JP5402143B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置、表示装置およびその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:略称EL)素子は、有機物を含む発光層と、この発光層を挟持する一対の電極とを含んで構成される。有機EL素子に電圧を印加すると、陰極から電子が注入されるとともに、陽極から正孔が注入され、これら電子と正孔とが発光層で結合することによって発光する。発光層から放出される光は、一対の電極のうちの少なくとも一方の電極から取出される。したがって、光が取出される側の電極には透明電極が用いられる。透明電極は、例えば酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)等の金属酸化物から成る。一般的に、透明電極に用いられる金属酸化物の屈折率は、有機EL素子が設けられる基板の屈折率と比べると高いので、透明電極と基板との界面で全反射が生じる。発光層から放出される光の多くは、このような反射などによって有機EL素子外に取出されず、光取出し効率は必ずしも高くはない。そこで、このような反射を抑制する構造を有する有機EL素子が提案されている。例えば、集光性を示す集光層が設けられたガラス基板を用いた有機EL素子がある(例えば特許文献1参照)。この集光層は、マイクロレンズなどの集光性構造物と、集光性構造物を覆う透明性樹脂とから成る。透明性樹脂には、集光性構造物よりも屈折率が高いものが用いられている。このような集光層をガラス基板に設けることで、ガラス基板の表面で生じる全反射を抑制し、光取出し効率の向上を図っている。
特開2003−86353号公報
このような集光層をガラス基板に設けたとしても、集光層とガラス基板との界面で全反射が生じるので、有機EL素子からの光取出し効率が十分に高いとは必ずしもいえず、光取出し効率のさらに高い有機EL素子が求められている。
本発明の目的は、光取出し効率の高い有機EL素子、照明装置、表示装置およびその製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究した結果、本発明者は、透明電極と集光層との屈折率差を所定の範囲にすることで光取出し効率の高い有機EL素子となることに想到し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、機能層と、透明な第1電極と、発光層と、第2電極とがこの順に積層されて構成される有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記第1電極とは反対側の前記機能層の表面には、高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部が形成され、
前記第1電極の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2が、次式(1)を満たすことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
Figure 0005402143
また本発明は、前記第1電極とは反対側の前記機能層の表面に接して設けられる低屈折率層をさらに含んで構成され、
前記第1電極の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2、および前記低屈折率層の屈折率n3が、次式(2)を満たすことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
Figure 0005402143
また本発明は、前記機能層の前記第1電極側の表面の中心線平均粗さRaが、10nm以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記凹凸部の配置される間隔が、0.5μm〜100μmであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記各凹凸部の表面形状が、凹面または凸面であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記凹面または凸面が、半球面であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記各凹凸の表面形状が、それぞれ複数の平面で構成されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記各凹凸部の形状が、互いに不規則であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置である。
また本発明は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を複数備える表示装置である。
また本発明は、低屈折率層と、機能層と、透明な第1電極と、発光層と、第2電極とがこの順に積層されて構成され、前記第1電極の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2、および前記低屈折率層の屈折率n3が、次式(3)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
Figure 0005402143
表面に高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部を形成して低屈折率層を形成する工程と、
前記低屈折率層の前記複数の凹凸部が形成された表面に、機能層となる材料を含む塗布液を塗布して機能層を形成する工程と、
第1電極を形成する工程と、
発光層を形成する工程と、
第2電極を形成する工程とを含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
また本発明は、前記低屈折率層を形成する工程では、インプリント法によって複数の凹凸部を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
また本発明は、前記低屈折率層を形成する工程では、フォトリソグラフィー法によって、前記低屈折板の表面部を選択的に除去して複数の凹凸部を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
また本発明は、前記低屈折率層を形成する工程では、ドライエッチングによって前記低屈折板の表面部を選択的に除去して凹凸部を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
本発明によれば、光取出し効率の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を実現することができる。
本発明の実施の一形態の有機EL素子1を概略的に示す図である。 本発明の他の実施の形態の有機EL素子11を概略的に示す図である。 本発明のさらに他の実施の形態の有機EL素子21を概略的に示す図である。
図1は、本発明の実施の一形態の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある)1を概略的に示す図である。有機EL素子1は、少なくとも低屈折率層2と、機能層3と、透明な第1電極4と、発光層5と、第2電極6とがこの順に積層されて構成される。第1電極とは反対側の前記機能層3の表面には、高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部が形成される。また前記第1電極の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2は、次式(1)を満たす。
Figure 0005402143
さらに前記第1電極の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2、および前記低屈折率層の屈折率n3は、次式(2)を満たす。
Figure 0005402143
なお第1電極4と第2電極6との間には、一層の発光層5に限らずに、複数の発光層、及び/又は発光層とは異なる1または複数の層を設けてもよい。本実施の形態の有機EL素子1は、第1電極4と発光層5との間に正孔注入層7が設けられる。低屈折率層2は、第1電極4とは反対側の前記機能層3の表面に接して設けられる。本実施の形態では、低屈折率層2と機能層3との積層体が基板8として機能する。本実施の形態の有機EL素子1は、基板8、第1電極4、正孔注入層7、発光層5、第2電極6がこの順に接して積層されて構成される。なお本実施の形態では基板8と第1電極4とが接するとしたが、基板8と第1電極4との間に例えば薄い絶縁層やバリア層などを設けてもよい。
本実施の形態の第1電極4は、透光性を示すとともに、陽極として機能し、また第2電極6は、可視光を反射するとともに、陰極として機能する。また基板8は、透光性を示す。したがって発光層5から第1電極4に向けて放射される光は、第1電極4および基板8を通って外に取出される。また発光層5から第2電極6に向けて放射される光は、第2電極6で反射され、第1電極4および基板8を通って外に取出される。すなわち本実施の形態の有機EL素子1は、基板8から光が取出されるボトムエミッション型の素子である。
なお変形例として第1電極を陰極とし、第2電極を陽極とするボトムエミッション型の有機EL素子を構成してもよく、また第2電極に透光性を示す電極を用いて第2電極側からも光を取出す両面発光の有機EL素子を構成してもよい。
式(1)に示すように機能層3と第1電極4との屈折率の差が小さいので、機能層3と第1電極4との界面での反射率を低くするとともに、全反射を抑制することができる。これによって第1電極4から機能層3に効率的に光を伝播させることができる。
また機能層3の表面には、高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部が形成されるので、機能層3と低屈折率層2との界面で光が散乱したり、屈折したり、集光したりする。これによって機能層3と低屈折率層2との界面での反射を抑制することができ、第1電極4から機能層3に入射した光を、低屈折率層2に効率的に入射させることができる。各凹凸部の高さは、好ましくは0.7μm〜50μmであり、より好ましくは1μm〜30μmである。なお高さとは、機能層3の第1電極4側の表面に垂直な方向の各凹凸部の平均の高さであり、これは触針式の凹凸測定装置等で測定することができる。
また式(2)に示すように、低屈折率層2の屈折率は第1電極4および機能層3に比べて低く、特に機能層3よりも空気の屈折率に近いので、空気との界面で生じる全反射を抑制することができ、低屈折率層2に入射した光を効率的に外に取出すことができる。さらには、低屈折率層2の空気との界面に高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部を形成することで、より効果的に低屈折率層2に入射した光を効率的に外に取出すことができる。
以上説明したように、発光層5から放出される光を、第1電極4、機能層3、低屈折率層2、空気へと順次効率的に伝播させることで、光の取出し効率を向上させることができる。
また、従来の技術では集光性構造物をガラス基板に設けていたので、集光層とガラス基板との界面で光の一部が反射されるが、本実施の形態の有機EL素子1では、従来の技術の集光性構造物に対応する構造を低屈折率層2に作り込み、従来の技術における集光性構造物とガラス基板とを一体に形成した低屈折率層2を用いることで、従来の技術で生じていた集光層とガラス基板との界面での反射を無くし、光の取出し効率を向上している。
機能層3の第1電極4側の表面の凹凸は、この機能層3の表面に積層される第1電極4の平坦性に影響を与える。第1電極4の平坦性が低いと、第1電極4の突起によって短絡が生じるおそれがある。したがって第1電極4の中心線平均粗さRaは、小さい方が好ましく、このような第1電極4を形成するためには、前記機能層3の前記第1電極4側の表面の中心線平均粗さRaは小さい方が好ましい。機能層3の第1電極4側の表面の中心線平均粗さRaは、100nm以下であることが好まく、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは10nm以下、さらに好ましくは3nm以下である。
各凹凸部の配置される間隔は、例えば0.4μm〜200μmであり、好ましくは0.5μm〜100μmであり、さらに好ましくは0.8μm〜50μmである。このような間隔で凹凸部をそれぞれ配置することで、散乱、屈折、集光する効果が大きくなり、光取出し効率の向上を図ることができる。
また各凹凸部の表面形状は、凹面または凸面である。これによって、機能層3が複数のマイクロレンズとして機能する。機能層3の低屈折率層2側の表面に、第1電極4側に凹む複数の凹面が形成される場合には、発光層5に対して機能層3が複数の凹レンズとして機能する。また機能層3の低屈折率層2側の表面に、低屈折率層2側に突出する複数の凸面が形成される場合(図1参照)には、発光層5に対して機能層3が複数の凸レンズとして機能する。このように各凹凸部がレンズとして機能するので、散乱、屈折、集光する効果が大きくなり、光取出し効率の向上を図ることができる。
また前記凹面または凸面は、好ましくは半球面である。このような半球面の凹面または凸面を備えることで、散乱、屈折、集光する効果が大きくなり、光取出し効率の向上を図ることができる。
また変形例として各凹凸部の表面が、それぞれ複数の平面で構成されてもよい。例えば各凹凸部の表面が、多角錐の底面を除いた複数の平面で構成される。
また変形例として前記各凹凸部の形状は、互いに規則的でも、不規則であってもよく、互いに不規則であることが好ましい。例えば各凹凸部が互いに規則性を有した形状であれば、取出される光の特性に波長依存性が表れるが、各凹凸部の形状を互いに不規則にすることで、取出される光の特性に対する波長依存性を小さくすることができる。また例えば基板上に複数の有機EL素子を形成し、各有機EL素子が所定のスペクトルで発光する場合、各凹凸部を主に通過する光のスペクトルに応じて、主に通過する光の反射を低減するように各凹凸部を所定の形状にしてもよい。例えば赤色の光が主に通過する各凹凸部と、青色の光が主に通過する各凹凸部との形状を互いに異ならせてもよい。
続いて有機EL素子1の製造方法および構成の詳細について説明する。本実施の形態の有機EL素子1の製造方法は、少なくとも低屈折率層と、機能層と、透明な第1電極と、発光層と、第2電極とがこの順に積層されて構成され、前記第1電極の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2、および前記低屈折率層の屈折率n3が、次式(3)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であり、
Figure 0005402143
表面に高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部を形成して、低屈折率層を形成する工程と、前記低屈折率層の前記複数の凹凸部が形成された表面に、機能層となる材料を含む塗布液を塗布して機能層を形成する工程と、第1電極を形成する工程と、発光層を形成する工程と、第2電極を形成する工程とを含む。なお本実施の形態の有機EL素子の製造方法は、第1電極と発光層との間に正孔注入層を形成する工程をさらに含む。
<低屈折率層>
低屈折率層は、可視光領域の光の透過率が高く、また有機EL素子を形成する工程において変化しないものが好適に用いられ、リジッド板でも、フレキシブル板でもよく、例えばガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、並びにこれらを積層した積層板などが好適に用いられる。プラスチック板や高分子フィルムを構成する樹脂としては、後述する塗布法で例えば発光層5および正孔注入層7などを成膜するときに、使用される塗布液に溶解しないものが好ましい。具体的には、低密度または高密度のポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体(ドモン(DMON)は、ジメタノーオクタヒドロナフタレンの略称である。)、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体;ポリメチルメタクリルイミドなどのアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリルなどのスチレン−アクリロニトリル系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロースなどの疎水化セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのハロゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体などの水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶樹脂などのエンジニアリングプラスチック系樹脂などが挙げられる。
低屈折率層には有機EL素子の作製プロセスでの耐熱性が求められるので、上述の樹脂の中でもガラス転移点Tgが、150℃以上の樹脂が好ましく、180℃以上の樹脂がより好ましく、200℃以上の樹脂がさらに好ましい。
低屈折率層は、有機EL素子の雰囲気に含まれる酸素および水蒸気などを通し難いバリア性の高い部材を含んでいてもよい。例えば金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および金属酸窒化物などの無機物から成る無機層、前記無機層と有機層との積層体、または無機−有機ハイブリッド層などが好適に用いられる。無機層としては、薄膜層であって空気中で安定なものが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム錫酸化物(ITO)、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びそれらの組合せの薄膜層が挙げられる。より好ましくは、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素からなる薄膜層であり、さらに好ましくは酸窒化ケイ素の薄膜層である。
なお低屈折率層は、式(2)を満たす限りにおいて、機能層3および第1電極4の屈折率に応じて例示したもののうちから適宜選択される。低屈折率層が複数の部材で構成される場合の低屈折率層の屈折率は、低屈折率層の全体についての屈折率の値である。
低屈折率層の屈折率n3は、低屈折率層を構成する部材によって決まり、例えばガラスの場合、約1.5であり、ポリカーボネートの場合、1.58であり、ポリエチレンテレフタレートの場合、1.49であり、ポリエーテルサルホンの場合、1.65であり、ポリエチレンナフタレートの場合、1.50である。
複数の凹凸部を形成する方法としては、インプリント法(エンボス加工法)、フォトリソグラフィー法、ドライエッチング法、凹凸のあるもので表面を削る方法、自己組織化を利用して凹凸構造を形成する方法などが挙げられる。設計通りの凹凸構造を高精度に形成するという観点からは、インプリント法(エンボス加工法)、フォトリソグラフィー法、およびドライエッチング法を用いることが好ましい。
例えばインプリント法では、表面に複数の凹凸が形成された金型をフィルムに押し当てることで、金型の表面の形状を低屈折率層に転写することができる。またフォトリソグラフィー法では、例えば光硬化性樹脂を塗布し、次に塗布された膜に光を選択的に照射し、さらに現像することで、塗布された膜の表面部を選択的に除去し、表面に複数の凹凸が形成された低屈折率層を得ることができる。また例えばガラス基板にフォトレジストを塗布し、塗布された膜を選択的に除去し、複数の孔が形成されたマスクをガラス基板の表面上に形成し、さらにドライエッチングまたはウエットエッチングによってガラス基板の表面を選択的に除去することで、複数の凹凸が形成されたガラス基板、すなわち低屈折率層を得ることができる。またドライエッチング法で、ガラス基板および樹脂フィルムなどの表面を削ることで、低屈折率層を得ることができる。
<機能層>
機能層は、可視光領域の光の透過率が高く、また有機EL素子を形成する工程において変化しないものが好適に用いられ、リジッドでも、フレキシブルでもよい。機能層は、例えば無機ポリマー、および無機−有機ハイブリッド材料などで構成される。無機−有機ハイブリッド材料には、分子レベルで無機と有機とがハイブリッドされた化合物、および有機物に無機物が分散されている混合物なども含まれる。屈折率は透明電極との屈折率差が小さい方が全反射を抑えられるため、1.75以上が好ましい。
機能層は、製造工程の簡易さから、機能層となる材料を含む塗布液を塗布して形成されることが好ましい。表面に高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部が形成された低屈折率層に塗布液を塗布すると、低屈折率層の凹凸に塗布液が充填され、さらにこれを硬化すると、高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部が形成された機能層を容易に得ることができる。またこのように塗布法を用いることで、第1電極4側の機能層3の表面を平坦に形成することができる。塗布液は、溶液でも分散液でもよく、必要に応じて有機溶剤、界面活性剤、密着増強剤、架橋剤、増感剤、感光剤が加えられた液状の組成物であり、具体的には、珪素系無機ポリマー、芳香族を含むモノマー熱可塑性樹脂に高屈折率ナノ粒子を分散した組成物、光硬化性モノマーに高屈折率ナノ粒子を分散した組成物、熱硬化性モノマーに高屈折率ナノ粒子を分散した組成物などを挙げることができる。低屈折率層に機能層となる材料を含む塗布液を塗布して得られた塗布膜は、光照射、加熱、乾燥、加圧などの処理を施すことによって硬化させることができる。
機能層は、有機EL素子の雰囲気に含まれる酸素および水蒸気などを通し難いバリア性の高い部材を含んでいてもよい。例えば金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および金属酸窒化物などの無機物から成る無機層、前記無機層と有機層との積層体、または無機−有機ハイブリッド層などが好適に用いられる。無機層としては、薄膜層であって空気中で安定なものが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム錫酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びそれらの組合せの薄膜層が挙げられる。より好ましくは、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素からなる薄膜層であり、さらに好ましくは酸窒化ケイ素の薄膜層である。なお機能層は、式(1)および式(2)を満たす限りにおいて、低屈折率層2および第1電極4の屈折率に応じて例示したもののうちから適宜選択される。機能層の屈折率は、式(1)および式(2)の関係を満たし、かつ1.75以上が好ましい。なお機能層が複数の部材で構成される場合の機能層の屈折率は、機能層の全体についての屈折率の値である。
機能層の屈折率n2は、機能層を構成する部材によって決まり、例えばシリコン系の無機ポリマーの場合、1.75〜2.0であり、ポリマーにTiO2が分散された混合物の場合、1.8〜2.0である。
<第1電極>
本実施の形態の第1電極4は、透光性および導電性を示す薄膜によって実現され、例えば金属酸化物膜および金属薄膜などによって構成される。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅などの薄膜を挙げることができ、ITO、IZO、酸化スズなどの薄膜が好ましい。また第1電極4として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。第1電極4の厚みは、光透過性と導電性とを考慮して適宜設定することができ、一般的には10nm〜10μm程度であり、好ましくは20nm〜1μm、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
第1電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。
第1電極の屈折率n1は、第1電極を構成する部材によって決まり、例えばITOの場合、2.0であり、IZOの場合、1.9〜2.0であり、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜の場合、約1.7である。
<正孔注入層>
正孔注入層を構成する正孔注入材料としては、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体などが挙げられる。
正孔注入層は、例えば正孔注入層となる材料を含む塗布液を第1電極4上に塗布して成膜することができる。塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等を挙げることができる。
<発光層>
発光層は、蛍光及び/又は燐光を発光する有機物、若しくは該有機物と、ドーパントとを含んで構成される。ドーパントは、たとえば発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で付加される。発光層に用いられる有機物としては、低分子化合物または高分子化合物のいずれでもよい。発光層を構成する発光材料としては、例えば以下のものを挙げることができる。
色素系の発光材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
金属錯体系の発光材料としては、中心金属に、Ir、Pt、Al、Zn、Beなど、またはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体を挙げることができ、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体などを挙げることができる。
高分子系の発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、およびポリビニルカルバゾール誘導体など、並びに上記色素系の発光材料や金属錯体系の発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
上記発光材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また白色に発光する材料として、上述した青色、緑色、赤色に発光する材料を混合して用いてもよい。また上述した青色、緑色、赤色にそれぞれ発光する複数種類の材料の各成分を1分子内に有する材料を白色に発光する材料として用いることができ、例えば各色の材料の成分をモノマーとして重合したポリマーを白色に発光する材料として用いてもよい。また互いに異なる発光色で発光する複数の層を積層することにより白色光を発光する素子を実現してもよい。
ドーパント材料としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約2nm〜2000nmである。
有機物を含む発光層の成膜方法としては、発光材料を含む塗布液を正孔注入層7に塗布する方法、真空蒸着法、転写法などを挙げることができる。発光材料を含む塗布液の溶媒としては、発光材料を溶解する液体であればよく、例えばクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
発光材料を含む塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの塗布法を挙げることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの塗布法が好ましい。また、昇華性の低分子化合物の場合には、真空蒸着法を用いることができる。さらには、レーザーによる転写や熱転写などの方法によって、所望するところのみに発光層を形成することもできる。
<第2電極>
第2電極6は、本実施の形態では陰極として機能し、このような第2電極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料が好ましく、また電気伝導度の高い材料が好ましい。具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびIII−B族金属などの金属を用いることができ、さらに具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、または上記金属のうち2つ以上の合金、またはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物などが用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。第2電極からも光を取出す場合には、第2電極は透明である必要があり、このような透明な第2電極は、上記の材料から成る薄膜と導電性金属酸化物や導電性有機物などから成る薄膜とを積層した積層体で構成される。
以上説明した本実施の形態における低屈折率層2、機能層3、第1電極4の組合せとしては、ガラス基板、無機ポリマーおよびITOが好ましく、樹脂、無機ポリマー、ITOがさらに好ましい。
本実施の形態の有機EL素子1は、第1電極4と第2電極6との間に正孔注入層7と発光層5とが配置されるとしたが、有機EL素子1の構成は図1に示す構成に限らない。以下に有機EL素子の第1電極と第2電極との間の素子構成の一例について説明する。なお第1電極は透明であれば陽極および陰極のいずれでもよいので、以下の説明では第1電極および第2電極の極性を特定せずに素子構成の一例を説明する。また、低屈折率層2を樹脂などの例えばフィルムで形成する場合、ガラスなどの基板上に低屈折率層を設けてもよい。
前述したように陽極と陰極との間には、少なくとも一層の発光層が設けられていればよく、陽極と陰極との間には複数の発光層、及び/又は発光層とは異なる1または複数の層を設けてもよい。
陰極と発光層との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などが挙げられる。陰極と発光層との間に、電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に近い側に位置する層を電子注入層といい、発光層に近い側に位置する層を電子輸送層という。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極、または電子注入層、若しくは陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層または電子輸送層が、正孔ブロック層を兼ねる場合がある。
陽極と発光層との間に設ける層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。陽極と発光層との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方が設けられる場合、陽極に近い側に位置する層を正孔注入層といい、発光層に近い側に位置する層を正孔輸送層という。
正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔輸送層は、陽極または正孔注入層、若しくは陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。正孔注入層または正孔輸送層が、電子ブロック層を兼ねることがある。
なお、電子注入層および正孔注入層を総称して電荷注入層ということがあり、電子輸送層および正孔輸送層を総称して電荷輸送層ということがある。
有機EL素子のとりうる層構成の具体的な一例を以下に示す。
a)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
b)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
c)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
e)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
f)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
i)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
k)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
l)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
n)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
o)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、この記号「/」を挟む2つの層が隣接して積層されることを示す。以下同じ。)
また、本実施の形態の有機EL素子は、2層以上の発光層を有していてもよい。2層の発光層を有する有機EL素子の具体例としては、
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/電極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
の層構成を有するものが挙げられる。
また、3層以上の発光層を有する有機EL素子としては、(電極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層)を一つの繰り返し単位とすると、
q)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/繰り返し単位/繰り返し単位/・・・/陰極
のように、2つ以上の繰り返し単位を含む層構成を有するものが挙げられる。
上記層構成pおよびqにおいて、陽極、電極、陰極、発光層以外の各層は必要に応じて削除することができる。
基板8から光を取出すボトムエミッション型の有機EL素子では、発光層を基準にして、基板8側に配置される層を全て透明な層で構成する。また後述するように発光層を基準にして基板とは反対側から光を取出すいわゆるトップエミッション型の有機EL素子では、発光層を基準にして、基板とは反対側に配置される層を全て透明な層で構成する。
有機EL素子は、さらに電極との密着性向上や、電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して膜厚が2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために、隣接する前記各層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
以下、各層の具体的な構成について説明する。なお発光層5および正孔注入層7については、前述したので重複する説明を省略する。また、陽極及び/又は陰極には、それぞれ前述した第1電極または第2電極を用いることができるので重複する説明を省略する。
<正孔輸送層>
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送材料の中で、正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子の正孔輸送材料が好ましく、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体などがさらに好ましい。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜の方法としては、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法を挙げることができる。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであればよく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を挙げることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が弱いものが好適に用いられる。該高分子バインダーとしては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどが挙げられる。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択され、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、厚すぎると、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<電子注入層>
電子注入層を構成する電子注入材料としては、発光層の種類に応じて、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または前記金属を1種類以上含む合金、または前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、または前記物質の混合物などが挙げられる。アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。電子注入層は、2層以上を積層した積層体であってもよい。積層体の具体例としては、LiF/Caなどが挙げられる。電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等によって形成される。電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
<電子輸送層>
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等を挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
図2は本発明の他の実施の形態の有機EL素子11を概略的に示す図である。本実施の形態の有機EL素子11は、少なくとも機能層13と、透明な第1電極14と、発光層15と、第2電極16とがこの順に積層されて構成される有機エレクトロルミネッセンス素子であり、前記第1電極14とは反対側の前記機能層13の表面には、高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部が形成され、前記第1電極14の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2が、前述した式(1)を満たす。本実施の形態の有機EL素子11は、前述と同様に第1電極14と第2電極16との間に発光層15とは異なる層を設けてもよく、前述したように多様な層構成をとることができる。本実施の形態の有機EL素子11は、基板18の表面上に、第2電極16、正孔注入層14、発光層15、第1電極14、および機能層13がこの順に接して設けられる。
本実施の形態の有機EL素子11は、発光層15から放出される光が、第1電極14、および機能層13を通って外に取出されるいわゆるトップエミッション型の素子である。
本実施の形態の基板18は、透明でも不透明でもよく、例えば前述した低屈折率層2と同じ部材によって構成される板体である。また本実施の形態の第1電極14は、前述の実施の形態の第1電極4を用いてもよく、また前述の実施の形態で説明した透明の第2電極6と同様に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびIII−B族金属などの金属の薄膜と、導電性金属酸化物や導電性有機物などから成る薄膜とを積層した積層体を用いても良い。また本実施の形態の第2電極16は、透明でも不透明でもよく、前述の実施の形態の第1電極4または第2電極6を用いてもよい。また第2電極16の一方の表面に、例えば金属などの光を反射する部材で構成される反射層を設けてもよい。
本実施の形態の機能層13は、前述の実施の形態の機能層3と同じなので重複する説明を省略する。本実施の形態の機能層13は、前述の実施の形態の機能層3と同様の製法を用いて凹凸部を形成した後に、第1電極12に貼り合わされてもよい。また前述の実施の形態で低屈折率層2を形成した方法と同じ方法を用いて機能層3に複数の凹凸部を形成し、第1電極12に貼り合わされてもよく、また第1電極14に直接形成してもよい。
このような構成の有機EL素子11では、第1電極14と機能層13との屈折率の差が小さいので、機能層13と第1電極14との界面での反射率を低くするとともに、全反射を抑制することができる。これによって第1電極4から機能層3に効率的に光が入射する。また機能層13の表面には、高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部が形成されるので、前述と同様に機能層13に入射した光が効率的に外に取出される。以上説明したように、発光層15から放出される光を、第1電極14、機能層13、空気へと順次効率的に伝播させることで、光の取出し効率を向上させることができる。
図3は、本発明のさらに他の実施の形態の有機EL素子21を概略的に示す図である。
本実施の形態の有機EL素子21は、図2に示す前述の実施の形態の有機EL素子11に低屈折率層22をさらに加えたトップエミッション型の素子であり、前述の実施の形態の有機EL素子11とは低屈折率層22のみが異なるので、重複する説明を省略して低屈折率層22のみについて説明する。
本実施の形態の低屈折率層22は、水および酸素などを有機EL素子21から遮断する封止膜として機能し、例えば金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物または金属酸窒化物などから成る無機層、あるいは前記無機層と有機層とを組合せた層、あるいは無機−有機ハイブリッド層などが好適に用いられる。無機層としては、薄膜層であって空気中で安定なものが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム錫酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びそれらの組合せの薄膜層が挙げられる。より好ましくは、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素からなる薄膜層であり、さらに好ましくは酸窒化ケイ素の薄膜層である。低屈折率層22は、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法などによって、第2電極16、正孔注入層17、発光層15、第1電極14および機能層13を覆って形成される。
本実施の形態の低屈折率層22の屈折率n3は、前述した式(2)を満たす。これによって、図1に示す有機EL素子1と同様に、発光層15から放出される光を、第1電極14、機能層13、低屈折率層22、空気へと順次効率的に伝播させることで、光の取出し効率を向上させることができる。
前述の各実施の形態の有機EL素子1、11を用いることによって、有機EL素子を備える照明装置、または有機EL素子を複数備える表示装置を実現することができる。
前述の各実施の形態の有機EL素子は、照明装置、面状光源、セグメント表示装置およびドットマトリックス表示装置の光源、並びに液晶表示装置のバックライトとして用いることができ、特に照明装置に好適に用いることができる。
本実施の形態の有機EL素子を面状光源として用いる場合には、例えば面状の陽極と陰極とを積層方向の一方から見て重なり合うように配置すればよい。またセグメント表示装置の光源として所定のパターンで発光する有機EL素子を構成するには、光を通す窓が所定のパターンで形成されたマスクを前記面状光源の表面に設置する方法、消光すべき部位の有機物層を極端に厚く形成して実質的に非発光とする方法、陽極および陰極のうちの少なくともいずれか一方の電極を所定のパターンで形成する方法がある。これらの方法で所定のパターンで発光する有機EL素子を形成するとともに、いくつかの電極に対して選択的に電圧を印加できるように配線を施すことによって、数字や文字、簡単な記号などを表示可能なセグメントタイプ表示装置を実現することができる。ドットマトリックス表示装置の光源とするためには、陽極と陰極とをそれぞれストライプ状に形成して、積層方向の一方からみて互いに直交するように配置すればよい。部分カラー表示、マルチカラー表示が可能なドットマトリックス表示装置を実現するためには、発光色の異なる複数の種類の発光材料を塗り分ける方法、並びにカラーフィルターおよび蛍光変換フィルターなどを用いる方法を用いればよい。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動してもよく、TFTなどと組合せてアクティブ駆動してもよい。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状光源は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト、あるいは面状の照明装置として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
<基板の作製>
5cm×5cmガラス基板上に、ガラス基板(屈折率1.52)とほぼ同じ屈折率を有する透明なポジ型フォトレジスト材料(東京応化工業社製、商品名「TFR970」屈折率1.59)をスピンコーターにより膜厚5μmで成膜し、ホットプレート上で110℃110秒間加熱した。直径8.5μmの円形の可透光領域がランダムに配置されたフォトマスクを用いて、50mJ/cm2のI線を照射した。室温0.55%のKOH水溶液で現像し(80秒)、ホットプレート上で220℃1分間加熱し、リフローさせて、フォトレジスト膜の表面に高さが0.5〜4.5μmの不規則な凹凸構造を形成した(低屈折率層の形成)。凹凸構造の上に、屈折率が1.8である高屈折率塗布膜形成液(ラサ工業社製、商品名「RASA TI」)をスピンコートし、ホットプレート上で200℃5分間加熱硬化した(機能層の形成)。このとき、機能層の最表面の中心線粗さRaは、2.8nmであった。次に、基板を120℃で加熱しながら、5cm×2cmの帯状に300nmの膜厚でITO(屈折率2.0)を機能層の上にスパッタ成膜(DCスパッタ法、成膜圧力0.25Pa、パワー0.25kW)した(透明電極の形成)。その後オーブン中で200℃40分間アニール処理を行った。基板を50℃の強アルカリ性洗剤、冷水、50℃の温水をもちいて超音波洗浄し、50℃の温水から引き上げ、さらにオーブン中で乾燥した。その後20分間UVオゾン洗浄を行い、透明な第1電極を得た。
<有機EL素子作製>
0.45μm径のフィルターを用いてポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(スタルク社製、商品名:AI4083)の懸濁液をろ過した液を、前記洗浄済基板上にスピンコートにより65nmの厚みで塗布し、薄膜を形成した。大気雰囲気下においてホットプレート上で、200℃で15分間熱処理し、正孔注入層を形成した。次いで、白色高分子有機EL発光層材料としてサメイション製WP1330をトルエンに溶解し、0.8質量%の高分子溶液を作製し、この高分子溶液を正孔注入層が形成された基板上にスピンコートして80nmの膜厚で製膜した。その後、窒素雰囲気下のホットプレート上で130℃、30分間熱処理し、発光層を形成した。発光層が形成された基板を真空蒸着機に導入し、ITOのパターンに直交するように陰極としてBa、Alを順次それぞれ、10nm、100nmの厚みで5cm×2cmの帯状に蒸着し、第2電極を形成した。第2電極を形成する工程では、真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。最後に、不活性ガス中で、第1電極と第2電極が直交する部分を中心にガラス板で覆い、さらに4辺を光硬化樹脂で覆った後に、UV照射して光硬化樹脂を硬化させ、有機EL素子を作製した。
(比較例1)
<基板の作製>
5cm×5cmガラス基板(屈折率1.52)上に、実施例1と同様にしてITO薄膜を形成した。
<EL素子の作製>
ITO薄膜を形成した基板上に、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の発光特性の評価>
実施例1及び比較例1で得られた有機EL素子の発光特性を評価した。素子全体に8Vの電圧を印加した際の正面発光輝度を測定した。輝度計はBM−8を用いた。比較例1の有機EL素子では、輝度が4865cd/m2に対して、実施例1の有機EL素子では5578cd/m2であった。このように本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、機能層および低屈折率層を備えることで光取出し効率が向上することを確認した。
<基板の作製>
底屈折率層に相当する三和フロスト株式会社製5cm×5cm片面フロストガラス基板(屈折率1.52)のフロスト加工面上に、以下の(1)〜(3)の工程を順次一巡する処理を8回繰り返すことにより、屈折率が1.98の機能層を形成した。(1)屈折率が1.8の高屈折率塗布膜形成用液(ラサ工業社製、商品名「RASA TI」)をスピンコートする工程。(2)ホットプレート上で150℃1分間加熱する工程。(3)ホットプレート上で380℃1分間加熱硬化する工程。フロストガラス基板のフロスト加工面の凹凸構造は、Rz=1.998μmであり、機能層の最表面の中心線粗さRaは、8.8nmであった。次に基板を120℃で加熱しながら、5cm×2cmの帯状に膜厚300nmのITO(屈折率2.0)を機能層上にスパッタ成膜(DCスパッタ法、成膜圧力0.25Pa、パワー0.25kW)し、屈折率が2.0の透明電極を形成した。その後オーブン中で200℃40分間アニール処理を行い、透明な第1電極付き基板を得た。
<PLによる光取出し効率の評価>
緑色高分子有機EL発光層材料としてサメイション製GP1300をトルエンに溶解し、1.2質量%の高分子溶液を調整し、これを上記で得られた基板のITO薄膜上にスピンコートにより塗布した。得られた塗布膜の膜厚は100nmであった。得られた薄膜のPL強度の測定を行い、光取り出し効率の評価を行った。なおPLとはフォトルミネッセンスの略である。PL強度の測定では、光(フォトン)によって発光材料を励起し、発光材料特有の発光(ルミネッセンス)を検出した。本評価では、PL発光した光をEL発光した光と想定して、EL発光時の光取り出し効率を仮想的に評価した。具体的には緑色高分子有機EL発光層側から365nmの紫外線を発光層に照射し、基板裏面全面から放射される光を積分球によって検出し、緑色発光PL強度を測定した。PL強度は3020(任意単位)であった。
(比較例2)
<基板の作製>
5cm×5cmガラス基板(屈折率1.52)上に、実施例2と同様にしてITO薄膜を形成した。
<PLによる光取出し効率の評価>
上記で得られた基板のITO上に、実施例2と同様にして緑色高分子有機EL発光層材料を塗布した。緑色高分子有機EL発光層側から365nmの紫外線を照射し、基板裏面からの緑色発光PL強度を測定した。PL強度は2271(任意単位)であった。
実施例2で得られたPL強度は、比較例2で得られたPL強度の1.33倍であった。実施例2で得られた基板を用いて実施例1と同様に有機EL素子を作製すると、機能層および低屈折率層を備えることで素子の光取出し効率が向上する。
1,11,21 有機EL素子
2,22 低屈折率層
3,13 機能層
4,14 第1電極
5,15 発光層
6,16 第2電極
7,17 正孔注入層

Claims (6)

  1. 低屈折率層と、機能層と、透明な第1電極と、発光層と、第2電極とがこの順に積層されて構成され、前記第1電極の屈折率n1、前記機能層の屈折率n2、および前記低屈折率層の屈折率n3が、次式(3)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    Figure 0005402143
    表面に高さが0.5μm〜100μmの複数の凹凸部を形成して低屈折率層を形成する工程と、
    前記低屈折率層の前記複数の凹凸部が形成された表面に、機能層となる材料を含む塗布液を塗布して、前記機能層の前記第1電極側の表面の中心線平均粗さRaが、10nm以下である機能層を形成する工程と、
    第1電極を形成する工程と、
    発光層を形成する工程と、
    第2電極を形成する工程とを含み、
    前記低屈折率層を形成する工程では、フォトリソグラフィー法によって、前記低屈折板の表面部を選択的に除去して複数の凹凸部を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記凹凸の配置される間隔が、0.5μm〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記各凹凸部の表面形状が、それぞれ凹面または凸面であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記凹面または凸面が、半球面であることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記各凹凸部の表面形状が、それぞれ複数の平面で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記各凹凸部の形状が、互いに不規則であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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