JP5404646B2 - ポリオレフィン繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン繊維、かかる繊維から製造される物品、及びかかる繊維を製造するためのポリオレフィン組成物に関する。特に、本発明は、それから製造される繊維に関して、複数の機械特性の間、より詳しくはテナシティと破断点伸びとの間の良好なバランスを、良好な変形後弾性回復及び優れた熱接着特性と組み合わせて示すポリオレフィン組成物に関する。更に具体的には、本発明は、エラストマー挙動を有する、ポリブテン−1コポリマー材料とブレンドした均一なプロピレンポリマーから製造される組成物に関する。
繊維に関する定義は、スパンボンド繊維及び/又はフィラメントを含む。
本発明のポリオレフィン繊維は、使い捨て衛生用品及び特にジオシンセティック膜材のような弾性(弾性回復)及び耐応力性(熱接着強度)の両方を必要とする用途のための高テナシティで柔軟な不織布に特に適している。
プロピレンポリマーのプラストマー又はエラストマーをプロピレンポリマー樹脂とブレンドして、かくして得られた組成物を用いてテナシティと弾性の良好なバランスを有する繊維を製造することができることが当該技術において公知である。国際出願WO−2005/111282A1(Dow)においては、アイソタクチックプロピレンと反応器グレードのプロピレンベースのエラストマー又はプラストマーとのブレンドから製造される繊維を含む柔軟で耐摩耗性の不織ウエブ又は不織布が開示されている。ブテン−1ポリマーはブレンドに加えられていない。
国際出願WO−93/06168A1(Exxon)においては、プロピレンの強度特性と、約0.89〜約0.92g/cmの密度及び1〜100dg/分のMFRを有するポリ(1−ブテン)によって与えられる繊維の取り扱い性とのバランスを有する繊維の製造のために用いる結晶性ポリプロピレンとポリ(1−ブテン)(600SA, Shell)とのブレンドが開示されている。この文献においては、かかるブレンドによって得られる繊維の弾性回復及び熱接着特性に関しては記載されていない。
国際公開第2005/111282号 国際公開第93/06168号
ここで、驚くべきことに、本発明にしたがってポリブテン−1コポリマーを均一なプロピレンポリマー樹脂中にブレンドすることによって、樹脂単独を用いて製造した繊維と比較して、且つプロピレンベースのコポリマーのプラストマー及びエラストマーを含むブレンドに対して、改良された特性のバランスを有する繊維に変化させることができるポリオレフィン組成物が得られることを見出した。本発明の組成物によって、保持されているか又は幾つかの場合においては向上した弾性回復及び優れた熱接着力と一緒に、特に高い値の破断点伸び及び更に良好なテナシティが示される。
繊維の製造において本発明の組成物を用いることの大きな有利性は、弾性に加えて改良された熱接着力のためにジオテキスタイルのような用途が見出されることである。この特徴によって、そのジオシンセティック材(例えばジオテキスタイル)の改良された耐性及び耐応力性又は耐引裂性が導かれる。
本発明の他の有利性は、カレンダー加工物品(スパンボンド不織)を製造する場合には、接着強度が向上して、物品の柔軟性及び弾性を悪化させることなく必要な接着強度が保持されて、製造中のサイクル時間の加速及び/又はカレンダー加工温度の低下も可能になるために、繊維及び従ってその不織布の柔軟性も増大することである。ユーザーは、幾つかの物品、特に使い捨て衛生用品が、適当な柔軟性を良好な耐引裂性と組み合わせて示すことを特に認めるであろう。
したがって、本発明の一態様は、(成分(A)及び(B)の合計重量に対する重量%で)
(A)80より高く、好ましくは90〜98の間のアイソタクチックインデックス(沸騰n−ヘプタン中に不溶のフラクションの重量%)を有するプロピレンホモポリマー、或いは85%以上のプロピレンを含み、80以上のアイソタクチックインデックスを有するプロピレンとエチレン及び/又は4〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンとの結晶性コポリマー50〜90重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは65〜85重量%;
(B)25〜70%のアイソタクチックペンタド(mmmm)の形態のブテン−1単位の含量;テトラリン中135℃において測定して1〜3dL/gの固有粘度[η];3〜60%の0℃におけるキシレン不溶フラクションの含量;を有するブテン−1(コ)ポリマー10〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%;
を含むポリオレフィン組成物である。
したがって、本発明の他の態様はかかるポリオレフィン組成物から製造される繊維である。
本発明による繊維は、通常は、ポリマー(A)単独の値に対して向上又は保持された柔軟性、破断点伸び、及び弾性回復を示す。非常に高い熱接着力が特性の優れたバランスに寄与する。通常は、本発明のブレンドから製造される繊維によって示される熱接着力は、少なくとも200cNであり、好ましくは230cNより高い(以下に示す方法にしたがって測定する)。
上記のプロピレンホモ又はコポリマー成分(A)は、好ましくは、ISO−1133にしたがって230℃、2.16kgにおいて測定して10〜50、より好ましくは20〜35g/10分のメルトフローレートの値を有する。公知のように、高いMFR値は、重合において直接か、或いはオレフィンポリマーの紡糸ライン内又はその前のペレット化段階中に有機ペルオキシドのようなフリーラジカル生成剤を加えることによるポリマーの制御されたラジカル分解によって得られる。
ポリマー成分(A)は、好ましくは、下記に示す方法にしたがって測定して2〜8の分子量分布(Mw/Mn)を示す。
特にチーグラー・ナッタ触媒を用いてポリマー成分(A)を製造する場合には、Mw/Mnは3〜4、好ましくは3.2〜3.4の範囲である。
特にメタロセン触媒を用いてポリマー成分(A)を製造する場合には、Mw/Mnは2〜3、好ましくは2.4〜2.6の範囲である。
ポリマー成分(A)はアイソタクチックタイプの立体規則性を示す。ポリマー成分(A)は、プロピレンホモポリマー、或いはプロピレンと、エチレン及び線状又は分岐のC〜Cのα−オレフィンから選択されるα−オレフィンとのランダムポリマー、例えばプロピレンのコポリマー及びターポリマーのいずれかである。ポリマー樹脂(A)はまたかかるポリマーの混合物であってもよく、この場合には混合比は重要ではない。好ましくは、α−オレフィンは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、及び4−メチル−1−ペンテンからなる群から選択される。コモノマー含量の好ましい量は15重量%以下の範囲である。
成分(B)は、低いアイソタクチシティー、及びエラストマー特性(圧縮歪み、破断点伸び)とより多くの結晶性フラクションに関係する特性(破断点又は降伏点引張応力)との好適なバランスを有するブテン−1(コ)ポリマーである。本発明においては、ブテン−1(コ)ポリマーとは、ブテン−1のホモポリマー、及びコモノマーとして1種類以上のC〜C10のα−オレフィン(但し、ブテン−1はコモノマーとしては排除される)とのコポリマーを意味する。好ましいコモノマーは、プロピレン及び/又はエチレンである。プロピレンがブテン−1コポリマーにおけるコモノマーである場合には、これはコポリマーの重量に対して10重量%以下、好ましくは7重量%以下の量で存在する。エチレンがブテン−1コポリマーにおけるコモノマーである場合には、これはコポリマーの重量に対して5重量%以下、好ましくは2重量%以下の量で存在する。コモノマーとしてはプロピレンが特に好ましい。
ブテン−1(コ)ポリマー成分(B)は、更に以下の特性の1以上の示す:
・1以上の比ES2/ES1(ここで、ES1はポリマーそれ自体に関して測定される沸騰ジエチルエーテルに可溶のフラクションであり、ES2は下記に示す方法にしたがってポリマーを粉砕した後に測定される沸騰ジエチルエーテルに可溶のフラクションである);
・3.5〜9の範囲、より好ましくは4〜8の範囲、特に4〜7の範囲の、以下に示す方法にしたがって測定される分子量分布(Mw/Mn);
・10J/gより低い、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される融解熱(ΔH)、及び106℃より低く、好ましくは103℃より低く、より好ましくは100℃より低い融点(TmII):幾つかの場合においては、融点は存在しない可能性もある;
・90%より低く、好ましくは80より低く、より好ましくは50より低い圧縮歪み(25%−22時間);
・6より高く、好ましくは6.5〜20MPaの範囲の破断点応力。
ショアA(ISO−868にしたがって、負荷時間15秒で測定)の値は、一般に80より低く、幾つかの場合においては60より低い。
プロピレンのホモ又はコポリマー成分(A)は、通常の方法によって、プロピレン、及び場合によっては上記に記載のα−オレフィンを、立体特異性チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒のような適当な触媒の存在下で重合することにより製造することができる。
メタロセンベースの触媒によって得られるポリマー成分(A)は、好ましくは、メタロセン化合物として橋架ベンゾインデニルジルコニウムジクロリドを用いることによって得られる。次に、かかる化合物をシリカ上に担持し、当該技術において公知の手順にしたがってアルモキサン、好ましくはメチルアルモキサンを用いることによって活性化する。プロピレンポリマーは、スラリー中のプロセスを用いて、希釈剤としてプロピレンモノマー、及び直列の2つの反応器を用いることによって得られる。かかる種類のプロセス及び触媒の例は、国際特許出願WO−2005/005495A1において見られる。
プロピレンポリマー(A)は、立体特異性Z/N触媒の存在下において、希釈剤として液体モノマー(プロピレン)を用いて、プロピレンを重合することによって得られる。立体特異性チーグラー・ナッタ触媒は、いずれも塩化マグネシウム化合物上に担持されている少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有する少なくとも1種類のチタン化合物及び少なくとも1種類の電子ドナー化合物(内部ドナー)を含む固体触媒成分を含む。チーグラー・ナッタ触媒系は、更に、必須の共触媒として有機アルミニウム化合物、及び場合によっては外部電子ドナー化合物を含む。好ましくは、内部電子ドナー化合物は1,3−ジエーテルから選択される。上述したように、重合プロセスは、液相中において、主希釈剤として液体プロピレンを用いて行うこと(バルク重合)が好ましい。好ましくは、バルク重合は、直列に接続されている1以上のループ反応器内で行う。かかる種類のプロセス及び触媒の例は、国際特許出願WO−2006/042815A1において見られる。
ブテン−1(コ)ポリマー成分(B)は、国際特許出願WO−2006/042815に記載されているようにして製造することができる。(a)MgCl上に担持されているTi化合物及び内部電子ドナー化合物を含む固体成分;(b)アルキルアルミニウム化合物;を含む低立体特異性触媒の存在下でモノマーを重合する。本発明の(コ)ポリマーを製造するための方法の好ましい形態においては、触媒の立体規則化能を上昇させないように外部電子ドナー化合物を用いない。外部ドナーを用いる場合には、その量及び使用形態は、過度に多い量の高立体規則性ポリマーが生成しないようなものでなければならない。
好ましくは活性形態の二塩化マグネシウムを担体として用いる。活性形態の二塩化マグネシウムはチーグラー・ナッタ触媒用の担体として特に適していることが、特許文献から広く知られている。特に、USP−4,298,718及びUSP−4,495,338は、チーグラー・ナッタ触媒においてこれらの化合物を用いることを最初に記載したものである。オレフィンの重合用の触媒の成分において担体又は共担体として用いられる活性形態の二ハロゲン化マグネシウムは、非活性ハロゲン化物のスペクトルにおいて現れる最も強度の高い回折線が強度低下して、その最大強度がより強度の高い線のものよりも低い角度に向かって転置しているハロによって置き換えられているX線スペクトルによって特徴づけられることがこれらの特許から公知である。
本発明の触媒成分において用いる好ましいチタン化合物は、TiCl及びTiClであり、更に、式:Ti(OR)n−y(式中、nはチタンの価数であり、Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、yは1〜nの間の数である)のTi−ハロアルコラートを用いることもできる。
内部電子ドナー化合物は、好ましくはエステル、より好ましくはモノカルボン酸、例えば安息香酸、又はポリカルボン酸、例えばフタル酸若しくはコハク酸のアルキル、シクロアルキル、又はアリールエステルから選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、又はアリール基は、1〜18個の炭素原子を有する。かかる電子ドナー化合物の例は、ジイソブチルフタレート、ジエチルフタレート、及びジヘキシルフタレートである。一般に、内部電子ドナー化合物は、MgClに対して0.01〜1、好ましくは0.05〜0.5のモル比で用いる。
固体触媒成分の製造は、幾つかの方法にしたがって行うことができる。
1つの好ましい方法によれば、固体触媒成分は、式:Ti(OR)n−y(式中、nはチタンの価数であり、yは1〜nの間の数である)のチタン化合物、好ましくはTiClを、式:MgCl・pROH(式中、pは0.1〜6、好ましくは2〜3.5の数であり、Rは1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基である)の付加体から誘導される塩化マグネシウムと反応させることによって製造することができる。この付加体は、好適には、付加体と非混和性の不活性炭化水素の存在下において、付加体の融点(100〜130℃)において撹拌条件下で操作して、アルコールと塩化マグネシウムとを混合することによって、球状形態で製造することができる。次に、エマルジョンを速やかにクエンチし、それによって球状粒子の形態で付加体の固化を起こさせる。この手順によって製造される球状付加体の例は、USP−4,399,054及びUSP−4,469,648に記載されている。かくして得られる付加体は、Ti化合物と直接反応させることができ、或いは、アルコールのモル数が一般に3よりも低く、好ましくは0.1〜2.5の間である付加体が得られるように、予め熱制御脱アルコール化(80〜130℃)にかけることができる。Ti化合物との反応は、付加体(脱アルコール化又はそのまま)を冷TiCl(一般に0℃)中に懸濁し;混合物を80〜130℃に加熱し、この温度に0.5〜2時間保持することによって行うことができる。TiClによる処理は1回以上行うことができる。内部電子ドナー化合物は、TiClによる処理中に加えることができる。電子ドナー化合物による処理は1回以上繰り返すことができる。
球状形態の触媒成分の製造は、例えば、ヨーロッパ特許出願EP−A−395083、EP−A−553805、EP−A−553806、EPA−601525、及びWO−98/44001に記載されている。
上記の方法にしたがって得られる固体触媒成分は、一般に20〜500m/g、好ましくは50〜400m/gの表面積(BET法による)、及び0.2cm/gより高く、好ましくは0.2〜0.6cm/gの全多孔度(BET法による)を示す。10,000Å以下の半径を有する孔による多孔度(Hg法)は、一般に0.3〜1.5cm/g、好ましくは0.45〜1cm/gの範囲である。
アルキル−Al化合物(B)は、好ましくは、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム化合物の中から選択される。また、トリアルキルアルミニウムと、アルキルアルミニウムハロゲン化物、アルキルアルミニウム水素化物、又はアルキルアルミニウムセスキクロリド、例えばAlEtCl及びAlEtClとの混合物を用いることもできる。
用いる場合には、外部ドナー(C)は、好ましくは、式:R Si(OR(式中、a及びbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、(a+b+c)の合計は4であり;R、R、及びRは、場合によってはヘテロ原子を含む、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、又はアリール基である)のケイ素化合物の中から選択される。ケイ素化合物の特に好ましい群は、aが0であり、cが3であり、bが1であり、Rが、場合によってはヘテロ原子を含む分岐アルキル又はシクロアルキル基であり、Rがメチルであるものである。かかる好ましいケイ素化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、及びテキシルトリメトキシシランである。テキシルトリメトキシシランを用いることが特に好ましい。
用いる場合には、外部電子ドナー化合物(C)は、500より大きく、好ましくは700より大きい有機アルミニウム化合物と該電子ドナー化合物との間の重量比を与える量で供給する。
また、かかる触媒を予備重合工程において予備重合することもできる。かかる予備重合は、液体(スラリー又は溶液)中、又は気相中で、一般に100℃より低く、好ましくは20〜70℃の温度において行うことができる。予備重合工程は、少量のモノマーを用いて、固体触媒成分1gあたり0.5〜2000g、好ましくは固体触媒成分1gあたり5〜500、より好ましくは10〜100gの量のポリマーを得るのに必要な時間行う。
重合プロセスは、公知の技術、例えば希釈剤として液体不活性炭化水素を用いるスラリー重合、或いは反応媒体として例えば液体ブテン−1を用いる溶液重合にしたがって行うことができる。更に、重合プロセスを、1以上の流動床又は機械撹拌床反応器内で操作して気相中で行うこともできる。反応媒体として液体ブテン−1中で行う重合が非常に好ましい。
重合は、一般に20〜120℃、好ましくは40〜90℃の温度において行う。重合は、分子量調整剤の濃度、コモノマー濃度、外部電子ドナー濃度、温度、圧力等のような同一か又は異なる反応条件下で操作することができる1以上の反応器内で行うことができる。2以上を用いる場合には、第1の反応器から得られるモノマー/触媒/ポリマーの反応混合物を続く反応器に供給するカスケードモードで構成することができる。或いは、並行構成においては、2以上の反応器をそれらの独自の供給システムと共に独立して運転し、これらの反応器から得られるモノマー/触媒/ポリマーの反応混合物を一緒に回収して、仕上げ区画へ送る。異なる条件下の少なくとも2つの反応器内で運転することによって、2つの反応器内で異なる平均分子量及び/又は異なる立体規則性を有するブテン−1(コ)ポリマーを製造することができる。更に、異なる条件下の1つより多い反応器内で運転することは、種々の重合段階を適当に調節して最終ポリマーの特性を適切に調整することができるという有利性を有する。非常に多い量のキシレン可溶フラクションを有する生成物を製造する場合にはこの方法を採用することができる。これらの生成物は、実際、ペレット化のような特定の操作中に問題を引き起こす可能性がある。本出願人は、直列の2つの別個の反応器内でキシレン不溶フラクションの異なる含量を有する2種類のポリマーを製造することによって、同じ量の最終キシレン不溶フラクションを有する1つのみの重合段階から誘導される生成物よりも良好な加工性を有する最終ポリマーが生成することに注目した。これは、例えば触媒をより立体特異性にすることができる少量の外部ドナーを1以上の選択された反応器のみにおいて用いることによって行うことができる。
本発明によるポリオレフィン組成物は以下のようにして製造する。ブテン−1(コ)ポリマー成分(B)は、生の形態か又は好ましくはマスターバッチの一部としてポリマー成分(A)にブレンドすることができ、後者の場合においては、成分(B)は、ポリマー成分(A)と同一であっても異なっていてもよいプロピレンポリマー樹脂中に予め分散させる。かくして製造される濃縮物を、次にポリマー成分(A)にブレンドする。
本発明によるプロピレンポリマー組成物は、通常の方法にしたがって、例えばポリマー成分(A)、成分(B)又はその濃縮物、並びに周知の添加剤を、ブレンダー、例えばHenschel又はBanburyミキサー中において、ポリマーの軟化温度以上の温度で混合してかかる成分を均一に分散し、次に組成物を押出し、ペレット化して製造することができる。
ポリマー組成物には、通常、添加剤及び/又はペルオキシドを加え、後者は所望のMFRを得るためには常に必要である。
上記のポリマー又はポリマー組成物に加えるかかる添加剤は、顔料、乳白剤、充填剤、安定剤、難燃剤、耐酸剤、及び漂白剤のようなポリマーに対する通常の添加剤を含む。
本発明の組成物は、上記のような繊維の製造のために特に好適である。
本発明の更に他の態様は、上記の繊維を用いて製造される物品、特に不織布に関する。
繊維を用いて製造される繊維及び物品はいずれも、公知の方法にしたがって製造される。特に、本発明の布帛は、スパンボンド不織布を製造するための周知の方法を用いて製造することができ、これによると、繊維を展開して直接繊維ウエブを形成し、不織布が得られるようにカレンダー加工する。
通常のスパンボンドプロセスにおいては、ポリマーを押出機内においてポリオレフィン組成物の融点に加熱し、次に溶融したポリオレフィン組成物を、所望の直径の複数のオリフィスを含む紡糸口金を通して加圧下でポンプによって押出し、それによってフィラメントをその後に延伸にかけることなく溶融ポリマー組成物のフィラメントを製造する。
この装置は、その紡糸ヘッド上にダイを有する押出機、冷却塔、ベンチュリ管を用いる空気吸込回収装置を含むことを特徴とする。
この装置の下部に、フィラメント速度を制御するために空気を用い、通常はコンベヤーベルト上に集められ、そこで周知の方法にしたがって分配されてウエブが形成される。
通常のスパンボンド機を用いる場合には、通常は以下のプロセス条件:0.3〜0.8g/分、好ましくは0.4〜0.6g/分の範囲の孔あたりの排出量を適用することが好都合である。
紡糸口金の面から供給される溶融ポリマーフィラメントは、一般に空気流を用いて冷却し、冷却の結果、固化する。
紡糸温度は一般に200℃〜300℃である。
布帛は、単層又は多層不織布によって構成することができる。
好ましい態様においては、不織布は多層であり、少なくとも1つの層はかかるポリオレフィン組成物から形成される繊維を含む。他の層はスパンボンド以外の紡糸プロセスによって得ることができ、他のタイプのポリマーを含ませることができる。
以下の実施例において詳細を与える。これらは本発明を限定することなく例示するために与えるものである。
詳細な説明及び実施例において報告する特性を測定するために以下の分析法を用いた。
・メルトフローレート:ISO法1133(MIL:230℃及び2.16kg;MIE:190℃及び2.16kg;MEF:190℃及び21.60kg)にしたがって測定した。
・ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定するMWD(Mw/Mn):
赤外検出器IR4 POLIMERCHAR及びTSKカラムセット(タイプGMHXL-HT)を備えたWaters 150-C ALC/GPCシステムを用い、溶媒として1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)(0.1volの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)で安定化)を用いて1mL/分の流速で135℃において運転してMWD曲線を求めた。試料を140℃の温度において1時間連続的に撹拌することによってTCB中に溶解した。
0.45μmのテフロン膜を通して溶液を濾過した。濾液(濃度:0.08〜1.2g/L;注入体積:300μL)をGPCにかけた。ポリスチレンの単分散フラクション(Polymer Laboratoriesによって提供)を標準試料として用いた。PS(K=1.21×10−4dL/g;α=0.706)、及びPB(K=1.78×10−4dL/g;α=0.725)、PE(K=4.06×10−4dL/g;α=0.725)、PP(K=1.90×10−4dL/g;α=0.725)に関するMark-Houwink定数の一次結合を用いることによってPBコポリマーに関する普遍的な較正を行って、コポリマー中のコモノマー含量に関して秤量した。
ソフトウエアWater Empower v.1を用いてデータの獲得及び処理を行った。
・コモノマー含量;13C−NMR分析:
ジ重水素化1,1,2,2−テトラクロロエタン中のポリマー溶液(8〜12重量%)について、120℃において13C−NMR分光分析を行った。90°のパルス、H−13Cカップリングを除去するためのパルスとCPD(WALTZ16)との間の遅延15秒を用いて、120℃においてフーリエ変換モードで100.61MHzで運転するBruker DPX-400分光計上で13C−NMRスペクトルを獲得した。
60ppm(0〜60ppm)のスペクトルウインドウを用いて32Kのデータ点で約1500〜2000の過渡スペクトルを保存した。
・ブテン/プロピレンコポリマー中のコモノマー含量:
以下のようにして計算するトリアド分布([P]=[PPP]+[PPB]+[BPB])からプロピレン含量を得た。
BBB=M/Σ; BBP=L/Σ; PBP=I/Σ;
BPB=0.5D/Σ; BPP=[A+0.5(B+E)]/Σ; PPP=(C+0.5B)/Σ;
ここで、Σ=M+L+I+0.5D+[A+0.5(B+E)]+(C+0.5B)であり、A、B、C、D、E、I、L、Mは、13C−NMRスペクトルにおけるピークの積分値である(アイソタクチックBBBBBペンタドの分岐中のCH炭素による27.73ppmにおけるピークを内部参照として用いた)。これらのピークの割当は、H.N. Cheng, Journal of Polymer Science, Polymer Physics Edition, 21, 573 (1983)にしたがって行い、表Aに報告する。
Figure 0005404646
13C−NMRによるmmmm%の測定:
Carbon-13 NMR Spectral Assignment of Five Polyolefins Determined from the Chemical Shift Calculation and the Polymerization Mechanism, T. Asakuraら, Macromolecules 1991, 24, 2334-2340にしたがって、分岐メチレン炭素の領域内のペンタド信号の割当を行った。
立体不規則性ペンタドの間の重なりのために、mmmmペンタドは、実験のペンタド分布を、Two-site model analysis of 13C NMR of polypropylene polymerized by Zieglar-Natta catalyst with external alkoxysilane donors, R. Chujo, Y. Kogure, T. Vaananen, Polymer, 1994, 35, 339-342に記載されている2サイトモデルに適合させることによって得た。報告するmmmm%は最も良好に適合した手順で得られた値に対応する。
・雰囲気温度におけるキシレン(XS)中の溶解度:
2.5gのポリマーを、135℃、撹拌下で250mLのキシレン中に溶解した。20分後、溶液を撹拌下で25℃に冷却し、次に30分間沈降させた。濾紙を用いて沈殿物を濾過し、溶液を窒素流下で蒸発させ、残渣を一定重量になるまで真空下80℃において乾燥した。次に、雰囲気温度においてキシレン中に可溶のポリマーの重量%(キシレン可溶分−XS)を計算した。雰囲気温度においてキシレン中に不溶のポリマーの重量%は、ポリマーのアイソタクチックインデックスと考えられる。この値は、定義によりポリプロピレンのアイソタクチックインデックスを構成する、沸騰n−ヘプタンで抽出することによって求められるアイソタクチックインデックスに実質的に相当する。
・キシレン不溶フラクションの測定:
0℃においてキシレン中に不溶のフラクション(XI%)を求めるために、2.5gのポリマーを撹拌下135℃において250mLのキシレン中に溶解し、20分後、0℃に冷却した。30分後、沈殿したポリマーを濾過し、減圧下80℃において一定の重量に達するまで乾燥した。
・ショアA:
ISO−868にしたがって、15秒の負荷時間で測定した。
・引張特性(プラークについて):
ISO−527−Tensileにしたがい、Brabender内で関連するコポリマー試料を1%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と180℃において混合することによって得たポリマー組成物の圧縮成形(200℃、30℃/分の冷却を用いた)によって得た厚さ1.9mmのプラークについて測定した。他に示す場合を除いて、全ての機械的測定は、試験片をオートクレーブ内において室温及び2kbarの圧力に10分間保持した後に行った。
・圧縮歪み:
ASTM−D395Bタイプ1にしたがい、オートクレーブ内において室温及び2kbarで1分間処理した圧縮成形試料について測定した。かくして得られた試験片を元の厚さの25%に圧縮し、70℃又は23℃のオーブン内に22時間配置した。
・固有粘度[η]:
テトラヒドロナフタレン中135℃において測定した(ASTM−2857−70)。
・熱特性:
予めインジウム及び亜鉛の融点に対して較正したPerkin Elmer DSC-1熱量計上での示差走査熱量測定(DSC)によって、実施例のポリマーの融点(Tm)を測定した。各DSCルツボ内の試料の重量は6.0±0.5mgに保持した。
ブテン(B)のコポリマーに関しては、2つの異なる結晶性形態のポリブテン(則ち形態I及び形態II)は、異なる融点を有するので、DSC溶融サーモグラムにおいて識別することができる。形態Iは常に形態IIよりも高い温度で溶融する。更に、形態IIは結晶化中に溶融体から沈殿し、一方、より安定な形態Iは室温において所定時間アニールすることで形成される。
連続加熱モードにおけるデータの獲得は、以下のようにして行った:
(a)秤量した試料をアルミニウム皿中に密閉し、10℃/分で180℃に加熱した。試料を180℃に5分間保持して、全ての結晶を完全に溶融させ、次に10℃/分で−20℃に冷却した。−20℃において2分間静置した後、試料を10℃/分で180℃への2回目の加熱にかけた。この第2の加熱操作において、ピーク温度を形態IIの融点(TmII)とし、ピークの面積をその溶融エンタルピー(ΔHII)とした。
(b)試料を室温において異なる時間(数時間乃至数日まで)アニールした。
(c)10℃/分の加熱速度で室温から180℃までの加熱走査を行って、形態II→形態Iの固−固変換の進行度合いを測るのに必要なサーモグラムを得て、形態Iの融点(TmI)及びその溶融エンタルピー(ΔHI)としてピークの面積を測定した。
・ジエチルエーテル可溶フラクションの測定(DDF):
ジエチルエーテル中に可溶のフラクションを測定するために、Kumagawaの手順にしたがって(コ)ポリマーを抽出した。不活性雰囲気中において、2gのポリマーをセルロース円筒濾紙内に移し、ガラスシリンダーを用いて300mLのジエチルエーテルに懸濁させた。エーテルを還流温度に加温し、蒸気をバブル凝縮器内で凝縮して連続的にポリマー上に落下させた。このようにして、ポリマーを絶えず溶媒で覆い、抽出温度はエーテルの還流温度に実質的に等しくした。
抽出を15時間行った。エーテル溶液にメタノール(600mL)を加えることによって可溶フラクションを回収した。30分後、沈殿したポリマーを濾過し、減圧下80℃において一定の重量に達するまで乾燥した。
・粉砕手順:
55cmの室の寸法を有するBrabender 2100内に40gの(コ)ポリマーを導入し、140℃の温度において、90rpmで5分間混合条件にかけた。ポリマーを排出した後、更なるDDF試験にかけた。
・フィラメントのテナシティ及び破断点伸び:
500mの粗紡糸から長さ100mmのセグメントを切断した。このセグメントから、試験する単繊維をランダムに選択した。試験するそれぞれの単繊維をInstron動力計(モデル1122)のクランプに固定し、クランプ間の初期距離を20mmとして、100%より低い伸びに関しては20mm/分、100%より大きい伸びに関しては50mm/分の引張速度で破断するまで引っ張った。極限強さ(破断時の負荷)及び破断点伸びを測定した。
以下の等式を用いてテナシティを導いた。
テナシティ=極限強さ(cN)×10/繊度(dtex)。
・フィラメントの弾性回復:
動力計を用いて23℃において弾性回復を測定した。実施例において示す押出/紡糸条件にしたがって紡糸繊維の試料を調製した。上記のように500mの粗紡糸から単繊維をランダムに選択した。
以下の条件下の2つの変形サイクルを試料に適用した。
第1サイクル:
・初期クロスヘッド距離:200mm;
・クロスヘッド速度:3.3mm/秒;
・最大変形における最大クロスヘッド距離:400mm;
・最大クロスヘッド距離における弛緩時間:60秒;
・逆クロスヘッド速度:3.3mm/秒;
・変形サイクルの終了時におけるクロスヘッド時間(クロスヘッド距離:200mm):180秒;
第2サイクル:
・初期クロスヘッド距離:200mm;
・クロスヘッド速度:3.3mm/秒。
・残留変形:これは、ロードセルを開始して次式に対応する第2のサイクルにおける引張力を記録した際に記録された変形の値である。
残留変形=(現時点のクロスヘッド距離−初期クロスヘッド距離)/(初期クロスヘッド距離)
・試験の終了:
弾性回復は、本試験において、初期クロスヘッド距離(200mm)に関する100%変形から上記に定義の残留変形を減じた値に相当する最大変形(400mm)の値である。
・熱接着強度:
実施例において示す押出/紡糸条件にしたがって製造した紡糸繊維試料について、動力計を用いて熱接着強度を測定した。上記のように500mの粗紡糸から単繊維をランダムに選択した。
試料を接着にかけ、以下の条件下で接着強度を測定するために試験した。
接着条件:
・温度:150℃;
・フィラメント繊度:4000dTex;
・折り畳み回数:4000dTexの最終繊度を得る回数;
・接着時間:1秒;
・接着圧力:800N。
力測定条件(曲線下の平均面積,cN):
・クロスヘッド速度:20mm/分;
・初期クロスヘッド距離:20mm。
実施例及び比較例において用いるポリマー成分:
以下のアイソタクチックプロピレンホモポリマーを用いた。
Figure 0005404646
ポリマーA1〜A2は、立体特異性Z/N触媒の存在下において、希釈剤として液体モノマー(プロピレン)を用いてプロピレンを単独重合することによって直接製造された、報告するMFR値及び分子量分布を有する市販のポリマーである。
ポリマーA2〜A3は、上記のメタロセンタイプの触媒の存在下でプロピレンを単独重合することによって直接製造された、報告するMFR値及び分子量分布を有する市販のポリマーである。
以下のブテン−1(コ)ポリマーを用いた。
・固体触媒成分の製造:
窒素でパージした500mLの四つ口丸底フラスコ中に、0℃において225mLのTiClを導入した。撹拌しながら、6.8gの微細球状MgCl・2.7COH(USP−4,399,054の実施例2の記載のようにして、しかしながら10,000に代えて3,000rpmで操作して調製した)を加えた。フラスコを40℃に加熱し、直ぐに4.4ミリモルのジイソブチルフタレートを加えた。温度を100℃に昇温し、2時間保持し、次に撹拌を停止し、固体生成物を沈降させ、上澄み液を吸い出した。
200mLの新しいTiClを加え、混合物を120℃において1時間反応させ、次に上澄み液を吸い出し、得られた固体を60℃の無水ヘキサン(6×100mL)で6回洗浄し、次に真空下で乾燥した。触媒成分は、2.8重量%のTi及び12.3重量%のフタレートを含んでいた。
逐次重合によるブテン−1/プロピレンコポリマーの製造:
液体ブテン−1が液体媒体を構成する直列に接続した2つの液相撹拌反応器内で逐次重合を行った。3〜5重量%の最終コポリマー中の結合プロピレンの量が得られるように、ブテン−1を供給した後にプロピレンを供給した。上記記載の触媒を用いた。Al−アルキル/触媒の重量比は40であり、第1の反応器は水素を供給しないで75℃において運転した。重合の150分後、第1の反応器の内容物を第2の反応器に移し、ここでは更にテキシルトリメトキシシランを外部ドナーとして600〜800のTibal/ドナーの重量比で用いた。第2の反応器内で重合を100分間継続した後、停止し、最終ポリマーを回収し、特性分析した。第1の重合工程において、重合活性に基づいて合計で約75%のコポリマーが製造された。
Figure 0005404646
実施例1〜5:
表1に示すポリマー成分、及び下記に示す添加剤を、Leonard 25押出機内において、以下の条件下で混合及び押出すことによってポリマー組成物を調製した。
・ポリマー組成物の溶融温度:(表に報告);
・長さ:70cm;
・直径:25mm;
・圧縮比:3。
組成物は、0.03重量%のステアリン酸カルシウム及び0.08重量%のIrgafos 168を含んでいた。
ポリマー成分及びかくして得られた組成物の特性を表1に報告する。
次に、組成物を、以下に示す条件で操作することによって紡糸にかけた。
・紡糸温度:ポリマー組成物の溶融温度に等しい;
・孔直径:0.6mm;
・長さ/直径(l/d):5;
・繊度:2.2dtex;
・紡糸速度:2700m/分。
紡糸繊維を回収し試験した。表2において、繊維の特性を報告する。
参考例1及び2(1R、2R):
ポリマー成分(A)単独を用いる参考例としてベース材料を用いて実施例1を繰り返した。ポリマーA1(例1R)及びA2(例2R)を、ブテン−1コポリマー(B)を加えずに紡糸した。
表1に繊維の特性を報告する。
Figure 0005404646
比較例6〜8:
ブテン−1コポリマー(B)に代えてExxonによってVistamax 4200の商品名で販売されているポリプロピレンベースのプラストマーを加えた他は実施例1を繰り返した。ポリマー成分及びそれらの量を表2に報告する。
Figure 0005404646
実施例9〜12:
コポリマー成分(B)とのブレンドにおける成分(A)としてポリマーA3及びA4を用いた他は実施例1を繰り返した。
対照例3及び4(3R、4R):
ポリマー成分(A)単独としてポリマーA3(例3R)及びA4(例4R)を用いて実施例1を繰り返した。
ポリマー成分及びそれらの量を表3に報告する。
Figure 0005404646

Claims (5)

  1. (A)80より高いアイソタクチックインデックス(沸騰n−ヘプタン中に不溶のフラクションの重量%)を有するポリプロピレンホモポリマー、或いは85%以上のプロピレンを含み、80以上のアイソタクチックインデックスを有するプロピレンとエチレン及び/又は4〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンとの結晶性コポリマー50〜90重量%;
    (B)25〜70%のアイソタクチックペンタド(mmmm)の形態のブテン−1単位の含量;テトラリン中135℃において測定して1〜3dL/gの固有粘度[η];3〜60%の0℃におけるキシレン不溶フラクションの含量;を有するブテン−1(コ)ポリマー10〜50重量%;
    を含むポリオレフィン組成物を用いて製造される繊維。
  2. ポリマー樹脂成分(A)が2〜8の範囲のGPCによって測定される分子量分布(Mw/Mn)を示す、請求項1に記載の繊維。
  3. ブテン−1(コ)ポリマー成分(B)が3.5〜9の範囲のGPCによって測定される分子量分布(Mw/Mn)を示す、請求項1に記載の繊維。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の繊維を含む不織布。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の繊維を含むジオテキスタイル。
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