JP5388634B2 - 系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法 - Google Patents

系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統に事故または故障(以下単に「事故」という)が生起した場合に、発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統の安定化を図る系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法に関するものである。
系統安定化制御システムは、事故または故障(以下単に「事故」という)時に、発電所に具備される所要の発電機を遮断することにより、事故に起因して引き起こされる可能性のある系統の不安定現象を未然に抑止するための制御(系統安定化制御)を行うシステムである。
ここで、基本的な系統安定化制御システムの一つに、不安定現象の過渡・中間領域において生ずる脱調現象に対応した安定化制御手法を提案した文献がある(例えば、下記非特許文献1)。この非特許文献1に示された系統安定化制御手法では、動揺各波における動揺が減速から加速に転じる時点にて制御演算を行うことを開示している。
なお、この非特許文献1の系統安定化制御手法では、加速側発電機と減速側発電機との間で所要の情報伝送を実施した上で、系統モデル(電力相差角曲線)を推定しているが、情報伝送を行わずに系統モデル(電力相差角曲線)を推定する手法もある(例えば、下記非特許文献2)。
「過渡・中間領域の脱調現象に対応した安定化制御方式について」、電力技術研究会資料、社団法人電気学会、1994年10月4日、資料番号「PE−94−91」、27〜36 「自端情報のみを用いた予測型N波脱調未然防止制御方式の開発」、電気学会論文誌B分冊、社団法人電気学会、1998年、Vol 118−B、No.9、931〜938
非特許文献1の系統安定化制御手法は、原理的に見れば適切な安定化制御が実行されるものと期待される。その一方で、実システムへの適用を考えた場合、非特許文献1の手法には、論理構築過程で想定した前提が電力系統の実態に必ずしもそぐわない部分が存在するため、制御演算に関する充分な精度が得られない場合が生じる可能性が予想され、第2波以降の動揺各波における脱調現象(以下「N波脱調現象」という)において、必ずしも最適な制御が行われるとは言えないという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、N波脱調現象に対しても、効果的な安定化制御を可能とする系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる系統安定化制御システムは、複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御システムであって、前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する際、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を信頼性の高いデータに付与する重み付け係数よりも小さくして推定することを特徴とする。
本発明にかかる系統安定化制御システムによれば、電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する際、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を信頼性の高いデータに付与する重み付け係数よりも小さくしているので、N波脱調現象に対しても、効果的な安定化制御が可能となるという効果を奏する。
以下に添付図面参照して、本発明にかかる系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる系統安定化制御システムの一構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1の系統安定化制御システムは、複数台の発電機を有し、送電線を介して主系統に電力を供給する発電所に接続され、当該発電所における電圧、電流等の電気量情報が入力される系統安定化制御装置を主装置として構成されたシステムである。
図1において、発電所1は、例えば電力会社の火力発電所であり、複数台の例えば発電機G1〜Gnを備えて構成されている。発電所1の発電機G1〜Gnは、それぞれ個別の遮断器CB1〜CBnを介して発電所母線B1に接続されている。
発電所1には系統安定化制御装置10が設けられている。また、発電所1は、2回線の送電線F1,F2を介し、主系統との連系点にあたる変電所2の変電所母線B2に接続されている。
系統安定化制御装置10は、入出力装置21および演算装置22を備えている。この系統安定化制御装置10には、発電機G1〜Gnの各発電機母線BG1〜BGnに接続された計器用変圧器PTの出力である自端オンライン電圧と、各発電機の出力電流である変流器CTの出力(自端オンライン電流)とが入出力装置21を介して入力される。演算装置22は、自端オンライン電圧および自端オンライン電流を用いて後述の各式による演算処理を実行する。この際、系統安定化制御装置10は、演算装置22が送電線事故等の事故時に電力系統が不安定状態になると判定(予測)した場合、各発電機に対応の遮断器CB1,…,CBnを選択的にトリップし、発電機G1……Gnを選択的に遮断し、安定状態となるよう制御する。
図2は、送電線事故等の事故が生起したときの電力相差角曲線の一例を示す図であり、横軸は等価発電機の位相角偏差(Δδ)、縦軸は等価発電機出力PEを表している。なお、図2では、等価発電機の位相角偏差(Δδ)に対する等価発電機出力PEの関係を表したP−Δδ曲線を示しているが、本質的な点は等価発電機の位相角(δ)に対する等価発電機出力PEの関係を表したP−δ曲線と何ら変わるものではない。
図2において、破線にて示される波形PD1は、推定した電力相差角曲線の一例であり、実線で示される波形PD2は、事故が生じたときに変化すると予測される電力相差角曲線の一例を示している。ここで、波形PD2において、動作点A1は事故が生じた時点を示し、動作点A2と動作点A3との間は事故中であって、数10msの加速が生じる区間を示し、動作点A4は事故が除去された時点を示している。
また、波形PD2の全体に目を向けると、区間S1Aは、動揺第1波における加速行程を表し、区間S1Dは、動揺第1波における減速行程を表し、区間S2Aは、動揺第2波における加速行程(の一部)を表している。
さらに、図中に丸印で示した波形反転部S1Mは、動揺第1波において加速から減速に転じる期間であり、同じく丸印で示した波形反転部S2Sは、動揺第1波から動揺第2波に転じる期間を表している。
つぎに、実施の形態1にかかる系統安定化制御システムの動作について、図1〜図3の各図面を参照して説明する。なお、図3は、実施の形態1および後述する実施の形態2,3に共通する動作を示すフローチャートである。
まず、計測データから一つ前の動揺におけるデータを取り出し(データサンプリング処理:ステップST401)、次式で示される電力相差角曲線の推定に必要な複数時点のデータを、取り出したデータを基に計算あるいは予測等の手段でもって準備する(各種予測・推定演算処理:ステップST402)。
Figure 0005388634
つぎに、準備した複数時点のデータを、つぎの(2)式〜(5)式に示す行列式の形で(1)式に代入し、これに最小二乗法を適用することで(6)式の形で電力相差角曲線(P−δ曲線)の未知係数P〜Pを推定する(P−δ曲線推定処理:ステップST403)。
Figure 0005388634
Figure 0005388634
Figure 0005388634
Figure 0005388634
Figure 0005388634
ここで得られた電力相差角曲線と計測データから、式(7)に示される加速エネルギーVおよび式(8)に示される減速エネルギーVを算出する(V,Vの算出処理:ステップST404)。
Figure 0005388634
Figure 0005388634
これらのエネルギー値を比較し(ステップST405)、減速エネルギーVの方が大きい場合(ステップS405,Yes)、電力系統は安定であるとして演算を終了する。逆に、加速エネルギーVの方が大きい場合(ステップS405,No)、電力系統は不安定であるとしてステップST406に移行する。
ここで、電力系統が不安定であると判定された場合、まず、発電機の遮断量が最小となる遮断パターンを選択の上(ステップST406)、当該遮断パターンを行った後のエネルギー値(V',V')を再計算する(ステップST407)。そして、これらのエネルギー値(V',V')を再度比較し(ステップST408)、減速エネルギーV'の方が大きい場合(ステップST408,Yes)、選択した遮断パターンによる制御が安定であるとして当該遮断パターンに基づいた制御を実施し(ステップST410)、処理を終了する。
逆に、加速エネルギーV'の方が大きい場合(ステップS408,No)、制御後も不安定であるとして、次に制御量が多いパターンを選択した上で(ステップST409)、ステップST407に移行してエネルギー算出処理(ステップST407)および安定度判別処理(ステップST408)を継続的に実行する。
これらステップST401〜ST410の動作フローにより、事故時に必要最小限の発電機を遮断することで電力系統の不安定現象を抑制する制御、すなわち系統安定化制御が行われる。
一方、この実施の形態1においては、上記の処理に加え、さらに、以下に示す処理を行うこととしている。
(計測データの重み付け処理)
ステップST401において、サンプリングする各時点の計測データの信頼性を評価し、推定演算への影響度合いを変化させることとする。例えば、(9)式に示すような重み付け行列を用いて各計測データに対応した重み付け係数を設定し、(6)式の代わりに、つぎの(10)式を用いて未知係数P〜Pを推定することとする。
Figure 0005388634
Figure 0005388634
上記(9)式および(10)式を用いて電力相差角曲線を推定することとすれば、(6)式を用いた場合と比較して、電力相差角曲線の推定精度の向上を図ることが可能となる。
なお、重み付け係数の設定手法としては種々のものが考えられるが、何れの手法を用いても構わない。以下の実施の形態では、計測データの信頼性に基づく第1〜第4の手法を例示する。
ここで、「計測データの信頼性」という概念について説明する。電力相差角曲線を正確に推定するためには、加速行程における計測データを用いるのが理論的には最も望ましいと考えられる。一方、正確な曲線を推定するためには、一定量以上のデータが必要となるため、加速行程のみのデータを用いて曲線を推定するとなると、曲線が得られるタイミングは、発電機の加速がかなり進んだ時点となり、最も制御効果の高いと言われるタイミング(減速から加速に転じる時点)からかなり遅れることとなって、結果として得られる必要制御量が増加してしまうという問題が生ずる。
そこで、加速行程のデータを含み、他のデータについても適宜併用するという考え方を導入する。なお、他のデータとして考えられるのは、例えばつぎのデータである。
(a)計測時点が古いデータ
(b)減速行程にあるデータ
(c)位相変化が小さいデータ
(d)加速/減速の方向が転じる時点のデータ
(e)電圧変化が大きいデータ
例えば上記(a)、(b)に挙げたデータは、計測タイミングが最適なものと異なるため、加速行程のデータのみを用いた場合と比べて推定精度が低下することになる。また、上記(c)、(d)に挙げたデータは、計測データにおける位相変化幅が小さくなるため、結果としてデータ量が少なくなるのと等価となり、加速行程のデータのみを用いた場合と比べて推定精度が低下する。また、上記(e)に挙げたデータは、想定している電力相差角曲線と重なりにくいため、上記(a)〜(d)と同様に推定精度が低下する。したがって、上記(a)〜(e)に挙げたデータは、加速行程のデータのみを用いた場合と比べて曲線の推定精度が低下するデータ、つまり「信頼性の低いデータ」として取り扱うことができる。
(第1の手法−計測時点の差異を考慮)
第1の手法は、計測時点が古いデータほど重み付け係数を小さな値とする手法である。この手法によれば、計測時点の新しいデータをより重視することができるので、精度の良い推定が可能となる。
(第2の手法−行程の差異を考慮)
第2の手法は、減速行程におけるデータの重み付け係数を小さくするという手法である。動揺第1波における減速行程(例えば図2の「区間S1D」)におけるデータは、加速行程(例えば図2の「区間S1A」)におけるデータと傾向が異なる場合があることから、減速行程におけるデータよりも加速行程におけるデータの方をより重視することが好ましい処理となる。したがって、減速行程におけるデータの重み付け係数を小さくするという第2の手法を採用することにより、推定精度の向上が可能となる。
(第3の手法−角速度の大小、加速/減速の方向転換を考慮)
第3の手法は、角速度の値が小さいデータ、あるいは加速/減速の方向が転じる時点の前後のデータの重み付け係数を小さくするという手法である。例えば、角速度の値が小さいデータは位相変化が小さいデータであり、また、加速/減速の方向が転じる時点の前後のデータ(例えば図2の「波形反転部S1M」および「波形反転部S2S」のデータ)について言えば、データ点数が多い割に想定しているモデル式((1)式)から外れるものが多い。したがって、これらのデータにおける重み付け係数を小さくするという、この第3の手法を採用することにより、推定精度の向上が可能となる。
(第4の手法−電圧変化の大小を考慮)
第4の手法は、電圧変化が大きい時間領域のデータの重み付け係数を小さくするという手法である。例えば、図2を参照すると、「波形反転部S1M」の前後における波形PD2は、推定した電力相差角曲線である波形PD1との差異が大きくなっている。この差異が大きいということは、波形PD1のデータと波形PD2のデータ間の時間領域における電圧変化が大きいということを意味している。また、このことは、想定しているモデル式((1)式)から外れる傾向にあることを意味している。したがって、電圧変化が大きい時間領域のデータの重み付け係数を小さくするという第4の手法を採用することにより、推定精度の向上が可能となる。
なお、上記では、動揺第2波の安定化制御を前提として説明しているが、この限りではない。例えば、動揺第1波を一波前の動揺と読み替えることで、動揺第2波が動揺第3波を意味することとなり、動揺第3波以降についても汎用的に適用することが可能となる。
また、上記説明では、モデル式として定数項Pを含んだものを用いているが、この定数項Pを省略するようにしてもよい。(1)式では示していないが、この定数項Pには、各発電機の慣性定数や内部電圧、あるいは加速側発電機と対地間のコンダクタンス成分などが含まれてくる。このため、対象系統の特性によっては、この項を省略することで推定すべき係数を減じることができ、推定精度の向上が可能となる。
また、本実施形態では、加速側発電機の情報のみを用いて系統モデル(電力相差角曲線)を推定し、制御演算を行う形としたが、非特許文献1のように、情報伝送により取得した減速側発電機側の情報も併せて用いること、また、非特許文献2のように、減速側発電機のみの情報を用いて制御演算を行うことも可能である。
以上説明したように、実施の形態1にかかる系統安定化制御システムによれば、電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する際に、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を小さくして推定するようにしているので、N波脱調現象に対しても、効果的な安定化制御が可能となる。
なお、上記では、電力相差角曲線(P−δ曲線)の未知係数P〜Pを推定する手法として、最小二乗法を用いる場合を一例として説明したが、最小二乗法に限定されるものではない。従属変数(目的変数)と独立変数(説明変数)との間を定量的に分析する回帰分析手法のうち、最小二乗法と同様な重み付け係数を用いるものであれば、上述した各手法の適用が可能となることは言うまでもない。
実施の形態2.
実施の形態1の系統安定化制御システムにおいては、最も制御効果が高いと考えられる時点、すなわち電力動揺が動揺第1波から動揺第2波に移行する時点(減速から加速に転じる地点、例えば図2の「波形反転部S2S」)で制御を実施するために、動揺第1波の計測データに基づき、電力相差角曲線を推定することとしていた。しかしながら、電力系統の状況によっては、動揺第1波と動揺第2波で動揺傾向が変化することも考えられる。そこで、実施の形態2の系統安定化制御システムでは、動揺第2波の加速行程(例えば図2の「区間S2A」)におけるデータをサンプリングし、このデータに基づき電力相差角曲線を推定することを実行するものである。この手法により、より実態に即した制御演算の実現が可能となる。
なお、動揺第2波のデータを用いて電力相差角曲線を推定する際には、動揺第1波のデータに基づく推定演算も併せて実施することが好ましい。この際、動揺第1波のデータを用いて得られた未知係数P,Pの比(発電機の初期位相(初期運転点における位相角に対応))が、動揺第2波でも殆ど変化しないと考えられることを踏まえ、この未知係数の比率が既に得られていることを前提として演算を実施することとすれば、必要な推定係数の数を減じることができ、推定精度の更なる向上が可能となる。
また、動揺第1波のデータに基づく推定演算を併せて実施する際、この推定演算で得られる電力相差角曲線のピーク値Ppeak(下記(11)式参照)の情報を用いることが好ましい。
Figure 0005388634
上記(11)式に示されるピーク値Ppeakが動揺第2波でも殆ど変化しないと仮定すれば、動揺第2波のデータを用いて推定を実施する際にPpeakが既に得られていることを前提とした演算を行うことができるので、必要な推定係数の数を減じることができ、推定精度の更なる向上が可能となる。
以上説明したように、実施の形態2にかかる系統安定化制御システムによれば、電力相差角曲線を推定する際、動揺第2波の加速行程におけるデータを用いて推定するようにしているので、電力相差角曲線に関する推定精度の更なる向上が可能となる。
実施の形態3.
図4は、実施の形態3の動作を説明するための説明図であり、より詳細には、図2に示した電力相差角曲線上における制御実施タイミングの一例を示す図である。図4において、丸印で示す波形反転部C1は、図2の波形反転部S2Sに対応している。また、各丸印で示す波形非反転部C2〜C4は、動揺第2波の加速行程中にあることを示している。
実施の形態1の系統安定化制御システムでは、動揺第2波における脱調現象を防ぐため、最も制御効果が高い、すなわち最も制御量が少なくて済むと考えられる、電力動揺が動揺第1波から動揺第2波に移行する時点(減速から加速に転じる地点、例えば図4の「波形反転部C1」)で制御を実施すべく各種演算を実施することを前提としていた。また、実施の形態2の系統安定化制御システムでは、推定結果をより実態に近づけ、確実な制御を実現するため、動揺第2波の加速行程のデータを用いて、動揺第2波の加速行程(例えば、図4の「波形非反転部C2〜C4」の少なくとも一つ)にて制御を実施することを前提としていた。
これに対して、実施の形態3の系統安定化制御システムでは、制御の実施タイミングを限定せず、電力動揺が第2波に移行した時点から第2波の加速行程における適切な時点で、複数回数の制御演算を実行するものである。この手法により、制御量の抑制と確実な安定化制御とを両立させたシステムの実現が可能となる。
以上説明したように、実施の形態3にかかる系統安定化制御システムによれば、発電所からの電力供給量の制御を行うための制御演算を、動揺第1波の減速から動揺第2波の加速に転じるタイミング近傍に限定せず、当該動揺第2波の加速行程において複数回実行するようにしているので、実施の形態1,2の効果に加え、制御量の抑制と確実な安定化制御との両立が可能となる。
以上のように、本発明にかかる系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法は、N波脱調現象に対する効果的な安定化制御を可能とする発明として有用である。
本発明の実施の形態1にかかる系統安定化制御システムの一構成例を示す図である。 送電線事故等の事故が生起したときの電力相差角曲線の一例を示す図である。 実施の形態1および後述する実施の形態2,3に共通する動作を示すフローチャートである。 図2に示した電力相差角曲線上における制御実施タイミングの一例を示す図である。
1 発電所
2 変電所
10 系統安定化制御装置
21 入出力装置
22 演算装置
B1 発電所母線
B2 変電所母線
BG1〜BGn 発電機母線
CB1〜CBn 遮断器
CT 変流器
PT 計器用変圧器
F1,F2 送電線
G1〜Gn 発電機

Claims (7)

  1. 複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御システムであって、
    前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する際、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を信頼性の高いデータに付与する重み付け係数よりも小さくし、且つ、前記重み付け係数を、動揺第1波の減速行程におけるデータについて小さくして推定することを特徴とする系統安定化制御システム。
  2. 複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御システムであって、
    前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する際、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を信頼性の高いデータに付与する重み付け係数よりも小さくし、且つ、前記重み付け係数を、位相変化の小さいデータについて小さくして推定することを特徴とする系統安定化制御システム。
  3. 複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御システムであって、
    前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する際、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を信頼性の高いデータに付与する重み付け係数よりも小さくし、且つ、前記重み付け係数を、加速/減速の方向が転じる時点の計測データおよび、その前後のデータについて小さくして推定することを特徴とする系統安定化制御システム。
  4. 複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御システムであって、
    前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する際、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を信頼性の高いデータに付与する重み付け係数よりも小さくし、且つ、前記重み付け係数を、電圧変化が大きいデータについて小さくして推定することを特徴とする系統安定化制御システム。
  5. 前記発電所からの電力供給量の制御を行うための制御演算を、動揺第1波の減速から動揺第2波の加速に転じるタイミング近傍に限定せず、当該動揺第2波の加速行程において複数回実行することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の系統安定化制御システム。
  6. 電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御方法であって、
    前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報に回帰分析手法を適用して電力相差角曲線を推定する第1ステップと、
    前記推定した電力相差角曲線から加速エネルギーおよび減速エネルギーを算出する第2ステップと、
    前記算出した加速エネルギー、減速エネルギーの大小比較から安定度判別を行う第3ステップと、
    前記安定度判別の結果に基づき、前記発電所からの電力供給量の制御を行う第4ステップと、
    を含み、
    前記第1ステップにて電力相差角曲線を推定する際には、信頼性の低いデータに付与する重み付け係数の値を信頼性の高いデータに付与する重み付け係数よりも小さくして推定すると共に、前記第2〜第4ステップまでの処理を、動揺第1波の減速から動揺第2波の加速に転じるタイミング近傍に限定せず、当該動揺第2波の加速行程において複数回実行することを特徴とする系統安定化制御方法。
  7. 前記第2ステップには、
    発電機の遮断が最小となる遮断パターンを選択するステップと、
    前記遮断パターンを行った後の加速エネルギーおよび減速エネルギーを算出するステップと、
    が含まれ、
    前記第3ステップによる安定度判別の処理は、再計算後の各エネルギー値に基づいて行われる
    ことを特徴とする請求項に記載の系統安定化制御方法。
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