JP5394757B2 - 架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 - Google Patents
架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5394757B2 JP5394757B2 JP2009004862A JP2009004862A JP5394757B2 JP 5394757 B2 JP5394757 B2 JP 5394757B2 JP 2009004862 A JP2009004862 A JP 2009004862A JP 2009004862 A JP2009004862 A JP 2009004862A JP 5394757 B2 JP5394757 B2 JP 5394757B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- composition
- mass
- content
- crosslinked
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
[1](A)tanδピーク温度が−15℃以上15℃未満である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(B)tanδピーク温度が15℃以上である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(C)ショアーA硬度が70度以上であるエチレン系共重合体10〜60質量%と、(D)架橋剤と、(E)発泡剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する、(A)成分と(B)成分の合計が、40〜90質量%である、架橋発泡用組成物。
[2](F)無機充填剤を更に含有する、[1]に記載の架橋発泡用組成物。
[3]架橋発泡用組成物において、(D)成分の含有量が、0.05〜3質量%であり、(E)成分の含有量が、0.2〜15質量%であり、(F)成分の含有量が、0〜20質量%である、[1]又は[2]に記載の架橋発泡用組成物。
[4](C)成分のショアーA硬度が75度以上である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[5](C)成分が、エチレン・α−オレフィン共重合体である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[6]架橋発泡用組成物の総量に対する、(F)成分の含有量が、0〜10質量%である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[7](A)成分の含有量が、(B)成分の含有量よりも多い、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[8](A)成分及び/又は(B)成分が、水素添加前に含まれる不飽和基の10〜70mol%が水素添加された水素添加共重合体である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[9](A)成分及び/又は(B)成分が、ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックと、ビニル芳香族単位と共役ジエン単位とを主体とする水素添加共重合体ブロックと、を含む、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[10](A)成分及び/又は(B)成分が、ビニル芳香族の含有量が異なる、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とからなる水素添加共重合体ブロックを、成分中に2以上含有する、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[11](A)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、−5℃以上15℃未満である、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[12](B)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、15℃以上35℃以下である、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[13](A)成分及び/又は(B)成分が、逐次重合から得られる直鎖状構造を有する、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[14](A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対して、(A)成分の含有量(A/(A+B+C))が、30〜65質量%以下であり、(B)成分の含有量(B/(A+B+C))が、15〜50質量%以下であり、(C)成分の含有量(C/(A+B+C))が、20〜55質量%以下であり、且つ架橋発泡用組成物の総量に対する(D)成分の含有量が、0.2〜1.5質量%であり、架橋発泡用組成物の総量に対する(E)成分の含有量が、0.5〜10質量%である、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[15][1]〜[14]のいずれか一項に記載の組成物よりなる架橋発泡体。
[16][15]に記載の架橋発泡体を含む履物。
[17][15]に記載の架橋発泡体をミッドソール又はインソールに含む履物。
[18][15]に記載の架橋発泡体と、該架橋発泡体が積層された部材と、を含む積層体。
(A)成分と(B)成分は、いずれも共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする共重合体の水素添加共重合体であり、(A)成分のtanδピーク温度は、−15℃以上15℃未満であり、(B)成分のtanδピーク温度は15℃以上である。
本実施形態における「主体」とは、当該単量体単位を60質量%以上含有することをいい、85質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
低反撥弾性と軽量化の観点から、(B)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、15℃以上35℃以下であることが好ましい。より好ましい下限値は19℃以上であり、より好ましい上限値は30℃以下であり、更に好ましい下限値は25℃以下である。
(1)(A)成分及び/又は(B)成分中の共役ジエンのビニル含有量を制御すること、
(2)共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合ブロックを含有させること、
(3)共重合体中におけるビニル芳香族単位の濃度に傾斜をつけて、テーパー状、階段状、凹状あるいは凸状等とすること、
(4)ビニル芳香単位を主体とするブロックの分子量分布を大きくすること、
(5)ビニル芳香族単位を主体とするブロックの分子量や含有量の大きさを制御すること、
(6)2種類以上の共役ジエン単位を含む共重合ブロックにすること、
(7)共重合体中の二重結合量を制御すること、の少なくとも一つによって行うことができる。
剥離強度の観点から、(A)成分及び/又は(B)成分において、(ii)ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックを、水素添加共重合体中に2つ有することが好ましい。
四酸化オスミウム酸法により得たビニル芳香族化合物重合体ブロックの重量(但し、平均重合度が30以下のビニル芳香族化合物重合体は除かれている。)を用いて、次の式で定義される。
「ビニル結合量」とは、水素添加前の共役ジエン単位の1,2−結合又は、3,4−結合と1,4−結合の結合様式で組み込まれているうちの、1,2−結合と3,4−結合で組み込まれているものの割合を意味する。
炭化水素溶媒としては、特に限定されず、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水素添加触媒、
(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水素添加触媒、
(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水素添加触媒、等が用いられる。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物を用いることができる。具体的には、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格又はフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上もつ化合物が挙げられる。
還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
本実施形態の架橋発泡用組成物の機械強度を更に向上させるために、(C)成分には、エチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
本実施形態の架橋用発泡用組成物を他の材料と接着するために、接着剤を使用するとき、特に水系の接着剤を使用するときは、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を併用することが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を併用してもよい。
本実施形態で用いることができるエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)は特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、EVAFLEX(Dupont社製)、LEVAPREN(LANXESS社製)等が挙げられる。
本実施形態において(D)成分として用いることができる架橋剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、有機過酸化物、硫黄系化合物、フェノール樹脂系化合物、キノイド系化合物、ビスマレイミド系化合物、イソシアネート系化合物、チウラム系化合物、モルフォリンジスルフィド、ヒドロシリコーン系化合物等が挙げられる。それらの中でも、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
本実施形態において(E)成分として用いることができる発泡剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン等の有機系熱分解型発泡剤、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機系熱分解型発泡剤等が好ましい。それらの中でも、剥離強度や耐圧縮永久歪みの観点から、アゾジカルボンアミド(ADCA)及び炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
(F)成分の含有量は、特に限定されず、軽量化と剥離強度の観点から20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
合成軟化剤は、例えば、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン流動パラフィン等が挙げられるが、上記鉱物油系ゴム用軟化剤がより好ましい。
また、本実施形態の架橋発泡用組成物の形状は特に限定されず、適宜に所望の形状に成形することができる。例えば、ペレット状、シート状(フィルム状というときもある。)、ストランド状、チップ状等にすることができる。
上記方法等によってシート化された本実施形態の架橋発泡用組成物を金型の容積に対して1.0〜1.2倍の範囲の大きさに裁断し、120〜200℃に保持された金型内に挿入する。金型の型締め圧力は30〜300kgf/cm2、保持時間10〜90分の条件下で加圧溶融して、架橋反応と発泡剤の分解を行なった後、金型を開放して組成物を発泡させることによって、一次架橋発泡体を作製できる。
本実施形態の架橋発泡体と、この架橋発泡体と積層された部材と、を含む積層体等とすることができる。このように、本実施形態では、架橋発泡体と各種材料を積層させた積層体とすることができる。これにより、各種用途に応じて使用することができる。積層される部材は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
本実施形態では、積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、接着剤で貼り合わせたり、金型内で成形と接着を同時に行ったり、積層後に加熱して架橋し接着させること等が挙げられる。
重合体の特性や物性の測定は、次のようにして行った。
ビニル芳香族単量体単位、ブタジエンの1,4−結合単位及び1,2−結合単位、エチレン単位あるいはブチレン単位量は、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により測定した。
測定機器は核磁気共鳴装置「JNM−LA400」(JEOL製)を用い、溶媒として重水素化クロロホルムを用い、サンプル濃度50mg/mL、観測周波数は400MHz、化学シフト基準としてテトラメチルシラン(TMS)、パルスディレイ2.904秒、スキャン回数64回、パルス幅45度、測定温度26℃で測定した。
水素添加前の共重合体を用い、I.M.Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法に準拠して測定した。共重合体の分解にはオスミウム酸溶液の0.1g/125mL第3級ブタノール溶液を用いた。
共重合体の重量平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
測定機器は「LC−10」(島津製作所製、カラム:TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本、溶媒:テトラヒドロフラン)を用い、市販の標準ポリスチレンによるポリスチレン換算分子量より求めた。
分子量分布は、得られた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)である。
GPC測定の分子量分布を、カップリング前のピーク面積とカップリング後のピーク面積を用いて、カップリング率を求めた。
(A)成分と(B)成分の各tanδピーク温度は、動的粘弾性測定(1Hz)により求めた。具体的には、動的粘弾性データは、試料を、幅10mm、長さ35mmのサイズにカットし、レオメーター装置「ARES」(ティーエイインスツルメントー株式会社製)の捻りタイプのジオメトリーに、試料をセットし、実効測定長さは25mm、ひずみ0.5%、周波数1Hz、−50℃から50℃まで、昇温速度3℃/分で求めた値である。ピーク温度は、「RSI Orchestrator」(ティーエイインスツルメントー株式会社製)の自動測定より求めた。
(1)水素添加触媒の調製
水素添加反応に用いた水素添加触媒Iは、下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加し、十分に撹拌しながらトリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて3日間反応させた。
<ポリマー1>
内容積が10Lの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、ブロック共重合体を以下の方法で調製した。
所定量のシクロヘキサンを反応器に仕込んで、70℃に調整した後、全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の合計に対して、n−ブチルリチウムの量が0.06質量部となるように、反応器の底部からそれぞれ添加した。更に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量がn−ブチルリチウム1molに対して0.4molとなるようにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。その後、モノマーとして、1ステップ目のスチレン10質量部を含有するシクロヘキサン溶液を5分間で供給し、反応器内温度を70℃に調整した。供給停止後、反応器内温度を70℃に調整しながら15分間反応させた。
次に、2ステップ目のブタジエン17質量部とスチレン10質量部とを含有するシクロヘキサン溶液を、20分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、反応器内温度を70〜80℃に調整した。供給停止後、反応器内温度を70〜80℃に調整しながら5分間反応させた。
更に、3ステップ目のブタジエン20質量部とスチレン35質量部とを含有するシクロヘキサン溶液を40分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を70〜80℃になるように調整した。供給停止後、反応器内温度を70〜80℃に調整しながら10分間反応させた。
最後に、4ステップ目のスチレン8質量部を含有するシクロヘキサン溶液を5分間で供給し、反応器内温度を70℃に調整した。供給停止後、15分間反応器内温度を70℃に調整しながら反応させた。
内容積が10Lの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、ブロック共重合体を以下の方法で調製した。
所定量のシクロヘキサンを反応器に仕込んで、温度70℃に調整した後、全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の合計に対して、n−ブチルリチウムの量が0.09質量部となるように反応器の底部からそれぞれ添加した。更に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量がn−ブチルリチウム1molに対して0.7molとなるようにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。その後、モノマーとしてスチレン20質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を10分間で供給し、反応器内温度を70℃に調整した。供給停止後、反応器内温度を70℃に調整しながら15分間反応させた。
次に、ブタジエン33質量部とスチレン47質量部とを含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を60分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を70〜80℃になるように調整した。供給停止後、反応器内温度を70℃に調整しながら10分間反応させた。
重合終了後、2官能カップリング剤安息香酸エチルの量が、n−ブチルリチウム1molに対して0.5当量になるように安息香酸エチルのシクロヘキサン溶液を添加し、反応機内温度を70℃に調整しながら10分間反応させた。
バッチカップリング重合で得られた共重合体を分析したところ、スチレン含有量は67質量%、ポリスチレンブロック含有量は20質量%、ブタジエン部のビニル結合量は25質量%、カップリング率は50%、重量平均分子量は19万、分子量分布は1.7であった。
ポリマー2の水素添加率は30%、メルトフローレート(190℃、2.16kg)は4g/10分、tanδピーク温度は19℃であった。
内容積が10リットルの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、ブロック共重合体を以下の方法で調製した。
所定量のシクロヘキサンを反応器に仕込んで、温度60℃に調整した後、全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の合計に対して、n−ブチルリチウムの量が0.07質量部となるように反応器の底部からそれぞれ添加した。更に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量がn−ブチルリチウム1molに対して1.6molとなるように、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。その後、モノマーとしてスチレン7質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を10分間で供給し、反応器内温度を60℃に調整した。供給停止後、15分間反応器内温度を60℃に調整しながら反応させた。
続いて、ブタジエン86質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を100分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を60〜70℃になるように調整した。供給停止後、10分間反応器内温度を60〜70℃に調整しながら反応させた。
バッチ重合で得られた共重合体を分析したところ、スチレン含有量は14質量%、ポリスチレンブロック含有量は14質量%、ブタジエン部のビニル結合量は75質量%、重量平均分子量は15万、分子量分布は1.1であった。
ポリマー3の水素添加率は98%、メルトフローレート(230℃,2.16kg)は3.0g/10分、tanδピーク温度は−19℃であった。
・エチレン系共重合体「ENGAGE8480」(ダウ社製、比重:0.902、ショアーA硬度:89度、ガラス転移温度:−31℃)
・エチレン系共重合体「ENGAGE8180」(ダウ社製、比重:0.863、ショアーA硬度:63度、ガラス転移温度:−55℃)
・発泡剤「エクセラーAK−2」(永和化成工業製、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)/アゾジカルボンアミド(ADCA))
溶融混練機としてニーダーを用いて、表1に示した第一工程の配合成分を混練温度110〜120℃、混練時間15分で混練りした。
次に溶融混練機として2本ロールオープンミルを用いて、第一工程の混練物と表1に示した第二工程の各配合成分とを混練温度約90〜100℃、混練時間10分で混練した。
次に、圧縮成形機を用いて得られた混練物を温度170℃、圧力150kgf/cm2で15分間圧縮し、金型を開放して組成物を発泡させることにより、一次架橋発泡体を作製した。一次発泡体を24時間室温で保管した後に、170℃で15分間、150kgf/cm2の圧力で(圧縮倍率140%〜150%)、10分間保持した。そして、水冷で室温まで冷却し、圧力を開放して、厚み1cmの架橋発泡成形品を得た。実施例1〜4、比較例1〜4についてそれぞれ架橋発泡成形品を製造し、それらの特性を測定した。
(1)22℃硬度
ASTM−D2240に準拠して、Asker Cタイプ デュロメーター硬度計を用いて、22℃における架橋発泡体の硬度を測定した。
(2)圧縮永久歪
(IV)の架橋発泡成形品を用い、JIS−K6262に準拠して、圧縮永久歪試験を行った。測定条件は、温度50℃、50%圧縮、6時間とした。
(IV)の架橋発泡成形品を用いた。架橋発泡性景品を幅2cmに切断後、厚みの中央部分に切れ込みを入れ、100mm/minの速度で剥離させた。剥離強度は以下の式より求めた。
剥離強度=測定最大剥離強度/2(N/cm)
ASTM−D2240に準拠して、Asker Cタイプ デュロメーター硬度計を用いて、22℃と−5℃における架橋発泡体の硬度を測定し、その硬度変化の幅を評価した。
硬度変化が小さい方がよく、25度以下を「○」とし、25度より大きいと「×」とした。
(IV)の架橋発泡成形品を用い、スチール製の球(16.3g)を架橋発泡体の試験片上に落下させた。反撥弾性は下記式から求めた。測定温度は22℃であった。
反撥弾性(%)=[HR/H0]×100
H0=球の落下高さ
HR=球が反撥した高さ
実施例1〜4は、比重が0.31以下であり、22℃硬度(ショアーA硬度)が50度であり、圧縮永久歪が31%以下であり、剥離強度が30N/cm以上であり、耐低温硬化性はすべて「○」であり、反撥弾性は14以下であった。
一方、比較例1〜4は、比重、22℃硬度(ショアーA硬度)、圧縮永久歪、剥離強度、耐低温硬化性、反撥弾性の少なくともいずれかが劣る結果であった。
以上より、本実施例によれば、本実施形態の架橋発泡用組成物は、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れた架橋発泡体とできることが示された。
Claims (18)
- (A)tanδピーク温度が−15℃以上15℃未満である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、
(B)tanδピーク温度が15℃以上である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、
(C)ショアーA硬度が70度以上であるエチレン系共重合体10〜60質量%と、
(D)架橋剤と、
(E)発泡剤と、を含有し、
前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、水素添加前に含まれる不飽和基の10〜70mol%が水素添加された水素添加共重合体であり、
前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の合計に対する、前記(A)成分と前記(B)成分の合計が、40〜90質量%である、架橋発泡用組成物。 - 水素添加前の共役ジエン中のビニル結合含有量が、10〜40%である、請求項1に記載の架橋発泡用組成物。
- (F)無機充填剤を更に含有する、請求項1又は2に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記架橋発泡用組成物において、
前記(D)成分の含有量が、0.05〜3質量%であり、
前記(E)成分の含有量が、0.2〜15質量%であり、
前記(F)成分の含有量が、0〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。 - 前記(C)成分のショアーA硬度が75度以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(C)成分が、エチレン・α−オレフィン共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記架橋発泡用組成物の総量に対する、前記(F)成分の含有量が、0〜10質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(A)成分の含有量が、前記(B)成分の含有量よりも多い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックと、ビニル芳香族単位と共役ジエン単位とを主体とする水素添加共重合体ブロックと、を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、ビニル芳香族単位の含有量が異なる、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とからなる水素添加共重合体ブロックを、成分中に2以上含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(A)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、−5℃以上15℃未満である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(B)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、15℃以上35℃以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、逐次重合から得られる直鎖状構造を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
- 前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の合計に対して、
前記(A)成分の含有量(A/(A+B+C))が、30〜65質量%以下であり、
前記(B)成分の含有量(B/(A+B+C))が、15〜50質量%以下であり、
前記(C)成分の含有量(C/(A+B+C))が、20〜55質量%以下であり、且つ
前記架橋発泡用組成物の総量に対する前記(D)成分の含有量が、0.2〜1.5質量%であり、
架橋発泡用組成物の総量に対する前記(E)成分の含有量が、0.5〜10質量%である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。 - 請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物よりなる架橋発泡体。
- 請求項15に記載の架橋発泡体を含む履物。
- 請求項15に記載の架橋発泡体をミッドソール又はインソールに含む履物。
- 請求項15に記載の架橋発泡体と、該架橋発泡体が積層された部材と、を含む積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009004862A JP5394757B2 (ja) | 2009-01-13 | 2009-01-13 | 架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009004862A JP5394757B2 (ja) | 2009-01-13 | 2009-01-13 | 架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010163492A JP2010163492A (ja) | 2010-07-29 |
JP5394757B2 true JP5394757B2 (ja) | 2014-01-22 |
Family
ID=42579919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009004862A Active JP5394757B2 (ja) | 2009-01-13 | 2009-01-13 | 架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5394757B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180062541A (ko) * | 2016-11-30 | 2018-06-11 | (주)퓨쳐테크 | 아웃솔용 탄성시트 및 이의 제조방법 |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5597479B2 (ja) * | 2010-08-23 | 2014-10-01 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 発泡体 |
JP5597478B2 (ja) * | 2010-08-23 | 2014-10-01 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 発泡体 |
KR101500248B1 (ko) * | 2010-08-23 | 2015-03-06 | 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 | 발포체 및 발포체용 조성물 |
JP5757566B2 (ja) * | 2011-07-26 | 2015-07-29 | リケンテクノス株式会社 | 発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物 |
WO2013191222A1 (ja) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | 積水化学工業株式会社 | 衝撃吸収材及びシール材 |
CN106133040B (zh) * | 2014-03-31 | 2019-07-05 | 积水化学工业株式会社 | 聚烯烃系发泡片及粘合胶带 |
JP6817034B2 (ja) | 2016-11-11 | 2021-01-20 | 株式会社ジェイエスピー | 発泡粒子成形体及びその製造方法 |
US10779608B2 (en) * | 2016-12-10 | 2020-09-22 | Cooper-Standard Automotive, Inc. | Polyolefin elastomer compositions and methods of making the same |
US11485858B2 (en) * | 2019-01-31 | 2022-11-01 | Ascend Performance Materials Operations Llc | Impact-modified injection-molded polyamide |
WO2023127746A1 (ja) * | 2021-12-27 | 2023-07-06 | 日本ゼオン株式会社 | 発泡体および緩衝材 |
WO2024024449A1 (ja) * | 2022-07-27 | 2024-02-01 | 日本ゼオン株式会社 | 架橋性重合体組成物、架橋物および架橋発泡体 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11263880A (ja) * | 1997-12-11 | 1999-09-28 | Sumitomo Chem Co Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物、パウダー、ペレット及び成形体 |
JP3922446B2 (ja) * | 2002-09-19 | 2007-05-30 | 株式会社クラレ | 発泡体およびその用途 |
JP4300868B2 (ja) * | 2003-04-30 | 2009-07-22 | 東ソー株式会社 | 制振性発泡体成形用樹脂組成物及び制振性発泡体 |
-
2009
- 2009-01-13 JP JP2009004862A patent/JP5394757B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180062541A (ko) * | 2016-11-30 | 2018-06-11 | (주)퓨쳐테크 | 아웃솔용 탄성시트 및 이의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010163492A (ja) | 2010-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5394757B2 (ja) | 架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 | |
JP5142406B2 (ja) | 衝撃吸収体組成物 | |
JP5599724B2 (ja) | 架橋発泡用組成物、架橋発泡体及びこれを用いた靴用ミッドソール | |
US10179850B2 (en) | Foamable composition, process for producing the same and foam | |
JP5502319B2 (ja) | 水添ブロック共重合体、該水添ブロック共重合体含有樹脂組成物、それらの架橋体および架橋発泡体 | |
JP5204482B2 (ja) | 発泡体用樹脂組成物およびその用途 | |
CN108342014B (zh) | 交联发泡用热塑性弹性体组合物及其应用 | |
JP2007091974A (ja) | 熱可塑性発泡樹脂組成物 | |
JP5153071B2 (ja) | 水添共重合体を含有するポリマー発泡体 | |
JP5634025B2 (ja) | 架橋用組成物、架橋体及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 | |
TW202248323A (zh) | 可交聯發泡組成物、使用其得到的發泡體、發泡用組成物及其用途 | |
JP7313167B2 (ja) | 水添共重合体、水添共重合体組成物、発泡体及び成形体 | |
JP2022157827A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物及びその用途 | |
JP2023164301A (ja) | 発泡体用組成物、発泡体、及び発泡体の製造方法 | |
WO2022209235A1 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物およびその用途 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130508 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130705 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131011 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5394757 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |