JP5400408B2 - アノードホルダ用通電部材およびアノードホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、アノードホルダ用通電部材およびアノードホルダに係り、特に半導体ウエハ等の基板の表面にめっき処理を行う際にアノードに給電するためのアノードホルダ用通電部材およびアノードを保持するためのアノードホルダに関するものである。本発明において、基板にめっきを行うめっき装置は、半導体基板の表面に形成されたバンプを形成するバンプめっき装置、また例えば基板の内部に設けた、直径10〜20μm、深さ70〜150μm程度の、アスペクト比が高く、深さの深いビアホールへのめっきを行うめっき装置を含むものである。
近年、半導体回路の配線やバンプ形成方法において、めっき処理を行って半導体ウエハ等の基板上に金属膜や有機質膜を形成する方法が用いられるようになってきている。例えば、半導体回路やそれらを接続する微細配線が形成された半導体ウエハの表面の所定個所に、金、銀、銅、はんだ、ニッケル、あるいはこれらを多層に積層した配線やバンプ(突起状接続電極)を形成し、このバンプを介してパッケージ基板の電極やTAB(Tape Automated Bonding)電極に接続させることが広く行われている。この配線やバンプの形成方法としては、電気めっき法、無電解めっき法、蒸着法、印刷法といった種々の方法があるが、半導体チップのI/O数の増加、狭ピッチ化に伴い、微細化に対応可能で膜付け速度の速い電気めっき法(例えば特許文献1)が多く用いられるようになってきている。現在最も多用されている電気めっきによって得られる金属膜は、高純度で、膜形成速度が速く、膜厚制御方法が簡単であるという特長がある。
図26は、基板とアノードを垂直に配置したいわゆる縦型浸漬式のめっき装置の従来例を示す概略図である。図26に示すように、このめっき装置は、内部にめっき液Qを保有するめっき槽101内に、アノードホルダ102に保持したアノード103と、基板ホルダ104に保持した基板Wとを両者の面が平行になるように対向して設置し、めっき電源105によってアノード103と基板W間に通電することで基板ホルダ104から露出している基板Wの被めっき面W1に電気めっきを行うように構成されている。なお、めっき槽101には、めっき液供給口107からめっき槽101内に供給しためっき液Qをめっき液排出口108から排出して循環させるめっき液循環手段106が設けられている。
図26に示すように、縦型浸漬式のめっき装置は、板状のアノードをアノードホルダ(保持具)に保持して基板と対向させてめっきを行うものである。アノードとしては、板状のアノードを用いるものでなく、アノードボールをかごに入れたようなものを用いることも考えられるが、板状のアノードをアノードホルダに固定して用いることによって以下のような利点がある。
1)アノードホルダに遮蔽板を取り付けることによって、アノードの開口径を調節することができ、面内均一性を制御することが容易にできる(例えば特許文献2)。
2)アノードが板状であるため基板との平行を容易に保つことができ、面内均一性を上げることができる。
上述したように縦型浸漬式のめっき装置においてアノードホルダを用いてめっきを行うことには利点があるが、今日、配線の微細化やスループットの向上等の要求が更に高まり、以下に列挙するような機能が求められるようになってきた。
1)基板上に形成される配線の微細化によって、アノードへの通電の確実性が求められるようになった。
2)基板の大型化に伴いアノードも大型化するため、手動によってアノードを交換することはその重量から困難であり、新たな治具を必要とするなどの対応が必要となってきた。
3)アノード交換における作業時間の効率化が求められるようになってきた。
そこで、本件出願人は、先に、特願2007−213521号(平成19年8月20日出願)において、アノードへ確実に通電することができ、アノードの交換を容易に行うことができ、アノード交換における作業時間の効率化を図ることができるアノードホルダ用通電ベルトおよびアノードホルダを提案した。
図27乃至図29は、特願2007―213521号において提案されたアノードホルダ用通電ベルトおよびアノードホルダを示す図である。
図27は、アノードを保持したアノードホルダ用通電ベルトの正面図である。図27に示すように、アノードホルダ用通電ベルト111は、導電性材料からなる帯状の薄板を円形にし、円板状のアノード115を内側に嵌め、ベルトの両端部111a,111bをボルト116およびナット117によって締め付けてアノード115を固定する構造になっている。通電ベルト111の一方の端部111aには、ボルト118およびナット119により導電性ブラケット112が固定されており、導電性ブラケット112の先端部に接点部113が設けられている。
図28は、図27に示すアノード115および通電ベルト111を保持するアノードホルダの全体構成を示す部分断面正面図である。図29は図28のXXIX―XXIX線断面図である。
図29に示すように、アノードホルダ120は、通電ベルト111に保持されたアノード115を取り付けるためのアノードホルダベース121と、アノードホルダベース121の背面側に取り付けられアノード115の裏面側を押さえるための裏面カバー122と、アノードホルダベース121の前面側に取り付けられアノード115の前面側の一部を覆うためのアノードマスク123とから構成されている。
図28に示すように、アノードホルダベース121は略矩形状の薄板から構成され、その中央部に通電ベルト111に保持されたアノード115を収容するための円形状の収容孔121aを有している。またアノードホルダベース121の上端には、消耗したアノードを交換する際にロボットで搬送可能とするための略T字状の一対のハンド121b,121bが形成されている。通電ベルト111に接続された導電性ブラケット112の先端部の接点部113は、ハンド121bの下部により保持されている。
特開2000−96292号公報 特開2005−29863号公報
本件出願人は、図27乃至図29に示す通電ベルトおよびアノードホルダを用いてめっき装置の連続運転を行ってきたが、図27乃至図29に示す通電ベルトおよびアノードホルダには以下のような問題点があることが判明した。
1)図27に示す略円形状の通電ベルト111では、導電性ブラケット112に近い位置LAと、位置LAと反対側にある位置LBでは、通電ベルトの電気抵抗の影響のため位置LAに近いアノード部分のほうが位置LBに近いアノード部分より多くの電流が流れ、より早く消耗する恐れがある。これにより、基板に供給する電流密度にばらつきが生じ、面内均一性が悪化するという問題点がある。
2)図30(図29の部分拡大図)に示すように、アノード115の外周部とアノードマスク123との間の隙間から少しずつ溶解が進み、アノードが局所的に不均一に溶解して電流密度の分布が乱れる恐れがある。
3)アノード115の幅(厚み)よりも通電ベルト111の幅を短くした場合には、アノードホルダの凹部の底とアノードマスクでアノードを挟持することができなくなり、アノードがぐらつき、アノードと基板の極間距離が変動する問題点がある。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、アノードの全体に均一に通電することができ、アノードを均一に溶解させることができ、アノードを安定して保持することができるアノードホルダ用通電部材およびアノードホルダを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明のアノードホルダ用通電部材は、めっき槽内に基板とアノードを対向させて配置するめっき装置に用いられ、アノードに給電するためのアノードホルダ用通電部材において、アノードの裏面の外周側の面に接触可能な円環状の導電性材料からなる接触部材と、前記接触部材とめっき装置の給電部とを接続する導電性材料からなる接続部材とを備え、前記接続部材は、前記接触部材の外周縁から延びていることを特徴とする。
ウエハの直径が大きくなって、例えば、ウエハの直径が300mmから450mmになった場合に、それに合わせてアノードの直径も大きくなる。それに伴い、アノードホルダ用通電部材の直径も大きくなり、重量も増加する。
本発明によれば、アノードの裏面に接触する接触部材が円板状でなく円環状になっているため、軽量化することができるとともに、接触部材が円環状で断面積が大きく電気抵抗が小さいため、接触部材からアノードの全面に均一に通電することができる。したがって、アノードから基板に均一に電流が流れ、基板に供給する電流密度にばらつきが生ずることがない。
本発明の一態様によれば、前記接続部材の一端に、めっき装置の給電部と接触可能な接点部を形成したことを特徴とする。
本発明のアノードホルダの第1の態様は、前記アノードと請求項1又は2記載のアノードホルダ用通電部材とを収容するための円形状の収容孔を有するアノードホルダベースと、該アノードホルダベースの前面側に取り付けられ前記アノードの一部を覆うアノードマスクとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、アノードと、円板状又は円環状の接触部材を有したアノードホルダ用通電部材とをアノードホルダベースの収容孔に収容した後に、アノードマスクをアノードホルダベースに取り付けることにより、アノードをアノードホルダベースに固定することができる。
本発明の一態様によれば、前記アノードホルダベースの前記収容孔に収容されるとともに、前記アノードホルダ用通電部材を前記アノードに押し付けるための押付部材を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、押付部材によりアノードホルダ用通電部材をアノードに押し付けることができるため、アノードをアノードマスクに押し付けることができる。したがって、アノードが消耗して体積が減少しても、アノードをアノードマスクとアノードホルダ用通電部材とにより狭持できるため、アノードを固定することができる。そして、アノードとアノードマスクとの間の隙間がなくなり、アノードの局所的な溶解を防ぐことができる。
本発明のアノードホルダの第2の態様は、めっき槽内に基板とアノードを対向させて配置するめっき装置に用いられ、アノードに給電するためのアノードホルダにおいて、アノードの裏面の略全面に接触可能な円板状の導電性材料からなる接触部材と、前記接触部材を前記アノードに押し付けるための押付部材と、前記アノードと前記接触部材と前記押付部材とを収容するアノードホルダベースとを有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記押付部材は、弾性部材からなることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記アノードと前記接触部材は、ねじ止めにより前記アノードホルダベースに固定することを特徴とする。
ウエハの直径が大きくなって、例えば、ウエハの直径が300mmから450mmになった場合に、それに合わせてアノードの直径も大きくなり、アノードの重量も増加することになる。そのため、アノードの持ち運びが大変になるので、アノードを従来のものより薄くすることが必要となり、薄くて大きいアノードを保持するには、通電ベルトを用いるアノードホルダでは困難である。
本発明によれば、アノードとアノードホルダ用通電部材とをねじ止めによりアノードホルダベースに固定するため、アノードが薄い場合でもアノードをアノードホルダ用通電部材の全面に確実に接触させることができる。
本発明の一態様によれば、前記アノードマスクは円形状の開口を有し、前記円形状の開口の内径は前記アノードの外径より小さいことを特徴とする。
本発明によれば、アノードマスクの開口径を調整することにより、アノードの表面の電場を制御することができる。
本発明の一態様によれば、前記アノードマスクは、基板側に向かって延びる円筒部を有することを特徴とする。
本発明によれば、アノードから基板に向かう電場が半径方向外側に拡がることを抑えることができ、アノードから基板に均一に電流が流れ、基板に供給する電流密度にばらつきが生ずることがない。
本発明の一態様によれば、前記アノードマスクは、めっき液を抜くための液抜き穴を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記アノードマスクの前面に、アノードスラッジが透過しないフィルタ、またはめっき液中の高分子が透過せずイオンが透過する膜を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、機能膜によってめっき液中の高分子が透過しないため、アノード電解および溶解に伴う高分子添付剤の消耗を抑制することができる。
本発明の一態様によれば、前記アノードホルダベースの上部に、搬送用のハンドを有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記アノードホルダベースの下部に、めっき液を抜くための液抜き穴を有することを特徴とする。
本発明のめっき処理装置は、請求項乃至13のいずれか1項に記載のアノードホルダと基板を保持した基板ホルダとを対向させて縦型に配置するめっき槽と、前記アノードホルダを交換するための仮置き場と、前記めっき槽と前記仮置き場との間で前記アノードホルダを搬送する搬送ロボットとを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記アノードホルダを水洗する水洗槽を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記アノードホルダから水滴を除去するブロー槽を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
1)円板状の接触部材の前面はアノードの裏面の略全面に接触し、接触部材に通電するための接続部材は円板状の接触部材の中心部から延びているため、接続部材から接触部材の全面に均一に通電できる。したがって、接触部材からアノードの全面に均一に通電でき、アノードから基板に均一に電流が流れ、基板に供給する電流密度にばらつきが生ずることがない。
2)アノードの裏面に接触する接触部材が円板状でなく円環状になっているため、軽量化することができるとともに、接触部材が円環状で断面積が大きく電気抵抗が小さいため、接触部材からアノードの全面に均一に通電することができる。したがって、アノードから基板に均一に電流が流れ、基板に供給する電流密度にばらつきが生ずることがない。
3)押付部材によりアノードホルダ用通電部材をアノードに押し付けることができるため、アノードをアノードマスクに押し付けることができる。したがって、アノードが消耗して体積が減少しても、アノードをアノードマスクとアノードホルダ用通電部材とにより狭持できるため、アノードを固定することができる。そして、アノードとアノードマスクとの間の隙間がなくなり、アノードの局所的な溶解を防ぐことができる。
4)アノードとアノードホルダ用通電部材とをねじ止めによりアノードホルダベースに固定するため、アノードが薄い場合でもアノードをアノードホルダ用通電部材の全面に確実に接触させることができる。
5)アノードから基板に向かう電場が半径方向外側に拡がることを抑えることができ、アノードから基板に均一に電流が流れ、基板に供給する電流密度にばらつきが生ずることがない。
6)機能膜によってめっき液中の高分子が透過しないため、アノード電解および溶解に伴う高分子添付剤の消耗を抑制することができる。
図1はアノードホルダ用通電部材の正面図である。 図2はアノードホルダ用通電部材の側面図である。 図3は、アノードホルダ用通電部材とアノードとが接触している状態を示す模式的側面図である。 図4はアノードホルダの全体構成を示す部分断面正面図である。 図5は図4のV−V線断面図である。 図6は、押付部材が山形に張り出した複数の突起部材から構成されている例を示す図であり、図6(a)は接触部材および押付部材を示す断面図、図6(b)は接触部材および押付部材を示す斜視図である。 図7は、押付部材が複数の圧縮コイルスプリングから構成されている例を示す図である。 図8は、押付部材がバネ作用のある金属性の網から構成されている例を示す図である。 図9は、アノードホルダ用通電部材の正面図である。 図10は、アノードホルダ用通電部材の側面図である。 図11は、アノードホルダ用通電部材とアノードとが接触している状態を示す模式的側面図である。 図12はアノードホルダの全体構成を示す部分断面正面図である。 図13は図12のXIII−XIII線断面図である。 図14は、図9に示すアノードホルダ用通電部材の変形例を示す正面図である。 図15は、アノードマスクの変形例を示す図であり、アノードマスクをアノードホルダに取り付けた状態を示す部分断面図である。 図16は、図15のXVI矢視図である。 図17は、アノードの全面に機能膜を設ける例を示す図であり、機能膜をアノードマスクの前面に取り付けた状態を示す部分断面図である。 図18は、アノードホルダをめっき液に浸漬した状態を示す図である。 図19は、図1乃至図5に示す通電部材とアノードホルダとを用いるめっき処理装置の全体配置の一例を示す概略平面図である。 図20は搬送装置のリニアモータ部を示す図である。 図21は図20の正面図である。 図22はトランスポータの正面図である。 図23はアーム部に備えられた把持機構の平面図である。 図24はアーム部に備えられた把持機構の縦断正面図である。 図25は、めっき装置の他の実施形態を示す概略図である。 図26は基板とアノードを垂直に配置したいわゆる縦型浸漬式のめっき装置の従来例を示す概略図である。 図27は、アノードを保持したアノードホルダ用通電ベルトの正面図である。 図28は、図27に示すアノードおよび通電ベルトを保持するアノードホルダの全体構成を示す部分断面正面図である。 図29は図28のXXIX―XXIX線断面図である。 図30は、図29の部分拡大図である。
以下、本発明に係るアノードホルダ用通電部材およびアノードホルダの実施の形態を図面を参照して説明する。本発明のアノードホルダ用通電部材およびアノードホルダは、図26に示すような縦型浸漬式のめっき装置に適用されるものであり、以下の実施形態においては、めっき槽を備えためっき装置の構成についての説明は省略する。
図1および図2は、本発明に係るアノードホルダ用通電部材を示す図である。図1はアノードホルダ用通電部材の正面図であり、図2はアノードホルダ用通電部材の側面図である。
図1および図2に示すように、アノードホルダ用通電部材1は、アノードの裏面に接触する円板状の接触部材2と、接触部材2の裏面から延びる棒状の部材から構成されめっき槽の給電用の接点部(図示せず)に接続するための接続部材3とからなっている。接触部材2および接続部材3は、例えばチタン等の導電性材料から構成されている。接続部材3の一端は円板状の接触部材2の中心部に固定されている。また接続部材3の他端には接点部4が設けられており、接点部4は前記めっき槽の給電用の接点部と接触可能になっている。
図3は、アノードホルダ用通電部材1とアノード5とが接触している状態を示す模式的側面図である。図3に示すように、円板状の接触部材2の前面は、アノード5の裏面の略全面に接触するようになっている。また、接触部材2に通電するための接続部材3は、円板状の接触部材2の中心部に固定されており、接触部材2の全面に均一に通電できるようになっている。したがって、アノード5から基板(図示せず)に均一に電流が流れ、基板に供給する電流密度にばらつきが生ずることがない。
次に、図1乃至図3に示すアノード5と通電部材1とを保持するアノードホルダ10について図4および図5を参照して説明する。図4はアノードホルダの全体構成を示す部分断面正面図であり、図5は図4のV−V線断面図である。
図4および図5に示すように、アノードホルダ10は、通電部材1およびアノード5を保持するためのアノードホルダベース11と、通電部材1の接触部材2の背面側に設けられ接触部材2の裏面側を押圧して接触部材2をアノード5に押し付けるための押付部材12と、アノードホルダベース11の前面側に取り付けられアノード5の前面側の一部を覆うためのアノードマスク13とから構成されている。
アノードホルダベース11は、略矩形状の薄板から構成され、その中央部に通電部材1およびアノード5を収容するための円形状の収容孔11aを有している。またアノードホルダベース11の上端には、消耗したアノードを交換する際にロボットで搬送可能とするための略T字状の一対のハンド11b,11bが形成されている。接触部材2に接続された接続部材3の先端部の接点部4は、ハンド11bの下部により保持されている。さらに、アノードホルダベース11の下部には、アノード交換時、めっき槽より持ち上げたときにめっき液の液切れがよいようにめっき液抜き用の穴11hが形成されている。
一方、アノードホルダベース11に取り付けられるアノードマスク13は、中央部に開口13aを有する円環状の板状部品からなっている。アノードマスク13の前記開口13aの内径はアノード5の外径より小さく、アノードマスク13はアノード5の外周部を覆う(マスクする)ようになっている。このアノードマスク13の開口径によってアノード5の表面の電場を制御することができるようになっている。アノードマスク13は、例えば、塩化ビニール、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)材料から形成されている。
上述したように、アノードホルダベース11の円形状の収容孔11aの底部と通電部材1の接触部材2との間には、接触部材2をアノード5に押し付けてアノード5の外周部をアノードマスク13に押し付けるための押付部材12が設けられている。図5に示す例においては、押付部材12は、円板状のゴム等の弾性部材からなっている。なお、押付部材12は、コイルスプリング、バネ作用のある網等の弾性変形が可能な弾性部材から構成してもよい。押付部材12を設けることにより、接触部材2をアノード5に押し付けてアノード5をアノードマスク13に押し付けることができるため、アノード5とアノードマスク13との間の隙間がなくなり、アノード5の局所的な溶解を防ぐことができる。また、アノード5が消耗して体積が減少しても、アノード5を接触部材2とアノードマスク13とにより狭持できるため、アノード5を固定することができる。
図6乃至図9は、押付部材12の種々の例を示す図である。
図6は、押付部材12が山形に張り出した複数の突起部材12aから構成されている例を示す図である。図6(a)は接触部材2および押付部材12を示す断面図であり、図6(b)は接触部材2および押付部材12を示す斜視図である。図6(a)および図6(b)に示すように、押付部材12は、山形に張り出した複数の突起部材12aから構成されている。複数の突起部材12aは、弾性変形して所定の反発力を接触部材2に付与することが可能な弾性部材を構成している。図6(a)および図6(b)においては、複数の突起部材12aが接触部材2に固定されている例を示したが、これらの突起部材12aは、接触部材2とは別部材からなる金属性の円板状の薄板にプレス加工等を施すことにより形成してもよい。
図7は、押付部材12が複数の圧縮コイルスプリング12bから構成されている例を示す図である。図7に示す例においては、複数のコイルスプリング12bがアノードホルダベース11の収容孔11aの底部と接触部材2との間に介装される。複数の圧縮コイルスプリング12bは、弾性変形して所定の反発力を接触部材2に付与することが可能な弾性部材を構成している。
図8は、押付部材12がバネ作用のある金属性の網12cから構成されている例を示す図である。図8に示す例においては、バネ作用のある金属性の網12cがアノードホルダベース11の収容孔11aの底部と接触部材2との間に介装される。金属製の網12cは、弾性変形して所定の反発力を接触部材2に付与することが可能な弾性部材を構成している。
図9および図10は、本発明に係るアノードホルダ用通電部材の第2の態様を示す図である。図9はアノードホルダ用通電部材の正面図であり、図10はアノードホルダ用通電部材の側面図である。
図9および図10に示すように、アノードホルダ用通電部材21は、アノードの裏面に接触する円環状の接触部材22と、接触部材22の外周部から延びる棒状の部材から構成されめっき槽の給電用の接点(図示せず)に接続するための接続部材23とからなっている。接触部材22および接続部材23は、例えば、チタン等の導電性材料から構成されている。アノードの裏面に接触する接触部材22が円板状でなく円環状になっているため、軽量化することができる。接続部材23の一端は円環状の接触部材22の外周部に固定されている。また接続部材23の他端には接点部24が設けられており、接点部24は前記めっき槽の給電用の接点部と接触可能になっている。接触部材22には、アノードを固定するネジを挿通するための複数の貫通孔22hが所定間隔をおいて設けられている。
図11は、アノードホルダ用通電部材21とアノード5とが接触している状態を示す模式的側面図である。図11に示すように、円環状の接触部材22の前面は、アノード5の裏面の外周部全周に接触するようになっている。接触部材22は、円環状部の断面積が比較的大きく設定されており、電気抵抗が小さいため、接触部材22の全周に亘って均一に通電できるようになっている。また、接触部材22に通電するための接続部材23は、接触部材22の外周部に接続されており、この接続部も比較的大きな断面積を有して電気抵抗が小さくなるように設定されている。電流は、接続部材23を介して接触部材22の全周に均一に流れ、更に接触部材22からアノード5の外周部の全周に均一に流れる。その結果、アノード5から基板(図示せず)に均一に電流が流れ、基板に供給する電流密度にばらつきが生ずることがない。
次に、図9乃至図11に示すアノード5と通電部材21とを保持するアノードホルダ30について図12および図13を参照して説明する。
図12はアノードホルダの全体構成を示す部分断面正面図であり、図13は図12のXIII−XIII線断面図である。
図12および図13に示すように、アノードホルダ30は、通電部材21およびアノード5を保持するためのアノードホルダベース31と、アノードホルダベース31の前面側に取り付けられアノード5の前面側の一部を覆うためのアノードマスク33とから構成されている。アノード5および通電部材21は、複数のネジ34によってアノードホルダベース31に固定されている。ネジ34はアノードマスク33の裏側に隠れるような位置に配置されている。本実施形態によれば、アノード5とアノードホルダ用通電部材21とをネジ34によりアノードホルダベース31に固定するため、薄いアノード5をアノードホルダ用通電部材21の全面に接触させることができる。
アノードホルダベース31は、略矩形状の薄板から構成され、その中央部に通電部材21およびアノード5を収容するための円形状の収容孔31aを有している。またアノードホルダベース31の上端には、消耗したアノードを交換する際にロボットで搬送可能とするための略T字状の一対のハンド31b,31bが形成されている。接触部材22に接続された接続部材23の先端部の接点部24は、ハンド31bの下部により保持されている。さらに、アノードホルダベース31の下部には、アノード交換時、めっき槽より持ち上げたときにめっき液の液切れがよいようにめっき液抜き用の穴31hが形成されている。
アノードホルダベース31に取り付けられるアノードマスク33は、図4および図5に示すアノードマスク13と同様の構成になっており、アノードマスク33の開口径によってアノード5の表面の電場を制御することができるようになっている。
図14は、図9に示すアノードホルダ用通電部材21の変形例を示す正面図である。図9に示すアノードホルダ用通電部材21においては、接触部材22を円環状に形成したが、図14に示すアノードホルダ用通電部材21Aにおいては接触部材22Aは円板状に形成されている。接触部材22Aには、アノードを固定するネジを挿通するための複数の貫通孔22Ahが互いに間隔をおいて設けられている。本実施形態によれば、アノード5とアノードホルダ用通電部材21Aとをネジ止めによりアノードホルダベース31に固定するため、アノード5が薄い場合でも、アノード5をアノードホルダ用通電部材21Aの全面に確実に接触させることができる。図14に示すアノードホルダ用通電部材21Aのその他の構成は、図9に示すアノードホルダ用通電部材21と同様である。
図15および図16は、アノードマスクの変形例を示す図である。図15は、アノードマスクをアノードホルダに取り付けた状態を示す部分断面図であり、図16は図15のXVI矢視図である。
図4および図5に示す例および図12および図13に示す例においては、アノードマスクは円環状の扁平な部材から構成されているが、図15および図16に示す例においては、アノードマスクは筒状の部材から構成されている。すなわち、アノードマスク43は、扁平な円環状部43aと、円環状部43aの内周側から軸心に沿って延びる円筒状部43bとから構成されている。アノードホルダ用通電部材1、アノード5およびアノードホルダ10は、図1乃至図5に示す実施形態のものと同様の構成になっている。
図15および図16に示すアノードマスク43においては、円筒状部43bの長さ(L)は、200mmの直径のウエハでは10〜60mm、好ましくは30〜50mm、更に好ましくは30〜40mmに設定されており、300mmの直径のウエハでは10〜70mm、好ましくは20〜60mm、更に好ましくは30〜50mmに設定されている。このように、アノードマスク43は、所定の長さを有した円筒状部43bを備えているため、アノード5から基板に向かう電場が半径方向外側に拡がることを抑えることができる。
筒状のアノードマスクの場合、アノードマスクをめっき槽より引き上げるときに、めっき液やアノードスラッジが筒状部に残る恐れがあるので、図15および図16に示すアノードマスク43においては、扇形の開口からなる液排出部43hが複数個(図16に示す例においては4個)設けられている。液排出部43hは、円環状部43aの内周側から外周側に貫通するように設けられている。
図17は、アノードの全面に機能膜を設ける例を示す図であり、機能膜をアノードマスクの前面に取り付けた状態を示す部分断面図である。図17に示すように、アノードマスク13の前面に機能膜50を設け、機能膜50を円環状の機能膜保持部材51により保持している。この場合、アノードマスク13と機能膜50と機能膜保持部材51は、ネジ止めあるいは熱圧着により固定される。機能膜50はアノードスラッジが透過しない目の細かいフィルタや、高分子を透過せずイオンのみ透過するイオン交換体から構成されている。本実施形態によれば、機能膜50によってめっき液中の高分子が透過しないため、アノード電解および溶解に伴う高分子添付剤の消耗を抑制することができる。高分子添加剤は、例えば、促進剤としてのS系含有高分子、平滑剤としてのN系含有高分子、抑制剤としてのポリエチレングリコール(PEG)等の3成分からなる。アノードホルダ用通電部材1、アノード5およびアノードホルダ10は、図1乃至図5に示す実施形態のものと同様の構成になっている。
図18は、アノードホルダ10をめっき液に浸漬した状態を示す図である。図18に示すように、アノードホルダ10は、略T字状の一対のハンド11b,11bがめっき液上面Lよりやや上方に位置するように配置される。アノードホルダ10の一方のハンド11bにより保持された接点部4は、めっき槽に設けられたホルダ15に固定された接点板16と接触することにより、給電されるようになっている。なお、接点板16は給電用配線17を介してめっき電源(図示せず)に接続されている。
図19は、図1乃至図5に示す通電部材1とアノードホルダ10とを用いるめっき処理装置の全体配置の一例を示す概略平面図である。
図19に示すように、めっき処理装置は、基板Wのロードおよびアンロードを行うロード・アンロードユニットU1と、基板のめっき、洗浄等の各種処理を行うめっき処理ユニットU2とから構成されている。ロード・アンロードユニットU1には、半導体ウエハ等の基板Wを収納したカセット127を搭載する3台のカセットテーブル125と、基板のオリフラやノッチなどの位置を所定の方向に合わせるアライナ124と、めっき処理後の基板を高速回転させて乾燥させるスピンドライヤ126が備えられている。更に、この後方向の位置には、基板ホルダ128を載置して基板Wの該基板ホルダ128への着脱を行う基板着脱部130が設けられている。そして、カセットテーブル125、アライナ124、スピンドライヤ126および基板着脱部130の中心位置には、これら装置間で基板Wを搬送する搬送ロボット132が配置されている。
めっき処理ユニットU2は、基板着脱部130側から順に、基板ホルダ128の保管及び一時仮置きを行うストッカ134、基板を純水に浸漬させて濡らすことで表面の親水性を良くするプリウェット槽136、基板の表面に形成したシード層表面の電気抵抗の大きい酸化膜を硫酸や塩酸などの薬液でエッチング除去するプリソーク槽138、基板の表面およびアノードホルダ10を純水で水洗する水洗槽140、洗浄後の基板およびアノードホルダ10の水切りを行うブロー槽142、水洗槽140、めっき槽144が順に配置されて構成されている。めっき槽144は、内部にめっき、例えば、銅めっきを施すようになっている。なお、銅めっきを例に挙げたが、ニッケルやはんだ、更には金めっきにおいても同様である。
さらに、上述した各機器の側方に位置して、これらの各機器の間で基板ホルダ128を基板Wとともに搬送する搬送装置150が配置されている。この搬送装置150は、基板着脱部130とストッカ134との間で基板を搬送するとともに、ストッカ134、プリウェット槽136、プリソーク槽138、水洗槽140、ブロー槽142及びめっき槽144との間で基板Wを搬送するトランスポータ152を備えている。このトランスポータ152は、仮置き場170,170(後述する)、プリウェット槽136、プリソーク槽138、水洗槽140、ブロー槽142及びめっき槽144との間でアノードホルダ10を搬送する役割も果たすようになっている。
前記基板着脱部130は、回転軸145を中心に垂直位置、水平位置へ90°可動する平板状の載置プレート146を備えており、この載置プレート146に2個の基板ホルダ128を水平状態で並列に載置し、一方の基板ホルダ128と搬送ロボット132との間で基板Wの受渡しを行った後、載置プレート146を垂直方向に回転させて、トランスポータ152と基板ホルダ128の受け渡しを行うようになっている。
また、水洗槽140とブロー槽142との間には、アノードホルダ10の交換及び一時仮置きを行う仮置き場170が配置されている。なお、図19に示す例においては、仮置き場170を水洗槽140とブロー槽142との間に設置した場合を説明したが、仮置き場170はストッカ134とめっき槽144との間にある二つの機器間であれば、どの位置に配置してもよい。また、図19において、仮想線で示すように、仮置き場170をめっき槽144とハウジング147との間に配置してもよい。
一方、アノードホルダ10の上部には、上述したように、アノードホルダ10を搬送したり、吊下げ支持する際の支持部となる一対の略T字状のハンド11bが設けられている(図4、図18参照)。そして、仮置き場170内においては、仮置き場170の周壁上面にハンド11bを引っかけることで、アノードホルダ10を垂直に吊下げ保持できる。また吊下げ保持したアノードホルダ10のハンド11bを搬送装置150のトランスポータ152で把持してアノードホルダ10を搬送するようになっている。なお、プリウェット槽136、プリソーク槽138、水洗槽140、ブロー槽142及びめっき槽144内においても、アノードホルダ10は、ハンド11bを介してそれら機器の周壁に吊下げ保持される。
図20及び図21は、搬送装置150の走行部であるリニアモータ部185を示す図であり、図20は搬送装置のリニアモータ部を示す図であり、図21は図20の正面図である。図20および図21に示すように、リニアモータ部185は、長尺状に延びるベース186と、このベース186に沿って走行するスライダ187とから主に構成され、このスライダ187の上面にトランスポータ152が搭載されている。また、ベース186の側部には、ケーブルベアブラケット189とケーブルベア受け190が設けられ、このケーブルベアブラケット189とケーブルベア受け190に沿ってケーブルベア192が延びるようになっている。
図20及び図21に示すように、トランスポータ152の移動方式としてリニアモータ方式を採用することで、長距離移動を可能にするとともに、トランスポータ152の長さを短く抑えて装置の全長をより短くし、更に長いボールネジなどの精度とメンテナンスを要する部品を削減することができる。
図22乃至図24は、トランスポータ152を示す図である。図22はトランスポータの正面図であり、図23はアーム部に備えられた把持機構の平面図であり、図24はアーム部に備えられた把持機構の縦断正面図である。トランスポータ152は基板ホルダ128を搬送するとともにアノードホルダ10を搬送する搬送ロボットであるが、以下の説明においてはアノードホルダ10を搬送する場合を説明する。図22に示すように、トランスポータ152は、トランスポータ本体153と、このトランスポータ本体153から横方向に突出するアーム部154と、アーム部154を昇降させるアーム部昇降機構155と、アーム部154の内部に設けられてアノードホルダ10のハンド11bを着脱自在に把持する把持機構157とから主に構成されている。アーム部昇降機構155は、鉛直方向に延びる回転自在なボールねじ158と、このボールねじ158に螺合するナット159とを有し、このナット159にLMベース160が連結されている。そして、トランスポータ本体153に固定した昇降用モータ161の駆動軸に固着した駆動プーリ162とボールねじ158の上端に固着した従動プーリ163との間にタイミングベルト164が掛け渡されている。これによって、昇降用モータ161の駆動に伴ってボールねじ158が回転し、このボールねじ158に螺合するナット159に連結したLMベース160がLMガイドに沿って上下に昇降するようになっている。
アーム部154は、図23及び図24に示すように、側板174,174を備え、この側板174,174間に把持機構157が配置されている。なお、この例では、2つの把持機構157が備えられているが、これらは同じ構成であるので、一方のみを説明する。
把持機構157は、端部を側板174,174間に幅方向自在に収納した固定ホルダ175と、この固定ホルダ175の内部を挿通させたガイドシャフト176と、このガイドシャフト176の一端(図24における下端)に連結された可動ホルダ177とを有している。そして、固定ホルダ175は、一方の側板174に取付けた幅方向移動用シリンダ178にシリンダジョイント179を介して連結されている。一方、ガイドシャフト176の他端(図24における上端)には、シャフトホルダ182が取付けられ、このシャフトホルダ182は、上下移動用シリンダ180にシリンダコネクタ181を介して連結されている。
上述の構成により、幅方向移動用シリンダ178の作動に伴って、固定ホルダ175が可動ホルダ177と共に側板174,174間をその幅方向に移動し、上下移動用シリンダ180の作動に伴って、可動ホルダ177がガイドシャフト176にガイドされつつ上下に移動するようになっている。
前記把持機構157で仮置き場170等に吊下げ保持したアノードホルダ10のハンド11bを把持する時には、ハンド11bとの干渉を防止しつつ可動ホルダ177をこの下方まで下げ、しかる後、幅方向移動用シリンダ178を作動させて、固定ホルダ175と可動ホルダ177をハンド11bを上下から挟む位置に位置させる。この状態で、上下移動用シリンダ180を作動させて、アノードホルダ10のハンド11bを固定ホルダ175と可動ホルダ177で狭持して把持する。そして、この逆の動作を行わせることで、この把持を解く。
なお、図4および図18に示すように、アノードホルダ10のハンド11bの一方には、凹部11eが設けられ、図24に示すように、可動ホルダ177の該凹部11eに対応する位置には、この凹部11eに嵌合する突起177aが設けられて、この把持の位置決め、および設置方向の決定をすることができるように構成されている。
次に、図19乃至図24に示すように構成されためっき処理装置における処理手順を説明する。以下の説明においては、アノードの交換作業を中心として説明する。なお、基板Wのめっき処理について簡単に説明すると、ロード・アンロードユニットU1にて基板ホルダ128に基板Wを装着した後に、搬送装置150のトランスポータ152で基板ホルダ128を把持し、ストッカ134に吊り下げ保持(仮置き)する。次に、トランスポータ152によりストッカ134から基板ホルダ128を取り出し、基板ホルダ128を順次プリウェット槽136、プリソーク槽138、めっき槽144、水洗槽140等に搬送して、プリウェット、エッチング、めっき、めっき後の洗浄等の各種処理を行う。
上述のめっき処理を繰り返すと、アノード5が消耗するためにアノード5を交換する必要がある。次に、このアノード交換作業を説明する。
めっき槽144内に浸漬されるとともに消耗したアノード5を保持しているアノードホルダ10をトランスポータ152により持ち上げる。このとき、トランスポータ152の把持機構157でアノードホルダ10を把持し、アーム部昇降機構155を介してアーム部54を上昇させた後、アノードホルダ10を水洗槽140まで搬送する。しかる後、アーム部昇降機構155を介してアーム部154を下降させ、アノードホルダ10を水洗槽140内に入れて水洗する。そして、水洗されたアノードホルダ10を、前記と同様にして、トランスポータ152によってブロー槽142へ移し、アノードホルダ10から水滴を除去する。
次に、ブローされたアノードホルダ10をトランスポータ152によって仮置き場170まで搬送する。そして、装置内の仮置き場170よりアノードホルダ10を装置外に取り出し、作業台(図示せず)へ移動させる。この場合、仮置き場170からアノードホルダ10を装置横側に取り出すことができるが、図19の仮想線で示すように、仮置き場170をブロー槽142とハウジング147との間に配置した場合は、アノードホルダ10を装置後側に取り出すことができる。作業台において、アノードホルダ10からアノードマスク13を取り外し、消耗したアノード5を取り出して新しいアノード5と交換する。
次に、取り外したアノードマスク13をアノードホルダベース11に固定して、新しいアノード5のアノードホルダ10への装着が完了する。そして、新しいアノード5を装着したアノードホルダ10を装置内の仮置き場170に戻し、トランスポータ152によってめっき槽144へ戻す。
図19乃至図24に示すように構成されためっき処理装置によれば、以下に列挙する作用効果を奏する。
1)全自動化されたトランスポータ(搬送ロボット)152にてアノードホルダ10を取り出すことができるため、アノードホルダ10の交換が容易となる。
2)装置からアノードホルダ10を取り出す際、トランスポータ(搬送ロボット)152にてアノードホルダ10をめっき槽144より取り出し、付着しためっき液を落とすために水洗槽(ウエハ水洗と兼用)140にてアノードホルダ10を水洗し、ブロー槽(ウエハブローと兼用)142にて乾燥させ、仮置き場170(アノードホルダ交換エリア)よりアノードホルダ10を取り出すことができるため、アノードホルダ10の取り出し時に作業員がめっき液に触れることが少なくなり安全性が向上する。
3)容易にアノードホルダ10が取り出せる為、アノードマスク13の交換が容易となる。
4)トランスポータ(搬送ロボット)152はその位置決め精度が高く、位置の微調整が容易であるので、アノードホルダ10の設置位置再現性が向上し、基板Wとアノード5の極間距離を容易に変更可能となる。
これまでは、基板を縦にしてめっき槽内に保持する縦型のめっき装置において説明したが、本発明は他のめっき装置、例えばカップ式のめっき装置においても適用できる。
図25は、めっき装置の他の実施形態を示す概略図である。図25に示すめっき装置は、基板を被処理面を下向きにして保持し、めっき槽に保持しためっき液に接液するカップ式と呼ばれるめっき装置である。図25に示すように、このめっき装置は、内部にめっき液Qを保持するめっき槽201内に、アノードホルダ60に保持したアノード5と、基板ホルダ204に保持した基板Wとを両者の面が平行になるように対向して設置し、めっき電源205によってアノード5と基板W間に通電することで基板ホルダ204から露出している基板Wの被めっき面W1に電気めっきを行うように構成されている。なお、めっき槽201には、めっき液供給管207からめっき液Qが供給されるようになっている。アノード5は、アノード5の裏面のほぼ全面に接触可能な円板状の導電性材料からなる接触部材(通電部材)2と接触し、アノードホルダベース61の円形状の収容孔61a内に収容されている。また、接触部材2とアノードホルダベース61の収容孔61aの底部の間には、接触部材2をアノード5に押し付けるための押付部材12が設けられている。押付部材12は、図6(a)、図6(b)、図7、および図8に示したものを用いることができる。アノードホルダ60の上面には、アノードマスク13が固定されており、接触部材2により押されたアノード5は外周部においてアノードマスク13に接触して固定される。本実施形態においては、接触部材(通電部材)2への給電は、接触部材2の外周端部を通じて行っている。接触部材2が充分な導電性と厚みを有していれば、接触部材2を通じてアノード5に対して均一な給電を行うことができる。また、本実施形態においては、アノード5、接触部材2、押付部材12、アノードホルダベース61の中央をめっき液供給管207が貫通しており、めっき液がめっき槽201の外部からめっき槽内部へ供給される。ただし、めっき液の供給経路は、アノードホルダ60を貫通せず、他の経路を通って供給されても良い。
1 アノードホルダ用通電部材
1c ボルト挿通孔
2 接触部材
3 接続部材
4 接点部
5 アノード
10 アノードホルダ
11 アノードホルダベース
11a 収容孔
11b ハンド
11e 凹部
11h めっき液抜き用の穴
12 押付部材
12a 突起部材
12b 圧縮コイルスプリング
12c 金属製の網
13 アノードマスク
13a 開口
15 ホルダ
16 接点板
17 給電用配線
21,21A アノードホルダ用通電部材
22,22A 接触部材
23 接続部材
24 接点部
22h,22Ah 貫通孔
30 アノードホルダ
31 アノードホルダベース
31a 収容孔
31h めっき液抜き用の穴
33 アノードマスク
34 ネジ
43 アノードマスク
43a 円環状部
43b 円筒状部
43h 液排出部
50 機能膜
51 機能膜保持部材
60 アノードホルダ
61 アノードホルダベース
61a 収容孔
101 めっき槽
102 アノードホルダ
103 アノード
104 基板ホルダ
105 めっき電源
106 めっき液循環手段
107 めっき液供給口
108 めっき液排出口
111 アノードホルダ用通電ベルト
111a,111b 端部
112 導電性ブラケット
113 接点部
115 アノード
118 ボルト
119 ダブルナット
120 アノードホルダ
121 アノードホルダベース
121a 収容孔
121b ハンド
122 裏面カバー
123 アノードマスク
124 アライナ
125 カセットテーブル
126 スピンドライヤ
127 カセット
128 基板ホルダ
130 基板着脱部
132 搬送ロボット
134 ストッカ
136 プリウェット槽
138 プリソーク槽
140 水洗槽
142 ブロー槽
144 めっき槽
145 回転軸
146 載置プレート
147 ハウジング
150 搬送装置
152 トランスポータ
153 トランスポータ本体
154 アーム部
155 アーム部昇降機構
157 把持機構
158 ボールねじ
159 ナット
160 LMベース
161 昇降用モータ
162 駆動プーリ
163 従動プーリ
164 タイミングベルト
170 仮置き場
174 側板
175 固定ホルダ
176 ガイドシャフト
177 可動ホルダ
177a 突起
178 幅方向移動用シリンダ
179 シリンダジョイント
180 上下移動用シリンダ
181 シリンダコネクタ
182 シャフトホルダ
185 リニアモータ部
186 ベース
187 スライダ
189 ケーブルベアブラケット
190 ケーブルベア受け
192 ケーブルベア
201 めっき槽
204 基板ホルダ
207 めっき液供給管
Q めっき液
W1 被めっき面
U1 ロード・アンロードユニット
U2 めっき処理ユニット

Claims (16)

  1. めっき槽内に基板とアノードを対向させて配置するめっき装置に用いられ、アノードに給電するためのアノードホルダ用通電部材において、
    アノードの裏面の外周側の面に接触可能な円環状の導電性材料からなる接触部材と、
    前記接触部材とめっき装置の給電部とを接続する導電性材料からなる接続部材とを備え、
    前記接続部材は、前記接触部材の外周縁から延びていることを特徴とするアノードホルダ用通電部材。
  2. 前記接続部材の一端に、めっき装置の給電部と接触可能な接点部を形成したことを特徴とする請求項記載のアノードホルダ用通電部材。
  3. 前記アノードと請求項1又は2記載のアノードホルダ用通電部材とを収容するための円形状の収容孔を有するアノードホルダベースと、
    該アノードホルダベースの前面側に取り付けられ前記アノードの一部を覆うアノードマスクとを備えたことを特徴とするアノードホルダ。
  4. 前記アノードホルダベースの前記収容孔に収容されるとともに、前記アノードホルダ用通電部材を前記アノードに押し付けるための押付部材を備えたことを特徴とする請求項記載のアノードホルダ。
  5. めっき槽内に基板とアノードを対向させて配置するめっき装置に用いられ、アノードに給電するためのアノードホルダにおいて、
    アノードの裏面の略全面に接触可能な円板状の導電性材料からなる接触部材と、
    前記接触部材を前記アノードに押し付けるための押付部材と、
    前記アノードと前記接触部材と前記押付部材とを収容するアノードホルダベースとを有することを特徴とするアノードホルダ。
  6. 前記押付部材は、弾性部材からなることを特徴とする請求項又は記載のアノードホルダ。
  7. 前記アノードと前記接触部材は、ねじ止めにより前記アノードホルダベースに固定することを特徴とする請求項又は記載のアノードホルダ。
  8. 前記アノードマスクは円形状の開口を有し、前記円形状の開口の内径は前記アノードの外径より小さいことを特徴とする請求項3又は4記載のアノードホルダ。
  9. 前記アノードマスクは、基板側に向かって延びる円筒部を有することを特徴とする請求項記載のアノードホルダ。
  10. 前記アノードマスクは、めっき液を抜くための液抜き穴を有することを特徴とする請求項又はに記載のアノードホルダ。
  11. 前記アノードマスクの前面に、アノードスラッジが透過しないフィルタ、またはめっき液中の高分子が透過せずイオンが透過する膜を設けたことを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載のアノードホルダ。
  12. 前記アノードホルダベースの上部に、搬送用のハンドを有することを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載のアノードホルダ。
  13. 前記アノードホルダベースの下部に、めっき液を抜くための液抜き穴を有することを特徴とする請求項乃至12のいずれか1項に記載のアノードホルダ。
  14. 請求項乃至13のいずれか1項に記載のアノードホルダと基板を保持した基板ホルダとを対向させて縦型に配置するめっき槽と、
    前記アノードホルダを交換するための仮置き場と、
    前記めっき槽と前記仮置き場との間で前記アノードホルダを搬送する搬送ロボットとを備えたことを特徴とするめっき処理装置。
  15. 前記アノードホルダを水洗する水洗槽を備えたことを特徴とする請求項14記載のめっき処理装置。
  16. 前記アノードホルダから水滴を除去するブロー槽を備えたことを特徴とする請求項15記載のめっき処理装置。
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