JP5400190B2 - 位置決め精度の設定方法、位置決め精度設定装置および位置決め精度の設定プログラム - Google Patents

位置決め精度の設定方法、位置決め精度設定装置および位置決め精度の設定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ワークに対して機械加工を行う工作機械において、加工対象であるワークを保持するテーブルとワークを加工する加工ヘッドとの相対的な位置関係を変化させる送り機構の位置決め精度の設定方法、位置決め精度設定装置、位置決め精度の設定プログラムに関する。
従来から、被加工対象物であるワークを保持するテーブルと機械加工を行う加工ヘッドとを数値制御によって相対変位させながらワークに機械加工を行う工作機械が知られている。このような工作機械においては、テーブルと加工ヘッドとを相対変位させる送り機構に位置決め誤差が不可避的に生じる。このため、工作機械メーカは、工作機械を製造する過程において送り機構の作動を制御する制御装置内に送り機構の位置決め誤差を解消するための補正値を予め設定している。この場合、近年においては、客先が要求する位置決め精度以上の高い位置決め精度とならないように位置決め精度の補正値を調整して工作機械を製造することが行われている。
例えば、下記特許文献1,2には、送り機構によるテーブルや加工ヘッドの送り範囲内に設定した複数の補正区間ごとに位置決め誤差を測定してこの位置決め誤差を解消する補正値を設定するとともに、これらの補正値に対して客先が要求する位置決め誤差と同値の調整値を加算することによって所望の位置決め精度以下の低い位置決め精度を維持するようにした位置決め精度の設定方法が開示されている。
特開2010−99753号公報 特開2010−26997号公報
しかしながら、上記各特許文献1,2に示された位置決め精度の設定方法においては、補正区間ごとの各補正値に対してそれぞれ一律の調整値を加算しているため、温度変化などの環境変化によって送り機構を構成する機械部品(例えば、ボールねじ)に伸縮が生じた場合、加算した調整値が相殺されて送り機構の位置決め精度が所望する位置決め精度以上の高い位置決め精度に変化してしまうことがあるという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、送り機構の伸縮変化に寄らず送り機構の位置決め精度を所望する位置決め精度以下の精度に良好に維持することができる位置決め精度の設定方法、位置決め精度設定装置および位置決め精度の設定プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、ワークを保持するテーブルおよびワークを加工する加工ヘッドのうちの少なくとも一方を変位対象物として他方に対して相対変位させる送り機構と、送り機構の作動を制御する制御手段とを備えた工作機械における送り機構の位置決め精度の設定方法において、送り機構による変位対象物の可動範囲における少なくとも3つの測定位置ごとに位置決め誤差をそれぞれ測定して同位置決め誤差を直接的または間接的に表す誤差値を取得する誤差値取得ステップと、少なくとも3つの測定位置のうちの両端の2つの測定位置よりも内側に存在する内側測定位置における誤差値と予め設定された所望誤差を直接的または間接的に表す所望誤差値との差を内側測定位置における補正値とするとともに同内側測定位置以外の測定位置における補正値を少なくとも内側測定位置の補正値より小さい補正値とした補正値設定情報を生成する補正値設定情報生成ステップと、送り機構による変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間に対して、補正値設定情報を用いて各測定位置に対応する各補正区間に同各測定位置に対応する補正値をそれぞれ設定した補正値テーブルを生成する補正値テーブル生成ステップとを含むことにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、位置決め精度設定方法は、変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間にそれぞれ補正値を設定するに際して、両端の補正区間より内側に存在する補正区間に最も大きな値の補正値を設定している。これにより、変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間においては、前記最大の補正値を設定した補正区間を境として補正値が昇順および降順となる。このため、送り機構を構成する機械部品が伸長した場合および収縮した場合のいずれの場合であっても補正区間のいずれかの位置において位置決め誤差が相殺されることなく現状維持または拡大する領域が存在するようになる。この結果、送り機構の伸縮変化に寄らず送り機構における位置決め精度を所望する位置決め精度以下の精度に良好に維持することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記位置決め精度の設定方法において、補正値設定情報生成ステップは、両端の2つの測定位置にそれぞれ対応する各補正値にそれぞれ0を設定するとともに、内側測定値に対して両端の2つの測定位置間における各補正値を直線補間により設定して補正値設定情報を生成し、補正値テーブル設定ステップは、補正値が設定された補正区間以外の補正区間に対して同補正値が設定された補正区間における補正値を用いて直線補間により補正値をそれぞれ設定して補正値テーブルを生成することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、位置決め精度の設定方法は、補正値設定情報が両端の測定位置からそれぞれ内側測定位置に向かって補正値が直線補間によって設定されるとともに、この補正値設定情報に基づいて補正値テーブルにおける補正値設定情報に存在しない補正区間の補正値が直線補間によって設定される。これにより、少ない測定位置における補正値によって多数の補正区間の補正値を簡単かつ迅速に設定することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記位置決め精度の設定方法において、誤差値取得ステップは、変位対象物の可動範囲における略中央位置で誤差値を取得するとともに同略中央位置を中心として可動範囲における両端側の領域に互いに同数の測定位置でそれぞれ誤差値を取得し、補正値設定情報生成ステップは、変位対象物の可動範囲における略中央位置で誤差値を取得した測定位置を内側測定位置とすることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、位置決め精度の設定方法は、変位対象物の可動範囲における略中央位置で誤差値を取得するとともに同略中央位置を中心として可動範囲における両端側の領域にて互いに同数の測定位置でそれぞれ誤差値を取得しているため、変位対象物の可動範囲内における補正値の分布は同可動範囲の略中央部を中心として対称となる。これにより、ワークの配置位置やワークの加工位置として最も多用されるテーブルの可動範囲の中央領域や加工ヘッドの可動範囲における中央領域にそれぞれ互いに近似する補正値が設定されるため、これらの中央領域内における位置決め精度のバラツキを抑えて精度の安定した加工を行うことができる。
また、本発明の他の特徴は、前記位置決め精度の設定方法において、誤差値取得ステップは、同一の測定位置で複数回の測定を行うことにより得た複数の位置決め誤差を用いて計算した標準偏差を誤差値として取得し、補正値設定情報生成ステップの後に、さらに、補正値設定情報における各測定位置ごとの各補正値を誤差値取得ステップで測定した各測定位置ごとの各位置決め誤差に加算した複数の位置決め仮誤差の標準偏差を仮誤差値として取得する仮誤差値取得ステップと、仮誤差値取得ステップにて取得した複数の仮誤差値のうちの最大の仮誤差値と最少の仮誤差値との差である最大仮誤差幅と所望誤差値とを比較する仮誤差値比較ステップとを含み、補正値設定情報生成ステップは、仮誤差値比較ステップにて最大仮誤差幅が所望誤差値より小さいと判定されたとき、所望誤差値に所定値を加算した新たな所望誤差値を用いて再度実行され、補正値テーブル生成ステップは、仮誤差値比較ステップにて最大仮誤差幅が所望誤差値以上と判定されたときのみ実行されることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、位置決め精度の設定方法は、補正値設定情報生成ステップにて生成される補正値が複数の位置決め誤差に基づく標準偏差からなる誤差値を用いて計算されるとともに、この補正値が所望する位置決め精度以下の精度となるように所望誤差値を増加させながら補正値設定情報生成ステップが繰り返し実行して補正値テーブル生成ステップの実行の前に補正値の妥当性を検証している。これにより、本発明に係る位置決め精度の設定方法は、補正値設定情報生成ステップにおいて誤差値取得ステップで取得した位置決め誤差の測定誤差などに起因して不正確な補正値が計算されることを防止することができ、補正値設定情報およびこの補正値設定情報を用いて生成される補正値テーブルの信頼度を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記位置決め精度の設定方法において、さらに、補正値テーブル生成ステップを実行する前に、補正値の設定のアクセス権の有無を判定するアクセス権判定ステップを含み、補正値テーブル生成ステップは、アクセス権判定ステップにてアクセス権が有ると判定されたときのみ実行されることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、位置決め精度の設定方法は、補正値テーブル生成ステップを実行する前に補正値の設定のアクセス権の有無を判定しているため、アクセス権を有さない者によって補正値テーブルが設定されることを防止することができる。
また、本発明は位置決め精度の設定方法の発明として実施できるばかりでなく、この工作機械における位置決め精度設定装置および位置決め精度の設定プログラムの発明としても実施できるものである。
具体的には、請求項に示すように、ワークを保持するテーブルおよびワークを加工する加工ヘッドのうちの少なくとも一方を変位対象物として他方に対して相対変位させる送り機構と、送り機構の作動を制御する制御手段とを備えた工作機械における送り機構の位置決め精度設定装置において、送り機構による変位対象物の可動範囲における少なくとも3つの測定位置ごとに位置決め誤差をそれぞれ測定して同位置決め誤差を直接的または間接的に表す誤差値を取得する誤差値取得手段と、少なくとも3つの測定位置のうちの両端の2つの測定位置よりも内側に存在する内側測定位置における誤差値と予め設定された所望誤差を直接的または間接的に表す所望誤差値との差を内側測定位置における補正値とするとともに同内側測定位置以外の測定位置における補正値を少なくとも内側測定位置の補正値より小さい補正値とした補正値設定情報を生成する補正値設定情報生成手段と、送り機構による変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間に対して、補正値設定情報を用いて各測定位置に対応する各補正区間に同各測定位置に対応する補正値をそれぞれ設定した補正値テーブルを生成する補正値テーブル生成手段とを備えることにある。
また、この場合、前記位置決め精度設定装置において、補正値設定情報生成手段は、両端の2つの測定位置にそれぞれ対応する各補正値にそれぞれ0を設定するとともに、内側測定値に対して両端の2つの測定位置間における各補正値を直線補間により設定して補正値設定情報を生成し、補正値テーブル設定手段は、補正値が設定された前記補正区間以外の補正区間に対して同補正値が設定された補正区間における補正値を用いて直線補間により補正値をそれぞれ設定して補正値テーブルを生成するとよい。
また、この場合、前記位置決め精度設定装置において、誤差値取得手段は、変位対象物の可動範囲における略中央位置で誤差値を取得するとともに同略中央位置を中心として可動範囲における両端側の領域に互いに同数の測定位置でそれぞれ誤差値を取得し、補正値設定情報生成手段は、変位対象物の可動範囲における略中央位置で誤差値を取得した測定位置を内側測定位置とするとよい。
また、この場合、前記位置決め精度設定装置において、誤差値取得手段は、同一の測定位置で複数回の測定を行うことにより得た複数の位置決め誤差を用いて計算した標準偏差を誤差値として取得し、補正値設定情報を生成した後に、さらに、補正値設定情報における各測定位置ごとの各補正値を誤差値取得手段で測定した各測定位置ごとの各位置決め誤差に加算した複数の位置決め仮誤差の標準偏差を仮誤差値として取得する仮誤差値取得手段と、仮誤差値取得手段にて取得した複数の仮誤差値のうちの最大の仮誤差値と最少の仮誤差値との差である最大仮誤差幅と所望誤差値とを比較する仮誤差値比較手段とを含み、補正値設定情報生成手段は、仮誤差値比較手段にて最大仮誤差幅が所望誤差値より小さいと判定されたとき、所望誤差値に所定値を加算した新たな所望誤差値を用いて再度前記補正値設定情報を生成し、補正値テーブル生成手段は、仮誤差値比較手段にて最大仮誤差幅が所望誤差値以上と判定されたときのみ補正値テーブルを生成するとよい。
また、この場合、前記位置決め精度設定装置において、さらに、補正値テーブルを生成する前に、補正値の設定のアクセス権の有無を判定するアクセス権判定手段を含み、補正値テーブル生成手段は、アクセス権判定手段によってアクセス権が有ると判定されたときのみ補正値テーブルを生成するとよい。これらによっても、上記位置決め精度の設定方法と同様の作用効果を期待できる。
具体的には、請求項に示すように、ワークを保持するテーブルおよびワークを加工する加工ヘッドのうちの少なくとも一方を変位対象物として他方に対して相対変位させる送り機構と、送り機構の作動を制御する制御手段とを備えた工作機械に用いられる送り機構の位置決め精度の設定プログラムであって、コンピュータに、送り機構による変位対象物の可動範囲における少なくとも3つの測定位置ごとに位置決め誤差をそれぞれ測定して同位置決め誤差を直接的または間接的に表す誤差値を取得する誤差値取得ステップと、前記少なくとも3つの測定位置のうちの両端の2つの測定位置よりも内側に存在する内側測定位置における誤差値と予め設定された所望誤差を直接的または間接的に表す所望誤差値との差を内側測定位置における補正値とするとともに同内側測定位置以外の測定位置における補正値を少なくとも内側測定位置の補正値より小さい補正値とした補正値設定情報を生成する補正値設定情報生成ステップと、送り機構による変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間に対して、補正値設定情報を用いて各測定位置に対応する前記各補正区間に同各測定位置に対応する補正値をそれぞれ設定した補正値テーブルを生成する補正値テーブル生成ステップとを実行させるようにすればよい。
本発明の一実施形態に係る位置決め精度の設定方法の実施に用いる位置決め精度設定装置の構成を模式的に示したブロック図である。 図1に示す位置決め精度設定装置を構成する外部コンピュータ装置が実行する補正値設定情報生成プログラムのフローチャートである。 図2に示す補正値設定情報生成プログラムの実行によって生成される補正値設定情報における位置決め誤差の測定位置と補正値との関係を示す説明図である。 図1に示す位置決め精度設定装置を構成する総合制御部が実行する補正値テーブル生成プログラムのフローチャートである。 (A)(B)は、工作機械の送り機構に伸縮が生じた際における送り機構の位置決め精度の状態を説明するための表であり、(A)は工作機械の送り機構が伸長した場合における位置決め誤差を補正値との関係で示しており、(B)は工作機械の送り機構が収縮した場合における位置決め誤差を補正値との関係で示している。 本発明の効果を明確にするために測定位置ごとの補正値を昇順に設定した場合における位置決め誤差を補正値との関係で示した表である。
(位置決め精度設定装置100の構成)
以下、本発明に係る位置決め精度の設定方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る位置決め精度の設定方法の実施に用いる位置決め精度設定装置100の構成を模式的に示したブロック図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この位置決め精度設定装置100は、コンピュータ制御(NC制御)によって加工対象物であるワークWKの表面を機械加工する工作機械200におけるテーブル201および加工ヘッド203の位置決め精度が所定の位置決め精度以上の高い位置決め精度にならないように位置決め精度に対する補正値を設定するためのものであり、主として工作機械メーカにおける工作機械200の製造時に使用されるものである。
位置決め精度設定装置100は、主として工作機械200と外部コンピュータ装置300とを備えて構成されている。工作機械200は、ワークWKを保持するテーブル201とワークWKに対して機械加工(例えば、切削、穴開け、フライス削り、中ぐりなど)を施す工具202を保持する加工ヘッド203とを互いに直交する直交3軸方向にそれぞれ相対変位させることによりワークWKに対して機械加工を行う機械装置である。テーブル201は、加工対象物であるワークWKを着脱自在に保持する載置台であり、送り機構204によって支持されている。
送り機構204は、テーブル201を前記直交3軸方向のうちの1つの軸方向(図示左右方向のX軸方向)に変位させるための機械装置であり、雄ねじが形成された送りねじ軸205をテーブル201の下部に貫通した状態で形成された雌ねじ(図示せず)に多数の小球(図示せず)を介して噛合わせて構成されている。この送りねじ軸205における一方(図示左側)の端部には、送りモータ206が接続されている。
送りモータ206は、送りねじ軸205を正回転方向および逆回転方向にそれぞれ回転駆動させるための電動モータであり、工作機械200における図示しない鋼鉄製のフレーム内に配置された状態でモータ駆動部210によって作動が制御される。本実施形態においては、送りモータ206は、サーボモータによって構成されている。この送りモータ206は、ロータリエンコーダ207を備えている。ロータリエンコーダ207は、送りモータ206の回転数に応じたパルス信号からなる検出信号をモータ駆動部210および総合制御部213にそれぞれ出力する回転検出器である。
モータ駆動部210は、送りモータ206の回転駆動を制御するための電気回路であり、ロータリエンコーダ207および移動量計算部211にそれぞれ電気的に接続された状態で工作機械200における図示しない制御盤内に設けられている。このモータ駆動部210は、移動量計算部211から出力される補正駆動指令信号およびロータリエンコーダ207から出力される検出信号を用いて送りモータ206の回転駆動を制御する。この場合、補正駆動指令信号は、テーブル201の変位方向、変位量および変位速度をそれぞれ表しており、送りモータ206の回転方向、回転数および回転速度をそれぞれ指示するための制御信号である。したがって、モータ駆動部210は、ロータリエンコーダ207から出力される検出信号によって送りモータ206の回転方向、回転数および回転速度を監視しながら、補正駆動指令信号によって表された回転方向、回転数および回転速度となるように送りモータ206の作動を制御する。
移動量計算部211は、総合制御部213から出力される駆動指令信号を補正値テーブル記憶部212に記憶されている補正値テーブルを用いて補正した補正駆動指令信号を生成してモータ駆動部210に出力する電気回路であり、補正値テーブル記憶部212および総合制御部213にそれぞれ電気的に接続された状態で工作機械200における図示しない制御盤内に設けられている。この場合、総合制御部213から出力される駆動指令信号は、テーブル201の変位方向、変位量および変位速度をそれぞれ表しており、送りモータ206の回転方向、回転数および回転速度をそれぞれ指示するための制御信号である。
また、補正値テーブル記憶部212に記憶されている補正値テーブルとは、送り機構204によって変位するテーブル201の可動範囲(所謂ストローク)内を所定の距離(例えば、10mm〜50mm間隔)ごとに区切った複数の補正区間ごとに同補正区間内を変位するテーブル201の変位量(送りモータ206の回転数)を調整するための補正値(送りモータ206の回転数)の集合である。したがって、移動量計算部211は、総合制御部213から出力される駆動指令信号によって表されたテーブル201の変位量に補正値テーブル記憶部212に記憶されている補正区間ごとの補正値を補正区間ごとに加算することにより補正駆動指令信号を生成してモータ駆動部210に出力する。
補正値テーブル記憶部212は、前記した複数の補正区間ごとの補正値をそれぞれ規定した補正テーブルを記憶するための読み書き可能型の記憶装置であり、総合制御部213に電気的に接続された状態で工作機械200における図示しない制御盤内に設けられている。この補正値テーブル記憶部212には、総合制御部213によって前記補正区間ごとの補正値がそれぞれ書き込まれる。
総合制御部213は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、工作機械200の全体の作動を総合的に制御するとともに、作業者によって用意される図示しない加工プログラム(所謂NC(Numerical Control)プログラム)に従って工具202を回転駆動しながらテーブル201と加工ヘッド203とを相対変位させることによりワークWKの機械加工を制御する。また、この総合制御部213は、図4に示す補正値テーブル生成プログラムを実行することにより補正値テーブルを生成して補正値テーブル記憶部212に記憶させる。
また、この総合制御部213は、総合制御部213に対して作業者からの操作を受付けるための操作スイッチ群からなる操作盤214、作業者に対して総合制御部213の作動状況を表示するための液晶ディスプレイからなる表示装置215、および総合制御部213に対して外部コンピュータ装置300などの外部機器を接続するためのインターフェース216をそれぞれ備えている。
なお、この工作機械200は、加工ヘッド203を前記直交3軸方向における他の2軸方向(図示奥行き方向のY軸方向および図示上下方向のZ軸方向)に変位させるための機械的および電気的構成も備えているが、前記テーブル201と同様の構成のためその説明は省略する。また、この工作機械200は、加工ヘッド203によって着脱自在保持される工具202を回転駆動する機械的および電気的構成やその他の電気的構成部分に電気を供給する電源部なども備えているが、これらの本発明に直接関わらない構成については、その説明は省略する。
一方、外部コンピュータ装置300は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、キーボードおよびマウスからなる入力装置301および液晶ディスプレイからなる表示装置302を備えるパーソナルコンピュータ(所謂パソコン)である。この外部コンピュータ装置300は、図示しない位置決め誤差測定プログラムを実行することにより、工作機械200におけるテーブル201の位置決め誤差を測定するとともに、図2に示す補正値設定情報生成プログラムを実行することにより補正値設定情報を生成する。この場合、位置決め誤差測定プログラムおよび補正値設定情報生成プログラムは、後述する作業者により予め前記ハードディスクに記憶されている。なお、外部コンピュータ装置300は、工作機械200の総合制御部213と電気的に接続可能であれば、どのような形式のコンピュータ装置であってもよい。
また、この外部コンピュータ装置300には、変位測定器303が接続されている。変位測定器303は、外部コンピュータ装置300によって作動が制御されてテーブル201の変位量を光学的に測定する光学式測定装置である。より具体的には、変位測定器303は、テーブル201に一時的に配置した反射板304に向けてレーザ光L(破線で示す)を照射するとともにこの反射板304にて反射した反射レーザ光Lを受光して三角測量法の原理を用いてテーブル201の変位量を測定して同変位量を表す電気信号を出力する。
(位置決め精度設定装置100の作動)
次に、上記のように構成した位置決め精度設定装置100の作動について説明する。まず、工作機械200における送り機構204の位置決め精度を設定する作業者は、送り機構204における現状の位置決め誤差を測定する。具体的には、作業者は、工作機械200および外部コンピュータ装置300の電源を入れて始動させるとともに外部コンピュータ装置300をインターフェース216を介して総合制御部213に接続する。また、作業者は、工作機械200のテーブル201上に反射板304を配置した後、この反射板304にレーザ光Lを照射可能な位置に変位測定器303を配置するとともにこの変位測定器303を外部コンピュータ装置300に接続する。そして、作業者は、図示しない位置決め誤差測定プログラムを外部コンピュータ装置300に実行させる。
この位置決め誤差測定プログラムは、工作機械200のテーブル201をテーブル201の可動範囲における少なくとも3ヵ所以上の位置で位置決めした際における各変位量を変位測定器303を介して外部コンピュータ装置300に測定させるとともに同変位量を用いてテーブル201の前記3ヵ所以上の各測定位置ごとの位置決め誤差をそれぞれ計算させるコンピュータプログラムである。本実施形態においては、位置決め誤差測定プログラムは、テーブル201の可動範囲における5ヵ所以上の測定位置で位置決め誤差を取得する。したがって、まず、作業者は、外部コンピュータ装置300に位置決め誤差測定プログラムを実行させた状態で、工作機械200における総合制御部213を操作することにより送りモータ206を駆動させてテーブル201をテーブル201の可動範囲における5ヵ所の測定位置で位置決めさせる。
この場合、総合制御装置213には、一方(例えば、送りモータ206側)の端部から他方(例えば、送りねじ軸205の先端側)の端部に向かって変位させる往路と、この他方の端部から一方の端部に向かって変位させる復路とで総合制御部213によって無作為に決定されるそれぞれ同一の5ヵ所の位置で位置決めするプログラムが設定されている。したがって、総合制御部213は、作業者からの指示に応じてテーブル201の可動範囲における5ヵ所の測定位置に対して往路と復路でそれぞれ位置決めを行う。
この場合、総合制御部213がテーブル201の位置決めを行う前記5ヵ所の測定位置は、総合制御部213によって無作為に決定されるが5ヵ所の位置のうち少なくとも1ヵ所がテーブル201の可動範囲における略中央位置になるように設定される。なお、このテーブル201の前記5ヵ所での位置決め動作時においては、補正値テーブル記憶部212にはすべての補正量が0の補正テーブルが予め設定されている。すなわち、この位置決め誤差の測定においては、各測定位置に対して位置決め誤差の補正を行わずに位置決めが行われる。
このテーブル201の5ヵ所の測定位置での位置決め動作の間において、外部コンピュータ装置300は、テーブル201の変位状況、具体的には、変位方向、変位量および変位速度に関する各情報を総合制御部213から取得しながら変位測定器303の作動を制御してテーブル201の前記5ヵ所での変位量をそれぞれ取得する。そして、外部コンピュータ装置300は、テーブル201の5ヵ所の測定位置において総合制御部213から取得したテーブル201の変位量(送りモータ206への指令値)と変位測定器303から取得したテーブル201の変位量(測定値)との差を前記5ヵ所の位置決め位置ごとに位置決め誤差として取得する。
これにより、外部コンピュータ装置300は、前記5ヵ所の測定位置ごとに往路と復路との各2つの位置決め誤差をそれぞれ取得する。この前記5ヵ所の測定位置ごとの位置決め誤差の取得は、本実施形態においては5回行われる。したがって、外部コンピュータ装置300は、前記5ヵ所の測定位置ごとに往路と復路の2つの位置決め誤差をそれぞれ5組ずつ取得する。そして、この位置決め誤差を取得する作業が、本発明に係る誤差値取得ステップの一部を構成する。
次に、作業者は、外部コンピュータ装置300の入力装置301を操作することにより外部コンピュータ装置300に補正値設定情報を生成させる。この場合、補正値設定情報とは、前記5ヵ所の測定位置ごとにテーブル201の位置決め誤差を調整するための補正値を規定した情報群であって、補正値テーブル記憶部212に記憶される補正値テーブルを生成するベースとなる情報群である。具体的には、作業者は、外部コンピュータ装置300に補正値設定情報生成プログラムの実行を指示する。
この指示に応答して外部コンピュータ装置300は、図2に示すように、ステップS100にて補正値設定情報生成プログラムの実行を開始して、ステップS102にて、作業者からの所望誤差値の入力を待つ。このステップS102の処理における所望誤差値とは、工作機械200におけるテーブル201の位置決め精度の上限を規定するものであり、より具体的には、テーブル201を位置決めをある所定量の誤差を介して行うようにするための所謂ずらし量で表したものである。したがって、作業者は、工作機械200における位置決め精度の上限値となる所望誤差値を外部コンピュータ装置300に入力装置301を介して入力する。例えば、工作機械200のテーブル201を少なくとも8μmの誤差を介して位置決めすることを希望する場合には、作業者は所望誤差値として8μmを入力する。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS104にて、各測定位置ごとに往路および復路でのそれぞれの各誤差値を計算する。具体的には、外部コンピュータ装置300は、前記位置決め誤差測定プログラムの実行により取得した各測定位置ごとの往路の位置決め誤差および復路の位置決め誤差についてそれぞれ標準偏差を誤差値として計算する。すなわち、外部コンピュータ装置300は、前記位置決め誤差測定プログラムの実行によって取得した5ヵ所の各測定位置における往路での5つの位置決め誤差および復路での5つの位置決め誤差を用いて各測定位置ごとの往路での標準偏差および復路での標準編偏差を±3σである所謂第3標準偏差でそれぞれ計算する。これにより、前記5ヵ所の測定位置ごとに往路および復路での各位置決め誤差の標準偏差が誤差値として計算される。すなわち、このステップS104による誤差値の計算処理が、本発明に係る誤差値取得ステップの他の一部を構成する。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS106にて、テーブル201の位決め誤差について所望誤差値が確保されているか否かを判定する。具体的には、外部コンピュータ装置300は、前記ステップS104にて取得した各測定値ごとの往路の誤差値および復路の誤差値のうちの最大の誤差値と最小の誤差値との差である最大誤差値幅が前記所望誤差値以上であるか否かを判定する。したがって、外部コンピュータ装置300は、前記最大誤差値幅が所望誤差値以上である場合には、このステップS106における判定処理において「Yes」と判定してステップS124に進み、同ステップS200にてこの補正値設定情報生成プログラムの実行を終了する。
すなわち、最大誤差値幅が所望誤差値以上である場合とは、工作機械200におけるテーブル201の現状での位置決め誤差が既に所望誤差値以下の低い位置決め精度になっている場合である。したがって、このような場合においては、工作機械200は補正テーブルを敢えて設定する必要性がないため、外部コンピュータ装置300は、ステップS124にて補正値設定情報生成プログラムの実行を終了する。
一方、外部コンピュータ装置300は、最大誤差値幅が所望誤差値未満である場合には、このステップS106における判定処理において「No」と判定してステップS108に進む。すなわち、最大誤差値幅が所望誤差値未満である場合とは、工作機械200におけるテーブル201の現状での位置決め誤差が所望誤差値よりも小さく高い位置決め精度になっている場合である。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS108にて、位置決め誤差の測定位置における中央測定位置を特定する。具体的には、外部コンピュータ装置130は、位置決め誤差の測定位置の総数を2で除した値または同値を四捨五入した値と同じ値となる測定回数の測定位置を中央測定値として特定する。本実施形態においては、位置決め誤差の測定位置が5ヵ所であるため、3ヶ所目の測定位置が中央特定位置として特定される。この場合、3ヶ所目の測定位置は、テーブル201の可動範囲における略中央部分となる。なお、中央測定位置は、各測定位置の機械座標値に基づいてテーブル201の可動範囲における中央部分に最も近い測定位置を特定するようにしてもよい。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS110にて、前記特定した中央測定位置における最大誤差値幅を計算する。具体的には、外部コンピュータ装置300は、前記ステップS108にて特定した中央測定値における4つの誤差値、具体的には、往路における正側の第3次標準偏差、往路における負側の第3標準偏差、復路における正側の第3次標準偏差および復路における負側の第3標準偏差の4つの第3標準偏差と各測定位置における各誤差値(第3標準偏差)のうちで最小の誤差値との4つの差を計算するとともに、これら4つの差のうちの最大値を最大誤差値幅として計算する。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS112にて、中央測定位置における最大補正値を計算する。具体的には、外部コンピュータ装置300は、前記ステップS110にて計算した最大誤差値幅と所望誤差値との差を最大補正値として計算する。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS114にて、中央測定位置以外の他の各測定位置の補正値を計算する。具体的には、外部コンピュータ装置300は、テーブル201の可動範囲における両端側の2つの測定位置における各補正値を0に設定するとともに、これら両端の2つの測定位置と中央測定位置との間の2つの測定位置における各補正値を0と最大補正値との間を直線補間した値をそれぞれ設定する。例えば、図3に示すように、中央測定位置である測定位置3での補正値である最大補正値が8μmの場合、両端の2つの測定位置1,5と測定位置3との間の2つの測定位置2,4における各補正値は、それぞれ4μmとなる。すなわち、このステップS112およびステップS114による補正値の計算処理が、本発明に係る補正値設定情報生成ステップの一部を構成する。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS116にて、仮誤差値を計算する。この場合、仮誤差値とは、前記位置決め誤差測定プログラムの実行によって取得した各測定位置ごとの位置決め誤差を前提として前記ステップS112および前記ステップS114にて計算した各測定位置ごとの補正値の妥当性、すなわち、同補正値でテーブル201の変位指示量を補正した場合における誤差値を予測したものである。このステップS116における仮誤差値の計算処理は、次のサブステップ1,2の各処理によって構成されている。
サブステップ1:まず、外部コンピュータ装置300は、前記位置決め誤差測定プログラムの実行によって取得した5ヵ所の各測定位置ごとの位置決め誤差、すなわち、往路での5つの位置決め誤差および復路での5つの位置決め誤差に前記ステップS112および前記ステップS114にて算出した各測定位置ごとの補正値をそれぞれ加算することにより、5ヵ所の各測定位置ごとに往路での5つの位置決め仮誤差および復路での5つの位置決め仮誤差を計算する。
サブステップ2:次に、外部コンピュータ装置300は、前記サブステップ1にて計算した各測定位置ごとの位置決め仮誤差に対して前記ステップS104と同様に第3標準偏差を計算することにより仮誤差値を計算する。この位置決め仮誤差を用いた第3標準偏差の計算は前記ステップS104における第3標準偏差と同様であるため、説明は省略する。
これらにより、前記5ヵ所の測定位置ごとに往路および復路でそれぞれ予測した位置決め誤差である位置決め仮誤差の標準偏差が仮誤差値として計算される。すなわち、このステップS116による誤差値の計算処理が、本発明に係る仮誤差値取得ステップを構成する。
次に、外部コンピュータ装置300は、ステップS118にて、前記ステップS112および前記ステップS114にて計算した補正値によるテーブル201の位決め誤差について所望誤差値が確保されているか否かを判定する。具体的には、外部コンピュータ装置300は、前記ステップS116にて取得した各測定値ごとの往路の仮誤差値および復路の仮誤差値のうちの最大の誤差値と最小の誤差値との差である最大仮誤差値幅が前記所望誤差値以上であるか否かを判定する。すなわち、このステップS118による所望誤差値との判定処理が、本発明に係る仮誤差値判定ステップに相当する。
そして、この場合、外部コンピュータ装置300は、前記最大仮誤差値幅が所望誤差値以上である場合には、このステップS118における判定処理において「Yes」と判定してステップS122に進む。すなわち、最大仮誤差値幅が所望誤差値以上である場合とは、工作機械200におけるテーブル201の位置決め精度が、前記ステップS112および前記ステップS114にて算出した各測定位置ごとの補正値を採用することによって所望誤差値以下の低い位置決め精度になると予測される場合である。
一方、外部コンピュータ装置300は、前記最大仮誤差値幅が所望誤差値未満である場合には、このステップS118における判定処理において「No」と判定してステップS120に進む。すなわち、この最大仮誤差値幅が所望誤差値未満である場合とは、工作機械200におけるテーブル201の位置決め精度が、前記ステップS112および前記ステップS114にて算出した各測定位置ごとの補正値を採用したとしても所望誤差値よりも小さく高い位置決め精度になると予測される場合である。
したがって、このような場合においては、外部コンピュータ装置300は、ステップS120にて、所望誤差値に所定量の修正値を加算することにより所望誤差値を増加させた後、ステップS112に戻って同ステップS112の各処理を再度実行する。すなわち、外部コンピュータ装置300は、工作機械200のテーブル201の位置決め精度が所望誤差値以下の低い位置決め精度になると予測される補正値を計算するまでの間、所望誤差値を増加させながらステップS112およびステップS114による補正値の計算処理を繰り返し実行する。
そして、外部コンピュータ装置300は、ステップS112およびステップS114にて算出した各測定位置ごとの補正値が工作機械200のテーブル201の位置決め精度を所望誤差値以下の低い位置決め精度にすることが予測されるに至った場合には、ステップS122にて、前記ステップS112および前記ステップS114にて算出した各測定位置ごとの補正値を補正値設定情報として確定して記憶した後、ステップS124にて補正値設定情報生成プログラムの実行を終了する。すなわち、このステップS122による各測定位置ごとの補正値を補正値設定情報として確定する処理が、本発明に係る補正値設定情報生成ステップの他の一部を構成する。
次に、作業者は、補正値設定情報生成プログラムの実行によって補正値設定情報が生成した場合においては、工作機械200における補正値テーブル記憶部212に補正値テーブルの設定を行う。具体的には、作業者は、工作機械200における総合制御部213に対して補正値テーブルの設定を指示する。この指示に応答して、総合制御部213は、補正値設定情報に基づいて補正値テーブルを生成する補正値テーブル生成プログラムの実行を開始する。
具体的には、総合制御部213は、図4に示すように、補正値テーブル生成プログラムの実行をステップ200にて開始するとともに、ステップS202にて、アクセス権の入力を待つ。このステップS202におけるアクセス権の入力処理は、補正値テーブルの設定を許可するアクセス権の入力を表示装置215を介して作業者に促すものである。したがって、作業者は、補正値テーブルの設定を許可するアクセス権を操作盤214を介して総合制御部213に入力する。
次に、総合制御部213は、ステップS204にて、アクセス権の有無の判定処理を実行する。具体的には、総合制御部213は、総合制御部213内に予め設定されたアクセス権と前記ステップS202にて作業者から入力されたアクセス権とが一致しているか否かを判定する。したがって、総合制御部213は、前記ステップS202にて作業者から入力されたアクセス権が総合制御部213内に予め設定されたアクセス権と一致する場合には、このステップS202における判定処理にて「Yes」と判定してステップS206に進む。
一方、総合制御部213は、前記ステップS202にて作業者から入力されたアクセス権が総合制御部213内に予め設定されたアクセス権と一致しない場合には、このステップS202における判定処理にて「No」と判定してステップS212に進み、同ステップS210にてアクセス権が一致せず補正値テーブルを設定することができない旨を表示した後、ステップS214にてこの補正値テーブル設定プログラムの実行を終了する。すなわち、補正値テーブルは、ステップS202およびステップS204の各処理によってアクセス権を有する者にのみ設定が許されるものであり、アクセス権を有さない者による改ざんが防止されている。そして、このステップS204によるアクセス権の有無の判定処理が、本発明に係るアクセス権判定ステップに相当する。
次に、総合制御部213は、ステップS206にて、補正値設定情報を入力を待つ。このステップS206における補正値設定情報の入力処理は、前記補正値設定情報生成プログラムの実行によって生成された補正値設定情報の入力を表示装置215を介して作業者に促すものである。したがって、作業者は、補正値設定情報を操作盤214を介した手入力または外部コンピュータ装置300からのオンラインによって総合制御部213に入力する。
補正値設定情報の入力を受け付けた総合制御部213は、ステップS208にて、補正値テーブルを生成する。具体的には、総合制御部213は、前記ステップS206にて取得した補正値設定情報を用いて補正値テーブルを自動的に計算して設定する。このステップS208における補正値テーブルの設定処理は、次のサブステップ1,2の各処理によって構成されている。
サブステップ1:まず、総合制御部213は、補正値設定情報において各補正値がそれぞれ規定された各測定位置に対応する補正値テーブル内における補正区間、具体的には、各測定位置を含むまたは同各測定位置に最寄の補正値テーブル内における補正区間に各測定位置ごとに設定された前記各補正値を設定する。
サブステップ2:次いで、総合制御部213は、補正値テーブルにおいて補正値が設定された補正区間同士の補正値を用いて直線補間した値を前記補正値が設定された補正区間以外の補正区間の補正値として設定する。これにより、工作機械200のテーブル201の可動範囲内を所定の距離ごとに区切ったすべての補正区間にそれぞれ補正値が設定された補正値テーブルが生成される。
そして、総合制御部213は、ステップS210にて、前記ステップS208にて生成した補正値テーブルを補正量記憶部212に記憶して、ステップS214にてこの補正値テーブル設定プログラムの実行を終了する。すなわち、これらステップS208およびステップS210における補正値テーブルの生成および記憶の各処理が、本発明に係る補正値テーブル生成ステップに相当する。
このような補正値テーブルが設定された工作機械200がワークWKに対して機械加工を行う場合においては、テーブル201の変位に際して変位量の補正が行われる。具体的には、移動量計算部211は、総合制御部213から出力される駆動指令信号によって表されるテーブル201の変位量によってテーブル201の変位範囲を特定するとともに同変位範囲に対応する補正値テーブルにおける補正区間に設定された補正値を変位量に加算して補正駆動指令信号を生成する。これにより、工作機械200におけるテーブル201は、所望誤差値以下の低い位置決め精度によって位置決めが行われる。
そして、このテーブル201の位置決め精度は、工作機械200の内外の温度変化などの環境変化によってテーブル201を変位させる送り機構204を構成する送りねじ軸205が伸縮した場合であっても所望誤差値以下の低い位置決め精度に維持される。
例えば、図5(A)に示すように、所望誤差値が6μm、5ヵ所の測定位置ごとにそれぞれ0μm,4μm,8μm,4μm,0μmの補正値が設定されている場合において送りねじ軸205が8μmだけ伸長した場合においては、各測定値ごとの位置決め誤差は0μm,6μm,12μm,10μm,8μmとなる。したがって、この場合におけるテーブル201の位置決め誤差の幅は12μmとなり、所望誤差値以下の低い位置決め精度が維持される。
一方、例えば、図5(B)に示すように、所望誤差値が6μm、5ヵ所の測定位置ごとにそれぞれ0μm,4μm,8μm,4μm,0μmの補正値が設定されている場合において送りねじ軸205が8μmだけ収縮した場合においては、各測定値ごとの位置決め誤差は0μm,2μm,4μm,−2μm,−8μmとなる。したがって、この場合におけるテーブル201の位置決め誤差の幅は8μmとなり、所望誤差値以下の低い位置決め精度が維持される。
なお、例えば、図6に示すように、5ヵ所の測定値に対して前記8μmの補正値を単に昇順で振り分けた場合、すなわち、0μm,2μm,4μm,6μm,8μmの補正値を設定した場合において送りねじ軸205が8μmだけ収縮した場合においては、各測定値ごとの位置決め誤差はすべて0μmとなる。したがって、この場合におけるテーブル201の位置決め誤差の幅は0μmとなり、所望誤差値以下の低い位置決め精度を維持することができなくなる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、位置決め精度設定方法は、変位対象物であるテーブル201の可動範囲内に設定した複数の補正区間にそれぞれ補正値を設定するに際して、両端の補正区間より内側に存在する補正区間に最も大きな値の補正値を設定している。これにより、変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間においては、前記最大の補正値を設定した補正区間を境として補正値が昇順および降順となる。このため、送り機構204を構成する機械部品が伸長した場合および収縮した場合のいずれの場合であっても補正区間のいずれかの位置において位置決め誤差が相殺されることなく現状維持または拡大する領域が存在するようになる。この結果、送り機構204の伸縮変化に寄らず送り機構204における位置決め精度を所望する位置決め精度以下の精度に良好に維持することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、テーブル201を直交3軸方向のうちの1つの軸方向に変位させる際における位置決め精度の設定について説明した。しかし、本発明は、テーブル201と加工ヘッド203とを相対変位させる送り機構における位置決め精度の設定方法として広く利用できるものである。したがって、例えば、本発明に係る位置決め精度の設定方法は、上記実施形態における加工ヘッド203をY軸方向およびZ軸方向に変位させる送り機構の位置決め精度の設定に採用することもできる。
また、上記実施形態においては、テーブル201の位置決め誤差を表す誤差値として各測定位置で5回測定した位置決め誤差の第3標準偏差を使用することにより位置決め誤差を間接的に表す誤差値とした。しかし、テーブル201の位置決め誤差を表す誤差値は、テーブル201の位置決め誤差を直接的または間接的に表していれば必ずしも第3標準偏差を用いる必要はなく、例えば、第2(2σ)標準偏差などの他の標準偏差であってもよいし、位置決め誤差の平均値であってもよいし、位置決め誤差自体を用いて直接的に表すようにしてもよい。これらの場合、所望誤差値についても必ずしも第3標準偏差を用いる必要はなく、例えば、第2(2σ)標準偏差などの他の標準偏差であってもよいし、位置決め誤差の平均値であってもよいし、位置決め誤差自体であってもよい。なお、テーブル201の位置決め誤差を表す誤差値として位置決め誤差自体を採用する場合には、補正値設定情報生成プログラムにおけるステップS104による標準偏差を計算する処理は不要である。
また、上記実施形態においては、テーブル201の位置決め誤差を表す誤差値を特定するために、5ヵ所の測定値で位置決め誤差の測定を行った。しかし、位置決め誤差の測定位置の数は、テーブル201の可動範囲において少なくとも3つ以上であれば、4つ以下または6つ以上であってもよい。この場合、テーブル201の可動範囲において少なくとも3つ以上の測定位置を必要とする理由は、各測定位置ごとに設定する補正値において両端の測定値の補正値よりもこれら両端間に存在する測定位置における補正値を最大とするためである。
また、上記実施形態においては、位置決め誤差の3つ目の測定位置である中央測定位置を本発明に係る内側測定位置として最大の補正値を設定した。しかし、内側測定位置は、各測定位置のうちの両端の測定位置より内側の測定位置であればよく必ずしも中央測定位置である必要はない。例えば、内側測定位置は、上記実施形態における中央測定位置に代えてまたは加えて2つ目または4つ目の測定位置を内側測定位置とすることもできる。この場合、内側測定位置は、2つ以上であっても構わない。
また、上記実施形態においては、5ヵ所の測定位置のうちの両端の2つの測定位置の補正値を0とした。しかし、各測定位置に設定する補正値は、内側測定位置に設定する補正が最大値であれば必ずしも0に設定する必要はない。また、上記実施形態においては、内側測定位置に対して両側2つの測定位置間にそれぞれ存在する2つの測定位置の各補正値を直線補間により設定した。しかし、これら2つの補正値についても直線補間以外の方法、例えば、放物線状に設定してもよいし、設定内側測定値の補正値と両端の測定位置の補正値との範囲内の量を無作為に設定するようにしてもよい。また、補正テーブルにおける各補正区間ごとの各補正値についても、同様に直線補間以外の方法によって設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、5ヵ所の位置決め誤差の測定位置のうち中央測定位置をテーブル201の可動範囲における略中央位置とした。これにより、工作機械200のテーブル201の可動範囲のなかで最も多用する中央領域にそれぞれ互いに近似する補正値が設定されるため、これらの中央領域内における位置決め精度のバラツキを抑えて精度の安定した加工を行うことができる。しかし、内側測定位置は、必ずしもテーブル201の可動範囲の中央領域に存在させる必要はない。また、内側測定位置以外の測定位置も内側測定位置を境として両端側に同数の測定位置を確保する必要はなく、内側測定位置に隣接して少なくとも1つの測定位置が存在していればよい。なお、補正テーブルにおける各補正区間ごとの各補正値を内側測定値を中心とする放物線状に設定することによってより中央領域内における位置決め精度のバラツキを抑えて精度の安定した加工を行うことができる。
また、上記実施形態においては、補正値設定情報生成プログラムにおいて、仮誤差値取得ステップおよび仮誤差値比較ステップを実行することによって、外部コンピュータ装置300が工作機械200のテーブル201の位置決め精度が所望誤差値以下の低い位置決め精度になると予測される補正値を計算するまでの間、所望誤差値を増加させながらステップS112およびステップS114による補正値の計算処理を繰り返し実行するようにした。すなわち、補正値設定情報生成プログラムは、誤差値に基づいて設定した補正値による位置決め誤差をシミュレーションすることにより、この補正値を採用した場合における位置決め誤差を実機による位置決め誤差の測定作業を行くことなく予測している。しかし、補正値の妥当性の確認をする必要がない場合には、位置決め誤差のシミュレーション工程は不要である。すなわち、補正値設定情報生成プログラムは、ステップS116ないしステップS120の各ステップを省略して構成することもできる。
また、上記実施形態においては、補正値テーブル生成プログラムにおいて、補正値テーブルの補正値テーブル記憶部212への設定処理にアクセス権を必要とした。しかし、補正値テーブルの設定者に制限が不要の場合には、アクセス権を確認に関する工程、すなわち、ステップS202、ステップS204およびステップS212は不要である。
また、上記実施形態においては、位置決め誤差測定プログラムおよび補正値設定情報生成プログラムを外部コンピュータ装置300に実行させるとともに、補正値テーブル生成プログラムを工作機械200の総合制御部213に実行させるようにした。しかし、これらの位置決め誤差測定プログラム、補正値設定情報生成プログラムおよび補正値テーブル生成プログラムは、各プログラムの実行目的を果たすことができれば、総合制御部213および外部コンピュータ装置300のいずれが実行するように構成されていてもよい。すなわち、例えば、位置決め誤差測定プログラム、補正値設定情報生成プログラムおよび補正値テーブル生成プログラムのすべてを総合制御部213が実行するように構成すれば、外部コンピュータ装置300は、不要となる。また、補正値テーブル生成プログラムを外部コンピュータ装置300が実行することにより、外部コンピュータ装置300から工作機械200の補正値テーブル記憶部212に補正値テーブルを記憶させるように構成することもできる。
WK…ワーク、L…レーザ光、
100…位置決め精度設定装置、
200…工作機械、201…テーブル、202…工具、203…加工ヘッド、204…送り機構、205…送りねじ軸、206…送りモータ、207…ロータリエンコーダ、
210…モータ駆動部、211…移動量計算部、212…補正値テーブル記憶部、213…総合制御部、214…操作盤、215…表示装置、216…インターフェース、
300…外部コンピュータ装置、301…入力装置、302…表示装置、303…変位測定器、304…反射板。

Claims (11)

  1. ワークを保持するテーブルおよび前記ワークを加工する加工ヘッドのうちの少なくとも一方を変位対象物として他方に対して相対変位させる送り機構と、
    前記送り機構の作動を制御する制御手段とを備えた工作機械における前記送り機構の位置決め精度の設定方法において、
    前記送り機構による前記変位対象物の可動範囲における少なくとも3つの測定位置ごとに位置決め誤差をそれぞれ測定して同位置決め誤差を直接的または間接的に表す誤差値を取得する誤差値取得ステップと、
    前記少なくとも3つの測定位置のうちの両端の2つの測定位置よりも内側に存在する内側測定位置における前記誤差値と予め設定された所望誤差を直接的または間接的に表す所望誤差値との差を前記内側測定位置における補正値とするとともに同内側測定位置以外の前記測定位置における補正値を少なくとも前記内側測定位置の補正値より小さい補正値とした補正値設定情報を生成する補正値設定情報生成ステップと、
    前記送り機構による前記変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間に対して、前記補正値設定情報を用いて前記各測定位置に対応する前記各補正区間に同各測定位置に対応する前記補正値をそれぞれ設定した補正値テーブルを生成する補正値テーブル生成ステップとを含むことを特徴とする位置決め精度の設定方法。
  2. 請求項1に記載した位置決め精度の設定方法において、
    前記補正値設定情報生成ステップは、
    前記両端の2つの測定位置にそれぞれ対応する各補正値にそれぞれ0を設定するとともに、前記内側測定値に対して前記両端の2つの測定位置間における各補正値を直線補間により設定して前記補正値設定情報を生成し、
    前記補正値テーブル設定ステップは、
    前記補正値が設定された前記補正区間以外の補正区間に対して同補正値が設定された補正区間における補正値を用いて直線補間により補正値をそれぞれ設定して前記補正値テーブルを生成することを特徴とする位置決め精度の設定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載した位置決め精度の設定方法において、
    前記誤差値取得ステップは、
    前記変位対象物の可動範囲における略中央位置で前記誤差値を取得するとともに同略中央位置を中心として前記可動範囲における両端側の領域に互いに同数の前記測定位置でそれぞれ前記誤差値を取得し、
    前記補正値設定情報生成ステップは、
    前記変位対象物の可動範囲における略中央位置で前記誤差値を取得した前記測定位置を前記内側測定位置とすることを特徴とする位置決め精度の設定方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した位置決め精度の設定方法において、
    前記誤差値取得ステップは、
    同一の前記測定位置で複数回の測定を行うことにより得た複数の前記位置決め誤差を用いて計算した標準偏差を前記誤差値として取得し、
    前記補正値設定情報生成ステップの後に、さらに、
    前記補正値設定情報における前記各測定位置ごとの前記各補正値を前記誤差値取得ステップで測定した前記各測定位置ごとの前記各位置決め誤差に加算した複数の位置決め仮誤差の標準偏差を仮誤差値として取得する仮誤差値取得ステップと、
    前記仮誤差値取得ステップにて取得した前記複数の仮誤差値のうちの最大の仮誤差値と最少の仮誤差値との差である最大仮誤差幅と前記所望誤差値とを比較する仮誤差値比較ステップとを含み、
    前記補正値設定情報生成ステップは、
    前記仮誤差値比較ステップにて前記最大仮誤差幅が前記所望誤差値より小さいと判定されたとき、前記所望誤差値に所定値を加算した新たな前記所望誤差値を用いて再度実行され、
    前記補正値テーブル生成ステップは、
    前記仮誤差値比較ステップにて前記最大仮誤差幅が前記所望誤差値以上と判定されたときのみ実行されることを特徴とする位置決め精度の設定方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した位置決め精度の設定方法において、さらに、
    前記補正値テーブル生成ステップを実行する前に、前記補正値の設定のアクセス権の有無を判定するアクセス権判定ステップを含み、
    前記補正値テーブル生成ステップは、
    前記アクセス権判定ステップにてアクセス権が有ると判定されたときのみ実行されることを特徴とする位置決め精度の設定方法。
  6. ワークを保持するテーブルおよび前記ワークを加工する加工ヘッドのうちの少なくとも一方を変位対象物として他方に対して相対変位させる送り機構と、
    前記送り機構の作動を制御する制御手段とを備えた工作機械における前記送り機構の位置決め精度設定装置において、
    前記送り機構による前記変位対象物の可動範囲における少なくとも3つの測定位置ごとに位置決め誤差をそれぞれ測定して同位置決め誤差を直接的または間接的に表す誤差値を取得する誤差値取得手段と、
    前記少なくとも3つの測定位置のうちの両端の2つの測定位置よりも内側に存在する内側測定位置における前記誤差値と予め設定された所望誤差を直接的または間接的に表す所望誤差値との差を前記内側測定位置における補正値とするとともに同内側測定位置以外の前記測定位置における補正値を少なくとも前記内側測定位置の補正値より小さい補正値とした補正値設定情報を生成する補正値設定情報生成手段と、
    前記送り機構による前記変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間に対して、前記補正値設定情報を用いて前記各測定位置に対応する前記各補正区間に同各測定位置に対応する前記補正値をそれぞれ設定した補正値テーブルを生成する補正値テーブル生成手段とを備えることを特徴とする位置決め精度設定装置。
  7. 請求項6に記載した位置決め精度設定装置において、
    前記補正値設定情報生成手段は、
    前記両端の2つの測定位置にそれぞれ対応する各補正値にそれぞれ0を設定するとともに、前記内側測定値に対して前記両端の2つの測定位置間における各補正値を直線補間により設定して前記補正値設定情報を生成し、
    前記補正値テーブル設定手段は、
    前記補正値が設定された前記補正区間以外の補正区間に対して同補正値が設定された補正区間における補正値を用いて直線補間により補正値をそれぞれ設定して前記補正値テーブルを生成することを特徴とする位置決め精度設定装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載した位置決め精度設定装置において、
    前記誤差値取得手段は、
    前記変位対象物の可動範囲における略中央位置で前記誤差値を取得するとともに同略中央位置を中心として前記可動範囲における両端側の領域に互いに同数の前記測定位置でそれぞれ前記誤差値を取得し、
    前記補正値設定情報生成手段は、
    前記変位対象物の可動範囲における略中央位置で前記誤差値を取得した前記測定位置を前記内側測定位置とすることを特徴とする位置決め精度設定装置。
  9. 請求項6ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載した位置決め精度設定装置において、
    前記誤差値取得手段は、
    同一の前記測定位置で複数回の測定を行うことにより得た複数の前記位置決め誤差を用いて計算した標準偏差を前記誤差値として取得し、
    前記補正値設定情報を生成した後に、さらに、
    前記補正値設定情報における前記各測定位置ごとの前記各補正値を前記誤差値取得手段で測定した前記各測定位置ごとの前記各位置決め誤差に加算した複数の位置決め仮誤差の標準偏差を仮誤差値として取得する仮誤差値取得手段と、
    前記仮誤差値取得手段にて取得した前記複数の仮誤差値のうちの最大の仮誤差値と最少の仮誤差値との差である最大仮誤差幅と前記所望誤差値とを比較する仮誤差値比較手段とを含み、
    前記補正値設定情報生成手段は、
    前記仮誤差値比較手段にて前記最大仮誤差幅が前記所望誤差値より小さいと判定されたとき、前記所望誤差値に所定値を加算した新たな前記所望誤差値を用いて再度前記補正値設定情報を生成し、
    前記補正値テーブル生成手段は、
    前記仮誤差値比較手段にて前記最大仮誤差幅が前記所望誤差値以上と判定されたときのみ前記補正値テーブルを生成することを特徴とする位置決め精度設定装置。
  10. 請求項6ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載した位置決め精度設定装置において、さらに、
    前記補正値テーブルを生成する前に、前記補正値の設定のアクセス権の有無を判定するアクセス権判定手段を含み、
    前記補正値テーブル生成手段は、
    前記アクセス権判定手段によってアクセス権が有ると判定されたときのみ前記補正値テーブルを生成することを特徴とする位置決め精度設定装置。
  11. ワークを保持するテーブルおよび前記ワークを加工する加工ヘッドのうちの少なくとも一方を変位対象物として他方に対して相対変位させる送り機構と、
    前記送り機構の作動を制御する制御手段とを備えた工作機械に用いられる前記送り機構の位置決め精度の設定プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記送り機構による前記変位対象物の可動範囲における少なくとも3つの測定位置ごとに位置決め誤差をそれぞれ測定して同位置決め誤差を直接的または間接的に表す誤差値を取得する誤差値取得ステップと、
    前記少なくとも3つの測定位置のうちの両端の2つの測定位置よりも内側に存在する内側測定位置における前記誤差値と予め設定された所望誤差を直接的または間接的に表す所望誤差値との差を前記内側測定位置における補正値とするとともに同内側測定位置以外の前記測定位置における補正値を少なくとも前記内側測定位置の補正値より小さい補正値とした補正値設定情報を生成する補正値設定情報生成ステップと、
    前記送り機構による前記変位対象物の可動範囲内に設定した複数の補正区間に対して、前記補正値設定情報を用いて前記各測定位置に対応する前記各補正区間に同各測定位置に対応する前記補正値をそれぞれ設定した補正値テーブルを生成する補正値テーブル生成ステップとを実行させることを特徴とする位置決め精度の設定プログラム。
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