JP5409414B2 - 定着装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー画像を担持した記録媒体を加熱ベルトと加圧ローラとのニップ間に通しながら、未定着トナーを加熱溶融させて用紙に定着させる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置においては近年、定着装置でのウォームアップタイムの短縮や省エネルギー等の要望から、熱容量を少なく設定できるベルト方式が注目されている。また、近年、急速加熱や高効率加熱の可能性をもった電磁誘導加熱方式(IH)が注目されており、カラー画像を定着させる際の省エネルギー化の観点から、電磁誘導加熱をベルト方式と組み合わせたものが多数製品化されている。
詳しくは、この電磁誘導加熱方式においては、ベルトの外側に電磁誘導のための磁界を発生させるコイルを配置した構造(いわゆる外包IH)や、定着装置の省スペース化を図る点を鑑み、厚肉のヒートローラの内側にコイルを配置した構造(いわゆる内包IH)が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2009−42450号公報 特開2006−267419号公報
ところで、上記内包IHにおいて、定着装置の低熱容量化を図ってさらなるウォームアップタイムの短縮を達成するためには、上述した厚肉のヒートローラタイプに替えて、薄肉の摺動ベルトタイプを利用することが望ましい。
一方、この摺動ベルトを用いる場合には、摺動部材がベルト内部に設けられる。薄肉のベルトと加圧ローラとの間にニップを形成させるためである。そして、この摺動部材を、特許文献2等の如くコイルの磁界によって発熱可能に構成すれば、非通紙域での過昇温を防止できる。
しかしながら、この発熱可能な摺動部材は、摺動ベルトの回転軸線方向(長手方向)に沿って延びており、コイルの外周面との接触を避けなければならない。この場合に、例えば、摺動部材を定着装置のカバー等で単に支持すると、摺動部材の長手方向中央部分がコイルに向けて大きく撓んでニップを形成できないとの問題がある。ひいては、用紙のシワや摺動ベルトの蛇行などを招くし、却って摺動部材とコイルとの接触も招くとの問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、コイルと摺動部材との接触を回避しつつ、所望のニップ長を確保できる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、搬送される記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転し、可撓性を有した加熱回転体と、加熱回転体の内面にて、この回転軸線に交差する方向に巻き回されてこの加熱回転体を誘導加熱するための磁界を発生させるコイル、回転軸線方向に延びてその外周面にコイルを保持するコイル保持部、及び、磁界によって発熱し、回転軸線方向に延びて加熱回転体と対峙した加圧回転体との間にその長手方向に亘るニップを形成させる摺動部材をそれぞれ備えた電磁誘導加熱ユニットとを具備しており、この摺動部材は、コイル保持部によって加圧回転体に向けて押圧支持されている。
第1の発明によれば、コイルで発生させた磁界により加熱回転体を誘導加熱してトナー画像の加熱溶融を行う方式(内包IH)を採用する。この内包IHの構成によって、上述の外包IHに比して定着装置に要するスペースが少なくて済む。また、コイルが加熱回転体の回転軸線に交差する方向、つまり、ラジアル方向にてコイル保持部の周面に巻き回されているため、加熱回転体の周方向全域を加熱でき、定着の高速化を図ることができる。
さらに、本発明によれば、加熱回転体は、可撓性を有して加圧回転体に対峙しており、例えばヒートローラや定着ローラの如く厚肉のローラで構成する場合に比して定着の熱容量が少なくなることから、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。
ここで、本発明のコイル保持部は、その外周面が上記回転軸線方向(長手方向)に延びており、ラジアル方向で螺旋状に巻回されたコイルを保持するのみならず、この回転軸線方向に延びた外周面で摺動部材を加圧回転体に向けて押圧支持しており、この摺動部材を加熱回転体に強く圧して摺動部材の特に長手方向中央部分の撓みを抑制する。この結果、加熱回転体の内側に、ラジアル巻きのコイルや発熱する摺動部材を備えた構造であっても、コイルと摺動部材との接触を回避しつつ、これら加熱回転体と加圧回転体との間に所望のニップ長を確保できる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、コイル保持部は、その外周面に略等間隔で形成された複数のリブを有し、摺動部材は、このリブの先端面に当接して押圧支持される一方、コイルは、このリブの間に巻き回されていることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、摺動部材をコイル保持部から延びたリブで支持すれば、コイルと摺動部材との接触を確実に回避できる。さらに、コイル間のピッチが同じになるため、均一な磁界が得られ、発熱性能の向上に寄与する。
第3の発明は、第1や第2の発明の構成において、摺動部材は、常温では磁性を有するも所定の温度以上になるとこの磁性が消失する整磁材料で構成された発熱層と、発熱層に重ねられ、その磁性の消失によって到達する磁界を用い、発熱層が上述した所定の温度以上になっても発熱し続けるのを抑制する材料で構成された支持層とを備え、この支持層が発熱層と加熱回転体との間に狭持されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、摺動部材が発熱層及び支持層との2層で構成されているが、この発熱層は、その温度によって透磁率が変化する感温磁性材料で構成され、コイルと支持層との間に配置されている。換言すれば、この支持層が発熱層と加熱回転体との間に狭持されている。
つまり、発熱層が所定の温度未満の場合には、コイルで発生した磁界は加熱回転体及び発熱層を発熱させる。ここで、仮に幅の狭い記録媒体を通過させると、長手方向に延びた発熱層のうち記録媒体に接触しない部分の温度は、その熱が記録媒体に伝わらないために上昇して当該所定の温度を超える。これにより、発熱層は非磁性となり、磁界がこの発熱層を貫通して支持層に到達する。
支持層は、この到達した磁界を用いて当該所定の温度以上になった発熱層が発熱し続けるのを抑制できる材料で構成されている。よって、幅狭の記録媒体が通過しても、発熱層のうち記録媒体に接触しない部分の過昇温を防止できる。
第4の発明は、第1から第3の発明の構成において、コイル保持部は、回転軸線方向でみた摺動部材の略中央部分を加圧回転体に向けて押圧支持する補強部材を備えられていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、補強部材が、摺動部材の長手方向略中央部分を加圧回転体に向けて押圧支持するため、摺動部材の撓みをより一層抑制できる。
第5の発明は、第1から第4の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を記録媒体に定着させる画像形成装置であることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、所望のニップ長を確保して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置の信頼性が向上する。
本発明によれば、コイル保持部で摺動部材を加熱回転体に強く圧しているため、コイルと摺動部材との接触を回避しつつ、所望のニップ長を確保できる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
一実施形態の画像形成装置の構成を示した概略図である。 定着ユニットの外観斜視図である。 定着ユニットの構造例を示す縦断面図である。 定着ユニットの構造例を示す横断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、一実施形態の画像形成装置1の構成を示した概略図である。画像形成装置1は、例えば外部から入力された画像情報に基づいて記録媒体の一例としての用紙の表面にトナー画像を転写して印刷を行うプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機等としての形態をとることができる。また、以下の実施形態では、記録媒体は用紙に限らず、用紙以外の記録媒体(OHPシートなど)であっても実施可能である。
図1に示される画像形成装置1は、例えばタンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置1は、内部で用紙にカラー画像を形成(プリント)する四角箱状の装置本体2を備え、この装置本体2の上面部には、カラー画像が印刷された用紙を排出するための排出トレイ3が設けられている。
装置本体2内において、その下部には、用紙を収納する給紙カセット5が配設されている。また、装置本体2内の中央部には、給紙カセット5に収容していない用紙を装置本体2へ供給するスタックトレイ6が配設されている。そして、装置本体2の上部には画像形成部7が設けられており、この画像形成部7は、画像形成装置1と接続されたPC等の上位装置から送信される文字や絵柄などの画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
図1でみて装置本体2の左部には、給紙カセット5から繰り出された用紙を後述の二次転写部23に搬送する第1の搬送路9が配設されており、装置本体2の右部から左部にかけては、スタックトレイ6から繰り出された用紙を二次転写部23に搬送する第2の搬送路10が配設されている。また、装置本体2内の左上部には、二次転写部23で画像が形成された用紙に対して定着処理を行う定着ユニット(定着装置)14と、定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する第3の搬送路11とが配設されている。
給紙カセット5は、装置本体2の外部(例えば図1の手前側)に引き出すことにより用紙の補充を可能にする。この給紙カセット5は収納部16を備えており、この収納部16には、給紙方向のサイズが異なる少なくとも2種類の用紙を選択的に収納可能である。なお、収納部16に収納されている用紙は、給紙ローラ17及び捌きローラ対18により1枚ずつ第1の搬送路9側に繰り出される。
スタックトレイ6は、装置本体2の外面にて開閉可能であり、その手差し部19には用紙が1枚ずつ載置されるか、又は複数枚が積載される。なお、手差し部19に載置された用紙はピックアップローラ20及び捌きローラ対21により1枚ずつ第2の搬送路10側に繰り出される。
第1の搬送路9と第2の搬送路10とはレジストローラ対22の手前で合流しており、レジストローラ対22に到達した用紙はここで一旦待機し、スキュー調整とタイミング調整を行った後、二次転写部23に向けて送出される。送出された用紙には、二次転写部23で中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー画像が用紙に二次転写される。この後、定着ユニット14でトナー画像が定着された用紙は、必要に応じて第4の搬送路12で反転され、最初とは反対側の面にも二次転写部23でフルカラーのトナー画像が二次転写される。そして、反対面のトナー画像が定着ユニット14で定着された後、第3の搬送路11を通って排出ローラ対24により排出トレイ3に排出される。
画像形成部7は、ブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各トナー画像を形成する4つの画像形成ユニット26〜29を備える他、これら画像形成ユニット26〜29で形成した各色別のトナー画像を重畳して担持する中間転写部30を備えている。
各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム32と、感光体ドラム32の周面に対向して配設された帯電部33と、帯電部33の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面上の特定位置にレーザビームを照射するレーザ走査ユニット34と、レーザ走査ユニット34からのレーザビーム照射位置の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設された現像部35と、現像部35の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設されたクリーニング部36とを備えている。
なお、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32は、図示しない駆動モータにより図中の反時計回り方向に回転する。また、各画像形成ユニット26〜29の現像部35には、各現像装置51にブラックトナー、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーを含む二成分現像剤がそれぞれ収納されている。
中間転写部30は、画像形成ユニット26の近傍位置に配設された後ローラ38と、画像形成ユニット29の近傍位置に配設された前ローラ39と、後ローラ38と前ローラ39とに跨って配設された中間転写ベルト40と、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32における現像部35の感光体ドラム32の回転方向下流側の位置に中間転写ベルト40を介して圧接可能に配設された4つの一次転写ローラ41とを備えている。
この中間転写部30では、各画像形成ユニット26〜29の一次転写ローラ41の位置で、中間転写ベルト40上に各色別のトナー画像がそれぞれ重ね合わせて転写されて、最後にはフルカラーのトナー画像となる。
第1の搬送路9や第2の搬送路10は、給紙カセット5やスタックトレイ6から繰り出されてきた用紙を二次転写部23側に搬送するものであり、装置本体2内で所定の位置に配設された複数の搬送ローラ対43と、二次転写部23の手前に配設され、画像形成部7における画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取るためのレジストローラ対22とを備えている。
定着ユニット14は、画像形成部7でトナー画像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、未定着トナー画像を用紙に定着させる処理を行うものである。定着ユニット14は、例えば加圧ローラ(加圧回転体)44と可撓性を有した摺動ベルト(加熱回転体)45とを備え、このうち加圧ローラ44が例えば金属製の芯金と弾性体の表層及び離型層を有するものであり、摺動ベルト45が金属製の基材と弾性体の表層及び離型層を有するものである。なお、定着ユニット14の詳細な構造についてはさらに後述する。
用紙の搬送方向でみて、定着ユニット14の上流側及び下流側にはそれぞれ搬送路47が設けられており(図1)、二次転写部23を通って搬送されてきた用紙は上流側の搬送路47を通じて加圧ローラ44と摺動ベルト45との間のニップに導入される。そして、加圧ローラ44及び摺動ベルト45間を通過した用紙は下流側の搬送路47を通じて第3の搬送路11に案内される。
第3の搬送路11は、定着ユニット14で定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する。このため第3の搬送路11には、適宜位置に搬送ローラ対49が配設されるとともに、その出口には上記の排出ローラ対24が配設されている。
〔定着ユニットの詳細〕
次に、本実施形態の画像形成装置1に適用された定着ユニット14の詳細について説明する。
図2は、定着ユニット14の外観斜視図であり、図3は、この定着ユニット14の構造例を示す縦断面図である。なお、これら図2,3では、画像形成装置1に実装した状態から向きを約90°反時計回りに転回させて示している。したがって、図1中でみて下方から上方への用紙搬送方向は、図2,3でみると右方から左方となる。つまり、図3の用紙Pは定着ユニット14に搬送される直前の状態である。なお、装置本体2がより大型(複合機等)である場合、図3に示される向きで実装されることもある。また、この他のレイアウトとして、図3に示される状態から左右いずれかに傾斜した姿勢で定着ユニット14が配置される場合もある。
本実施例の定着ユニット14は、上記のように加圧ローラ44及び摺動ベルト45を備えている。加圧ローラ44は、例えば金属製(例えば、SUS)の芯金上に厚み2〜5mm程度のシリコンゴム層を形成し、さらにPFAチューブを被せた直径25mm程度のローラとしている。なお、加圧ローラ44の内側にはハロゲンヒータが設けられていてもよい。
摺動ベルト45は、その基材の厚みが例えば35μm(1μm=1×10−6m)の強磁性材料(例えばNi電鋳基材)であり、その表層に厚み300μm程度の薄膜の弾性層(例えば、シリコンゴム)が形成され、その外面には離型層(例えば、PFA)が形成されており、その発熱温度を例えば150〜200℃の範囲に調整される直径30mm程度の無端状の薄肉ベルトである。
この摺動ベルト45の表面温度は、ベルト45の径方向外側に所定距離をおいて配置された非接触するタイプの温度センサで測定される。
また、図2に示されるように、加圧ローラ44にはステッピングモータ66が装備されており、加圧ローラ44はこのモータ66からの動力により、搬送される用紙の幅方向に延びた軸線回りに回転する。この加圧ローラ44の回転駆動(図3でみて反時計回り)に伴い、摺動ベルト45が従動回転(図3でみて時計回り)し、摺動ベルト45と加圧ローラ44との間にはニップが形成される。
〔電磁誘導加熱ユニット〕
この他に定着ユニット14は、摺動ベルト45の内側にIHコイルユニット(電磁誘導加熱ユニット)50を備えている(図1には示されていない)。IHコイルユニット50は、細い線材を束ねたリッツ線である誘導加熱コイル(コイル)52をはじめ、上記ニップを形成させる摺動部材80や、誘導加熱コイル52の周囲にて磁路を形成するべく、フェライト等の強磁性体で構成された不図示のコア部から構成されている。
〔コイル〕
誘導加熱コイル52は、摺動ベルト45を誘導加熱するための磁界(磁束)を発生させる。そのため、誘導加熱コイル52は摺動ベルト45の内面48に沿って配置される。実際には、摺動ベルト45の内側にはコイルボビン(コイル保持部)53が配置されており(図3)、このコイルボビン53上に誘導加熱コイル52が巻線状に配置される構成である。
〔コイル保持部〕
コイルボビン53は、摺動ベルト45の内面48に沿う円筒状に成形され、摺動ベルト45の回転軸線方向(長手方向)に沿って延びている。そして、本実施例のコイル52は、コイルボビン53の外周面にて当該長手方向に交差する方向、つまり、ラジアル方向に巻き回されており(図4)、本実施例のコイルボビン53は上記長手方向に沿って螺旋状に巻回されたコイル52を保持する。なお、コイルボビン53の材質は、耐熱性樹脂(例えばPPS、PET、LCP)であることが好ましく、また、コイル52のコイルボビン53への固定は例えばシリコン系接着剤を用いて行う。
〔摺動部材〕
摺動部材80は、上記長手方向に沿って延びた薄板状に形成され、摺動ベルト45の内面48にて加圧ローラ44との対峙部分に固定して配置されており(図3,4)、この固定の摺動部材80の下面部分が回転する摺動ベルト45の内面48に擦れ合って接触し、摺動ベルト45と加圧ローラ44との間に上記ニップを形成させる。詳しくは、摺動部材80は、その長手方向に亘って加圧ローラ44からの押圧力を受けており、摺動ベルト45と加圧ローラ44との間にはトナー画像を用紙に定着させるフラットなニップが形成されている。
〔発熱層〕
また、本実施例の摺動部材80はコイル52からの磁束によって発熱可能に構成されている。具体的には、図3に示される如く、摺動部材80は、透磁性・導電性の発熱層82と非磁性・導電性の支持層86との2層で形成される。
まず、発熱層82は、整磁材料(例えばFe−Ni合金など)で構成された上記長手方向の長さ294mm、厚み0.6mm程度の薄板状であり、その上面83がコイル52の外周面に対峙している(図4)。そして、発熱層82は、常温では磁性を有するのに対し、この発熱層82が所定の温度(キュリー温度)以上になると磁性が消失して非磁性(常磁性)になる性質を有しており、自己温度制御可能に構成されている。
〔支持層〕
一方、支持層86は発熱層82と摺動ベルト45との間に位置し、図4に示す支持層86の下面88が摺動ベルト45の内面48に摺接する。
この支持層86は、例えばアルミニウム若しくは銅で構成された上記長手方向の長さ294mm、厚み0.03mm程度の薄板状であり、その上面部分が発熱層82の下面部分に重ねられて一体形成されており、発熱層82が上述した所定の温度以上になっても発熱し続けるのを抑制する機能を有している。
〔リブ〕
ところで、摺動部材80は、コイルボビン53によって摺動ベルト45に向けて押圧支持されている。
詳しくは、図4に示されるように、コイルボビン53は、その外周面のうち発熱層82に対峙した位置に複数のリブ70を有する。本実施例のリブ70は上記長手方向に沿って略等間隔で突設され(図4)、コイルボビン53の外周面から発熱層82に向けて突き出ている。そして、コイル52は、各リブ70の間に巻き回されるとともに、これら各リブ70の先端面71が発熱層82の上面83に当接することにより、各リブ70は支持層86の下面88を摺動ベルト45の内面48に向けて強く圧している。
このように、コイル52の外周面と摺動部材80の上面83との空間はコイルボビン53のリブ70によって確保される。
〔補強部材〕
コイルボビン53による摺動部材80への押圧力は、リブ70の他、例えば金属製(例えば、SUS)の補強部材90によって確実になる(図3)。具体的には、この補強部材90は、コイルボビン53の内側にて上記長手方向に沿って延びており、摺動部材80の法線方向、つまり、図3の姿勢で云えば上下方向でコイルボビン53を支持する。この結果、摺動部材80への押圧力によって円筒状のボビン53に生じた反力は補強部材90で受けられる。
〔コア部〕
また、このコイルボビン53の内周面には、補強部材90の他、上述したコア部も配置されており、上記長手方向に沿って延びてコイル52の周囲にて磁路を形成する。
そして、上記の如く構成された定着ユニット14では、不図示の高周波電源からコイル52に高周波電流が供給されると、コイル52には磁界が発生する。この磁界はコイルボビン53の径方向外側に向かって進み、摺動ベルト45及び摺動部材80に到達して発熱させる。
具体的には、この摺動部材80の発熱層82では、そのキュリー温度に達するまで発熱し続け、用紙上のトナー画像は摺動ベルト45と加圧ローラ44とのニップで溶融定着される。
一方、発熱層82は、その温度がキュリー温度に達すると非磁性になる。例えば、仮に幅の狭い用紙を連続して通過させると、上記長手方向に延びた発熱層82のうち通紙領域よりも外側部分の温度は上昇して当該キュリー温度を超える。この結果、発熱層82は非磁性となり、磁界は発熱層82を貫通して支持層86に到達する。
この支持層86に対し、その浸透面を垂直方向(一方向)に貫通する貫通磁界(錯交磁束)が通過すると、支持層86の通紙領域の外側部分にはその周方向に誘導電流が生じる。これにより、電磁誘導によって貫通磁界とは逆向きの磁界(反磁界)が発生するので、これらが互いに打ち消しあってキャンセルする。本実施例では、この磁界のキャンセル効果を用いてコイル52からの磁束を遮蔽し、通紙領域の外側部分における発熱層82の過昇温を防止する。
以上のように、本実施例によれば、コイル52で発生させた磁界により摺動ベルト45を誘導加熱してトナー画像の加熱溶融を行う方式(内包IH)を採用する。この内包IHの構成によって、上述した外包IHに比して定着ユニット14に要するスペースが少なくて済み、定着ユニット14の省スペース化を図ることができる。
また、コイル52が摺動ベルト45の回転軸線(長手方向)に交差する方向、つまり、ラジアル方向にてコイルボビン53の外周面に巻き回されているため、摺動ベルト45の周方向全域を加熱でき、センサによる温度検知が容易になるし、また、局所加熱の構成よりも定着の高速化を図ることができる。
さらに、摺動ベルト45は、可撓性を有した薄肉で形成されて加圧ローラ44に対峙しており、例えばヒートローラや定着ローラの如く厚肉のローラで構成する場合に比して熱容量が少なくなることから、安定時間が約10秒間程度で足り、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。
ここで、本実施例のコイルボビン53は、その外周面が上記長手方向に延びており、ラジアル方向で螺旋状に巻回されたコイル52を保持するのみならず、この長手方向に延びた外周面で摺動部材80を加圧ローラ44に向けて押圧支持しており、この摺動部材80の下面88を摺動ベルト45の内面48に強く圧して摺動部材80の特に長手方向中央部分の撓みを抑制できる。この結果、薄肉の摺動ベルト45の内側に、ラジアル巻きのコイル52や発熱する摺動部材80を備えた構造であっても、コイル52と摺動部材80との接触を回避しつつ、これら摺動ベルト45と加圧ローラ44との間に所望のニップ長を確保できる。
また、摺動部材80をコイルボビン53から延びたリブ70で支持すれば、コイル52と摺動部材80との距離を確保してこれらコイル52と摺動部材80との接触を確実に回避できる。さらに、コイル52間のピッチが同じになるため、均一な磁界が得られ、発熱性能の向上に寄与する。
さらに、摺動部材80が透磁性・導電性の発熱層82及び非磁性・導電性の支持層86との2層である。発熱層82は、その温度によって透磁率が変化する感温磁性材料で構成され、コイル52と支持層86との間に配置されている。換言すれば、この支持層86が発熱層82と摺動ベルト45の内面48との間に狭持されている。
そして、支持層86は、キュリー温度以上になった発熱層82が発熱し続けるのを抑制できる材料で構成されており、仮に幅狭の用紙が連続通過しても、発熱層82のうち用紙の非通過部分は異常な高温にならない。
さらにまた、補強部材90が、摺動部材80の長手方向略中央部分を加圧ローラ44に向けて押圧支持するため、摺動部材80の撓みをより一層抑制できる。
また、所望のニップ長を確保して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置1の信頼性が向上する。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば、コア部の構成は中実状或いは中空状のいずれでも良く、また、回転若しくは固定のセンタコアにも適用可能である。
また、本実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているものの、本発明の画像形成装置は、複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、コイルと摺動部材との接触を回避しつつ、所望のニップ長を確保できるとの効果を奏する。
1 プリンタ(画像形成装置)
7 画像形成部
14 定着ユニット(定着装置)
44 加圧ローラ(加圧回転体)
45 摺動ベルト(加熱回転体)
50 IHコイルユニット(電磁誘導加熱ユニット)
52 誘導加熱コイル(コイル)
53 コイルボビン(コイル保持部)
70 リブ
71 先端面
80 摺動部材
82 発熱層
86 支持層
90 補強部材

Claims (4)

  1. 記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、
    搬送される前記記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転し、可撓性を有した加熱回転体と、
    前記加熱回転体の内面にて、この回転軸線に交差する方向に巻き回されてこの加熱回転体を誘導加熱するための磁界を発生させるコイル、前記回転軸線方向に延びてその外周面に前記コイルを保持するコイル保持部、前記コイル保持部の外周面に略等間隔で形成された複数のリブ、及び、前記磁界によって発熱し、前記回転軸線方向に延びて前記加熱回転体と対峙した加圧回転体との間にその長手方向に亘るニップを形成させる摺動部材をそれぞれ備えた電磁誘導加熱ユニットとを具備しており、
    前記摺動部材は、前記リブの先端面に当接して前記コイル保持部によって前記加圧回転体に向けて押圧支持されており、且つ、
    前記コイルは、前記リブの配置間隔と等しい巻き間隔で前記各リブの間に巻き回されていることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項に記載の定着装置であって、
    前記摺動部材は、常温では磁性を有するも所定の温度以上になるとこの磁性が消失する整磁材料で構成された発熱層と、前記発熱層に重ねられ、その磁性の消失によって到達する磁界を用い、この発熱層が前記所定の温度以上になっても発熱し続けるのを抑制する材料で構成された支持層とを備え、
    この支持層が前記発熱層と前記加熱回転体との間に狭持されていることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置であって、
    前記コイル保持部は、前記回転軸線方向でみた前記摺動部材の略中央部分を前記加圧回転体に向けて押圧支持する補強部材を備えられていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする画像形成装置。
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