JP5381724B2 - ZnO蒸着材の製造方法 - Google Patents
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Description
<メカニカルアロイング処理による複合粉末の作製工程>
一般的に、メカニカルアロイングとは機械的混合法と呼ばれ、硬球の回転運動により金属粉末或いはセラミックス粉末を練り合わせるように粉砕と圧着を繰り返す方法である。その装置としては、ボールミル、遊星ボールミル、アトライタ、ビーズミル等の高エネルギー混合粉砕装置などが挙げられる。金属粉末を用いる場合、酸化防止のために装置内部を真空とするもの、水素を充填するもの、冷却機構を有するものなどがある。これらの混合粉砕装置により、金属粉末或いはセラミックス粉末の混合粉末を、数十ナノメーターレベルにまで微粉砕する。このレベルまで微細化すると、固溶体化、化合物形成又はアモルファス化等が促進され、通常の溶解法や粉末冶金法では熱力学的に不可能な合金や非晶質合金の粉末を作製することができる。これは、強度の変形によって導入された格子欠陥が準安定物質の作製をもたらすためと考えられている。メカニカルアロイングは金属粉末への適用が多く知られているが、窒化物、炭化物又は酸化物にも適用されている。また、金属粉末と窒化物、炭化物又は酸化物粉末等を混合する場合、金属マトリックスに窒化物、炭化物又は酸化物の粉末を微細に分散させた合金粉末を製造する方法にも用いられる。
図1に示すように、上記複合粉末13と有機溶媒とバインダとを混合して、濃度が30〜75質量%のスラリーを調製する。好ましい濃度は40〜65質量%である。スラリーの濃度を30〜75質量%に限定したのは、75質量%を越えると上記スラリーが非水系であるため、安定した混合造粒が難しい問題点があり、30質量%未満では均一な組織を有する緻密なZnO焼結体が得られないからである。複合粉末13の平均粒径は0.05〜2μmの範囲内にあることが好ましい。複合粉末の平均粒径を上記範囲内に規定したのは、下限値未満であると粉末が細かすぎて凝集するため、粉末のハンドリングが悪くなる問題があり、上限値を越えると、微細構造の制御が難しく、緻密なペレットが得られない問題があるからである。
図1に示すように、この第1造粒粉末14を所定の型に入れて所定の圧力で成形し、成形体15を作製する。所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧成形装置(CIP(Cold Isostatic Press)成形装置)が用いられる。また、タブレットマシンやブリケットマシン等を用いてもよい。一軸プレス装置では、第1造粒粉末14を750〜2000kg/cm2(73.5〜196.1MPa)、好ましくは1000〜1500kg/cm2(98.1〜147.1MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、第1造粒粉末14を1000〜3000kg/cm2(98.0〜294.2MPa)、好ましくは1500〜2000kg/cm2(147.1〜196.1MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、成形体15の密度を高めるとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
図1に示すように、上記成形体15を所定の温度で焼結し、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)16を作製する。焼結は大気、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で行う。好ましい雰囲気は大気、還元ガス雰囲気である。焼結温度1000℃以上で焼結する。焼結温度が1000℃未満であると、十分な焼結性が得られないからである。好ましくは、1200〜1400℃で2〜5時間である。これにより相対密度が90%以上のペレットが得られる。上記焼結は大気圧下で行うが、ホットプレス(HP)焼結や熱間静水圧プレス(HIP、Hot Isostatic Press)焼結のように加圧焼結を行う場合には、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上の温度で1〜5時間行うことが好ましい。また、一軸プレスにより板状の焼結体としても良い。
得られたZnO焼結体(ZnO蒸着材)16を蒸着源として、真空成膜法により基板表面にZnO膜を形成する。上記ZnO膜を形成するための真空成膜法としては、電子ビーム蒸着法、反応性プラズマ蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法などが挙げられる。
<メカニカルアロイング処理による複合粉末の作製工程>
第1の実施形態と同様に、所定量の純度98%以上のZnO粉末11と、純度98%以上の希土類元素酸化物粉末12を遊星ボールミル砕装置に充填し、運転することによりメカニカルアロイング処理を行い複合粉末13を作製する。好ましくは、純度99.9%以上のZnO粉末と、純度99.9%以上の希土類元素酸化物粉末を用いる。その詳細は、第1の実施形態に準ずる。
図1に示すように、メカニカルアロイング処理により作製した複合粉末13の仮焼を行い、複合仮焼体17を作製する。仮焼は大気、窒素ガス、還元性ガス、不活性ガス又は真空の雰囲気中で行う。好ましい雰囲気は大気、還元ガス雰囲気である。仮焼温度は800〜1200℃である。仮焼温度が800℃未満であると、十分な焼結性が得られないからであり、また1200℃を越えるとZnOが蒸発してしまい、組成成分が変化してしまうからである。好ましい仮焼時間は2〜5時間である。仮焼に用いる坩堝はアルミナ系、マグネシア系又はジルコニア系坩堝などを用いる。好ましくはマグネシアを用いる。仮焼の目的は、ZnO粒子と希土類元素酸化物粒子との界面で反応を起こし、ZnOと希土類元素酸化物との擬似固溶体を形成することである。これにより、ZnOマトリックスに対する希土類元素の分散性が向上する効果が期待できる。また、その反応性は焼結温度により制御することが可能である。
図1に示すように、上記仮焼により得られた複合仮焼体17を機械的に解砕し、複合仮焼粉末18を作製する。解砕装置には、ジョークラッシャ、ロールクラッシャ、ハンマークラッシャ、ディスククラッシャ、スタンプミル、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、ジェットミル等を用いる。好ましくは、ハンマークラッシャを用いる。これは、比較的不純物の混入が低く、プロセスが簡素だからである。平均粒径が0.05〜5μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲に入るまで解砕する。この範囲に複合仮焼粉末18の平均粒径を制御したのは、下限値未満では粉末の凝集が著しくなってハンドリングが難しくなり、上限値を越えると焼結性が悪化するからである。特に好ましくは0.1〜2μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。
図1に示すように、複合仮焼粉末18より第2造粒粉末19(図4)を作製する。その詳細は、第1の実施形態の複合粉末13の造粒工程に準ずる。
図1に示すように、第2造粒粉末19を成形し、成形体21を作製する。その詳細は、第1の実施形態の成形工程に準ずる。
図1に示すように、上記成形体21を所定の温度で焼結し、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)22を作製する。焼結は大気、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で行う。好ましい雰囲気は大気、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気である。焼結温度1000℃以上で焼結する。焼結温度が1000℃未満であると、十分な焼結性が得られないためこの温度条件とした。好ましくは、1200〜1400℃で2〜5時間である。これにより相対密度が90%以上のペレットが得られる。上記焼結は大気圧下で行うが、ホットプレス(HP)焼結や熱間静水圧プレス(HIP、Hot Isostatic Press)焼結のように加圧焼結を行う場合には、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上の温度で1〜5時間行うことが好ましい。また、一軸プレスにより板状の焼結体としても良い。
第2の実施形態により作製したZnO焼結体(ZnO蒸着材)22を蒸着源とするZnO膜を作製する。その詳細は、第1の実施形態の成膜工程に準ずる。
先ず、平均粒径2.0μmで純度99.7%のZnO粉末と、平均粒径2.5μmで純度99.5%のCeO2粉末とを所定量ずつ計量し、これらの粉末を遊星ボールミル装置に充填し、この装置を運転することにより、上記粉末を混合粉砕するメカニカルアロイング処理を行って複合粉末を作製した。この混合粉砕は湿式混合で行い、分散媒としてエタノールを添加し、粉砕添加剤として界面活性剤を添加した。なお、容器内の雰囲気は大気とした。上記メカニカルアロイング処理を行って作製された複合粉末の平均粒径は0.5μmであった。ここで、上記複合粉末の組成について、ZnO粉末とCeO2粉末(希土類元素酸化物粉末)との合計質量を100質量%としたとき、Ce(希土類元素)の含有割合が2質量%になるように制御した。
次の表1に示すように、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%としたこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例2とした。
次の表1に示すように、Ce(希土類元素)の含有割合を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例3とした。
次の表1に示すように、Ce(希土類元素)の含有割合を15質量%としたこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例4とした。
先ず、実施例1と同様にして、ZnO粉末とCeO2粉末とを所定量ずつ計量し、これらの粉末を遊星ボールミル装置に充填し、メカニカルアロイング処理を行って平均粒径0.5μmの複合粉末を作製した。ここで、上記複合粉末の組成について、ZnO粉末とCeO2粉末(希土類元素酸化物粉末)との合計質量を100質量%としたとき、Ce(希土類元素)の含有割合が2質量%になるように制御した。次いで、上記複合粉末の仮焼を行って複合仮焼体を作製した。仮焼は大気中で行い、仮焼温度は1000℃であり、仮焼時間は3時間であった。上記複合仮焼体を機械的に解砕し、複合仮焼粉末を作製した。解砕装置としてはハンマークラッシャを用い、この解砕装置を用いて平均粒径0.4μmの複合仮焼粉末を作製した。次に、実施例1と同様にして、上記複合仮焼粉末に有機溶媒とバインダとを添加して混合して、スラリーを調製し、このスラリーを、スプレードライヤを用いて噴霧乾燥し、平均粒径200μmの第2造粒粉末を得た。更に、実施例1と同様にして、第2造粒粉末を一軸プレス装置を用いて一軸加圧成形することにより成形体を作製し、大気焼成炉を用いてこの成形体を焼結することにより、ZnO蒸着体を得た。このZnO蒸着体を実施例5とした。
次の表1に示すように、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%としたこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例6とした。
次の表1に示すように、Ce(希土類元素)の含有割合を10質量%としたこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例7とした。
次の表1に示すように、Ce(希土類元素)の含有割合を15質量%としたこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例8とした。
次の表1に示すように、平均粒径10.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が1μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例9とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.8μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例10とした。
次の表1に示すように、平均粒径10.0μmのZnO粉末と平均粒径5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が1.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例11とした。
次の表1に示すように、平均粒径10.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が0.6μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例12とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例13とした。
次の表1に示すように、平均粒径10.0μmのZnO粉末と平均粒径5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が1μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例14とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのSc2O3粉末とを用い、Sc(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例15とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのY2O3粉末とを用い、Y(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例16とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのLa2O3粉末とを用い、La(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例17とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのPr6O11粉末とを用い、Pr(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例18とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのNd2O3粉末とを用い、Nd(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例19とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのPm2O3粉末とを用い、Pm(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例20とした。
次の表1に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのSm2O3粉末とを用い、Sm(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を実施例21とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と、平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例1とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.02μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例2とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.02μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が0.02μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例3とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を30質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が0.5μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が0.4μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例4とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が4μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例5とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が4μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が3μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例6とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径10μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が5μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例7とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径10μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が5μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が4μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例8とした。
次の表2に示すように、平均粒径25.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が8μmであったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例9とした。
次の表2に示すように、平均粒径25.0μmのZnO粉末と平均粒径10μmのCeO2粉末とを用い、Ce(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理後の複合粉末の平均粒径が10μmであり、粉砕処理後の複合仮焼粉末の平均粒径が6μmであったこと以外は、実施例5と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例10とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのSc2O3粉末とを用い、Sc(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例11とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのY2O3粉末とを用い、Y(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例12とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのLa2O3粉末とを用い、La(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例13とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのPr6O11粉末とを用い、Pr(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例14とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのNd2O3粉末とを用い、Nd(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例15とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのPm2O3粉末とを用い、Pm(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例16とした。
次の表2に示すように、平均粒径2.0μmのZnO粉末と平均粒径2.5μmのSm2O3粉末とを用い、Sm(希土類元素)の含有割合を5質量%とし、メカニカルアロイング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてZnO蒸着体を作製した。このZnO蒸着体を比較例17とした。
実施例1〜21及び比較例1〜17で得られたZnO蒸着材を用いて、ガラス基板の上に、電子ビーム蒸着法により、所定の膜厚のZnO膜を形成した。成膜条件は、到達真空度が1.0×10-4Paであり、酸素ガス分圧が1.0×10-2Paであり、基板温度が200℃であり、成膜速度が0.5nm/秒であった。形成されたZnO膜について、それぞれ膜厚、透過率及び比抵抗を評価した。これらの結果を次の表1及び表2に示す。
12 希土類元素群から選ばれた1種の元素を含む希土類元素酸化物粉末
13 複合粉末
14 第1造粒粉末
15 成形体
16 ZnO焼結体(ZnO蒸着材)
17 複合仮焼体
18 複合仮焼粉末
19 第2造粒粉末
20 ZnOと希土類元素酸化物との擬似固溶体
21 成形体
22 ZnO焼結体(ZnO蒸着材)
Claims (5)
- 純度が98%以上のZnO粉末と純度が98%以上の希土類元素酸化物粉末とから複合粉末を作製し、前記複合粉末から作製する第1造粒粉末をペレット状、タブレット状又は板状に成形した後、この成形体を焼結して、前記希土類元素を0.1〜15質量%含むZnO蒸着材を製造する方法であって、
前記希土類元素酸化物粉末が希土類元素群から選ばれた1種の元素を含み、
前記ZnO粉末と前記希土類元素酸化物粉末とを混合粉砕するメカニカルアロイング処理により平均粒径0.05〜2μmの複合粉末を作製する工程と、
前記複合粉末により第1造粒粉末を作製する工程と
を含むことを特徴とするZnO蒸着材の製造方法。 - 純度が98%以上のZnO粉末と純度が98%以上の希土類元素酸化物粉末とから複合粉末を作製し、前記複合粉末から作製する第2造粒粉末をペレット状、タブレット状又は板状に成形した後、この成形体を焼結して、前記希土類元素を0.1〜15質量%含むZnO蒸着材を製造する方法であって、
前記希土類元素酸化物粉末が希土類元素群から選ばれた1種の元素を含み、
前記ZnO粉末と前記希土類元素酸化物粉末とを混合粉砕するメカニカルアロイング処理により平均粒径0.05〜2μmの複合粉末を作製する工程と、
前記複合粉末を大気、窒素ガス、還元性ガス、不活性ガス又は真空の雰囲気中、800〜1200℃で仮焼することにより複合仮焼体を得る工程と、
前記複合仮焼体を解砕して複合仮焼粉末を作製する工程と、
前記複合仮焼粉末により第2造粒粉末を作製する工程と
を含むことを特徴とするZnO蒸着材の製造方法。 - 希土類元素群から選ばれた1種の元素がSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm又はSmである請求項1又は2記載のZnO蒸着材の製造方法。
- ZnO粉末の平均粒径が0.1〜10μmであり、希土類元素酸化物粉末の平均粒径が0.05〜5μmである請求項1又は2記載のZnO蒸着材の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法で製造されたZnO蒸着材をターゲット材として真空成膜法により形成されたZnO膜。
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