JP5408010B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(以下「エンジン」という)に用いられる高圧ポンプに関する。
エンジンに用いられる高圧ポンプは、カムシャフトの回転によって往復移動するプランジャを備えている。高圧ポンプの動作は、具体的に、プランジャが上死点から下死点へ移動するときにポンプ内の燃料ギャラリから加圧室へ燃料を吸入する吸入行程、プランジャが下死点から上死点へ向かうときに一部の低圧の燃料を加圧室から燃料ギャラリへ戻す調量行程、及び、調量弁を閉じてからさらに上死点へ向かうプランジャによって加圧室の燃料が加圧される加圧行程に大別される。
このような高圧ポンプでは、プランジャが高速移動するため、プランジャとシリンダとの焼き付きが問題となる。そのため、シリンダをハウジングとは別部材で構成した高圧ポンプが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
独国特許出願公開第10322595号明細書 特開2008−286144号公報
しかしながら、シリンダをハウジングと別部材で構成する場合、部品点数が多くなり、製造コストが増加するという問題がある。
また、高圧ポンプは、通常、エンジンヘッドに組み付けられる。そして、例えば加圧行程において、高圧ポンプに、エンジンヘッドから離間させる方向の燃料の圧送反力が作用する。このため、高圧ポンプは、径方向に延びるフランジを介しボルト等で締結される。
ところが、このようなフランジを介したボルト等による締結は、ハウジングを歪ませる。仮に、この歪みがシリンダまで伝播すると、シリンダとプランジャとの焼き付きの原因となる。
この点、特許文献1,2では、シリンダとハウジングとを別部材で構成しているものの、依然としてハウジングの歪みがシリンダまで伝播する虞がある。また、特許文献1では、フランジがハウジングの下端部に溶接等で接合されていると考えられるため、フランジをボルトで締付けると接合部に応力が作用する虞がある。一方、特許文献2でも、エンジンヘッドに密着するシリンダホルダとハウジングとによってフランジが挟まれ、フランジがシリンダホルダ及びハウジングに対し相対移動できない構成となっているため、ボルトで締付けるとフランジが過度に引伸ばされる虞がある。結果として、特許文献1,2の技術では、フランジを介したハウジングの締結が不十分になることが懸念される。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高圧ポンプの締結において、締結による歪みがシリンダへ伝播することを抑制し、かつ、フランジを介し信頼性の高いハウジングの締結を実現することにある。
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の高圧ポンプは、エンジンヘッドに取り付けられ、燃料インレットから供給される燃料を加圧して吐出する。この高圧ポンプは、ハウジングと、フランジとを備える。
ハウジングは、シリンダ、円筒部、鍔部、及び、円筒空間を有する。シリンダは、燃料を加圧可能なプランジャを摺動可能に支持する。また、円筒部は、シリンダの周囲を囲むよう外郭を形成する。さらにまた、鍔部は、円筒部の円筒面に形成され径方向外側へ突出する。そして、鍔部とシリンダとの間に、円筒空間が形成されている。
後述するように鍔部を押さえ付けることでハウジングがエンジンヘッドに対し締結されるのであるが、このとき、鍔部付近に歪みが生じる虞がある。この点、本発明では、鍔部とシリンダとの間に円筒空間を形成したため、締結による歪みがシリンダへ伝播することを抑制できる。
また、フランジは、係合部、及び、締結部を有する。係合部は、鍔部を押さえ付ける部分である。一方、締結部は係合部に連続して形成され、この締結部には、ボルトの挿通穴が形成されている。このとき、フランジは、ボルトによる締結前にエンジンヘッドに載置された状態では、ハウジングに対し相対移動可能であり、かつ、エンジンヘッドと締結部の下面との間に隙間を生じるようになっている。そして、ボルトによる締結後には、隙間がなくなるように係合部を中心として弾性変形し、当該弾性変形の反力により鍔部をエンジンヘッド側へ押さえ付ける。
従来技術においても、フランジの下面とエンジンヘッドの間に隙間を設け、ボルトの締付軸力でフランジとハウジングの結合部またはフランジを変形させ、その変形反力をもってハウジングを押え付ける構成をとる。
しかしながら、特許文献1の構成ではその変形はフランジとハウジングの接合部に集中し、締結によりその接合部に応力が集中する虞がある。一方、特許文献2では、変形をすべてフランジの引伸ばしによって受け持たせる構成であり、締結による変形で同様にフランジに多大な応力が作用する虞がある。
これは、特許文献1,2とも、フランジがハウジングに対し相対移動できないよう固定されている為である。結果として、締結による変形量は僅かとなり、フランジの下面が密着するだけの変形はできないと考えられる。この場合、フランジの下面は浮いたままの状態であり、ボルトの緩みなどを生じさせる虞がある。
これに対し本発明では、ボルトによる締結前にあってはフランジがハウジングに対し相対移動可能となっているため、ボルトによる締結によって、フランジはハウジングとの相対位置を微小にずらしながら係合部を中心に弾性変形し、当該弾性変形の反力により鍔部をエンジンヘッド側へ押さえ付ける。これにより、フランジを介した信頼性の高いハウジングの締結を実現することができる。
ところで、鍔部は径方向外側へ突出するものとしたが、例えば請求項2に示すように、周方向にわたる溝状凹部を円筒面に形成することにより、当該溝状凹部の下方に鍔部を形成することが考えられる。
溝状凹部を円筒面の全周にわたって形成する場合等、溝状凹部に挿入される腕部を、係合部が有するような構成としてもよい。例えば請求項3に示すように、係合部は、鍔部を押圧する押圧部と、押圧部から二股に延びる腕部とを有していることとしてもよい。
本発明では、フランジがハウジングに固着されているわけではないため、ボルトによる締結前は、フランジがハウジングから脱落することが考えられる。そこで、請求項に示すように、鍔部の上面に突出する態様でピンを設け、このピンが遊嵌するピン穴を係合部に設けるようにしてもよい。このようにすれば、フランジがハウジングから脱落することがなく、組み付け作業が容易になる。また、フランジに対するハウジングの回動を規制することができる。
なお、フランジは、請求項に示すように、係合部が対向するようハウジングの両側に設けることが考えられる。ハウジングの両側の2つのフランジでハウジングを締結するようにすれば、部品点数が削減されるという点で有利である。
このときは、例えば請求項に示すように、対向配置されたフランジのそれぞれに、平面視線対称となる位置にピン穴を設けることが考えられる。このようにすれば、ハウジングの回動量を小さくすることができる。
例えば、ピン穴116を、図7(a)に示すように、2つのフランジ101の、対向する腕部114に、平面視線対称となるよう形成するという具合である。
この場合、ハウジング11が時計方向に回動した場合、図7(b)に示すように、右フランジ101のピン穴116から遠い側の腕部114がハウジング11に当接することで回動が規制される。
一方、ハウジング11が反時計方向に回動した場合、図7(c)に示すように、左フランジ101のピン穴116から遠い側の腕部114がハウジング11に当接することで回動が規制される。
このように、ピン穴116を線対称となる位置に形成したことによって、時計回りにハウジング11が回動する場合であっても、反対に、反時計回りにハウジング11が回動する場合であっても、左右いずれかのフランジ101のピン穴116から遠い側の腕部114にて回動が規制される。これにより、ハウジング11の回動量を小さくすることができる。
ところで、コスト削減という観点からは、シリンダとハウジングとを一体成形することが好ましい。部品点数が削減できるためである。このような構成を採用しても、ハウジング内部に円筒空間を形成したため、締結による歪みがシリンダへ伝播することを抑制できる。
一実施形態の高圧ポンプの構成を示す断面図である。 (a)はフランジの上面を示す斜視図であり、(b)はフランジの下面を示す斜視図である。 (a)はフランジの平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。 フランジがピンにてハウジングと遊嵌された様子を示す説明図である。 (a)はボルトによる締結前のフランジを示す説明図であり、(b)はボルトによる締結後のフランジを示す説明図である。 ピンの位置によるハウジングの回転を示す説明図である。 ピンの位置によるハウジングの回転を示す説明図である。 別実施形態のフランジを示す斜視図である。 フランジが一体化された高圧ポンプを示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。本形態の高圧ポンプは、車両に搭載されて用いられ、燃料タンクから低圧ポンプにて汲み上げられ燃料インレットから供給される燃料を加圧し、インジェクタの接続される燃料レールへ供給するものである。なお、燃料インレットの上流側には、低圧ポンプからの配管が接続される。
図1に示すように、高圧ポンプ1は、本体部10及び、燃料供給部30、調量弁部50、プランジャ部70、吐出弁部90を備えている。
本体部10は、外郭を構成するハウジング11を有する。このハウジング11の一部(図1中では上部)に、燃料供給部30が形成されている。
また、プランジャ部70は、燃料供給部30のちょうど反対側(図1中の下部)に設けられている。そして、プランジャ部70と燃料供給部30との中間付近に、燃料を加圧可能な加圧室12が形成されている。
さらにまた、燃料供給部30及びプランジャ部70の配列方向に直交する方向に、調量弁部50(図1中の左部)及び吐出弁部90(図1中の右部)が設けられている。
次に、燃料供給部30、及び、調量弁部50、プランジャ部70、吐出弁部90の構成について、詳細に説明する。
燃料供給部30は、燃料ギャラリ31を有する。燃料ギャラリ31は、ハウジング11の凹部13と蓋部14とによって囲まれた空間である。この燃料ギャラリ31には、ダンパユニット32が配設されている。このダンパユニット32は、2枚の金属製のダイアフラム33,34を接合してなる円形状のダンパ部材35と、支持部材36とで構成されている。ダンパユニット32は、波ばね37を介し蓋部14にて押圧されている。
次に、プランジャ部70について説明する。
図1に示すように、プランジャ部70は、プランジャ71、オイルシールホルダ72、スプリングシート73、及び、プランジャスプリング74などを備えている。
ハウジング11は、その内部に、シリンダ16を形成する。このシリンダ16の周囲は、略円筒状の円筒部11aとなっている。プランジャ71は、ハウジング11の内部に形成されたシリンダ16に支持される大径部711と、大径部711よりも外径の小さな小径部712とを有している。小径部712は、オイルシールホルダ72に、その周囲を囲まれている。これら大径部711及び小径部712は、一体となっており、軸方向に往復移動する。
オイルシールホルダ72は、シリンダ16の端部に配置されており、プランジャ71の小径部712の外周に位置する基部721と、ハウジング11に圧入される圧入部722とを有している。
基部721は、その内部に、リング状のシール723を有している。シール723は、内周のテフロンリング(「テフロン」は登録商標)と、外周のOリングとからなる。このシール723により、プランジャ71の小径部712周囲の燃料油膜の厚さが調整され、エンジンへの燃料のリークが抑制される。
また、基部721は、その先端部分に、オイルシール725を有している。このオイルシール725によって、プランジャ71の小径部712の周囲のオイル油膜の厚さが規制され、エンジンからのオイルの流入が抑制される。
圧入部722は、基部721の周囲に円筒状に張り出す部分であり、円筒部分は縦断面コ字状となっている。一方、ハウジング11には、圧入部722に対応する凹部17が形成されている。これにより、オイルシールホルダ72は、圧入部722が凹部17の径外方向の内壁に圧接する態様で圧入される。
また、本形態では特に、圧入部722の径内方向において凹部17との間に、円筒状の円筒空間727が形成されている。
スプリングシート73は、プランジャ71の端部に配設されている。プランジャ71の端部は、図示しないタペットに当接する。タペットは、図示しないカムシャフトに取り付けられたカムにその外面を当接させ、カムシャフトの回転により、カムプロファイルに応じて軸方向に往復移動する。これにより、プランジャ71が軸方向に往復移動することになる。
プランジャスプリング74は、スプリングシート73に一端を係止され、他端をオイルシールホルダ72の圧入部722の深部に係止されている。これにより、プランジャスプリング74は、プランジャ71の戻しバネとして機能し、プランジャ71をタペットに当接させるよう付勢する。
かかる構成により、カムシャフトの回転に応じたプランジャ71の往復移動が実現される。このとき、プランジャ71の大径部711によって、加圧室12の容積変化が作り出される。
次に、調量弁部50について説明する。
調量弁部50は、図1に示すように、ハウジング11によって形成される筒部51、筒部51の開口を覆う弁部カバー52、及び、コネクタ53等を備えている。
筒部51は、略円筒状に形成され、内部が燃料通路55となっている。燃料通路55には、略円筒状のシートボディ56が配置されている。シートボディ56は、その内部に、バルブ57を摺動可能に支持している。
また、バルブ57には、ニードル59が当接している。このニードル59は、上述した弁部カバー52を貫通し、コネクタ53の内部まで延びている。コネクタ53は、コイル531と当該コイル531へ通電するための端子532とを有している。コイル531の内側には、所定位置に保持される固定コア533、可動コア534、及び、固定コア533と可動コア534との間に介在するスプリング535が配置されている。ここで、可動コア534に固定されるのが、上述したニードル59である。つまり、可動コア534とニードル59とは一体になっている。
かかる構成により、コネクタ53の端子532を介して通電が行われると、コイル531にて発生する磁束によって固定コア533と可動コア534との間に磁気吸引力が発生する。その結果、可動コア534が固定コア533側へ移動し、これに伴ってニードル59が、加圧室12から離れる方向へ移動する。このときは、バルブ57の移動がニードル59にて規制されない。したがって、バルブ57がシートボディ56に着座可能となり、バルブ57の着座により、燃料通路55と加圧室12とが遮断される。
一方、コネクタ53の端子532を介した通電が行われないと、磁気吸引力は発生しないため、スプリング535によって、可動コア534が加圧室12側へ移動する。これにより、ニードル59が加圧室12に近づく方向へ移動する。その結果、ニードル59によってバルブ57の移動が規制され、バルブ57が加圧室12側に保持される。このときは、バルブ57がシートボディ56から離座することとなり、燃料通路55と加圧室12とが連通する。
次に、吐出弁部90について説明する。
吐出弁部90は、図1に示すように、ハウジング11にて形成される円筒状の収容部91を有している。この収容部91にて形成される収容室911に、吐出弁92、スプリング93、及び、係止部94が収容されている。また、収容室911の開口部分が、吐出口95となっている。吐出口95とは反対側の収容室911の深部には、弁座が形成されている。
吐出弁92は、スプリング93の付勢力と図示しない燃料レール側からの圧力とにより、弁座に当接する。これにより、吐出弁92は、加圧室12の燃料の圧力が低いうちは、燃料の吐出を停止する。一方、加圧室12の燃料の圧力が大きくなってスプリング93の付勢力と燃料レール側からの圧力とに打ち勝つと、吐出弁92が吐出口95の方向へ移動する。これにより、収容室911へ流入した燃料は、吐出口95から吐出される。
以上が高圧ポンプ1の構成である。次に、エンジンヘッド200への締結構成について説明する。
図1に示すように、高圧ポンプ1は、プランジャ部70の下部がエンジンヘッド200の取り付け穴201に挿入される態様で、エンジンヘッド200に取り付けられる。
シリンダ16の周囲が略円筒状の円筒部11aとなっていることは上述したが、この円筒部11aの円筒面には、全周にわたって、溝状凹部18が形成されている。これにより、溝状凹部18の下方には、径方向に突出する鍔部19が形成されている。ハウジング11は、この鍔部19を2つのフランジ101によって両側から押さえ付けられるようにしてエンジンヘッド200に締結される。フランジ101は、ボルト210によってエンジンヘッド200に締結される。
ここで、フランジ101の構造について説明しておく。
図2及び図3に示すように、フランジ101は、係合部111と、締結部112とを有している。フランジ101の下面は、図2(b)から分かるように、段差を有している。ここで、係合部111は、薄肉となっている部分であり、締結部112は、係合部111よりも厚肉となっている部分である。また、係合部111は、ハウジング11の溝状凹部18の幅より薄肉となっている。
係合部111は、締結部112に連続する押圧部113と、押圧部113から二股に分かれて対称に延びる腕部114とを有している。腕部114の内側面は、ハウジング11の溝状凹部18に対応するよう略円弧状となっている。かかる構成により、腕部114は溝状凹部18に挿入されると、ハウジング11を囲むように配置される。
図3(a)に示すB−B線によってフランジ101は対称となっているが、このB−B線上に、締結部112は、ボルト穴115を有している。また、このB−B線から外れた位置に、腕部114は、ピン穴116を有している。
図4に示すように、鍔部19には、腕部114のピン穴116に対応するピン19aが、所定箇所に突出する態様で設けられている。このピン19aは、例えばハウジング11のエンジンヘッド200との接触面から圧入することが考えられる。したがって、フランジ101の腕部114をハウジング11の溝状凹部18に挿入し、その後、ピン19aをハウジング11に圧入することにより、ピン19aがピン穴116に挿通する。このとき、ピン19aの外径は、ピン穴116の内径よりも小さくなっており、ピン19aはピン穴116に遊嵌される。
なお、腕部114に形成されたピン穴116は、図7(a)に示すように、2つのフランジ101の、対向する腕部114に形成されている。詳しくは、締結部112のボルト穴115の中心を結ぶ軸線Jの片側であって、軸線Jに垂直な軸線Kに対し線対称となる位置に形成されている。
次に、ボルト210による締結について説明する。
図5(a)に示すように、ハウジング11の溝状凹部18に腕部114が挿入された状態でエンジンヘッド200へ高圧ポンプ1を載置すると、フランジ101の締結部112の下面は、エンジンヘッド200との間に隙間Cを生じるようになっている。この段階では、フランジ101は、ハウジング11に対し相対移動可能となっている。
そして、ボルト210にてフランジ101の締結部112をエンジンヘッド200へ締結すると、フランジ101はハウジング11との相対位置を微小にずらしながら弾性変形し、図5(b)に示すように、上記隙間Cがなくなり、締結部112がエンジンヘッド200の上面に固着される。このとき、係合部111は、締結部112との連結部分を中心に弾性変形する。この弾性変形による反力によって、押圧部113がハウジング11の鍔部19をエンジンヘッド200側へ押しつける。すなわち、記号Fで示した部分に下向きの荷重が作用する。
ここでフランジ101を弾性域内での変形とするには、次のようにすればよい。すなわち、鍔部19の記号Fで示す部分からフランジ101の段差部分までの距離を適当な寸法に設計する。このようにすれば、弾性域内で隙間Cを埋め、かつ、記号Fで示した部分に必要な荷重が確保できるような剛性を、フランジ101に付与する事ができる。
次に本形態の高圧ポンプ1の発揮する効果を説明する。
本形態の高圧ポンプ1は、図5等に示したように、フランジ101にてハウジング11の鍔部19をエンジンヘッド200側へ押し付けることで、エンジンヘッド200に対し締結される。したがって、鍔部19付近に歪みが生じる虞がある。
この点、本形態では、図1に示したように、ハウジング11の内部、すなわち鍔部19とシリンダ16との間に、円筒空間727を形成した。これにより、フランジ101の締結によって鍔部19に歪みが生じたとしても、当該歪みがシリンダ16まで伝播することを抑制できる。
また、本形態では、図5(b)に示したように、係合部111が締結部112との連結部分を中心に僅かに弾性変形することで、押圧部113がハウジング11の鍔部19をエンジンヘッド200側へ押しつける。これにより、フランジ101を介し、エンジンヘッド200に対してハウジング11を十分に締結することができる。このとき、2つのフランジ101でハウジング11を締結するため、3つ以上のフランジを使用する場合と比較して部品点数が少なくなる。
さらにまた、本形態では、図4に示したように、フランジ101の腕部114をハウジング11の溝状凹部18に挿入し、その後、ピン19aをハウジング11に圧入することにより、ピン19aがピン穴116に遊嵌される。これにより、フランジ101がハウジング11から脱落することがなく、組み付け作業が容易になる。
このとき、腕部114に形成されたピン穴116は、図7(a)に示すように、2つのフランジ101の対向する腕部114に形成されている。これにより、ハウジング11の回動が規制される。これについて、図6及び図7を用い説明する。
ボルト穴115の内径は、ボルト210の外径よりも大きくなっている。また、上述したように、ピン穴116の内径は、ピン19aの外径よりも大きくなっている。したがって、所定範囲でハウジング11が回動し、高圧ポンプ1の搭載角度がばらつくことになる。このとき、ばらつきを抑えるようなピン穴116の配置が図7(a)に示すような配置となる。なお、以下の説明では便宜上、図面に向かって左側のフランジ101を「左フランジ101」と記述し、右側のフランジ101を「右フランジ101」と記述する。
ここで比較例を説明する。図6(a)では、腕部114のピン穴116が、2つのフランジ101に対して、点対称となる位置に形成されている。
この場合、ハウジング11が時計方向に回動した場合、図6(b)に示すように、左右のフランジ101で共に、ピン穴116から遠い側の腕部114がハウジング11に当接することで回動が規制される。腕部114の当接位置を、記号A1,A2で示した。
一方、ハウジング11が反時計方向に回動した場合、図6(c)に示すように、左右のフランジ101で共に、ピン穴116に近い側の腕部114がハウジング11に当接することで回動が規制される。腕部114の当接位置を、記号A3,A4で示した。
ここで、ピン穴116から遠い側の腕部114によって規制を行う方が、ピン穴116に近い側の腕部114によって規制を行う場合と比較して、回動が小さく抑えられる。したがって、この場合、図6(c)に示した反時計回りの場合の回動量が大きくなってしまう。
これに対し、本形態では、ピン穴116を、図7(a)に示すように、2つのフランジ101の対向する腕部114に形成した。つまり、ピン穴116は、2つのフランジ101に対して、線対称となる位置に形成されているのである。
この場合、ハウジング11が時計方向に回動した場合、図7(b)に示すように、右フランジ101のピン穴116から遠い側の腕部114がハウジング11に当接することで回動が規制される。腕部114の当接位置を、記号A5で示した。
一方、ハウジング11が反時計方向に回動した場合、図7(c)に示すように、左フランジ101のピン穴116から遠い側の腕部114がハウジング11に当接することで回動が規制される。腕部114の当接位置を、記号A6で示した。
このように、本形態では、ピン穴116を線対称となる位置に形成したことによって、時計回りにハウジング11が回動する場合であっても、反対に、反時計回りにハウジング11が回動する場合であっても、左右いずれかのフランジ101のピン穴116から遠い側の腕部114にて回動が規制される。これにより、ハウジング11の回動量を小さくすることができる。
また、本形態では、シリンダとハウジングとが一体成形されているため、この点でも、部品点数を削減することができる。
なお、本形態の高圧ポンプ1が特許請求の範囲の「高圧ポンプ」に相当し、シリンダ16が「シリンダ」に相当し、円筒部11aが「円筒部」に相当し、鍔部19が「鍔部」に相当し、円筒空間727が「円筒空間」に相当し、ハウジング11が「ハウジング」に相当する。また、係合部111が「係合部」に相当し、締結部112が「締結部」に相当し、フランジ101が「フランジ」に相当する。さらにまた、溝状凹部18が「溝状凹部」に相当し、押圧部113が「押圧部」に相当し、腕部114が「腕部」に相当し、ピン19aが「ピン」に相当し、ピン穴116が「ピン穴」に相当する。
以上、本発明は、上述した形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる形態で実施可能である。
(イ)例えば図8に示すようなフランジ301を採用してもよい。フランジ301は、係合部311と、締結部312とを有している。ここで係合部311は、押圧部313のみを備えており、上記形態のような腕部114を備えていない。この場合、締結部312にボルト穴315が形成されており、押圧部313の端部に、ピン穴316が形成されている。このようにすると、上記形態と異なり、腕部114によって回動量を規制するという効果が薄れるものの、材料費が削減できるという点で有利である。
このときは、フランジ301が「フランジ」に相当し、係合部311が「係合部」に相当し、締結部312が「締結部」に相当し、押圧部313が「押圧部」に相当する。
(ロ)また例えば図9に示すような高圧ポンプ2を採用してもよい。図9は、高圧ポンプの外観を示す斜視図である。高圧ポンプ2は、ハウジング400の円筒部401とフランジ410とを一体成形したものである。フランジ410は、締結のためのボルト穴411を備えている。
このようにすれば、フランジ410にてハウジング400をエンジンヘッドに押さえ付けるという効果は奏されないものの、十分に堅固な締結を実現することができる。もちろん、内部に形成されるシリンダの周囲に円筒状の空間を形成しておけば、フランジ410の突出部分等に生じる歪みがシリンダに伝播することを抑制できる。
この意味で、「エンジンヘッドに取り付けられ、燃料インレットから供給される燃料を加圧して吐出する高圧ポンプであって、燃料を加圧可能なプランジャを摺動可能に支持するシリンダと、前記シリンダの周囲を囲むよう外郭を形成する円筒部と、前記円筒部から径外方向へ突出するように一体成形されボルトの挿通穴が形成されたフランジと、前記フランジの突出部分と前記シリンダとの間に形成された円筒空間と、を有するハウジングを備えたことを特徴とする高圧ポンプ」としてもよい。
1,2:高圧ポンプ、11,400:ハウジング、11a,401:円筒部、16:シリンダ、18:溝状凹部、19:鍔部、19a:ピン、101,301,410:フランジ、111,311:係合部、112,312:締結部、113,313:押圧部、114:腕部、115,315,411:ボルト穴、116,316:ピン穴、200:エンジンヘッド、201:取り付け穴、210:ボルト、727:円筒空間

Claims (6)

  1. エンジンヘッドに取り付けられ、燃料インレットから供給される燃料を加圧して吐出する高圧ポンプであって、
    燃料を加圧可能なプランジャを摺動可能に支持するシリンダ、前記シリンダの周囲を囲むよう外郭を形成する円筒部、前記円筒部の円筒面に形成され径方向外側へ突出する鍔部、及び、前記鍔部と前記シリンダとの間に形成された円筒空間を有するハウジングと、
    前記鍔部を押さえ付けるための係合部、及び、前記係合部に連続して形成されボルトの挿通穴が形成された締結部を有し、ボルトによる締結前にエンジンヘッドに載置された状態では前記ハウジングに対して相対移動可能となっておりエンジンヘッドと前記締結部の下面との間に隙間を生じ、ボルトによる締結後には、前記隙間がなくなるように前記係合部を中心として弾性変形し、当該弾性変形の反力により前記鍔部をエンジンヘッド側へ押さえ付けるフランジと、を備え
    前記鍔部は、その上面に突出する態様で設けられるピンを有し、
    前記係合部は、前記ピンが遊嵌するピン穴を有していることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記鍔部は、周方向にわたる溝状凹部を前記円筒面に形成することにより、当該溝状凹部の下方に形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  3. 請求項1又は2に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記係合部は、前記鍔部を押圧する押圧部と、押圧部から二股に延びる腕部とを有していることを特徴とする高圧ポンプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記フランジは、前記係合部が対向するように前記ハウジングの両側に設けられていることを特徴とする高圧ポンプ。
  5. 請求項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ピン穴は、前記対向配置されたフランジのそれぞれに、平面視線対称となる位置に設けられていることを特徴とする高圧ポンプ。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記シリンダは、前記ハウジングと一体成形されていることを特徴とする高圧ポンプ。
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