JP5398395B2 - 冷凍機の台数制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空調システムにおいて複数の冷凍機を増段又は減段して冷凍機を台数制御する技術に関する。
特許文献1では、冷凍機の定格流量を基に、増段する制御を行っている。具体的には、二次側設備の二次側流量が、冷凍機の定格流量の合計値である一次側流量よりも大きい場合、熱源機の運転台数を増段している。
特開2006−153324号公報
しかし、特許文献1では、流量のみを基準に増段する制御を行っているため、冷凍機を増段したときに既に、熱源機から二次側設備への冷水の送水温度が高くなり過ぎてしまう場合がある。
本発明の課題は、冷凍機の運転台数を、二次側設備からの冷水を的確に冷却できる台数にすることである。
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る冷凍機の台数制御方法は、熱負荷源から冷凍機側に戻される冷水が有する熱量である負荷側合計熱量に基づいて設定される冷凍機の増段条件及び減段条件を、それぞれ対熱量増段条件及び対熱量減段条件とし、熱負荷源から冷凍機側に戻される冷水の流量である負荷側合計流量に基づいて設定される冷凍機の増段条件及び減段条件を、それぞれ対流量増段条件及び対流量減段条件とし、対熱量増段条件及び対流量増段条件の何れかを満たす場合、冷凍機を1台増段し、対熱量減段条件及び対流量減段条件の全条件を満たす場合、冷凍機を1台減段する。
また、本発明の一態様に係る冷凍機の台数制御方法では対熱量減段条件は、対熱量増段条件に対してヒステリシスを有し、対流量減段条件は、対流量増段条件に対してヒステリシスを有し、
ヒステリシスを実現するものとして予め設定した値を、それぞれ冷凍機減段用ディファレンシャル熱量及び冷凍機減段用ディファレンシャル流量とし、そして、
対熱量増段条件としての第1増段条件を、
負荷側合計熱量>現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和
とし、
対流量増段条件としての第2増段条件を、
負荷側合計流量>現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷水最大流量の総和
とし、
対熱量減段条件としての第1減段条件を、
負荷側合計熱量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和)−(現在運転している冷凍機のうち、次に減段すると決めてある冷凍機の定格熱量)−(冷凍機減段用ディファレンシャル熱量)
とし、
対流量減段条件としての第2減段条件を、
負荷側合計流量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷水最大流量の総和)−(現在運転している冷凍機のうち、次に減段すると決めてある冷凍機の冷水最大流量)−(冷凍機減段用ディファレンシャル流量)
とする。
また、本発明の一態様に係る冷凍機の台数制御方法では
複数の前記対熱量増段条件及び複数の前記対熱量減段条件を基に、冷凍機の台数制御をするものであり、
前記空調システムでは、各冷凍機が冷却塔との間で冷却水を循環させており、
前記冷凍機系統のCOP(Coefficient Of Performance)の最大値を得る冷凍機の冷却負荷率を示す値であって、前記冷凍機の温度偏差(冷却水出口温度と冷水出口温度との差分)が小さいほど小さくなる値を冷凍機最適負荷率とし、
前記冷凍機最適負荷率と、前記冷凍機の温度偏差との関係から、前記冷凍機の現在の温度偏差に対応する前記冷凍機最適負荷率の現在値を求め、そして、
前記複数の対熱量増段条件のうちのもう一つの対熱量増段条件としての第3増段条件を、
負荷側合計熱量>((現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和)+(次に増段すると決めてある冷凍機の定格熱量))×(冷凍機最適負荷率の現在値)
とし、
前記複数の対熱量減段条件のうちのもう一つの対熱量減段条件としての第3減段条件を、
負荷側合計熱量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和)×(冷凍機最適負荷率の現在値)−(冷凍機減段用ディファレンシャル熱量)
とし、
前記第1増段条件、前記第2増段条件、及び前記第3増段条件の何れかを満たす場合、前記冷凍機を1台増段し、前記第1減段条件、前記第2減段条件、及び前記第3減段条件の全条件を満たす場合、前記冷凍機を1台減段する。
本発明の一態様に係る冷凍機の台数制御方法によれば、二次側設備から戻ってくる冷水に関し、流量及び熱量の両条件を基に一次側の冷凍機で冷却でき、二次側設備から戻ってくる冷水を的確に冷却できる。またヒステリシスを有することで、冷凍機2の台数制御のハンチング等を防止できる。
また二次側設備から戻ってくる冷水に関し、流量及び熱量の両条件を基に一次側の冷凍機で冷却でき、二次側設備から戻ってくる冷水を的確に冷却できる。
また、第3増段条件により冷凍機が増段された場合、そのときの冷凍機系統は、COPの最大値を得る冷却負荷率で運転されるようになる。これにより、一次側全体では、冷凍機を増段してもなお、高効率で冷水を冷却できるようになる。
本発明の第1の実施形態の空調システムの構成を示す図である。 第1の実施形態における台数制御部による冷凍機の台数制御の処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における台数制御部による冷凍機の台数制御の処理手順を示すフローチャートである。 インバータ冷凍機である冷凍機の冷却負荷率と本体COPとの関係を示す特性図である。 固定速ターボ冷凍機の冷却負荷率と本体COPとの関係を示す特性図である。 冷凍機の温度偏差に対応させて冷凍機最適増段負荷率を得るためのマップの一例を示す図である。 第3の実施形態における台数制御部による冷凍機の台数制御の処理手順を示すフローチャートである。 冷水生産能力と本体消費電力(本体消費電流)との関係を示す特性図である。 温度偏差と冷凍機冷凍余裕率との関係の一例を示す特性図である。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、第1の実施形態の空調システム1の構成図である。
図1に示すように、空調システム1は、並列配置した複数台の熱源機である冷凍機2と、各冷凍機2に備わる一次冷水ポンプ3と、各冷凍機2の出口側の往水管路4にヘッダ(往ヘッダ)5を介して接続された複数台の二次冷水ポンプ6と、二次冷水ポンプ6にヘッダ(往ヘッダ)7及び往水管路8を介して接続され、互いに並列配置された複数台の空調機(二次側熱負荷源)9と、各空調機9と還水管路10を介して接続されるヘッダ(還ヘッダ)11と、還水管路10に備わる絞り弁(二方弁)12と、ヘッダ5,11間を接続するバイパス管13と、バイパス管13に備わる絞り弁(二方弁)14と、空調システム1を制御する制御装置20と、を備える。
各冷凍機2は、還水管路15を介してヘッダ11と接続されており、各冷凍機2に対応して還水管路15に一次冷水ポンプ3を備える。各冷凍機2は、圧縮機の回転数等をインバータ制御可能なインバータ駆動冷凍機である。各冷凍機2に対応して往水管路4に冷水出口温度センサ31を備える。また、各冷凍機2には、冷却水配管32が接続されている。各冷却水配管32には、冷却塔33、冷却水ポンプ34及び冷却水出口温度センサ35を備える。この各冷却水配管32により冷却水が循環し、各冷却塔33からの冷却水が各冷凍機2に送られる。
制御装置20は、冷凍機2のインバータ制御をするインバータ制御部21と、冷凍機2を増段及び減段する台数制御をする台数制御部22とを備える。制御装置20には、冷水出口温度センサ31及び冷却水出口温度センサ35の検出値が入力される。
図2は、台数制御部22による冷凍機2の台数制御の処理手順を示す。
(ステップS11)
ステップS11では、台数制御部22は、第1増段条件又は第2増段条件を満たすか否かを判定する。
ここで、第1増段条件とは、冷凍機2の定格熱量に基づいて設定された冷凍機2を増段するための条件である。具体的には、第1増段条件とは、負荷側合計熱量がしきい値となる増段熱量を超えているときに満たしていると判定される条件である。ここで、負荷側合計熱量とは、二次側熱量、すなわち、各空調機9について供給する往水とその還水との温度差に対して流量を乗算して熱量(負荷熱量)を算出し、それら各空調機9について得た熱量を合計した値である。増段熱量は、現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力(定格熱量)の総和である。
すなわち、第1増段条件は、
負荷側合計熱量>現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和 ・・・(1)
となる。
また、第2増段条件とは、冷凍機2の冷水最大流量(冷凍機冷水最大流量)を基に冷凍機2を増段するための条件である。具体的には、第2増段条件とは、負荷側合計流量がしきい値となる増段流量を超えているときに満たしていると判定される条件である。ここで、冷凍機2の冷水最大流量とは、冷凍機2で処理可能な冷水の最大流量である。例えば、冷凍機2からみて余裕をもって選定している一次冷水ポンプ3の定格流量を基に決定される。負荷側合計流量とは、二次側流量、すなわち、各空調機9からの冷水の流量を合計した値である。増段流量は、現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機の冷水最大流量の総和である。
すなわち、第2増段条件は、
負荷側合計流量>現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機冷水最大流量の総和 ・・・(2)
となる。
このステップS11では、台数制御部22は、第1増段条件又は第2増段条件の少なくとも何れかを満たした場合、ステップS12に進む。台数制御部22は、そうでない場合、すなわち、第1増段条件及び第2増段条件の何れも満たさない場合、ステップS13に進む。
(ステップS12)
ステップS12では、台数制御部22は、増段要求をする。具体的には、台数制御部22は、予め決めてある冷凍機2の運転を開始させる。さらに、台数制御部22は、その冷凍機2の補機となる一次冷水ポンプ3の運転も同時に開始させる。そして、台数制御部22は、該図2に示す処理を終了する(前記ステップS11からの処理を再び開始する)。
(ステップS13)
ステップS13では、台数制御部22は、第1減段条件及び第2減段条件を満たすか否かを判定する。
ここで、第1減段条件とは、冷凍機2の定格熱量を基に冷凍機2を減段するための条件である。具体的には、第1減段条件とは、負荷側合計熱量がしきい値となる減段熱量以下であるときに満たされていると判定される条件である。ここで、減段熱量とは、現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和から、現在運転している冷凍機のうち減段要求があったならば次に減段すると決めてある冷凍機の冷凍機定格冷凍能力及び冷凍機減段用ディファレンシャル熱量を減算した値である。冷凍機減段用ディファレンシャル熱量を用いることで、第1減段条件は、第1増段条件に対してヒステリシスを有するものとなる。
すなわち、第1減段条件は、
負荷側合計熱量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和)−(現在運転している冷凍機のうち、減段要求があったならば次に減段すると決めてある冷凍機の冷凍機定格冷凍能力)−(冷凍機減段用ディファレンシャル熱量) ・・・(3)
となる。
また、第2減段条件とは、冷凍機2の冷水最大流量に基づいて設定された冷凍機2を減段するための条件である。具体的には、第2減段条件とは、負荷側合計流量がしきい値となる減段流量以下であるときに満たされていると判定される条件である。ここで、減段流量とは、現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機冷水最大流量の総和から、現在運転している冷凍機のうち減段要求があったならば次に減段すると決めてある冷凍機の冷凍機冷水最大流量、及び冷凍機減段用ディファレンシャル流量を減算した値である。冷凍機減段用ディファレンシャル流量を用いることで、第2減段条件は、第2増段条件に対してヒステリシスを有するものとなる。
すなわち、第2減段条件は、
負荷側合計流量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機冷水最大流量の総和)−(現在運転している冷凍機のうち、減段要求があったならば次に減段すると決めてある冷凍機の冷凍機冷水最大流量)−(冷凍機減段用ディファレンシャル流量) ・・・(4)
となる。
このステップS13では、台数制御部22は、第1減段条件及び第2減段条件の両方を満たした場合、ステップS14に進む。台数制御部22は、そうでない場合、すなわち、第1減段条件及び第2減段条件の一方でも満たさない場合、ステップS15に進む。
(ステップS14)
ステップS14では、台数制御部22は、減段要求をする。具体的には、台数制御部22は、予め決めてある冷凍機2の運転を停止させる。さらに、台数制御部22は、その冷凍機2の補機となる一次冷水ポンプ3の運転も同時に停止させる。そして、台数制御部22は、該図2に示す処理を終了する(前記ステップS11からの処理を再び開始する)。
(ステップS15)
ステップS15では、台数制御部22は、増減段要求をしない。すなわち、冷凍機2の現状の運転台数を維持する。そして、台数制御部22は、該図2に示す処理を終了する(前記ステップS11からの処理を再び開始する)。
なお、この第1の実施形態では、第1増段条件が対熱量増段条件に対応し、第2増段条件が対流量増段条件に対応し、第1減段条件が対熱量減段条件に対応し、第2減段条件が対流量減段条件に対応する。
(動作、作用及び効果)
空調システム1では、第1増段条件(前記(1)式)又は第2増段条件(前記(2)式)の少なくとも何れかを満たすと、増段要求により、予め決めてある冷凍機2と共にその補機となる一次冷水ポンプ3の運転を開始させる(前記ステップS11→ステップS12)。
一方、空調システム1では、第1減段条件(前記(3)式)及び第2減段条件(前記(4)式)の両方を満たすと、減段要求により、予め決めてある冷凍機2と共にその補機となる一次冷水ポンプ3の運転を停止させる(前記ステップS13→ステップS14)。
また、空調システム1では、前記ステップS11の判定、及び前記ステップS13の判定の何れでも判定条件を満たす結果が得られない場合、増減段しない、すなわち、現状の運転台数を維持する(前記ステップS11→ステップS13→ステップS15)。
このように、第1増段条件(前記(1)式)又は第2増段条件(前記(2)式)の少なくとも何れかを満たす場合に、増段し、第1減段条件(前記(3)式)及び第2減段条件(前記(4)式)の両条件を満たす場合に、減段することで、二次側熱量が一次側熱量(冷却能力)を超えることもなく、かつ二次側流量が一次側流量を超えることもなく、冷凍機2の台数制御ができるようになる。これにより、二次側設備から戻ってくる冷水を的確に一次側で冷却できる。
また、第1増段条件と第1減段条件との間、及び第2増段条件と第2減段条件との間それぞれに、ヒステリシスを設けることで、冷凍機2の台数制御のハンチング等を防止できる。
(第2の実施形態)
(構成)
第2の実施形態の空調システムの基本的構成は、前記図1に示した第1の実施形態の空調システムの構成と同一である。
図3は、台数制御部22による冷凍機2の台数制御の処理手順を示す。
(ステップS21)
ステップS21では、台数制御部22は、第1増段条件、第2増段条件又は第3増段条件の何れかを満たすか否かを判定する。
ここで、第1増段条件及び第2増段条件は、前記第1の実施形態で説明した通りである。第3増段条件とは、冷凍機2の定格熱量に基づいて設定された冷凍機2を増段するための条件である。具体的には、第3増段条件とは、負荷側合計熱量がしきい値となる増段熱量を超えているときに満たしていると判定される条件である。ここで、負荷側合計熱量は、前記第1の実施形態で説明した通りである。また、ここでいう増段熱量は、現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和に、増段要求があったならば次に増段すると決めてある冷凍機の冷凍機定格冷凍能力を加算し、その加算値に冷凍機最適増段負荷率を乗算した値である。
ここで、図4は、インバータ冷凍機固有の特性図の一例であり、インバータ冷凍機である冷凍機2の冷却負荷率と本体(単体)COP(Coefficient Of Performance、成績係数)との関係を示す。この図4は、冷凍機2の冷却水出口温度(具体的には、冷水出口温度(7℃)との差分)をパラメータとして、冷却負荷率と本体COPとの関係を示す。
図4に示すように、冷凍機2の冷却水出口温度が低いほど(もしくは温度偏差が小さいほど)、本体COP全体が大きくなる。そして、冷凍機2の冷却水出口温度が低くなると(もしくは温度偏差が小さくなると)、冷却負荷率が100(%)未満で本体COPの最大点(最大COP)が得られるようになる。さらに、冷凍機2の温度偏差が小さくなるほど、その本体COPの最大点は、冷却負荷率がより低くなる方向に移動するようになる。すなわち、冷凍機2の温度偏差が小さくなるほど、高効率で冷凍機2を運転させることができるようになる。例えば、圧縮機の回転数を抑えて、冷凍機2を運転させることができるようになる。
図5は、前記図4と対比するために示す固定速ターボ冷凍機(定速機)固有の特性図の一例であり、固定速ターボ冷凍機の冷却負荷率と本体COPとの関係を示す。
図5に示すように、インバータ冷凍機同様に、固定速ターボ冷凍機の温度偏差が小さいほど、本体COP全体が大きくなる。しかし、インバータ冷凍機(前記図4の特性)と比較して、温度偏差の減少に対する本体COP全体の増加割合は小さい。さらに、固定速ターボ冷凍機の温度偏差が小さくなっても、インバータ冷凍機で得られたような本体COPの最大点(前記図4の特性)が顕著に現れない。すなわち、固定速ターボ冷凍機では、温度偏差が小さくなっても、インバータ冷凍機の場合のように、低い負荷率の場合には高効率で運転できるわけでもない。
本実施形態において、冷凍機最適増段負荷率とは、前記図4に示す本体COPの最大値(図4中の黒丸印)が得られるときの冷却負荷率のことである。そして、前記図4に示したように、本体COPの最大値が冷凍機2の温度偏差に応じて変化する特性があることから、この特性を予め実験等により求めておく。
図6は、温度偏差から冷凍機最適増段負荷率を得るためのマップの一例を示す。図6は、温度偏差と、冷凍機最適増段負荷率との関係を示す。図6に示すように、温度偏差が小さくなるほど、冷凍機最適増段負荷率が小さくなる(本例では、0.3〜1.0の間で変化)。
例えば、実験値、経験値又は理論値として、温度偏差と冷凍機最適増段負荷率との関係からなるマップを得る。例えば、複数の温度偏差について冷凍機最適増段負荷率を得る実験を行い、その実験結果よりマップを得る。このとき、実験を行わない温度偏差に対応する冷凍機最適増段負荷率については、他のデータを補間して得るようにする。
また、下記(5)式のように、冷凍機最適増段負荷率f1(x)を得ることもできる。
f1(x)=a・x+b・x+c・x+d ・・・(5)
ここで、xは温度偏差である。a,b,c,dは定数である。
以上のような冷凍機最適増段負荷率の取得については、具体的には、台数制御部22は、冷却水出口温度センサ35と冷水出口温度センサ31から得た、温度偏差を算出し、算出した温度偏差に対応する冷凍機最適増段負荷率を算出した温度偏差に対応する冷凍機最適増段負荷率を、前記マップや数式により算出している。
ここで、冷却水出口温度や冷水出口温度は、センサで計測された値を用いる代わりに冷凍機2を最適運転させるために演算した仮想的な温度として温度偏差を求め、冷凍機最適増段負荷率を算出することもできる。
また、冷凍機最適増段負荷率を算出するための本体COPは、冷凍機本体だけでなく、冷水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔ファンまで含めた、冷凍機系統の総合COPとすることもできる。総合COPの算出にあたっては、外気条件と冷却負荷をもとに運転シミュレーションを作成し、その結果をもとに、図6のかわりに外気湿球温度と冷凍機最適増段負荷率の関係式を作成してもよい。この場合は(5)式のxは外気湿球温度となる。
このようして得られる冷凍機最適増段負荷率を用いて、第3増段条件は、
負荷側合計熱量>((現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和)+(増段要求があったならば次に増段すると決めてある冷凍機の冷凍機定格冷凍能力))×(冷凍機最適増段負荷率) ・・・(6)
となる。
このステップS21では、台数制御部22は、第1増段条件、第2増段条件又は第3増段条件の少なくとも何れかを満たした場合、ステップS22に進む。台数制御部22は、そうでない場合、すなわち、第1増段条件、第2増段条件及び第3増段条件の何れも満たさない場合、ステップS23に進む。
(ステップS22)
ステップS22では、台数制御部22は、増段要求をする。具体的には、台数制御部22は、予め決めてある冷凍機2の運転を開始させる。さらに、台数制御部22は、その冷凍機2の補機となる一次冷水ポンプ3の運転も同時に開始させる。そして、台数制御部22は、該図3に示す処理を終了する(前記ステップS21からの処理を再び開始する)。
(ステップS23)
ステップS23では、台数制御部22は、第1減段条件、第2減段条件及び第3減段条件を満たすか否かを判定する。
ここで、第1減段条件及び第2減段条件は、前記第1の実施形態で説明した通りである。第3減段条件とは、冷凍機2の定格熱量に基づいて設定された冷凍機2を減段するための条件である。具体的には、第3減段条件とは、負荷側合計熱量がしきい値となる減段熱量以下であるときに満たされていると判定される条件である。ここで、負荷側合計熱量は、前記第1の実施形態で説明した通りである。また、ここでいう減段熱量とは、現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和に冷凍機最適減段負荷率を乗算し、その乗算値から冷凍機減段用ディファレンシャル熱量を減算した値である。ここで、冷凍機最適減段負荷率は、前記冷凍機最適増段負荷率(冷凍機最適負荷率)と同等な値である(冷凍機最適負荷率=冷凍機最適増段負荷率=冷凍機最適減段負荷率)。また、冷凍機減段用ディファレンシャル熱量を用いることで、第3減段条件は、第3増段条件に対してヒステリシスを有するものとなる。
すなわち、第3減段条件は、
負荷側合計熱量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和)×(冷凍機最適減段負荷率)−(冷凍機減段用ディファレンシャル熱量) ・・・(7)
となる。
このステップS23では、台数制御部22は、第1減段条件、第2減段条件及び第3減段条件の全てを満たした場合、ステップS24に進む。台数制御部22は、そうでない場合、すなわち、第1減段条件、第2減段条件及び第3減段条件の何れかを満たさない場合、ステップS25に進む。
(ステップS24)
ステップS24では、台数制御部22は、減段要求をする。具体的には、台数制御部22は、予め決めてある冷凍機2の運転を停止させる。さらに、台数制御部22は、その冷凍機2の補機となる一次冷水ポンプ3の運転も同時に停止させる。そして、台数制御部22は、該図3に示す処理を終了する(前記ステップS21からの処理を再び開始する)。
(ステップS25)
ステップS25では、台数制御部22は、増減段要求をしない。そして、台数制御部22は、該図3に示す処理を終了する(前記ステップS21からの処理を再び開始する)。
なお、この第2の実施形態では、第1増段条件及び第3増段条件が複数の対熱量増段条件に対応し、第2増段条件が対流量増段条件に対応し、第1減段条件及び第3減段条件が複数の対熱量減段条件に対応し、第2減段条件が対流量減段条件に対応する。
(動作、作用及び効果)
空調システム1では、第1増段条件(前記(1)式)、第2増段条件(前記(2)式)又は第3増段条件(前記(6)式)の少なくとも何れかを満たすと、増段要求により、予め決めてある冷凍機2と共にその補機となる一次冷水ポンプ3の運転を開始させる(前記ステップS21→ステップS22)。
一方、空調システム1では、第1減段条件(前記(3)式)、第2減段条件(前記(4)式)、及び第3減段条件(前記(7)式)の全てを満たすと、減段要求により、予め決めてある冷凍機2と共にその補機となる一次冷水ポンプ3の運転を停止させる(前記ステップS23→ステップS24)。
また、空調システム1では、前記ステップS21の判定、及び前記ステップS23の判定の何れでも判定条件を満たす結果が得られない場合、増減段しない、すなわち、現状の運転台数を維持する(前記ステップS21→ステップS23→ステップS25)。
このように、第1増段条件(前記(1)式)、第2増段条件(前記(2)式)、又は第3増段条件(前記(6)式)の少なくとも何れかを満たす場合に、増段し、第1減段条件(前記(3)式)、第2減段条件(前記(4)式)、及び第3減段条件(前記(7)式)の全条件を満たす場合に、減段することで、前記第1の実施形態と同様に、二次側熱量が一次側熱量(冷却能力)を超えることもなく、かつ二次側流量が一次側流量を超えることもなく、冷凍機2の台数制御ができるようになる。これにより、二次側設備から戻ってくる冷水を的確に一次側で冷却できる。
また、第1増段条件と第1減段条件との間、第2増段条件と第2減段条件との間、及び第3増段条件と第3減段条件との間それぞれに、ヒステリシスを設けることで、前記第1の実施形態と同様に、冷凍機2の台数制御のハンチング等を防止できる。
さらに、第2の実施形態では、第3増段条件により冷凍機2が増段された場合、そのときの(複数台の)冷凍機2は、本体COPの最大値を得る冷却負荷率で運転されるようになる。
例えば、現在の温度偏差に対応して冷凍機最適増段負荷率が0.3であるときに、第3増段条件により冷凍機2が増段されると、各冷凍機2は、30%相当の冷却負荷率にあり、かつ本体COPが最大点となっている動作点で、運転されるようになる。
より具体的な例を示すと、45%相当の冷却負荷率で2台の冷凍機2を運転しているときに、第3増段条件を満たした場合、1台増段されて、3台の冷凍機2が稼動するようになる。このとき、冷凍機最適増段負荷率が0.3であった場合、3台の冷凍機2は、30%相当の冷却負荷率にあり、かつ本体COPが最大点となっている動作点で、運転されるようになる。すなわち、運転を継続する2台の冷凍機2に加えて、新たに運転を開始した冷凍機2が、本体COPが最大点となっている動作点で運転されるようになる。
これにより、運転される冷凍機2それぞれの冷却負荷率が45%相当から30%相当に低下するため、一次側全体では、冷凍機2を増段してもなお、高効率で冷水を冷却できるようになる。
例えば、前記第1の実施形態では、現在運転している冷凍機の運転状態が定格熱量や冷水最大流量になったときに、冷凍機を増段している。これに対して、第2の実施形態では、現在運転している冷凍機の運転状態が定格熱量や定格熱量に達してなく、運転状態に余裕があるときでも、増段するようになる。しかし、第2の実施形態では、本体COPが最大点となっている動作点で、各冷凍機2を運転することができる。
これにより、前記第1の実施形態との比較では、冷凍機2が増段され易くなるものの(運転台数が増えるものの)、一次側全体として、高効率で冷水を冷却できるようになる。
(第3の実施形態)
(構成)
第3の実施形態の空調システムの基本的構成は、前記図1に示した第1の実施形態の空調システムの構成と同一である。
図7は、台数制御部22による冷凍機2の台数制御の処理手順を示す。
(ステップS31)
ステップS31では、台数制御部22は、第2増段条件、第3増段条件又は第4増段条件の何れかを満たすか否かを判定する。
ここで、第2増段条件及び第3増段条件は、前記第1及び第2の実施形態で説明した通りである。第4増段条件とは、冷凍機2の定格熱量に基づいて設定された冷凍機2を増段するための条件である。具体的には、第4増段条件とは、負荷側合計熱量がしきい値となる増段熱量を超えているときに満たしていると判定される条件である。ここで、負荷側合計熱量は、前記第1の実施形態で説明した通りである。また、ここでいう増段熱量は、現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和に冷凍機冷凍余裕率の現在値を乗算した値である。
ここで、冷凍機冷凍余裕率を説明する。
前記図4を用いて説明したように、温度偏差がその定格値(本例では、37℃(冷却水出口温度)−7℃(冷水出口温度)=30℃)から低下すると、高効率で冷水を冷却できるようになる。言い換えれば、このことは、冷凍機2の消費電力(消費電流)を抑えて冷水を冷却できるということである。すなわち、冷凍機2の定格能力以上の冷水負荷を生産しても、冷凍機2の上限電力(上限電流)に上昇させることなく、消費電力に余裕をもって冷凍機2の運転継続が可能になることである。
図8は、このような関係を、冷水生産能力と本体消費電力(本体消費電流)との関係として表した例である。ここで、冷水生産能力は、冷凍機2の冷水の生産能力である。また、本体消費電力は、冷凍機2の消費電力である。冷水生産能力と本体消費電力との関係は、温度偏差が定格温度である30℃のときに、冷水生産能力が100%となり、本体消費電力が100%(本体消費電力の上限電力)となる。
この例では、温度偏差が8℃程度まで低下すると、冷却負荷率の低下に起因して、冷水生産能力が120%まで上昇してようやく本体消費電力の上限電力(100%)になる。すなわち、温度偏差が8℃程度まで低下すると、冷凍機2は最大120%の冷水生産能力で運転させることが可能になる。
冷凍機冷凍余裕率を、温度偏差(冷却水出口温度−冷水出口温度)を用いて、
冷凍機冷凍余裕率=f2(冷却水出口温度−冷水出口温度) ・・・(8)
と定義する。
この(8)式に示すように、温度偏差から冷凍機冷凍余裕率を定義する。この冷凍機冷凍余裕率は、冷凍機2の定格熱量に対する該冷凍機2の現在の運転状態の余裕の度合いを示す値となる。より具体的には、冷凍機冷凍余裕率は、冷凍機2の本体消費電力の上限電力となる動作点に対する冷凍機2の運転状態(現在の本体消費電力)の余裕の度合いを示す値となる。この冷凍機冷凍余裕率は、1.0〜1.5の間で変化する。例えば、冷凍機冷凍余裕率が1.0の場合とは、冷凍機2の本体消費電力が上限電力(100%)に達している場合を言う。
図9は、前記(8)式により得られる、温度偏差と冷凍機冷凍余裕率との関係の一例を示す。図9に示すように、温度偏差が小さくなると、冷凍機冷凍余裕率が1.0から1.5に増加していく。これは、温度偏差が小さいほど、冷凍機2の本体消費電力に余裕があり、冷凍機2の冷水生産能力に余裕があることを示す。
このような冷凍機最適増段負荷率の取得については、具体的には台数制御部22は冷却水出口温度センサ35と冷水出口温度センサ31から得た、温度偏差に対応する冷凍機冷凍余裕率を算出する。
ここで、冷却水出口温度や冷水出口温度は、センサで計測された値を用いる代わりに冷凍機2を最適運転させるために演算した仮想的な温度として温度偏差を求め、冷凍機最適増段負荷率を算出することもできる。
このようにして得られる冷凍機冷凍余裕率を用いて、第4増段条件は、
負荷側合計熱量>(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和)×(冷凍機冷凍余裕率の現在値) ・・・(9)
となる。
この第4増段条件は、前記第1の実施形態の第1増段条件(前記(1)式)を変形した条件である。
このステップS31では、台数制御部22は、第2増段条件、第3増段条件又は第4増段条件の少なくとも何れかを満たした場合、ステップS32に進む。台数制御部22は、そうでない場合、すなわち、第2増段条件、第3増段条件及び第4増段条件の何れも満たさない場合、ステップS33に進む。
(ステップS32)
ステップS32では、台数制御部22は、増段要求をする。具体的には、台数制御部22は、予め決めてある冷凍機2の運転を開始させる。さらに、台数制御部22は、その冷凍機2の補機となる一次冷水ポンプ3の運転も同時に開始させる。そして、台数制御部22は、該図7に示す処理を終了する(前記ステップS31からの処理を再び開始する)。
(ステップS33)
ステップS33では、台数制御部22は、第2減段条件、第3減段条件及び第4減段条件を満たすか否かを判定する。
ここで、第2減段条件及び第3減段条件は、前記第1及び第2の実施形態で説明した通りである。第4減段条件とは、冷凍機2の定格熱量に基づいて設定された冷凍機2を減段するための条件である。具体的には、第4減段条件とは、負荷側合計熱量がしきい値となる減段熱量以下であるときに満たされていると判定される条件である。ここで、負荷側合計熱量は、前記第1の実施形態で説明した通りである。
また、ここでいう減段熱量は、次のように求められる。
先ず、現在運転している冷凍機2それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和から、現在運転している冷凍機のうち減段要求があったならば次に減段すると決めてある冷凍機の冷凍機定格冷凍能力を減算する。そして、その減算値に冷凍機冷凍余裕率の現在値を乗算する。さらに、その乗算値から冷凍機減段用ディファレンシャル熱量を減算する。冷凍機減段用ディファレンシャル熱量を用いることで、第4減段条件は、第4増段条件に対してヒステリシスを有するものとなる。
以上より、第4減段条件は、
負荷側合計熱量≦((現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷凍機定格冷凍能力の総和)−(現在運転している冷凍機のうち、減段要求があったならば次に減段すると決めてある冷凍機の冷凍機定格冷凍能力))×(冷凍機冷凍余裕率の現在値)−(冷凍機減段用ディファレンシャル熱量) ・・・(10)
となる。
この第4減段条件は、前記第1の実施形態の第1減段条件(前記(3)式)を変形した条件である。
このステップS33では、台数制御部22は、第2減段条件、第3減段条件及び第4減段条件の全てを満たした場合、ステップS34に進む。台数制御部22は、そうでない場合、すなわち、第2減段条件、第3減段条件及び第4減段条件の何れかを満たさない場合、ステップS35に進む。
(ステップS34)
ステップS34では、台数制御部22は、減段要求をする。具体的には、台数制御部22は、予め決めてある冷凍機2の運転を停止させる。さらに、台数制御部22は、その冷凍機2の補機となる一次冷水ポンプ3の運転も同時に停止させる。そして、台数制御部22は、該図7に示す処理を終了する(前記ステップS31からの処理を再び開始する)。
(ステップS35)
ステップS35では、台数制御部22は、増減段要求をしない。そして、台数制御部22は、該図7に示す処理を終了する(前記ステップS31からの処理を再び開始する)。
なお、この第2の実施形態では、第3増段条件及び第4増段条件が複数の対熱量増段条件に対応し、第2増段条件が対流量増段条件に対応し、第3減段条件及び第4減段条件が複数の対熱量減段条件に対応し、第2減段条件が対流量減段条件に対応する。
(動作、作用及び効果)
空調システム1では、第2増段条件(前記(2)式)、第3増段条件(前記(6)式)又は第4増段条件(前記(9)式)の少なくとも何れかを満たすと、増段要求により、予め決めてある冷凍機2と共にその補機となる一次冷水ポンプ3の運転を開始させる(前記ステップS31→ステップS32)。
一方、空調システム1では、第2減段条件(前記(4)式)、第3減段条件(前記(7)式)、及び第4減段条件(前記(10)式)の全てを満たすと、減段要求により、予め決めてある冷凍機2と共にその補機となる一次冷水ポンプ3の運転を停止させる(前記ステップS33→ステップS34)。
また、空調システム1では、前記ステップS31の判定、及び前記ステップS33の判定の何れでも判定条件を満たす結果が得られない場合、増減段しない、すなわち、現状の運転台数を維持する(前記ステップS31→ステップS33→ステップS35)。
これにより、第2増段条件と第2減段条件との間、第3増段条件と第3減段条件との間、及び第4増段条件と第4減段条件との間それぞれに、ヒステリシスを設けることで、前記第1及び第2の実施形態と同様に、冷凍機2の台数制御のハンチング等を防止できる。
また、第3の実施形態では、第4増段条件により冷凍機2が増段された場合(増段直前では)、そのときの(複数台の)冷凍機2は、その冷凍機2の定格熱量付近で運転されている。この増段時に温度偏差が小さい(冷却水出口温度が低い)ようなときには、運転効率(本体COP、又はその本体COPの最大値)が上昇する特性に起因して、冷凍機2は、消費電力を上限電力以下として、冷凍機の定格熱量(定格能力)以上の冷水負荷を生産できる。
より具体的な例を示すと、2台の冷凍機2を運転しているときに、第4増段条件を満たした場合、1台増段されて、3台の冷凍機2が稼動するようになる。このとき、前記(8)式より冷凍機冷凍余裕率の現在値が1.5として算出されている場合には、増段前の2台の冷凍機2が冷水生産能力を150%程度に発揮して運転されている。このとき、2台の冷凍機2の定格能力以上の冷水負荷を生産しても、上限電力以下の本体消費電力で冷凍機2が運転されている。
そして、2台の冷凍機2がそのような150%程度の冷水生産能力を超えると、増段されて、3台の冷凍機2が稼動するようになる。
例えば、前記第1の実施形態では、現在運転している冷凍機の運転状態が定格熱量や冷水最大流量になったときに、冷凍機を増段している。これに対して、第3の実施形態では、現在運転している冷凍機の運転状態が定格熱量を超えても、本体消費電力を指標とした冷凍機の運転状態に余裕がある限り、増段せずに、運転台数を維持することが可能になる。
これにより、前記第1の実施形態との比較では、冷凍機2の冷水生産能力を最大限に発揮させて冷凍機の台数制御ができるようになる。
本発明は、インバータ冷凍機を備えた空調システムに利用できる。
1 空調システム、2 冷凍機、3 一次冷水ポンプ、9 空調機(熱負荷源) 制御装置、21 インバータ制御部、22 台数制御部、31 冷水出口温度センサ、33 冷却塔、35 冷却水出口温度センサ

Claims (1)

  1. 一次側設備としての冷凍機が複数台並列に配置され、前記複数台の冷凍機に対して二次側設備としての熱負荷源が接続されて、前記複数台の冷凍機と前記熱負荷源との間で冷水が循環可能になっている空調システムの、前記複数の冷凍機を増段又は減段して台数制御する冷凍機の台数制御方法において、
    前記熱負荷源から前記冷凍機側に戻される冷水が有する熱量である負荷側合計熱量に基づいて設定される前記冷凍機の増段条件及び減段条件を、それぞれ対熱量増段条件及び対熱量減段条件とし、
    前記熱負荷源から前記冷凍機側に戻される冷水の流量である負荷側合計流量に基づいて設定される前記冷凍機の増段条件及び減段条件を、それぞれ対流量増段条件及び対流量減段条件とし、
    前記対熱量増段条件及び前記対流量増段条件の何れかを満たす場合、前記冷凍機を1台増段し、前記対熱量減段条件及び前記対流量減段条件の全条件を満たす場合、前記冷凍機を1台減段し、
    前記対熱量減段条件は、前記対熱量増段条件に対してヒステリシスを有し、
    前記対流量減段条件は、前記対流量増段条件に対してヒステリシスを有し、
    前記ヒステリシスを実現するものとして予め設定した値を、それぞれ冷凍機減段用ディファレンシャル熱量及び冷凍機減段用ディファレンシャル流量とし、そして、
    前記対熱量増段条件としての第1増段条件を、
    負荷側合計熱量>現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和
    とし、
    前記対流量増段条件としての第2増段条件を、
    負荷側合計流量>現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷水最大流量の総和
    とし、
    前記対熱量減段条件としての第1減段条件を、
    負荷側合計熱量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和)−(現在運転している冷凍機のうち、次に減段すると決めてある冷凍機の定格熱量)−(冷凍機減段用ディファレンシャル熱量)
    とし、
    前記対流量減段条件としての第2減段条件を、
    負荷側合計流量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている冷水最大流量の総和)−(現在運転している冷凍機のうち、次に減段すると決めてある冷凍機の冷水最大流量)−(冷凍機減段用ディファレンシャル流量)
    とし
    複数の前記対熱量増段条件及び複数の前記対熱量減段条件を基に、冷凍機の台数制御をするものであり、
    前記空調システムでは、各冷凍機が冷却塔との間で冷却水を循環させており、
    前記冷凍機系統のCOP(Coefficient Of Performance)の最大値を得る冷凍機の冷却負荷率を示す値であって、前記冷凍機の冷却水出口温度と冷水出口温度との差分(以下、温度偏差という。)が小さいほど小さくなる値を冷凍機最適負荷率とし、
    前記冷凍機最適負荷率と、前記冷凍機の温度偏差との関係から、前記冷凍機の現在の温度偏差に対応する前記冷凍機最適負荷率の現在値を求め、そして、
    前記複数の対熱量増段条件のうちのもう一つの対熱量増段条件としての第3増段条件を、
    負荷側合計熱量>((現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和)+(次に増段すると決めてある冷凍機の定格熱量))×(冷凍機最適負荷率の現在値)
    とし、
    前記複数の対熱量減段条件のうちのもう一つの対熱量減段条件としての第3減段条件を、
    負荷側合計熱量≦(現在運転している冷凍機それぞれに設定されている定格熱量の総和)×(冷凍機最適負荷率の現在値)−(冷凍機減段用ディファレンシャル熱量)
    とし、
    前記第1増段条件、前記第2増段条件、及び前記第3増段条件の何れかを満たす場合、前記冷凍機を1台増段し、前記第1減段条件、前記第2減段条件、及び前記第3減段条件の全条件を満たす場合、前記冷凍機を1台減段することを特徴とする冷凍機の台数制御方法。
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