JP5410060B2 - イオン液体によるリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン液体を用いてリグノセルロース系バイオマスの中からセルロースとリグニンを簡便且つ効率よく除去分離する方法に関するものである。
リグノセルロース系バイオマス材料である木質系バイオマス又は草本系バイオマスは、植物が生産し地球上に膨大に存在するバイオマス資源であり、その利用に注目が集まっている。
しかし、その直接的利用としては建築用材料、家具用材料または木質チップ等の成形用材料がるが、それに利用されるのは木質系バイオマスのごく一部にすぎない。
また、木質系バイオマスを脱リグニンして、その成分であるセルロースを抽出してパルプ等として間接的に利用はなされているが、その場合でも、廃液や廃泥の大量排出による環境汚染や過大なエネルギー消耗等の問題点があり、また、製造されるセルロースの収率が低さ、セルロースの品質が低下等の問題もある。
さらには、従来の脱リグニン処理では、除かれたリグニンはほとんど利用されていなかった。
一方、近年、セルロースを溶解するのに、イオン液体を溶媒とする方法が提案されセルロースの溶解することについては研究開発が進んできている(特許文献1および2)
しかし、これらにおいてイオン液体処理する対象物質は、脱リグニン化されたセルロースを対象とするものであり、リグニンを含むリグノセルロース系バイオマスをイオン液体を用いて処理する開発は未だなされていない。
特表2005−506401 特開2008−50595
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、リグノセルロース系バイオマス中のリグニンを効率よく、さらにセルロースの副反応を抑えて除去分離するため、イオン液体を含有する処理溶媒を用いてリグノセルロース系バイオマスを膨潤し、更にリグニンを分解させ、その後水又は有機溶媒を用いて洗浄除去することを特徴とするセルロースとリグニンの分離方法を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明の目的を達成し得る製造方法、すなわち特定のイオン液体を含む溶媒中でリグノセルロース系バイオマスを加熱処理することによってリグノセルロース材料中のリグニンが膨潤、分解されて処理溶媒中に溶解、分離する方法を見出すことができて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法は、以下のとおりである。
(1)リグノセルロース系バイオマス材料からリグニンを除去する方法であって、水酸基含有化合物と水の少なくとも1種と、脱リグニン反応触媒と、下記の化1化学式で表させるイオン液体および有機溶媒を含有する溶媒とを含む混合処理液を用いて、リグノセルロース系バイオマスを処理し、リグノセルロース材料中のリグニンを混合処理液中に溶解させて除去することを特徴するリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。

式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素1〜4のアルキル基またはアリル基である。Xはハロゲン又は擬ハロゲンである。
(2)リグノセルロース系バイオマス材料からリグニンを除去する方法であって、リグノセルロース系バイオマスに前記イオン液体および有機溶媒を含有する溶媒を用いて処理し、リグノセルロース系バイオマスを膨潤させた後に、水酸基含有化合物と水の少なくとも1種と、脱リグニン反応触媒を用いて処理することによりリグノセルロース材料中のリグニンを混合処理液中に溶解させて除去することを特徴するリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
(3)前記有機溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトニトリル、エタノール、メタノールの中から選ばれる一つ以上の化合物を含有することを特徴とする又はに記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
(4)前記水酸基含有化合物が、フェノール類であることを特徴とする)から()のいずれかに記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
(5)前記水酸基含有化合物がメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンから選ばれる1種以上の物質であることを特徴とする)から()のいずれかに記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法
(6)前記脱リグニン反応触媒が、無機酸、有機酸、アルカリ、酸化剤からなる群から選択される少なくとも1種の脱リグニン反応触媒を含有することを特徴とする)から(5)のいずれかに記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
(7)前記水酸基含有化合物および前記脱リグニン反応触媒によりリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離処理を行う際の処理温度が、0〜180℃であることを特徴とするからのいずれかに記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。

(8)更にリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離処理では押出機を用いて連続で行うと効率は一層高くなるため好ましい。
本発明では、リグノセルロース系バイオマスに前記イオン液体および有機溶媒を含有する溶媒を用いて処理することにより、リグノセルロース系バイオマスの中のセルロースとリグニンを効率よく分離することができると共に、リグノセルロースの各成分の副反応を抑えられる。本発明のセルロースとリグニンの分離方法により得られたセルロースは、収率がよく、糖化原料や樹脂の補強材として利用できる。さらに分離したリグニン成分は基礎化工原料、樹脂原料、接着剤、燃料、ガソリンとして利用できる。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明では、リグノセルロース系バイオマス材料からリグニンを除去する方法において、水酸基含有化合物と水の少なくとも1種と、下記の化1化学式で表させるイオン液体とからなる混合処理液を用いて、リグノセルロース系バイオマスを処理し、リグノセルロース材料中のリグニンを膨潤、分解させて混合処理液中に溶解させてから除去することを特徴するリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法である。

式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素1〜4のアルキル基またはアリル基である。Xはハロゲン又は擬ハロゲンである。
本発明に用いるイオン液体は前記化1で示される化合物であれば特に限定はされないが、より好ましいイオン液体としては、例えば、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムが挙げられる。
水酸基を有する化合物はリグニンと反応し、リグニンの分解(低分子量化)を促進すると共に低分子量化されたリグニンの再縮合反応を抑制する役割がある。水酸基を持つ化合物は特に限定されないが、アルコール又はフェノールであれば良い。リグニンの分解反応性を向上するためには特に炭素数が8個以下のものが好ましい、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、フェノール、クレゾール等がある。より好ましくはメタノール、エタノール、フェノール、クレゾール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンである。
アルコールやフェノール類化合物はリグノセルロース材料への浸透性・膨潤性は低いためイオン液体に対しての含有量は50%以下であることが好ましい、より好ましくは35%以下である。50%より大きくなるとイオン液体を含有する混合溶媒はリグノセルロース材料への浸透・膨潤性が失う恐れがあるため好ましくない。
リグノセルロースバイオマスを処理混合溶媒の中に無機酸、有機酸、アルカリ、酸化剤などからなる群から選択される少なくとも1種の脱リグニン反応触媒を添加することによってリグニンの低分子量化や溶解速度を顕著に向上することができる。
酸であれば特に限定されていないが、無機酸では硫酸、塩酸、硝酸、燐酸を挙げられる。有機酸では酢酸、蟻酸を揚げられる。酸化剤では銀、銅、第二鉄(Fe+3)、スズの塩類化合物、酸素、過酸化水素、又は有機過酸化物などが挙げられる。
反応触媒の添加量は触媒の種類、バイオマスの種類、処理媒体の組成に依存する。強酸又は強アルカリの化合物であれば10重量%の添加量が好ましい。又弱酸、弱アルカリや酸化剤の場合では20重量%以下の添加量が好ましい。それらの添加量以上を添加すると、セルロースの分解反応やリグニンの再縮合反応が発生する恐れがあるため好ましくない。
イオン液体のみでもリグノセルロース系バイオマスを処理することも出来るが、バイオマス材料への浸透性又は膨潤性を高めるために有機溶媒を添加して使用することが好ましい。添加する有機溶媒種はイオン液体との相溶性、リグノセルロース材料との親和性、混合溶媒の溶解性、粘度などを考慮し適宜選択すればよいが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトニトリル、の内のいずれかの一つ以上を使用することが好ましい。
これらの有機溶媒の共存によりイオン液体を含有する処理媒体はリグノセルロース材料への浸透が促進され、リグニンの分離効率を向上することが出来る。
有機溶媒の適切添加量はバイオマスの種類、イオン液体、有機溶媒などの種類に依存する。これらの影響因子に応じて適宜調整すればよい。しかし溶液中のイオン液体の含有量は重量比で20%未満の場合、膨潤・浸透能力は不十分となり十分なセルロースとリグニンの分離が出来ない。リグニンの膨潤・浸透力がより高いためイオン液体含有量は30%以上であることがより好ましい。
前記混合処理液を用いてリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離処理を行う際、処理温度が一般的な従来法に用いた温度範囲、例えば30〜250℃であればよいが、セルロースの分解や低分子量化したリグニンの再縮合反応を避けるために30〜200℃の温度範囲が好ましい。更により好ましいのは30〜180℃である。又30℃より低くなるとリグニンの膨潤・反応速度は落ちるため好ましくない。
さらに本発明において、原料として用いられるリグノセルロース系バイオマスは植物系のバイオマスであれば特に制限はないが、例えば木質系又は草本系植物原料
が挙げられる。この木質系原料としては、例えば間伐材、製材屑、解体家屋残材、木材加工屑、家具廃材などがあり、また草本系原料としては、例えばバガス、籾殻、稲藁、麦藁、竹、コウリャン茎、ケナフ、ココナッツヤシ殻、農産物廃棄物などがある。
これらのリグノセルロース系バイオマスは、リグニンの除去処理を効率よく行うために、あらかじめ50mm以下のサイズに粗粉砕しておくのが好ましい。
本発明に用いる反応容器としては、特に制限されないが、例えば、簡便化や省エネルギーのため押出機を用いて連続で行なうことが好ましく。
反応時間は、特に制限されないが、通常0.5〜
48時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜12時間である。また、反応圧力は、処理溶媒や処理温度に依存するが、常圧〜3MPaの範囲である。
リグニンの膨潤性と分解反応性が影響しない限り、セルロースとリグニンの分離用の各処理溶媒を入れる順は特に限定されないが、イオン液体と有機溶媒をまず混合し、それにリグノセルロース系バイオマスを加え、膨潤のあと水酸基を含む化合物やリグニンの反応触媒を加えてから熱処理することが好ましい。少なくとも、リグノセルロース系バイオマスへのイオン液体とその他の添加剤は同時に添加される必要があり、リグノセルロース系バイオマスとイオン液体の以外の添加剤と先に混ぜると、イオン液体のリグノセルロースに対する膨潤性が落ちるため好ましくない。
次に、図1に従って本発明方法によりセルロースとリグニンを分離除去するプロセスの一例について説明する。
粉砕したリグノセルロース系バイオマスを有機溶媒を含有するイオン液体に浸漬し、一定の温度(30〜185℃)で攪拌し、一定の時間が経過したらリグノセルロースが膨潤、または部分溶解な状態になる。そのとき処理系内の混合液は粘調であった。その後水酸基を含有する化合物と酸、アルカリ、塩など処理触媒の混合物を加え更に一定な時間で攪拌した後、攪拌を停止し、温度を室温まで下げる。
この処理プロセスによりリグノセルロースバイオマス中のリグニン又はヘミセルロースは水酸基を含有する化合物と反応し、処理溶媒に可溶となって液相の中に含まれる。
固形成分はセルロースを主成分としリグニン含有量が低い炭水化物であり、沈殿又はろ過することによって回収できる。このままでも酵素糖化原料、製紙用パルプ、または樹脂のフィラーや補強剤として非常に有用である。更に精製することによってセルロースの品質は一層上がることができる。
セルロースとリグニンの分離処理後の処理溶液と脱リグニン処理されたセルロースの分離・精製について下記の通りに説明する。
この分離した固形成分は、さらに精製することによってセルロース繊維を得ることができる。
また、リグニン含量が高い液相成分は水を加えることによりリグニンを水の中に析出させることにより、水溶液としてヘミセルロースとその単糖を回収できる。析出したリグニン成分はリファイナリ処理により接着剤、基礎化工原料、燃料などとして利用できる。
以下は実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。本発明で用いたリグノセルロース系バイオマスは米松である。
<実施例1>
冷却管と攪拌機を付ける200mLの三口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド250mLとイオン液体塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム50gを加え、80℃で攪拌しながら米松木粉(粒子径0.5mm)6.5gを加えてから更に30分攪拌した後フェノール6.5gと硫酸1.5gを添加してから温度を120℃まで上昇し、更に2時間攪拌した後、加熱を止め、フラスコを冷却した後、Ultra-Turraxホモジナイザーをもちいて13000rpmで5分間処理を行なった。その後反応溶液を遠心分離器にて固体分と液体分を分離し、固体成分をアセトンとメタノールの混合溶媒で数回洗浄した後、50℃で減圧乾燥して重量を測定した。得られた黄色の個体物は光学見学微鏡で観察し、図2に示すように微細な繊維状の物質であった。これはリグニンが除去されたミクロフィブリルセルロースだと推測する。また、繊維の表面に付着するもとが少ないことがリグニンは殆ど除去したことを示す。乾燥後の固体分の重量は3.86gであり、液体分は濃い茶色であった。
<実施例2>
フェノールの代わりに、エチレングリコール8gを用いた以外は実施例1と同様にして米松木粉を処理した。得られた固体分の重量は3.62gであり、液体分は濃い茶色であった。
<実施例3>
硫酸1.5gの代わりに、水酸化ナトリウム5gを用いた以外は実施例1と同様にして木粉を処理した。得られた固体分の重量は3.90gであった。液体分は濃い茶色であった。
<比較例1>
イオン液体を添加せず、その代わりN,N−ジメチルアセトアミドの添加量を50mLから130mLまで増えた以外実施例1と同様に米松を処理した。得られた個体分の重量は6.2gであり、色は処理前の木粉とほぼ同様であった。また、得られた液体分は淡黄色であった。これらの結果は木材の中のリグニンは殆ど除去されていないことを示した。
本発明により分離したリグニン成分はリファイナリにより基礎化工原料、燃料、ガソリン添加剤、接着剤、樹脂原料などとして再利用できる。更にセルロースとリグニンの分離したセルロースは製紙用パルプ、補強材やバイオエタノールの生産原料として有用である。
本発明の方法を用いれば、間伐材、木片、木粉などこれまでほとんど利用価値がなかった木質系植物構造体や、ケナフや牧草などの草本系植物構造体から、セルロース成分とリグニン成分を、化石燃料の消費を極めて少量にして簡単に分離することが可能となる。このことは、地球規模での二酸化炭素削減に貢献することになり、従来の化石燃料依存型の産業構造を崩さず、更なる新規エネルギー、新規材料を提供することになる。
本発明方法を実施するためのセルロースとリグニンの分離プロセスの説明図である 実施例1 で得られた固体分の光学顕微鏡写真(400倍)である。

Claims (4)

  1. リグノセルロース系バイオマス材料からリグニンを除去する方法であって、リグノセルロース系バイオマスに、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム及び臭化1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムの中から選ばれる一つ以上のイオン液体並びにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン及びアセトニトリルの中から選ばれる一つ以上の有機溶媒を含有する溶媒を用いて処理し、リグノセルロース系バイオマスを膨潤させた後に、水酸基含有化合物と水の少なくとも1種と、脱リグニン反応触媒を用いて処理することによりリグノセルロース材料中のリグニンを混合処理液中に溶解させて除去することを特徴するリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
  2. 前記水酸基含有化合物が、フェノール類であることを特徴とする請求項1に記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
  3. 前記水酸基含有化合物がメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンから選ばれる1種以上の物質であることを特徴とする請求項1に記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
  4. 前記脱リグニン反応触媒が、無機酸、有機酸、アルカリ、酸化剤などからなる群から選択される少なくとも1種の脱リグニン反応触媒を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリグノセルロース系バイオマスのセルロースとリグニンの分離方法。
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