JP5391727B2 - 光ネットワーク設計装置および分散補償設計方法 - Google Patents

光ネットワーク設計装置および分散補償設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ネットワークの分散補償設計を行う光ネットワーク設計装置および分散補償設計方法に関する。
近年のネットワーク・トラフィックの激増に伴い、大容量の情報を伝送可能なWDM(Wavelength Division Multiplexing)技術が多く用いられている。また同時に低コスト化などの目的で、途中で電気に変換せず、光のまま長距離の伝送を行うことが求められている。
一方、光伝送に用いられる光ファイバでは、波長ごとに光の速度が異なるため、送信端で光が同時に出発しても、受信端では光の波長ごとにバラバラの時間で到着してしまう波長分散と呼ばれる現象が生じる。波長分散が生じると、受信した波形が歪み、その歪みが大きくなりすぎると情報を正しく識別できなくなってしまう。
そこで、光ファイバを通過する光信号に対して、符号が逆の波長分散特性を持つ分散補償器(DCM:Dispersion Compensation Module)を通して、波長分散を補償する。これにより、光の波形歪みを抑制して長距離の伝送が可能となる。
ただし、波長分散は、距離に比例してその量が増加し、さらに光ファイバの種類ごとに分散特性が異なるため、距離や光ファイバの種類に応じて異なる分散補償特性を持った分散補償器が必要となる。
分散補償器は、一般に光ファイバなどの受動部品で構成されるため、1品種で1つの固定的な分散補償特性を持つことが多い。そこで、光ネットワーク上のどこにどのような分散補償特性を持つ分散補償器を配置すればよいかをあらかじめ決めておく必要がある。
このように光ネットワークのどこに、どのような分散補償特性を持つ分散補償器を配置するかを決定するのが、光ネットワークにおける分散補償器の配置設計(分散補償設計)である。
一方、WDM通信では、複数の異なる波長を用いて多重化伝送を行う。このため、分散補償設計を行う際には、波長分散によって、波長チャネルごとに必要な分散補償量が変わるので、使用する波長範囲、すなわち最も波長の長い波長チャネルから最も波長の短い波長チャネルの範囲にわたって、光伝送路の波長分散を補償する必要がある。
この場合、広い波長範囲にわたって、光伝送路の波長分散を1つの分散補償器で補償するのは難しく、分散補償の度合いが波長チャネルごとにばらついてしまい、補償量が不足する波長チャネルや、補償量が過剰になる波長チャネルがでてしまう。
したがって、実際の伝送装置では補償しきれずに残ってしまう波長分散が、ある範囲内であれば情報を正しく受信することができるため、分散補償設計においても、すべての波長チャネルにおける補償しきれなかった残りの波長分散が、波長分散の許容範囲内に入るようにして分散補償設計を行うことになる。
従来の分散補償設計技術として、残留分散が許容残留分散の範囲内となるように分散補償量を設定する技術が提案されている(特許文献1参照)。
再表2005/006604号公報(第6頁の46行目〜第8頁の26行目、第6図)
WDMの光ネットワーク上で、光伝送を行う始点から終点までの経路であるパスに対して、一般的な分散補償設計では、指定されたパスについて、残留分散(分散補償器で補償しきれずに残った分散)が許容範囲に入るように設計する。
図18は光ネットワーク上のパスを示す図である。パスp1の始点をノードn1、終点をノードn4とし、パスp1は、ノードn1からノードn2、n3を通り、ノードn4に至る経路とする。また、分散補償器を受信端に置くシステムの場合、ノードn2、n3、n4に分散補償器を置く(すべての受信端に分散補償器を置く必要はないが、この例ではノードn2、n3、n4に置いたとする)。
ノードn2に置かれる分散補償器は、光ファイバf1で生じる波長分散の補償を行い、ノードn3に置かれる分散補償器は、光ファイバf2で生じる波長分散の補償を行い、ノードn4に置かれる分散補償器は、光ファイバf3で生じる波長分散の補償を行う。
ここで、あるパスの終点における波長分散量(残留分散)を求める場合、パスの始点から終点までの光ファイバの波長分散を累積し、またパス上に置かれた分散補償器の波長分散を累積して、両者の合計をとることにより、そのパスの終点における残留分散が得られる。
例えば、パスp1では、始点から終点までの光ファイバf1〜f3の波長分散を累積し、ノードn2、n3、n4に置いた分散補償器の波長分散を累積して、両者の合計をとる。
すなわち、光ファイバf1の波長分散量と、ノードn2に置かれた分散補償器の波長分散量と、光ファイバf2の波長分散量と、ノードn3に置かれた分散補償器の波長分散量と、光ファイバf3の波長分散量と、ノードn4に置かれた分散補償器の波長分散量との総和が、パスp1の終点(ノードn4)における波長分散量、つまりパスp1の残留分散となる。
そして、分散補償設計を行う場合、分散補償設計ツールに入力して指定されるパスについて、各パスの残留分散を上記のように算出して、残留分散が許容範囲に入るように、どのような分散補償特性を持つ分散補償器を、光ネットワークのどこに配置するかといった設計を行う。
なお、残留分散が許容範囲に入るとは、残留分散が、終点における所望の上限(上限の分散値)と下限(下限の分散値)の範囲内に収まるようにすることである。残留分散が上限を超えてしまうと、補償しきれていない状態であり、下限を下回ると、過剰に補償されている状態となる。
また、上記のような残留分散を計算する場合、従来では、波長多重されているWDMの信号に対して、基準となる1つの波長で代表させて計算を行っている。例えば、互いに異なる波長の多重数が、λ1〜λ40の40波であるならば、中心の波長λ20を基準として計算したり、または一般的な1550nmの波長を基準にして計算したりする。
さらに、従来では、基準波長で計算した残留分散を基にして、基準波長以外の波長の残留分散も含むと推定した、固定値の分散ばらつき範囲(以下、固定ばらつき範囲と呼ぶ)を設定し、その固定ばらつき範囲が許容範囲に入るように設計を行っていた。
図19は分散マップを示す図である。横軸は距離、縦軸は分散量である。図18のパスp1の分散マップ(距離に対する累積分散の遷移を表したもの)を示している。
パスp1上を波長チャネルλ1〜λ40の40波の波長が多重されているWDM信号が伝送するとし、残留分散を計算する際の基準波長をλkとする。また、ノードn4における、基準波長λkの残留分散がrkと算出されたとする。さらに、最も短い波長のλ1の残留分散がr1、最も長い波長のλ40の残留分散がr40であったとする。
このとき、残留分散rkのばらつき範囲にマージンを含めて、固定ばらつき範囲Bを推定し、固定ばらつき範囲Bが許容範囲(下限〜上限)に入るように設計を行う。
固定ばらつき範囲Bが許容範囲に入っていれば、そのパスは伝送可能と判断し、固定ばらつき範囲Bが許容範囲から外れてしまう場合には、そのパスは伝送不可と判断していた。そして、伝送可能なパスの数が最大になるように、分散補償器の補償値や配置を決めていた。
図19の場合では、固定ばらつき範囲B内に、基準波長λkの残留分散rkの他に、短波長側のλ1の残留分散r1と長波長側のλ40の残留分散r40とも含まれており、固定ばらつき範囲Bは、許容範囲内に収まっているので、パスp1は、40波のWDM信号を伝送可能と判断できる。
しかし、上記で用いた固定ばらつき範囲Bは、あくまでも1つの基準波長にもとづく推定値によるものであって、分散補償量や分散補償器の特性によって、実際の各波長のばらつき範囲は変わってしまうため、現実の光ネットワークにおける個々の波長のばらつき範囲が、必ずしも推定した固定ばらつき範囲Bの中にすべて入る保障はない。
図20は分散マップを示す図である。横軸は距離、縦軸は分散量である。ノードn4におけるばらつき範囲bは、実際の基準波長におけるばらつき範囲を示しているものとし、上限に近い方に位置して、固定ばらつき範囲Bからはみ出していたとする。この場合、波長λ1の残留分散r1は、上限からはみ出してしまう可能性がある。
このように、従来の方法では、正確に個々の波長チャネルが許容範囲に収まっているのかがわからず、実際の波長のばらつき範囲が、推定した固定ばらつき範囲Bから外れる場合があり、この場合、実際には、伝送不可なのに伝送可能と誤判断するおそれがあった。
最適な分散補償設計を行う際には、各波長の残留分散におけるばらつき範囲を最小にすることが望ましい。しかし、上記のような従来の分散補償設計では、波長分散のばらつきを、1つの波長を基準にして求め、その他の波長については、基準波長のばらつきにマージンを含めた一定の固定ばらつき範囲に入ると推定して行っていたため、実際の波長分散の波長ごとのばらつきを小さくするような最適設計を行うことができなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、残留分散のばらつきを最小化して分散補償量を最適設計する光ネットワーク設計装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、残留分散のばらつきを最小化して分散補償量を最適設計する分散補償設計方法を提供することである。
上記課題を解決するために、光ネットワーク設計装置が提供される。この光ネットワーク設計装置は、制約条件を設定する制約条件設定部と、前記制約条件を含む目的関数から最適解を求め、得られた解で指定される、各ノードの分散補償量を、該当ノードに配置される分散補償器の分散補償量として決定する演算制御部とを備える。
前記制約条件設定部は、各ノードの分散補償量を、あらかじめ与えられた複数の候補値の中から1つの値を選択することを第1の制約条件として設定し、パスごとに非負の任意の値をとる第1の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第1の余裕値が、パスの終点における残留分散から残留分散の許容範囲の下限を引いた差に対して等しいか大きいことを第2の制約条件として設定し、パスごとに非負の任意の値をとる第2の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第2の余裕値が、パスの終点における残留分散の許容範囲の上限から残留分散を引いた差に対して等しいか大きいことを第3の制約条件として設定し、前記演算制御部は、前記第1、第2、第3の制約条件を含み、すべてのパスについて、前記第1の余裕値と前記第2の余裕値の総和を前記目的関数に含み、前記目的関数を最小化する前記解を求め、前記演算制御部は、前記目的関数をz、パスの識別番号をGとして、G=1、・・・、hとし(hは自然数)、hは、パスに付けられた最大の識別番号の値、b1[G]を前記第1の余裕値、b2[G]を前記第2の余裕値とした場合、
Figure 0005391727
と生成する。
波長チャネルごとの残留分散のばらつぎが最小となるように、分散補償量を決定することで、分散補償量の最適設計が可能になる。
光ネットワーク設計装置の構成例を示す図である。 パスの経路情報を説明するための図である。 光ネットワーク設計装置の全体動作フローを示す図である。 光ネットワークの構成例を示す図である。 光ファイバの分散量を示す図である。 分散補償器の補償量の値の候補を示す図である。 分散補償器の各補償量候補の各波長での補償量を示す図である。 経路ごとのパスを示す図である。 光ネットワークにおけるパスを示す図である。 許容範囲の上限および下限を示す図である。 分散補償器の補償量の候補と変数の対応関係を示す図である。 第1の制約条件の候補を示す図である。 第2の制約条件のもとで最小解を求めるときの概念を説明するための図である。 第3の制約条件のもとで最小解を求めるときの概念を説明するための図である。 2つのリングが接続されている光ネットワークを示す図である。 分散補償器の分散補償量の候補を示す図である。 パスの伝送可能な波長チャネルを示す図である。 光ネットワーク上のパスを示す図である。 分散マップを示す図である。 分散マップを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は光ネットワーク設計装置の構成例を示す図である。光ネットワーク設計装置10は、データベース11、制約条件設定部12、演算制御部13、表示部14を備える。光ネットワーク設計装置10は、ユーザ・インタフェースを備え、分散補償設計を行うコンピュータ装置である。
データベース11は、分散補償設計を行う際に必要な光ネットワーク情報を格納する。制約条件設定部12は、最適化問題(ある関数(目的関数)についてその値が最小または最大となる状態を解析する問題)における制約条件を設定する。
演算制御部13は、制約条件を含む目的関数から最適解を求める。そして、得られた解で指定される、各ノードにおける分散補償量を、該当ノードに配置される分散補償器の分散補償量として決定する。表示部14は、グラフィック・ユーザ・インタフェース機能を有し、分散補償設計に必要な情報入力や分散補償設計結果の表示などを行う。
ここで、制約条件設定部12は、各ノードの分散補償量を、あらかじめ与えられた複数の候補値の中から1つの値を選択することを第1の制約条件として設定する。
また、パスごとに非負の任意の値をとる第1の余裕値を設定し、パスごとにすべての波長について、第1の余裕値が、パスの終点における残留分散から、残留分散の許容範囲の下限を引いた差に対して等しいか大きいことを第2の制約条件として設定する。
さらに、パスごとに非負の任意の値をとる第2の余裕値を設定し、パスごとにすべての波長について、第2の余裕値が、終点における残留分散の許容範囲の上限から、残留分散を引いた差に対して等しいか大きいことを第3の制約条件として設定する。
そして、演算制御部13は、第1、第2、第3の制約条件を含み、すべてのパスについて、第1の余裕値と第2の余裕値の総和を目的関数に含み、この目的関数を最小化する解を求める(上記の制約条件および目的関数の数式表現については後述する)。
次にデータベース11に入力される光ネットワーク情報について説明する。データベース11に入力される光ネットワーク情報には、例えば、パスの経路情報、光ファイバごとの波長分散特性情報、分散補償器リスト、分散補償器ごとの波長分散特性情報、パスごとにパスの終点における残留分散の許容範囲の上限および下限の値などがある。
パスの経路情報とは、例えば、始点から終点までの経路上のノードと光ファイバの順序リストで表現される。図2はパスの経路情報を説明するための図である。各光ファイバに名称をつけた光ネットワークトポロジを示している。パスp1の場合、パスの経路情報は、n1、fiber#1、n2、fiber#3、n3、fiber#5、n4となる。また、逆方向のパス、すなわちn4が始点でn1が終点のパスもある場合は、n4、fiber#5、n3、fiber#3、n2、fiber#1、n1のように逆順のリストになる。
一方、光ファイバごとの波長分散特性情報としては、例えば、基準波長での波長分散量や波長の変化に対する波長分散量の変化量(分散係数が1次、2次、・・・n次の各波長分散量)などがある。
分散補償器リストについては、光ファイバごとに入力する。例えば、図2のノードn2にはfiber#1とfiber#3とfiber#4が接続されているので、ノードn2については、fiber#1の受信端に入れる分散補償器と、fiber#3の受信端(ノードn3→ノードn2へ光信号が流れる際の受信端)に入れる分散補償器と、fiber#4の受信端に入れる分散補償器とが入力される。
また、分散補償器の波長分散特性情報が入力する。分散補償器の波長分散特性情報は、光ファイバの波長分散特性を示すパラメータと同じものである。なお、上記の光ネットワーク情報を入力する際に特に入力順序はない。
次に制約条件設定部12で設定される制約条件について示す。第1の制約条件は、光ネットワーク内のノードに配置される分散補償器の識別番号をi、分散補償器iの分散補償量の候補値の数をkとし、k=1、・・・、j(jは自然数)とした場合、すべてのiについて、
Figure 0005391727
と設定する。
また、第2の制約条件は、パスの識別番号をG、波長をλ、パスGの終点における残留分散をrd[G,λ]、パスGの許容範囲の下限をLowerBound[G]、第1の余裕値をb1[G]とした場合、すべての波長およびすべてのパスについて、
rd[G,λ]−LowerBound[G]≦b1[G] for ∀λ、∀G ・・・(2a)
b1[G]≧0 ・・・(2b)
と設定する。
さらに、第3の制約条件は、パスの識別番号をG、波長をλ、パスGの終点における残留分散をrd[G,λ]、パスGの許容範囲の上限をUpperBound[G]、第2の余裕値をb2[G]とした場合、すべての波長およびすべてのパスについて、
UpperBound[G]−rd[G,λ]≦b2[G] for ∀λ、∀G ・・・(3a)
b2[G]≧0 ・・・(3b)
と設定する。なお、制約条件設定部12は、上記では、3つの制約条件を設定しているが、必要に応じて制約条件を追加することができる。
次に演算制御部13で生成する目的関数について示す。演算制御部13は、G=1、・・・、h(hは自然数)とした場合、目的関数zを
Figure 0005391727
と生成する。そして、演算制御部13は、制約条件を含む目的関数zを最小化する解を求める。ここでは上記の制約条件と目的関数zを持つ混合整数計画法(与えられた制約条件のもとで,目的関数を最小あるいは最大にするという最適化手法としての数理計画法の1つ)を解く。
混合整数計画法を解くことで、式(1)のx[i,k]の値が決まる。x[i,k]は0か1の値のみをとり、{x[i,k] (k=1、・・・j)}の中で、ただ1つのkの値のみが1になり、それ以外はすべて0になる。
これは、分散補償器iが取り得る複数の分散補償量の候補値の中から1つの分散補償量(分散補償量ck)が決まることを意味する。そして、値が1になったx[i,k]に対応する分散補償量ckが、fiber#iの受信端のノードに置かれる分散補償器の分散補償量と決定される。
さらに、どの波長が利用可能かの情報を出力する。この場合、以下の式(5a)、(5b)に対し、
rd[G,λ]≦UpperBound[G] ・・・(5a)
rd[G,λ]≧LowerBound[G] ・・・(5b)
の両式を満たす波長λが存在するとき、パスGは波長λを利用可能とする。なお、これらの演算結果情報は、表示部14によって、装置画面上に適宜表示される。
図3は光ネットワーク設計装置10の全体動作フローを示す図である。
〔S1〕データベース11に分散補償設計を行うための光ネットワーク情報が入力される。
〔S2〕第1〜第3の制約条件と目的関数を含む混合整数計画問題を生成する。
〔S3〕混合整数計画問題を解く(目的関数の最小解を求める)。
〔S4〕結果を表示する。
次に光ネットワーク設計装置10の動作として、光ネットワークの一例を挙げて、制約条件の設定から目的関数を導くまでの過程について詳しく説明する。なお、以降に示す光ネットワーク情報の各種テーブル情報は、データベース11に格納されるものである。
図4は光ネットワークの構成例を示す図である。光ネットワークとして、3つのノードがリング状に接続されたものを考える。光ネットワーク2は、ノードn1〜n3を含み、光ファイバはそれぞれ双方向に敷設されている。
ノードn1からノードn2への光ファイバをfiber12、ノードn2からノードn1への光ファイバをfiber21、ノードn2からノードn3への光ファイバをfiber23、ノードn3からノードn2への光ファイバをfiber32、ノードn3からノードn1への光ファイバをfiber31、ノードn1からノードn3への光ファイバをfiber13とする。
また、DCMは分散補償器を示し(以下、分散補償器をDCMとも記す)、各ノードの受信側に置かれるとする。例えば、fiber12の場合、受信端はノードn2となるため、fiber12のノードn2側に接続されているDCM3が該当する。
同様にfiber21の場合はDCM1、fiber23の場合はDCM6、fiber32の場合はDCM4、fiber31の場合はDCM2、fiber13の場合はDCM5がそれぞれ該当する。また、波長チャネルについては、λ0、λ1、λ2、λ3、λ4とし、λ0を基準波長とする(λ0は例えば、1550nmの波長)。
次に波長分散量について説明する。波長λ1の分散d(λ1)は、以下のような式(6)で計算することができる。
d(λ1)={d0+d1(λ1-λ0)+d2(λ1-λ0)2+d3(λ1-λ0)3}×length ・・・(6)
式(6)は、λ1における分散の計算式であるが、λ1をλ2に置き換えればλ2での分散量が得られる。また、式(6)の右辺の{ }内は、単位長さあたりの分散量であり、それに該当光ファイバの長さLengthを乗じることで、該当光ファイバの分散量が得られる。なお、式(6)中のd0、d1、d2、d3は、それぞれ0次、1次、2次、3次の分散係数となる。
分散量は、光ファイバが決まれば一定の値になるので、あらかじめ計算されているものとする。図5は光ファイバの分散量を示す図である。表の見方は、例えばfiber23のλ2での分散量は、fiber23の行かつλ2の列の値、d23[λ2]となる。
次にDCM1、DCM2、DCM3、DCM4、DCM5、DCM6のそれぞれの補償量の候補を与える。分散補償器も光ファイバで構成されることが多いので、ここでも光ファイバで構成された分散補償器を想定する。この場合d0、d1、d2、d3の分散係数の値は異なるが、光ファイバの分散量を算出するには式(6)が使用できる。
なお、光伝送路における光ファイバの分散量と、分散補償器に入っている光ファイバの分散量とは符号が異なるため、両方の和をとることで打ち消しあって分散が補償されることになる。
図6は分散補償器の補償量の値の候補を示す図である。分散補償量の候補の数は分散補償器ごとに異なる。図の場合では、DCM1では値の候補が4種類あるが、DCM2では3種類というようになっている。また、分散補償量をcik[λ]と表記する。例えば、λ0におけるDCM1の候補2の分散補償量は、c12[λ0]と書ける。
なお、分散補償器における基準波長のλ0における補償量の他に、他の波長での補償量も決まるので、各波長での補償量もあらかじめ求められる。図7はDCM1の各補償量候補の各波長での補償量を示す図である。他の分散補償器の補償量についても同様にして表せるが図示は省略する。
次にパスについて説明する。光ネットワーク2の回線需要のある区間のみを、実際にはパスとして使用するが、ここではすべてのパスが使われると想定する。この場合、光ネットワーク2のトポロジでは、3つのノードn1〜n3があるので、パスの端点の組み合わせは3通りとなるが、伝送する方向、すなわちノードn1からノードn2へのパスと、ノードn2からノードn1へのパスは別のパスとして考える。
また、トポロジがリングになっているので、例えばノードn1が始点でノードn2が終点になるパスは、ノードn1から時計回り方向にノードn2へ行く経路と、ノードn1から反時計回りにノードn3を通ってノードn2に行く経路がある。したがって、経路ごとにパスを書き並べると、図8のようになる。
図8は経路ごとのパスを示す図である。なお、符号Gは、演算に用いる際のパスの識別番号である。図8のパスの読み方は、例えば、パスp7は、パス識別番号Gの値が7で、ノードn1が始点でノードn2を通り、ノードn3が終点となるパスを示している。
図9は光ネットワーク2におけるパスを示す図である。光ネットワーク2におけるG=7のパスp7を示しており、図中、太線で示している。なお、ノードn2の中でDCM3とfiber23をつなぐ線があるが、これはパスp7がDCM3を通り、次にfiber23を通ることを示している。
実際のノードではノードn2の中で、fiber12からfiber23までの間に分散補償器だけでなく、光アンプや光スイッチなど他にも機器を通るが、説明に必要なのは分散補償器だけなので、他の機器を省略し、DCM3を通ってそのままfiber23につながるような表示にしている。図9からわかるように、パスp7はfiber12、DCM3、fiber23、DCM6を通る。
次にパスごとにパスの終点での分散量の許容範囲の上限と下限を入力する。図10に許容範囲の上限および下限を示す。例えば、パスp7の許容範囲の上限はUpperBound[7]であり、下限はLowerBound[7]となっている。
次に第1の制約条件で使われるx[i,k]について説明する。x[i,k]は0または1をとる整数変数で、混合整数計画法では、x[i,k]の値を求めることになる。この変数は各分散補償量の候補の数だけある。
図11はDCMの補償量の候補と変数の対応関係を示す図である。例えばDCM1の候補1に対応するのはx[1,1]で、x[1,1]=1であればDCM1の補償量は、図7の表から候補1の分散補償値c11に決まる。この変数を使って、DCM1の補償量(λ0での値)を仮にdcm1と書くと、数式としては以下の式(7)のように書くことができる。
dcml=c11[λ0]x[1,1]+c12[λ0]x[1,2]+c13[λ0]x[1,3]+c14[λ0]x[1,4] ・・・(7)
ただし、この式(7)に制限がないと、複数の補償量候補の組み合わせが可能になってしまう。すなわち、1つの分散補償器には、1つの分散補償量が設定されるが、式(7)に制限がないと、1つの分散補償器に複数の分散補償量の設定が可能ということになってしまう。そこで、どれか1つだけを選ぶような制限を設ける必要があり、それが第1の制約条件となる。
x[1,1]、x[1,2]、x[1,3]、x[1,4]の値の組み合わせの中で、意味のあるものは図12に示す4通りだけである。図12は第1の制約条件の候補を示す図である(DCM1に関するものだけ示している)。図12に示す組み合わせだけに制限するには、式(8a)のような条件を混合整数計画問題に入れることになる。
Figure 0005391727
ここで、DCM1〜DCM6までの第1の制約条件について書き並べると、それぞれ以下の式(8a)〜(8e)のようになる。
Figure 0005391727
次に第2および第3の制約条件に出てくる残留分散rd[G,λ]の式について説明する。例として、パスp1の終点であるノードn2におけるλ1でのrd[G,λ1]を説明する。パスp1は、fiber12とDCM3を通るので、rd[1,λ1]はfiber12の分散とDCM3の補償量の合計になる。したがって、DCM3のrd[1,λ1]は以下の式(9)となる。
rd[1,λ1]=d12[λ1]+(c31[λ1]x[3,1]+c32[λ1]x[3,2]+c33[λ1]x[3,3]
+c34[λ1]x[3,4]+c35[λ1]x[3,5]) ・・・(9)
式(9)を用いてG=1の第2の制約条件の式の1つが以下の式(10)となる。
d12[λ1]+c31[λ1]x[3,1]+c32[λ1]x[3,2]+c33[λ1]x[3,3]+c34[λ1]x[3,4]
+c35[λ1]x[3,5]-LowerBound[1]≦b1[1] ・・・(10)
変数を左辺に、定数を右辺に持ってくるように式(10)を変形すると、以下式(10−1a)のようになる。
c31[λ1]x[3,1]+c32[λ1]x[3,2]+c33[λ1]x[3,3]+c34[λ1]x[3,4]+c35[λ1]x[3,5]
-b1[1]≦LowerBound[1]-d12[λ1] ・・・(10−1a)
同様にして、パスp1の第1の余裕値b1[1]について、λ1〜λ4に対する第2の制約条件をすべて書くとそれぞれ以下のようになる。
c31[λ1]x[3,1]+c32[λ1]x[3,2]+c33[λ1]x[3,3]+c34[λ1]x[3,4]+c35[λ1]x[3,5]
-b1[1]≦LowerBound[1]-d12[λ1] ・・・(10−1a)
c31[λ2]x[3,1]+c32[λ2]x[3,2]+c33[λ2]x[3,3]+c34[λ2]x[3,4]+c35[λ2]x[3,5]
-b1[1]≦LowerBound[1]-d12[λ2] ・・・(10−1b)
c31[λ3]x[3,1]+c32[λ3]x[3,2]+c33[λ3]x[3,3]+c34[λ3]x[3,4]+c35[λ3]x[3,5]
-b1[1]≦LowerBound[1]-d12[λ3] ・・・(10−1c)
c31[λ4]x[3,1]+c32[λ4]x[3,2]+c33[λ4]x[3,3]+c34[λ4]x[3,4]+c35[λ4]x[3,5]
-b1[1]≦LowerBound[1]-d12[λ4] ・・・(10−1d)
上記の4つの式は波長が異なるのみなので、他のパスについては、λ1の第2の制約条件の式のみ以下に記載する。
パスp2については、
c11[λ1]x[1,1]+c12[λ1]x[1,2]+c13[λ1]x[1,3]+c14[λ1]x[1,4]-b1[2]
≦LowerBound[2]-d21[λ1] ・・・(10−2a)
パスp3については、
c61[λ1]x[6,1]+c62[λ1]x[6,2]+c63[λ1]x[6,3]+c64[λ1]x[6,4]+c65[λ1]x[6,5]
+c66[λ1]x[6,6]-b1[3]
≦LowerBound[3]-d23[λ1] ・・・(10−3a)
パスp4については、
c41[λ1]x[4,1]+c42[λ1]x[4,2]+c43[λ1]x[4,3]+c44[λ1]x[4,4]-b1[4]
≦LowerBound[4]-d32[λ1] ・・・(10−4a)
パスp5については、
c21[λ1]x[2,1]+c22[λ1]x[2,2]+c23[λ1]x[2,3]-b1[5]
≦LowerBound[5]-d31[λ1] ・・・(10−5a)
パスp6については、
c51[λ1]x[5,1]+c52[λ1]x[5,2]+c53[λ1]x[5,3]-b1[6]
≦LowerBound[6]-d13[λ1] ・・・(10−6a)
パスp7については、
c31[λ1]x[3,1]+c32[λ1]x[3,2]+c33[λ1]x[3,3]+c34[λ1]x[3,4]+c35[λ1]x[3,5]
+c61[λ1]x[6,1]+c62[λ1]x[6,2]+c63[λ1]x[6,3]+c64[λ1]x[6,4]+c65[λ1]x[6,5]
+c66[λ1]x[6,6]-b1[7]
≦LowerBound[7]-d12[λ1]-d23[λ1] ・・・(10−7a)
パスp8については、
c41[λ1]x[4,1]+c42[λ1]x[4,2]+c43[λ1]x[4,3]+c44[λ1]x[4,4]
+c11[λ1]x[1,1]+c12[λ1]x[1,2]+c13[λ1]x[1,3]+c14[λ1]x[1,4]-b1[8]
≦LowerBound[8]-d32[λ1]-d21[λ1] ・・・(10−8a)
パスp9については、
c61[λ1]x[6,1]+c62[λ1]x[6,2]+c63[λ1]x[6,3]+c64[λ1]x[6,4]+c65[λ1]x[6,5]
+c66[λ1]x[6,6]+c21[λ1]x[2,1]+c22[λ1]x[2,2]+c23[λ1]x[2,3]-b1[9]
≦LowerBound[9]-d23[λ1]-d31[λ1] ・・・(10−9a)
パスp10については、
c51[λ1]x[5,1]+c52[λ1]x[5,2]+c53[λ1]x[5,3]
+c41[λ1]x[4,1]+c42[λ1]x[4,2]+c43[λ1]x[4,3]+c44[λ1]x[4,4]-b1[10]
≦LowerBound[10]-d13[λ1]-d32[λ1] ・・・(10−10a)
パスp11については、
c21[λ1]x[2,1]+c22[λ1]x[2,2]+c23[λ1]x[2,3]+c31[λ1]x[3,1]+c32[λ1]x[3,2]
+c33[λ1]x[3,3]+c34[λ1]x[3,4]+c35[λ1]x[3,5]-b1[11]
≦LowerBound[11]-d31[λ1]-d12[λ1] ・・・(10−11a)
パスp12については、
c11[λ1]x[1,1]+c12[λ1]x[1,2]+c13[λ1]x[1,3]+c14[λ1]x[1,4]
+c51[λ1]x[5,1]+c52[λ1]x[5,2]+c53[λ1]x[5,3]-b1[12]
≦LowerBound[12]-d21[λ1]-d13[λ1] ・・・(10−12a)
となる。
次に第3の制約条件も同様に書くことができる。パスp1の第3の制約条件について、b2[1]のλ1についての不等式は以下の式(11)となる。
UpperBound[1]-(d12)[λ1]+c31[λ1]x[3,1]+c32[λ1]x[3,2]+c33[λ1]x[3,3]
+c34[λ1]x[3,4]+c35[λ1]x[3,5]≦b2[1] ・・・(11)
式(11)の変数を左辺、定数を右辺にし、不等号の向きを第2の制約条件と合わせると、
-c31[λ1]x[3,1]-c32[λ1]x[3,2]-c33[λ1]x[3,3]-c34[λ1]x[3,4]-c35[λ1]x[3,5]
-b2[1]≦-UpperBound[1]+d12[1] ・・・(11−1a)
となる。同様にして、パスp1の第2の余裕値b2[1]について、λ1〜λ4に対する第3の制約条件をすべて書くとそれぞれ以下のようになる。
-c31[λ1]x[3,1]-c32[λ1]x[3,2]-c33[λ1]x[3,3]-c34[λ1]x[3,4]-c35[λ1]x[3,5]
-b2[1]≦-UpperBound[1]+d12[1] ・・・(11−1a)
-c31[λ2]x[3,1]-c32[λ2]x[3,2]-c33[λ2]x[3,3]-c34[λ2]x[3,4]-c35[λ2]x[3,5]
-b2[1]≦-UpperBound[1]+d12[1] ・・・(11−1b)
-c31[λ3]x[3,1]-c32[λ3]x[3,2]-c33[λ3]x[3,3]-c34[λ3]x[3,4]-c35[λ3]x[3,5]
-b2[1]≦-UpperBound[1]+d12[1] ・・・(11−1c)
-c31[λ4]x[3,1]-c32[λ4]x[3,2]-c33[λ4]x[3,3]-c34[λ4]x[3,4]-c35[λ4]x[3,5]
-b2[1]≦-UpperBound[1]+d12[1] ・・・(11−1d)
上記の4つの式は波長が異なるのみなので、他のパスについては、λ1の第3の制約条件の式のみ以下に記載する。
パスp2については、
-c11[λ1]x[1,1]-c12[λ1]x[1,2]-c13[λ1]x[1,3]-c14[λ1]x[1,4]-b2[2]
≦UpperBound[2]+d21[λ1] ・・・(11−2a)
パスp3については、
-c61[λ1]x[6,1]-c62[λ1]x[6,2]-c63[λ1]x[6,3]-c64[λ1]x[6,4]-c65[λ1]x[6,5]
-c66[λ1]x[6,6]-b2[3]
≦-UpperBound[3]+d23[λ1] ・・・(11−3a)
パスp4については、
-c41[λ1]x[4,1]-c42[λ1]x[4,2]-c43[λ1]x[4,3]-c44[λ1]x[4,4]-b2[4]
≦-UpperBound[4]+d32[λ1] ・・・(11−4a)
パスp5については、
-c21[λ1]x[2,1]-c22[λ1]x[2,2]-c23[λ1]x[2,3]-b2[5]
≦-UpperBound[5]+d31[λ1] ・・・(11−5a)
パスp6については、
-c51[λ1]x[5,1]-c52[λ1]x[5,2]-c53[λ1]x[5,3]-b2[6]
≦-UpperBound[6]+d13[λ1] ・・・(11−6a)
パスp7については、
-c31[λ1]x[3,1]-c32[λ1]x[3,2]-c33[λ1]x[3,3]-c34[λ1]x[3,4]-c35[λ1]x[3,5]
-c61[λ1]x[6,1]-c62[λ1]x[6,2]-c63[λ1]x[6,3]-c64[λ1]x[6,4]-c65[λ1]x[6,5]
-c66[λ1]x[6,6]-b2[7]
≦-UpperBound[7]+d12[λ1]+d23[λ1] ・・・(11−7a)
パスp8については、
-c41[λ1]x[4,1]-c42[λ1]x[4,2]-c43[λ1]x[4,3]-c44[λ1]x[4,4]
-c11[λ1]x[1,1]-c12[λ1]x[1,2]-c13[λ1]x[1,3]-c14[λ1]x[1,4]-b2[8]
≦-UpperBound[8]+d32[λ1]+d21[λ1] ・・・(11−8a)
パスp9については、
-c61[λ1]x[6,1]-c62[λ1]x[6,2]-c63[λ1]x[6,3]-c64[λ1]x[6,4]-c65[λ1]x[6,5]
-c66[λ1]x[6,6]-c21[λ1]x[2,1]-c22[λ1]x[2,2]-c23[λ1]x[2,3]-b2[9]
≦-UpperBound[9]+d23[λ1]+d31[λ1] ・・・(11−9a)
パスp10については、
-c51[λ1]x[5,1]-c52[λ1]x[5,2]-c53[λ1]x[5,3]
-c41[λ1]x[4,1]-c42[λ1]x[4,2]-c43[λ1]x[4,3]-c44[λ1]x[4,4]-b2[10]
≦-UpperBound[10]+d13[λ1]+d32[λ1] ・・・(11−10a)
パスp11については、
-c21[λ1]x[2,1]-c22[λ1]x[2,2]-c23[λ1]x[2,3]-c31[λ1]x[3,1]-c32[λ1]x[3,2]
-c33[λ1]x[3,3]-c34[λ1]x[3,4]-c35[λ1]x[3,5]-b2[11]
≦-UpperBound[11]+d31[λ1]+d12[λ1] ・・・(11−11a)
パスp12については、
-c11[λ1]x[1,1]-c12[λ1]x[1,2]-c13[λ1]x[1,3]-c14[λ1]x[1,4]
-c51[λ1]x[5,1]-c52[λ1]x[5,2]-c53[λ1]x[5,3]-b2[12]
≦-UpperBound[12]+d21[λ1]+d13[λ1] ・・・(11−12a)
となる。
最後に目的関数zは以下のように書くことができる。
Figure 0005391727
演算制御部13では、制約条件にもとづき、式(12)を最小化するx[i,k]の値を求める。これにより、値が1になったx[i,k]に対応する分散補償量ckが、fiber#iの受信端のノードに置かれる分散補償器の分散補償量と決定される。
次に最小解を求めることの概念について図式化して説明する。なお、第2の制約条件のもとで最小解を求める場合と、第3の制約条件のもとで最小解を求める場合とに分けて説明する。
図13は第2の制約条件のもとで最小解を求めるときの概念を説明するための図である。パスGにλ1〜λ4の4波が流れるとして、残留分散rd[G,λ1]、rd[G,λ2]、rd[G,λ3]、rd[G,λ4]を考える。これらの残留分散が、許容範囲の下限LowerBound[G](ここの説明ではLB[G]と表記する)に対して、図13に示すような値(大小関係)であったとする。
上述の第2の制約条件を示す式(2a)の左辺は、残留分散から下限を引いた差を求めているので、rd[G,λ1]−LB[G]=a1、rd[G,λ2]−LB[G]=a2、rd[G,λ3]−LB[G]=a3、rd[G,λ4]−LB[G]=a4であったとする。なお、a4<a1<a3<a2とする。
また、式(2a)の右辺から、第1の余裕値b1[G]と差分値a1〜a4との関係は、a1≦b1[G]、a2≦b1[G]、a3≦b1[G]、a4≦b1[G]となる。ここで、これら4つの不等式を満たし、かつb1[G]が最小となるのは、差分値a1〜a4の大小関係から考えて、b1[G]=a2のときである。すなわち、差分が最も大きなa2と等しいb1[G]は、4つの不等式すべてを満たす最小の値となる。また、選択される残留分散としては、このときのrd[G,λ2]が選択されることになる。
図13からわかるように、rd[G,λ2]は、許容範囲内にあって、下限LB[G]から、より離れた値に位置するものであり、下限LB[G]に対して、rd[G,λ1]〜rd[G,λ4]の中で、最も残留分散のばらつきが小さなrd[G,λ2]が選ばれていることになる(下限に対する残留分散のばらつきが小さいということは、許容範囲の下限から離れた値になっているということである)。
図14は第3の制約条件のもとで最小解を求めるときの概念を説明するための図である。パスGにλ1〜λ4の4波が流れるとして、残留分散rd[G,λ1]、rd[G,λ2]、rd[G,λ3]、rd[G,λ4]を考える。これらの残留分散が、許容範囲の上限UpperBound[G](ここの説明ではUB[G]と表記する)に対して、図14に示すような値(大小関係)であったとする。
上述の第3の制約条件を示す式(3a)の左辺は、上限から残留分散を引いた差を求めているので、UB[G]−rd[G,λ1]=a11、UB[G]−rd[G,λ2]=a12、UB[G]−rd[G,λ3]=a13、UB[G]−rd[G,λ4]=a14であったとする。なお、a14<a11<a12<a13とする。
また、式(3a)の右辺から、第2の余裕値b2[G]と差分値a11〜a14との関係は、a11≦b2[G]、a12≦b2[G]、a13≦b2[G]、a14≦b2[G]となる。ここで、これら4つの不等式を満たし、かつb2[G]が最小となるのは、差分値a11〜a14の大小関係から考えて、b2[G]=a13のときである。すなわち、差分が最も大きなa13と等しいb2[G]は、4つの不等式すべてを満たす最小の値となる。また、選択される残留分散としては、このときのrd[G,λ3]が選択されることになる。
図14からわかるように、rd[G,λ3]は、許容範囲内にあって、上限UB[G]から、より離れた値に位置するものであり、上限UB[G]に対して、rd[G,λ1]〜rd[G,λ4]の中で、最も残留分散のばらつきが小さなrd[G,λ3]が選ばれていることになる(上限に対する残留分散のばらつきが小さいということは、許容範囲の上限から離れた値になっているということである)。
以上説明したように、光ネットワーク設計装置10では、従来のような1つの基準波長で計算した残留分散を基に推定した固定値のばらつきを設定するのではなく、波長ごとの残留分散のばらつきが最小となるように、各ノードの分散補償量を決定する。
従来では、波長分散のばらつきを一定の固定値として入力していたため、実際の波長分散の波長チャネルごとのばらつきを小さくするような最適化をすることができなかった。
これに対し、光ネットワーク設計装置10では、まず、各パスの各波長チャネルにおける終点での残留分散と波長分散の許容範囲の下限との差に等しいか大きい任意の値をとる第1の余裕値と、各パスの各波長チャネルにおける終点での波長分散の許容範囲の上限と残留分散との差に等しいか大きい任意の値をとる第2の余裕値とを制約条件として設定する。
そして、第1の余裕値と第2の余裕値の和をとることで、波長ごとの残留分散のばらつき幅を数式表現できるので、第1の余裕値と第2の余裕値の和をすべてのパスについて合計したものを目的関数に含み、その目的関数を最小化する混合整数計画問題を解くことによって、波長ごとの残留分散のばらつきが最小となるように各ノードの分散補償量を決定する構成とした。
これにより、パスの終点における波長チャネルごとの残留分散のばらつぎが最小となるように、各ノードの分散補償量の決定をすることができるようになり、分散補償量の最適設計が可能になる。
なお、混合整数計画問題を計算する場合には、一般的に知られる切除平面法や分枝限定法などを用いることができる(また、線形計画問題や整数計画問題は、例えば、GLPK(GNU Linear Programming Kit)のようなフリーソフトウェアを使用して計算することもできる)。
次に第1の変形例について説明する。第1の変形例では、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の上限を超えている場合に、新たな制約条件を追加する。
ここで、制約条件設定部12は、パスの終点における残留分散が許容範囲の上限よりも大きい場合には、すべての波長について、第1の余裕値が、残留分散から、残留分散の許容範囲の下限を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b1Coefを1よりも大きな定数として、
if rd[G,λ]>UpperBound[G]
b1Coef×(rd[G,λ]−LowerBound[G])≦b1[G] ・・・(13)
の制約条件を追加する。
この制約条件により、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の上限を超えていると、b1[G]が元の値よりもb1Coef倍になる。これによって目的関数zも大きくなるため、目的関数zを最小化しようとすると、できるだけ残留分散が許容範囲の上限を超えないような解が得られるようになる。
このように、第1の変形例では、パスの終点での残留分散が残留分散の許容範囲の上限を超えている場合に、第1の余裕値が元の値よりも1より大きい定数倍になるように制約条件を追加する。このような制約条件を追加することで、パスの終点で残留分散が許容範囲の上限を超えている波長チャネルがあると、第1の余裕値が大きくなり、結果として目的関数を大きくすることができる。これにより、波長分散の波長チャネルごとのばらつき範囲ができるだけ許容範囲の上限を超えないように、各ノードの分散補償量を決定することが可能になる。
次に第2の変形例について説明する。第2の変形例では、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の下限を下回っている場合に、新たな制約条件を追加する。
ここで、制約条件設定部12は、パスの終点における残留分散が許容範囲の下限よりも小さい場合には、第2の余裕値が、残留分散の許容範囲の上限から、残留分散を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b2oefを1よりも大きな定数として、
if rd[G,λ]<LowerBound[G]
b2Coef×(UpperBound[G]−rd[G,λ])≦b2[G] ・・・(14)
の制約条件を追加する。
この制約条件により、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の下限を下回っていると、b2[G]が元の値よりもb2Coef倍になる。これによって目的関数zも大きくなるため、目的関数zを最小化しようとすると、できるだけ残留分散が許容範囲の下限を下回らないような解が得られるようになる。
このように、第2の変形例では、パスの終点での残留分散が残留分散の許容範囲の下限を下回っている場合に、第2の余裕値が元の値よりも1より大きい定数倍になるように制約条件を追加する。このような制約条件を追加することで、パスの終点で残留分散が許容範囲の下限を下回っている波長チャネルがあると、第2の余裕値が大きくなり、結果として目的関数を大きくすることができる。これにより、波長分散の波長チャネルごとのばらつき範囲ができるだけ許容範囲の下限を下回らないように、各ノードの分散補償量を決定することが可能になる。
次に第3の変形例について説明する。第3の変形例では、演算制御部13は、目的関数を、すべてのパスについて第1の余裕値と第2の余裕値との和に、パスごとに決められた定数を乗じたものの総和とし、目的関数zをh=1、・・・、G、パスごとの定数をw[G]とした場合、
Figure 0005391727
と生成する。
w[G]は、パスごとの重みで、実際にそのパスで通信する回線の本数に比例する値などを使うことができる。このようにすると、w[G]の値の大きいものほど、b1[G]+b2[G]を大きく評価することになるため、全体としてはw[G]の大きいパスほど波長チャネルごとのばらつきの小さい解を得ることができる。または、第1、第2の変形例のような場合にはw[G]の大きいパスほど、より多くの波長チャネルにおける残留分散が許容範囲に入るような解を得ることができる。
このように、第3の変形例では、第1の余裕値と第2の余裕値の和にパスごとの重みを乗じ、それをすべてのパスについて総和をとったものを目的関数とした。これにより、重みの大きいパスほど、より多くの波長チャネルで残留分散が許容範囲に入るような解を得ることができる。
次に第4の変形例について説明する。第4の変形例では、パスGについて正の誤差値と負の誤差値を設定する。制約条件設定部12は、非負の正の誤差値と、負の誤差値とを新たに設定し、正の誤差値が、第2の余裕値から第1の余裕値を引いた差よりも等しいか大きいとする第4の制約条件を、正の誤差値をe1[G]、負の誤差値をe2[G]とした場合に、
b2[G]−b1[G]≦e1[G] ・・・(16a)
e1[G]≧0 ・・・(16b)
と設定する。
また、負の誤差値が、第1の余裕値から第2の余裕値を引いた差よりも等しいか大きいとする第5の制約条件を、
b1[G]−b2[G]≦e2[G] ・・・(17a)
e2[G]≧0 ・・・(17b)
と設定する。
さらに、演算制御部13は、第4、第5の制約条件を含み、目的関数に正の誤差値と負の誤差値の和をすべてのパスについて加算したものを含む目的関数zをh=1、・・・、G、αを定数とした場合、
Figure 0005391727
と生成する。式(18a)中のαは定数であり、b1[G]+b2[G]とe1[G]+e2[G]のどちらをより重く考慮するかを調整するための係数である。
このように、第4の変形例では、非負の正の誤差値と負の誤差値を定義し、正の誤差値は、第2の余裕値から第1の余裕値を引いた差と等しいか大きいという制約条件と、負の誤差値は、第1の余裕値から第2の余裕値を引いた差と等しいか大きいという制約条件を加え、さらに正の誤差値と負の誤差値の和をすべてのパスについて加算した値を目的関数に含むようにした。これにより、波長分散の波長チャネルごとのばらつき範囲ができるだけ許容範囲の中心付近にくるように、各ノードの分散補償量の決定をすることが可能になる。
次に第5の変形例について説明する。第5の変形例では、第4の変形例で示した目的関数を
Figure 0005391727
と生成する。
式(18b)中のパスごとの重みw2[G]は、パスごとに定義される任意の値であり、例えば実際にそのパスで通信する回線の本数に比例する値などを使うことができる。
このように、正の誤差値と負の誤差値の和にパスごとの重みを乗じ、それをすべてのパスについて総和をとったものを目的関数に含むことで、重みの大きいパスほど、よりばらつき範囲が許容範囲の中心付近にくるような解を得ることができる。
したがって、重みの大きいパスほど波長分散の波長チャネルごとのばらつき範囲が、より許容範囲の中心付近にくるように、各ノードの分散補償量を決定することが可能になる。
次に第6の変形例について説明する。第6の変形例では、第4の変形例の目的関数を、
Figure 0005391727
と生成する。式(18c)中のパスごとの重みw1[G]とw2[G]は、パスごとに定義される任意の値であり、例えばw1[G]はそのパスで使用する波長の数に比例する値を、w2[G]は伝送距離が長いなどの理由で元々ばらつき範囲が許容範囲とほとんど同じくらいになるものに大きな値をつけたりすることができる。
このように、第6の変形例では、第1の余裕値と第2の余裕値の和にパスごとの重みを乗じ、かつ正の誤差値と負の誤差値の和にパスごとの重みを乗じ、かつ同じパスでも前者と後者では異なる重みをつけられるようにし、それをすべてのパスについて総和をとったものを目的関数とする。
これにより、それぞれの重みの大きいパスほど、より多くの波長チャネルで残留分散が許容範囲に入る、あるいはばらつき範囲ができるだけ許容範囲の中心付近にくるような解を得ることが可能になる。
次に第7の変形例について説明する。第7の変形例は、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の上限を超えている場合に、新たな制約条件を追加する。なお、第1の変形例と異なる点は、定数をパス毎に設定する点である(b1Coefをb1Coef[G]とする)。
制約条件設定部12は、パスの終点における残留分散が許容範囲の上限よりも大きい場合には、パスごとにすべての波長について、第1の余裕値が、残留分散から、残留分散の許容範囲の下限を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b1Coef[G]を1よりも大きな定数として、
if rd[G,λ]>UpperBound[G]
b1Coef[G]×(rd[G,λ]−LowerBound[G])≦b1[G] ・・・(19)
の制約条件を追加する。
b1Coef[G]は、パスGについて定義される重み定数である。この制約条件により、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の上限を超えていると、b1[G]が元の値よりもb1Coef[G]倍になる。
これによって目的関数zも大きくなるため、目的関数zを最小化しようとすると、b1Coef[G]の大きいパスほど、できるだけ残留分散が許容範囲の上限を超えないような解が得られるようになる。なお、b1Coef[G]を大きくすると、目的関数zへ大きく反映されるようになるため、そのパスの残留分散ができるだけ許容範囲の上限を超えない解から探していくようになる。
このように、第7の変形例では、パスの終点での残留分散が残留分散の許容範囲の上限を超えている場合に、第1の余裕値が元の値よりも1より大きいパスごとに定義した重みを掛けた値になるように制約条件を追加する。パスごとに重みを変えることで、重要なパスほど許容範囲を超えないようにすることができる。
すなわち、優先度の高いパスほど、波長分散の波長チャネルごとのばらつき範囲ができるだけ許容範囲の上限を超えないように、各ノードの分散補償量を決定することが可能になる。
次に第8の変形例について説明する。第8の変形例では、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の下限を下回っている場合に、新たな制約条件を追加する。なお、第2の変形例と異なる点は、定数をパス毎に設定する点である(b2Coefをb2Coef[G]とする)。
制約条件設定部12は、パスの終点における残留分散が許容範囲の下限よりも小さい場合には、パスごとにすべての波長について、第1の余裕値が、残留分散の許容範囲の上限から、残留分散を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b2Coef[G]を1よりも大きな定数として、
if rd[G,λ]<LowerBound[G]
b2Coef[G]×(UpperBound[G]−rd[G,λ])≦b2[G] ・・・(20)
の制約条件を追加する。b2Coef[G]は、パスGについて定義される重み定数である。この制約条件により、波長チャネルλにおけるパスGの終点での残留分散rd[G,λ]が、パスGの終点における残留分散の許容範囲の下限を下回っていると、b2[G]が元の値よりもb2Coef[G]倍になる。
これによって目的関数zも大きくなるため、目的関数zを最小化しようとすると、b2Coef[G]の大きいパスほど、できるだけ残留分散が許容範囲の下限を下回らないような解が得られるようになる。なお、b2Coef[G]を大きくすると、目的関数zへ大きく反映されるようになるため、そのパスの残留分散ができるだけ許容範囲の下限を下回らない解から探していくようになる。
このように、第8の変形例では、パスの終点での残留分散が残留分散の許容範囲の下限を下回っている場合に、第2の余裕値が元の値よりも1より大きいパスごとに定義した重みを掛けた値になるように制約条件を追加する。パスごとに重みを変えることで、重要なパスほど許容範囲を下回らないようにすることができる。
すなわち、優先度の高いパスほど、波長分散の波長チャネルごとのばらつき範囲ができるだけ許容範囲の下限を下回らないように、各ノードの分散補償量を決定することが可能になる。
次に光ネットワーク設計装置10による分散補償設計と、従来方法の固定ばらつき範囲を用いての分散補償設計との差異について説明する。
図15は2つのリングが接続されている光ネットワークを示す図である。光ネットワーク2aは、リングR1、R2を含む。リングR1は、ノードn0、n1、n2、n6、n7から構成され、リングR2は、ノードn3、n4、n5、n8、n9から構成される。また、ノードn2、n3の間の光ファイバf0によってリングR1、R2が接続している。
このような光ネットワーク2aにおいて、パスには、始点も終点も同一のリング内のものと(例えば、リングR1のノードn0が始点で、ノードn2が終点など)、始点と終点が異なるリングのもの(例えば、リングR1のノードn0が始点で、リングR2のノードn5が終点など)がある。
このとき、始点も終点もリングR1内のパスについて、リングR1上のノードに置く分散補償器を決めたとき、すべてのパスについてすべての波長チャネルの残留分散が許容範囲に入るような分散補償器の補償量の組み合わせが1通りしかなかったとする。同様に、始点も終点もリングR2内のパスについても、リングR2上のノードに置く分散補償器を決めたとき、すべてのパスについてすべての波長チャネルの残留分散が許容範囲に入るような分散補償器の補償量の組み合わせが1通りしかなかったとする。
このような場合、始点がリングR1で終点がリングR2のようなリング間にまたがるパスが存在しなければ問題ないが、リング間にまたがるパスが存在する場合は、それらのパスについても残留分散が許容範囲に入るように設計しなければならない。
ここで、リング間をまたがるパスとして、パスP1、P2を想定する。パスP1は、始点がノードn0、終点がノードn5で、n0→n1→n2→n3→n4→n5の伝送方向の経路とし、パスP2は、始点がノードn6、終点がノードn9で、n6→n7→n2→n3→n8→n9の伝送方向の経路とする。また、光ネットワーク2a上のすべての光ファイバにおいて、最大40波の波長チャネルが多重化されたWDM信号の伝送を可能とする。
パスP1、P2のようなパスが存在するとき、ノードn2、n3の間の光ファイバf0の受信端に置かれる分散補償器20(ノードn3に置かれる分散補償器)以外の分散補償器は、補償量を変更するとリングR1内またはリングR2内のパスについて、残留分散が許容範囲に入らなくなってしまうため、実質的にノードn2、n3の間の光ファイバの受信端に置かれる分散補償器20だけしか値を調整することができない。
図16は分散補償器20の分散補償量の候補を示す図である。分散補償器20の補償量の候補として値V1、値V2、値V3があるとし、また、値V1〜V3のいずれかを設定する分散補償器20を、ノードn3に配置したときの、パスP1、P2の伝送可能な波長チャネル数を示す。
なお、伝送可能な波長チャネル数とは、その波長チャネルにおけるパスP1またはパスP2の残留分散が許容範囲に入るものを指している。例えば、分散補償器20が値V1の分散補償量を設定する場合、パスP2については、すべての波長チャネルで残留分散が許容範囲に入るが、パスP1については、6つの波長チャネルしか残留分散が許容範囲に入らないことになる。
図17はパスP1、P2の伝送可能な波長チャネルを示す図である。パスP1において、値V1では6波の波長が許容範囲に入り、値V2では30波の波長が許容範囲に入り、値V3では40波すべての波長が許容範囲に入る。また、パスP2においては、値V1では40波すべての波長が許容範囲に入り、値V2では30波の波長が許容範囲に入り、値V3では6波の波長が許容範囲に入る。
このような場合、従来の分散補償設計では、すべての波長チャネルにおける残留分散が許容範囲に入る数を最大にするという設計を行うことになるので、この例では、すべての波長チャネルで残留分散が許容範囲に入る、値V1または値V3が選ばれることになる。
しかし、値V1が選択された場合は、パスP2ではすべての波長チャネルが使用できても、パスP1で残留分散が許容範囲に入る、すなわち伝送に利用できる波長は6つしかないので、パスP1、P2の利用率に大きな差が生じ、パスP1、P2を同等の率で使用することができなくなる(パスP1を利用する側にとっては極端に不利となる)。
同様にして、値V3が選択された場合は、パスP1ではすべての波長チャネルが使用できても、パスP2で残留分散が許容範囲に入る、すなわち伝送に利用できる波長は9つしかないので、パスP1、P2の利用率に大きな差が生じ、パスP1、P2を同等の率で使用することができなくなる(パスP2を利用する側にとっては極端に不利となる)。
これに対し、光ネットワーク設計装置10で分散補償設計を行うと、パスP1、P2のすべての波長チャネルに対して、残留分散が許容範囲に入るような設計を行うので、値V2を選択することになる。
値V2が選択された場合は、パスP1、P2で残留分散が許容範囲に入る、すなわち伝送に利用できる波長はそれぞれ30波であるので、この例ではパスP1、P2を同等の利用率で使用することができる。すなわち、パスP1、P2のそれぞれに対して、伝送可能な波長チャネル数が適度に存在することになる。
なお、分散補償器20で補償されない波長チャネルについては、ノードn2側で光/電気変換を行って、一旦電気信号に変換し、電気ケーブルによりノードn3へ伝送し、ノードn3では、受信した電気信号を電気/光変換を行って、光信号に再生して伝送してもよい。
このように、光ネットワークが複雑になると、どのように分散補償器の補償量を設定しても、パスによっては一部の波長チャネルがどうしても許容範囲に入らない場合が発生する。
このような場合、従来方法で設計すると、単に、残留分散が許容範囲に入る数が最大のものを選ぶことになるが(上記の例では値V1または値V3の選択)、光ネットワーク設計装置10では、残留分散のばらつきを最小化する分散補償設計を行うので、できるだけ多くのパスについて、できるだけ多くの波長チャネルが許容範囲に入るような設計結果を得る(上記の例では値V2の選択)ことが可能になる。
(付記1) 光ネットワークの分散補償設計を行う光ネットワーク設計装置において、
制約条件を設定する制約条件設定部と、
前記制約条件を含む目的関数から最適解を求め、得られた解で指定される、各ノードの分散補償量を、該当ノードに配置される分散補償器の分散補償量として決定する演算制御部と、
を備え、
前記制約条件設定部は、
各ノードの分散補償量を、あらかじめ与えられた複数の候補値の中から1つの値を選択することを第1の制約条件として設定し、
パスごとに非負の任意の値をとる第1の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第1の余裕値が、パスの終点における残留分散から残留分散の許容範囲の下限を引いた差に対して等しいか大きいことを第2の制約条件として設定し、
パスごとに非負の任意の値をとる第2の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第2の余裕値が、パスの終点における残留分散の許容範囲の上限から残留分散を引いた差に対して等しいか大きいことを第3の制約条件として設定し、
前記演算制御部は、
前記第1、第2、第3の制約条件を含み、すべてのパスについて、前記第1の余裕値と前記第2の余裕値の総和を前記目的関数に含み、前記目的関数を最小化する前記解を求める、
ことを特徴とする光ネットワーク設計装置。
(付記2) 前記制約条件設定部は、ノードに配置される分散補償器の識別番号をi、分散補償量の候補値の数をkとし、前記第1の制約条件は、k=1、・・・、j(jは自然数)とした場合、すべてのiについて、
Figure 0005391727
と設定することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
(付記3) 前記制約条件設定部は、パスの識別番号をG、波長をλ、パスGの終点における残留分散をrd[G,λ]、パスGの許容範囲の下限をLowerBound[G]、パスGの許容範囲の上限をUpperBound[G]、前記第1の余裕値をb1[G]、前記第2の余裕値をb2[G]とした場合、前記第2の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
rd[G,λ]−LowerBound[G]≦b1[G]
b1[G]≧0
と設定し、
前記第3の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
UpperBound[G]−rd[G,λ]≦b2[G]
b2[G]≧0
と設定することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
(付記4) 前記演算制御部は、前記目的関数をz、G=1、・・・、h(hは自然数)とした場合、
Figure 0005391727
と生成することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記5) 前記演算制御部はさらに、
rd[G,λ]≦UpperBound[G]
rd[G,λ]≧LowerBound[G]
の両式を満たす波長λを、パスGに利用される波長と決定することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記6) 前記制約条件設定部は、パスの終点における残留分散が許容範囲の上限よりも大きい場合には、すべての波長について、前記第1の余裕値が、残留分散から残留分散の許容範囲の下限を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b1Coefを1よりも大きな定数として、
b1Coef×(rd[G,λ]−LowerBound[G])≦b1[G]
の制約条件を追加することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記7) 前記制約条件設定部は、パスの終点における残留分散が許容範囲の下限よりも小さい場合には、すべての波長について、前記第2の余裕値が、残留分散の許容範囲の上限から、残留分散を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b2Coefを1よりも大きな定数として、
b2Coef×(UpperBound[G]−rd[G,λ])≦b2[G]
の制約条件を追加することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記8) 前記演算制御部は、前記目的関数をすべてのパスについて、前記第1の余裕値と前記第2の余裕値との和に対し、パスごとに決められた定数を乗じたものの総和とし、目的関数zをh=1、・・・、G、パスごとの重み定数をw[G]とした場合、
Figure 0005391727
と生成することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記9) 前記制約条件設定部は、非負の正の誤差値と、負の誤差値とを新たに設定し、前記正の誤差値が、前記第2の余裕値から前記第1の余裕値を引いた差よりも等しいか大きいとする第4の制約条件を、前記正の誤差値をe1[G]、前記負の誤差値をe2[G]とした場合に、
b2[G]−b1[G]≦e1[G]
e1[G]≧0
と設定し、
前記負の誤差値が、前記第1の余裕値から前記第2の余裕値を引いた差よりも等しいか大きいとする第5の制約条件を、
b1[G]−b2[G]≦e2[G]
e2[G]≧0
と設定することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記10) 前記演算制御部は、前記第4、第5の制約条件を含み、前記目的関数に前記正の誤差値と前記負の誤差値の和をすべてのパスについて加算したものを含む目的関数zをh=1、・・・、G、αを定数とした場合、
Figure 0005391727
と生成することを特徴とする付記9記載の光ネットワーク設計装置。
(付記11) 前記演算制御部は、前記第4、第5の制約条件を含み、前記目的関数に前記正の誤差値と前記負の誤差値の和に、パスごとに決められた定数を乗じたものの総和としたものを含む目的関数zをh=1、・・・、G、αを定数、パスごとの重み定数をw2[G]とした場合、
Figure 0005391727
と生成することを特徴とする付記9記載の光ネットワーク設計装置。
(付記12) 前記演算制御部は、前記第1の余裕値と前記第2の余裕値との和に対し、パスごとに決められた定数を乗じたものの総和と、前記第4、第5の制約条件を含み、前記正の誤差値と前記負の誤差値の和に、パスごとに決められた定数を乗じたものの総和とを加算したものを含む目的関数zをh=1、・・・、G、αを定数、パスごとの重み定数をw1[G]、w2[G]とした場合、
Figure 0005391727
と生成することを特徴とする付記9記載の光ネットワーク設計装置。
(付記13) 前記制約条件設定部は、パスの終点における残留分散が許容範囲の上限よりも大きい場合には、パスごとにすべての波長について、前記第1の余裕値が、残留分散から残留分散の許容範囲の下限を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b1Coef[G]を1よりも大きなパスごとの定数として、
b1Coef[G]×(rd[G,λ]−LowerBound[G])≦b1[G]
の制約条件を追加することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記14) 前記制約条件設定部は、パスの終点における残留分散が許容範囲の下限よりも小さい場合には、パスごとにすべての波長について、前記第2の余裕値が、残留分散の許容範囲の上限から、残留分散を引いた差に定数を掛けた値が等しいか大きくなるように、b2Coef[G]を1よりも大きなパスごとの定数として、
b2Coef[G]×(UpperBound[G]−rd[G,λ])≦b2[G]
の制約条件を追加することを特徴とする付記3記載の光ネットワーク設計装置。
(付記15) 光ネットワークの分散補償設計を行う分散補償設計方法において、
各ノードの分散補償量を、あらかじめ与えられた複数の候補値の中から1つの値を選択することを第1の制約条件とし、
パスごとに非負の任意の値をとる第1の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第1の余裕値が、パスの終点における残留分散から残留分散の許容範囲の下限を引いた差に対して等しいか大きいことを第2の制約条件とし、
パスごとに非負の任意の値をとる第2の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第2の余裕値が、パスの終点における残留分散の許容範囲の上限から残留分散を引いた差に対して等しいか大きいことを第3の制約条件とし、
前記第1、第2、第3の制約条件を含み、すべてのパスについて、前記第1の余裕値と前記第2の余裕値の総和を前記目的関数に含み、前記目的関数を最小化する解を求め、
得られた解で指定される、各ノードの分散補償量を、該当ノードに配置される分散補償器の分散補償量として決定する、
ことを特徴とする分散補償設計方法。
(付記16) ノードに配置される分散補償器の識別番号をi、分散補償量の候補値の数をkとし、前記第1の制約条件は、k=1、・・・、j(jは自然数)とした場合、すべてのiについて、
Figure 0005391727
と設定することを特徴とする付記15記載の分散補償設計方法。
(付記17) パスの識別番号をG、波長をλ、パスGの終点における残留分散をrd[G,λ]、パスGの許容範囲の下限をLowerBound[G]、パスGの許容範囲の上限をUpperBound[G]、前記第1の余裕値をb1[G]、前記第2の余裕値をb2[G]とした場合、前記第2の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
rd[G,λ]−LowerBound[G]≦b1[G]
b1[G]≧0
と設定し、
前記第3の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
UpperBound[G]−rd[G,λ]≦b2[G]
b2[G]≧0
と設定することを特徴とする付記15記載の分散補償設計方法。
(付記18) 前記目的関数をz、G=1、・・・、h(hは自然数)とした場合、
Figure 0005391727
と生成することを特徴とする付記17記載の分散補償設計方法。
(付記19) rd[G,λ]≦UpperBound[G]
rd[G,λ]≧LowerBound[G]
の両式を満たす波長λを、パスGに利用される波長と決定することを特徴とする付記17記載の分散補償設計方法。
10 光ネットワーク設計装置
11 データベース
12 制約条件設定部
13 演算制御部
14 表示部

Claims (8)

  1. 光ネットワークの分散補償設計を行う光ネットワーク設計装置において、
    制約条件を設定する制約条件設定部と、
    前記制約条件を含む目的関数から最適解を求め、得られた解で指定される、各ノードの分散補償量を、該当ノードに配置される分散補償器の分散補償量として決定する演算制御部と、
    を備え、
    前記制約条件設定部は、
    各ノードの分散補償量を、あらかじめ与えられた複数の候補値の中から1つの値を選択することを第1の制約条件として設定し、
    パスごとに非負の任意の値をとる第1の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第1の余裕値が、パスの終点における残留分散から残留分散の許容範囲の下限を引いた差に対して等しいか大きいことを第2の制約条件として設定し、
    パスごとに非負の任意の値をとる第2の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第2の余裕値が、パスの終点における残留分散の許容範囲の上限から残留分散を引いた差に対して等しいか大きいことを第3の制約条件として設定し、
    前記演算制御部は、
    前記第1、第2、第3の制約条件を含み、すべてのパスについて、前記第1の余裕値と前記第2の余裕値の総和を前記目的関数に含み、前記目的関数を最小化する前記解を求め、
    前記演算制御部は、前記目的関数をz、パスの識別番号をGとして、G=1、・・・、hとし(hは自然数)、hは、パスに付けられた最大の識別番号の値、b1[G]を前記第1の余裕値、b2[G]を前記第2の余裕値とした場合、
    Figure 0005391727
    と生成する、
    ことを特徴とする光ネットワーク設計装置。
  2. 前記制約条件設定部は、ノードに配置される分散補償器の識別番号をi、分散補償器iに対して分散補償量を1つまたは2つ以上設定可能な場合に、最大設定可能数以下の自然数であって、かつ分散補償器iに設定可能な分散補償量の識別番号をkとし、分散補償器iが取り得るk個の分散補償量の補をx[i,k]とし、前記第1の制約条件は、k=1、・・・、jとした場合(jは自然数)、すべてのiについて、
    Figure 0005391727
    と設定し、
    x[i,k]は0か1の値を取り、1の値を取るx[i,k]が、複数の候補の中から1つ選択された識別番号がkの分散補償量を、分散補償器iに設定することを示す
    ことを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
  3. 前記制約条件設定部は、パスの識別番号をG、波長をλ、パスGの終点における残留分散をrd[G,λ]、パスGの許容範囲の下限をLowerBound[G]、パスGの許容範囲の上限をUpperBound[G]、前記第1の余裕値をb1[G]、前記第2の余裕値をb2[G]とした場合、前記第2の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
    rd[G,λ]−LowerBound[G]≦b1[G]
    b1[G]≧0
    と設定し、
    前記第3の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
    UpperBound[G]−rd[G,λ]≦b2[G]
    b2[G]≧0
    と設定することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
  4. 前記演算制御部はさらに、
    rd[G,λ]≦UpperBound[G]
    rd[G,λ]≧LowerBound[G]
    の両式を満たす波長λを、パスGに利用する波長と決定することを特徴とする請求項3記載の光ネットワーク設計装置。
  5. 光ネットワークの分散補償設計を行う分散補償設計方法において、
    各ノードの分散補償量を、あらかじめ与えられた複数の候補値の中から1つの値を選択することを第1の制約条件とし、
    パスごとに非負の任意の値をとる第1の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第1の余裕値が、パスの終点における残留分散から残留分散の許容範囲の下限を引いた差に対して等しいか大きいことを第2の制約条件とし、
    パスごとに非負の任意の値をとる第2の余裕値を設定して、パスごとにすべての波長について、前記第2の余裕値が、パスの終点における残留分散の許容範囲の上限から残留分散を引いた差に対して等しいか大きいことを第3の制約条件とし、
    前記第1、第2、第3の制約条件を含み、すべてのパスについて、前記第1の余裕値と前記第2の余裕値の総和を目的関数に含み、前記目的関数を最小化する解を求め、
    得られた解で指定される、各ノードの分散補償量を、該当ノードに配置される分散補償器の分散補償量として決定し、
    前記目的関数をz、パスの識別番号をGとして、G=1、・・・、hとし(hは自然数)、hは、パスに付けられた最大の識別番号の値、b1[G]を前記第1の余裕値、b2[G]を前記第2の余裕値とした場合、
    Figure 0005391727
    と生成する、
    ことを特徴とする分散補償設計方法。
  6. ノードに配置される分散補償器の識別番号をi、分散補償器iに対して分散補償量を1つまたは2つ以上設定可能な場合に、最大設定可能数以下の自然数であって、かつ分散補償器iに設定可能な分散補償量の識別番号をkとし、分散補償器iが取り得るk個の分散補償量の補をx[i,k]とし、前記第1の制約条件は、k=1、・・・、jとした場合(jは自然数)、すべてのiについて、
    Figure 0005391727
    と設定し、
    x[i,k]は0か1の値を取り、1の値を取るx[i,k]が、複数の候補の中から1つ選択された識別番号がkの分散補償量を、分散補償器iに設定することを示す
    ことを特徴とする請求項5記載の分散補償設計方法。
  7. パスの識別番号をG、波長をλ、パスGの終点における残留分散をrd[G,λ]、パスGの許容範囲の下限をLowerBound[G]、パスGの許容範囲の上限をUpperBound[G]、前記第1の余裕値をb1[G]、前記第2の余裕値をb2[G]とした場合、前記第2の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
    rd[G,λ]−LowerBound[G]≦b1[G]
    b1[G]≧0
    と設定し、
    前記第3の制約条件は、すべての波長およびすべてのパスについて、
    UpperBound[G]−rd[G,λ]≦b2[G]
    b2[G]≧0
    と設定することを特徴とする請求項5記載の分散補償設計方法。
  8. rd[G,λ]≦UpperBound[G]
    rd[G,λ]≧LowerBound[G]
    の両式を満たす波長λを、パスGに利用される波長と決定することを特徴とする請求項7記載の分散補償設計方法。
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