基き生成されたルックアップテーブルが、予めメモリに記憶されていてもよい。
このような処理により、ステップ1405においてスクロール対応量が算出されることで、ユーザが比較的低速な範囲で入力装置1を動かした場合、画像6内の文字7は、低速でスクロールする。これにより、ユーザは、精密なスクロール操作が可能となる。一方で、ユーザが高速で入力装置を動かした場合、大きな値のゲイン値が変位対応量に乗じられるため、画像6内の文字7が極めて高速でスクロールする。これにより、例えば画面3のY軸方向、あるいはX軸方向に長いファイルの操作が容易となる。
図38(A)の典型例では、ゲイン値が、変位対応量に比例して一次関数的に増えている。しかし、これに限られず、2次以上の多次関数で増える場合、ステップ状に増える場合、これらのうち少なくとも2つの組み合わせ、あるいは、その他様々な増え方が考えられる。なお、参考として、図39にスクロールプロファイルの他の例を示す。
MPU19は、ステップ1404のYESからステップ1405において、第1の変位対応量Vxと、第2の変位対応量Vy(のそれぞれの絶対値)を比較し、それらのうちいずれか大きい方の変位対応量に基づいて、スクロール対応量を算出してもよい。あるいは、ステップ1406において、第1のスクロール対応量Vx(s)と、第2のスクロール対応量Vy(s)とを比較し、いずれか大きい方のスクロール対応量が出力されてもよい。この場合、MPU19は、第1のスクロール対応量、または、第2のスクロール対応量のうち、いずれか小さいほうの出力を停止するように制御する(出力制御手段)。後述する図40に示す動作においても同様の処理を実行させてもよい。
これにより、例えば画面3上での水平軸方向、あるいは垂直方向にスクロール操作の方向を偏らせることが可能となる。これにより、垂直方向に長いファイルや、水平方向に長いファイルの操作がさらに容易となる。
次に、スクロール対応量の算出方法についての他の実施形態について説明する。図40は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示す図である。
図40に示すように、MPU19は、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16からの物理量の信号(ωψ、ωθ、ax、ay)を入力すると、この物理量に基づいて変位対応量(Vx、Vy)を算出する(ステップ1501〜ステップ1503)。MPU19は、モードが第2のモードであるか否かを判定し(ステップ1504)、第2のモードでない場合(ステップ1504のNO)、各モードに応じて出力を制御する(ステップ1507)。
一方で、モードが第2のモードである場合(ステップ1504のYES)、MPU19は、下記の式(5)、(6)に示すように、変位対応量の積分値(X’(t)、Y’(t))を算出する(ステップ1505)。この場合、例えばモードが第2のモードに切り替えられたときから、変位対応量の積分演算が開始され、第2のモードが他のモードに切り替えられた場合に、変位対応量の演算値は、ゼロにリセットされる。
X’(t) =X’(t-1)+Vx・・・(5)
Y’(t) =Y’(t-1)+Vy・・・(6)
MPU19は、この変位対応量の積分値をスクロール対応量として送受信機21及びアンテナ22を介して制御装置40に送信する(ステップ1506)。制御装置40のMPU35は、アンテナ39及び送受信機38を介して、変位対応量の積分値を受信すると、この変位対応量の積分値に応じた速度で、例えば画面3上に表示された画像6内の文字7がスクロールするように表示を制御する。
このような処理により、例えばユーザが基本姿勢の状態の入力装置1を、腕の付け根の回転を使ってピッチ方向に振り上げ、その状態を維持することで、画像6内の文字7がY軸方向にスクロールされ続ける。あるいは、ユーザが基本姿勢の状態の入力装置1をヨー方向に移動させ、その状態を維持し続けることで、X軸方向にスクロールされ続ける。このように、本実施形態に係る入力装置では、ユーザは、入力装置1をあまり動かさずとも、定常的なスクロール操作が可能となる。
次に、上述の各実施形態に係る入力装置1が出力するズーム対応量の算出方法について説明する。
図41は、ズーム対応量の算出方法の一実施形態についての入力装置1の動作を示す図である。
MPU19は、センサユニット17からの物理量の信号を入力し、この物理量に応じた変位対応量を算出する(ステップ1601〜ステップ1603)。MPU19は、モードが第3のモードであるか否かを判定し(ステップ1604)、第3のモードである場合(ステップ1604のYES)、算出された変位対応量に所定のゲインを乗じてズーム対応量(Vx(z)、Vy(z))を算出する。この乗じられるゲインは、例えば図38(A)に示すような変位対応量に比例して一次関数で増えていく値である。しかしこれに限られず、ゲインは、2次以上の多次関数で増加してもよく、ステップ状に増加よい。あるいは、ゲインは、これらのうち少なくとも2つの組み合わせにより増加する値であってもよい。
ズーム対応量(Vx(z)、Vy(z))が算出されると、MPU19は、このズーム対応量を出力する。制御装置40のMPU35は、このズーム対応量を受信すると、このズーム対応量に応じた速度で画像6内の文字7が拡大、縮小するように表示を制御する。
これにより、入力装置1の低速域の空間操作で、精密なズーム操作が可能となり、入力装置1の高速域の空間操作で、極めて高速なズーム操作が可能となる。
MPU19は、ステップ1605において、第1のズーム対応量Vx(z)、及び第2のズーム対応量Vy(z)のうちいずれか一方のみを算出してもよい。これにより、消費電力を削減できる。例えば第2のズーム対応量のみが算出され、第2のズーム対応量のみが入力装置1から出力される場合、ユーザが入力装置1をピッチ方向へ振ると画像6内の文字7は拡大、縮小するが、ユーザが入力装置1をヨー方向へ振ったとして画像6内の文字7は、拡大、縮小しない。しかし、ヨー方向へ振った場合に画像6内の文字7が拡大、縮小しなくとも、ユーザの操作感は損なわれない。
次に、ズーム対応量の算出方法についての他の実施形態について説明する。図42は、本実施形態に係る入力装置1の動作を示すフローチャートである。
MPU19は、センサユニット17からの物理量の信号を入力し、この物理量に応じた変位対応量を算出する(ステップ1701〜ステップ1703)。MPU19は、モードが第3のモードであるか否かを判定し(ステップ1704)、第3のモードである場合(ステップ1704のYES)、変位対応量を積分演算し、積分値(X’(t)、Y’(t))を算出する(ステップ1705)。MPU19は、この変位対応量の積分値をズーム対応量として出力する(ステップ1706)。
制御装置40のMPU35は、アンテナ39及び送受信機38を介して、この積分値を受信すると、変位対応量の積分値に応じた速度で、例えば画面3上に表示された画像6内の文字7が拡大、縮小するように表示を制御する。
このような処理により、ユーザは、入力装置1をあまり動かさずとも、定常的なズーム操作が可能となる。
MPU19は、ステップ1705において、第1の積分値X’(t)、及び第2積分値Y’(t)のうちいずれか一方のみを算出してもよい。これにより、消費電力を削減できる。なお、このような処理によっても、ユーザのズーム操作の操作感は損なわれない。
図37〜図42の説明では、スクロール対応量、または、ズーム対応量を算出する処理を入力装置1側で実行する場合について説明した。しかし、これに限られず、スクロール対応量、または、ズーム対応量を算出する処理を制御装置40が実行してもよい。この場合、例えば、制御装置40は、入力装置1から出力された変位対応量に基づき、スクロール対応量、または、ズーム対応量を算出する。
本発明に係る実施の形態は、以上説明した実施の形態に限定されず、他の種々の実施形態が考えられる。
以上の説明では、操作部23として、押圧タイプのボタン11、57、58、61、71、及び81を例に挙げたが、これに限られず、スライドタイプ、回転タイプ、一端を支点として操作されるスティックタイプ等も考えられる。
図19の説明では、2段操作型の操作部として、第1のボタン57と、第2ボタン58と、表面ボタン56とを有する形態の操作部を例に挙げて説明した。しかし、2段型の操作部は、これに限られない。2段型の操作部は、2段階的なスイッチングが可能な形態であれば、どのような形態であってもよい。
上記各実施の形態の説明では、入力装置1が無線で入力情報を制御装置40に送信する形態を示したが、有線により入力情報が送信されてもよい。
本発明は、例えば、表示部を備えるハンドヘルド型の情報処理装置(ハンドヘルド装置)に適用されてもよい。この場合、ユーザは、ハンドヘルド装置の本体を動かすことで、その表示部に表示されたポインタを移動させる。あるいは、ユーザは、ハンドヘルド装置の本体を動かすことで、表示部に表示された画像をスクロール、またはズームさせる。ハンドヘルド装置として、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機、携帯音楽プレイヤー、デジタルカメラ等が挙げられる。
上記各実施の形態では、入力装置1の動きに応じて画面上で動くポインタ2を、矢印の画像として表した。しかし、ポインタ2の画像は矢印に限られず、単純な円形、角形等でもよいし、キャラクタ画像、またはその他の画像であってもよい。
上記実施の形態では、2軸の加速度センサユニット、2軸の角速度センサユニットについて説明した。しかし、これに限られず、入力装置1は、例えば直交3軸の加速度センサ及び直交3軸の角速度センサの両方を備えていてもよいし、そのうちいずれか一方のみを備えていても、上述の各実施形態において示した処理を実現可能である。あるいは、入力装置1(または他の入力装置91等)は、1軸の加速度センサ、または、1軸の角速度センサを備えている形態も考えられる。1軸の加速度センサまたは1軸の角速度センサが備えられる場合、典型的には、画面3で表示されるポインタ2のポインティングの対象となるUIが1軸上に複数配列されるような画面が考えられる。
あるいは、入力装置1(または他の入力装置91等)は、加速度センサ、角速度センサの代わりとして、地磁気センサ、またはイメージセンサ等を備えていてもよい。
センサユニット17の、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16の検出軸は、上述のX’軸及びY’軸のように必ずしも互いに直交していなくてもよい。その場合、三角関数を用いた計算によって、互いに直交する軸方向に投影されたそれぞれの加速度が得られる。また同様に、三角関数を用いた計算によって、互いに直交する軸の周りのそれぞれの角速度を得ることができる。
以上の各実施の形態で説明したセンサユニット17について、角速度センサユニット15のX’及びY’の検出軸と、加速度センサユニット16のX’及びY’軸の検出軸がそれぞれ一致している形態を説明した。しかし、それら各軸は、必ずしも一致していなくてもよい。例えば、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16が基板上に搭載される場合、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16の検出軸のそれぞれが一致しないように、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16がその基板の主面内で所定の回転角度だけずれて搭載されていてもよい。その場合、三角関数を用いた計算によって、各軸の加速度及び角速度を得ることができる。
上述の各実施形態では、入力装置1が空中で操作される場合について説明した。しかし、これに限られず、入力装置は、筐体10の一部が、例えばテーブル上に当接されて操作されてもよい。