JP5381229B2 - コンデンサの劣化検出回路及びこれを備えた電子機器 - Google Patents

コンデンサの劣化検出回路及びこれを備えた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、倍電圧コンデンサと平滑コンデンサを具備した倍電圧整流回路において、長期間使用によるコンデンサの劣化により容量減少が生じたときに倍電圧コンデンサ及び/又は平滑コンデンサの劣化を検出するコンデンサの劣化検出回路及びこれを備えた電子機器に関するものである。
インバータ回路等に使用される倍電圧整流回路には、直流電圧を昇圧するための倍電圧コンデンサと、リップルを平滑化するための平滑コンデンサが使用される。これらのコンデンサは、寿命部品であることから、動作電圧、動作温度などの製品としての使用条件を想定した上でコンデンサの部品選定が行われている。しかしながら、コンデンサは使用とともに容量減少などの性能劣化がおこり、最悪の場合、倍電圧コンデンサ及び/又は平滑コンデンサの防爆弁が破裂し、これらのコンデンサを搭載している基板の破壊を招く可能性がある。
このような危険は、未然に回避しなければならず、製品が廃棄されるまで安全性を保障しなければならない。
そこで、従来技術では、平滑コンデンサの寿命を事前に検知する為の劣化検出回路が提案されている(特許文献1)。
この従来技術を示す図8において、交流電源11を整流部12で整流し、平滑コンデンサ13で平滑化した後、負荷電流検出部15で検出した負荷電流を、また、リップル電圧検出部14で検出した平滑コンデンサ13の両端の直流電圧をそれぞれ制御部19へ送る。この制御部19では、リップル電圧値を算出すると共に予め設定された警告用の所定リップル値と比較し、それを超えると3相モータ17の回転数を降下させるなどの負荷電流に制限を与える信号を、モータ駆動部18を介して変換部16へ送り保護制御を行う。また算出したリップル電圧値と予め設定されて記憶部20に記憶された異常判別用の所定リップル値を比較し異常と判断されたとき、システムを異常停止させる信号を、モータ駆動部18を介して変換部16へ送り保護制御を行う。その他に、異常と判断する要因として負荷電流に対応する警告/異常判別用のリップル電圧を設定し、検出した負荷電流に対応させた保護制御を行っていた。
特開2007−240450号公報。
平滑コンデンサだけを具備した回路において、劣化を検出する発明は、従来から種々提案されてきた。
しかし、従来は、倍電圧コンデンサと平滑コンデンサを具備した倍電圧整流回路においても、どのコンデンサの寿命であろうが、異常と判断する要因は共通とし、また異常時の所定値、保護制御も共通の制御を行っていたため、平滑コンデンサ劣化時と倍電圧コンデンサ劣化時とで、異常時に表れる相違が考慮されていなかった。
本発明は、倍電圧コンデンサと平滑コンデンサを具備した倍電圧整流回路において、これら2種類のコンデンサの劣化を検出することを可能にしたコンデンサの劣化検出回路及びこれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、検出制御が簡単でかつ劣化したコンデンサが倍電圧コンデンサと平滑コンデンサのいずれであるかを検出することができ、より詳細にコンデンサの劣化を検出するコンデンサの劣化検出回路及びこれを備えた電子機器を実現することを目的とする。
本発明者は、倍電圧コンデンサと平滑コンデンサを具備した倍電圧整流回路において、実験及び研究の結果、平滑コンデンサの劣化特性と倍電圧コンデンサの劣化特性に次のような違いがあることを知見した。
倍電圧コンデンサが使用により劣化して容量が減少すると、この倍電圧コンデンサは、充電量が減る。このとき負荷が接続されている状態では、充電量より放電量が大きくなるから、充電より放電が速くなり、倍電圧コンデンサの両端の電圧降下が生じる。入力電圧と倍電圧コンデンサの両端の電圧との電圧差により入力電流が流れるので、電圧降下が生じるほど入力電流ピークの位相が進み(入力電流が電源電圧の上昇に対して早く流れる)、力率が悪くなる。しかし、正常な平滑コンデンサにより平滑化されるので、リップル電圧としての影響は小さい。
一方、平滑コンデンサが使用により劣化して容量が減少すると、倍電圧コンデンサが正常であれば、充電量が十分なので充放電がバランスよく行われる。このとき負荷が接続されていても充放電がバランスよく行われているため、充電に対し放電過多にならず、電圧降下が生じない。よって、電圧降下が生じないので、入力電流ピークの位相は変わらない。しかし、平滑コンデンサは容量減少により充電しにくくなり、リップルを含む直流電圧は平滑化されずにリップルとしての影響が大きくなる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、次のような構成からなることを特徴とする。
(1)本発明は、倍電圧コンデンサと平滑コンデンサを具備した倍電圧整流回路において、平滑コンデンサ両端の直流電圧を検出する電圧検出部と、入力電流を検出する入力電流検出部を備え、制御部は、直流電圧からリップル電圧値と平均電圧値を算出し、入力電流から入力電流ピーク位相と基準入力電流ピーク位相を算出する。
平滑コンデンサの劣化は、リップル電圧値と記憶部に記憶した比較リップル電圧値を比較し、また平均電圧と記憶部に記憶した比較平均電圧を比較して判定する。
倍電圧コンデンサの劣化は、入力電流ピーク値と記憶部に記憶した基準入力電流ピーク値の位相差と記憶部に記憶した比較入力電流ピーク位相と基準入力電流ピーク位相の位相差(比較入力電流位相差)とを比較し、また、平均電圧と記憶部に記憶した比較平均電圧と比較して判定する。
制御部には、その他に負荷として接続したモータの駆動回転数を検出し記憶部に記憶する。
(2)前記(1)項の比較リップル電圧値は、平滑コンデンサの劣化度合いが注意を要する特性であることを示す警告リップル電圧値と、劣化度合いが故障と判断される特性であることを示す異常リップル電圧値とからなる構成にする。
(3)前記(1)項の比較平均電圧値は、平滑コンデンサと倍電圧コンデンサの劣化度合いが注意を要する特性であることを示す警告平均電圧値と、劣化度合いが故障と判断される特性であることを示す異常平均電圧値とからなる構成にする。
(4)前記(1)項の基準入力電流ピーク位相は、倍電圧コンデンサが正常時の値であり、負荷として接続したモータの駆動回転数パターンや入力電流パターンにより数パターンからなる。これらのパターンは上記(1)で検出した値と対応付けて記憶部に記憶させる。
(5)前記(1)項の比較入力電流ピーク位相は、倍電圧コンデンサの劣化度合いが注意を要する特性であることを示す警告入力電流ピーク位相と、劣化度合いが故障と判断される特性であることを示す異常入力電流ピーク位相とからなる構成にする。
請求項1記載の発明によれば、整流部で整流した交流電源を倍電圧コンデンサで昇圧し平滑コンデンサで平滑して負荷に供給する倍電圧整流回路に、前記倍電圧整流回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記入力電流検出部で検出した入力電流から前記倍電圧コンデンサの正常時の入力電流ピークの位相と前記倍電圧コンデンサの劣化判別時の入力電流ピークの位相との位相差である入力電流ピーク位相差を算出する入力電流ピーク位相算出部とを備え、前記位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差に基づいて前記倍電圧コンデンサの劣化を判別するようにしたので、平滑コンデンサが劣化した場合に表れる現象とは異なり、倍電圧コンデンサが劣化した場合に表れる入力電流ピークの位相ずれ(位相差)から劣化状態を検知し、どのコンデンサが劣化したかを検知することができる。
請求項2記載の発明によれば、前記入力電流ピーク位相算出部は、所定時間毎の入力電流値を少なくとも電源周期間測定し、その中の最大値を入力電流ピークとし、電源周期毎に発生する割り込みから前記入力電流ピークまでの位相を前記入力電流ピークの位相として算出するものからなるので、倍電圧コンデンサが劣化した場合に表れる入力電流ピークの位相ずれ(位相差)を正確に検出することができる。
請求項3記載の発明によれば、整流部で整流した交流電源を倍電圧コンデンサで昇圧し平滑コンデンサで平滑して負荷に供給する倍電圧整流回路に、前記倍電圧整流回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記平滑コンデンサの両端の電圧を検出する電圧検出部と、前記入力電流検出部で検出した入力電流から前記倍電圧コンデンサの正常時の入力電流ピークの位相と前記倍電圧コンデンサの劣化判別時の入力電流ピークの位相との位相差である入力電流ピーク位相差を算出する入力電流ピーク位相算出部と、前記電圧検出部で検出した前記平滑コンデンサの両端の電圧からリップル電圧を算出するリップル電圧算出部とを備え、前記入力電流ピーク位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差に基づいて前記倍電圧コンデンサの劣化を判別するとともに、前記リップル電圧と予め設定した比較リップル電圧との差に基づいて前記平滑コンデンサの劣化を判別するようにしたので、劣化しているコンデンサの種類を正確に検出することができる。
請求項4記載の発明によれば、前記入力電流ピーク位相算出部は、所定時間毎の入力電流値を少なくとも電源周期間測定し、その中の最大値を入力電流ピークとし、電源周期毎に発生する割り込みから前記入力電流ピークまでの位相を前記入力電流ピークの位相として算出し、前記リップル電圧算出部は、所定時間毎の前記平滑コンデンサの両端の電圧を少なくとも電源周期間測定し、その最大値と最小値の差をリップル電圧として検出するものからなるので、入力電流ピーク値の位相ずれ(位相差)とリップル電圧を正確に検出することができる。
請求項5記載の発明によれば、整流部で整流した交流電源を倍電圧コンデンサで昇圧し平滑コンデンサで平滑して負荷に供給する倍電圧整流回路に、前記倍電圧整流回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記平滑コンデンサの両端の電圧を検出する電圧検出部と、前記入力電流検出部で検出した入力電流から前記倍電圧コンデンサの正常時の入力電流ピークの位相と前記倍電圧コンデンサの劣化判別時の入力電流ピークの位相との位相差である入力電流ピーク位相差を算出する入力電流ピーク位相算出部と、前記電圧検出部で検出した前記平滑コンデンサの両端の電圧から平均電圧を算出する平均電圧算出部と、前記電圧検出部で検出した前記平滑コンデンサの両端の電圧からリップル電圧を算出するリップル電圧算出部とを備え、前記倍電圧コンデンサの劣化を、前記入力電流ピーク位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差のみで又はこの入力電流ピーク位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差および前記平均電圧と予め設定した比較平均電圧との差の組み合わせに基づいて判別するとともに、前記平滑コンデンサの劣化を、前記リップル電圧と予め設定した比較リップル電圧との差のみで又はこのリップル電圧と予め設定した比較リップル電圧との差および平均電圧と予め設定した比較平均電圧との差の組み合わせに基づいて判別するようにしたので、倍電圧コンデンサの劣化は、電流ピークの位相のずれ(位相差)のみならず、平均電圧に基づき判別し、また、平滑コンデンサの劣化は、リップル電圧値のみならず、平均電圧に基づき判別することにより、劣化しているコンデンサの種類とコンデンサの劣化状態をより正確に検出することができる。また、測定したリップル電圧値と所定の比較リップル電圧値および測定した平均電圧値と所定の比較平均電圧値をそれぞれ比較して平滑コンデンサの劣化を判定する為、負荷が軽い場合でも正確に平滑コンデンサの劣化を判定することができ、リップル電圧だけでは検知できない劣化状態をも判定できる。
請求項6記載の発明によれば、前記入力電流ピーク位相算出部は、所定時間毎の入力電流値を少なくとも電源周期間測定し、その中の最大値を入力電流ピークとし、電源周期毎に発生する割り込みから前記入力電流ピークまでの位相を前記入力電流ピークの位相として算出し、前記平均電圧算出部は、所定時間毎の前記平滑コンデンサの両端の電圧を少なくとも電源周期間測定し、その平均値を平均電圧として算出し、前記リップル電圧算出部は、所定時間毎の前記平滑コンデンサの両端の電圧を少なくとも電源周期間測定し、その最大値と最小値の差をリップル電圧として検出するものからなるので、入力電流ピークの位相のずれ(位相差)と平均入力電圧とリップル電圧を正確に検出することができる。
請求項7記載の発明によれば、入力電流ピークの位相差の判別レベルは、比較入力電流ピーク位相設定部で、リップル電圧の判別レベルは、比較リップル電圧値設定部で、平均電圧の判別レベルは、比較平均電圧値設定部でそれぞれ劣化度合いが注意を要すると判断することを示す警告値と劣化度合いが故障と判断することを示す異常値とに設定したので、平滑コンデンサと倍電圧コンデンサの劣化状態を正常、警告、異常の3つの状態に区分でき、それぞれの状態に応じて適切な処理を行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、本発明のコンデンサの劣化検出回路を例えばエアコンの室外機に搭載することにより、負荷変動が激しい場合でも正確に平滑コンデンサ、倍電圧コンデンサの劣化検出を行うことができ、また劣化の度合いに対応してエアコンの運転を制限することができ、コンデンサの劣化に伴う故障を未然に防止して安全な運転を行うことができる。
本発明によるコンデンサの劣化検出回路の一実施例を示す電気回路図である。 本発明によるコンデンサの劣化検出回路の動作を説明するためのフローチャートである。 平滑コンデンサの正常時と劣化時の特性を示すもので、(a)は、リップル電圧の特性図、(b)は、平均電圧の特性図、(c)は、入力電流ピーク位相の特性図である。 コンデンサの容量の経年変化を示すもので、(a)は、従来のコンデンサの劣化検出回路の特性図、(b)本発明のコンデンサの劣化検出回路の特性図である。 (a)は、平滑コンデンサ破裂時のリップル電圧の経年変化の特性図、(b)は、平均電圧の経年変化の特性図、(c)は倍電圧コンデンサ破裂時の入力電流ピーク位相ずれの経年変化の特性図である。 警告処理時のモータ回転数の特性図である。 本発明のコンデンサの劣化検出回路の他の実施例を示す電気回路図である。 従来のコンデンサの劣化検出回路の電気回路図である。
本発明によるコンデンサの劣化検出回路は、整流部で整流した交流電源を倍電圧コンデンサで昇圧し平滑コンデンサで平滑して負荷に供給する倍電圧整流回路に、前記倍電圧整流回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記入力電流検出部で検出した入力電流から前記コンデンサの正常時の入力電流ピークの位相と前記コンデンサの劣化判別時の入力電流ピークの位相との位相差である入力電流ピーク位相差を算出する入力電流ピーク位相算出部とを備え、前記位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差に基づいて前記倍電圧コンデンサの劣化を判別することを特徴とする。
倍電圧コンデンサの劣化は、入力電流ピーク位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差に基づいて判別するとともに、リップル電圧と予め設定した比較リップル電圧との差に基づいて判別することを特徴とする。
倍電圧コンデンサの劣化の判別に加えて、リップル電圧及び平均電圧に基づき平滑コンデンサの劣化を判別することを特徴とする。
入力電流ピーク位相の位相差の判別レベルは、比較入力電流ピーク位相設定部で、リップル電圧の判別レベルは、比較リップル電圧設定部で、平均電圧の判別レベルは、比較平均電圧設定部でそれぞれ劣化度合いが注意を要すると判断することを示す警告値と劣化度合いが故障と判断することを示す異常値を設定してなることを特徴とする。
本発明によるコンデンサの劣化検出回路の実施例1を図1に基づき説明する。
負荷(例えば3相モータ)28を駆動する電源回路は、交流電源21の整流部22、2個の直列接続した昇圧用のコンデンサ23a、23bからなる倍電圧コンデンサ23、リップルを平滑化する平滑コンデンサ24からなる倍電圧整流回路と、コイル25aと抵抗25bを具備した入力電流検出部25と、2個の抵抗26a、26bを具備した電圧検出部26と、6個のトランジスタ27a〜27fからなる3相交流への変換部(インバータ)27と、この変換部(インバータ)27を駆動するインバータ駆動回路29と、モータの回転数検出回路30と、インバータ駆動回路29を制御する制御部31で構成されている。
この電源回路における前記倍電圧整流回路部分には、本発明によるコンデンサの劣化検出部(コンデンサの劣化検出回路)が接続される。このコンデンサの劣化検出部は、主に前記制御部31で構成されている。
前記制御部31は、制御部31全体をコントロールする図示しないCPU部と、演算部とデータの記憶部35を主体として構成されている。
前記演算部は、CPUによるコントロールのもと各種の演算、設定、判別等を行うもので、入力電流のA/D変換部32、モータ回転数のA/D変換部33、入力電圧のA/D変換部34、入力電流測定部36、入力電流ピーク位相算出部37、電圧測定部39、リップル電圧算出部40、平均電圧算出部41、比較リップル電圧設定部42、比較平均電圧設定部43、比較入力電流ピーク位相設定部44、平滑コンデンサの劣化判別部45、倍電圧コンデンサの劣化判別部46、モータ回転数制御部47、警告表示制御部48、システム停止制御部49及びインバータ制御部50を具備している。
このインバータ制御部50は、前記インバータ駆動回路29を制御する。
前記入力電流ピーク位相算出部37、電圧測定部39、リップル電圧算出部40、平均電圧算出部41は、それぞれ運転開始直後の初期値(基準値)と時間とともに変化するデータに基づく値を算出する。
前記比較リップル電圧設定部42、比較平均電圧設定部43、比較入力電流ピーク位相設定部44には、入力回路52が接続され、それぞれ警告値と異常値が設定される。
前記警告表示制御部48には、表示部51が接続されている。
さらに詳しく説明する。なお、以下の説明において、
リップル電圧Erは、測定値Erx、基準値Er0、警告値Er1、異常値Er2とし、
入力平均電圧Eaは、測定値Eax、基準値Ea0、警告値Ea1、異常値Ea2とし、
入力電流Iは、測定値Ix、基準値I0、警告値I1、異常値I2とし、
入力電流ピーク位相θは、測定値θx、基準値θ0、警告値θ1、異常値θ2とする。
(1)電圧検出部26による直流電圧の検出信号は、A/D変換部34にてA/D変換されて電圧測定部39へ送られ、この電圧測定部39で、例えば、1msec毎に少なくとも電源周期間、例えば100msec間の直流電圧を測定する。そのデータは、記憶部35に記憶される。
リップル電圧算出部40は、記憶部35に記憶した100msec間の測定結果の中から最大値と最小値を検索し、この間の電圧差から図3(a)に示すリップル電圧Erを算出する。そのデータは、記憶部35に記憶する。このリップル電圧Erの検出は、運転開始から所定の時間間隔で連続的に行う。
またリップル電圧算出部40は、運転開始直後(例えば電源回路に初めて交流電源21を印加した直後)のコンデンサが正常状態(初期状態)の時に、直流電圧測定部39で測定した1msec毎の電源周期間の入力電圧に基づき、図3(a)に示す基準リップル電圧Er0を算出する。そのデータは、記憶部35に記憶する。
(2)平均電圧算出部41は、前記電圧測定部39で測定し、前記記憶部35に記憶されている例えば100msec間の直流電圧の測定結果に基づき平均化を行い、図3(b)に示す入力直流電圧の平均電圧値Eaxを算出する。この平均電圧値Eaxの算出は、運転開始から所定の時間間隔で連続的に行う。
また平均電圧算出部41は、運転開始直後(例えば電源回路に初めて交流電源21を印加した直後)のコンデンサが正常状態(初期状態)の時に、直流電圧測定部39で測定した1msec毎の電源周期間の入力電圧に基づき、基準平均電圧値Ea0を算出する。そのデータは、記憶部35に記憶する。
(3)回転数検出回路30は、モータ28の回転数を運転開始から連続的に検出し、そのデータをA/D変換部33でA/D変換し、記憶部35に記憶する。
(4)入力電流検出部25による直流電流の検出信号は、A/D変換部32にてA/D変換されて入力電流測定部36に送られ、この入力電流測定部36で、例えば、1msec毎に少なくとも電源周期間の入力電流を測定する。そのデータは、記憶部35に記憶する。
入力電流ピーク位相算出部37は、記憶した電源周期間の測定結果の中から図3(c)に示す最大値Ixを検索し、これを入力電流ピーク値とする(Ixは位相情報θxも含んでもよい。)。そのデータは、記憶部35に記憶する。この入力電流ピーク値Ixの検出は、運転開始から所定の時間間隔で連続的に行う。
(5)また入力電流ピーク位相算出部37は、運転開始直後(例えば電源回路に初めて交流電源21を印加した直後)のコンデンサが正常状態(初期状態)の時に、入力電流測定部36で測定した1msec毎の電源周期間の入力電流に基づき、図3(c)に示す基準入力電流ピーク値I0を算出する(I0は位相情報θ0も含んでもよい。)。そのデータは、記憶部35に記憶する。
(6)さらに、入力電流ピーク算出部37は、上記(4)、(5)において、図3(c)に示すような経年変化する入力電流ピーク値Ixと基準入力電流ピーク値I0の電源周期毎に発生する電源割込みからの時間として入力電流ピーク位相θxと基準入力電流ピーク位相θ0を算出し、入力電流ピーク位相差θ=θ0−θxを算出する。これらの入力電流ピーク値の位相θ0、θx及び位相差θを記憶部35に記憶する。更に、その際のモータ28の回転数も合わせて検出して記憶部35に記憶する。ここで電源周期毎に発生する電源割り込みとは、交流電源のゼロクロス点(例えば電源の極性が負から正に変わる点)のタイミングを検出して制御部31に入力されるタイミング信号である。
(7)比較リップル電圧設定部42は、前記リップル電圧算出部40で算出した運転開始直後の図3(a)に実線で示すような基準リップル電圧Er0を参照して入力回路52からの指令により例えばEr0に所定のリップル係数を乗算して、比較すべき警告リップル電圧Er1(例えばEr0×1.2)と異常リップル電圧Er2(例えばEr0×1.5)とを設定する。警告値Er1は、これ以上のリップル電圧を検出した場合、直ぐには故障とはならないが場合によっては故障となる可能性があるリップル電圧であることを示す。異常値Er2は、これ以上のリップル電圧を検出した場合、故障の可能性があるリップル電圧であることを示す。なお、警告値Er1と異常値Er2、又はそれぞれの所定のリップル係数は予め記憶部35に設定しておいてもよい。
(8)比較平均電圧設定部43は、前記平均電圧算出部41で算出した運転開始直後の図3(b)に実線で示すような平均電圧Ea0を参照して入力回路52からの指令により例えばEa0に所定の平均電圧係数を乗算して警告平均電圧Ea1(例えばEa0×0.9)と異常平均電圧Ea2(例えばEa0×0.7)とを設定する。警告値Ea1は、これ以下の平均電圧を検出した場合、直ぐには故障とはならないが場合によっては故障となる可能性がある平均電圧であることを示す。異常値Ea2は、これ以下の平均電圧を検出した場合、故障の可能性がある平均電圧であることを示す。なお、警告値Ea1と異常値Ea2、又はそれぞれの所定の平均電圧係数は予め記憶部35に設定しておいてもよい。
(9)比較入力電流ピーク位相設定部44は、コンデンサが正常時に前記入力電流ピーク算出部37で算出した図3(c)に示すような基準入力電流ピーク位相θ0を参照して入力部52からの指令により例えばθ0から所定の位相を減算して警告入力電流ピーク位相θ1(例えばθ0−20度)と異常入力電流ピーク位相θ2(例えばθ0−40度)とを設定する。警告値θ1は、これ以上の入力電流ピーク位相のずれが生じた場合、直ぐには故障とはならないが場合によっては故障となる可能性がある入力電流ピーク位相であることを示す。異常値θ2は、これ以上入力の入力電流ピーク位相のずれが生じた場合、故障の可能性がある入力電流ピーク位相であることを示す。なお、警告値θ1と異常値θ2、又は基準値θ0から減算するそれぞれの所定の位相は予め記憶部35に設定しておいてもよい。
(10)コンデンサの寿命は、コンデンサの容量が装置の運転にともなう経年劣化により徐々に減少し、当初の容量よりも所定の割合まで減少した場合を言うものとする。上記(7)、(8)及び(9)でいう予め定めた比較リップル電圧Er0、比較平均電圧Ea0、比較入力電流ピーク位相θ1、θ2(または基準入力電流位相から減算するそれぞれの所定の位相)は、コンデンサに印加する電圧や負荷によっても異なる為、コンデンサを使用する機器の設計時に、最大負荷を考慮して決定する。また、コンデンサ自体の初期のバラツキにより容量が減少していることがあるためマージンを考慮して決定する。
(11)平滑コンデンサ24の容量の減少は、図3(a)に示すリップル電圧の増加と図3(b)に示す平均電圧の減少として表れる。容量が大きい場合は、リップル電圧が小さく、平均電圧の降下も小さい。容量が小さい場合は、リップル電圧が大きく、平均電圧の降下も大きい。
(12)倍電圧コンデンサ23の容量の減少は、図3(c)に示す入力電流ピーク位相のずれ(位相差)として表れる。容量が小さい場合は、容量が大きい場合と比較して、位相が進む方向にピーク位相が移動する。また、図3(b)に示す平均電圧の減少として表れる。
(13)リップル電圧算出部40で算出したリップル電圧の測定値Erxと比較リップル電圧設定部42で設定したリップル電圧の警告値Er1とを比較し、測定値Erxが警告値Er1以上、又は平均電圧算出部41で算出した平均電圧の測定値Eaxが比較平均電圧設定部43で設定した平均電圧の警告値Ea1以下となった場合には、平滑コンデンサの劣化判別部45で平滑コンデンサ24の劣化(警告)と判定する。この場合にはモータ回転数制御部47、インバータ制御部50を経て、さらにインバータ駆動部29、変換部(インバータ)27で、モータ28の回転数を降下させる警告処理を行う。なお、警告処理には同時に警告表示制御部48を介して表示部51に警告を表示する処理を含めてもよい。
リップル電圧算出部40で算出したリップル電圧の測定値Erxと比較リップル電圧設定部42で設定したリップル電圧の異常値Er2とを比較し、測定値Erxが異常値Er2以上、又は平均電圧算出部41で算出した平均電圧の測定値Eaxが平均電圧の異常値Er2以下となった場合には、平滑コンデンサの劣化判別部45で平滑コンデンサ24の劣化(異常)と判定し、この場合にはシステム停止制御部49、インバータ制御部50を経てシステムを停止する異常処理を行う。なお、図示はしないが同時に表示部51に警告を表示する処理を含めてもよい。
(14)入力電流ピーク位相算出部37で算出した入力電流ピーク位相の測定値θxと入力電流ピーク位相の基準値θ0との位相差θが比較入力電流ピーク位相設定部44で設定した入力電流ピークの警告値θ1(=θ0−20°)と入力電流ピークの基準値θ0との位相差(比較入力電流ピーク位相差)θ01以上で、かつ、平均電圧算出部41で算出した平均電圧の測定値Eaxが比較平均電圧設定部43で設定した平均電圧の警告値Ea1(=Ea0×0.9)以下となった場合には、倍電圧コンデンサ23の劣化(警告)と判定し、この場合にはモータ回転数制御部47、インバータ制御部50を経てモータ28の回転数を降下させる警告処理を行う。なお、警告処理には同時に警告表示制御部48を介して表示部51に警告を表示する処理を含めてもよい。
入力電流ピーク位相算出部37で算出した入力電流ピーク位相の測定値θxと入力電流ピーク位相の基準値θ0との位相差θが比較入力電流ピーク位相設定部44で設定した入力電流ピーク位相の異常値θ2(=θ0−40°)と入力電流ピーク位相の基準値θ0との位相差(比較入力電流ピーク位相差)θ02以上で、かつ、平均電圧算出部41で算出した平均電圧の測定値Eaxが平均電圧の異常値Ea0×0.7以下となった場合には、システム停止制御部49で倍電圧コンデンサの劣化(異常)と判定し、システム停止制御部49、インバータ制御部50を経てシステムを停止する異常処理を行う。なお、図示はしないが同時に表示部51に警告を表示する処理を含めてもよい。
以上のように構成された本発明によるコンデンサの劣化検出回路の動作を図2に示すフローチャートに基づき説明する。
(A)電源回路に初めて交流電源21を印加した直後に、各種の初期値を算出して記憶部35に記憶しておく。具体的には、コンデンサが正常状態(初期状態)時の初期値として基準リップル電圧Er0、基準入力平均電圧Ea0、基準入力電流位相θ0がそれぞれ検出・算出されて記憶部35に記憶される。また、比較リップル電圧設定部42で比較リップル電圧(警告値Er1/異常値Er2)、比較平均電圧設定部43で比較平均電圧(警告値Ea1/異常値Ea2)、比較入力電流ピーク位相設定部44で比較入力電流ピーク位相(警告値θ1/異常値θ2)がそれぞれ設定されて記憶部35に記憶される。
(B)交流電源21が整流部22で全波整流されて倍電圧コンデンサ23で倍電圧に昇圧され、平滑コンデンサ24で平滑化される。この直流電圧は変換部(インバータ)27に供給され、制御部31のインバータ制御部50からインバータ駆動部29へ制御信号が出力され、このインバータ駆動部29から出力されるスイッチング信号により変換部(インバータ)27の各トランジスタ27a〜27fがスイッチングされることで3相交流に変換されモータ28に供給される。そして、モータ28の運転が長期年数経過したものとする。
(C)モータ28を継続運転し、所定の時間毎(コンデンサの劣化判定時)にリップル電圧Erx、平均電圧Eax、入力電流位相θxの検出・算出を繰り返す。
モータ28の運転を長期間継続すると図4(a)(b)の(p1)に示すように、コンデンサの容量が減少し、インバータの寿命に近づく。さらにモータ28の運転を継続するとコンデンサは発熱や弁破裂をおこし、容量の急激な減少および寿命を迎える。
図5(c)のs1時に寿命を迎え、弁破裂をおこした後も倍電圧コンデンサ23はすぐに破壊とはならない。そのまま運転を継続させた場合、倍電圧コンデンサ23は、急激に容量が減少し、この容量減少により充電しにくくなる。モータ28が接続されているため、充電量より放電量が大きくなり、充電より放電が速くなって倍電圧コンデンサ23の両端の電圧降下が生じる。入力電圧との電圧差により入力電流が流れるので、電圧降下が生じるほど図3(c)に示すように入力電流ピークの位相(位置)が進みやすくなる。すなわち、倍電圧コンデンサ23のみが劣化した場合には、リップル電圧Erには大きな影響が表れず、入力電流ピーク位相θxの倍電圧コンデンサ正常時θ0からのずれθが大きくなる。また図5(b)のs1のように平均電圧Eaが小さくなる。
なお、図5(c)のように平滑コンデンサ24が略正常の状態では、平滑コンデンサ24により平滑化されるので、リップル電圧に現れる影響は小さい。
図5(a)のq1時に寿命を迎え弁破裂した後も平滑コンデンサ24はすぐに破壊とはならない。そのまま運転を継続させた場合、平滑コンデンサ24は、急激に容量が減少し、この容量減少によりリップル電圧Erが増加する。しかし、図5(a)の点線特性のように、倍電圧コンデンサ23が略正常であれば、この倍電圧コンデンサ23の充電量が十分であり、充放電がバランスよく行われる。モータ28が接続されていても充放電がバランスよく行われているため、充電に対する放電過多にならず、電圧降下が生じない。すなわち、平滑コンデンサ24が劣化した場合には、リップル電圧Erが大きくなるか又は図5(b)のq1のように平均電圧Eaが小さくなる。
(D)リップル電圧Erx、平均電圧Eax、入力電流位相θxの検出・算出を繰り返えしつつ、継続運転する。
(E−1)継続運転後、入力電流ピーク位相算出部37で入力電流位相θxを算出し、同測定値θxとすでに(A)で算出した基準値θ0との位相差θ(=θx−θ0)を算出する。また比較入力電流ピーク位相設定部44で設定した警告値θ1と基準値θ0との位相差θ01(=θ1−θ0)を算出する。さらに平均電圧算出部41で平均電圧Eaxを算出する。そして(θx−θ0)と(θ1−θ0)を比較しθがθ01以上か、かつEaxが比較平均電圧設定部43で設定した警告平均電圧Ea1以下か、が判定される。条件を満たさないときはNOとなり、(H−2)に進む。
(E−2)継続運転後、リップル電圧算出部40で算出した測定値Erxと比較リップル電圧値設定部42で設定した警告値Er1とを比較し、測定値Erxが警告値Er1以上か、又は測定値Erxが比較平均電圧値設定部43で設定した警告値Er1以下か、が判定される。条件を満たさないときはNOとなる。倍電圧コンデンサ23及び/又は平滑コンデンサ24の容量が減少しても前記(E−1)と(E−2)がともにNOであれば、(D)に戻ってモータ28の運転は継続する。
(F)前記(E−1)において、図5(c)のs2時に位相差θがθ1以上か、図5(b)のr1時に平均電圧Eaが警告値Ea1以下となるか、(E−2)において、図5(a)のq2時にリップル電圧Erが警告値Er1以上か、図5(b)のr1時に平均電圧Eaが警告値Ea1以下となるか、少なくともいずれか一方がYESとなると、モータ回転数制御部47からの指令によりインバータ制御部50を経てインバータ駆動回路29を制御し、図6のt1時にモータ28の回転数を降下させる。同時に、警告表示制御部48を介して表示部51に異常メッセージその他の警告の表示を行う。
(G)前記(E−1)又は(E−2)がYESになると、モータ28の回転数を降下させてモータ28の運転を継続する。
(H−1)モータ28の回転数を降下してさらに継続運転しつつ入力電流ピーク位相算出部37で算出した入力電流ピーク位相θxと基準値θ0との位相差θ(=θx−θ0)が比較入力電流ピーク位相設定部44で設定した異常値θ2と基準値θ0との位相差θ02(=θ2−θ0)以上か、かつ平均電圧Eaxが比較平均電圧設定部43で設定した異常値Ea2以下か、が判定される。条件を満たさないときはNOとなり、(H−2)に進む。
(H−2)モータ28の回転数を降下してさらに継続運転しつつ、リップル電圧算出部40で算出したリップル電圧Erxが比較リップル電圧設定部42で設定した異常値Er2以上か、又は平均電圧Eaxが比較平均電圧設定部43で設定した異常値Ea2以下か、が判定される。条件を満たさないときはNOとなり、継続運転(G)に戻る。
(I)前記(H−1)において、図5(c)のs3時に位相差θがθ2以上か、図5(b)のr2時に平均電圧Eaxが異常値Ea2以下となるか、(H−2)において、図5(a)のq3時にリップル電圧Erxが異常値Er2以上か、図5(b)のr2時に平均電圧Eaxが異常値Ea2以下となるか、少なくともいずれか一方がYESとなると、システム停止制御部49からの指令によりインバータ制御部50を経てインバータ駆動部29を制御し、図5(b)のr2時に電源を遮断するとともに、図6のt3時にモータ28の運転を停止させる。
(J)図4(b)のp3のように異常停止をして終了する。ちなみに、従来は、図4(a)のp3を過ぎても装置が駆動し続けて発煙、発火などの予測不能な状態に陥るおそれがあった。
負荷電流が小さいときはリップル電圧も小さくなる傾向があるため、本発明では軽負荷時のコンデンサの劣化を正確に検出するために平均電圧の大きさも判別条件に加えており、リップル電圧値が警告値または故障値未満でも平均電圧が警告値または故障値以下であれば警告または故障と判別している。一方で、本発明に比較リップル電圧値Er0を入力電流Iに応じて可変する構成を追加しても良い。例えば、負荷電流が大きいときリップル電圧も大きくなるようにリップル電圧は負荷電流によって変わる傾向があるため、検出した入力電流Ixに応じて、例えば入力電流Iが大きい(負荷電流が増えると入力電流も増える)とき比較リップル電圧Er0も大きく可変するようにすれば、負荷電流の変動によるコンデンサ故障の誤検出を防ぐことができる。入力電流Iに対応させた比較リップル電圧Er0は予め記憶部35に記憶させておけばよい。
なお、実施例1ではコンデンサの劣化検出に入力電流ピーク位相差、リップル電圧、平均電圧のすべてを用いた場合について説明しているが、これらの組合せは検出精度、負荷や使用条件、制御部の能力などに合わせて適宜選択が可能であり、例えば倍電圧コンデンサの劣化検出には入力電流ピーク位相差のみを、平滑コンデンサの劣化検出にはリップル電圧のみを用いてもよいし、平滑コンデンサの劣化検出にリップル電圧と平均電圧を用いてもよい。また、劣化検出の対象は倍電圧コンデンサのみとしてもよい。
また、実施例1では倍電圧コンデンサの劣化検出のために、入力電流ピーク位相算出部37において入力電流ピーク位相の測定値θxと入力電流ピーク位相の基準値θ0との位相差θと、比較入力電流ピーク位相設定部44で設定した、例えば、入力電流ピークの警告値θ1(=θ0−20°)と入力電流ピークの基準値θ0との位相差(比較入力電流ピーク位相差)θ01との差を算出しているが、θ01は予め比較入力電流ピーク位相設定部44に入力された所定の位相(20°=θ0−θ1)に等しいため、これを比較入力電流ピーク位相差として、入力電流ピーク位相の測定値θxと入力電流ピーク位相の基準値θ0との位相差θと直接比較してもよい。
実施例1では、倍電圧コンデンサ23として、2個のコンデンサ23a、23bを用いた2倍電圧整流回路の場合を説明したが、本発明は、これに限られるものではない。
いわゆるコッククロフト・ウォルトン回路を用いれば、n倍電圧整流回路(nは、3以上の正の整数)であってもよい。また、図7は、4個のコンデンサ23a、23b、23c、23dと、4個の整流ダイオード22a、22b、22c、22dと、平滑コンデンサ24を用いた両波4倍圧整流回路を示しており、コンデンサ23cには、コンデンサ23aの電荷が加算され、コンデンサ23dには、コンデンサ23bの電荷が加算され、コンデンサ23c+23dが4倍電圧となる。3倍、5倍以上も同様にして構成できる。
このような倍電圧整流回路においても実施例1と同様にして倍電圧コンデンサ23と平滑コンデンサ24の劣化を検出することができる。
本発明によるコンデンサの劣化検出回路は、整流回路として倍電圧整流回路(倍電圧コンデンサと平滑コンデンサ)を備えたインバータ回路その他の電源回路、およびそれらを備えた空気調和機などの電子機器に利用することができる。
11…交流電源、12…整流部、13…平滑コンデンサ、14…リップル電圧検出部、15…負荷電流検出部、16…変換部、17…3相モータ、18…モータ駆動部、19…制御部、20…記憶部、21…交流電源、22…整流部、23…倍電圧コンデンサ、24…平滑コンデンサ、25…入力電流検出部、26…電圧検出部、27…変換部(インバータ)、28…負荷(3相モータ)、29…インバータ駆動回路、30…回転数検出回路、31…制御部、32…A/D変換部、33…A/D変換部、34…A/D変換部、35…記憶部、36…入力電流測定部、37…入力電流ピーク位相算出部、39…電圧測定部、40…リップル電圧算出部、41…平均電圧算出部、42…比較リップル電圧設定部、43…比較平均電圧設定部、44…比較入力電流ピーク位相設定部、45…平滑コンデンサ劣化判別部、46…倍電圧コンデンサ劣化判別部、47…モータ回転数制御部、48…警告表示制御部、49…システム停止制御部、50…インバータ制御部、51…表示部、52…入力回路。

Claims (8)

  1. 整流部で整流した交流電源を倍電圧コンデンサで昇圧し平滑コンデンサで平滑して負荷に供給する倍電圧整流回路に、
    前記倍電圧整流回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記入力電流検出部で検出した入力電流から前記倍電圧コンデンサの正常時の入力電流ピークの位相と前記倍電圧コンデンサの劣化判別時の入力電流ピークの位相との位相差である入力電流ピーク位相差を算出する入力電流ピーク位相算出部とを備え、前記位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差に基づいて前記倍電圧コンデンサの劣化を判別することを特徴とするコンデンサの劣化検出回路。
  2. 前記入力電流ピーク位相算出部は、所定時間毎の入力電流値を少なくとも電源周期間測定し、その中の最大値を入力電流ピークとし、電源周期毎に発生する割り込みから前記入力電流ピークまでの位相を前記入力電流ピークの位相として算出することを特徴とする請求項1記載のコンデンサの劣化検出回路。
  3. 整流部で整流した交流電源を倍電圧コンデンサで昇圧し平滑コンデンサで平滑して負荷に供給する倍電圧整流回路に、
    前記倍電圧整流回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記平滑コンデンサの両端の電圧を検出する電圧検出部と、前記入力電流検出部で検出した入力電流から前記倍電圧コンデンサの正常時の入力電流ピークの位相と前記倍電圧コンデンサの劣化判別時の入力電流ピークの位相との位相差である入力電流ピーク位相差を算出する入力電流ピーク位相算出部と、前記電圧検出部で検出した前記平滑コンデンサの両端の電圧からリップル電圧を算出するリップル電圧算出部とを備え、前記入力電流ピーク位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差に基づいて前記倍電圧コンデンサの劣化を判別するとともに、前記リップル電圧と予め設定した比較リップル電圧との差に基づいて前記平滑コンデンサの劣化を判別することを特徴とするコンデンサの劣化検出回路。
  4. 前記入力電流ピーク位相算出部は、所定時間毎の入力電流値を少なくとも電源周期間測定し、その中の最大値を入力電流ピークとし、電源周期毎に発生する割り込みから前記入力電流ピークまでの位相を前記入力電流ピークの位相として算出し、前記リップル電圧算出部は、所定時間毎の前記平滑コンデンサの両端の電圧を少なくとも電源周期間測定し、その最大値と最小値の差をリップル電圧として検出することを特徴とする請求項3記載のコンデンサの劣化検出回路。
  5. 整流部で整流した交流電源を倍電圧コンデンサで昇圧し平滑コンデンサで平滑して負荷に供給する倍電圧整流回路に、
    前記倍電圧整流回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記平滑コンデンサの両端の電圧を検出する電圧検出部と、前記入力電流検出部で検出した入力電流から前記倍電圧コンデンサの正常時の入力電流ピークの位相と前記倍電圧コンデンサの劣化判別時の入力電流ピークの位相との位相差である入力電流ピーク位相差を算出する入力電流ピーク位相算出部と、前記電圧検出部で検出した前記平滑コンデンサの両端の電圧から平均電圧を算出する平均電圧算出部と、前記電圧検出部で検出した前記平滑コンデンサの両端の電圧からリップル電圧を算出するリップル電圧算出部とを備え、前記倍電圧コンデンサの劣化を、前記入力電流ピーク位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差のみで又はこの入力電流ピーク位相差と予め設定した比較入力電流ピーク位相差との差および前記平均電圧と予め設定した比較平均電圧との差の組み合わせに基づいて判別するとともに、前記平滑コンデンサの劣化を、前記リップル電圧と予め設定した比較リップル電圧との差のみで又はこのリップル電圧と予め設定した比較リップル電圧との差および平均電圧と予め設定した比較平均電圧との差の組み合わせに基づいて判別することを特徴とするコンデンサの劣化検出回路。
  6. 前記入力電流ピーク位相算出部は、所定時間毎の入力電流値を少なくとも電源周期間測定し、その中の最大値を入力電流ピーク値とし、電源周期毎に発生する割り込みから前記入力電流ピーク値までの位相を前記入力電流ピークの位相として算出し、前記平均電圧算出部は、所定時間毎の前記平滑コンデンサの両端の電圧を少なくとも電源周期間測定し、その平均値を平均電圧として算出し、前記リップル電圧算出部は、所定時間毎の前記平滑コンデンサの両端の電圧を少なくとも電源周期間測定し、その最大値と最小値の差をリップル電圧として検出することを特徴とする請求項5記載のコンデンサの劣化検出回路。
  7. 入力電流ピーク値の位相差の判別レベルは、比較入力電流ピーク位相設定部で、リップル電圧の判別レベルは、比較リップル電圧値設定部で、平均電圧の判別レベルは、比較平均電圧値設定部でそれぞれ劣化度合いが注意を要すると判断することを示す警告値と劣化度合いが故障と判断することを示す異常値とに設定してなることを特徴とする請求項5又は6記載のコンデンサの劣化検出回路。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のコンデンサの劣化検出回路を備えた電子機器。
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