JP5382228B2 - バイオセンサシステム - Google Patents

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Description

本発明は、分析装置の所定位置に設置されたバイオセンサに供給された検体に含まれる測定対象物質の定量を行うバイオセンサシステムに関する。
従来、図12に示すように、バイオセンサ501と、バイオセンサ501を着脱自在に装着する分析装置502とを備えるバイオセンサシステム500が知られている(例えば、特許文献1参照)。バイオセンサシステム500では、バイオセンサ501の先端に位置する検体供給口503に供給された検体に含まれる測定対象物質が、分析装置502により定量される。分析装置502には、バイオセンサ501を着脱自在に装着する支持部504と、バイオセンサ501の検体供給口503に供給された検体に含まれる測定対象物質の定量結果を表示する表示部505などが設けられている。
上記したバイオセンサシステム500において、検体に含まれる測定対象物質を定量するには、まず、作用極および対極を含む電極系と、測定対象物質と反応する酵素を含む反応層とを有するバイオセンサ501が、ユーザにより分析装置502の支持部504に装着される。そして、バイオセンサ501の検体供給口503に供給された検体に含まれる測定対象物質と、反応層に含まれる酵素とが反応することで生成される還元物質を、バイオセンサ501の作用極と対極との間に電圧を印加して酸化することにより得られる酸化電流を計測することで測定対象物質が分析装置502により定量される。
具体的には、バイオセンサ501は、検体に含まれるグルコースなどの測定対象物質を定量するためのセンサであって、ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性の基板に電極が設けられることによる電極層と、カバー層と、電極層とカバー層とに挟まれて配置されるスペーサ層とが積層されて形成されている。また、スペーサ層には、検体が供給されるキャビティを形成するためのスリットが設けられており、電極層にスペーサ層を介してカバー層が積層されて接着されることで、電極層とカバー層とスペーサ層のスリットの部分とにより検体が供給されるキャビティが形成され、バイオセンサ501の先端に形成される検体供給口503からキャビティに検体が供給される。また、カバー層には、形成されたキャビティの終端部と連通する空気穴506が形成されている。
また、電極層には、作用極および対極が設けられ、これらの電極にそれぞれ電気接続される電極パターンが設けられることにより電極層に電極系が形成される。また、作用極および対極上には反応層が設けられており、作用極および対極は、それぞれバイオセンサ501に形成されたキャビティに露出するように電極層に設けられている。したがって、液体から成る検体がキャビティに検体供給口503から供給されれば、キャビティに露出する各電極および反応層が検体に接触すると共に、反応層が検体に溶解する。
また、作用極および対極上に設けられた反応層には、検体に含まれる測定対象物質に反応する酵素と、メディエータ(電子受容体)とが含まれている。そして、メディエータが検体に溶解することによる酸化イオンは、酵素および測定対象物質が酸化還元反応する際に放出される電子により還元体に還元される。したがって、バイオセンサ501に形成されたキャビティに測定対象物質を含む検体が検体供給口から供給されると、メディエータは測定対象物質が酸化されることにより放出される電子により還元されるため、検体に含まれて酵素反応により酸化される測定対象物質の濃度に応じた量だけメディエータの還元体が生成される。
このように形成されたバイオセンサ501では、酵素反応の結果生じたメディエータの還元体を作用極上で酸化することにより得られる酸化電流が検体中のグルコース濃度に依存した大きさとなるため、この酸化電流を計測することにより検体に含まれるグルコースの定量を行うことができる。なお、図12は従来のバイオセンサシステムの一例を示す図である。
特開2003−156469号公報(段落[0032]〜[0052]、図1など)
ところで、通常、バイオセンサ501は使い捨てであるため、バイオセンサ501の製造コストを低減することが要望されている。バイオセンサ501の製造コストを低減するには、材料費を抑制するためにバイオセンサ501を小型化することが考えられる。ところが、この場合、バイオセンサ501の製造コストを低減することができる一方、バイオセンサ501の小型化に伴い、ユーザによるバイオセンサ501の取り扱い性が悪くなることが、バイオセンサ501を小型化することの障害となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、取り扱い性を損なうことなくバイオセンサの小型化を図ることができるバイオセンサシステムを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本願発明者は、バイオセンサに設けられた反応層に含まれる酵素が湿度や温度変化により劣化するのを防止するために、測定対象物質を定量する直前までバイオセンサを吸湿剤と一緒に特殊な容器の中に保管したり、バイオセンサを吸湿剤と一緒に個別に包装しなければならない点に着目して本発明を完成した。
本発明のバイオセンサシステムは、作用極および対極を含む電極系と、測定対象物質と反応する酵素を含む反応層とが絶縁性基板に設けられて形成されたバイオセンサと、所定位置に設置された前記バイオセンサに供給される検体に含まれる前記測定対象物質の定量を行う分析装置と、非透湿性材料により把持可能に形成されて開口を有するケース体と、非透湿性材料により形成されて前記開口を閉塞して前記ケース体に貼り付けられる被覆膜とを有し、前記ケース体および前記被覆膜により形成される空間内に前記バイオセンサおよび吸湿剤を密封状態に収納するセンサパックと、前記分析装置の装着箇所に設けられた位置決め用係合部に前記センサパックの被係合部が係合することにより前記装着箇所に装着された前記センサパックから前記バイオセンサを取り出して前記分析装置の前記所定位置に設置する設置機構と、前記設置機構により前記所定位置に設置された前記バイオセンサを保持する保持手段とを備え、前記ケース体は、前記バイオセンサが収納される第1のキャビティと、該第1のキャビティに連続的に形成され前記吸湿剤が収納される第2のキャビティとを有し、前記分析装置は、前記装着箇所が凹状に形成された本体部と、凹状の前記装着箇所を開閉自在に閉塞する蓋部とを有し、前記分析装置の前記所定位置には、前記設置機構により設置された前記バイオセンサの前記電極系と電気的に接続される電極が配置され、前記設置機構は、前記蓋部にスライド自在に設けられたレバーと、前記レバーに結合され、先端が前記被覆膜を破断して前記センサパック内部の前記バイオセンサに係合可能に設けられた切断を有し前記装着箇所に前記センサパックが装着された状態で、前記蓋部により前記本体部の凹状の前記装着箇所を閉塞したときに、前記切断刃が前記センサパックの前記被覆膜を破断して前記レバーの移動に連動可能に前記バイオセンサに係合し、前記レバーの前記所定位置への移動に連動して、前記レバーに結合された前記切断刃を前記被覆膜を切断するように前記所定位置まで移動させるとともに前記切断刃に係合した前記センサパック内部の前記バイオセンサを前記切断刃で前記センサパック外部へ押し出すことにより前記所定位置まで移動させ、前記蓋部には、前記レバーがスライド移動されることにより前記所定位置に設置された前記バイオセンサを前記本体部との間に挟持して保持する前記保持手段としての押圧体がさらに設けられ、前記押圧体は、前記バイオセンサを移動させる前記レバーが前記所定位置にスライド移動されるのに伴い、前記レバーに固着された従動ピンによって前記本体部に向けて押し下げられることにより、前記バイオセンサを前記本体部との間に挟持して保持することを特徴としている(請求項1)。
また、前記バイオセンサは、その先端側に設けられて検体が供給されるキャビティと、その先端に設けられた検体供給口とを有し、前記バイオセンサは、その先端側から前記所定位置に向けて前記レバーのスライド移動に連動する前記切断刃によって前記センサパック内部から押し出されることにより、前記検体供給口が設けられた先端部分が前記分析装置外に露出した状態で前記所定位置に設置されるとよい(請求項2)。
また、前記切断刃は、前記センサパック内部の前記バイオセンサの後端に係合し、前記レバーの前方側へのスライド移動に連動して前記バイオセンサをその先端側から前記所定位置に向けて前記センサパック内部から押し出すとよい(請求項3)。
また、前記蓋部により前記本体部の凹状の前記装着箇所を閉塞したときに、前記切断刃は、平面視で前記第1のキャビティと前記第2のキャビティとの間の位置において前記センサパックの前記被覆膜を破断することにより、前記切断刃の先端が前記センサパック内部の前記バイオセンサと前記吸湿剤との間に導入されるとよい(請求項4)。
また、前記ケース体は、前記センサパックが前記装着箇所に装着されるときに前記所定位置を向く側を船首とする船形状の側断面を有するとよい(請求項5)。
発明によれば、非透湿性材料により把持可能に形成されて開口を有するケース体と、非透湿性材料により形成されて開口を閉塞してケース体に貼り付けられる被覆膜とにより形成される空間内にバイオセンサおよび吸湿剤が密封状態に収納されたセンサパックが分析装置の装着箇所に装着される。
そして、先端がセンサパックの被覆膜を破断してセンサパック内部のバイオセンサに係合可能に設けられた切断手段と、バイオセンサを該バイオセンサに係合した切断手段とともに分析装置の所定位置まで移動させる移動手段とを有する設置機構により、分析装置の装着箇所に装着されたセンサパックからバイオセンサが取り出されて分析装置の所定位置に設置され、設置機構により分析装置の所定位置に設置されたバイオセンサは保持手段に保持される。このように、設置機構により分析装置の所定位置に設置されて保持手段により保持されたバイオセンサに検体が供給されると、検体に含まれる測定対象物質が分析装置により定量される。
したがって、製造コストの低減を図るためにバイオセンサを小型化しても、検体に含まれる測定対象物質を定量する際に、ユーザは、把持可能に形成されたセンサパックのケース体を把持して分析装置の装着箇所に装着するだけでよいため、ユーザによるバイオセンサの取り扱い性を損なうことがなくバイオセンサの小型化を図ることができる。
すなわち、バイオセンサに設けられた反応層に含まれる酵素が湿度や温度変化により劣化するのを防止するために、測定対象物質を定量する直前までバイオセンサを吸湿剤と一緒に保管する必要があるが、バイオセンサおよび吸湿剤を一緒に密封状態に収納するセンサパックのケース体を把持可能に形成することで、バイオセンサを適正に保管するためのセンサパックに、小型化されたバイオセンサを容易に取り扱うための機能を付与することができる。したがって、ユーザは、ケース体を把持してセンサパックごとバイオセンサを分析装置の装着箇所に装着でき、センサパックが分析装置の装着箇所に装着されれば、設置機構によりセンサパック内部のバイオセンサが取り出されて分析装置の所定位置に設置されるので、小型化されたバイオセンサを取り扱うための特殊な取り扱い用具などを準備する必要がなく、製造コストの増大を招くことがない。
また、分析装置の装着箇所には、位置決め用係合部が設けられ、センサパックには、装着箇所に装着されるときに位置決め用係合部と係合する被係合部が設けられているため、センサパックを分析装置の装着箇所に正確に位置決めできると共に、設置機構によりセンサパック内部のバイオセンサが取り出されるときにセンサパックが移動するのを防止できる。
また、ケース体の第1のキャビティにバイオセンサが収納され、該第1のキャビティに連続的に形成され第2のキャビティに吸湿剤が収納されるため、センサパック内でバイオセンサと吸湿剤とが接触するのを防止できる。
また、分析装置の所定位置には、移動手段により移動されたバイオセンサの電極系と電気的に接続される電極が配置されているため、設置機構によりバイオセンサが分析装置の所定位置に設置されたときに、バイオセンサの電極系と分析装置とが電気的に接続されるため実用的である。
また、分析装置の本体部に凹状に形成された装着箇所にセンサパックが装着された状態で蓋部により該凹状の装着箇所が閉塞されたときに、蓋部にスライド自在に設けられたレバーに結合された切断刃が、センサパックの被覆膜を破断してレバーの移動に連動可能にバイオセンサに係合し、切断刃は、バイオセンサを分析装置の所定位置に移動させるためのレバーの所定位置へのスライド移動に連動してセンサパックの被覆膜を切断するため、レバーをスライド移動させるだけで、レバーに結合された切断刃に係合したバイオセンサを、センサパックの被覆膜を切断しつつ容易に分析装置の所定位置に移動させることができる。
また、レバーがスライド移動されることにより分析装置の所定位置に設置されたバイオセンサを、分析装置の蓋部に設けられた押圧体により、本体部との間に狭持して確実に保持することができる。
本発明のバイオセンサシステムの一実施形態を示す斜視図である。 図1のバイオセンサシステムの切断側面図である。 分析装置の本体部にセンサパックが装着された状態を示す切断側面図である。 分析装置の本体部に凹状に形成された装着箇所が蓋部により閉塞された状態を示す切断側面図である。 分析装置の蓋部に設けられたレバーがスライド移動する状態を示す切断側面図である。 バイオセンサが分析装置の所定位置に設置された状態を示す切断側面図である。 バイオセンサが分析装置の所定位置に設置された状態を示すバイオセンサシステムの斜視図である。 センサパックの平面図である。 図6の状態の分析装置の要部拡大図である。 分析装置の他の例を示す図である。 分析装置の他の例を示す図である。 従来のバイオセンサシステムの一例を示す図である。
本発明のバイオセンサシステムの一実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
図1は本発明のバイオセンサシステム1の一実施形態を示す斜視図である。図2は図1のバイオセンサシステム1の切断側面図である。図3は分析装置の本体部にセンサパックが装着された状態を示す切断側面図である。図4は分析装置の本体部に凹状に形成された装着箇所が蓋部により閉塞された状態を示す切断側面図である。図5は分析装置の蓋部に設けられたレバーがスライド移動する状態を示す切断側面図である。図6はバイオセンサが分析装置の所定位置に設置された状態を示す切断側面図である。図7はバイオセンサが分析装置の所定位置に設置された状態を示すバイオセンサシステム1の斜視図である。図8はセンサパック10の平面図である。図9は図6の状態の分析装置の要部拡大図であって、蓋部102の前方側の部分切断平面図である。
バイオセンサシステム1は、図1および図2に示すように、作用極および対極を含む電極系と、測定対象物質と特異的に反応する酵素を含む反応層(図示省略)を有するバイオセンサ2と、バイオセンサ2を内部に密封状態に収納するセンサパック10と、所定位置に設置されたバイオセンサ2に供給される検体に含まれる測定対象物質の定量を行う分析装置100とを備えている。すなわち、バイオセンサシステム1は、分析装置100の所定位置に設置されたバイオセンサ2の先端側に設けられたキャビティに供給された血液などの検体に含まれるグルコースなどの測定対象物質と、バイオセンサ2に設けられた反応層とが反応することで生成される還元物質を、バイオセンサ2の作用極と対極との間に電圧を印加して酸化することにより得られる酸化電流を計測することで、検体に含まれる測定対象物質の定量を行う。
(バイオセンサ)
バイオセンサ2は、それぞれ、セラミック、ガラス、プラスチック、紙、生分解性材料、ポリエチレンテレフタレートなどの絶縁性材料により形成された、作用極および対極が設けられた電極層と、キャビティを形成するためのスリットが形成されたスペーサ層と、空気穴が形成されたカバー層とが、先端側が揃った状態で積層されて接着されることにより形成される。
この実施形態では、電極層は、ポリエチレンテレフタレートから成る基板により形成されており、基板上にスクリーン印刷やスパッタリング蒸着法により形成された、白金、金、パラジウムなどの貴金属やカーボンなどの導電性物質から成る電極膜にレーザ加工等によるパターン形成が施されることにより、作用極および対極と、バイオセンサが分析装置100の所定位置に設置されたときに作用極および対極それぞれと分析装置100とを電気的に接続する電極パターンとが設けられている。
また、スペーサ層は、ポリエチレンテレフタレートから成る基板により形成されており、基板の先端縁部のほぼ中央にキャビティを形成するためのスリットが形成されて、電極層と先端が揃った状態で積層されて接着される。
反応層は、電極層にスペーサ層が積層されて形成されるキャビティに露出する作用極および対極に、カバー層が積層される前に、カルボキシメチルセルロースやゼラチンなどの増粘剤、酵素、メディエータ、アミノ酸や有機酸などの添加物を含有する試薬を滴下することにより形成される。また、キャビティへの血液などの検体の供給を円滑にするために、界面活性剤やリン脂質などの親水化剤がキャビティ内壁に塗布される。
酵素としては、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールエステラーゼ、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、DNAポリメラーゼなどを用いることができ、これらの酵素を検出したい測定対象物質に応じて選択することで種々のセンサを形成することができる。
例えば、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを用いれば検体中のグルコースを検出するグルコースセンサを形成でき、アルコールオキシダーゼまたはアルコールデヒドロゲナーゼを用いれば検体中のエタノールを検出するアルコールセンサを形成でき、乳酸オキシダーゼを用いれば検体中の乳酸を検出する乳酸センサを形成でき、コレステロールエステラーゼとコレステロールオキシダーゼとの混合物を用いれば総コレステロールセンサを形成できる。
メディエータとしては、フェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ベンゾキノン、キノン誘導体、オスミウム錯体、ルテニウム錯体などを用いることができる。
カバー層は、ポリエチレンテレフタレートから成る基板により形成されており、基板にはスペーサ層に積層されたときにキャビティと連通する空気穴が形成されている。そして、カバー層が、反応層がキャビティに露出する作用極および対極に形成された後にスペーサ層に積層されて接着されることにより、検体をキャビティに供給するための検体供給口が先端に形成されたバイオセンサ2が形成される。
この実施形態では、バイオセンサシステム1は、血液中のグルコースの定量を行うことを目的に形成されており、測定対象物質としてのグルコースと特異的に反応する酵素としてグルコースオキシダーゼを含み、測定対象物であるグルコースとグルコースオキシダーゼとの反応により生成される電子により還元されて還元物質と成るメディエータとしてフェリシアン化カリウムを含む反応層がキャビティに露出する作用極および対極に設けられている。
(センサパック)
センサパック10は、非透湿性材料により把持可能に形成されて開口を有するケース体11と、非透湿性材料により形成されてケース体11の開口を閉塞してケース体11に貼り付けられる被覆膜12とを備えている。そして、図2に示すように、ケース体11および被覆膜12により形成される空間内にバイオセンサ2および吸湿剤3が密封状態に収納される。
また、センサパック10には、後述する分析装置100の装着箇所103に設けられた位置決め用係合部104と係合する、被係合部13が設けられている。また、ケース体11には、バイオセンサ2が収納される第1のキャビティ14と、第1のキャビティ14に連続的に形成され吸湿剤が収納される第2のキャビティ15とが設けられている。
なお、この実施形態では、ケース体11は、ポリエチレン、アルミニウム箔、ポリエチレンの積層部材により形成され、被覆膜12は、アルミニウム箔、ポリエチレンの積層フィルムにより形成されており、被覆膜12は、ケース体11の開口を閉塞してケース体に融着されている。また、吸湿剤3は、ゼオライトやシリカゲルなどの吸湿性のある材料により形成されている。
以上のように、ケース体11および被覆膜12の材質としては、透湿性材料に、非透湿性材料である金属箔やDLC(Diamond-like Carbon)を積層したものなど、非透湿性を確保することができれば、どのような材質であってもよい。
(分析装置)
分析装置100は、センサパック10が装着される凹状の装着箇所103が形成された本体部101と、凹状の装着箇所103を開閉自在に閉塞する蓋部102とを備えている。また、蓋部102は本体部101に着脱自在に形成されており、凹状の装着箇所103が蓋部102により閉塞されるように本体部101に蓋部102が装着されると、本体部101および蓋部102の図示省略した互いのコネクタが接続されて、本体部101に設けられた各種回路と、蓋部102に設けられた各種回路とが電気的に接続される。
また、本体部101に形成された凹状の装着箇所103には、位置決め用係合部104が設けられており、図3に示すように、センサパック10が本体部101の凹状の装着箇所103に装着される際に、装着箇所103の係合部104(柱状突起)とセンサパック10の被係合部13(丸穴)とが係合する。なお、この実施形態では、センサパック10の被係合部13としての丸穴に、装着箇所103の係合部104としての柱状突起が挿通することにより、センサパック10が装着箇所103に装着されるときの位置決めが行われるが、係合部104と被係合部13との組合せとしては、柱状突起と丸穴との組合わせに限られず、切り欠きとこれに係合する突起との組合わせなど、センサパック10を装着箇所103に正確に位置決めできる構造であれば、係合部104および被係合部13はどのような形状であってもよい。
また、蓋部102には、本体部101の装着箇所103に装着されたセンサパック10からバイオセンサ2を取り出して分析装置100の所定位置105に設置する設置機構が設けられている。すなわち、蓋部102の上面には凹部106が形成され、凹部106には蓋部102の長手方向に延びるスライド孔107が形成されて、スライド孔107には、本体部101の装着箇所103に装着されたセンサパック10内部のバイオセンサ2を所定位置105に移動させる移動手段としてのレバー108がスライド孔107に沿ってスライド自在に設けられている。また、レバー108には、先端がセンサパック10の被覆膜12を破断してセンサパック10内部のバイオセンサ2に係合可能に設けられた切断手段としての切断刃109が、レバー108の所定位置105への移動に連動してセンサパック10の被覆膜12を切断するように結合されている。
また、蓋部102に設けられたスライド孔107の両内側にはカム孔110が形成されており、カム孔110は、スライド孔107の後方部分から中央部分にかけて形成された下側の水平孔と、スライド孔107の前方部分に形成された上側の水平孔と、下側および上側の水平孔を連通する斜孔とにより形成されている。そして、レバー108は、レバー108に固着された従動ピン111がカム孔110に挿通されて配設されている。
したがって、図4に示すように、本体部101の装着箇所103にセンサパック10が装着された状態で、レバー108が蓋部102の最も後方側に移動した状態の蓋部102が本体部101に取り付けられて本体部101の凹状の装着箇所103が閉塞されれば、切断刃109がセンサパック10の被覆膜12を破断してレバー108の移動に連動可能にバイオセンサ2に係合する。そして、図5に示すように、レバー108が蓋部102の前方側の所定位置105に向けてスライド孔107に沿ってスライド移動されれば、切断刃109によりセンサパック10の被覆膜12が切断されつつ、バイオセンサ2が、バイオセンサ2に係合した切断刃109とともに所定位置105まで移動する。
このとき、図8に示すように、バイオセンサ2は、ケース体11の第1のキャビティ14に位置決め収納されているため、本体部101の凹状の装着箇所103が蓋部102により閉塞されて、切断刃109がバイオセンサ2に係合するときに、切断刃109は、センサパック10の被覆膜12の点線Aで囲まれた部分を破断してバイオセンサ2と吸湿剤3との間に導入されるため、切断刃109は確実にバイオセンサ2の後方側に係合するので、切断刃109によりバイオセンサ2本体が破損するおそれがない。また、センサパック10は、被係合部13が係合部104に係合することにより本体部101の装着箇所103に位置決めされるため、レバー108の操作に伴い被覆膜12が切断刃109により切断される際に、センサパック10の位置ずれが生じるおそれはない。
また、この実施形態では、バイオセンサ2が切断刃109によりセンサパック10から押し出され易くするため、ケース体11は側断面が、センサパック10が装着箇所103に装着されるときにバイオセンサ2が設置される所定位置105の方向を向く側を船首とする船形状に形成されている。したがって、バイオセンサ2は、切断刃109により前方側の所定位置105の方向に移動する際に、ケース体11の船首側の形状に沿いながら所定位置105に向かって上方に移動する。このとき、レバー108および切断刃109は、カム孔107に沿って前方にスライド移動しつつ上方に移動するため、切断刃109がケース体11に接触して、レバー108のスライド移動が妨げられるおそれがない。また、切断刃109は、上方に移動しながらバイオセンサ2を所定位置105に向けて前方に押し出すため、バイオセンサ2に係合する切断刃109の上方への移動により、バイオセンサ2は、ケース体11の船首側の形状に沿いながら上方の所定位置105に向かって確実に移動する。
また、図2に示すように、蓋部102の前方側、すなわち、所定位置105に相当する箇所には、ばねなどの付勢体112により上方に吊り上げられた状態で押圧体113が配設されている。押圧体113は、図9に示すように、平板状の押圧部の両側に2本の棒状の作動片が設けられて上面視略コ字状に形成されており、2本の作動片によりスライド孔107を両側から挟むように配置されている。また、押圧体113の作動片の先端部には、スライド孔110の斜孔に沿うように傾斜面が形成されている。
したがって、図5に示すように、従動ピン111が押圧体113の作動片の先端の傾斜面に当接する位置までレバー108が前方にスライド移動されると、従動ピン111による押圧体113の作動片の押し下げが開始されて、押圧体113が付勢体112の付勢力に抗して下方に移動する。そして、図6および図9に示すように、レバー108の前方へのスライド移動が完了して分析装置100の所定位置105に設置されたバイオセンサ2は、レバー108の前方へのスライド移動に伴い下方に移動する押圧体113と、本体部101との間に狭持されて保持される。
また、本体部101の所定位置105には、レバー108の前方へのスライド移動により設置されたバイオセンサ2の電極系と電気的に接続される電極(図示省略)が配置されており、これにより、所定位置105に設置保持されたバイオセンサ2と、分析装置100内に設けられた各種回路(図示省略)とが電気的に接続される。
また、分析装置100は、バイオセンサ2が所定位置105に設置されたことが検出されると自動的に電源が投入されて、バイオセンサ2に血液などの検体が供給されると、検体中のグルコースなどの測定対象物質の測定を開始する。そして、検体中の測定対象物質の定量が完了すれば、測定結果がLCDなどの表示手段により形成される表示部114に表示されると共に、計測終了を合図するアラームがスピーカから出力されて、測定結果がメモリなどの記憶媒体により形成される記憶部に記憶される。
また、分析装置100は、操作スイッチなどにより形成された操作部115を備えており、操作部115が操作されることにより各種初期設定が実行されたり、記憶部に記憶されている過去の計測結果などが表示部114に表示される。
また、分析装置100は、シリアルインターフェース(I/F)を備え、I/Fを介して接続された外部のパーソナルコンピュータとの間で、測定結果などのデータの送受信を行うことができる。なお、記憶部には、過去の測定結果や、バイオセンサ2の作用極に所定電位を印加することにより計測される応答電流に基づいて検体に含まれる測定対象物質の定量を行うための換算式、CPUにより実行されることにより各種機能が実現されるプログラムなどが格納されている。
また、分析装置100は、電圧出力部と、電流電圧変換部と、A/D変換部とを備えている。電圧出力部は、デジタル−アナログ変換機能(D/A変換機能)を有し、CPUからの制御指令に基づいて、分析装置100に装着されたバイオセンサ2の対極に一定の参照電位を出力するとともに、対極に印加されている参照電位を基準とする所定電位を作用極に出力する。
電流電圧変換部は、オペアンプや抵抗素子により形成される一般的な電流電圧変換回路を有し、電圧出力部によりバイオセンサ2の作用極に所定電位が印加されることで作用極と対極との間に流れる電流をCPUに取込むことができるように電圧信号に変換する。A/D変換部は、電流電圧変換部により変換された電圧信号をデジタル信号に変換する。そして、A/D変換部により変換されたデジタル信号はCPUに取り込まれ、CPUにおいて所定の演算が施されることにより、電圧信号から電流信号に変換される。
CPUは、記憶部に記憶された、検体に含まれる測定対象物質を定量するための各種プログラムを実行することにより以下の機能を備えている。
検出部は、A/D変換部を介してCPUに入力された作用極と対極との間に流れる電流値を監視することにより、作用極および対極間が液体から成る検体により短絡することよる抵抗値の変化を検出して、これにより、バイオセンサ2に設けられたキャビティに検体が供給されたことを検出する。計時部は、図示省略されたクロック回路から出力されるクロック信号に基づいて、例えば、検出部により検体のキャビティへの供給が検出されてからの経過時間や、電圧出力部による作用極への所定電位の印加時間などを計時する。
計測部は、電圧出力部により、作用極に対極を基準とする所定電位が印加されたときに作用極と対極との間に流れる電流を計測する。
定量部は、定量工程において、計測部により計測された電流に基づいて測定対象物質の定量を行う。具体的には、作用極と対極との間に流れる電流値と、検体に含まれる測定対象物質の濃度との関係が予め計測されることにより、電流値から濃度を換算するための換算式が導出されて予め記憶部に格納されている。そして、記憶部に格納された換算式と、実際に計測された電流値とに基づいて測定対象物質の定量が行われる。
報知部は、定量部による定量結果を表示部114に表示したり、測定が終了したことを示すアラームをスピーカから出力することによる報知を行う。
(使用方法)
次に、バイオセンサシステム1の使用方法の一例について説明する。
まず、図3に示すように、使い捨てのバイオセンサ2が1つ収納されたセンサパック10が、ユーザにより分析装置100の本体部101の装着箇所103に装着される。そして、図4に示すように、センサパック10が本体部101の装着箇所103に装着された状態で蓋部102が本体部101に取付けられる。
続いて、図5および図6に示すように、レバー108が前方の所定位置105に向けてスライド移動されることにより、バイオセンサ2が分析装置100の所定位置105に設置される(図7参照)。バイオセンサ2が分析装置100の所定位置105に設置されたことが検出されると自動的に電源が投入されて、バイオセンサ2に血液などの検体が供給されると、検体中のグルコースなどの測定対象物質の測定が開始される。
そして、検体中の測定対象物質の定量が完了すれば、測定結果が表示部114に表示されると共に、計測終了を合図するアラームがスピーカから出力される。なお、ユーザは、表示部114に表示された測定結果を確認すれば、蓋部102を本体部101から取り外して、使用済みのバイオセンサ2およびセンサパック10を取り外して破棄すればよい。
以上のように、この実施形態によれば、非透湿性材料により把持可能に形成されて開口を有するケース体11と、非透湿性材料により形成されて開口を閉塞してケース体11に貼り付けられる被覆膜12とにより形成される空間内にバイオセンサ2および吸湿剤3が密封状態に収納されたセンサパック10が分析装置の装着箇所103に装着される。
そして、先端がセンサパック10の被覆膜12を破断してセンサパック10内部のバイオセンサ2に係合可能に設けられた切断刃109と、バイオセンサ2を該バイオセンサ2に係合した切断刃109とともに分析装置100の所定位置105まで移動させるレバー108とを有する設置機構により、分析装置100の装着箇所103に装着されたセンサパック10からバイオセンサ2が取り出されて分析装置100の所定位置105に設置され、レバー108および切断刃109がスライド移動することにより分析装置100の所定位置105に設置されたバイオセンサ2は、分析装置100の蓋部102に設けられた押圧体113と、本体部101との間に狭持されて確実に保持される。このように、設置機構により分析装置100の所定位置105に設置されたバイオセンサ2に検体が供給されると、検体に含まれる測定対象物質が分析装置100により定量される。
したがって、製造コストの低減を図るためにバイオセンサ2を小型化しても、検体に含まれる測定対象物質を定量する際に、ユーザは、把持可能に形成されたセンサパック10のケース体11を把持して分析装置100の装着箇所103に装着するだけでよいため、ユーザによるバイオセンサ2の取り扱い性を損なうことがなくバイオセンサ2の小型化を図ることができる。
すなわち、バイオセンサ2に設けられた反応層に含まれる酵素が湿度や温度変化により劣化するのを防止するために、測定対象物質を定量する直前までバイオセンサ2を吸湿剤3と一緒に保管する必要があるが、バイオセンサ2および吸湿剤3を一緒に密封状態に収納するセンサパック10のケース体11を把持可能に形成することで、バイオセンサ2を適正に保管するためのセンサパック10に、小型化されたバイオセンサ2を容易に取り扱うための機能が付与される。したがって、ユーザは、ケース体11を把持してセンサパック10ごとバイオセンサ2を分析装置100の装着箇所103に装着でき、センサパック10が分析装置100の装着箇所103に装着されれば、設置機構によりセンサパック10内部のバイオセンサ2が取り出されて分析装置100の所定位置105に設置されるので、小型化されたバイオセンサ2を取り扱うための特殊な取り扱い用具などを準備する必要がなく、製造コストの増大を招くことがない。
また、分析装置100の本体部101に凹状に形成された装着箇所103にセンサパック10が装着された状態で蓋部102により該凹状の装着箇所103が閉塞されたときに、蓋部102にスライド自在に設けられたレバー108に結合された切断刃109が、センサパック10の被覆膜12を破断してレバー108の移動に連動可能にバイオセンサ2に係合し、切断刃109は、バイオセンサ2を分析装置100の所定位置105に移動させるためのレバー108の所定位置105へのスライド移動に連動してセンサパック10の被覆膜12を切断するため、レバー108をスライド移動させるだけで、レバー108に結合された切断刃109に係合したバイオセンサ2を、センサパック10の被覆膜12を切断しつつ容易に分析装置100の所定位置105に移動させることができる。
また、分析装置100の装着箇所103には、位置決め用係合部104が設けられ、センサパック10には、装着箇所103に装着されるときに位置決め用係合部104と係合する被係合部13が設けられているため、センサパック10を分析装置100の装着箇所103に正確に位置決めできると共に、レバー108および切断刃109がスライド移動することによりセンサパック10内部のバイオセンサ2が取り出されるときにセンサパック10の位置ずれが生じるのを防止できる。
また、ケース体11の第1のキャビティ14にバイオセンサ2が収納され、該第1のキャビティ14に連続的に形成され第2のキャビティ15に吸湿剤が収納されるため、センサパック10内でバイオセンサ2と吸湿剤3とが接触するのを防止できる。
また、分析装置100の所定位置105には、レバー108および切断刃109により移動されたバイオセンサ2の電極系と電気的に接続される電極が配置されているため、設置機構によりバイオセンサ2が分析装置100の所定位置105に設置されたときに、バイオセンサ2の電極系と分析装置100とが電気的に接続されるため実用的である。
また、バイオセンサ2が1つ収納されたセンサパック10を、使い捨てで使用することにより、例えば、センサパック10内に複数のバイオセンサ2が収納されており、そのうちの1つのバイオセンサ2のみを取り出す機構を形成するのと比較すれば、センサパック10に収納されたバイオセンサ2を取り出す機構を簡易なものとすることができる。このように、バイオセンサ2を取り出す設置機構と、使い捨てのセンサパック10を装着する分析装置100の装着箇所103の構造とを簡単なものとすることができるため、ユーザは、バイオセンサシステム1の取り扱いの説明を受けなくとも、容易にバイオセンサシステム1の使用方法に想到することができる。したがって、バイオセンサシステム1を長期間使用しないことがあったとしても、ユーザは、バイオセンサシステム1の使用方法を忘れてしまうことにより、バイオセンサシステム1を使用できない、という事態を回避することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、例えば、分析装置100の本体部101および蓋部102を、その後方側において、ヒンジ構造により連結してもよい。
また、図10および図11に示すように、分析装置200の本体部201および蓋部202を長手方向にスライド自在に連結してもよい。このようにすれば、図11に示すように、蓋部202が本体部201に対して後方にスライド移動されて装着箇所203が開放されときに、センサパック10を装着箇所203に装着することができる。そして、分析装置200では、蓋部200の前側部分に切断手段としての切断刃が出退自在に取り付けられており、蓋部202が本体部201に対してスライド移動されて、切断刃がセンサパック10に対向したときに切断刃が蓋部202から下方に出現することにより、切断刃は、センサパック10の被覆膜12を破断してバイオセンサ2に係合する。
そして、さらに、蓋部202がスライド移動されるのに伴い、センサパック10内のバイオセンサ2は所定位置205に向けて押し出されて、蓋部202の本体部201に対するスライド移動が完了したときに、バイオセンサ2が分析装置200の所定位置205に設置される。なお、上記した分析装置100と同様に、分析装置200の蓋部202には表示部214および操作部215が設けられている。その他の構成は、上記した分析装置100の構成と同様であるため、同一および相当符号を付すことによりその構成の説明は省略する。また、図10および図11は分析装置の他の例を示す図であって、それぞれ異なる状態を示す。
また、センサパック内に密封状態に収納される吸湿剤は、上記した錠剤状のものに限られるものではなく、例えば、ケース体と被覆膜とを接着する接着剤に吸湿材料が練りこまれたものを吸湿剤としてもよい。このようにすれば、ケース体と被覆膜との接着部分から水分がセンサパック内に浸入するのを効果的に防止することができる。このように、センサパック内の水分を吸湿することができれば、センサパック内に収納される吸湿剤はどのようなものであってもよい。
本発明は、種々のバイオセンサを用いた測定を行うバイオセンサシステムに適用することができる。
1 バイオセンサシステム
2 バイオセンサ
3 吸湿剤
10 センサパック
11 ケース体
12 被覆膜
13 被係合部
14 第1のキャビティ
15 第2のキャビティ
100,200 分析装置
101,201 本体部
102,202 蓋部
103,203 装着箇所
104 係合部
105 所定位置
108 レバー
109 切断刃
113 押圧体

Claims (5)

  1. 作用極および対極を含む電極系と、測定対象物質と反応する酵素を含む反応層とが絶縁性基板に設けられて形成されたバイオセンサと、
    所定位置に設置された前記バイオセンサに供給される検体に含まれる前記測定対象物質の定量を行う分析装置と、
    非透湿性材料により把持可能に形成されて開口を有するケース体と、非透湿性材料により形成されて前記開口を閉塞して前記ケース体に貼り付けられる被覆膜とを有し、前記ケース体および前記被覆膜により形成される空間内に前記バイオセンサおよび吸湿剤を密封状態に収納するセンサパックと、
    前記分析装置の装着箇所に設けられた位置決め用係合部に前記センサパックの被係合部が係合することにより前記装着箇所に装着された前記センサパックから前記バイオセンサを取り出して前記分析装置の前記所定位置に設置する設置機構と、
    前記設置機構により前記所定位置に設置された前記バイオセンサを保持する保持手段とを備え、
    前記ケース体は、
    前記バイオセンサが収納される第1のキャビティと、該第1のキャビティに連続的に形成され前記吸湿剤が収納される第2のキャビティとを有し、
    前記分析装置は、
    前記装着箇所が凹状に形成された本体部と、
    凹状の前記装着箇所を開閉自在に閉塞する蓋部とを有し、
    前記分析装置の前記所定位置には、前記設置機構により設置された前記バイオセンサの前記電極系と電気的に接続される電極が配置され、
    前記設置機構は、
    前記蓋部にスライド自在に設けられたレバーと、
    前記レバーに結合され、先端が前記被覆膜を破断して前記センサパック内部の前記バイオセンサに係合可能に設けられた切断を有し
    前記装着箇所に前記センサパックが装着された状態で、前記蓋部により前記本体部の凹状の前記装着箇所を閉塞したときに、前記切断刃が前記センサパックの前記被覆膜を破断して前記レバーの移動に連動可能に前記バイオセンサに係合し、
    前記レバーの前記所定位置への移動に連動して、前記レバーに結合された前記切断刃を前記被覆膜を切断するように前記所定位置まで移動させるとともに前記切断刃に係合した前記センサパック内部の前記バイオセンサを前記切断刃で前記センサパック外部へ押し出すことにより前記所定位置まで移動させ
    前記蓋部には、
    前記レバーがスライド移動されることにより前記所定位置に設置された前記バイオセンサを前記本体部との間に挟持して保持する前記保持手段としての押圧体がさらに設けられ、
    前記押圧体は、前記バイオセンサを移動させる前記レバーが前記所定位置にスライド移動されるのに伴い、前記レバーに固着された従動ピンによって前記本体部に向けて押し下げられることにより、前記バイオセンサを前記本体部との間に挟持して保持する
    ことを特徴とするバイオセンサシステム。
  2. 前記バイオセンサは、その先端側に設けられて検体が供給されるキャビティと、その先端に設けられた検体供給口とを有し、
    前記バイオセンサは、その先端側から前記所定位置に向けて前記レバーのスライド移動に連動する前記切断刃によって前記センサパック内部から押し出されることにより、前記検体供給口が設けられた先端部分が前記分析装置外に露出した状態で前記所定位置に設置されることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサシステム。
  3. 前記切断刃は、前記センサパック内部の前記バイオセンサの後端に係合し、前記レバーの前方側へのスライド移動に連動して前記バイオセンサをその先端側から前記所定位置に向けて前記センサパック内部から押し出すことを特徴とする請求項1または2に記載のバイオセンサシステム。
  4. 前記蓋部により前記本体部の凹状の前記装着箇所を閉塞したときに、前記切断刃は、平面視で前記第1のキャビティと前記第2のキャビティとの間の位置において前記センサパックの前記被覆膜を破断することにより、前記切断刃の先端が前記センサパック内部の前記バイオセンサと前記吸湿剤との間に導入されることを特徴とする請求項3に記載のバイオセンサシステム。
  5. 前記ケース体は、前記センサパックが前記装着箇所に装着されるときに前記所定位置を向く側を船首とする船形状の側断面を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバイオセンサシステム。
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