以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材3と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置情報を計測可能な干渉計システム4と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。
マスクMは、投影光学系PLにより基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光膜を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELを照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、ArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、第1定盤6のガイド面6G上を移動可能である。マスクステージ1は、ガイド面6G上において、照明領域IRに対して移動可能である。ガイド面6Gは、XY平面とほぼ平行である。マスクステージ1は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む駆動システム(不図示)の作動により、ガイド面6G上を移動する。本実施形態において、マスクステージ1は、駆動システムの作動により、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELを照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒7に保持されている。
本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態において、投影光学系PLの光軸はZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、第2定盤8のガイド面8G上を移動可能である。基板ステージ2は、ガイド面8G上において、投影領域PRに対して移動可能である。ガイド面8Gは、XY平面とほぼ平行である。基板ステージ2は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む駆動システム(不図示)の作動により、ガイド面8G上を移動する。本実施形態において、基板ステージ2は、駆動システムの作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部2Hを有する。本実施形態において、基板保持部2Hは、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。また、基板ステージ2は、基板保持部2Hの周囲に配置される上面2Tを有する。本実施形態において、上面2Tは、平坦な平面である。本実施形態において、上面2Tは、XY平面とほぼ平行である。本実施形態において、基板保持部2Hに保持された基板Pの表面と上面2Tとは、ほぼ同一平面内に配置される(面一である)。
液浸部材3は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。液浸部材3は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子9の近傍に配置される。本実施形態において、液浸部材3は、環状の部材であり、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態においては、液浸部材3の少なくとも一部が、終端光学素子9の周囲に配置される。
終端光学素子9は、投影光学系PLの物体面(照明系IL)からの露光光ELが入射される入射面10と、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELが射出される射出面11と、射出面11のエッジから入射面10側に向かって延びる外周面12とを有する。本実施形態において、投影領域PRは、終端光学素子9の射出面11からの露光光ELを照射可能な位置を含む。
液浸部材3は、終端光学素子9の射出面11と、射出面11からの露光光ELを照射可能な位置(投影領域PR)に配置される物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。本実施形態において、投影領域PRに配置可能な物体は、基板ステージ2、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光中、液浸部材3は、終端光学素子9と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。
本実施形態において、液浸部材3は、投影領域PRに配置される物体と対向可能な下面13を有する。液浸部材3は、下面13と、投影領域PR側に配置される物体との間に、液体LQを保持可能な空間を形成する。一方側の射出面11及び下面13と、他方側の物体の表面との間に保持された液体LQによって、終端光学素子9と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pの露光中、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。基板Pの露光中、液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGは、液浸部材3の下面13と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
干渉計システム4は、マスクステージ1の位置情報を計測する第1干渉計ユニット4Aと、基板ステージ2の位置情報を計測する第2干渉計ユニット4Bとを有する。第1干渉計ユニット4Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置情報を計測する。第2干渉計ユニット4Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2Rを用いて、基板ステージ2の位置情報を計測する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置5は、干渉計システム4の計測結果に基づいて、駆動システムを作動し、マスクステージ1(マスクM)、及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置5は、液浸空間LSが形成された状態で、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、射出面11と基板Pの表面との間の光路と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。
基板Pには、露光対象領域であるショット領域がマトリクス状に複数配置されている。例えば基板Pの第1ショット領域を露光するために、制御装置5は、基板P(第1ショット領域)を投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して第1ショット領域に露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pの第1ショット領域に投影され、その第1ショット領域は、液体LQを介して露光光ELで露光される。第1ショット領域の露光が終了した後、制御装置5は、次の第2ショット領域の露光を開始するために、液浸空間LSを形成した状態で、基板PをX軸方向(あるいはXY平面内においてX軸方向に対して傾斜する方向)に移動する動作(ステッピング動作)を実行し、第2ショット領域を露光開始位置に移動する。そして、制御装置5は、第2ショット領域の露光を開始する。制御装置5は、投影領域PRに対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光するスキャン露光動作と、そのショット領域の露光が終了した後、次のショット領域を露光開始位置に移動するためのステッピング動作とを繰り返しながら、基板P上の複数のショット領域を順次露光する。
図2は、本実施形態に係る終端光学素子9及び液浸部材3の一例を示す側断面図、図3は、図2の一部を拡大した側断面図である。なお、以下においては、説明を簡単にするために、主に、終端光学素子9及び液浸部材3と基板Pとが対向している状態を例にして説明する。なお、上述のように、終端光学素子9及び液浸部材3と対向する位置には、基板ステージ2等、基板P以外の物体を配置することができる。
図2及び図3において、終端光学素子9は、投影光学系PLの物体面からの露光光ELが入射される入射面10と、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELが射出される射出面11と、射出面11のエッジから入射面10側に向かって延びる外周面12とを有する。終端光学素子9の光軸は、Z軸とほぼ平行である。本実施形態において、投影光学系PLの像面は、XY平面とほぼ平行である。
本実施形態において、入射面10は、投影光学系PLの物体面に凸面を向けた形状を有する。本実施形態において、入射面10は、投影光学系PLの物体面側に凸な曲面である。本実施形態において、射出面11は、XY平面とほぼ平行な平面である。本実施形態において、外周面12の少なくとも一部は、終端光学素子9(投影光学系PL)の光軸に対する放射方向において、投影光学系PLの像面(基板Pの表面)から徐々に離れるように傾斜している。
入射面10は、投影光学系PLの物体面側を向く面であり、露光光ELは、その入射面10の少なくとも一部を通過する。なお、入射面10の全てを露光光ELが通過しなくてもよい。射出面11は、投影光学系PLの像面側を向く面であり、露光光ELは、その射出面11の少なくとも一部を通過する。なお、射出面11の全てを露光光ELが通過しなくてもよい。
投影光学系PLは、終端光学素子9を保持する保持機構14を有する。本実施形態において、保持機構14は、鏡筒7に支持されている。終端光学素子9は、保持機構14を介して、鏡筒7に保持される。
本実施形態において、終端光学素子9は、外周面12の上端と入射面10のエッジとの間に配置されたフランジ15を有する。本実施形態においては、保持機構14は、フランジ15の少なくとも一部を保持する。本実施形態において、入射面10は、鏡筒7の内部空間に面するように配置される。保持機構14は、終端光学素子9の光軸とZ軸方向とがほぼ平行となり、射出面11とXY平面とがほぼ平行となるように、終端光学素子9を保持する。
本実施形態において、終端光学素子9の投影光学系PLの像面側の光路を含む空間が液体LQで満たされ、射出面11及び外周面12の少なくとも一部は、液体LQと接触する。また、本実施形態において、終端光学素子9の投影光学系PLの物体面側の光路を含む空間に液体LQが無く、入射面10は、気体と接触する。
本実施形態において、液浸部材3は、環状の部材である。本実施形態において、液浸部材3は、本体部材16と、多孔部材17とを含む。本実施形態において、本体部材16は、チタン製である。多孔部材17は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。本実施形態において、多孔部材17は、網目状に多数の小さい孔が形成されたメッシュプレートである。本実施形態において、多孔部材17は、チタン製である。なお、多孔部材17として、多数の孔(pore)が形成された焼結部材(例えば、焼結金属)、発泡部材(例えば、発泡金属)などを用いてもよい。
本体部材16は、Z軸方向に関して少なくとも一部が終端光学素子9の射出面11と基板Pの表面との間に配置されるプレート部18と、少なくとも一部が終端光学素子9の外周面12とギャップGを介して対向する側部19と、側部19の少なくとも一部に配置され、外周面12と側部19との間の液体LQの少なくとも一部を回収可能な第1回収口21とを備えている。側部19の少なくとも一部は、外周面12の周囲に配置される。本実施形態において、第1回収口21は、外周面12の周囲に配置される。
側部19は、外周面12の周囲に配置される第1部分191と、第1部分191に対して射出面11側(基板P側)に配置される第2部分192とを有する。また、側部19は、少なくとも一部が外周面12とギャップGを介して対向する内周面20を有する。内周面20は、外周面12の周囲に配置される第1面201と、第1面201に対して射出面11側に配置される第2面202とを有する。本実施形態において、第1面201は、第1部分191における内周面20の一部の領域である。第2面202は、第2部分192における内周面20の一部の領域である。第1部分191(第1面201)の射出面11側のエッジと、第2部分192(第2面202)の入射面10側のエッジとは、隣接している。
第1回収口21は、第1部分191(第1面201)に配置されている。第1部分191は、第1回収口21により、液体LQを回収可能である。第2部分192(第2面202)は、液体LQを回収不可能である。本実施形態において、側部19は、基板P上に液体LQを供給可能な供給口23を有する。供給口23は、第2部分192に配置される。
また、本体部材16は、第1回収口21に配置される多孔部材24を有する。多孔部材24は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。本実施形態において、多孔部材24は、網目状に多数の小さい孔が形成されたメッシュプレートである。本実施形態において、多孔部材24は、チタン製である。メッシュプレートは、外周面12に沿って曲げられている。外周面12と対向する多孔部材24の表面は、内周面20(第1面201)の一部を構成する。なお多孔部材24として、多数の孔(pore)が形成された焼結部材(例えば、焼結金属)、発泡部材(例えば、発泡金属)などを用いてもよい。
本実施形態において、外周面12と内周面20とは、ほぼ平行である。外周面12と第1部分191の内周面20(第1面201)との間に形成される第1ギャップG1と、外周面12と第2部分192の内周面20(第2面202)との間に形成される第2ギャップG2とは、ほぼ同じである。
プレート部18は、中央に開口25を有する。また、プレート部18は、開口25の周囲に配置され、投影領域PRに配置される基板P(物体)と対向可能な下面26と、下面26の反対側の上面27とを有する。上面27の少なくとも一部は、射出面11の一部とギャップを介して対向する。射出面11から射出された露光光ELは、開口25を通過可能である。例えば、基板Pの露光中、射出面11から射出された露光光ELは、開口25を通過し、液体LQを介して基板Pの表面に照射される。
本体部材16は、基板Pの表面と対向可能な位置に、基板P上の液体LQを回収可能な第2回収口22を備えている。第2回収口22は、本体部材16に形成され、基板Pに面する開口を含む。
供給口23は、流路28を介して、液体供給装置29と接続されている。液体供給装置29は、清浄で温度調整された液体LQを供給口23に供給可能である。流路28は、本体部材16の内部に形成された供給流路、及びその供給流路と液体供給装置29とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置29から送出された液体LQは、流路28を介して供給口23に供給される。供給口23は、光路の近傍において、光路に面する本体部材16の所定位置に配置されている。本実施形態において、供給口23は、射出面11と上面27との間の空間に液体LQを供給する。供給口23から供給された液体LQは、開口25を介して、基板P上に供給される。
第1回収口21は、流路30を介して、第1液体回収装置31と接続されている。第1液体回収装置31は、真空システムを含み、第1回収口21より液体LQを吸引して回収可能である。流路30は、本体部材16の内部に形成された回収流路、及びその回収流路と第1液体回収装置31とを接続する回収管で形成される流路を含む。第1回収口21から回収された液体LQは、流路30を介して、第1液体回収装置31に回収される。
第2回収口22は、流路32を介して、第2液体回収装置33と接続されている。第2液体回収装置33は、真空システムを含み、第2回収口22より液体LQを吸引して回収可能である。流路32は、本体部材16の内部に形成された回収流路、及びその回収流路と第2液体回収装置33とを接続する回収管で形成される流路を含む。第2回収口22から回収された液体LQは、流路32を介して、第2液体回収装置33に回収される。
本実施形態においては、第2回収口22は、露光光ELの光路の周囲に配置されている。第2回収口22は、基板Pの表面と対向可能な本体部材16の所定位置に配置されている。第2回収口22は、液浸部材3の下面13に対向する基板Pの表面上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。
多孔部材17は、第2回収口22に配置されている。本実施形態において、液浸部材3の下面16は、プレート部18の下面26と、その下面26の周囲に配置され、基板Pと対向可能な多孔部材17の下面34とを含む。下面13は、投影領域PRに配置される基板P(物体)と面する。
本実施形態において、制御装置5は、供給口23を用いる液体供給動作と並行して、第2回収口22を用いる液体回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子9及び液浸部材3と、終端光学素子9及び液浸部材3と対向する他方側の基板Pとの間に液体LQで液浸空間LSを形成する。
本実施形態においては、外周面12と側部19(内周面20)との間のギャップGの一部に、液浸空間LSの液体LQが保持される。図3に示すように、本実施形態においては、基板Pが第1移動状態のとき、外周面12と内周面20との間に形成されるギャップG内の液体LQの上面(界面、メニスカス)LHが、外周面12と第2面202(第2部分192)との間に形成される第2ギャップG2に配置されるように、供給口23の液体供給条件、及び第2回収口22の液体回収条件が定められる。第1移動状態は、例えば基板Pが静止している状態、基板Pが所定速度以下で移動している状態、及び基板PがXY平面内において所定距離以下で直線移動している状態の少なくとも一つを含む。液体供給条件は、供給口23からの単位時間当たりの液体供給量を含む。液体回収条件は、第2回収口22からの単位時間当たりの液体回収量を含む。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。
制御装置5は、基板Pの露光動作を実行するために、終端光学素子9及び液浸部材3と基板Pの表面との間に液体LQで液浸空間LSを形成する。制御装置5は、基板Pの複数のショット領域を、投影光学系PL及び液浸空間LSの液体LQを介して順次露光する。本実施形態においては、基板Pの露光時、ギャップG内の液体LQの界面LHの位置が、外周面12と第2面202との間(第2ギャップG2)に維持されるように、基板Pの移動条件が予め定められている。
図4は、液浸空間LSを形成した状態で、終端光学素子9及び液浸部材3に対して基板PをXY平面内の所定方向に移動したときの液浸空間LSの状態を示す模式図である。図4には、一例として、終端光学素子9及び液浸部材3に対して基板Pが−Y方向に移動している状態が示されている。
基板Pの移動により、液浸部材3の下面13と基板Pとの間の液体LQの界面LGが−Y方向に移動する。また、基板Pの移動により、外周面12と第2面202との間(第2ギャップG2)の液体LQの界面LHが、入射面10側に移動する可能性がある。基板Pの移動条件に応じて、あるいは外周面12及び内周面20の少なくとも一方の表面状態に応じて、基板Pの移動により、第2ギャップG2の液体LQの界面LHが、入射面10側に大きく移動する可能性がある。例えば、基板Pを第1移動状態と異なる第2移動状態で移動した場合、液体LQの界面LHが入射面10側に大きく移動する可能性がある。例えば、基板Pが所定速度以上で移動したり、XY平面内における第1位置から第2位置へ移動するときの基板Pの直線移動距離が所定距離以上になったりすると、液体LQが所定状態を維持できず、液体LQの界面LHが入射面10側へ大きく移動する可能性がある。その結果、第2ギャップG2の液体LQが、外周面12と第1面201との間(第1ギャップG1)を介して、外周面12と内周面20の上端との間の開口35からギャップGの外側に漏出したり、その漏出した液体LQが、例えば液体LQの存在が望まれない部位に浸入したり残留したりする可能性がある。そのような液体LQの漏出、浸入、残留等が生じると、その液体LQの気化熱により、露光装置EX内の部材が熱変形したり、基板Pが熱変形したりする可能性がある。
本実施形態においては、液浸部材3に第1回収口21が設けられており、外周面12と側部19との間の液体LQの少なくとも一部を回収することができる。第1回収口21は、多孔部材24の表面に接触した液体LQを回収可能である。多孔部材24の表面は、第1部分191に配置されており、第1回収口21は、外周面12と第1部分191(第1面201)との間(第1ギャップG1)に存在する液体LQを回収可能である。したがって、外周面12と第2部分192(第2面202)との間(第2ギャップG2)に存在する液体LQが入射面10側(開口35側)に移動しようとしても、その液体LQは、開口35に到達する前に、第1ギャップG1に移動したときに、第1回収口21によって回収される。したがって、液体LQが開口35から外側に漏出することが抑制される。
本実施形態においては、基板Pの露光中、制御装置5は、第1液体回収装置31を作動し続ける。これにより、基板Pの移動状態の変化など、何らかの原因によって、液体LQの界面LHが入射面10側に大きく移動しても、その液体LQを第1回収口21で回収することができる。
なお、制御装置5は、液体LQの界面LHが第2ギャップG2に配置されているとき、第1液体回収装置31の作動を停止し、第2ギャップG2の液体LQが第1ギャップG1に移動するときに、第1液体回収装置31の作動を開始してもよい。例えば、第1面201の射出面11側のエッジに液体LQを検出可能なセンサを配置する。センサは、液体LQの界面LHが第2ギャップG2に配置されているとき、液体LQを検出せず、第2ギャップG2の液体LQが第1ギャップG1に移動したとき、液体LQを検出する。センサは、検出結果を制御装置5に出力する。制御装置5は、そのセンサの検出結果に基づいて、第2ギャップG2の液体LQが第1ギャップG1に移動したと判断したとき、第1液体回収装置31の作動を開始して、第1回収口21を用いる液体回収動作を開始する。こうすることによっても、液体LQの漏出を未然に防ぐことができる。
また、制御装置5は、基板P(基板ステージ2)の移動状態(移動速度及び直線移動距離の少なくとも一方を含む)に応じて、第1液体回収装置31の動作を制御することができる。例えば、干渉計システム4の計測結果に基づいて、基板ステージ2の移動速度が、予め定められている所定速度以上であると判断したり、基板ステージ2の直線移動距離が、予め定められている所定距離以上であると判断したりした場合、制御装置5は、第1液体回収装置31の作動を開始して、第1回収口21を用いる液体回収動作を開始する。一方、基板ステージ2の移動速度が、所定速度以下であると判断したり、基板ステージ2の直線移動距離が、所定距離以下であると判断した場合、制御装置5は、第1液体回収装置31の作動を停止する。
以上説明したように、本実施形態によれば、外周面12と側部19(内周面20)との間の液体LQの少なくとも一部を回収可能な第1回収口21を設けたので、液体LQの漏出を抑制することができる。したがって、露光不良の発生、不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ギャップGにおける液体LQの界面LHの位置の変動を抑制することができる。液体LQの界面LHの位置が大きく変動すると、液体LQが終端光学素子9に与える力が変動する可能性がある。その結果、終端光学素子9の位置が変動したり、終端光学素子9の光学特性が変化したりして、露光不良が発生する可能性がある。本実施形態によれば、露光不良の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、外周面12が、終端光学素子9の光軸に対する放射方向において、投影光学系PLの像面(基板Pの表面)から徐々に離れるように傾斜している場合を例にして説明したが、例えば像面に対して垂直でもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5は、第2実施形態に係る液浸部材3Bの一例を示す図である。図5に示すように、液浸部材3Bは、プレート部18と、少なくとも一部が外周面12とギャップGを介して対向する側部19Bとを有する。側部19Bは、外周面12の周囲に配置される第1面201B、及び第1面201Bに対して射出面11側に配置される第2面202Bを含む内周面20Bを有する。液浸部材3Bは、基板P上に液体LQを供給可能な供給口23と、基板P上の液体LQを回収可能な第2回収口22とを備えている。本実施形態において、液浸部材3Bには、第1回収口が設けられていない。
外周面12に対して第1面201B及び第2面202Bの少なくとも一方が傾斜している。外周面12と第1面201Bとがなす第1角度θ1は、外周面12と第2面202Bとがなす第2角度θ2より大きい。本実施形態において、第1面201Bの射出面11側のエッジと第2面202Bの入射面10側のエッジとは隣接している。
本実施形態において、外周面12と第2面202Bとはほぼ平行である。第1面201Bは、第2面202に対して傾斜している。第1面201Bは、外周面12と第1面201Bとの間の空間が入射面10側に向かって徐々に拡がるように傾斜している。
本実施形態に係る液浸部材3Bにおいても、外周面12と内周面20Bの上端との間の開口35Bからの液体LQの漏出を抑制することができる。本実施形態によれば、例えば外周面12と第2面202Bとの間に存在する液体LQが、例えば基板Pの移動によって、入射面10側(開口35B側)に移動しようとしても、外周面12と第1面201Bとの間に形成される第1ギャップG1が、外周面12と第2面202Bとの間に形成される第2ギャップG2より大きいので、外周面12と第1面201Bとの間において、液体LQが入射面10側に移動することが抑制される。したがって、開口35Bからの液体LQの漏出を抑制するすることができる。
また、本実施形態によれば、例えば第1ギャップG1の少なくとも一部に存在する気体が、気泡となって液体LQに混入しても、その気泡が第2ギャップG2に存在する液体LQ(ひいては射出面11と基板Pの表面との間に存在する液体LQ)に移動することが抑制される。換言すれば、光路を満たす液体LQ中に気泡が混入することが抑制される。したがって、露光不良の発生を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図6は、第3実施形態に係る液浸部材3Cの一例を示す図である。第3実施形態に係る液浸部材3Cは、上述の第1実施形態に係る液浸部材3の要件と第2実施形態に係る液浸部材3Bの要件とを組み合わせた構成を有する。図6において、液浸部材3Cは、外周面12とほぼ平行な第2面202C、及び第2面202Cに対して傾斜する第1面201Cを含む内周面20Cと、第1面201Cに配置され、外周面12と側部19Cとの間の液体LQの少なくとも一部を回収可能な第1回収口21とを備えている。外周面12と第1面201Cとの間に形成される第1ギャップG1は、外周面12と第2面202Cとの間に形成される第2ギャップG2より大きい。本実施形態においても、液体LQの漏出等の不具合の発生を抑制し、露光不良の発生を抑制することができる。
なお、上述の第2,第3実施形態においては、第2面202B(202C)が外周面12と平行であり、その第2面202B(202C)に対して第1面201B(201C)が傾斜している場合を例にして説明したが、外周面12と第2面202B(202C)とが非平行でもよい。例えば、外周面12と第2面202B(202C)との間の空間が入射面10側に向かって徐々に拡がるように、第2面202B(202C)が傾斜していてもよいし、徐々に狭くなるように、第2面202B(202C)が傾斜していてもよい。その場合においても、外周面12と第1面201B(201C)とがなす第1角度θ1を、外周面12と第2面202B(202C)とがなす第2角度θ2より大きくしておくことで、液体LQの漏出を抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の第1,第2、及び第3実施形態においては、第1面201(201B,201C)の射出面11側のエッジと第2面202(202B,202C)の入射面10側のエッジとが隣接している場合を例にして説明した。第4実施形態の特徴的な部分は、第1面と第2面との間に、第3面を設けた点にある。
図7は、第4実施形態に係る液浸部材3Dの一例を示す図である。図7において、液浸部材3Dは、第1面201D、第1面201Dに対して射出面11側に配置される第2面202D、及び第1面201Dと第2面202Dとの間に配置される第3面203Dを含む内周面20Dを有する。第3面203Dは、第1面201Dの射出面11側のエッジと第2面202Dの入射面10側のエッジとの間に配置されている。第1面201Dの射出面11側のエッジと第3面203Dの入射面10側のエッジとは隣接している。第2面202Dの入射面10側のエッジと第3面203Dの射出面11側のエッジとは隣接している。
外周面12と第1面201Dとがなす角度は、第1角度θ1である。外周面12と第2面202Dとがなす角度は、第2角度θ2である。外周面12と第3面203Dとがなす角度は、第3角度θ3である。本実施形態において、第3角度θ3は、第1角度θ1及び第2角度θ2と異なる。
本実施形態において、第1角度θ1と第2角度θ2とはほぼ同じである。本実施形態において、外周面12と第1面201Dとは、ほぼ平行である。外周面12と第2面202Dとは、ほぼ平行である。
また、本実施形態においては、外周面12と第1面201Dとの間に形成される第1ギャップG1は、外周面12と第2面202Dとの間に形成される第2ギャップG2より大きい。また、第1面201Dに、外周面12と側部19Dとの間の液体LQの少なくとも一部を回収可能な第1回収口21が配置されている。第1回収口21には、多孔部材24が配置されている。
本実施形態においても、液体LQの漏出等を抑制し、露光不良の発生を抑制できる。
なお、本実施形態において、第1角度θ1と第2角度θ2とが異なってもよい。例えば、第1角度θ1が第2角度θ2より大きくてもよい。
なお、本実施形態において、終端光学素子9の光軸を含む断面において、第3面203Dが円弧状でもよい。また、第1回収口21の少なくとも一部が第3面203Dに配置されてもよい。
なお、本実施形態において、第1回収口21が省略されてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図8は、第5実施形態に係る液浸部材3Eの一例を示す図である。図8において、液浸部材3Eは、第1部分191E及び第2部分192Eを含む側部19Eを有する。第2部分192Eの第2面202Eは、外周面12とほぼ平行である。第1部分191E(第1面201E)は、外周面12との間の空間が入射面10側に向かって徐々に狭まるように傾斜している第1傾斜面81と、拡がるように傾斜している第2傾斜面82とを有する。本実施形態において、第1傾斜面81と第2傾斜面82とは、射出面11側から入射面10側に向かって交互に配置されている。本実施形態においても、液体LQの漏出を抑制できる。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、第6実施形態に係る終端光学素子9F及び液浸部材3を示す図である。図9に示すように、終端光学素子9Fの外周面12Fは、射出面11のエッジに隣接する第3面41と、第3面41に対して入射面10側に配置され、第3面41に対して傾斜する第4面42とを有する。終端光学素子9Fの周囲には、上述の第1実施形態で説明した液浸部材3が配置される。外周面12Fの第4面42と液浸部材3の第1面201とがなす角度θ1Fは、外周面12Fの第3面41と液浸部材3の第2面202とがなす角度θ2Fより大きい。こうすることによっても、液体LQの漏出等の不具合の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態において、第1回収口21が省略されてもよい。
なお、上述の第1〜第6実施形態において、終端光学素子9の光軸を含む断面において、第1面201の少なくとも一部が円弧状でもよいし、第2面202の少なくとも一部が円弧状でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子9の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子9の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の各実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態の要件は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも適用できる。基板ステージは、3つ以上配置することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、上述の各実施形態の要件は、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも適用できる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図10に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ301、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ302、デバイスの基材である基板を製造するステップ303、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ304、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)305、検査ステップ306等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。