JP5404968B1 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

内視鏡装置1は、光源装置4と、CCD2と、CCD2の撮像信号に基づいて画像信号を生成するビデオプロセッサ7と、観察モニタ5と、調光回路43とを備える。調光回路43は、被検体の生体組織の吸収特性において極大値を含む波長帯域から極小値における波長帯域の間で、分光特性のピーク波長を有する第1の波長帯域の第1の画像信号P1と、第1の画像信号P1よりも吸収特性における値が低くかつ生体組織の散乱特性が抑制された分光特性のピーク波長を有する第2の波長帯域の第2の画像信号P2とに基づき、第1の画像信号P1に、第2の画像信号P2より大きな重みを付加して、光源装置4における光量を調整するための調光信号を算出して出力する。

Description

本発明は、内視鏡装置に関し、特に、被検体内部の血管を表示することが可能な内視鏡装置に関する。
従来より、医療分野において、内視鏡を用いた低侵襲な各種検査や手術が行われている。術者は、体腔内に内視鏡を挿入し、内視鏡挿入部の先端部に設けられた撮像装置により撮像された被写体を観察し、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて病変部に対して処置をすることができる。内視鏡を用いた手術は、開腹等をすることがないため、患者の身体的負担が少ないというメリットがある。
内視鏡装置は、内視鏡と、内視鏡に接続された画像処理装置と、観察モニタとを含んで構成される。内視鏡挿入部の先端部に設けられた撮像素子により病変部が撮像され、そのモニタにその画像が表示される。術者は、そのモニタに表示された画像を見ながら、診断あるいは必要な処置を行うことができる。
また、内視鏡装置には、白色光を用いた通常光観察だけでなく、内部の血管を観察するために、赤外光等の特殊光を用いた特殊光観察ができるものもある。
赤外内視鏡装置の場合、例えば、波長805nm付近の近赤外光に吸収ピークの特性を持つインドシアニングリーン(ICG)が薬剤として患者の血中に注入される。そして、光源装置から波長805nm付近及び930nm付近の赤外光を時分割で被写体に照射する。CCDで撮像された被写体像の信号は、赤外内視鏡装置のプロセッサに入力される。例えば、日本特開2000−41942号公報に開示のように、このような赤外内視鏡装置に関しては、プロセッサは、波長805nm付近の像を緑色信号(G)に、波長930nm付近の像を青色信号(B)に、割り当てて、モニタに出力する装置が、提案されている。ICGにより吸収の多い画像805nm付近の赤外光の像を、緑色に割り当てているので、術者は、ICG投与時の赤外画像をコントラスト良く観察できる。
例えば、内視鏡を用いて、病変部の存在する粘膜下層を切開し、剥離する粘膜下層剥離術(以下、ESD(Endoscopic Submucosal Dissection)という)等では、電気メスなどによって粘膜中の比較的太い血管を切ってしまわないように、術者は、そのような血管の位置を確認して、切開等の処置を行う。重度の出血を起こすおそれのある血管は、粘膜下層から固有筋層を走行している。ESD等の手技において重度の出血が発生した場合、その都度止血作業をしなければならないので、手術時間が長くなってしまう。
しかし、上述した赤外内視鏡装置を用いて、血管の位置を確認するためには、上述したように、ICG等の薬剤を静脈注射するという煩雑な作業が必要となる。
また、上記赤外内視鏡装置の場合、照明光の波長が近赤外光の波長であるため、画像における血管がぼやけてしまうという問題もある。
さらにまた、赤外内視鏡装置を用いずに粘膜深部の比較的太い血管を表示させる場合に、どのように調光を行えば適切な明るさの画像が得られるのかについても知られていない。
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みて成されたものであり、薬剤投与という煩雑な作業をすることなく、かつ粘膜深部の血管を明瞭にかつ適切な明るさで表示可能な内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の内視鏡装置は、被検体に対し、所定の波長帯域を有する少なくとも1つ以上の照明光を照射する照明部と、前記照明部の照射に基づく前記被検体からの戻り光を撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像信号に基づいて画像信号を生成する画像信号処理部と、可視域の赤色帯域であって、かつ前記被検体の生体組織のヘモグロビン吸光特性上で極大値を含む波長帯域から極小値を含む波長帯域間において、狭帯域である第1の波長帯域の信号に基づく第1の輝度値と、前記可視域の赤色帯域内であって、かつ当該第1の波長帯域の信号よりも前記ヘモグロビン吸収特性における吸収係数が低くかつ前記生体組織の散乱特性が抑制された狭帯域である第2の波長帯域の信号に基づく第2の輝度値と、前記赤色帯域以外の波長帯域であって、かつ前記第1の波長帯域の信号よりも前記吸収特性における吸収係数が高い狭帯域である第3の波長帯域の信号に基づく第3の輝度値と、に基づき、前記第3の輝度値に付加される重み係数に対して前記第1の輝度値及び前記第2の輝度値に付加される重み係数を大きく付加して加算処理することで前記照明部における光量を調整するための調光基準信号を算出して出力する調光部と、前記調光部から出力された前記調光信号に基づき、前記照明部が照射する光量を制御する照明制御部と、を備える。
本発明の第1の実施の形態に関わる内視鏡装置の構成を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる回転フィルタ14の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる狭帯域光観察における全体の処理の流れを説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる静脈血の光の吸収特性を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる、第1の狭帯域光NL1(λ1)と第2の狭帯域光NL2(λ2)の生体組織内における光の伝播ボリュームを説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる、狭帯域光観察モードにおける内視鏡画像における血管の表示例を説明するための内視鏡画像の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる画像処理部101の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる、3つの画像信号を用いた内視鏡画像の表示例を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に関わる内視鏡装置1Aの構成を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態に関わる狭帯域光観察における全体の処理の流れを説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に関わる、3つの広帯域光の画像信号B,G,Rから3つの狭帯域光の分光画像信号e1,e2,e3を推定する場合を説明するための分光特性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に関わる、3つの狭帯域光Bn,Gn,Rnの画像信号から、3つの狭帯域光の分光推定画像信号e1,e21,e31を推定する場合を説明するための分光特性を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に関わる、画像処理部101Aにおける撮像素子2から得られた画像に対する処理の流れを説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に関わる回転フィルタ14Aの構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に関わる特殊光観察モードにおける全体の処理の流れを説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に関わる画像処理部101Bにおける撮像素子2から得られた画像に対する処理の流れを説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に関わる、3つ(あるいは2つ)の広帯域光の画像信号B,G,Rから少なくとも1つの狭帯域光の分光推定画像信号e1を推定する場合を説明するための分光特性を示す図である。 変形例6を説明するための、静脈血の光の吸収特性を示す図である。 狭帯域照明光を中心波長10nm刻みで時系列的に照射可能な分光内視鏡装置を用いて動物の腹腔内を撮影した画像の模式図である。 図19の複数のモノクロ画像に対して各画像中のLine-A上の強度(対数表示された画素値)を縦軸に示したグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
(内視鏡装置の構成)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、本実施の形態に関わる内視鏡装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態に関わる内視鏡装置の構成を示す構成図である。
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡装置1は、体腔内に挿入し体腔内組織を撮像する生体画像情報取得手段あるいは生体画像情報取得部として撮像素子であるCCD2を有する電子内視鏡3と、電子内視鏡3に照明光を供給する光源装置4と、電子内視鏡3のCCD2からの撮像信号を信号処理して内視鏡画像を観察モニタ5に表示するビデオプロセッサ7とから構成される。内視鏡装置1は、通常光観察モードと狭帯域光観察モードの2つのモードを有する。なお、以下の説明では、内視鏡装置1の通常光観察モードは、従来の通常光観察モードと同じであるので、通常光観察モードの構成の説明は省略し、主として狭帯域光観察モードについて説明する。
CCD2は、被検体に照射された照明光の戻り光を受光して被検体を撮像する撮像部あるいは撮像手段を構成する。
照明手段あるいは照明部としての光源装置4は、照明光(白色光)を発光するキセノンランプ11と、白色光の熱線を遮断する熱線カットフィルタ12と、熱線カットフィルタ12を介した白色光の光量を制御する絞り装置13と、照明光を面順次光にする帯域制限手段あるいは帯域制限部としての回転フィルタ14と、電子内視鏡3内に配設されたライトガイド15の入射面に回転フィルタ14を介した面順次光を集光させる集光レンズ16と、回転フィルタ14の回転を制御する制御回路17とを備えて構成される。キセノンランプ11、回転フィルタ14及びライトガイド15が、被検体に対して照明光を照明する照射部あるいは照射手段を構成する。
図2は、回転フィルタ14の構成を示す図である。回転フィルタ14は、光源であるキセノンランプ11からの光を透過するフィルタである。波長帯域制限部あるいは波長帯域制限手段としての回転フィルタ14は、図2に示すように、円盤状に構成され、中心を回転軸とした構造となっており、2つのフィルタ群を有している。回転フィルタ14の外周側には、周方向に沿って、通常光観察用の分光特性の面順次光を出力するためのフィルタ組を構成するR(赤)フィルタ部14r,G(緑)フィルタ部14g,B(青)フィルタ部14bが、第1のフィルタ群として、配置されている。
回転14の内周側には、周方向に沿って、3つの所定の狭帯域波長の光を透過させる3つのフィルタ14−600,14−630,14−540が、第2のフィルタ群として、配置されている。
フィルタ14−600は、狭帯域光として、波長600nm(λ1)付近の光を透過させるように構成されている。フィルタ14−630は、狭帯域光として、波長630nm(λ2)付近の光を透過させるように構成されている。フィルタ14−540は、狭帯域光として、波長540nm(λ3)付近の光を透過させるように構成されている。
ここで「付近」とは、波長600nm付近の場合は、中心波長が600nmで、波長600nmを中心に、幅が、例えば20nm(すなわち波長600nmの前後である波長590nmから610nm)の範囲の分布を有する狭帯域光であることを意味する。他の波長である、波長630nm、及び後述する波長540nmについても同様である。
回転フィルタ14は、照明光の出射部であるキセノンランプ11からCCD2の撮像面に至る光路上に配置され、各モードにおいて、照明光の複数の波長帯域のうち少なくとも2つ(ここでは3つ)の波長帯域を狭めるように制限する。
そして、制御回路17は、回転フィルタ14を回転させるためのモータ18を制御して、回転フィルタ14の回転を制御する。
モータ18には、ラック19aが接続され、ピニオン19bには、図示しないモータが接続され、ラック19aは、ピニオン19bに螺合するように取り付けられている。制御回路17は、ピニオン19bに接続されたモータの回転を制御することによって、回転フィルタ14を矢印dで示す方向に移動することができる。よって、制御回路17は、後述するユーザによるモード切替操作に応じて、通常光観察モードのときは第1のフィルタ群を、狭帯域光観察モードのときは第2のフィルタ群を、光路上に位置させるようにピニオン19bに接続されたモータを制御する。
なお、キセノンランプ11、絞り装置13、回転フィルタモータ18、及びピニオン19bに接続されたモータ(図示せず)には電源部10より電力が供給される。
よって、光源装置4は 狭帯域光観察モードのとき、被検体に対し、所定の波長帯域を有する少なくとも1つ以上の照明光(ここでは、3つの狭帯域光)を照射する照明手段あるいは照明部を構成する。ここでは、3つの照明光のうち1つは、粘膜の表層部から1〜2mmの深部の血管を明瞭に表示するための狭帯域光であり、残りの2つは、さらに深部の血管を表示するための狭帯域光と、表層部近傍の範囲の毛細血管を表示するための狭帯域光である。そのために、光源装置4は 狭帯域光観察モードのとき、第1、第2及び第3の波長帯域(後述する)に制限する帯域制限手段あるいは帯域制限部を介して少なくとも1つ以上の照明光を照射する照明手段あるいは照明部である。
ビデオプロセッサ7は、CCDドライバであるCCD駆動回路20、アンプ22、プロセス回路23、A/D変換器24、ホワイトバランス回路(以下、W.Bという)25、セレクタ100、画像処理部101、セレクタ102、γ補正回路26、拡大回路27、強調回路28、セレクタ29、同時化メモリ30、31,32、画像処理回路33、D/A変換器34,35,36、タイミングジェネレータ(以下、T.Gという)37、モード切替回路42、調光回路43、調光制御パラメータ切替回路44、制御回路200、及び、表示画像生成手段あるいは表示画像生成部としての合成回路201を備えて構成される。
CCD駆動回路20は、電子内視鏡3に設けられたCCD2を駆動し、回転フィルタ14の回転に同期した面順次の撮像信号をCCD2に出力させるものである。また、アンプ22は電子内視鏡3の先端に設けられている対物光学系21を介してCCD2により体腔内組織を撮像した面順次の撮像信号を増幅するものである。
プロセス回路23は、アンプ22を介した面順次の撮像信号に対して相関2重サンプリング及びノイズ除去等を行う。A/D変換器24は、プロセス回路23を経た面順次の撮像信号をデジタル信号の面順次の画像信号に変換する。
W.B25は、A/D変換器24によりデジタル化された面順次の画像信号に対して、例えば画像信号のG信号を基準に画像信号のR信号と画像信号のB信号の明るさが同等となるようにゲイン調整を行い、ホワイトバランス処理を実行する。
なお、W.B25におけるホワイトバランス調整は、波長600nm付近の狭帯域光の戻り光の輝度を基準に行われる。
セレクタ100は、W.B25からの面順次の画像信号を画像処理部101内の各部に振り分けて出力する。
画像処理部101は、前記セレクタ100からの通常光観察用のRGBの画像信号又は狭帯域光観察用の3つの画像信号を、表示用の画像信号に変換する画像信号処理部あるいは画像信号処理手段である。画像処理部101は、モード信号に基づく制御回路200からの選択信号SSに応じて、通常光観察モード時及び狭帯域光観察モード時の画像信号を、セレクタ102へ出力する。
セレクタ102は、画像処理部101からの通常光観察用画像信号と狭帯域光観察用画像信号の面順次の画像信号をγ補正回路26及び合成回路201に順次出力する。
γ補正回路26は、セレクタ102あるいは合成回路201からの面順次の画像信号に対してγ補正処理を施す。拡大回路27は、γ補正回路26にてγ補正処理された面順次の画像信号を拡大処理する。強調回路28は、拡大回路27にて拡大処理された面順次の画像信号に輪郭強調処理を施す。セレクタ29及び同時化メモリ30、31,32は、強調回路28からの面順次の画像信号を同時化するためのものである。
画像処理回路33は、同時化メモリ30、31,32に格納された面順次の各画像信号を読み出し、動画色ずれ補正処理等を行う。D/A変換器34,35,36は、画像処理回路33からの画像信号を、RGBのアナログの映像信号に変換し観察モニタ5に出力する。T.G37は、光源装置4の制御回路17から、回転フィルタ14の回転に同期した同期信号を入力し、各種タイミング信号を上記ビデオプロセッサ7内の各回路に出力する。
また、電子内視鏡2には、通常光観察モード及び狭帯域光観察モードの切替のためのモード切替スイッチ41が設けられており、このモード切替スイッチ41の出力がビデオプロセッサ7内のモード切替回路42に出力されるようになっている。ビデオプロセッサ7のモード切替回路42は、制御信号を調光制御パラメータ切替回路44及び制御回路200に出力するようになっている。調光回路43は、調光制御パラメータ切替回路44からの調光制御パラメータ及びプロセス回路23を経た撮像信号に基づき、光源装置4の絞り装置13を制御し適正な明るさ制御を行うようになっている。すなわち、調光回路43は、観察モードに応じた調光基準信号を生成して、絞り装置13に出力することによって、通常光観察モードと狭帯域光観察モードのそれぞれの観察モードにおいて、適切な画像信号が得られるように絞り装置13の絞りを制御する。
ビデオプロセッサ7内の各回路は、指定されたモードに応じた所定の処理を実行する。通常光観察モードと狭帯域光観察モードのそれぞれに応じた処理が実行されて、観察モニタ5には、通常光観察用画像あるいは狭帯域光観察画像が表示される。
ビデオプロセッサ7は、撮像手段あるいは撮像部であるCCD2の撮像信号に基づいて画像信号を生成する画像信号処理手段あるいは画像信号処理部を構成する。
観察モニタ5は、後述するように、粘膜の表層部から1から2mm程度の粘膜深部における、直径が1から2mm程度の比較的太い血管の画像信号に基づいて画像表示を行う表示手段あるいは表示部である。
(狭帯域光観察の全体の処理の流れ)
次に、本実施の形態における狭帯域光観察の全体の大まかな流れを簡単に説明する。
図3は、本実施の形態に関わる狭帯域光観察における全体の処理の流れを説明するための図である。
術者は、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入し、通常光観察モード下で、内視鏡挿入部の先端部を病変部近傍に位置させる。術者は、処置対象の病変部を確認すると、粘膜下層から固有筋層を走行する、比較的太い、例えば直径が1〜2mmの、深部の血管を観察するために、モード切替スイッチ41を操作して、内視鏡装置1を狭帯域光観察モードに切り替える。
狭帯域光観察モード下では、内視鏡装置1の制御回路17は、第2のフィルタ群を透過した光を、光源装置4から出射するように、ピニオン19bに接続されたモータを制御して、回転フィルタ14の位置を移動させる。さらに、制御回路200も、狭帯域波長による観察のための画像処理を行うように、ビデオプロセッサ7内の各種回路を制御する。
図3に示すように、狭帯域光観察モードでは、照明光発生部51から、狭帯域波長の照明光が、内視鏡3の挿入部の先端部から出射され、粘膜層を透過して、粘膜下層及び固有筋層を走行する血管61に照射される。ここで、照明光発生部51は、光源装置4、回転フィルタ14、ライトガイド15等を含んで構成され、内視鏡挿入部の先端から照明光を出射する。回転フィルタ14の回転により、波長600nm付近の狭帯域光、波長630nm付近の狭帯域光、及び波長540nm付近の狭帯域光が、連続的にかつ順番に光源装置4から出射されて、被写体に照射される。
波長600nm付近の狭帯域光、波長630nm付近の狭帯域光、及び波長540nm付近の狭帯域光の反射光は、それぞれCCD2である反射光受光部52により受光される。CCD2は、それぞれの反射光の撮像信号を出力し、アンプ22等を介して、セレクタ100へ供給される。セレクタ100は、T.G37からの所定のタイミングに応じて、波長600nm付近の第1の画像信号P1、波長630nm付近の第2の画像信号P2及び波長540nm付近の第3の画像信号P3を保持して、画像処理部101に供給する。画像処理部101は、狭帯域光観察モードのための色変換処理部101bを含む。
よって、ビデオプロセッサ7は、第1の画像信号P1、第2の画像信号P2、及び第1の画像信号P1よりも吸収特性における値が高い波長帯域に分光特性のピーク波長を有する第3の波長帯域の第3の画像信号P3に基づいて、画像信号を生成して、観察モニタ5に出力する。
また、各撮像信号は、調光回路43にも入力される。調光回路43は、後述するように、観察モードに応じて調光基準信号を生成して、絞り装置13へ出力する。
内視鏡装置1を用いて、例えば胃、食道、大腸などの消化管の内壁の病変部の存在する粘膜下層を切開し、剥離するESDでは、術者は、電気メスなどによって組織中の比較的太い血管を切ってしまわないようにしなければならない。術者は、内視鏡装置1を狭帯域光観察モードに設定すると、生体組織の表面下の血管を明瞭に描画することができる。
図1の画像処理部101の色変換処理部101bにおいて、各画像信号を、観察モニタ5のRGBの各チャンネルに割り当て、セレクタ102に供給する。その結果、観察モニタ5の画面5a上には、粘膜深部の比較的太い血管61が、高いコントラストで表示される。よって、術者は、観察モニタ5に表示された、粘膜下層及び固有筋層を走行する血管61に注意しながら、病変部にESDを施すことができる。
ここで、静脈血の光の吸収特性について説明する。図4は、静脈血の光の吸収特性を示す図である。図4の縦軸は、モル吸光係数(cm−1/M)であり、横軸は、波長である。なお、3つの狭帯域光の照明光は、生体組織自体の散乱特性の影響も受けるが、生体組織自体の散乱特性は、波長の増加に対して略単調減少であるため、図4を、生体組織の吸収特性として説明する。
一般に、静脈血には、酸化ヘモグロビン(HbO2)と還元ヘモグロビン(Hb)(以下、両者を合わせて単にヘモグロビンという)が、略60:40〜80:20の割合で含まれている。光はヘモグロビンにより吸収されるが、その吸収係数は、光の波長毎で異なっている。図4は、400nmから略800nmまでの波長毎の静脈血の光の吸収特性を示し、550nmから、750nmの範囲において、吸収係数は、略波長576nmの点で極大値を示し、波長730nmの点で極小値を示している。
狭帯域光観察モードでは、3つの狭帯域光が照射され、それぞれの戻り光が、CCD2において受光される。
波長600nm付近の狭帯域光(以下、第1の狭帯域光NL1という)は、ヘモグロビンの吸収特性の極大値ACmax(ここでは波長576nmにおける吸収係数)から極小値ACmin(ここでは波長730nmにおける吸収係数)の波長帯域R内の波長帯域の光である。
波長630nm付近の狭帯域光(以下、第2の狭帯域光NL2という)も、ヘモグロビンの吸収特性の極大値ACmaxから極小値ACminの波長帯域R内の光であるが、第1の狭帯域光NL1の波長よりも長く、吸収係数が低く、かつ生体組織の散乱特性が抑制された波長帯域の光である。散乱特性が抑制されているとは、散乱係数が、長波長側に向かって低くなっていることを意味する。
すなわち、光源装置4は、生体組織の吸収特性において極大値ACmaxを含む波長帯域から極小値ACminにおける波長帯域の間で分光特性のピーク波長を有する第1の照明光NL1を照射する。
さらに、ここでは、光源装置4は、第1の照明光NL1による画像信号P1より吸収特性における値が低くかつ生体組織の散乱特性が抑制された分光特性のピーク波長を有する第2の照明光NL2も照射する。
さらに、光源装置4は、波長540nm付近の狭帯域光(以下、第3の狭帯域光NL3という)も照射する。第3の狭帯域光NL3は、ヘモグロビンの吸収特性の極大値ACmaxから極小値ACminの波長帯域R外の波長帯域の光であり、被検体の粘膜表面の表層部から所定の距離だけ透過可能な照明光である。
CCD2は、3つの狭帯域光の各画像の撮像信号を出力する。よって、各画像は、第1、第2及び第3の狭帯域光NL1,NL2,NL3の各戻り光に基づく、複数の画素信号を含む。
さらに、照明光である第1の狭帯域光NL1と第2の狭帯域光NL2の生体組織内における光の伝播について説明する。図5は、第1の狭帯域光NL1(λ1)と第2の狭帯域光NL2(λ2)の生体組織内における光の伝播ボリュームを説明するための図である。第1の狭帯域光NL1と第2の狭帯域光NL2のそれぞれは、生体組織内で多重散乱過程を繰り返し、その結果、戻り光として粘膜表面から出射される。第1の狭帯域光NL1と第2の狭帯域光NL2は、それぞれ平均自由行程MFP1,MFP2を有する。そして、第1の狭帯域光NL1の平均自由行程MFP1は、第2の狭帯域光NL2の平均自由行程MFP2よりも短い。
図5に示すように、波長600nm(λ1)付近の第1の狭帯域光NL1は、血管61の近傍まで到達し、波長630nm(λ2)付近の第2の狭帯域光NL2は、血管61よりもわずかに深い位置まで到達する。よって、この第1の狭帯域光NL1を用いることによって、生体粘膜の表層下の1〜2mmの比較的に深部にある、直径が1〜2mmの比較的太い血管が表示可能となっている。
さらに、後述するように、波長630nm(λ2)付近の第2の狭帯域光NL2によっても、さらに深部のより太い血管が表示可能となっている。
なお、ここでは、波長600nm付近の狭帯域光の画像信号を生成しているが、上述したように、血管の径のバラツキ等があること、さらに深さも種々あることから、図4に示すような、生体組織の吸収特性において極大値を含む波長帯域から極小値における波長帯域の間で、所定の波長幅を有して、分光特性のピーク波長を波長帯域の画像信号を生成することによって、粘膜深部の血管を表示させることができる。
よって、第1の狭帯域光NL1の波長帯域は、波長585nmから波長615nmの範囲に分光特性のピーク波長を有することが好ましい。
図19は狭帯域照明光を中心波長10nm刻みで時系列的に照射可能な分光内視鏡装置を用いて動物の腹腔内を撮影した画像の模式図である。具体的には、540nm、600nm、630nmの各モノクロ画像を各々Bチャンネル、Gチャンネル、Rチャンネルに割り当てた画像を示す。画像中の血管V1、及び、血管V2は画像中の左上方向から右下方向に走行する太い血管である。血管V2よりも血管V1の方が粘膜表面から深くに位置する。ここでは、540nmから680nmに渡って10nmステップで計15パターンのモノクロ画像を撮影した。
図20は図19の複数のモノクロ画像に対して各画像中のLine-A上の強度(対数表示された画素値)を縦軸に示したグラフである。図20の横軸は各画像中のLine-A上の画素の位置である。血管V1は画素の位置が25〜50付近、血管V2は画素の位置が75〜110付近に存在する。比較的浅部に存在する血管V2、及び、深部に位置する血管V1の両方の血管において強度が減衰している照明波長、つまり、血管V1および血管V2において照明光が強く吸収される波長は、図20から略590nm〜620nmであることが分かる。
したがって、比較的浅い部分から深部に存在する血管を検知するには、略590nm〜620nmの狭帯域光が重要な波長情報となる。血管V1は粘膜表面からおよそ1mm〜2mm程度深い部分に存在する。なお、本実験結果は、前記のBeer-Lambertによる理論計算結果(波長600nmの前後15nmの間の狭帯域光を用いることによって、比較的太い血管が高いコントラストで表示可能となる)と略一致する。
以上のように、光源装置4は、第1の狭帯域光NL1による戻り光の吸収特性における値が低くかつ生体組織の散乱特性が抑制された分光特性のピーク波長を有しかつ第1の狭帯域光NL1の波長帯域とは異なる波長帯域の照明光である狭帯域光NL2と、被検体の表層部から所定の距離だけ透過可能な第3の狭帯域光NL3も照射する。
狭帯域光NL2は、狭帯域光NL1で表示する血管よりもさらに深部の血管の画像を得るための狭帯域光であり、狭帯域光NL3は、表層部の毛細血管の画像を得るための狭帯域光である。
次に、画像処理部101における処理について説明する。図6は、狭帯域光観察モードにおける内視鏡画像における血管の表示例を説明するための内視鏡画像の例を示す図である。
通常光観察モードでは、撮像された内視鏡画像EI内には、表層部から1〜2mmの深部の血管は、観察モニタ5の内視鏡画像EI上には表示されない、または、表示されにくい。
これに対して、狭帯域光観察モードでは、撮像された内視鏡画像EI内に深部の血管が存在すると、図6に示すように、血管61は内視鏡画像EI上に表示される。
従って、画像処理部101は、撮像手段あるいは撮像部による撮像後、生体組織の吸収特性において、極大値ACmaxを含む波長帯域から極小値ACminにおける波長帯域の間で分光特性のピーク波長を有する所定の波長帯域の画像信号P1(λ1)を出力する画像出力手段あるいは画像出力部を構成する。
(調光回路の処理)
調光回路43は、観察モードに応じた調光基準信号Yを生成する。ユーザがモード切替スイッチ41を操作して指定したモード信号は、モード切替回路42を介して調光制御パラメータ切替回路44に入力され、調光制御パラメータ切替回路44は、観察モードに応じた調光制御パラメータを、調光回路43に出力する。
調光回路43では、プロセス回路23からの3つの撮像信号と、調光制御パラメータ切替回路44からの調光制御パラメータとに基づいて、調光基準信号Yを生成する。以下、通常光観察モードのときの調光基準信号Yを、調光基準信号Ywとし、狭帯域光観察モードのときの調光基準信号Yを、調光基準信号Ynとする。
通常光観察モードのときは、調光回路43は、次の式(1)に基づいて調光基準信号Ywを生成する。
Figure 0005404968
ここで、Ib(R)は、R信号の輝度値を示し、Ib(G)は、G信号の輝度値を示し、Ib(B)は、B信号の輝度値を示す。各輝度値は、例えば、1フレームにおける各輝度値の平均値である。式(1)に示すように、通常光観察モードでは、R,G,Bの各信号に対して、それぞれの調光制御パラメータが乗算されている。ここでは、G信号に最も大きな重みである「0.6」が付けられている。
狭帯域光観察モードのときは、調光回路43は、次の式(2)に基づいて調光基準信号Ynwを生成する。
Figure 0005404968
ここで、Ib(630)は、波長630nm付近の狭帯域光信号の輝度値を示し、Ib(600)は、波長600nm付近の狭帯域光信号の輝度値を示し、Ib(540)は、波長540nm付近の狭帯域光信号の輝度値を示す。各輝度値は、例えば、1フレームにおける各輝度値の平均値である。式(2)に示すように、狭帯域光観察モードでは、各狭帯域信号NL1,NL2,NL3の各信号に対して、それぞれの調光制御パラメータが乗算されている。ここでは、波長600nm付近の狭帯域光信号に最も大きな重みである「0.6」が付けられている。
なお、ここでは、式(2)の各調光制御パラメータの値は、0.6,0.3,0.1で、式(1)と同じであるが、異なっていてもよい。
以上のように、式(1)では、G信号に最も大きな重みが付加されて、調光基準信号Ywが生成されている。これに対して、式(2)では、波長600nm付近の狭帯域信号に、最も大きな重みが付加されて調光基準信号Ynが生成されている。
調光回路43は、狭帯域光観察モードでは、ここでは最も重要な信号である波長600nm付近の第1の狭帯域光NL1の画像信号に、他の画像信号よりも大きな重み係数を掛けて調光基準信号Ynを生成して、その調光基準信号Ynに基づいて絞り装置13の絞りを制御する。
すなわち、調光回路43は、図4に示したような被検体の生体組織の吸収特性において極大値を含む波長帯域から極小値における波長帯域の間で、分光特性のピーク波長を有する第1の波長帯域の第1の画像信号P1と、その第1の画像信号P1よりも吸収特性における値が低くかつ生体組織の散乱特性が抑制された分光特性のピーク波長を有する第2の波長帯域の第2の画像信号P2とに基づき、第1の画像信号P1に、第2の画像信号P2より大きな重みを付加して、照明手段あるいは照明部である光源装置4における光量を調整するための調光信号を算出して出力する調光手段あるいは調光部を構成する。
出願人の行った実験においても、狭帯域光観察モードで上記の調光基準信号Ynを用いることによって、適切な調光が行われた内視鏡画像を得ることができた。その実験では、豚の血液を狭帯域光モードで撮像したが、従来のG信号の波長帯域の画像信号に最も大きな重みを付加して調光基準信号を生成したところ、血液の赤い画像が一部で輝度値が飽和してしまった。
これに対して、本実施の形態のように、波長600nm付近の第1の狭帯域光NL1の画像信号に、他の画像信号よりも高い重みを付加して調光基準信号Ynを生成したところ、血液の赤い画像の輝度値が飽和することはなかった。
以上のように、調光回路43は、観察モードに応じた調光パラメータに基づいて各狭帯域光の輝度値に重み付けをして、調光基準信号を生成しており、特に、狭帯域光観察モードのときには、波長600nm付近の狭帯域光に、最も大きな重み付けをして、調光基準信号Ynを生成している。なお、式(2)の代わりに式(3’)として、630を630×α’、600を600×β’、540を540×γ’として調光基準信号Ynを算出しても良い。ここで、α’、β’、γ’は後述する色変換処理部における各画像信号に重み付けされる重み係数である。
次に、画像処理部101の処理について説明する。画像処理部101は、色変換処理部101bを有し、色変換処理を実行する。
(画像処理部の色変換処理)
次に、色変換処理部101bにおける処理について説明する。色変換処理部101bには、第1の画像信号P1(λ1)と、第2の画像信号P2(λ2)と、第3の画像信号P3(λ3)が入力される。
図7は、画像処理部101の構成を説明するためのブロック図である。撮像素子からの3つの画像信号は、色変換処理部101bに入力される。色変換処理部101bは、第1の画像信号P1(λ1)、第2の画像信号P2(λ2)及び第3の画像信号P3(λ3)に対して、チャンネル割り当てによる色変換処理を施して、観察モニタ5へ出力する。
波長600nm付近の狭帯域光NL1により、深部の血管61をコントラスト高く表示するために、色変換処理部101bは、モノクロ画像として観察モニタ5に出力するように、第1の画像信号P1(λ1)を、BGRの3チャンネルに割当てる。なお、モノクロ画像表示回路がある場合には、第1の画像信号P1(λ1)をモノクロ画像表示回路に入力して、モノクロ画像として観察モニタ5に出力するようにしてもよい。
その結果、狭帯域光観察モードにおいて、内視鏡画像EI上で、図6に示す血管61はコントラスト高く表示される。
従って、画像処理部101は、撮像手段あるいは撮像部であるCCD2により戻り光を撮像して得られた画像信号に基づいて第1の画像信号P1(λ1)を出力する画像出力手段あるいは画像出力部を構成する。
なお、色変換処理部101bにおいて、第1の画像信号P1(λ1)に加えて、第2の画像信号P2(λ2)と第3の画像信号P3(λ3)の少なくとも1つを用いて、色変換処理を行うようにしてもよい。以下、色変換処理部101bの色変換処理の変形例1〜3を説明する。
まず、変形例1について説明する。
変形例1の色変換処理部101bでは、第1の画像信号P1(λ1)と、第2の画像信号P2(λ2)と、第3の画像信号P3(λ3)とを、それぞれG,R,Bのチャンネルに割り当てる処理が行われる。
ここでは、例えば、色変換処理部101bでは次の式(3)の処理が行われ、第1の画像信号P1(λ1)の輝度値ImA(λ1)、第2の画像信号P2(λ2)の輝度値Im(λ2)及び第3の画像信号P3(λ3)の輝度値Im(λ3)が、それぞれG,R,Bチャンネルに割り当てられる。
Figure 0005404968
式(3)によれば、深部の比較的太い血管61は、やや赤っぽい色で表示されるので、術者に分かり易い。
図8は、3つの画像信号を用いた内視鏡画像の表示例を説明するための図である。実線で示す深部の血管61は、やや赤っぽい色で表示され、さらに血管61よりもさらに深い血管61A(一点鎖線で示す)は、青色で表示され、点線で示す毛細血管61Bは、略黄色で表示される。特に、生体組織の粘膜、さらに粘膜表面上の血も、略黄色で表示される。
なお、ここでは、第3の狭帯域光NL3は、波長540nm付近の光であるが、表層情報を得るために、より波長の短い光、例えば波長460nm付近の光や波長415nm付近の光でもよい。
吸収度が高い波長600nm付近の狭帯域光NL1をGチャンネルに、吸収度が狭帯域光NL1よりも低い波長630nm付近の狭帯域光NL2をRチャンネルに割り当てることにより、深部の血管61と61Aのそれぞれを、生体組織の表層色とは異なる色(やや赤っぽい色)で表示できる。
また、生体組織の粘膜表面上に出血による血があっても、深部の血管61及びさらに深部の血管61Aは、異なる色で表示されるので、術者にとって視認し易い。
なお、第1の画像信号P1(λ1)と、第2の画像信号P2(λ2)と、第3の画像信号P3(λ3)とを、それぞれG, B, Rのチャンネルに割り当てるようにしてもよい。その場合、式(3)のマトリックスの各値に係数を乗算する等の各画像信号の強度調整等を行うことによって、上記の式(3)の色変換処理により得られる画像と同様の表示画像を観察モニタ5に表示させることができる。
なお、色変換処理101bでは、上記の式(3)に代えて、次の式(4)を用いてもよい。
Figure 0005404968
式(4)によれば、深部の血管61は、やや青色あるいは青緑色で示されると共に、表層の毛細血管も赤っぽく表示されるので、術者に分かり易い。
さらになお、色変換処理101bでは、上記の式(3)に代えて、次の式(5)を用いてもよい。
Figure 0005404968
さらになお、色変換処理101bでは、上記の式(3)に代えて、次の式(6)を用いてもよい。ここでαは略1.0〜1.5、βは略2.0〜2.6、γは略2.5〜3.3の数値(例えば、α:β:γ=0.56:1.00:1.17)をとる。この場合、深部血管の色調は青緑色、粘膜の色調は通常観察と類似するため術者がストレスなく観察しやすい。また、αは略2.3〜2.7、βは略2.3〜2.7、γは略1.7〜2.1の数値(例えば、α:β:γ=1.00:1.00:0.76)とすることで、表層および深部の血管の観察が容易となる。
Figure 0005404968
なお、色変換処理部101bにおけるチャンネル割当ての他の例について説明する。例えば、治療時には、上記式(3)に代えて、波長540nm付近の狭帯域光をBチャンネルに、波長630nm付近の狭帯域光をGチャンネルに、波長600nm付近の狭帯域光をRチャンネルに割り当てるようにしてもよい。
また、診断時には、波長540nm付近の狭帯域光をBチャンネルとGチャンネルに、波長600nm付近の狭帯域光もしくは波長630nm付近の狭帯域光をRチャンネルに割り当てるようにしてもよい。
ここで、色バランス調整について説明する。
例えば、式(3)のように、波長540nm付近の狭帯域光をBチャンネルに、波長600nm付近の狭帯域光をGチャンネルに、波長630nm付近の狭帯域光をRチャンネルに割り当てる場合、Rチャンネルの信号に対して、Bチャンネルの信号を増幅することが望ましい。波長600nm付近の狭帯域光の信号強度は、補正しないで、Bチャンネルに割り当てられる波長540nm付近の狭帯域光の信号強度が、Rチャンネルに割り当てる波長630nm付近の狭帯域光の信号強度の0.7〜2.5倍になるように、2つの信号が調整される。なお、色バランス調整を行った後に色変換処理を行ってもよいし、色変換処理後に色バランス処理を行ってもよい。
よって、色変換処理部101bは、生体情報を区別するために、第2の画像信号P2に対して第3の画像信号P3を所定の量だけ増幅することによって色バランス調整を行う色バランス調整手段あるいは色バランス調整部を構成する。
これにより、粘膜、白色調の繊維組織、黄色の出血、黒色の炭化領域、及び、色調が赤色からマゼンダ色の太い血管の間における色調の差がより顕著になり、術者にとって処置あるいは診断が、よりし易い表示画像を得ることができる。
このような色バランス調整のための色バランス調整回路は、図1のW.B25の前段に設けてもよい。その場合、波長540nm付近の狭帯域光と波長630nm付近の狭帯域光の照明光の強度が略等しいときは、色バランス調整回路は、Bチャンネルに割り当てられる波長540nm付近の狭帯域光の信号を、0.7〜1.5倍程度し、Rチャンネルに割り当てる波長630nm付近の狭帯域光の信号を、0.6〜1.0倍程度にする。
なお、色バランス調整は、色変換処理部101bにおいて行うようにしてもよいし、あるいは光源装置4において照明光の強度を調整して行うようにしてもよいし、撮像素子のカラーフィルタの各色の透過度を調整して行うようにしてもよい。
次に変形例2について説明する。ここでは、特に言及しない限り、色バランスの調整のためのゲイン調整は行っていない、すなわちそれぞれのゲインは1とする。
変形例2では、3つの画像信号のうちの2つの画像信号に対してチャンネル割当てが行われる。
一つの例として、変形例2の色変換処理部101bでは、第1の画像信号P1(λ1)をG,Bのチャンネルに割り当て、第2の画像信号P2(λ2)をRのチャンネルに割り当てる処理が行われるようにしてもよい。
このような割当ての場合、内視鏡画像EIでは、出血や深部の血管は、やや赤っぽい色で表示され、粘膜は、白っぽく表示され、表層の毛細血管は、表示されないもしくは表示されにくい。
変形例3として、色変換処理部101bにおいて、第1の画像信号P1(λ1)をRのチャンネルに割り当て、第3の画像信号P3(λ3)をG,Bのチャンネルに割り当てる処理が行われるようにしてもよい。
このような割当ての場合、内視鏡画像EIでは、出血や粘膜は、やや赤っぽい色で表示され、深部の血管は緑系の色で表示される。
また、この場合、各チャンネルのゲイン調整をしてもよい。例えば、第3の画像信号P3(λ3)を割り当てるG,Bのチャンネルのゲインを、第1の画像信号P1(λ1)を割り当てるRのチャンネルのゲインよりも、1.3倍から1.5倍程度にすると、出血や粘膜は、赤っぽい色で表示され、深部の血管は青系から緑系の色で表示される。
例えば、第3の画像信号P3(λ3)を割り当てるG,Bのチャンネルのゲインと、第1の画像信号P1(λ1)を割り当てるRのチャンネルのゲインとを、B,R,Gの順で高くなるように設定すると、出血や粘膜は、茶色で表示され、深部の血管は青系から緑系の色で表示される。
さらに、例えば、第3の画像信号P3(λ3)を割り当てるG,Bのチャンネルのゲインと、第1の画像信号P1(λ1)を割り当てるRのチャンネルのゲインとを、B,G,Rの順で高くなるように設定すると、出血や粘膜は、赤っぽい色で表示され、深部の血管は緑系の色で表示される。
以上のように、上述した実施の形態によれば、撮像素子2からの3つの画像信号の中から、第1の画像信号P1を用いて、粘膜深部の比較的太い血管を明瞭に表示する内視鏡装置1を実現することができる。
すなわち、図4に示したような生体組織の吸収特性の極大値から極小値の間における上述したような吸収特性を有する狭帯域光を、生体粘膜に照射して、その得られた戻り光の画像により、生体粘膜の比較的深部にある、比較的太い血管が強調され、観察モニタ5の画面上に表示される。よって、術者は、比較的太い血管も見ながら確認して、ESD等の所望の処置を行うことができる。
また、第1から第3の画像信号P1,P2,P3の中の2つ又は3つの画像信号を用いて、色変換処理部101bにおいて、第1の画像信号P1、第2の画像信号P2及び第3の画像信号P3に対して、チャンネル割り当てを行って、観察モニタ5へ出力するようにすれば、比較的深い血管、粘膜表層の毛細血管等も表示することができる。
すなわち、上述した内視鏡装置1では、第3の狭帯域光NL3を用いて、生体粘膜の表層部に近い部分にある血管も表示可能となっている。
例えば、波長540nm付近の第3の狭帯域光NL3を用いているので、表層部の毛細血管の状態も、太い血管と同時に、観察モニタ5の画面上に表示される。さらに、波長630nm付近の第2の狭帯域光NL2を用いているので、より深部の血管の状態も一緒に、観察モニタ5の画面上に表示される。
よって、術者は、観察モニタ5の画面上の内視鏡画像を、処置だけでなく、毛細血管の状態、例えば、毛細血管の集中度あるいは分散度の程度から、生体組織の診断、例えば癌の存在診断や癌の範囲を特定するための範囲診断、また、患部の良悪性を判断する鑑別診断にも利用することができる。さらに、より深部の血管を意識した深達度診断等を行うこともできる。
さらに、調光回路43は、観察モードに応じた調光パラメータに基づいて各信号の輝度値に重み付けをして、調光基準信号Yを生成している。特に、狭帯域光観察モードのときには、波長600nm付近の狭帯域光に、最も大きな重み付けをして、調光基準信号Ynを生成している。そして、調光回路43が、狭帯域光観察モードにおいて、適切な画像信号が得られるように絞り装置13の絞りを制御するので、狭帯域光モードの内視鏡画像は、明瞭にかつ、特定の輝度値が飽和すること等が無く、適切な明るさで表示される。
なお、上述した光源装置4は、キセノンランプ11と回転フィルタ14等を用いて、所望の波長帯域の照明光を生成するが、内視鏡装置1においては、点線で示すように、光源装置4は、所望の波長、例えば、第1のフィルタ群に対応するRGBの各波長と、第2のフィルタ群に対応する600nm付近と630nm付近の各波長を出射する複数の発光ダイオード(LED)からなる発光ダイオード群11aを有する発光部11Aを含むように構成してもよい。その場合、発光部11A及びライトガイド15が、被写体に照明光を照射する照射部を構成する。
例えば、図1において、キセノンランプ11、熱線カットフィルタ12、絞り装置13,回転フィルタ14等の代わりに、光源装置4に、点線で示す発光部11Aを設ける。さらに、光源装置4には、発光部11Aの各発光ダイオードを、各モードに応じて、所定のタイミングで駆動するための駆動回路11bが設けられる。複数のLED11aを有する発光部11Aが、電源10から電源を受け、制御回路17からの制御信号の下で、駆動回路11bにより制御されて駆動される。
このような光源装置を用いても、上述した内視鏡装置1を構成しても、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
なお、発光部11Aは、所定の複数の狭帯域光を出射するレーザダイオード(LD)を用いてもよい。
また、光源装置にキセノン光源、LED、LDの何れを搭載した場合においても、CCD2はモノクロ撮像素子でなく、第1の狭帯域光NL1を透過する波長帯域制限手段あるいは波長帯域制限部としての、RGBカラーフィルタ、もしくは、補色系のカラーフィルタを設けても上述した効果と同等の効果を得ることができる。
また、図4に示す第2の狭帯域光NL2はヘモグロビンの吸収特性の極小値ACmin(ここでは波長730nmにおける吸収係数)よりも長い波長帯域の光であってもよい。つまり、第2の狭帯域光NL2の波長は、第1の狭帯域光NL1の波長よりも吸収係数が低く、かつ生体組織の散乱特性が抑制された波長帯域である、例えば、740nm, 770nm, 805nm, 810nm, 850nm, 870nm, 880nm, 910nm, 940nm, 1020nm, 1300nmを用いても上述した効果と同等の効果を得ることができる(例えば、狭帯域光NL2を740nm〜1300nmのいずれかの波長に設定する場合、狭帯域光NL1は576nm以上で、かつ、少なくとも630nm以下の何れかの波長を設定する)。なお、第2の狭帯域光NL2は、光源装置としてキセノン光源、LED、LDの何れを搭載した場合でも生成することができる。
以上のように、上述した本実施の形態によれば、薬剤投与という煩雑な作業をすることなく、かつ粘膜深部の血管を明瞭にかつ適切な明るさで表示可能な内視鏡装置を提供することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、第1の狭帯域光NL1を含む少なくとも1つの狭帯域光を照明光として生体組織に実際に照射して、その戻り光の画像に対して上述した色変換処理が行われているが、本実施の形態では、生体組織に少なくとも1つの狭帯域光を実際に照射しないで、いわゆる分光推定により各狭帯域光の戻り光の画像情報を得て、その分光推定により得られた各波長の分光画像信号に対して上述したような色変換処理が行われる。すなわち、上述した第1の実施の形態では、第1の狭帯域光NL1は、回転フィルタあるいは発光ダイオードなどの発光素子を有する照明装置により生成されて、それらの戻り光の画像に対して色変換処理が行われるが、本実施の形態では、第1の狭帯域光NL1に対応する画像信号を、分光推定処理により得て、その分光推定により得られた分光推定画像信号に対して色変換処理が行われる。
図9は、第2の実施の形態に関わる内視鏡装置1Aの構成を示す構成図である。図9において、図1と同じ構成要素については、同一符号を付して説明は省略する。
図9に示すように、光源装置4Aは、白色光を出射するランプ11Bと、熱線カットフィルタ12及び絞り装置13を含んで構成される。光源装置4Aからの照明光は、ライトガイド15を介して、被写体へ照射される。なお、ランプ11Bは、白色光以外の光を出射するものでもよい。
内視鏡3の挿入部の先端に設けられた撮像素子2Aは、カラー撮像素子である。撮像素子2Aは、例えばカラーCCDであり、撮像面上に、RGBのカラーフィルタを有する。被写体からの戻り光は、波長帯域制限手段あるいは波長帯域制限部である、RGBのカラーフィルタを介して撮像面の各画素部により受光され、RGBの3色の画像信号が、撮像素子2Aから出力される。
セレクタ100Aは、RGBの3つの画像信号を、画像処理部101Aに出力する。画像処理部101Aは、分光推定部を有し、狭帯域光観察モードのときは、波長600nm付近の分光推定画像信号を出力する。ここでは、画像処理部101Aの分光推定部は、狭帯域光観察モードのときは、3つの画像信号、具体的には波長600nm付近の分光推定画像信号、波長630nm付近の分光推定画像信号及び波長540nm付近の分光推定画像信号を出力する。
図10は、本実施の形態に関わる狭帯域光観察における全体の処理の流れを説明するための図である。図10において、図3と同じ構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。画像処理部101Aは、色変換処理部101bに加えて、分光推定部101cを含む。すなわち、画像処理部101Aは、戻り光の撮像信号に対して分光推定処理を行うことによって、第1の画像信号を生成して出力する画像出力手段あるいは画像出力部を構成する。ここでは、分光推定部101cは、RGBの3つの画像から、波長600nm付近の第1の分光推定画像信号e1と、波長630nm付近の第2の分光推定画像信号e2と、波長540nm付近の第3の分光推定画像信号e3を、分光推定処理により抽出して色変換処理部101bへ出力する。
具体的には、分光推定部101cは、3入力から、予め与えられている先験情報に基づいてn次元の分光画像をマトリックス演算により算出して、算出されたn次元の分光推定画像信号の中から選択的にe1,e2,e3を出力する。分光推定部101cは、マトリックス演算等を用いて、波長600nm付近の分光推定画像信号e1と波長630nm付近の分光推定画像信号e2と波長540nm付近の分光推定画像信号e3を算出して出力するように構成されている。
分光推定部101cから出力された第1、第2及び第3の分光推定画像信号についてのその後の色変換処理部101bにおける処理は、上述した第1の実施の形態で説明した処理と同じである。
また、分光推定部101cにおいて分光推定により得られた第1、第2及び第3の分光推定画像信号は、調光回路43に入力される。
図11は、3つの広帯域光の画像信号B,G,Rから3つの狭帯域光の分光画像信号e1,e2,e3を推定する場合を説明するための分光特性を示す図である。図11における3つの広帯域光B,G,Rは撮像素子2Aのカラーフィルタにより得られ、その3つの広帯域光B,G,Rの画像信号が分光推定部101cに入力される。
分光推定部101cは、分光推定処理により、3つの広帯域光の画像信号B,G,Rから、少なくとも1つの狭帯域光の分光推定画像信号e1を推定する。ここでは、図11に示すような波長帯域を有する広帯域光の画像信号B,G,Rから、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1、波長630nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e2及び波長540nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e3が分光推定処理により得られる。ここでは、図4における極大値ACmaxと極小値ACminの波長帯域R間の2つの狭帯域光の分光推定画像信号e1,e2と、その波長帯域R外の狭帯域光の分光推定画像信号e3とが分光推定により得られ、分光推定画像信号e1,e2,e3は、色変換処理部101bに供給される。
なお、3つの広帯域光のうちの2つの広帯域光の画像信号、例えば広帯域光G,Rの画像信号から、少なくとも1つの分光推定画像信号e1(ここでは3つの分光画像信号e1,e2,e3)を分光推定処理により、得るようにしてもよい。
さらにまた、図11に示すような広帯域光でなく、図12に示すような狭帯域光の画像信号から、分光推定画像信号e1(ここでは3つの分光推定画像信号e1,e2,e3)を分光推定処理により、得るようにしてもよい。
図12は、3つの狭帯域光Bn,Gn,Rnの画像信号から、3つの狭帯域光の分光推定画像信号e1,e21,e31を推定する場合を説明するための分光特性を示す図である。図12に示すように、分光推定部101cでは、3つの狭帯域光の画像信号Bn,Gn,Rnから、3つの分光推定画像信号、すなわち、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1、波長630nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e2及び波長540nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e3を推定する。
なお、少なくとも1つの狭帯域光と少なくとも1つの広帯域光から、少なくとも1つの分光推定画像信号e1を分光推定して得るようにしてもよい。すなわち、図11の3つの広帯域光の少なくとも一つが狭帯域光であったり、図12の3つの狭帯域光の少なくとも一つが広帯域光であったりしてもよい。
また、3つの狭帯域光Bn,Gn,Rnは、図11あるいは図12に示すような分光特性を有する撮像素子2Aのカラーフィルタにより得られるようにしてもよいし、あるいは、光源装置において図2に示したような回転フィルタを用いて生成して、3つの照明光(すなわち3つの狭帯域光Bn,Gn,Rnの照明光)の戻り光をモノクロの撮像素子に当てて、得るようにしてよい。
さらになお、3つ(あるいは2つ)の広帯域光の画像信号は、カラー撮像素子のカラーフィルタを用いて得るのではなく、光源装置において、図11あるいは図12に示したような分光特性の画像信号が得られる感度特性を有する回転フィルタの第1群のフィルタを光路上に配置して生成した3つ(あるいは2つ)の照明光の戻り光をモノクロの撮像素子に当てて、得るようにしてよい。
よって、本実施の形態の内視鏡装置1Aによっても、上述した内視鏡装置1と効果と同様の効果を得ることができる。
調光回路43は、第1の実施の形態と同様に、観察モードに応じた調光基準信号Yを生成し、かつ調光制御パラメータ切替回路44は、モードに応じた調光制御パラメータを、調光回路43に出力する。
調光回路43では、通常光観察モードの場合は、第1の実施の形態と同様に、上述した式(1)を用いて、プロセス回路23からの3つの撮像信号と、調光制御パラメータ切替回路44からの調光制御パラメータとに基づいて、調光基準信号Ywを生成する。
狭帯域光観察モードのときは、調光回路43は、次の式(3)に基づいて調光基準信号Yn1wを生成する。
Figure 0005404968
ここで、esIb(630)は、波長630nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e2の輝度値を示し、esIb(600)は、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1の輝度値を示し、esIb(540)は、波長540nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e3の輝度値を示す。各輝度値は、例えば、1フレームにおける各輝度値の平均値である。式(7)に示すように、狭帯域光観察モードでは、分光推定画像信号e1,e2,e3の各信号に対して、それぞれの調光制御パラメータが乗算されている。ここでは、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1に最も大きな重みである「0.6」が付けられている。
なお、ここでは、式(7)の各調光制御パラメータの値は、0.6,0.3,0.1で、式(1)と同じであるが、異なっていてもよい。
従って、調光回路43は、第1の実施の形態と同様に、狭帯域光観察モードでは、ここでは最も重要な信号である波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1の画像信号に、他の画像信号よりも大きな重み係数を掛けて調光基準信号Yn1を生成して、その調光基準信号Yn1に基づいて絞り装置13の絞りを制御する。
すなわち、調光回路43は、観察モードに応じた調光パラメータに基づいて各狭帯域光の輝度値に重み付けをして、調光基準信号を生成しており、特に、狭帯域光観察モードのときには、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1に、最も大きな重み付けをして、調光基準信号Yn1を生成している。
図13は、本実施の形態に関わる画像処理部101Aにおける撮像素子2から得られた画像に対する処理の流れを説明するための図である。
図13に示すように、撮像素子2から、3つの画像、すなわち、第1から第3の画像信号P1,P2,P3が、分光推定部101cに入力される。分光推定部101cは、入力された2つ又は3つの画像信号から、3つの分光推定画像信号e1,e2,e3を推定して生成する。すなわち、ビデオプロセッサ7は、戻り光の撮像信号に対して分光推定処理を行うことによって、第1の画像信号P1、第2の画像信号P2及び第3の画像信号P3を生成して出力する画像信号処理手段あるいは画像信号処理部を構成する。
色変換処理部101bは、第1の分光推定画像信号e1と、第2の分光推定画像信号e2と、第3の分光推定画像信号e3とに対して、チャンネル割り当てによる色変換処理を施して、観察モニタ5へ出力する。
なお、本第2の実施の形態において、撮像素子の表面に設けられるカラーフィルタについては、RGB系のものを例として説明したが、カラーフィルタは、補色系のカラーフィルタでもよい。
本実施の形態の内視鏡においても、上述した色変換処理を行うことにより、生体粘膜の比較的深部にある、比較的太い血管が、観察モニタ5の画面上に明瞭に表示される。よって、術者は、比較的太い血管も見ながら確認して、ESD等の所望の処置を行うことができる。
また、第3の分光推定画像信号e3を用いて、上述した内視鏡装置1Aは、生体粘膜の表層に近い部分にある血管も表示可能となっているので、毛細血管の状態、例えば、毛細血管の集中度あるいは分散度の程度から、生体組織の診断、例えば癌の存在診断や癌の範囲を特定するための範囲診断、また、患部の良悪性を判断する鑑別診断にも利用することができる。さらに、より深部の血管を意識した深達度診断等を行うこともできる。
なお、第3の分光推定画像信号e3に加えて、さらに分光推定して得られた第4,第5の画像も用いて、色変換処理して、観察モニタ5に表示するようにしてもよい。
さらに、調光回路43は、観察モードに応じた調光パラメータに基づいて各分光推定画像信号の輝度値に重み付けをして、調光基準信号を生成しており、特に、狭帯域光観察モードのときには、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1に、最も大きな重み付けをして、調光基準信号Yn1を生成している。そして、調光回路43は、狭帯域光観察モードにおいて、適切な明るさの画像信号が得られるように絞り装置13の絞りを制御するので、狭帯域光モードの内視鏡画像は、明瞭にかつ、特定の輝度値が飽和すること等無く、適切な明るさでに表示される。
また、図11もしくは図12に示す第2の分光推定画像信号e2のピーク波長は図4のヘモグロビンの吸収特性の極小値ACmin(ここでは波長730nmにおける吸収係数)よりも長い波長帯域の光であってもよい。つまり、第2の分光推定画像信号e2のピーク波長は、第1の分光推定画像信号e1のピーク波長よりも吸収係数が低く、かつ生体組織の散乱特性が抑制された波長帯域である、例えば、740nm, 770nm, 805nm, 810nm, 850nm, 870nm, 880nm, 910nm, 940nm, 1020nm, 1300nmを用いても上述した効果と同等の効果を得ることができる(例えば、第2の分光推定画像信号e2のピーク波長を740nm〜1300nmのいずれかの波長に設定する場合、第1の分光推定画像信号e1のピーク波長は576nm以上で、かつ、少なくとも630nm以下の何れかの波長を設定する)。
以上のように、上述した本実施の形態によれば、薬剤投与という煩雑な作業をすることなく、かつ粘膜深部の血管を明瞭にかつ適切な明るさ表示可能な内視鏡装置を提供することができる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、第1の狭帯域光NL1を含む少なくとも1つの狭帯域光を照明光として生体組織に実際に照射して、その戻り光の画像に対して上述した色変換処理が行われ、第2の実施の形態では、生体組織に、第1の狭帯域光NL1を含む少なくとも1つの狭帯域光を実際に照射しないで、いわゆる分光推定により各狭帯域光の戻り光の画像情報を得て、その分光推定により得られた各波長の分光推定画像信号に対して上述したような色変換処理が行われるが、本第3の実施の形態では、狭帯域光の実際の照明光の戻り光の画像信号と、分光推定により得られた分光推定画像信号とに対して上述した色変換処理が行われる。
本実施の形態の内視鏡装置1Bの構成は、図1に示した内視鏡装置1の構成と同じであるが、本実施の形態の回転フィルタ14Aの構成は異なっている。図14は、本実施の形態に関わる回転フィルタ14Aの構成を示す図である。図14に示すように、回転フィルタ14Aは、通常光観察用の分光特性の面順次光を出力するためのフィルタ組を構成するRGBのフィルタ部を有するだけである。面順次のBGRの光の戻り光は、モノクロの撮像素子2において受光される。
さらに、本実施の形態の内視鏡装置1Bでは、二点鎖線で示すように、画像処理部101Bから調光回路43に分光推定画像信号が入力されるようになっている点で、第1の実施の形態の内視鏡装置1の構成と異なり、そして、第2の実施の形態の内視鏡装置1Aと同じである。
図15は、本実施の形態に関わる特殊光観察モードにおける全体の処理の流れを説明するための図である。図15において、図10と同じ構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。画像処理部101Bは、色変換処理部101bと分光推定部101cを含むが、分光推定部101cは、RGB中の2つ又は3つの画像信号から、少なくとも1つの分光推定画像信号eを生成し、RGB中の1つの画像信号と、分光推定画像信号に対して色変換処理が行われる。
ここでは、具体的には、RGB中の3つ(あるいは2つ)の画像信号から、波長600nm付近の第1の分光推定画像信号e1と、波長540nm付近の第3の分光推定画像信号e3が、分光推定処理により推定されて色変換部101bへ出力される。
図15において、調光回路43では、通常光観察モードの場合は、第1の実施の形態と同様に、上述した式(1)を用いて、プロセス回路23からの3つの撮像信号と、調光制御パラメータ切替回路44からの調光制御パラメータとに基づいて、調光基準信号Yを生成する。特殊光観察モードのときは、調光回路43は、次の式(8)に基づいて調光基準信号Yn2を生成する。
Figure 0005404968
ここで、Ib(R)は、R信号の輝度値を示し、esIb(600)は、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1の輝度値を示し、esIb(540)は、波長540nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e3の輝度値を示す。各輝度値は、例えば、1フレームにおける各輝度値の平均値である。式(8)に示すように、特殊光観察モードでは、分光推定画像信号e1,e3とR信号の各信号に対して、それぞれの調光制御パラメータが乗算されている。ここでは、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1に最も大きな重みである「0.6」が付けられている。
なお、ここでは、式(8)の各調光制御パラメータの値は、0.6,0.3,0.1で、式(1)と同じであるが、異なっていてもよい。
従って、調光回路43は、第2の実施の形態と同様に、特殊光観察モードでは、ここでは最も重要な信号である波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1の画像信号に、他の画像信号よりも高い重み係数を掛けて調光基準信号Yn2を生成して、その調光基準信号Yn2に基づいて絞り装置13の絞りを制御する。
すなわち、調光回路43は、観察モードに応じた調光パラメータに基づいて各狭帯域光の輝度値に重み付けをして、調光基準信号を生成しており、特に、特殊光観察モードのときには、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1に、最も大きな重み付けをして、調光基準信号Yn2を生成している。
図16は、本実施の形態に関わる画像処理部101Bにおける撮像素子2から得られた画像に対する処理の流れを説明するための図である。
図16に示すように、撮像素子2から、3つの画像、すなわち、第1から第3の画像信号B,G,Rが、分光推定部101cに入力される。分光推定部101cは、入力された2つ又は3つの画像から、2つの分光推定画像信号e1,e3を推定して生成する。
色変換処理部101bは、分光推定画像信号e1と、分光推定画像信号e3と、画像信号Rとに対して、チャンネル割り当てによる色変換処理を施して、観察モニタ5へ出力する。
なお、色変換処理部101bにおける処理は、第1の実施の形態と同様である。
図17は、3つ(あるいは2つ)の広帯域光の画像信号B,G,Rから少なくとも1つの狭帯域光の分光推定画像信号e1を推定する場合を説明するための分光特性を示す図である。なお、ここでは、3つの広帯域光の画像信号B,G,Rから2つの狭帯域光の分光推定画像信号e1,e3が推定される。
そして、図16に示すように、分光推定部101cは、被検体からの戻り光の少なくとも2つの撮像信号(ここでは3つの撮像信号B,G,R)に基づき、分光画像信号e1,e3を信号処理によって分光推定して生成し、出力する。
色変換処理部101bには、分光推定部101cから出力された分光推定画像信号e1,e3と、リアルな画像信号Rとが、入力される。上述したように、色変換処理部101bにおける処理は、上述した第1の実施の形態で説明した処理と同じである。
よって、分光推定により得られた分光画像信号e1のみを、上述したようにモノクロ表示するように色変換処理をすれば、粘膜下の太い血管61を明瞭に表示することができると共に、他の2つの画像信号、すなわち分光画像信号e3とリアルな画像信号R、の少なくとも一つも含めて色変換処理して表示すれば、粘膜下の太い血管61だけでなく、表層の毛細血管や、さらに深部の太い血管も併せて観察モニタ5に表示可能となる。
なお、上述した例では、波長540nm付近の第3の画像信号を分光推定により得ているが、波長630nm付近の第2の画像信号を分光推定により得て、リアルな画像として、画像信号Bを用いてもよい。
さらに、リアルな画像信号を得るための照明光は、図12で説明した狭帯域光であってもよい。
さらになお、図16における3つの広帯域光B,G,Rは撮像素子2Aのカラーフィルタにより得るようにしてもよい。すなわち、第2の実施の形態で説明したような光源装置4Aと、撮像素子2Aのカラーフィルタを用いて、3つの広帯域光B,G,Rを得るようにしてもよい。
よって、本実施の形態の内視鏡装置1Bによっても、上述した内視鏡装置1及び1Aと効果と同様の効果を得ることができる。
なお、本第3の実施の形態において、撮像素子の表面に設けられるカラーフィルタを用いる場合、RGB系のものを例として説明したが、カラーフィルタは、補色系のカラーフィルタでもよい。
本実施の形態の内視鏡においても、上述した処理を行うことにより、生体粘膜の比較的深部にある、比較的太い血管が、観察モニタ5の画面上に明瞭に表示される。よって、術者は、比較的太い血管も見ながら確認して、ESD等の所望の処置を行うことができる。
また、第3の狭帯域光NL3に対応する分光推定画像信号e3または狭帯域光Gnを用いて、上述した内視鏡装置1Aは、生体粘膜の表層に近い部分にある血管も表示可能となっているので、毛細血管の状態、例えば、毛細血管の集中度あるいは分散度の程度から、生体組織の診断、例えば癌の存在診断や癌の範囲を特定するための範囲診断、また、患部の良悪性を判断する鑑別診断にも利用することができる。さらに、より深部の血管を意識した深達度診断等を行うこともできる
さらに、調光回路43は、観察モードに応じた調光パラメータに基づいて各分光推定画像信号の輝度値に重み付けをして、調光基準信号を生成しており、特に、特殊光観察モードのときには、波長600nm付近の狭帯域光の分光推定画像信号e1に、最も大きな重み付けをして、調光基準信号Yn2を生成している。そして、調光回路43は、特殊光観察モードにおいて、適切な画像信号が得られるように絞り装置13の絞りを制御するので、特殊光観察モードの内視鏡画像は、明瞭にかつ、特定の輝度値が飽和すること等無く、適切な明るさで表示される。
また、図17に示すリアルな画像信号の中心波長は図4のヘモグロビンの吸収特性の極小値ACmin(ここでは波長730nmにおける吸収係数)よりも長い波長帯域の光であってもよい。つまり、リアルな画像信号の中心波長は、第1の分光推定画像信号e1のピーク波長よりも吸収係数が低く、かつ生体組織の散乱特性が抑制された波長帯域である、例えば、740nm, 770nm, 805nm, 810nm, 850nm, 870nm, 880nm, 910nm, 940nm, 1020nm, 1300nmを用いても上述した効果と同等の効果を得ることができる(例えば、リアルな画像信号の中心波長を740nm〜1300nmのいずれかの波長に設定する場合、第1の分光推定画像信号e1のピーク波長は576nm以上で、かつ、少なくとも630nm以下の何れかの波長を設定する)。
以上のように、上述した本実施の形態によれば、薬剤投与という煩雑な作業をすることなく、かつ粘膜深部の血管を明瞭にかつ適切な明るさで表示可能な内視鏡装置を提供することができる。
(各実施の形態について共通の変形例)
(変形例1)
上述した3つの実施の形態及びそれぞれの各変形例では、静脈血の光吸収特性を例に挙げてその特性に基づいて、2つの狭帯域光が選択されているが、動脈血の光吸収特性あるいは静脈血と動脈血の両方を合わせた血の光吸収特性に基づいて、上述したような、少なくとも2つの狭帯域光を選択するようにしてもよい。
(変形例2)
上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例を含む)の内視鏡装置では、第1の狭帯域光NL1と第2の狭帯域光NL2の波長として、それぞれ波長600nm付近の光と波長630nm付近の光を用いているが、第1の狭帯域光NL1と第2の狭帯域光NL2の波長としては、好ましくは、それぞれ波長580〜620nmの範囲の波長であって所定の幅の範囲の分布を有する狭帯域光と波長610〜730nmの範囲の波長であって所定の幅の範囲の分布を有する狭帯域光であり、さらにより好ましくは、それぞれ波長585〜615nmの範囲の波長であって所定の幅の範囲の分布を有する狭帯域光と波長620〜640nmの範囲の波長であって所定の幅の範囲の分布を有する狭帯域光である。
従って、吸収特性の極大値から極小値の間で上述したような吸収特性を有する波長の光であれば、第1の狭帯域光NL1と第2の狭帯域光NL2の波長は、それぞれ波長600nm付近の光と波長630nm付近の光に限定されず、どの波長の光でもよい。例えば、第1の狭帯域光NL1と第2の狭帯域光NL2の波長として、それぞれ、波長610nm付近の光と波長645nm付近の光、あるいは波長630nm付近の光と波長660nm付近の光を用いてもよい。なお、第1の狭帯域光NL1は波長帯域がブロードの分光特性を有していても良い。
(変形例3)
上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例を含む)の内視鏡装置では、第3の狭帯域光NL3として、生体組織の表層の毛細血管を表示させるために、波長540nm付近の光を用いているが、第3の狭帯域光NL3の波長は、これに限定されない。例えば、第3狭帯域光NL3の波長として、波長540nmよりも短い波長400nm付近の光を用いてもよい。特に、生体組織の表層の情報を得るためには、波長540nmよりも短い波長460nm付近の光や波長415nm付近の光でもよい。特に、生体組織の表層の情報を得るためには、波長540nm付近の光よりも短い波長415nm付近の光や波長460nmの光が望ましい。
(変形例4)
上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例を含む)の光源装置では、熱光源のランプ、LED、LD等が用いられることが述べたが、他の手段を用いてもよい。例えば、光源手段あるいは光源部としては、波長可変レーザを用いてもよいし、LEDあるいはLDで蛍光体を励起して、ブロードバンド光を生成して、その光を用いてもよい。
(変形例5)
上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例を含む)の内視鏡装置において、狭帯域光を照射する場合、例えば波長600nm付近の狭帯域光はレーザにより生成し、波長630nm付近の狭帯域光は、LEDにより生成するようにしてもよい。レーザ光を用いると、深さ方向におけるノイズを少なくすることができる。また、波長600nm付近の狭帯域光はLEDにより生成し、波長630nm付近の狭帯域光は、レーザにより生成するようにしてもよい。
(変形例6)
上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例を含む)では、波長600nm付近の狭帯域光の画像により、粘膜深部の比較的太い血管を明瞭に表示するようにしているが、より深部の血管を明瞭に表示するために、より長い波長の狭帯域光の画像も用いることができるようにしてもよい。そして、その場合、上述した波長600nm付近と波長630nm付近の組み合わせで、観察モニタ5に表示させていたが、他の組み合わせも予め用意しておき、術者が複数の組み合わせの中から、所望の組み合わせを選択できるようにしてもよい。
内視鏡装置1(或いは1A,1B)が、2つの表示画像の組み合わせとして、波長600nm付近の第1の画像信号NL1と波長630nm付近の第2の画像信号NL2を用いる第1の組み合わせと、波長650nm付近の第1の画像信号NL12と波長680nm付近の第2の画像信号NL22を用いる第2の組み合わせとを有し、術者は、2つの組み合わせの中から所望の組み合わせを選択するようにする。
このような構成によれば、術者は、組み合わせを選択することによって、血管の深さを変えながら、所望の深さの血管を明瞭に表示させ、かつ第2の画像信号によりさらにより深部の血管も併せて表示させて観察することが可能となる。
図18は、本変形例6を説明するための、静脈血の光の吸収特性を示す図である。図18では、2つの組み合わせの1つは、波長600nm付近の狭帯域光NL1と波長630nm付近の狭帯域光NL2の第1の組合せであり、もう一つは、波長650nm付近の狭帯域光NL12と波長680nm付近の狭帯域光NL22の第2の組合せである。いずれの組合せを選択するかは、ユーザが選択できるようにして、例えば、モード選択により、ユーザは、いずれの組合せで表示を行うかを選択することができる。
なお、もう一つの組合せとしては、波長615nm付近の狭帯域光と波長645nm付近の狭帯域光の組合せ、波長630nm付近の狭帯域光と波長660nm付近の狭帯域光の組合せ、等の組合せでもよい。
第2の組合せの場合、使用される波長は、第1の組合せに比べて長波長側へシフトしているので、より深部の画像が明瞭に表示される。よって、術者がより深部の血管を表示させたい場合、生体の粘膜表面に血液、胆汁、尿などが付着しているような場合、第2の組合せを選択することによって、所望の深さの血管を明瞭に表示させることが可能となる。
各組合せの2つの波長は、同じようなコントラストを得るようにするために、略同じ波長差を有していることが好ましい。
2つ以上の組合せは、光源装置における回転フィルタの組合せを増やす、あるいは、分光推定処理により推定される分光推定画像信号の数を増やすことによって、実現することができる。
狭帯域光の波長の組合せとしては、粘膜表面から比較的浅い血管を明瞭に表示させる場合には、波長580nm付近と波長630nm付近の組合せと波長590nm付近と波長630nm付近の組合せの2つを有することが好ましい。
また、狭帯域光の波長の組合せとしては、粘膜表面からより深部の血管、あるいは血液等の下の粘膜の下の血管を明瞭に表示させる場合には、波長600nm付近と波長630nm付近の組合せと波長650nm付近と波長680nm付近の組合せの2つを有することが好ましい。
上述した例では、2つの組合せであるが、3つ以上の組合せでもよい。3つの場合、例えば、波長600nm付近の狭帯域光と波長630nm付近の狭帯域光の第1の組合せと、波長650nm付近の狭帯域光と波長680nm付近の狭帯域光の第2の組合せと、波長700nm付近の狭帯域光と波長730nm付近の狭帯域光の第3の組合せである。
以上のように、複数の表示結果が得られるので、術者は、生体の粘膜表面に付着している血液等の濃度が高い場合には、より長波長側の組合せ(例えば、波長650nm付近と波長680nm付近の組合せ)を選択し、さらには、血管が比較的浅い部分に有る場合、生体の粘膜表面に付着している血液等の濃度が低い場合には、より短波長側の組合せ(例えば、波長580nm付近と波長630nm付近の組合せ)を選択することによって、所望の血管を明瞭に表示させることが可能となる。
(変形例7)
上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例も含む)では、第1の画像信号NL1と第2の画像信号NL2の2つの狭帯域光の波長差は一定であるが、一方を固定し、他方を可変にしてもよい。
例えば、波長600nm付近の狭帯域光と波長630nm付近の狭帯域光の場合、波長600nm付近の狭帯域光は固定し、他方の狭帯域光は、波長630nm付近から730nm付近まで可変で任意に設定できるようにしてもよい。あるいは、他方の波長730nm付近の狭帯域光は固定し、波長590nm付近から620nm付近の狭帯域光までを可変で任意に設定できるようにしてもよい。なお、600nm付近の狭帯域光は固定し、他方の狭帯域光は、730nm以上の波長帯域で任意に設定できるようにしてもよい。
このように、2つの狭帯域光の波長差の一方を固定し、他方を可変にすることによって、所望の領域の血管をより明瞭に表示させることができる。
(変形例8)
また、上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例も含む)では、3つの画像を得て、狭帯域画像を観察モニタ5に表示しているが、さらに、4つ目の画像も得るようにして、4つの画像の中から適宜選択して表示画像を生成するようにしてもよい。
内視鏡装置は、通常光観察モードに加えて狭帯域光観察モードを有し、術者は、必要な場面で、通常光観察モードから狭帯域光観察モードへ切り替えて、各種処置を行う。4つ目の画像を加えることにより、各観察モードの表示画像を容易に得ることができる。
例えば、波長540nmよりも波長が短い青色の狭帯域光(あるいは広帯域光でもよい)の照明光もさらに照射可能な光源装置を用い、4つ目の画像を得る。光源装置は、その第4波長の光と波長600nm付近の狭帯域光の第1の組合せの照明光と、波長540nm付近の狭帯域光と波長630nm付近の狭帯域光の第2の組合せの照明光とを交互に、被写体に照射する。なお、第4波長の光と波長540nm付近の狭帯域光と波長600nm付近の狭帯域光の組合せの照明光と、波長630nm付近の狭帯域光の照明光とを交互に、被写体に照射するようにしてもよい。
そして、各照明光の戻り光を、RGBのカラーフィルタを有する撮像素子で受光する。例えば、第4波長の戻り光は、カラーフィルタのB帯域で、波長600nm付近の狭帯域光の戻り光は、R帯域で撮像される。なお、撮像素子のカラーフィルタは、補色系のものであってもよい。さらになお、撮像素子は、モノクロの撮像素子でもよい。
各帯域の画像は分離されるので、ビデオプロセッサ7内では、4つのモノクロ画像が得られる。なお、各画像を得るために、各光の画像信号に対して、適切な色バランス調整は行われる。
そして、ビデオプロセッサ7内では、通常光観察モード用の通常画像は、第4波長の光、波長540nm付近の狭帯域光、波長600nm付近の狭帯域光及び波長630nm付近の狭帯域光の4つの戻り光の画像を用いて、生成される。
また、ビデオプロセッサ7内では、第1の狭帯域光画像を、第4波長の光の画像信号をBとGチャンネルに割り当て、波長540nm付近の狭帯域光の画像信号をRチャンネルに割り当て、第4波長の光と波長540nm付近の狭帯域光の2つの画像を用いて生成する。
さらに、ビデオプロセッサ7内では、第2の狭帯域光画像を、波長540nm付近の狭帯域光、波長600nm付近の狭帯域光及び波長630nm付近の狭帯域光の3つの画像を用いて生成する。
なお、波長600nm付近の狭帯域光の画像信号は、高いコントラストで表示される。
そして、術者による画像表示指示に応じて、上記のようにして生成された画像が選択されて観察モニタ5に表示される。
このような構成によれば、通常光観察用の通常画像と、狭帯域光観察用の狭帯域光画像の同時表示、あるいは通常画像と狭帯域光画像の重畳表示を行うこともできる。例えば、通常光画像と第1の狭帯域光画像(あるいは第2の狭帯域光画像)の並列表示、あるいは、第1の狭帯域光画像と第2の狭帯域光画像の並列表示を行うことができる。
さらに、第4波長の光の画像信号をBチャンネルに、波長540nm付近の狭帯域光の画像信号をGチャンネルに、波長600nm付近の狭帯域光の画像信号をRチャンネルに割り当てることによって、あるいは第4波長の光の画像信号をBチャンネルに、波長540nm付近の狭帯域光の画像信号と波長600nm付近の狭帯域光の画像信号をGチャンネルに、波長600nm付近の狭帯域光の画像信号(あるいは波長600nm付近の狭帯域光の画像信号と波長630nm付近の狭帯域光の画像信号と)をRチャンネルに割り当てることによって、通常画像に深部の血管情報を付加した重畳が画像を生成して観察モニタ5に表示することもできる。
さらにあるいは、第4波長の光の画像信号をBチャンネルに、第4波長の光の画像信号と波長600nm付近の狭帯域光の画像信号をGチャンネルに、波長600nm付近の狭帯域光の画像信号(あるいは波長600nm付近の狭帯域光の画像信号と波長630nm付近の狭帯域光の画像信号と)をRチャンネルに割り当てることによって、表層の血管と深部の血管の両方を高いコントラストにした画像を生成して観察モニタ5に表示することもできる。
なお、4つ目の波長の画像信号は、分光推定により生成するようにしてもよい。
以上のように、本変形例8によれば、通常画像と狭帯域光画像の並列表示、あるいは重畳表示が可能となる。
以上のように、上述した各実施の形態及び各変形例(各実施の形態の変形例も含む)によれば、薬剤投与という煩雑な作業をすることなく、かつ粘膜深部の血管を明瞭にかつ適切な明るさで表示可能な内視鏡装置を提供することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。

本出願は、2012年3月30日に日本国に出願された特願2012−82287号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。

Claims (15)

  1. 被検体に対し、所定の波長帯域を有する少なくとも1つ以上の照明光を照射する照明部と、
    前記照明部の照射に基づく前記被検体からの戻り光を撮像する撮像部と、
    前記撮像部の撮像信号に基づいて画像信号を生成する画像信号処理部と、
    可視域の赤色帯域であって、かつ前記被検体の生体組織のヘモグロビン吸光特性上で極大値を含む波長帯域から極小値を含む波長帯域間において、狭帯域である第1の波長帯域の信号に基づく第1の輝度値と、前記可視域の赤色帯域内であって、かつ当該第1の波長帯域の信号よりも前記ヘモグロビン吸収特性における吸収係数が低くかつ前記生体組織の散乱特性が抑制された狭帯域である第2の波長帯域の信号に基づく第2の輝度値と、前記赤色帯域以外の波長帯域であって、かつ前記第1の波長帯域の信号よりも前記吸収特性における吸収係数が高い狭帯域である第3の波長帯域の信号に基づく第3の輝度値と、に基づき、前記第3の輝度値に付加される重み係数に対して前記第1の輝度値及び前記第2の輝度値に付加される重み係数を大きく付加して加算処理することで前記照明部における光量を調整するための調光基準信号を算出して出力する調光部と、
    前記調光部から出力された前記調光信号に基づき、前記照明部が照射する光量を制御する照明制御部と、
    を備えることを特徴とする内視鏡装置。
  2. 前記調光部における加算処理において、前記第1の輝度値に付加される重み係数が第2の輝度値に付加される重み係数より大きいことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  3. 前記調光基準信号を算出する際の前記重み係数の大きさを、前記第1の輝度値、前記第2の輝度値、前記第3の輝度値の順に設定することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
  4. 前記画像信号処理部は、前記第1の波長帯域の信号、前記第2の波長帯域の信号、及び前記第3の波長帯域の信号に基づいて、前記画像信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  5. 生体情報を区別するために、前記第2の波長帯域の信号強度より前記第3の波長帯域の信号強度を所定の量だけ増幅することによって色バランス調整を行う色バランス調整部を、さらに備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
  6. 前記照明部は、前記第1の波長帯域及び前記第2の波長帯域に制限する帯域制限部を介して前記少なくとも1つ以上の照明光を照射し、
    前記画像信号処理部は、前記撮像部により前記戻り光を撮像して得られた前記第1の波長帯域に対応する撮像信号及び前記第2の波長帯域に対応する撮像信号に基づいて、前記画像信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  7. 前記撮像部は、前記戻り光を、前記第1の波長帯域及び前記第2の波長帯域に制限する帯域制限部を介して受光して撮像し、
    前記画像信号処理部は、前記撮像部により前記戻り光を撮像して得られた前記第1の波長帯域の撮像信号及び前記第2の波長帯域の撮像信号に基づいて、前記画像信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  8. 前記画像信号処理部は、前記戻り光の撮像信号に対して分光推定処理を行うことによって、前記第1の波長帯域の信号及び前記第2の波長帯域の信号を生成し、前記画像信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  9. 前記画像信号処理部は、分光推定処理を行うことによって前記第1の波長帯域の信号から画像信号を生成して出力することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  10. 前記画像信号処理部は、分光推定処理を行うことによって前記第2の波長帯域の信号から画像信号を生成して出力することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  11. 前記第1の波長帯域は、波長585nmから波長615nmの範囲に前記分光特性のピーク波長を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  12. 前記第2の波長帯域は、波長610nmから波長730nmの範囲で前記分光特性のピーク波長を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  13. 前記第2の波長帯域は、波長730nm以降の範囲で前記分光特性の波長ピークもしくは中心波長を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  14. 前記第3の波長帯域は、波長400nmから波長585以下の範囲で前記分光特性のピーク波長を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  15. 前記内視鏡装置は、通常光観察モードと狭帯域光観察モードを有し、
    前記調光部は、前記狭帯域光観察モードのときに、前記調光基準信号を算出して出力することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
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