JP5410637B6 - オンデマンド型電力制御システム、オンデマンド型電力制御システムプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

オンデマンド型電力制御システム、オンデマンド型電力制御システムプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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本発明は、ホーム又はオフィスネットワークにおけるオンデマンド型電力制御システム、オンデマンド型電力制御システムプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、詳細には、ユーザが日々の生活を通じて必要とする生活の質(Quality of Life)(以下、「QoL」という。)を損なわずに、電気機器間の優先度を動的に変えて消費電力量(Wh)の上限値を超えないように電力の供給を制御する、オンデマンド型電力制御システム、オンデマンド型電力制御システムプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
オンデマンド型電力制御システムは、家庭やオフィスのエネルギー・マネージメントを実現するためのもので、このシステムは、供給者主体の“プッシュ型”の電力ネットワークをユーザ、消費者主導型の“プル型”に180度切り替えようというものである。このシステムは、家庭の中から様々な家庭用電気製品である機器の電力要求、例えばエアコンや照明等の要求に対して、ホーム・サーバが「機器のどの要求がもっとも重要なのか」ということを、ユーザの利用形態から類推し、優先度の高い重要な電気機器から電力を供給するように制御、即ちEnergy on Demand制御(以下、「EoD制御」という。)を行うシステムである。以下、このシステムを「EoD制御システム」と呼ぶ。このEoD制御システムは京都大学の松山隆司教授が提唱している。
上記システムを用いることによる最大のメリットは、需要サイドから省エネ、CO2排出削減が実現可能になることである。例えば、利用者があらかじめ電気料金を20%カットするという指示をホーム・サーバにセットすると、EoD制御により20%カットした電力しか流さないという利用者主体の取組みが可能になり、省エネ、CO2排出の削減が実現できるシステムである。
上記EoD制御に関する特許文献として、以下に示す「ホームネットワーク」(特許文献1参照)及び「需給調停システム」(特許文献2参照)の発明が知られている。上記ホームネットワークは、サーバ(マスタ)、該サーバの検出手段及び制御手段、及び部材(スレーブ)から構成され、上記サーバと部材はLANを介して接続されている。そして、家庭内のn個の電気機器はn個の部材を介してコンセントに接続されている。上記検出手段は、実際に稼働しているm個の電気機器の稼働状況を検出する。また、上記制御手段は、n個の部材から送信されたn個の電力データを用いて家庭内で使用される消費電力量を演算し、その演算した総電力量がしきい値以上になると、m個の電気機器のうち、動作状態がステップ的又は連続的に変化するj個の電気機器を、その消費電力が総電力量のしきい値よりも低くなるように制御するための制御信号をj個の部材へ出力して、その電力が制限されるようにj個の部材を制御する。即ち、上記サーバは、上記消費電力を総電力量のしきい値よりも低くするために、動作状態がOn/Off的に変化する電気機器、例えば天井ライト、卓上ライト、コーヒーメーカー等の電気機器には、優先的に電力を供給するサーバである。
なお、上記部材は、今日では「スマートタップ」と呼ばれており、このスマートタップは、電力の測定を行う電圧・電流センサー、電力制御のための半導体リレー、通信のためのZigBeeモジュール及びこれら全体の制御や内部処理を行うDSP内蔵のマイコンから構成されている。上記マイコンは、スマートタップに取り付けた電圧・電流センサーによって計測した電流・電圧波形から、消費電力の計算を行うと共に、電圧・電流波形の特徴を表す少数の特徴量を抽出して、スマートタップの内部メモリに事前に保存してある比較用データを使用して、その特徴量から家電機器を特定している。このことは、本願出願前に良く知られている方法である。そして、上記マイコンで0.5秒間隔で計算された消費電力は、スマートタップの内部メモリに毎周期(1回/60秒)のデータを保持して、複数のパケットに分割してサーバに送信している(非特許文献1、2参照)。
上記需給調停システムは、一般家庭において、太陽電池のみならず、燃料電池や蓄電池が広く普及した場合に、電力源側の供給可能な電力と家電側の消費電力とを考慮した電力供給がより重要になるとの考えから開発された発明である。従って、この需給調停システムは、調停サーバ、それに接続される電力源(商用電源、太陽光発電装置及び燃料電池、そして、蓄電池)の装置、上記調停サーバに接続されるメモリ及び電力制御装置、上記調停サーバにネットワークを介して接続される複数の電気機器から構成されている。各電気機器は、自身の制御を司るマイコンを備えており、更に、自身の消費電力を計測する計測器及び調停サーバとの通信機能も備えている。また、上記メモリのデータ記憶領域には、家電状態テーブルデータ、電力源状態テーブルデータ、優先度データ、上限値データ、目標値データ等が記憶されている。
上記需給調停システムの調停サーバは、リフレッシュタイマによりカウントする2〜3秒の間隔毎に、各家電及び各電力源に状態を問い合わせて、その問合せの応答に、家電状態テーブルと電力源状態テーブルを更新して、上記各家電及び各電力源の状態を管理している。つまり上記調停サーバは、2〜3秒の間隔毎に家電状態テーブル及び電力源状態テーブルを更新しているので、ユーザが必要とする電力要求に対してリアルタイムで電力の供給が制御できず、また、供給電力及び容量を計算して処理するデータ量が膨大なために、負荷が大となっている。
そして、上記調停サーバは、電気機器からの供給要求メッセージを受信すると、消費電力の上限値及び消費電力の目標値を設定する。上限値は、各電力源の現在の供給可能電力の総和であり(以下、これらの総和の供給可能電力を「電力源の総和電力」)、この設定を上記メモリに記憶された上記電力源状態テーブルを参照することにより算出される。そして、上記調停サーバは、使用中の各電気機器の電力総和を計算し、要求電力と電力総和との合計が電力源の総和電力の目標値未満であるかどうかを判断する。
上記優先度テーブルは、電気機器あるいはその供給要求メッセージの優先度を決定するためのテーブルであり、供給要求メッセージ上のメッセージの種類(要求タイプTa)に対応して、優先度を示す値(0〜3)が記載されている。要求タイプTaは4つ(A,B,C,D)に分類される。上記調停サーバは、この電気機器の優先度により上記電力源の総和電力の目標値を超えないように電力の供給制御を行う電力供給制御装置である。
一方、電気機器のマネージメント手法であるホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)が知られている。このHEMSは、例えばクーラーであれば外気温が低い場合は自動的に運転を停止する等の電気機器の制御ルールを設定して自動制御を行うものである。これは電気機器の利用方法を最適化することで省エネを達成するもので電気機器の使用方法に基づいている。このような従来型のHEMSでは電気機器の使用方法に注目していることから、各電気機器の使用法の変更によりどれだけの電力を削減できるかということは考慮しておらず、また節電要請を満たすことができる電力削減率を保証することもできない。
国際公開第2008/152798号 特開2010−193562号公報
「エネルギーの情報化とSmart Grid」、IEICE technical report p.133−138、加藤丈和 他4名、2009.01.19 「エネルギーの情報化とSmart Grid」、京都大学大学院教授 松山隆司著、21頁、2009年7月29日発行
家庭用又はオフィス用電気製品である電気機器を使用しているユーザには、消費電力と消費電力量を少しでも節電したいという要求がある。その要求を達成するために、消費電力と消費電力量の上限値を超えないように、上記ホームネットワークは、電気機器間の優先度を動作状態がOn/Off的に変化する電気機器(天井ライト等)に対して、電力を優先的に供給している。そして、上記需給調停システムは、優先度を電気機器の要求タイプTaの値が0又は1の電気機器(冷蔵庫やエアコン等)には優先的に電力の供給を行っているので、両者の優先度は電気機器に固定されている。ところが、ユーザの電気機器の使用状況は、時々刻々と変化するものであるため、上記のように優先度が固定されていると必要なタイミングで電気機器を使用できないことが起こる。
また、上記調停サーバは、リフレッシュタイマによりカウントする2〜3秒の間隔毎に、上記家電状態テーブルと電力源状態テーブルを更新して、各家電及び各電力源の状態を管理しているため、ユーザが必要とする電力要求、例えばエアコンを稼働させたいとの要求に対して瞬時に応答ができない、即ちリアルタイムで電力の供給を制御できないし、処理するデータ量が膨大なために負荷が大となっている。
更に、ユーザが日々の生活を通じて必要とする電力の使用パターン、例えば、小さな子供がいる場合、夫婦共稼ぎの場合、独身の場合等で電力の使用パターンが異なるのに、上記調停サーバは、その電力の使用パターンを全く考慮しないで電力制御を行っているために、ユーザのQoLが損なわれている。
そして、上記調停サーバは、現在試験的に行われている電力源(商用電源、太陽光発電装置及び燃料電池、そして、蓄電池)の装置の総和電力と、必要とする電気機器の消費電力との比較で供給電力を決めているが、本発明のEoD制御システムは、今日、喫緊の問題とされている商業用電源を節電するための発明であり、対象とする電源が相違している。
ところで、平成23年3月の東日本大震災による福島第1原子力発電所の損壊により、日本の電力需給バランスが逼迫し、ピーク時の大停電を避けるために計画停電が実施され、また夏の需要増加に対処するため更なる電力使用量の削減が必要となっている。政府は、電力不足対策の柱である東京電力と東北電力管内の夏場ピーク時の節電目標について、前年比で15%程度を削減するとの方針を示した。このことも相俟って、ユーザには、QoLが損なわれずに電気機器の電力を少しでも節電したい、また、ピーク時の大停電を避けたいという思いが高まっている。
それ故に、本発明は、上記従来の課題に鑑み、予め決められた電気機器間の固定された優先度ではなく、ユーザの使用状況に応じて優先度が変化して電気機器に電力の供給を行い、また、ユーザが必要とする電力要求に対してリアルタイムで商用電源の電力の供給を制御でき、かつユーザが日々の生活を通じて必要とするQoLに合致した電力の供給を制御するEoD制御システム、EoD制御システムプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明の請求項1に係るオンデマンド型電力制御システムは、商用電源と、複数の電気機器と、その電気機器に接続されているスマートタップと、メモリを備える電気機器の電力の供給制御を行う動的優先度制御装置と、該動的優先度制御装置が上記スマートタップを介して接続するネットワークとを備えるオンデマンド型電力制御システムであって、前記動的優先度制御装置が、初期目標値の瞬時電力と実際の瞬時電力の差分を、その後の初期目標値の瞬時電力に配分して更新初期目標値を計算し、その更新初期目標値を最大瞬時電力と比較して、該更新初期目標値が小であればその後の初期目標値の瞬時電力を更新初期目標値として更新し、大であれば上記初期目標値の瞬時電力を最大瞬時電力に更新して更新初期目標値とする初期目標値更新手段と、前記スマートタップから電力要求メッセージを受信した時刻で、該電力要求メッセージを送信した電気機器、及び動作中の電気機器の消費電力の合計値を計算し、電気機器に対する電力の供給方法の特性でクラス分けした電気機器特性クラスデータに基づいて両者の電気機器の優先度を計算し、上記消費電力合計値を上記更新初期目標値と比較して、該消費電力合計値が小であれば上記送信した電気機器に電力を供給し、大であれば前記メモリから上記優先度を呼び出してその値が最小の電気機器を選び、上記電気機器特性クラスデータを参照して、該電気機器が上記特性の何れに該当するかを判断して、当該電気機器の該当する特性に応じて、電気機器間の優先度に基づいて調停する電力調停手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記瞬時電力が最小制御間隔τの間隔で消費電力を合算した合計値を平均した消費電力であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記最小制御間隔τが5〜10分であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記初期目標値更新手段と前記電力調停手段の処理する情報が、初期目標値更新手段が前記瞬時電力であり、電力調停手段が前記消費電力であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記初期目標値がユーザの電力消費パターンに基づいて作成された電力使用計画を、一定割合削減計画、ピーク削減計画又はコスト削減計画により作成することを特徴とする。
本発明の請求項6に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記一定割合削減計画で作成された初期目標値T0(t)(W)が以下の式(1)及び(2)から作成されることを特徴とする。

ただし、C(Wh)はユーザが設定したシーリング(積算電力量の上限値)、M(t)(W)は時刻tにおける最大瞬時電力、D(t)(W)は時刻tにおける電力需要予測値である。
本発明の請求項7に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記ピーク削減計画で作成された初期目標値が電力使用計画の電力使用ピーク時のみを削減して作成されることを特徴とする。
本発明の請求項8に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記コスト削減計画で作成された初期目標値が電力使用計画の電力コストに応じて削減して作成されることを特徴とする。
本発明の請求項9に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記動的優先度制御装置が前記シーリングを下回るように、また前記最大瞬時電力を下回るように電気機器への電力供給の制御を行っていることを特徴とする。
本発明の請求項10に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記動的優先度制御装置が稼働する前に、前記メモリに前記初期目標値の瞬時電力、前記実際の瞬時電力、前記電気機器特性クラスデータが格納されていることを特徴とする。
本発明の請求項11に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記その後の初期目標値の瞬時電力に配分する差分の分配方法が、均等に分配する差分の均等分配方法又は直後の1つの瞬時電力のみに分配する瞬時電力分配方法であることを特徴とする。
本発明の請求項12に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記電気機器特性クラスデータが、電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能な電気機器に対する電力の供給方法の特性で区分されていることを特徴とする。
本発明の請求項13に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能な電気機器に対する電力の供給方法の特性で区分される以外の区分に、安全・快適な生活を確保するために、ユーザが任意に機器を選択できる区分を有することを特徴とする。
本発明の請求項14に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記調節可能な特性が、運転中に供給されている電力を変化させることができる特性であり、前記待機可能な特性が起動時に電力の供給を待つことができる特性であり、一時停止可能な特性が運転中に一時的に電力の供給を停止できる特性であることを特徴とする。
本発明の請求項15に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記調節可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、ヒータエアコン、冷蔵庫、TV、ドライヤー等であることを特徴とする。
本発明の請求項16に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記待機可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、食洗機、炊飯器、トースター等であることを特徴とする。
本発明の請求項17に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記一時停止可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、ヒータエアコン、冷蔵庫、食洗機、炊飯器、コピー機、湯沸かしポット等であることを特徴とする。
本発明の請求項18に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記調節可能、一時停止可能及び待機可能な特性を備えない電気機器がガス検出器、人工呼吸器、ルーター等のネットワーク機器等であることを特徴とする。
本発明の請求項19に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記電気機器特性クラスデータが8種類のクラスから構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項20に係るオンデマンド型電力制御システムは、請求項1に記載の動的優先度制御装置が、更に常時消費電力を監視する常時監視手段を備えることを特徴とする。
本発明の請求項21に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記常時監視手段は、全体の消費電力が前記最大瞬時電力をある一定期間d以上の間超過するときには、前記最小制御間隔τの経過を待たずに上記全体の消費電力の代わりに上記最大瞬時電力を下回るように電力の供給を制御することを特徴とする。
本発明の請求項22に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記一定期間dが0.5〜2秒であることを特徴とする。
本発明の請求項23に係るオンデマンド型電力制御システムは、前記常時監視手段が、動作中の電気機器の消費電力を合算して合計値を計算し、電気機器を3種類の特性でクラス分けした電気機器特性クラスデータに基づいて上記電気機器の優先度を計算し、上記消費電力合計値を前記最大瞬時電力と比較して、該消費電力合計値が小であれば処理を終了し、大であれば優先度が最小の電気機器を選び、上記電気機器特性クラスデータを参照して、該電気機器が上記3種類の特性の何れに該当するかを判断して、当該電気機器の該当する特性に応じて優先度が最小の機器を選択することを特徴とする。
本発明の請求項24に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、商用電源と、複数の電気機器と、その電気機器に接続されているスマートタップと、メモリを備える電気機器の電力の供給制御を行う動的優先度制御装置と、該動的優先度制御装置が上記スマートタップを介して接続するネットワークとを備えるオンデマンド型電力制御システムにおける上記動的優先度制御装置として、コンピュータを動作させるプログラムであって、前記動的優先度制御装置が、初期目標値の瞬時電力と実際の瞬時電力の差分を、その後の初期目標値の瞬時電力に配分して更新初期目標値を計算し、その更新初期目標値を最大瞬時電力と比較して、該更新初期目標値が小であればその後の初期目標値の瞬時電力を更新初期目標値として更新し、大であれば上記初期目標値の瞬時電力を最大瞬時電力に更新して更新初期目標値とする初期目標値を更新する処理と、前記スマートタップから電力要求メッセージを受信した時刻で、該電力要求メッセージを送信した電気機器、及び動作中の電気機器の消費電力の合計値を計算し、電気機器を3種類の特性でクラス分けした電気機器特性クラスデータに基づいて両者の電気機器の優先度を計算し、上記消費電力合計値を上記更新初期目標値と比較して、該消費電力合計値が小であれば上記送信した電気機器に電力を供給し、大であれば前記メモリから上記優先度を呼び出してその値が最小の電気機器を選び、上記電気機器特性クラスデータを参照して、該電気機器が上記3種類の特性の何れに該当するかを判断して、当該電気機器の該当する特性に応じて、電気機器間の優先度に基づいて調停する処理を行うことをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の請求項25に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記瞬時電力が最小制御間隔τの間隔で消費電力を合算した合計値を平均した消費電力であることを特徴とする。
本発明の請求項26に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記最小制御間隔τが5〜10分であることを特徴とする。
本発明の請求項27に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記初期目標値更新手段と前記電力調停手段の処理する情報が、初期目標値更新手段が前記瞬時電力であり、電力調停手段が前記消費電力であることを特徴とする。
本発明の請求項28に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記シーリングを下回るように、また前記最大瞬時電力を下回るように電気機器への電力供給の制御を行っていることを特徴とする。
本発明の請求項29に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記電気機器特性クラスデータが、電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能の特性で区分されていることを特徴とする。
本発明の請求項30に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、安全・快適な生活を確保するために、上記電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能な電気機器に対する電力の供給方法の特性で区分される以外の区分に、ユーザが任意に機器を選択できることを特徴とする。
本発明の請求項31に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記調節可能の特性が運転中に供給されている電力を変化させることができる特性であり、前記待機可能な特性が起動時に電力の供給を待つことができる特性であり、一時停止可能な特性が運転中に一時的に電力の供給を停止できる特性であることを特徴とする。
本発明の請求項32に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記調節可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、ヒータエアコン、冷蔵庫、TV、ドライヤー等であることを特徴とする。
本発明の請求項33に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記待機可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、食洗機、炊飯器、トースター等であることを特徴とする。
本発明の請求項34に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記一時停止可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、ヒータエアコン、冷蔵庫、食洗機、炊飯器、コピー機、湯沸かしポット等であることを特徴とする。
本発明の請求項35に係るオンデマンド型電力制御システムのプログラムは、前記調節可能、一時停止可能及び待機可能な特性を備えない電気機器がガス検出器、人工呼吸器、ルーター等のネットワーク機器等であることを特徴とする。
本発明の請求項36に係るオンデマンド型電力制御システムの記録媒体は、請求項24に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体であることを特徴とする。
本発明の請求項37に係るオンデマンド型電力制御システムの記録媒体は、請求項25に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体であることを特徴とする。
本発明の請求項38に係るオンデマンド型電力制御システムの記録媒体は、請求項28に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体であることを特徴とする。
本発明の請求項39に係るオンデマンド型電力制御システムの記録媒体は、請求項30に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体であることを特徴とする。
本発明のEoD制御システムは、ユーザが日々の生活を通じて必要とする電気機器や、その電気機器の使用状態に応じて電気機器間の優先度を変更できるので、必要なタイミングで必要とする電気機器が使用できる。
また、本発明のEoD制御システムは、ユーザが使用する電力使用パターン、そして、ユーザが設定した最大瞬時電力及びシーリングに基づいて電力の供給を制御しているので、電気機器を使用するユーザの生活の質を損なわずに、ユーザが設定した最大瞬時電力及びシーリングを保証できるシステムであり、また、ユーザが電力要求をすると電気機器の消費電力により優先度を変更しているので、リアルタイムで電力の供給を制御できるシステムである。
また、本発明のEoD制御システムは、供給側の電力削減要請を確実に満たすように自動で制御を行うことができるため、新たな手間を増やすことなく、かつ必要な電気機器を利用しながら、供給側の要請に対して需要側の電力削減率を保証できるシステムである。
更に、本発明のEoD制御システムは、電力のマネージメント手法であるという点に特徴があり、そのために電気機器の分類方法も電力調整方法に基づいた分類を行い、また使用電力の上限を保証するような電力調停手段を導入することで,節電率やピーク削減率を保証することができる。そのため従来型のHEMSに代わりオンデマンド型電力制御システムを利用すれば、現在の電力需給の逼迫という問題にも対処できる。
EoD制御システムの通信ネットワークの構成を示す概略図である。 本発明のEoD制御システムの電力ネットワークの構成を示す概略図である。 各電気機器を設置するためのスマートタップ配置位置を示す配置図である。 コンセント、スマートタップ及び電気機器の接続関係を示す関係図である。 モデルハウスの間取りを示す間取り図である。 電気機器によって使用された消費電力を示すグラフの図である。 電気機器によって使用された消費電力を積算した消費電力量を示すグラフの図である。 動的優先度制御装置が備える機能を示す機能ブロック図である。 電力使用計画から初期計画値を設定する方法を説明する説明図である。 電力使用計画から初期計画値を設定する方法を説明する説明図である。 電力使用計画から初期計画値を設定する方法を説明する説明図である。 実際の消費電力と初期目標値を維持したまま制御を行った場合の説明図である。 実際の瞬時電力と初期目標値との差分を以降の計画値にフィードバックする制御を行った場合の説明図である。 電力に対するドライヤーの満足度を示す図である。 電力に対する電気ヒーターの満足度を示す図である。 電力に対する炊飯器の満足度を示す図である。 電力要求メッセージに対して、動的優先度制御装置が優先度に基づいて電力を供給する処理手順を説明する流れ図である。 第2の実施形態の機能ブロック図である。 動的優先度制御装置を稼働する前に、電力使用計画を設定する前処理を示すフロー図である。 動的優先度制御装置の全体処理を示すフロー図である。 電力使用計画設定の処理を示すフロー図である。 初期目標値更新処理を示すフロー図である。 優先度調停処理を示すフロー図である。 優先度調停処理を示すフロー図である。 優先度調停処理を示すフロー図である。 優先度調停処理を示すフロー図である。 常時監視の処理を示すフロー図である。 常時監視の処理を示すフロー図である。 常時監視の処理を示すフロー図である。 電力調停手段が行う処理を説明する説明図である。 電力調停手段が行う処理を説明する説明図である。 電力調停手段が行う処理を説明する説明図である。 電力調停手段が行う処理を説明する説明図である。 電力使用計画を10%、30%削減した瞬時電力のグラフを示す図である。 電力使用計画を10%、30%削減した瞬時電力のグラフを示す図である。 電力使用計画を10%、30%削減した積算電力量のグラフを示す図である。 電力使用計画を10%、30%削減した積算電力量のグラフを示す図である。 6種類の電気機器に対して電力使用計画を10%、30%削減した瞬時電力のグラフを示す図である。 6種類の電気機器に対して電力使用計画を10%、30%削減した瞬時電力のグラフを示す図である。
図1を参照して、本発明のEoD制御システムの通信ネットワークの構成を説明する。
図1は、本発明のEoD制御システムの通信ネットワークの構成を示す概略図である。本発明のEoD制御システム50は、オフィス及び家庭において設置されており、動的優先度制御装置1(以下、単に「優先度装置」という。)、スマートタップ11、家庭用又はオフィス用電気製品である電気機器20(以下、単に「機器」という。)及び電力制御装置30から構成されている。上記優先度装置には、Local Area Network(以下、「LAN」という。)を介してスマートタップ11(以下、「ST」という。)に有線また無線LANで接続されている。LANは本発明の一例であってそれに限定されるものではなく、本発明はWiFi、PLC、ZigBee、特定小電力無線等のネットワークを介してSTに接続しても良い。そのSTには、各機器の電源コンセントを介して接続されている。従って、上記STはLANを介して上記優先度装置と通信可能である。
本発明のEoD制御システムは、ある機器のスイッチをいれて電力を要求したとき、無条件に電力を供給するのではなく、まず電力を要求するメッセージを上記優先度装置に送信し、優先度装置上でユーザの電力の使用パターンに基づいて、供給可能な電力や機器の優先度等の調停によって、電力供給の可否や供給可能電力を各機器に対して決定し、機器は許可された電力のみを使うことで、消費電力量と消費電力が目標値を上回ることなく、消費電力量の削減による節電とピーク時の大停電を回避できるシステムである。
上記優先度装置は、汎用のサーバでありCPU1aを含む。その優先度装置には、内部メモリ10(以下、単に「メモリ」という。)が備えられており、直接読み書きできるハードディスクやRAM等の半導体記憶装置である。
商用電源からの電力は、電力制御装置30を介して優先度装置及び各機器20に供給される。
なお、本発明のEoD制御システム50の設置場所として一般家庭を説明するが、これに限定するものではなくオフィス等のSTが設置できる場所であれば何れの場所であっても良い。そして、本発明のEoD制御システムのSTとして電源コンセントに接続する外付けタイプを説明するが、これに限定するものではなく電源コンセントに埋め込まれた内蔵タイプであっても良い。
図2は、図1に示したEoD制御システム50の電力系ネットワークの構成を示す概略図である。
図1を参照して説明したように、EoD制御システム50は、電力制御装置30を含み、この電力制御装置30には、商用電源32が接続されている。また、電力制御装置30は、例えば、複数のブレーカ(図示せず)によって構成され、1つのメインブレーカと複数のサブブレーカとを含む。商用電源32からの電力(交流電圧)は、メインブレーカの1次側に与えられ、メインブレーカの2次側から複数のサブブレーカに分配される。ただし、商用電源32は、商用電流を供給/停止するためのスイッチ(図示せず)を介してメインブレーカの1次側に接続される。このスイッチは、優先度装置の切り替え信号にOn/Offされる。
また、上述した優先度装置及び複数の機器20は、電力制御装置30の出力側即ちサブブレーカの2次側に接続される。図示は省略するが、優先度装置は、自身に設けられる差し込みプラグを、壁ソケット等に差し込むことにより電力制御装置30からの電力を需給可能に接続され、複数の機器は、上記STが差し込みプラグである入力コンセントと出力コンセントを備えており、該入力コンセントから商用電源32の電力が送られ、上記出力コンセントに接続される複数の機器のコンセントを介して複数の機器に電力を需給可能に接続されている。
上述したように、本発明のEoD制御システムは、図2に示す電力ネットワークのみならず、図1に示した通信ネットワークも構築されている。
図3は、家庭内のコンセントに接続されたSTから機器の配置位置を説明する説明図である。
図3を参照して、家200は、例えば、リビング200A、和室200B、洋室200C、200Dとから構成されている。リビング200A及び和室200Bは、1階に配置されており、洋室200C、200Dは、2階に配置されている。図3が示すように、壁に設置されたコンセントにはそれぞれSTが接続されている。例えば、リビング200Aの壁に設置されたコンセントには、5個のSTが、和室200Bの壁に設置されたコンセントには、2個のSTが、洋室200Cの壁に設置されたコンセントには、2個のSTが、洋室200Dの壁に設置されたコンセントには、2個のSTが接続されている。以上のように、 全ての機器はSTを介して電源とつながっている。
図4は、商用電源に接続されて壁に配置されたコンセント、スマートタップ11及び機器の接続関係を説明する説明図である。図4を参照して、機器である冷蔵庫201は、差し込みプラグを備えるコンセント202と、配線203とから構成されており、冷蔵庫201のコンセント202が上記STの出力コンセント114に着脱される。壁40にはコンセント41が配置されており、このコンセント41の差込口411は、家庭内の電力系統を介して商用の電力が供給される。差し込みプラグである入力コンセント113が上記差込口411に着脱される。
図5は、後述する動的優先度の情報処理の実施例、及び実証実験で使用されたモデルハウスの間取りを示す間取り図である。
上記モデルハウスは1LDKタイプであって、図に記載された番号は、表1に示す機器の名称とその機器のスイッチが設置されている場所を表しており、図に記載されたSTは、スマートタップ11が配置されている場所を表している。5個のSTが配置されている。
STの構造に関しては、既述したように、電圧・電流センサー、半導体リレー、ZigBeeモジュール及びこれら全体の制御や内部処理を行うマイコンから構成されており、このマイコンは、上記電圧・電流センサーによって計測した電流・電圧波形から、消費電力の計算を行うと共に、電圧・電流波形の特徴を表す少数の特徴量から家電機器を特定している。そして、本発明のEoD制御システムが受信するデータは、上記STがマイコンで0.5秒間隔で計算した消費電力をスマートタップの内部メモリに毎周期(1回/60秒)のデータとして保持して、複数のパケットに分割してサーバに送信する消費電力と、各機器20が電力を要求する際にSTから送信される電力要求メッセージの2つのデータである。
図示しないが、優先度装置は、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域のメモリを備えている。プログラム記憶領域には、通信処理プログラム、電力使用計画設定プログラム、初期目標値更新プログラム及び優先度調停プログラム等のプログラムが記憶されている。データ記憶領域には、機器特性クラスデータ、メッセージデータ等が記憶されている。
図6は、ある家における機器によって使用された消費電力のグラフを示す図である。
図6において、縦軸が電力(W)を横軸が時間を表しており、そのグラフは、1日における10分間隔での消費する消費電力を示している。なお、いままで、この電力を消費電力と呼んでいたが、一般の「消費電力」と異なる意味なので、以下に「瞬時電力」という定義された用語を用いる。この瞬時電力は、最小制御間隔τ(5〜10分)の間隔で、上記消費電力を合算した合計値を平均した消費電力を意味している。
上記グラフは、昼間の時間帯には電力が使用されず、午後8時から午前1時の時間帯に電力が使用されており、その間の瞬時電力の値が1900Wと高いことが分かる。
図7は、縦軸が消費電力量(KWh)を、横軸が時間を表しており、そのグラフは、1日における10分間隔での瞬時電力の積算量である消費電力量を示しており、その値は10.0KWhである。
日本の一世帯の1ヶ月当たりの消費電力量が300KWhであり、1日当たりでは約10.0KWhであり、図7の消費電力量は、一世帯の1ヶ月当たりのそれと同じであることを示している。なお、いままで、この電力の積算量を消費電力量と呼んでいたが、上記瞬時電力が一般の「消費電力」と異なる意味で用いられているので、この消費電力量は一般と異なる意味となり、以下に「積算電力量」という定義された用語で用いられるので留意されたい。
ところで、使用可能な電力の上限値は,一定期間における積算電力量の上限値(以下、「シーリング」という。) と、瞬時電力の上限値(以下、「最大瞬時電力」という。) がそれぞれ考えられる。最大瞬時電力は、ユーザが契約電力を低く抑えるためや、電力網の需給バランスを保つための電力会社からのピーク抑制要請に答えるために、時間帯ごとの電力の瞬時値の上限値として与える。シーリングは、ユーザが電気代やCO2排出量を抑えるために、一定期間(一日、一週間、一ヶ月等)に使用する積算電力量の上限値として与える。
また、使用者が各時間帯にどれだけ電力を使用するかという電力使用パターンは様々である。そこで、予測される電力使用パターンから、瞬時値と積算値の上限を満たすためには各時刻にどれだけの電力が使用できるかを電力使用計画として定めておく必要がある。その際、ユーザの電力使用パターンを予測し、そこから各上限値を考慮して電力使用計画を定めれば、QoLを維持しながら各上限値を満たすことができる。そこで、ユーザの電力使用パターンを予測し、そこから上記瞬時値と積算値の上限が定められた電力使用パターンを「電力使用計画」と定義して以下に用いる。
上記電力使用計画を具体的な例で説明する。図6及び図7のグラフは、図6のグラフが示すように午後8時から午前1時の時間に瞬時電力の値が1900Wと高いことから、普通の世帯の生活パターンではなく、単身世帯の生活パターンのグラフであると推測される。
このように、家庭内における全ての機器の瞬時電力が示すグラフは、ある電力使用パターンで推移することを表しており、ユーザが日々の生活を通じて必要とする電力は、ユーザごとにその電力使用パターンがあり、そのパターンが維持されることでQoLを担保することができる。例えば、図6及び図7が示すグラフの電力使用パターンで生活しているユーザが、電力会社と20Aの契約をしているとすると、ユーザが一時に各種の機器を使用して2KWを超えればブレーカーが落ち、また、一日当たり10.0KWhの消費電力量が増えることにより電気代がかさむことになる。それをユーザが避けるために、瞬時値と積算値の上限値を例えば1割削減する計画を立てたとすれば、ユーザの電力使用パターンに基づいて、瞬時電力と積算電力量をその1割削減して設定される計画を「電力使用計画」という。そして、この電力使用計画におけるシーリングが9.0KWhであり、最大瞬時電力が1.8KWである。
電力の上限値としては上述したとおり,一定期間におけるシーリング(積算電力の上限値) と各タイミングにおける最大瞬時電力(瞬時電力の上限値)がある。ユーザごとに様々な電力使用パターンが考えられる中,これらの上限値を満たすためには各時刻にどれだけの電力を使用できるかを電力使用計画として定めておく必要がある。その際,ユーザの電力使用パターンを予測し、そこから各上限値を考慮して電力使用計画を定めれば、QoLを維持しながら各上限値を満たすことができる。そして、上記電力使用計画は、一定間隔τ(実験では10 分とした) ごとの使用電力を定めているので、この最小制御間隔τを説明する。
例えば、消費電力の上限値を3日で72kWhと設定すると、1日当たり24kWh、12時間当たり12kWh、1時間当たり1kWhといったようになり、上記消費電力の初期目標値は、区切る時間によって多段に算出されるが、どの程度の長さのものを使って制御を行うかは制御の細かさに依存する。そこで、消費電力の上限値とτの時間間隔との関係を実証実験で得られた結果から、その時間間隔は5〜10分の間隔が好ましいことが分かった。このτの時間間隔を最小制御間隔τと呼ぶこととし、ユーザが5〜10分の間隔の内で任意に設定できるものである。最小制御間隔τが10分以上になると、その間隔が長いために様々な機器を使用したい場合に、使用できない機器が発生してQoLを大きく損ねてしまうため、10分以上は好ましくない。最小制御間隔τが5分以下になると、時々刻々変化する状況に合わせて供給電力を変更するために、例えば電球の明るさが常に変化してちらつく等、不安定になる状況が考えられるので、5分以下は好ましくない。そして、上記消費電力から機器の全ての消費電力を計算して処理することは、そのデータ量が膨大なために困難である。
(第1の実施形態)
図8は、図1に示す優先度装置が備える機能を示す第1の実施形態の機能ブロック図である。
図8の符号1は優先度装置を、符号10はそのメモリを、符号11はSTを表しており、その優先度装置は、初期目標値更新手段120と電力調停手段122から構成されている。符号(1)は、STから送信された消費電力を表している。そして、優先度装置はそれが稼働する前に、前処理として上記消費電力を最小制御間隔τごとの使用電力を定める電力使用計画に変換して、その電力使用計画、初期目標値の瞬時電力及び最大瞬時電力をメモリ10に格納する。符号(2)は、STから送信された電力要求メッセージを表しており、その電力要求メッセージは、上記電力調停手段122に送信される。
そして、初期目標値更新手段120は、初期目標値の瞬時電力と実際の瞬時電力の差分を、その後の初期目標値の瞬時電力に配分して更新初期目標値とし、その値が最大瞬時電力を超えないようにする機能を備えている。上記電力調停手段122は、上記更新初期目標値と電力要求メッセージを送信した機器及び動作中の機器の消費電力の合計値を比較して、該合計値が大であれば、後述する電気機器特性クラスデータに基づいて得られた両者の機器の優先度の値が最小の機器を選択して、機器の特性に応じて機器を選択する機能を備えている。
(前処理)
優先度装置を起動させる前に行う事前の処理として、上記電力使用計画を設定する処理がある。以下にその電力使用計画の設定処理を説明する。
優先度装置がSTから送信された0.5秒間隔で計算した消費電力をメモリに格納して、最小制御間隔τ(5〜10分)の間隔で、上記消費電力を合算した合計値を平均した瞬時電力をメモリに格納する。ユーザの過去の電力の使用実績、例えば、一週間、一ヶ月又は春夏秋冬の四季毎等の瞬時電力と積算電力量を、電力使用計画として設定してメモリに格納しておく。
本発明のEoD制御システムは、予めユーザの過去の電力の使用実績である電力の使用パターンを用いて、ユーザが定める目標値、例えば3割削減を目標値として、電力使用計画を立て、そのシーリングと最大瞬時電力を決めて電力制御を行う。本発明のEoD制御システムは、このシーリングと最大瞬時電力を用いて実際の制御を行う。
従って、本発明の優先度装置は、予め、ユーザの過去の電力の使用実績により時間帯ごとの瞬時電力を用いて電力使用計画を設定しているので、より詳細にこの電力使用計画を設定できる。
また、各機器の使用電力は常に優先度装置に送信されており、優先度装置はこれをメモリに蓄積している。
上記電力使用計画の一例を以下に説明する。電力使用計画は、最小制御間隔τ(後述する実証実験では10分とした) ごとの瞬時電力を用いて定める。ユーザが設定したシーリング(積算電力量の上限値)をC(Wh)、最大瞬時電力(瞬時電力の上限値)をM(t)(W)、時刻tにおける電力需要予測値をD(t)(W) とする。式(1)及び(2)から初期目標値T0(t)(W)を作成する。
優先度装置は、上記電力使用計画に従って上記初期目標値T0(t) (W)の電力を対象にして、また上記最大瞬時電力を下回るように各機器の制御を行っている。
上記電力使用計画の一例である初期目標値T0(t)(W)は、各時刻について電力使用計画から一定割合を削減し、全体で上限を満たすように初期目標値を設定するための計画である(以下、「一定割合削減計画」という。)。図9−1にこの例を示す。これは初期目標値を設定するときの一例であり、一日の電力使用計画の瞬時電力を超えている電力使用ピーク時のみを削減する(以下、「ピーク削減計画」という。)(図9−2)、他にも電力コストに応じて削減する(以下、「コスト削減計画」という。)(図9−3)、例えば、最も電力が使用される午後1時から午後4時の時刻の電力使用を削減したい場合には、その時間帯の電力使用量の電力コストを高くすることで電力使用量を削減できる。これらの削減計画により初期目標値を設定でき、またこれらの削減計画を組み合わせて設定することも可能である。優先度装置は、このようにユーザが必要とする削減方法で電力使用計画を選定して設定できる。
以上述べたように、優先度装置を起動させる前に行う事前の処理として、ユーザの過去の電力の使用実績に基づいて電力使用計画を設定して、その計画をユーザが選定した削減計画により削減した、初期目標値である最大瞬時電力及びシーリングをメモリに格納しておく必要がある。上記優先度装置が起動すると、上記初期目標値を目標として以下に述べる初期目標値更新手段120が一定時間(τ) ごとに消費電力のチェックや初期目標値の更新の処理(interval)を行い、更に電力調停手段122が機器からの要求に応じて、他の機器との調停の処理(event driven) を行う手段から構成されている。これらの各手段を以下に説明する。なお、各機器の使用電力は常に優先度装置に送信されており、このデータを蓄積している。
(1)初期目標値更新手段
初期目標値(瞬時電力)に基づいて、最小制御間隔(τ) ごとにその初期目標値を更新する処理(interval)を行う初期目標値更新手段120を説明する。
優先度装置が起動すると、実際の電力の制御を行う際、τあたりの電力の初期目標値を目標として制御を行うが、過去の実績にない行動をした場合、QoLや機器の特性を考慮すると、どうしても電力を削減できない場合が存在し、そのときには実際の瞬時電力が一時的に初期目標値を超えてしまう。それとは逆に、使用する機器の台数が少なく、実際の瞬時電力が初期目標値を下回るようなことも考えられる。また、もちろん機器は人の使うものであるので、実際の瞬時電力はそのときの行動にも依存して変化する。このようなとき初期目標値を維持したまま制御を続けると、最終的に上限値を満たすことができなくなる。図10は、初期目標値に対してその値を維持したまま制御を行った実際の瞬時電力の例を示す棒グラフである。
初期目標値を維持したまま制御を行ったために、例えばある瞬間では人工呼吸器のように停止できない機器のみで初期目標値を上回っている等、ユーザの機器の使用状況を考慮すると初期目標値以下に電力を削減することができない場合も考えられる。そのような場合は、最大瞬時電力を上回らない範囲で初期目標値を一時的に上回ってもよいものとし、その際の超過分はそれ以降の電力使用計画で吸収するように初期目標値を更新する。こうすることで、当初に定めた初期目標値からは外れるものの、QoLを維持しながら実際の瞬時電力と初期目標値との差分を以降の初期目標値にフィードバックすることで、シーリングを満たすことができる。
初期目標値にフィードバックを行うために分配関数を定義する。これは、初期目標値と実際の瞬時電力との差分を入力し、この差分が発生した時刻よりも後の時刻に対して差分を初期目標値に分配し、新たに初期目標値の瞬時電力を算出するものである。
図11は、実際の瞬時電力と初期目標値との差分を以降の計画値にフィードバックする制御を行った場合の説明図である。優先度装置が稼働して制御開始時刻がtnow - tstart≧iτを満たす時刻tnowになると、この優先度装置は電力使用計画の更新を行う。
i:=i+1とすると、電力使用計画Ti(t)は、i回更新を行った、つまりiτ経過後での時刻tにおける電力使用計画を表す。また、式(3)のγは、電力使用計画を更新するための分配関数であり、初期目標値の瞬時電力と実際の瞬時電力の差分をその後の瞬時電力に分配するものである。従って、上記差分を式(3)に入力することで、その後の瞬時電力に分配する差分の電力が決められる。
式(5)のT1(tnow)は現在の初期計画値であり、E(tnow)は現在の使用電力である。
図11に示したグラフは、差分をその後の新たな初期目標値すべてに均等に分配する方法(以下、「差分の均等分配方法」という。)で行ったもので、他の方法としては、直後の1つの瞬時電力のみに分配する方法(以下、「瞬時電力分配方法」という。)で行うことも考えられる。このように差分の分配方法は、差分の均等分配又は瞬時電力分配の方法があり、最初に全体としての電力使用計画を作成し、実際の制御を行っていく際に、最大瞬時電力を上回らない範囲で使用状況に合わせた初期目標値を改めて更新することで、柔軟な制御を行いながらシーリングを満たすことができる。
(3)電力調停手段
機器間の優先順位を与えることで、QoLを維持しながら機器からの要求に応じて、他の機器との調停の処理(event driven) を行う電力調停手段122を説明する。
機器からの電力要求は、ユーザがその機器を使用したいタイミングで発生するため、上記のτとは無関係に行われる。更に、この要求には、最小制御間隔τの5〜10分が来るまで待つことのできるものもあるが、即座に電力を必要とするものも存在する。このような機器に対しては、τごとの制御をしていたのでは電力供給が間に合わず、QoLを低下させる原因となる。電力要求が有ったときに、電力調停手段で用いられる電力は、瞬時電力ではなく実際の消費電力である。これにより、さまざまなタイミングで発生する電力要求にも即座に判断をすることができるようになり、待機するか否かの判断も即座に下すことができる。
EoD制御システムには、個々の機器が電力を要求した際にどの機器に電力を供給するかどうかを判断する指標が必要である。上限値を満たすためには、すべての機器に対して所望の電力を供給できるわけではなく、また電力を必要な機器は、機器やユーザの状況によって変化するため、どの機器に対して優先的に電力を供給するかを判断することが問題となる。そこで、機器の特性や状況に応じて優先度を決める必要がある。そのために、機器に対して0-1の値を取る優先度の関数を設定し、優先度の値が大きいものに優先的に電力を供給する。なお、QoLは電力が供給されることにより機器を使用できることで満たされるものであり、コスト削減や省エネによる社会貢献は考慮していない。
各機器からの電力要求に対して電力を削減する機器を選択するためには、機器によって電力を制御する方法が異なるため、あらかじめ各機器の特性を知っておく必要がある。各機器が要求する電力の特性や電力制御方法を表すパラメータをQoEnと呼ぶ。QoEnでは以下に示す機器の電力制御方法に基づいて機器を分類する。
(1)調節可能な機器(運転中に供給されている電力を変化させることができるかどうか) (属する機器の集合をAadjとする。)
(2)待機可能な機器(起動時に電力の供給を待つことができるかどうか) (属する機器の集合をAwaitとする。)
(3)一時停止可能な機器(運転中に一時的に電力の供給を停止できるかどうか) (属する機器の集合をAsusとする。)
各機器を上記3種類の電力制御方法で組み合わせることにより、表2に示すように機器が8種類のクラスに分類される。この8種類のクラスに分類されたデータを「電気機器特性クラスデータ」と定義して用いる。この電気機器特性クラスデータを用いて機器間の優先度の制御を行う。
上記8種類のクラスは、家電の欄に示した識別IDで示す機器名に紐付けられることで、使用中の機器の優先度を用いて優先すべき機器を決めている。例えば、優先度装置がSTからの電力要求メッセージを受信すると、そのメッセージを送ってきた機器及び動作中の機器から、機器の優先度と上記電気機器特性クラスデータを用いて許可又は拒否するかを決める。
(1)調節可能な機器に分類されるものは、機器を使用中に供給されている電力が多少減少しても、機器の機能を利用できるものがあり、例としてはドライヤーや電球等があげられる。また、(2)機器が電力を要求した際、決まった時間までに供給するのであれば、今すぐに電力を供給せずとも機器の機能上、問題がないものがあり、例としては炊飯器や洗濯機等があげられる。更に、(3)機器を使用中に電力供給を一時停止しても、機器を利用することによるユ−ザの生活には影響がほとんどないものがあり、例としてはエアコンや冷蔵庫等がある。
なお、クラス8は、安全・快適な生活を確保するために、例えば人工呼吸器等が分類されている。そして、上記8種類のクラスに分類された機器は、表2に示したクラスに固定されているものではない。ユーザが任意にどのクラスに機器を分類するかを決めることができる。例えば、寝たきりの高齢者の方がエアコンを常に必要な機器として選択すれば、クラス8に分類される。換言すれば、クラス8は、上記調節可能、一時停止可能及び待機可能な電力制御方法でクラス分けできない電気機器として、ガス検出器、人工呼吸器、ルーター等のネットワーク機器等の機器が入る。
1.調節可能な機器
電力の調節が可能な例としてドライヤーがそれに相当する。電力の調節可能な機器では,図12に示すように、要求した通りの電力が供給されるとユーザの満足度は最も高いが、供給電力が多少減少しても満足度は大きく変わらない。しかし、大幅に電力が減少すると家電の能力が制限されユーザの満足度は低下し、最終的にある一定以下の電力になるとその家電の機能を果たせなくなる。つまり、最低限使用するのに必要な電力の優先度は高く、要求電力通りに供給する優先度は低いという、供給電力に対して単調減少の関数で優先度を与えることができる。電力調停手段では、家電a の要求電力をpreq a 、最低限必要な電力をpmin a としたとき、電力調整可能な家電の優先度Pria dja (p) を次式のように定義する。
このようにして設計した電力が調節可能な機器に対する優先度(adjust)の一例は、図12及び式(6)のようになる。
2.待機可能な機器
起動時に待機可能な場合の例として炊飯器がそれに相当する。時刻までに家電の動作が完了していればよく、起動時刻を遅らせることのできる家電である。つまり、図13に示すように、電力を要求した直後は優先度が低く、起動しなければならない時刻に近づくにつれ優先度が高くなるように定義すれば良い。
要求時刻をtreq a 、 起動しなければならない時刻をtmust a としたとき、待機可能な家電a の優先度Prishift a (t) を次式のように定義する。
3.一時停止可能な機器
一時停止可能な場合の例としてエアコンがそれに相当する。一時停止可能な機器は、エアコンの温度設定のように、運転中はある定常状態を目指して動作するが、一旦定常状態に到達すると、一時運転を停止しても、定常状態を保つことのできる家電である。このような家電の場合、図14 に示すように、運転開始直後は定常状態を目指して動作するため高い優先度を与える必要があるが、定常状態に到達すると一時停止しても定常状態が維持されるため優先度を下げることができる。また、一時停止後は、時間が経つにつれ定常状態からはずれるため、優先度を高くして再開する必要がある。一時停止可能な家電の優先度Priint a (t) は、次式のようにa が動作中の場合と停止中の場合に分けて定義する。
4.一般の家電の優先度
一般には、家電のクラスは表2に示した3つの特性の組み合わせで定義する。それぞれの特性に対して定義された優先度の組み合わせによってそれぞれのクラスの優先度関数を表3の優先度関数の項目に示したように定義する。例えば、クラス1の優先度関数はそれぞれの特性に対応する優先度関数の積によって次式のように定義される。

また、クラス8 の優先度関数は1となり、これは常に優先的に電力が供給されることを意味している。
図15は、電力要求メッセージに対して、優先度装置が優先度に基づいて電力を供給する処理手順を説明する流れ図である。
1.機器に接続されたSTは、電力要求メッセージを優先度装置に送信する(1)。
2.優先度制御装置1は、現在の供給可能量や家庭での生活パターンから、電力要求メッセージを送ってきた機器、及び動作中の機器の優先順位を決める。
3.機器の優先順位に従って、各機器に許可する消費電力、時間を含む電力割当メッセージ(2)、あるいは電力を供給できない機器には拒否メッセージ(2’)を返信する。また、動作中の機器の優先度が低く、停止、あるいは電力削減させる場合には当該機器に割込メッセージ(3)を送信する。
4.電力使用を許可された機器は、許可された電力で、許可された時間だけ動作する。電力使用を拒否された機器は一定時間後に再割当メッセージを送信する(4)。
この処理手順では、ユーザ自身で供給可能な最大電力量を設定(シーリング)することで、好きなだけ電力削減が実現できる。
上記処理手順を詳細に説明する。電力が必要となった機器areqは、サーバに対し電力要求メッセージ(表3)を送信する(図15の1)。要求を受信したサーバは、即座に現時刻tnowの全体の合計使用電力Etotal(tnow)と要求電力Ereqの和E’total(tnow)と、電力使用計画Ti(tnow)とを比較する。全体の電力E’total(tnow)が計画を下回っていれば要求通りの電力Ereqを許可(式(12))、areq∈Awaitであれば拒否(図15の2′)、そうでなければ各機器の優先度を計算、割り込み処理として機器areqより優先度の低い他の機器の電力を削減(図15の3) (式13)、電力を確保し合計使用電力Etotal(tnow)を更新した上で、機器の特性に従い電力供給の削減を決定する(式14)。供給可能電力Esupply等表4に記載の情報を付加したメッセージを機器areqに対して即座に送信し、機器はそれに従い電力を使用する。ここで電力供給を拒否・割り込みされた機器及びareqは、次のinterva1処理において再度、電力使用方針を決定する(図15の4)。
以上のように、各機器から要求を受信した優先度装置は、現時刻tnowの動作中の合計使用電力Etotal(tnow)と要求電力Ereqの和E’total(tnow)と、電力使用計画Ti(tnow)とを比較して、上記合計使用電力E’total(tnow)が上記電力使用計画Ti(tnow)を上回っていれば、式13に従って優先度の最小の機器aminの電力を削減して優先度の更新を行う。
上記STが優先度装置に送信する電力要求メッセージのデータを表4で説明する。
項目の欄に示す機器識別用ID、要求電力、最小起動電力、一時停止可能時間及び必須起動時間に対して各項目に値の欄と必要とするクラスの欄のデータが紐付けられており、上記STはその値と必要とするクラスのデータを優先度装置に送信する。
上記優先度装置がSTに返信するメッセージのデータを表5で説明する。
項目の欄に示す機器識別用ID、メッセージの種類、許可する瞬時電力及び許可する使用時間に対して値の欄のデータが紐付けられており、上記優先度装置はそのデータをSTに送信する。
以上の説明した初期目標値更新手段120及び電力調停手段122からなる動的優先度制御手段1は、瞬時電力がその上限値及び積算電力量がその上限値C(Wh)を上回ることなく、積算電力量の削減による節電とピーク時の大停電を回避することができる。
(第2の実施形態)
上記動的優先度制御手段1は、最終的に瞬時電力を最大瞬時電力以下に制御でき、積算電力量の上限値C(Wh)を満たす制御ができるが、機器を使用する際、負荷変動等により予期しない瞬時電力の増加が起き、最大瞬時電力を超える場合がある。このような場合に対処する第2の実施形態を説明する。
図16は、第2の実施形態の機能ブロック図である。
優先度装置は、初期目標値更新手段120、電力調停手段122及び常時監視手段124から構成されている。
初期目標値更新手段120と電力調停手段122は、上述した各手段と同じ機能を備えるので説明を省略する。
上記常時監視手段124は、常時消費電力を監視し、全体の消費電力が最大瞬時電力をある一定期間d(0.5〜2秒程度)以上の間超過するときには、その全体の消費電力が最大瞬時電力を下回るよう、τの経過を待たずに上記全体の消費電力の代わりに最大瞬時電力Mを下回るように、上記電力調停手段124が優先度に基づいた調停を行う。
前者はスイッチを入れた際等に機器から送信される電力要求に対して、即座に判断し機器の使用を妨げないことでQoLを維持する。後者は各機器からの継続要求に対して行われ、計画値の更新や機器間の調停を行う。時々刻々変化する状況に合わせて常に供給電力を変更していると、例えば電球の明るさが常に変化しちらつく等、不安定になる状況が考えられるため、最小制御間隔τを導入することで全体の安定化を図っている。更に最大瞬時電力を超えないよう常に監視を行うことにより、最大瞬時電力を保証する。
図17は優先度装置が稼働する前に、そのCPU1aの前処理を示す全体のフロー図である。
上記優先度装置のCPU1aが稼働する前に、前処理としてステップS1で電力使用計画の初期目標値の設定を行い、その初期目標値をメモリに格納する処理を行う。
図18は優先度装置のCPU1aが稼働した後の、CPU1aの全体処理を示すフロー図である。稼働後に上記優先度装置のCPU1aは、ステップS3で初期目標値の更新処理を、ステップS5で優先度の調停処理を行う。
図19は、上述したステップS1の電力使用計画設定処理のフロー図である。
図19に示すように、上記CPU1aは、ステップS11で各機器のSTから送信された一日、一週間又は一ヶ月等の消費電力を、最小制御間隔τの間隔、例えば10分の間隔で合算して平均した瞬時電力と積算電力量に変換する。ステップS13で上記瞬時電力及び積算電力量からユーザが設定したシーリング(積算電力量の上限値)をC(Wh)、最大瞬時電力(瞬時電力の上限値)をM(t)(W)、時刻tにおける電力需要予測値をD(t)(W) とすると、式(1)及び(2)から電力使用計画の一例である初期目標値T0(t)(W)が作成される。
稼働する前の前処理として上記初期目標値T0(t)(W)をメモリに格納しておく。
他の電力使用計画として、一日の電力使用計画の瞬時電力を超えている電力使用ピーク時のみを削減するピーク削減計画(図9−2)、又は電力コストに応じて削減するコスト削減計画(図9−3)がある。これらの削減計画により初期目標値を設定でき、またこれらの削減計画を組み合わせて設定することも可能である。
図20は、上述したステップS3の初期目標値更新処理のフロー図である。
図20に示すように、上記CPU1aは、ステップS31で初期目標値の瞬時電力と実際の瞬時電力との差分を差分の分配方法(差分の均等分配方法又は瞬時電力分配方法)により分配電力を計算し、その分配電力をその後の上記初期目標値の瞬時電力に加算して、更新初期目標値を計算する。ステップS33で更新初期目標値と最大瞬時電力を比べ、S35でYesと判断すればステップS37でその後の初期目標値の瞬時電力を更新初期目標値に更新する。Noと判断すればステップS39で上記初期目標値を最大瞬時電力に更新して更新初期目標値とする。
図21―1〜図21―4は、上述したステップS5の優先度調停処理のフロー図である。
図21―1に示すように、上記CPU1aは、ステップS51でSTから電力要求メッセージを受信すると、ステップS53でそれを受信した時刻で、メモリから上記電力要求メッセージの送信した機器及び動作中の機器の消費電力を呼び出して、両者の消費電力を合算して合計値を得る。ステップS55で表2を参照して優先度関数に基づいて上記両者の機器の優先度を計算し、その値をメモリに格納する。ステップS57で初期目標値更新手段から送られた更新初期目標値と上記合算値の大小を比較して、ステップS59でYesと判断すれば、ステップS61で送信した機器のSTに許可メッセージを送信して処理を終了する。ステップS59でNoと判断すれば、ステップS63でメモリから上記優先度を呼び出してその値が最小の機器を選択してステップS65に進む。図21―2に示すように、ステップS65で表2を参照して当該機器が調節可能かを判断して、ステップS67でYesと判断すれば、ステップS69で当該機器に電力を下げる割込メッセージを送信して、ステップS71で下げた電力に基づいて消費電力の合計値を更新してステップS59へ戻る。ステップS67でNoと判断すればステップS73に進む。
図21―3に示すように、ステップS73で当該機器が要求メッセージを送信したSTで、かつ待機可能かを判断して、ステップS75でYesと判断すれば、ステップS77で当該機器のSTに拒否メッセージを送信して、ステップS79で当該機器の消費電力を除いて消費電力の合計値を更新してステップS59へ戻る。ステップS75でNoと判断すれば、ステップS81に進む。図21―4に示すように、ステップS81で当該機器が要求メッセージを送信したSTでなく、かつ一時停止可能かを判断して、ステップS83でYesと判断すれば、ステップS85で当該機器のSTに拒否メッセージを送信して、ステップS87で当該機器の消費電力を除いて消費電力の合計値を更新してステップS59へ戻る。ステップS83でNoと判断すれば、処理を終了する。
図22−1〜図22−3は、上述したステップS7の常時監視処理のフロー図である。
図22−1が示すように、上記CPU1aは、ステップS91でメモリから最大瞬時電力を呼び出し、ステップS93で一定期間δ(0.5〜2秒)毎に、メモリから動作中の機器の消費電力を呼び出して合算して消費電力の合計値を得る。ステップS95で表2を参照して、優先度関数に基づいて上記機器の優先度を計算し、その値をメモリに格納する。ステップS97で上記消費電力の合計値と上記最大瞬時電力を比較して、ステップS99で消費電力の合計値が小であると判断すれば処理を終了する。ステップS99で消費電力の合計値が大と判断すれば、ステップS101でメモリから上記優先度を呼び出してその値が最小の機器を選択して(4)に進む。
図22−2が示すように、ステップS103で表2の優先度クラスデータを参照して当該機器が調節可能かを判断し、ステップS105でその判断がYesであれば、ステップS107で当該機器に電力を下げる割込メッセージを送信する。そして、ステップS109で下げた電力に基づいて消費電力の合計値を更新して、ステップS99に戻る。そして、上記消費電力の合計値が上記最大瞬時電力より小になるまで繰り返される。上記判断がNoであれば(5)に進む。
図22−3が示すように、ステップS111で当該機器が一時停止可能かを判断し、ステップS113でその判断がYesであれば、ステップS115で当該機器のSTに拒否メッセージを送信して、ステップS117で当該機器の消費電力を除いて消費電力の合計値を更新してステップS113に戻る。そして、上記消費電力の合計値が上記最大瞬時電力より小になるまで繰り返される。
優先度装置の電力調停手段は、消費電力の合計値が最大瞬時電力より小になるまで処理が繰り返されることから分かるように、上記優先度装置は最大瞬時電力を常に下回るように電気機器への電力供給の制御を行っている。
上記電力調停手段のステップS51〜ステップS87の処理手順及び機器特性クラスデータから分かるように、優先度装置は、家庭及びオフィスに設置される全ての機器を対象にしており、3種類の特性の機器が設置されていなくとも、例えば調節可能な機器が設置されていなくともシーリング及び最大瞬時電力の上限値を超えることはない。
また、上述したように、各機器の使用電力は常に優先度装置に送信されており、優先度装置はこれをメモリに蓄積しており、この蓄積された各機器の使用電力を積算することで、一定期間(一日、一週間、一ヶ月等)の積算電力量が得られる。そして、上記電力調停手段が上記式(2)の電力需要予測値To(t)(w)を満たすように電気機器への電力供給を制御しているで、上記積算電力量の上限値(シーリング)を超えることがない。
図21の優先度調停処理のフロー図で示した優先度の調停処理を理解し易くするために、実施例でその処理を説明する。
図23は、電力調停手段が行う処理を説明する説明図である。
最初に、図5に示したモデルハウスに設置された機器のうち、TV(1)、エアコン(2)、ポット(4)、リビング照明(11)、寝室照明(12)及び廊下照明(15)の6種類の機器を使用して、実施例の優先度の調停処理を説明する。従って、実施例は、廊下に設置されている照明(15)、リビングルームに設置されているTV(1)、エアコン(2)、ポット(4)、リビング照明(11)、そして寝室に設置されている照明(12)だけを使用した例である。番号は各機器が設置又は配置されたスイッチの位置を表している。
(電力調停手段の実施例)
実施例は、電力の初期目標値を800Wに、最大瞬時電力を2KWに設定されており、ポットの電源だけがOFFの状態にあり、そのポットは1.2KWの電力が必要である。上記の設定条件で1.2KWのポットがONされた場合に、各機器の優先度がどの様に変わりながら、ポットが1.2KWの電力を確保するために、電力調停手段が行う処理を示す例である。
図23−1は、ポットの電源をONにする前の各機器の電力の状況を表している図である。図の右側に表示されている「No」は機器の優先度の値を示し、その値が小さいほど優先度が高いことを表している。ポットだけが電源がOFFであり、他の機器は稼働しており、各機器の電力の合計は771Wである。
図23−2は、ポットの電源が入り1.2KWの電力を要求している途中の状況を表している。しかし、この1.2KWの電力要求は、初期目標値が800Wを超え、更に最大瞬時電力の2KWもほぼ超える値(1.974KW)なので、その電力要求を許可することなく優先度が1番になるまで待機させる。図23−3は、ポットの優先順位がだんだん上がっていって、1番になったことを表している。図23−4は、ポットの優先度が1番になったので、優先度が最も小さい玄関の照明(No6)をOFFにしてから、ポットの電力(1200W)をONにする。そうすることで、初期目標値800Wは超えるものの、各機器の合計電力は1.928Wであり、最大瞬時電力2KWを超えていないことが分かる。
上記消費電力が1.2KWのポットの実施例で分かるように、TV、エアコンを停止しないで、電力要求のあった1.2KWのポットを稼働させて、生活者のQoLを損なうことなく達成できることが分かる。それは、電力調停手段が各機器の優先度を瞬時に計算してその値と機器の特性で優先的に選択すべき機器が判断されるからである。
(EoD制御システムの有効性)
本発明のEoD制御システムが実際の生活を通じてQoLを損なわずに大幅な節電を実現できることを実証する。
3名の被験者A,B,Cが同じスマートマンションルームでQoLの実証実験を行った。
上記生活実験で使用した使用家電として、以下に示すスマート家電と従来家電を用いた。
・スマート家電(ネットワークによる電力制御)
照明(リビング・寝室)・テレビ・エアコン・電子レンジ・洗濯機・加湿器・ヒーター・炊飯器
・従来家電(スマートタップによる電力制御)
照明(玄関・台所・洗面所・トイレ・風呂場)・電磁調理器(IH)・冷蔵庫・湯沸かしポット・温水洗浄便座
(実験内容)
・節電をせずに通常の生活を行い、標準消費電力パターンを学習
・1日当たりの積算電力量を標準と比べ、10%、30%を削減した生活をそれぞれ行った。
・得られたデータを数値的に分析し、削減した生活がQoLに与える影響の評価を行った。
図24−1は、通常利用時の消費電力のパターンと、優先度装置により10%削減した電力使用計画と実験計画の瞬時電力のパターンを示す図である。
図24−2は、通常利用時の消費電力のパターンと、優先度装置により30%削減した電力使用計画と実験計画の瞬時電力のパターンを示す図である。
従来の消費電力のパターンと10%、30%削減の瞬時電力のパターンがほぼ類似していること、そして、従来の消費電力のパターンの上限値を超えることがないことを示している。
図25−1は、通常利用時の積算電力量と、優先度装置により10%削減した電力使用計画と実験計画の積算電力量を示す図である。
図25−2は、通常利用時の積算電力量と、優先度装置により30%削減した電力使用計画と実験計画の積算電力量を示す図である。
10%及び30%の削減共に、通常利用時、初期目標値、そして、実使用電力の積算電力量の順に消費量がほぼ低い値を示しており、また、従来の積算電力量の上限値を超えることがないことを示している。
この図24及び図25が示す値は、日常生活の生活パターンを変更しなくても消費電力及び積算電力が削減されていることを表している。
そこで、3名の被験者から生活の体験談を聴取して、EoD制御システムを設置したスマートマンションルームで何か問題点が生じているかを調べてみた。
(3名の被験者の生活の体験談)
・被験者A,B,C
全体として電力削減率にかかわらず、特に不自由を感じることなく生活できた。
・被験者A
電力削減生活をしていることを感じるのは、照明やテレビが暗く点灯した時だけであり、いずれも慣れにより気にならなかった。
・被験者B
湯沸かしポットが沸くのが遅かった時だけであり、いずれも慣れにより気にならなかった。
・被験者C
調理を行う際のピーク時においては、他の家電の電力を削減して調理を行った。
3名の被験者の生活の体験談から、10%、30%の電力削減率にかかわらず、特に不自由を感じることなく生活できることが判明した。
図26−1は、優先度装置により10%削減した実験計画の6種類の機器の瞬時電力を示す図である。
図26−2は、優先度装置により30%削減した実験計画の6種類の機器の瞬時電力を示す図である。
6種類の機器は、TV、湯沸かしポット、電磁調理器(IHコンロ)、冷蔵庫、洗濯機及び照明である。
図26は、6種類の電気機器に対して電力使用計画を10%、30%削減した瞬時電力のグラフを示す図である。
図26−1の10%削減の場合に、湯沸かしポットと洗濯機の消費電力が1:30と11:00にピークを示しているのに対して、図26−2の30%削減の場合には、ポットと洗濯機の消費電力が22:00と9:40にピークを示しており、湯沸かしポットはピークの時間帯が3時間半ほど前倒しに起きており、洗濯機はピークの時間帯が1時間40分ほど前倒しに起きていることが分かる。
(まとめ)
本発明のEoD制御システムは、機器と優先度装置間のメッセージ交換による調停に基づいて電力供給を行うシステムである。ユーザが機器の電源を入れたとき、特許文献2の需給調停システムがリフレッシュタイマのカウントする2〜3秒が経った後に電力が供給されるのに対して、本発明は、以下のステップ1)〜4)を経て瞬時に電力が供給される。1) 機器から要求電力や優先度と共に“電力要求メッセージ”を優先度装置に送信する。2) 優先度装置はそのときの機器の優先度に、機器への電力供給の可否や,供給電力を調停する。3) 優先度装置は調停結果に従って“電力割当(許可/削減/棄却)メッセージ”を機器に送信する。4)“電力割当メッセージ”を受け取った機器は,そのメッセージに従って動作する。
商用電源だけを対象としているので、通常,契約電力以内ならいくらでも電力を使うことができるが、EoD制御システムは、ユーザ自身が設定できるパラメータとして、瞬時電力に対する上限値(最大瞬時電力) と、積算電力量に対する上限値(シーリング) の二つの上限値を与えている。最大瞬時電力は、時間帯ごとに使用電力の上限値として与えることで、ユーザが契約電力を低く抑える要求や、電力網の需給バランスを保つための電力会社からのピーク抑制要請に答えることができる。また、シーリングは、一定期間(一日,一週間,一ヶ月等)に使用する積算電力量の上限値として与えることで、ユーザが電気代やCO2 排出量を抑えることができる。
EoD 制御システムは、1) 生活の質を維持しつつ電力を削減するために,どの機器へ電力を供給し,どの機器への電力を削減するかを決める機器の動的な優先度の採用、2) 生活者の生活パターンに基づいてシーリングと最大瞬時電力の上限値を達成するために、瞬時電力を処理する電力使用計画設定手段の採用、3) 機器からの電力要求に対してリアルタイムで電力を供給するために、消費電力を処理する電力調停手段の採用、また、4)負荷変動等により予期しない瞬時電力の増加が起き、最大瞬時電力を超えるのを防止するため、瞬時電力を処理する常時監視手段の採用、これらの採用により従来の課題を全て解決していることが分かる。

Claims (39)

  1. 商用電源と、複数の電気機器と、その電気機器に接続されているスマートタップと、メモリを備える電気機器の電力の供給制御を行う動的優先度制御装置と、該動的優先度制御装置が上記スマートタップを介して接続するネットワークとを備えるオンデマンド型電力制御システムであって、
    前記動的優先度制御装置が、初期目標値の瞬時電力と実際の瞬時電力の差分を、その後の初期目標値の瞬時電力に配分して更新初期目標値を計算し、その更新初期目標値を最大瞬時電力と比較して、該更新初期目標値が小であればその後の初期目標値の瞬時電力を更新初期目標値として更新し、大であれば上記初期目標値の瞬時電力を最大瞬時電力に更新して更新初期目標値とする初期目標値更新手段と、
    前記スマートタップから電力要求メッセージを受信した時刻で、該電力要求メッセージを送信した電気機器、及び動作中の電気機器の消費電力の合計値を計算し、電気機器に対する電力の供給方法の特性でクラス分けした電気機器特性クラスデータに基づいて両者の電気機器の優先度を計算し、上記消費電力合計値を上記更新初期目標値と比較して、該消費電力合計値が小であれば上記送信した電気機器に電力を供給し、大であれば前記メモリから上記優先度を呼び出してその値が最小の電気機器を選び、上記電気機器特性クラスデータを参照して、該電気機器が上記特性の何れに該当するかを判断して、当該電気機器の該当する特性に応じて、電気機器間の優先度に基づいて調停する電力調停手段とを備えることを特徴とするオンデマンド型電力制御システム。
  2. 前記瞬時電力が最小制御間隔τの間隔で消費電力を合算した合計値を平均した消費電力であることを特徴とする請求項1に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  3. 前記最小制御間隔τが5〜10分であることを特徴とする請求項2に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  4. 前記初期目標値更新手段と前記電力調停手段の処理する情報が、初期目標値更新手段が前記瞬時電力であり、電力調停手段が前記消費電力であることを特徴とする請求項3に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  5. 前記初期目標値がユーザの電力消費パターンに基づいて作成された電力使用計画を、一定割合削減計画、ピーク削減計画又はコスト削減計画により作成することを特徴とする請求項4に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  6. 前記一定割合削減計画で作成された初期目標値T0(t)(W)が以下の式(1)及び(2)から作成されることを特徴とする請求項5に記載のオンデマンド型電力制御システム。

    ただし、C(Wh)はユーザが設定したシーリング、M(t)(W)は時刻tにおける最大瞬時電力、D(t)(W)は時刻tにおける電力需要予測値である。
  7. 前記ピーク削減計画で作成された初期目標値が電力使用計画の電力使用ピーク時のみを削減して作成されることを特徴とする請求項5に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  8. 前記コスト削減計画で作成された初期目標値が電力使用計画の電力コストに応じて削減して作成されることを特徴とする請求項5に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  9. 前記動的優先度制御装置が前記シーリングを下回るように、また前記最大瞬時電力を下回るように電気機器への電力供給の制御を行っていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  10. 前記動的優先度制御装置が稼働する前に、前記メモリに前記初期目標値の瞬時電力、前記実際の瞬時電力、前記電気機器特性クラスデータが格納されていることを特徴とする請求項9に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  11. 前記その後の初期目標値の瞬時電力に配分する差分の分配方法が、均等に分配する差分の均等分配方法又は直後の1つの瞬時電力のみに分配する瞬時電力分配方法であることを特徴とする請求項10に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  12. 前記電気機器特性クラスデータが、電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能な電気機器に対する電力の供給方法の特性で区分されていることを特徴とする請求項11に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  13. 前記電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能な電気機器に対する電力の供給方法の特性で区分される以外の区分に、安全・快適な生活を確保するために、ユーザが任意に機器を選択できる区分を有することを特徴とする請求項12に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  14. 前記調節可能な特性が、運転中に供給されている電力を変化させることができる特性であり、前記待機可能な特性が起動時に電力の供給を待つことができる特性であり、一時停止可能な特性が運転中に一時的に電力の供給を停止できる特性であることを特徴とする請求項12に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  15. 前記調節可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、ヒータエアコン、冷蔵庫、TV、ドライヤー等であることを特徴とする請求項14に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  16. 前記待機可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、食洗機、炊飯器、トースター等であることを特徴とする請求項14に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  17. 前記一時停止可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、ヒータエアコン、冷蔵庫、食洗機、炊飯器、コピー機、湯沸かしポット等であることを特徴とする請求項14に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  18. 前記調節可能、一時停止可能及び待機可能な特性を備えない電気機器がガス検出器、人工呼吸器、ルーター等のネットワーク機器等であることを特徴とする請求項14に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  19. 前記電気機器特性クラスデータが8種類のクラスから構成されていることを特徴とする請求項12に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  20. 請求項1に記載の動的優先度制御装置が、更に常時消費電力を監視する常時監視手段を備えることを特徴とするオンデマンド型電力制御システム。
  21. 前記常時監視手段は、全体の消費電力が前記最大瞬時電力をある一定期間d以上の間超過するときには、前記最小制御間隔τの経過を待たずに上記全体の消費電力の代わりに上記最大瞬時電力を下回るように電力の供給を制御することを特徴とする請求項20に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  22. 前記一定期間dが0.5〜2秒であることを特徴とする請求項21に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  23. 前記常時監視手段が、動作中の電気機器の消費電力を合算して合計値を計算し、電気機器を3種類の特性でクラス分けした電気機器特性クラスデータに基づいて上記電気機器の優先度を計算し、上記消費電力合計値を前記最大瞬時電力と比較して、該消費電力合計値が小であれば処理を終了し、大であれば優先度が最小の電気機器を選び、上記電気機器特性クラスデータを参照して、該電気機器が上記3種類の特性の何れに該当するかを判断して、当該電気機器の該当する特性に応じて優先度が最小の機器を選択することを特徴とする請求項20乃至22の何れか1項に記載のオンデマンド型電力制御システム。
  24. 商用電源と、複数の電気機器と、その電気機器に接続されているスマートタップと、メモリを備える電気機器の電力の供給制御を行う動的優先度制御装置と、該動的優先度制御装置が上記スマートタップを介して接続するネットワークとを備えるオンデマンド型電力制御システムにおける上記動的優先度制御装置として、コンピュータを動作させるプログラムであって、
    前記動的優先度制御装置が、初期目標値の瞬時電力と実際の瞬時電力の差分を、その後の初期目標値の瞬時電力に配分して更新初期目標値を計算し、その更新初期目標値を最大瞬時電力と比較して、該更新初期目標値が小であればその後の初期目標値の瞬時電力を更新初期目標値として更新し、大であれば上記初期目標値の瞬時電力を最大瞬時電力に更新して更新初期目標値とする初期目標値を更新する処理と、
    前記スマートタップから電力要求メッセージを受信した時刻で、該電力要求メッセージを送信した、及び動作中の電気機器の消費電力の合計値を計算し、電気機器を3種類の特性でクラス分けした電気機器特性クラスデータに基づいて両者の電気機器の優先度を計算し、上記消費電力合計値を上記更新初期目標値と比較して、該消費電力合計値が小であれば上記送信した電気機器に電力を供給し、大であれば前記メモリから上記優先度を呼び出してその値が最小の電気機器を選び、上記電気機器特性クラスデータを参照して、該電気機器が上記3種類の特性の何れに該当するかを判断して、当該電気機器の該当する特性に応じて、電気機器間の優先度に基づいて調停する処理を行うことをコンピュータに実行させるプログラム。
  25. 前記瞬時電力が最小制御間隔τの間隔で消費電力を合算した合計値を平均した消費電力であることを特徴とする請求項24に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  26. 前記最小制御間隔τが5〜10分であることを特徴とする請求項25に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  27. 前記初期目標値更新手段と前記電力調停手段の処理する情報が、初期目標値更新手段が前記瞬時電力であり、電力調停手段が前記消費電力であることを特徴とする請求項26に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  28. 前記シーリングを下回るように、また前記最大瞬時電力を下回るように電気機器への電力供給の制御を行っていることを特徴とする請求項24に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  29. 前記電気機器特性クラスデータが、電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能の特性で区分されていることを特徴とする請求項28に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  30. 安全・快適な生活を確保するために、上記電気機器の調節可能、一時停止可能及び待機可能な電気機器に対する電力の供給方法の特性で区分される以外の区分に、ユーザが任意に機器を選択できることを特徴とする請求項29に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  31. 前記調節可能の特性が運転中に供給されている電力を変化させることができる特性であり、前記待機可能な特性が起動時に電力の供給を待つことができる特性であり、一時停止可能な特性が運転中に一時的に電力の供給を停止できる特性であることを特徴とする請求項29に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  32. 前記調節可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、ヒータエアコン、冷蔵庫、TV、ドライヤー等であることを特徴とする請求項31に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  33. 前記待機可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、温水洗浄便座、電子レンジ、食洗機、炊飯器、トースター等であることを特徴とする請求項31に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  34. 前記一時停止可能な特性を備える電気機器が、ノートPC、給湯機、ヒータエアコン、冷蔵庫、食洗機、炊飯器、コピー機、湯沸かしポット等であることを特徴とする請求項31に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
  35. 前記調節可能、一時停止可能及び待機可能な特性を備えない電気機器がガス検出器、人工呼吸器、ルーター等のネットワーク機器等であることを特徴とする請求項30に記載のコンピュータに実行させるプログラム。
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  38. 請求項28に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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