JP5391868B2 - ねじ締め機 - Google Patents

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Description

本発明はねじ締め機に関し、特に摩擦クラッチを備えるねじ締め機に関する。
従来から先端工具に伝達する動力をON/OFFする機構として、特許文献1に示されるように、複数の金属板が摩擦部材として用いられた摩擦クラッチ機構を備えたねじ締め機が公知になっている。
特開2009−101499号公報
摩擦クラッチ機構は、複数の金属板が接触し摩擦を発生させることにより動力を伝達しているため、摩擦の発生時に複数の金属板が僅かに削られて摩耗粉が発生する場合がある。この摩耗粉が複数の金属板の間に残存すると、複数の金属板の間の摩擦係数が低下するおそれがあった。また摩耗粉が研磨材として作用し、複数の金属板の摩耗が促進されるおそれがあった。これにより、摩擦クラッチ機構の機能が低下し、ねじ締め機の操作性が悪化する場合があった。よって本発明は、摩擦クラッチ機構の機能の低下を抑制したねじ締め機を提供することを目的とする。
記課題を解決するために、ハウジングと、回転駆動される出力軸部を備える駆動部と、該ハウジングに支持され該駆動部に回転駆動されてネジを締め付ける先端工具を装着可能な先端工具装着部と、該駆動部と一体回転する駆動部材と、該駆動部材の回転軸と同軸で該先端工具装着部と一体回転する従動部材と、該従動部材と該駆動部材とを収容する収容空間が画成された略筒状のドラム部とを有し、該駆動部材と該従動部材とが当接し該駆動部材と該従動部材との間の摩擦の増加により該出力軸部の駆動力を該先端工具装着部に伝達する摩擦クラッチ機構と、を備え、該ドラム部は、該出力軸部と該駆動部材との間に介在して該駆動部材と同軸一体回転し若しくは該先端工具装着部と該従動部材との間に介在して該従動部材と同軸一体回転すると共に、略筒状部分に該収容空間内外を連通させる連通孔が形成され、該ドラム部において略筒状部分の内周には、該回転軸の軸方向と平行に延びる複数の縦溝が形成され、該従動部材若しくは該駆動部材は、該複数の縦溝にスプライン嵌合して該ドラム部と同軸一体回転し、該連通孔は該縦溝内に形成されているねじ締め機を提供する。
この様な構成によると、駆動部材及び従動部材から排出された摩耗粉が再度駆動部材及び従動部材に戻ることが抑制される。
この様な構成によると、遠心力により縦溝内に摩耗粉が溜まるが、縦溝に連通孔が形成されているため、好適にドラム部外に摩耗粉を排出することができる。
また上記課題を解決するために、ハウジングと、回転駆動される出力軸部を備える駆動部と、該ハウジングに支持され該駆動部に回転駆動されてネジを締め付ける先端工具を装着可能な先端工具装着部と、該駆動部と一体回転する駆動部材と、該駆動部材の回転軸と同軸で該先端工具装着部と一体回転する従動部材と、該従動部材と該駆動部材とを収容する収容空間が画成された略筒状のドラム部とを有し、該駆動部材と該従動部材とが当接し該駆動部材と該従動部材との間の摩擦の増加により該出力軸部の駆動力を該先端工具装着部に伝達する摩擦クラッチ機構と、を備え、該ドラム部は、該出力軸部と該駆動部材との間に介在して該駆動部材と同軸一体回転し若しくは該先端工具装着部と該従動部材との間に介在して該従動部材と同軸一体回転すると共に、略筒状部分に該収容空間内外を連通させる連通孔が形成され、該連通孔は、該回転軸の軸方向と平行な方向を長軸とする長孔形状に形成されているねじ締め機を提供する。
この様な構成によると、より好適に摩耗粉をドラム部外に排出することができる。
また該従動部材及び該駆動部材を該ハウジングに対して回転可能に支持する軸受部を更に有し、該軸受部と該従動部材及び該駆動部材との間には、シール部材が介在していることが好ましい。
この様な構成によると、従動部材及び駆動部材内に軸受部に注油された潤滑剤が侵入することが抑制される。
また該従動部材と該駆動部材とは、それぞれ板状に構成されていると共に、それぞれ複数枚備えていることが好ましい。
本発明のねじ締め機によれば、摩擦クラッチ機構の機能の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るねじ締め機の側面図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の要部断面図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機のクラッチ機構の分解斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機のクラッチドラムの分解斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの正面図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの第一の変形例(第一クラッチプレートのみに貫通孔)に係る斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの第二の変形例(第二クラッチプレートのみに貫通孔)に係る斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの第三の変形例(第一、第二クラッチプレートそれぞれの両面に溝)に係る斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの第四の変形例(第一、第二クラッチプレートそれぞれの片面に溝)に係る斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの第五の変形例(第一クラッチプレートの両面に溝)に係る斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の第一クラッチプレート、第二クラッチプレートの第六の変形例(第二クラッチプレートの両面に溝)に係る斜視図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機のクラッチドラムの変形例に係る斜視図。
以下、本発明の第一の実施の形態によるねじ締め機について図1乃至図6に基づき説明する。図1に示されるねじ締め機1は、ハウジング2と、モータ3(図2)と、クラッチ部4(図2)と、先端工具装着部5とから主に構成され、先端工具装着部5に先端工具であるビット10が装着されている。このねじ締め機1において、ビット10が取り付けられる位置を、前側とし、後述のハンドル21を後側として前後方向を規定する。
ハウジング2は、ねじ締め機1の外殻を成しており、その後端部分に把持部となるハンドル21を有している。ハンドル21にはトリガ21Aとスイッチ21Dが設けられており、トリガ21Aによりモータ3の駆動制御を行い、スイッチ21Dによりモータ3の回転方向(正転・反転)の制御を行っている。またハンドル21には図示せぬ外部電源に接続される電源コード21Bが設けられるとともに、ハンドル21内部には電源コード21Bからトリガ21Aを介してモータ3に接続する図示せぬ回路部が設けられている。
図2に示されるモータ3はハウジング2内においてハンドル21(図1)の前側に設けられており、前後方向を軸方向とする出力軸部である回転軸部31を有している。回転軸部31は、ベアリング31Aでハウジング2に支持されており、その先端にピニオン32を有している。また回転軸部31の基端部分には同軸回転するファン33が固定されている。回転軸部31及び回転軸部31により回転駆動される部材において、ネジを締め込む方向の回転を正転と定義し、ネジを外す方向の回転を反転と定義する。
クラッチ部4は、図3に示されるように、クラッチドラム41と、スプラインシャフト42と、駆動部材である10枚の第一クラッチプレート43と、従動部材である10枚の第二クラッチプレート44と、ワンウェイクラッチ45と、から主に構成される摩擦クラッチ機構である。クラッチドラム41は、前側に、略筒状に構成されて第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44を収容する収容空間が形成された収容部41Dを備えており、この筒状の収容部41Dの軸方向を回転軸方向として、図2に示されるようにベアリング47Aと軸受47Bとを介してハウジング2に回転可能に支承されている。
図2に示されるように、クラッチドラム41において、収容部41Dの後端に位置する部分の外周にはピニオン32と噛合するギア41Aが設けられており、収容部41Dの内部には、図3及び図4に示されるように、軸方向に延びる複数の凸部41Bが周方向に渡って均等配置されている。また隣り合う凸部41Bにより、軸方向に延びる複数の縦溝41bが規定されている。図2に示されるように、収容部41Dの内部において凸部41Bの後端部分となる位置には壁部41Cが規定されており、壁部41Cにワンウェイクラッチ45が装着されている。また図2〜図4に示されるように、収容部41Dには、収容空間内外を連通する連通孔41dが複数形成されている。図4に示されるように、連通孔41dは軸方向に四個が整列した状態で、縦溝41b内底面部分にそれぞれ開口している。
また図2に示されるように、クラッチドラム41において、ベアリング47Aにより支持され、ワンウェイクラッチ45の後側になる箇所には孔41cが形成され、孔41c内にはバネ46が配置されている。
スプラインシャフト42は、先端工具装着部5に同軸回転可能に固定されており、図2に示されるように壁部41Cの内部においてワンウェイクラッチ45により支持され、その端部がバネ46と当接して前側へと付勢されている。またスプラインシャフト42の表面において、収容部41D内空間に曝される箇所には、図2および図3に示されるように、軸方向に延びる複数の凸部42Aが周方向に渡って均等配置されている。
第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とは、図2に示されるように、それぞれ10枚が壁部41C位置から前側に向かって交互に並んで配置されている。
第一クラッチプレート43は、図5に示されるように、外周にクラッチドラム41の凸部41B、縦溝41bと噛合する凹部43a、凸部43Aが形成され、内部にスプラインシャフト42が貫通する孔43bが形成され、第二クラッチプレート44と接触する駆動接触面S1が前面及び後面の両面に規定されて平滑な板状に構成されている。図2に示されるように、凸部43Aと縦溝41b及び凹部43a(図5)と凸部41Bとがそれぞれ噛合し、前面及び後面がクラッチドラム41の軸方向と略直交するように第一クラッチプレート43がクラッチドラム41の内部に整列して装着された状態で、第一クラッチプレート43はクラッチドラム41に対して軸方向への移動は許容されるが周方向への回転は制限される。また10枚の第一クラッチプレート43のうち、最後端に位置する第一クラッチプレート43は、後面の駆動接触面S1(図5)において壁部41Cに当接可能である。また第一クラッチプレート43には、両面の駆動接触面S1にそれぞれ開口が位置する第一貫通孔43cが六個形成されている。六個の第一貫通孔43cは、図6に示されるように、第一クラッチプレート43の回転軸を中心とした同心円状に等間隔に整列して配置されている。
第二クラッチプレート44は、図5に示されるように、直径が凸部41B(図2)と干渉しない程度の円板状で、第一クラッチプレート43と接触する従動接触面S2が前面及び後面の両面に規定されて構成され、中央部分にスプラインシャフト42が貫通し凸部42Aと噛合する凹部44aが形成された孔44bが穿孔されている。凹部44aと凸部42Aとが噛合し、前面及び後面がクラッチドラム41の軸方向と略直交するように第二クラッチプレート44がスプラインシャフト42に装着された状態で、スプラインシャフト42に対して第二クラッチプレート44は、軸方向への移動は許容されるが周方向への回転は制限される。また10枚の第二クラッチプレート44のうち、最前端に位置する第二クラッチプレート44は、前面の従動接触面S2(図5)において先端工具装着部5の後端部である後述の当接部51A(図2)に当接可能である。また第二クラッチプレート44には、両面の従動接触面S2にそれぞれ開口が位置する第二貫通孔44cが六個形成されている。六個の第二貫通孔44cは、図6に示されるように、第二クラッチプレート44の回転軸を中心とした同心円状であって、回転軸を中心とした半径方向において第一貫通孔43cとずれた位置に等間隔に整列して配置されている。
第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とはそれぞれ軸方向への移動が許容されているため、最も前側に位置する第二クラッチプレート44が先端工具装着部5の後端部である当接部51Aに当接して後方へと付勢されることにより第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44も後方側(伝達位置)へと移動し、隣り合う第一クラッチプレート43の駆動接触面S1と第二クラッチプレート44の従動接触面S2との間に摩擦が発生する。この発生した摩擦により、クラッチドラム41とスプラインシャフト42とが第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とを介して共回りして同軸に一体回転する。最も前側に位置する第二クラッチプレート44が後方へと付勢されない状態では、隣り合う第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦は発生しないか発生しても僅かである為、クラッチドラム41とスプラインシャフト42との第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とを介しての一体回転は抑制される。またそれぞれ10枚の第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦力により動力の伝達を行っている為、それぞれ一枚当たりに掛かる摩擦力等の応力が低減され、クラッチ部4の高寿命化を図っている。尚、最も後端の第一クラッチプレート43は第一クラッチプレート43と共回りする壁部41Cに当接し、最も前端の第二クラッチプレート44は第二クラッチプレート44と共回りする当接部51Aと当接する為、最も後端の第一クラッチプレート43と壁部41Cとの間、及び最も前端の第二クラッチプレート44と先端工具装着部5との間に摩擦が発生することは無い。これにより、壁部41Cを備えるクラッチドラム41及び先端工具装着部5の耐久性を増している。
また第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とは互いに金属製であるため、長期の使用により表面が僅かに削れて、摩耗粉が発生する。摩耗粉が発生し駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2との間に介在することにより、駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2との間の摩擦係数が低下し、かつ摩耗粉が研磨剤として作用して駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2とが劣化するおそれがある。しかし第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とには、それぞれ駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2とに開口する第一貫通孔43cと第二貫通孔44cとが形成されており、摩耗粉は第一貫通孔43cと第二貫通孔44cとに取り込まれる。これにより駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2との間に残存する摩耗粉が減少し、駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2との間の摩擦係数の低下、及び劣化を抑制することができる。尚、第一貫通孔43cと第二貫通孔44cとは、図6に示されるように半径方向において互いにずれた位置に配置されているため、駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2とにおいてより広範囲の摩耗粉を取り込むことが可能になる。
尚、スプラインシャフト42は、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とが第一軸受であるベアリング47Aと第二軸受である後述の軸受52との間に位置するようにベアリング47Aと後述の軸受52とに間接的に支持されている。よって摩擦が発生した際にスプラインシャフト42に負担がかかったとしても、スプラインシャフト42の両端が支持されている為、ひびりやぶれの発生は抑制される。
ワンウェイクラッチ45は、壁部41Cに装着されてスプラインシャフト42の後端部を支持しており、クラッチドラム41が反転した際に第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44とは別系統でスプラインシャフト42に動力を伝達し、クラッチドラム41が正転した際にはスプラインシャフト42に動力伝達不能に構成されている。第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とにおいては、摩擦力が発生しない限り、クラッチドラム41からスプラインシャフト42に正転方向、反転方向の駆動力は伝達されない。しかしワンウェイクラッチ45は、反転方向においては常にクラッチドラム41からスプラインシャフト42へと駆動力を伝達している為、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦が発生しない場合においても先端工具装着部5を反転させることが可能になる。
クラッチドラム41と先端工具装着部5とを比較すると、回転軸と直交する方向の径がスプラインシャフト42に駆動力を伝達する駆動側であるクラッチドラム41が大径に構成されている。よってハウジング2において、先端工具装着部5側を細くすることができ、より狭い箇所における図示せぬネジの施工を可能にしている。また第一クラッチプレート43と一体回転するクラッチドラム41の慣性質量を大きくすることができる為、伝達位置において第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦力が発生した際に、クラッチドラム41及びクラッチドラム41に接続されるモータ3の回転数の低下を抑制することができる。
先端工具装着部5は、主にソケット51から構成されている。ソケット51は、最前端にビット10が装着される装着孔51aが形成され、最後端でスプラインシャフト42に嵌合して接続されており、ハウジング2に設けられた第二軸受である軸受52で周方向に回転可能及び軸方向に移動可能に支持されている。ソケット51がスプラインシャフト42に嵌合して装着されていることにより、先端工具装着部5およびスプラインシャフト42に係る全長を短くすることができ、これによりねじ締め機1の全長を短くすることが可能になる。
ソケット51の最後端のスプラインシャフト42との接続箇所近傍位置には、最前側の第二クラッチプレート44の従動摩擦面S2(図5)と当接可能な当接部51Aが規定されている。この先端工具装着部5が後退することにより当接部51Aが第二クラッチプレート44に当接して第二クラッチプレート44を第一クラッチプレート43に押し付ける。
またソケット51の軸受52前側位置にはソケット51周辺に充填されているグリスの外部への流出を防止するシール部材53が設けられており、ソケット51及びシール部材53の周囲にはカバー54が設けられている。カバー54は着脱容易に構成されており、その先端部分からビット10の先端が僅かに露出するように構成されている。
先端工具装着部5は、先端に装着されたビット10が図示せぬネジに当接する反力によって後退することにより、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦を発生させている。しかし図示せぬネジが締め込まれて図示せぬ被加工部材に埋没した状態ではそれ以上ネジを締める必要がない為、カバー54の先端部分が図示せぬ被加工部材と当接してビット10へのネジからの反力を打ち消し、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦を低減してビット10への動力の伝達を遮断している。
上記構成のねじ締め機1を使用してネジを施工する際には、ビット10を図示せぬネジの頭に合わせた状態で、ビット10を図示せぬネジに押し付ける。このビット10を押し付けた反力により、ソケット51がクラッチドラム41側へと移動し、当接部51Aが第二クラッチプレート44に当接し、第一クラッチプレート43の駆動摩擦面S1と第二クラッチプレート44の従動摩擦面S2との間に摩擦を発生させる。これによりクラッチドラム41とスプラインシャフト42とを共回り可能にし、モータ3からの正転方向の出力をソケット51及びビット10に伝達することができる。この時に、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦が徐々に大きくなる為、クラッチドラム41とスプラインシャフト42とが共回りし始める際に発生する衝撃を大幅に抑制し、騒音を低減することが可能となっている。またビット10への押し付け強さに応じて摩擦力が変化する為、使用者が押し付ける力を加減することにより、ビット10の回転を容易に制御することができる。
ネジの施工が終わり、ビット10をネジから放した状態では、バネ46の付勢力により、スプラインシャフト42及びソケット51は前側へと移動する。これにより当接部51Aと第二クラッチプレート44との当接が解消し、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦が小さくなり、モータ3からの出力がソケット51に伝達されることが抑制される。
ネジを打ち間違えた際に図示せぬ被加工部材から図示せぬネジを外すときは、スイッチ21Dを反転側にして、モータ3を反転させる。この時に、図示せぬネジの頭が図示せぬ被加工部材から突出していれば、ビット10が図示せぬネジに当接した反力により第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦が発生し、ビット10に反転方向の駆動力が伝達されて好適に図示せぬネジを外すことができる。しかし図示せぬネジの頭が図示せぬ被加工部材から突出していない場合(ネジが被加工部材に埋没している場合)はカバー54が邪魔になり、ビット10が図示せぬネジに当接したとしても充分な反力が得られず、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に充分な摩擦が発生しない場合がある。この場合においては、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とを介してクラッチドラム41からスプラインシャフト42へと動力を伝達することができないが、反転方向の駆動力であるためワンウェイクラッチ45を介してクラッチドラム41からスプラインシャフト42へと動力を伝達することは可能になっている。よってモータ3を反転させた際にビット10にネジによる反力が得られない場合であっても、好適に図示せぬネジを外すことができる。
ねじ締め機1を長期に亘って使用することにより、上述のように摩耗粉が発生し、第一貫通孔43c及び第二貫通孔44cに取り込まれる。取り込まれた摩耗粉の一部は、第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44の回転時の遠心力により、収容部41Dの内壁部分に移動する。収容部41Dには、上述のように縦溝41b内底面に開口する連通孔41dが形成されているため、収容部41Dの内壁部分、特に縦溝41b内に移動した摩耗粉は連通孔41dから収容部41D外に排出され、再び第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44に付着することは抑制される。
また第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44は摩擦により動作する部材であるため、潤滑剤を嫌う。よって第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44と、これらをスプラインシャフト42を介して軸支するワンウェイクラッチ45及び軸受52との間に、シール部材を介在させてもよい。シール部材を介在させることにより、第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44に軸受部分の潤滑剤が付着することが抑制される。
また仮に第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44に潤滑剤が付着したとしても、潤滑剤は遠心力により第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44から吹き飛ばされて収容部41D内面に付着する。収容部41Dには連通孔41dが形成されているため、この連通孔41dから潤滑剤が収容部41D外に排出され、再び第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44に潤滑剤が付着することは抑制される。
本実施の形態に係るねじ締め機は、上述した実施の形態に限定されず特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。例えば図7に示されるように、第一クラッチプレート43のみに第一貫通孔43cを形成してもよいし、図8に示されるように第二クラッチプレート44のみに第二貫通孔44cを形成してもよい。また貫通孔の代わりに駆動摩擦面S1及び従動摩擦面S2の表面に凹部を形成してもよい。
また貫通孔に代えて、図9に示されるように、第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44にそれぞれ第一溝143c、第二溝144cを形成してもよい。第一溝143cは第一クラッチプレート43の両面にそれぞれ回転軸と直交する半径方向に等間隔で六本ずつ形成されている。第一クラッチプレート43の両面のうちの一面(図9において図示されていない面)に形成されている第一溝143cは、凸部43Aに第一溝143cの開口部分が形成され、第一クラッチプレート43の他面に形成されている第一溝143cは、凹部43a内に開口部分が形成されている。この様に一面と他面とで第一溝143cが互いにずれて形成されることにより、一面と他面とで第一溝143cが重なることが抑制され、第一溝143cが重なることによる第一クラッチプレート43の強度低下が抑制されている。
第二溝144cは第二クラッチプレート44の両面にそれぞれ回転軸と直交する半径方向に等間隔で五本ずつ形成されている。すべての第二溝144cは第二クラッチプレート44の外周に開口するように形成されている。また第二クラッチプレート44においても、第一クラッチプレート43と同様に一面と他面とに形成された第二溝144cが互いにずれるように形成されている。
上記構成の第一溝143cと第二溝144cとを備える第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とを当接させた場合、従動摩擦面S1と駆動摩擦面S2とにおいて、第一溝143cと第二溝144cとが重なって、引っ掛かりが発生するおそれがある。しかし、第一溝143cの本数と第二溝144cの本数とは互いに素な本数であるため、重なる可能性があるのはいずれか一本の第一溝143cと第二溝144cとであるため、引っ掛かりの発生は抑制される。
また第一溝143c及び第二溝144cは、いずれも第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44のそれぞれの外周に開口するように形成されている。この構成により、第一溝143c内及び第二溝144c内に取り込まれた摩耗粉は、第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44が回転した際の遠心力によって第一溝143c内及び第二溝144c内を外周側に移動し、外周に形成された開口から好適に排出される。
特に第一溝143cにおいては、一面側において凸部43Aに開口部分が形成されている。凸部43Aは縦溝41b内に配されるため、凸部43Aに形成された第一溝143cに取り込まれた摩耗粉はすべて縦溝41b内に排出される。縦溝41b内には上述のように連通孔41dが開口しているため、好適に摩耗粉を収容部41D外に排出することができる。
尚、図10に示されるように、第一溝143c及び第二溝144cは、第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44のそれぞれの一面のみに形成されていてもよい。また図11に示されるように、第一クラッチプレート43の両面のみに第一溝143cが形成されていてもよいし、図12に示されるように第二クラッチプレート44の両面のみに第二溝144cが形成されていてもよい。
尚、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とのそれぞれに形成される溝は、必ずしも半径方向に延びる必要はなく、半径方向と交差する方向に延びる溝であっても良い。また第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との溝の形状についても、少なくとも駆動摩擦面S1と従動摩擦面S2とが接触した状態で非鏡像状に構成されている、即ち駆動摩擦面S1に形成された溝と従動摩擦面S2に形成された溝とが重ならないように構成されていれば、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に引っ掛かりが発生することは抑制され、好適に摩耗粉を溝に収容することができる。
また収容部41Dにおいては、図4に示されるように、隣り合う凸部41Bの間の溝に四個の連通孔41dが形成されていたがこれに限らず、図13に示されるように、隣り合う凸部41Bの間の溝に長軸方向が回転軸方向と平行である長孔141dを形成してもよい。このような長孔141dを形成することにより、第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44から収容部41D内に排出された摩耗粉をより好適に収容部41D外に排出することができる。また本実施の形態では、収容部41Dを備えたクラッチドラム41を回転軸部31と第一クラッチプレート43との間に介在させ、スプラインシャフト42を第二クラッチプレート43と先端工具装着部5との間に介在させたが、これに限らず、クラッチドラムを第二クラッチプレートと先端工具装着部との間に介在させ、スプラインシャフトを回転軸部と第一クラッチプレートとの間に介在させたとしても、本実施の形態と同様の第一クラッチプレート、第二クラッチプレート、及び収容部の構成を採ることにより、本実施の形態に係るねじ締め機1と同様の作用効果を得ることができる。
また本実施の形態では、従動部材、駆動部材である第一クラッチプレート、第二クラッチプレートをそれぞれ複数備える構成について説明したが、これに限らず、一枚の第一クラッチプレートと一枚の第2クラッチプレートとから構成される摩擦クラッチ機構であっても同様の作用効果を得ることができる。
1・・ねじ締め機 2・・ハウジング 3・・モータ 4・・クラッチ部
5・・先端工具装着部 10・・ビット 21・・ハンドル 21A・・トリガ
21B・・電源コード 21D・・スイッチ 31・・回転軸部 31A・・ベアリング
32・・ピニオン 33・・ファン 41・・クラッチドラム 41A・・ギア
41B・・凸部 41C・・壁部 41D・・収容部 41b・・縦溝 41c・・孔
41d・・連通孔 42・・スプラインシャフト 42A・・凸部
43・・第一クラッチプレート 43A・・凸部 43a・・凹部 43b・・孔
43c・・第一貫通孔 44・・第二クラッチプレート 44a・・凹部 44b・・孔
44c・・第二貫通孔 45・・ワンウェイクラッチ 46・・バネ
47A・・ベアリング 47B・・軸受 51・・ソケット 51A・・当接部
51a・・装着孔 52・・軸受 53・・シール部材 54・・カバー
141d・・長孔 143c・・第一溝 144c・・第二溝 S1・・駆動摩擦面
S2・・従動摩擦面

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    回転駆動される出力軸部を備える駆動部と、
    該ハウジングに支持され該駆動部に回転駆動されてネジを締め付ける先端工具を装着可能な先端工具装着部と、
    該駆動部と一体回転する駆動部材と、該駆動部材の回転軸と同軸で該先端工具装着部と一体回転する従動部材と、該従動部材と該駆動部材とを収容する収容空間が画成された略筒状のドラム部とを有し、該駆動部材と該従動部材とが当接し該駆動部材と該従動部材との間の摩擦の増加により該出力軸部の駆動力を該先端工具装着部に伝達する摩擦クラッチ機構と、を備え、
    該ドラム部は、該出力軸部と該駆動部材との間に介在して該駆動部材と同軸一体回転し若しくは該先端工具装着部と該従動部材との間に介在して該従動部材と同軸一体回転すると共に、略筒状部分に該収容空間内外を連通させる連通孔が形成され、
    該ドラム部において略筒状部分の内周には、該回転軸の軸方向と平行に延びる複数の縦溝が形成され、
    該従動部材若しくは該駆動部材は、該複数の縦溝にスプライン嵌合して該ドラム部と同軸一体回転し、
    該連通孔は該縦溝内に形成されていることを特徴とするねじ締め機。
  2. ハウジングと、
    回転駆動される出力軸部を備える駆動部と、
    該ハウジングに支持され該駆動部に回転駆動されてネジを締め付ける先端工具を装着可能な先端工具装着部と、
    該駆動部と一体回転する駆動部材と、該駆動部材の回転軸と同軸で該先端工具装着部と一体回転する従動部材と、該従動部材と該駆動部材とを収容する収容空間が画成された略筒状のドラム部とを有し、該駆動部材と該従動部材とが当接し該駆動部材と該従動部材との間の摩擦の増加により該出力軸部の駆動力を該先端工具装着部に伝達する摩擦クラッチ機構と、を備え、
    該ドラム部は、該出力軸部と該駆動部材との間に介在して該駆動部材と同軸一体回転し若しくは該先端工具装着部と該従動部材との間に介在して該従動部材と同軸一体回転すると共に、略筒状部分に該収容空間内外を連通させる連通孔が形成され、
    該連通孔は、該回転軸の軸方向と平行な方向を長軸とする長孔形状に形成されていることを特徴とするねじ締め機。
  3. 該従動部材及び該駆動部材を該ハウジングに対して回転可能に支持する軸受部を更に有し、該軸受部と該従動部材及び該駆動部材との間には、シール部材が介在していることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか一に記載のねじ締め機。
  4. 該従動部材と該駆動部材とは、それぞれ板状に構成されていると共に、それぞれ複数枚備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のねじ締め機。
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