JP5390274B2 - 繊維積層体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、平均繊維径が0.1〜10μmであり、厚みが200〜500μmの繊維構造体およびその製造方法に関する。
本発明の繊維構造体は、厚手で取り扱い性が良好であり、血液や体液の浸透性に優れているため、医療用品や衛生用品、とりわけ損傷を受けた組織や臓器を保護材、被覆材や止血材に好ましく用いられる。
エレクトロスピニング法は、静電紡糸法、電界紡糸法やエレクトロスプレー法ともよばれる繊維の作成方法である。そのエレクトロスピニング法で作成されるナノファイバーは、従来の成型方法よりも繊維径の細い糸を簡便に作成できるメリットがあり、表面積を高めた繊維構造体を得るための簡便な方法として、注目されている。そのメリットを生かした応用範囲のひとつに繊維径が細くなることで細胞との接着性や細胞包埋性を向上させた細胞培養担体や再生医療のための足場材料(Scaffold)などの医療用途があげられる。
細胞培養担体や再生医療の足場材料には、生分解性の高分子が好ましく用いられ、エレクトロスピニング法で成型加工が容易なポリ乳酸や、ポリ乳酸−グリコール酸共重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステルは、さまざまな医療用具に用いるための応用研究がなされている。
これら脂肪族ポリエステルよりエレクトロスピニング法で得られる繊維は、ナノファイバーともよばれているが、繊維を集める電極の形状が平面状であればシート状の繊維構造体を得ることができ、円柱状の電極を用いると円筒状の繊維構造体を得ることができる。
脂肪族ポリエステルとして幅広く利用されているポリ乳酸を原料とし、エレクトロスピニング法で作成したシート状の繊維構造体は、薄くて自己支持性に乏しく、取り扱い性の悪いものが多い。実用的に取り扱いやすい厚手のシートを作製しようとしても、ある一定以上の厚みは達成できない。
エレクトロスピニング法による繊維積層方法として特許文献1にはベルトコンベアである捕集手段を備えることにより繊維集合体を形成させる方法と、それにより形成された繊維集合体について記載されている。また、特許文献2には走行する繊維捕集電極上に繊維を捕集し、捕集した繊維構造体から溶媒を除去したのち、走行した下流にて繊維捕集電極上の繊維構造体に繊維を積層する方法が示されている。また、特許文献3には複数の***より電圧が印加された高分子溶液を噴出させ、***に相対移動する繊維捕集電極上に繊維を積層させる方法が記載されている。しかしながら、いずれの文献にも本発明に記載のような繊維積層体やその製造方法については何ら記載も示唆もされていない。
また、特許文献4には回転管体を捕集電極として用い0.5−5mm壁厚の繊維を積層させた管状繊維構造体の記載があるが、捕集した管状構造体を長軸方向へ切り開いてシートを作成しようとすると、管の内層と外層の円周差があるため、平面状に成形すること困難である。
特開2008−214825号公報 特開2008−231634号公報 特開2009−007717号公報 特開昭52−110977号公報
本発明が解決しようとする課題は、繊維径の小さい長繊維から形成される高積層繊維構造体とその製造方法を提供することである。特に、生分解性のポリマーよりなる繊維構造体であり、医療材料として好ましく用いることができる繊維構造体とその製造方法を提供することにある。
発明者らは、高度に繊維が積層され、取り扱い性に優れた繊維構造体について鋭意研究した結果、エレクトロスピニング時に液体にて被覆した繊維捕集電極上に集中して繊維が積層されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリマー溶液をエレクトロスピニングすることにより捕集電極上に繊維積層体を得る方法であって、水、当該ポリマーを溶解しない揮発性液体、またはそれらの混合液体にて被覆された捕集電極を用いることを特徴とする方法である。
また、本発明は平均繊維径が0.1〜10μmであり、厚みが200〜500μmの繊維積層体である。
本発明の製造方法により、単一工程で高度に集積された厚みのある繊維構造体を製造することが可能である。本発明の繊維構造体は、厚手でシリコンゴム手袋などの保護具を着用して作業する医療現場において取り扱い性がよく、はさみを使って任意の形状に切り取るのが容易である。本発明の繊維構造体は、生分解性のポリマーを用いた場合、臓器表面や創傷部位の保護材、被覆材、シール材として、止血材などに用いられる。
本発明方法を実施するための装置を模式的に示した図である。
本発明の繊維構造体は、典型的には平均繊維径が0.1〜10μmの長繊維よりなる繊維構造体である。ここで平均繊維径が0.1μmよりも小さい、または10μmよりも大きいと、所望の柔軟性や取り扱い性が得難い。好ましい平均繊維径は1.0〜9.0μmであり、さらに好ましくは、2.0〜8.0μmである。なお、繊維径とは繊維断面の直径を表す。繊維断面の形状は円形に限らず、楕円形や異形になることもありうる。この場合の繊維径とは、該楕円形の長軸方向の長さと短軸方向の長さの平均をその繊維径として算出する。また、繊維断面が円形でも楕円形でもないときには円または楕円に近似して繊維径を算出する。
本発明の繊維構造体は長繊維よりなる。長繊維とは、具体的には紡糸から繊維構造体への加工にいたるプロセスの中で、繊維を切断する工程を加えずに形成される繊維構造体のことをいい、エレクトロスピニング法、スパンボンド法、メルトブロー法などで形成することができるが、本発明ではエレクトロスピニング法が用いられる。ここで、エレクトロスピニング法とは、静電紡糸法、エレクトロスプレー法などともよばれる方法も原理的には同じであり、本発明でいうエレクトロスピニング法に含まれる。
エレクトロスピニング法は、ポリマーを溶媒に溶解させた溶液に高電圧を印加することで、電極上に繊維構造体を得る方法である。工程としては、高分子を溶媒に溶解させて溶液を製造する工程と、該溶液に高電圧を印加させる工程と、該溶液を噴出させる工程と、噴出させた溶液から溶媒を蒸発させて繊維構造体を形成させる工程を含む。
積層した繊維構造体同士が接合するための後加工として、金属やプラスチックなどの表面を使って力学的な応力を加える方法、具他的には、加圧ロールでの圧縮、ニードルパンチ処理、水圧や空気圧を活用して繊維同士をからませる方法などが利用できる。また、熱処理や、接着剤などの化学物質を利用することも任意に活用できる。しかしながら、本発明の、原料としてポリ乳酸、またはポリ乳酸−グリコール酸共重合体を用い、エレクトロスピニング法で作成した繊維構造体においては、力学的な応力を加えずに、熱処理だけで繊維を絡ませる方法が好ましく用いられる。このときの温度としては、ポリ乳酸のガラス転移点よりも高い温度で処理するのが好ましい。
本発明の繊維積層体の原料のポリマーは特に限定はないが、好ましくは生分解性のポリマーからなる。生分解性のポリマーとしては、具体的には、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリグリセロールセバシン酸、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステル類、ポリメリレンカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネート類、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの多糖類誘導体、フィブロイン、ゼラチン、コラーゲンなどのたんぱく質類やこれらの誘導体が例示できる。
さらに好ましくは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体などの脂肪族ポリエステル類であり、最も好ましいのは、ポリ乳酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体である。
このとき、ポリ乳酸の共重合体は、伸縮性を付与するモノマー成分が少ないほうが好ましい。ここで伸縮性を付与するモノマー成分とは、カプロラクトンモノマーや、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリアルキレンカーボネートジオール、ポリエチレングリコールユニットなどの軟質成分が例示できる。これらの軟質成分はポリマー重量比で20%未満であることが好ましい。これよりも軟質成分が多いと自己支持性を失いやすく、やわらかすぎて取り扱いにくい繊維構造体を得ることになる。
ポリ乳酸においては、ポリマーを構成するモノマーには、L−乳酸、D−乳酸があるが、特に制限はない。またポリマーの光学純度や分子量、L体とD体の組成比は配列には特に制限はないが、好ましくはL体の多いポリマーがよく、ポリL乳酸とポリD乳酸のステレオコンプレックスを用いることも問題ない。
また、ポリマーの分子量としては、1×10〜5×10であり、好ましくは1×10〜1×10、より好ましくは5×10〜5×10である。またポリマーの末端構造やポリマーを重合する触媒は任意に選択できる。
本発明の繊維構造体においては、その目的を損なわない範囲で他のポリマーや他の化合物を併用してもよい。例えば、ポリマー共重合、ポリマーブレンド、化合物混合である。
ポリマーは高純度であることが好ましく、とりわけポリマー中に含まれる添加剤や可塑剤、残存触媒、残存モノマー、成型加工や後加工に用いた残留溶媒などの残留物は、少ないほうが好ましい。とりわけ医療に用いる場合は、安全性の基準値未満に抑える必要があることはいうまでもない。
エレクトロスピニング法における、有機高分子を溶媒に溶解させて溶液を製造する段階について説明する。本発明の製造方法における溶液中の溶媒に対するポリマーの濃度は1〜30重量%であることが好ましい。ポリマーの濃度が1重量%より小さいと、濃度が低すぎるため繊維構造体を形成することが困難となり好ましくない。また、30重量%より大きいと、得られる繊維構造体の繊維径が大きくなり好ましくない。より好ましい溶液中の溶媒に対するポリマーの濃度は2〜20重量%である。
溶媒は一種を単独で用いてもよく、複数の溶媒を組み合わせてもよい。前記溶媒としては、用いるポリマーを溶解可能で、かつ紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、クロロホルム、エタノール、2−プロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、1−プロパノール、ジクロロメタン、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸、蟻酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、ヘキサフルオロアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルモルホリン−N−オキシド、1,3−ジオキソラン、メチルエチルケトン、上記溶媒の混合溶媒等が挙げられる。これらのうち、取り扱い性や物性などから、ジクロロメタン、エタノールを用いることが好ましい。
次に、溶液に高電圧を印加させる段階と、溶液を噴出させる段階と、噴出された溶液から溶媒を蒸発させて繊維構造体を形成させる段階について説明する。
本発明の製造方法においては、ポリマーを溶解した溶液を噴出させ、繊維構造体を形成させるために、溶液に高電圧を印加させる必要がある。電圧を印加させる方法については、ポリマーを溶解した溶液を噴出させ、繊維構造体が形成されるものであれば特に限定されないが、溶液に電極を挿入して電圧を印加させる方法や、溶液噴出ノズルに対して電圧を印加させる方法などがある。
また、溶液に印加させる電極とは別に補助電極を設けることも可能である。また、印加電圧の値については、前記繊維構造体が形成されれば特に限定されないが、通常は5〜50kVの範囲であり、印加電圧が5kVより小さい場合は、溶液が噴出されずに繊維構造体が形成されないため好ましくなく、印加電圧が50kVより大きい場合は、電極からアース電極に向かって放電が起きるために好ましくない。より好ましくは10〜30kVの範囲である。所望の電位は従来公知の任意の適切な方法で作ればよい。
また、ポリマーを溶解した溶液を噴出させた直後にポリマーを溶解させた溶媒が揮発して繊維構造体が形成される。通常の紡糸は大気下、室温で行われるが、揮発が不十分である場合には陰圧下で行うことや、高温の雰囲気下で行うことも可能である。また、紡糸する温度は溶媒の蒸発挙動や紡糸液の粘度に依存するが、通常は10〜80℃の範囲である。
次に繊維構造体を堆積させる段階について説明する。印加され大気中に放出された溶液は繊維様の形態を呈しながら対極の捕集電極へ向かい捕集電極上に累積され、繊維構造体を形成する。この際、驚くべきことに繊維捕集面が水平に保たれた繊維捕集電極上に1層の水または繊維原料が溶解しない揮発性溶媒で捕集電極上を被覆すると、その液体上に集中して繊維が捕集、堆積される。こうした繊維原料が溶解しない揮発性溶媒とは、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、または上記液体の混合液体等が挙げられる。これらのうち、取り扱い性や揮発性の観点から、エタノール、2−プロパノール(これらと水との混合液体を含む)を用いることが好ましく、更に好ましくはエタノールまたはエタノールと水の混合液体である。
上記1層の水または繊維原料が溶解しない揮発性溶媒が捕集電極上を被覆する際の1層の厚みは、各液体が有する表面張力により繊維捕集電極上に形成される液滴の垂直方向の高さを限界とし、好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下の厚みである。
また、本発明の繊維構造体の表面に、さらに綿状の繊維構造物を積層することや、綿状構造物を本発明の繊維構造体ではさんでサンドイッチ構造にするなどの加工は、本発明の目的を損ねない範囲で任意に実施しうる。
本発明の繊維構造体は、その表面の親水性や疎水性、電気特性や帯電性を改質するために、界面活性剤などの化学薬品による表面処理を実施してもよい。医療応用においては、さらに抗血栓性を付与するためのコーティング処理、抗体や生理活性物質で表面をコーティングすることも任意に実施できる。このときのコーティング方法や処理条件、その処理に用いる化学薬品は、繊維の構造を極端に破壊せず、本発明の目的を損なわない範囲で任意に選択できる。
また、本発明の繊維構造体の繊維内部には任意に薬剤を含ませることもできる。エレクトロスピニング法で成型するので、揮発性溶媒に可溶であり、溶解によりその生理活性を損なわないものであれば、使用する薬剤に特に制限はない。
かかる薬剤の具体例としては、タクロリムスもしくはその類縁体、スタチン系、またはタキサン系抗癌剤が例示できる。
また、上記薬剤は、揮発性溶媒中において活性を維持することが可能であれば、タンパク質製剤、核酸医薬であってもよい。また薬剤以外のものも含んでよく、金属、多糖、脂肪酸、リン脂質、界面活性剤、揮発性溶媒耐性微生物であってもよい。
以下、実施例により本発明の実施の形態を説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
1.平均繊維径:
得られた繊維構造体の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社キーエンス VE−8800)により、倍率2000倍で撮影して得た写真から無作為に20箇所を選んで繊維の径を測定し、すべての繊維径の平均値を求めて、平均繊維径とした。n=20である。
2.平均厚:
高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ、DEGIMATIC MICROMETER CLMI−15QM)を用いて測長力0.5Nによりn=10にて繊維構造体の膜厚を測定した平均値を算出した。
なお、本測定においては測定機器が使用可能な最小の測定力で測定を行った。
3.平均見掛け密度:
繊維構造体の質量を測定し、上記方法により求めた面積、平均厚をもとに平均見掛け密度を算出した。
[実施例1]
ポリ乳酸(多木化学)の10%ジクロロメタン溶液を調製し、均一な溶液を得た。図1に示す装置を用いて1時間の紡糸を行い、シート状の繊維構造体を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から平板6までの距離は15cmであった。また、繊維構造体が形成されるコレクタには、ステンレス製平板を陰極として用い、当該陰極上を70%エタノール/水にて厚さ1mmで被覆した。
得られた繊維構造体の平均繊維径は4.0μmであり、厚さは310μm、平均見掛け密度は190g/mであった。
得られた繊維構造体は、柔軟性に富み、手術用のシリコンゴムで手にとってみても取り扱いやすく、ハサミで任意の形状に切り取ることができた。
[実施例2]
ポリ乳酸(多木化学)の10%ジクロロメタン溶液を調製し、均一な溶液を得た。図1に示す装置を用いて1時間の紡糸を行い、シート状の繊維構造体を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から平板6までの距離は15cmであった。また、繊維構造体が形成されるコレクタには、ステンレス製平板を陰極として用い、当該陰極上を70%2−プロパノール/水にて厚さ1mmで被覆した。
得られた繊維構造体の平均繊維径は4.0μmであり、厚さは300μm、平均見掛け密度は195g/mであった。
得られた繊維構造体は、柔軟性に富み、手術用のシリコンゴムで手にとってみても取り扱いやすく、ハサミで任意の形状に切り取ることができた。
[実施例3]
ポリ乳酸(多木化学)の10%ジクロロメタン溶液を調製し、均一な溶液を得た。図1に示す装置を用いて1時間の紡糸を行い、シート状の繊維構造体を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から平板6までの距離は15cmであった。また、繊維構造体が形成されるコレクタには、ステンレス製平板を陰極として用い、当該陰極上を70%メタノール/水にて厚さ1mmで被覆した。
得られた繊維構造体の平均繊維径は4.0μmであり、厚さは293μm、平均見掛け密度は189g/mであった。
得られた繊維構造体は、柔軟性に富み、手術用のシリコンゴムで手にとってみても取り扱いやすく、ハサミで任意の形状に切り取ることができた。
[比較例1]
ポリ乳酸(多木化学)の10%ジクロロメタン溶液を調製し、均一な溶液を得た。基本的には図1に示す装置を用いて1時間の紡糸を行い、シート状の繊維構造体を得た。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から平板6までの距離は15cmであった。また、繊維構造体が形成されるコレクタには、ステンレス製平板を陰極として用いた。ただし、当該陰極は液体で被覆していない。
その結果、装置周辺、すなわち捕集電極側面や電極周辺に繊維の飛散が多く観察され、目標とする捕集電極位置に繊維構造体が効率よく積層しないため、歩留り・生産性が悪いことが判明した。得られた繊維構造体の平均繊維径は4.0μmであり、厚さは88μm、平均見掛け密度181g/mであった。
以上の結果、本発明の製造方法により高度に繊維が積層された本発明の繊維構造体が製造できることが示された。
本発明の繊維構造体は、衛生用品などの日用品、化粧品、また医療用品、とりわけ臓器表面の保護膜、シール材などに有用であり、これら以外にもフィルターや分離膜、その他の産業用資材として広く利用することができる。
1 溶液噴出ノズル
2 溶液
3 溶液保持槽
4 繊維捕集電極
5 高電圧発生器
6 被覆液体

Claims (4)

  1. ポリマー溶液をエレクトロスピニングすることにより、溶液噴出ノズルからみて相対移動しない捕集電極上に繊維積層体を得る方法であって、水、当該ポリマーを溶解しない揮発性液体、またはそれらの混合液体にて被覆された捕集電極を用いることを特徴とする方法。
  2. 揮発性液体がアルコール類である請求項1に記載の方法。
  3. アルコール類が、水で希釈されていてもよい、メタノール、エタノール、2−プロパノールから選ばれる一つまたは複数のアルコールである請求項2に記載の方法。
  4. ポリマーが生分解性である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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