JP5379860B2 - 整列磁界を備えたgmrバイオセンサ - Google Patents

整列磁界を備えたgmrバイオセンサ Download PDF

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Description

本発明は、外部磁界によって磁化された微小粒子を検出するための磁気センサに関わり、特に、センサ面に対して垂直方向に印加された外部磁界を利用する磁気センサに関する。
特定の化学的分子および生物学的分子が、多くの他の型の分子を含む流体混合物の一部である場合に、その特定の化学的分子および生物学的分子の存在を磁気センサによって検出できることがわかっている。このように分子を磁気的に検出する場合、その基礎となる方法においては、微小な磁性粒子(すなわち、磁化可能な粒子)を含むラベル(標識)を、混合物中の対象となる特定分子に付着させることが必要となる。
このようなラベルとして用いられる磁性粒子は、強磁性、フェリ磁性、常磁性または超常磁性を有してもよい。強磁性またはフェリ磁性を備えた粒子は固有の磁気モーメントを有するのに対し、常磁性または超常磁性を備えた粒子は、外部磁界中に置かれた場合に誘起磁気モーメントを獲得する。
ラベルの磁気特性によらず、粒子検出システムは、通常、粒子を磁化するか、または配向させるかのいずれかの働きをする磁界を含む。磁界は、永久磁石や電磁石などの外部源によって生成してもよいし、あるいは、センサ構成の要素として一体化された適切な形状の導体を流れる電流を用いて局所的に生成してもよい。いずれの場合でも、付着した粒子の局所的な漂遊磁界は、磁気センサからの検出信号の生成に用いられる。
本発明は、センサ装置による検出に適した局所的な漂遊磁界の生成のために印加磁界による磁化が必要とされる粒子に関する。具体的には、本発明は、この漂遊磁界の面内成分(すなわち、ラベルの付着した分子が捕捉されている基板面内の成分)を利用して、磁気検出装置によって磁気ラベル粒子の存在を示す信号を生成するようにした実施の形態に関する。
ラベルとして用いる磁化可能な粒子(以下、単に「磁気ラベル」という。)を、対象分子と結合する化学物質または生物種によってコーティングすることによって、その磁化可能な粒子を対象分子に付着させる。次に、対象分子のみが結合するリセプタサイト(例えば、特定の分子など)を表面に付着させた表面を設ける。その表面に混合物を接触させることによって、対象分子をリセプタサイトに結合させた後、表面をなんらかの方法で洗い流し、結合していない分子を全て取り除く。結合したターゲット分子は付着した磁気ラベルを備えているため、磁気ラベルを検出する(そして数える)だけで、同時に、捕獲したターゲット分子の数を算定することができる。
このように、磁性粒子は、簡単にいうと、表面上のリセプタサイトとの化学結合によって対象分子が捕獲された場合に簡単に検出されカウントされる「ラベル」である。
次に、技術的な課題となるのは、これらの微小な磁気ラベルを検出する効果的な方法を提供することである。なぜなら、それらを検出することは、ターゲット分子を検出することに等しいからである。
リセプタサイトに結合した分子に付着した微小な磁気ラベルを検出するための従来法の1つとして、リセプタサイトの下側に磁界検出手段を配置する方法がある。このような磁界検出手段としては、磁気抵抗効果を利用した素子が挙げられる。これらの素子は、磁気記録媒体からの局所磁界を検出する再生ヘッドとしてすでに用いられている。他の構成として、それらは、磁気メモリアレイのMRAM記憶素子によって生成された局所磁界の検出に用いられている。本発明の好適な実施の形態では、リセプタサイトを設けた基板表面の下側に検出素子を配置してもよい。
図1は、従来方法の典型として、リセプタサイト(20)によって覆われた磁気ラベル(10)を極めて模式的に示した図である。ここでは、一例として、4つの同じサイトを有する場合を示す。これらの同じサイトはそれぞれ、ターゲット分子(30)(網掛けで図示)と固有の結合をなす。ここでは、すでにサイトの1つと結合している状態を図示している。なお、「結合」は、ある形状を有する分子(30)の端部を、対応する形状を有するリセプタサイトの開口部に挿入することによって模式的に図示している。
基板(40)は、同じくターゲット分子(30)に固有的な、もう1つの同一リセプタサイト(50)の組によって覆われている。それらのサイトは、通常、磁気ラベルを分子に結合させるサイトとは異なるものである。図示のように、ターゲット分子(30)はまた、その他端部において基板表面上のリセプタサイト(50)の1つと結合している。このようにして、磁気ラベル(10)は、二重結合リンクとして働く分子(30)によって、基板(40)の上に保持される。
図2は、従来技術のGMRセンサ(60)およびそれに関連する回路(図1の基板(40)の下側に配置)を示す模式図である。このような従来技術は、Baseltによっても示されている(特許文献1)。このような従来技術の改善は、ここには示さないが、Shiaaらによって教示されている(特許文献2)。
明瞭性ため、図1に示した基板上のリセプタサイトは、図2では示していない。図2の断面図において模式的に示すように、従来技術のGMRセンサ(60)は、非磁性で導電性の薄いスペーサ層(62)によって分離された磁気フリー層(61)および磁気ピンド層(63)を含む薄い帯状積層膜をなすことが望ましい。磁気ピンド層は固定磁気モーメント(片矢印(630))を有し、磁気フリー層は可変の磁気モーメント(両矢印(610))を有するように図示されている。
なお、GMR構造(60)は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子によって置き換え可能であり、その場合、層(62)は薄い導電性層ではなく、薄い誘電体層となる。GMRまたはTMRのいずれの場合においても重要な特徴は、以下に説明するように、磁気ラベルによって生成された外部漂遊磁界の存在に応じて、センサはその抵抗を変化させる、ということである。ここでは、実際に則して、Si基板等の固体基板(70)に形成されたアクセストランジスタのソース領域(72)、ドレイン領域(76)、およびゲート領域(74)等の追加回路素子を模式的に図示している。センサ(60)は、この追加回路素子により、導電性ビア(65)を介し、導電線(200)および(85)を流れる電流を用いて、測定のために選択される。
センサ(GMRまたはTMRのいずれでも)は、その特性によって、基本的に抵抗がフリー層の磁気モーメント(610)およびピンド層の磁気モーメント(630)の相対的な向きに依存する抵抗器として作用する。モーメントが揃っている(同じ方向を向いている)場合、抵抗値は低く、モーメントが反対方向を向いている場合には、抵抗値は高くなる。
図3は、図2に一つだけ図示した従来のセンサのアレイの一部を表す模式図である。この図に示したように、複数(ここでは2組)のセンサペア(60a),(60b)と、センサペア(60c),(60d)とが、同定対象の分子が結合される上部基板(40)の下側に形成されている。センサは、導電線(200a),(200b),(85a)、および導電線(200c),(200d),(85b)によって接続されている。これらのセンサは、絶縁層(400)によって分離され、様々なタイプの固体電子回路の製造に適した基板(70)上の、例えばアクセストランジスタ(72)を構成する領域の上に形成されている。このアレイは、極めて模式的に表したものであり、例示のためにのみ図示したものである。他の構成によっても、同様に、図2に示したタイプのセンサを連結してマルチセンサアレイを構成することができる。
図4は、図2に示した従来センサを一つだけ再図示した模式図である。但し、この図では、センサの上方に磁気ラベル(10)が配置されている。この磁気ラベルは、ターゲット分子(図示せず)によって基板(40)上のリセプタサイト(図示せず)に付着している(図1参照)。
印加磁界H(450)は、静的であっても動的であってもよいが、基板(40)とほぼ直交する下向きの垂直矢印によって表されている。磁界Hは、磁気ラベル(10)の中に、磁界Hと実質的に同方向である磁気モーメントm(500)を誘起する。磁気モーメントは、通常、磁気双極子形状をなす漂遊磁界Bを生成する。ここで、漂遊磁界Bを、粒子外部の磁力曲線(550)によって模式的に図示している。
図示のように、漂遊磁界Bは、基板(40)の面に対して平行であるとともにセンサ(60)のフリー層(61)に対しても平行な成分(以下、「面内」成分と呼ぶ。)を有する。この面内成分こそが、センサのフリー層における磁気モーメント(610)の変化(例えば、ベクトル回転)を生み出す役割を果たし、それにより、センサにおける測定可能な抵抗変化を生み出して磁気ラベルの存在を検出可能とするものである。
実質上、印加磁界Hは漂遊磁界Bよりも強いであろうが、印加磁界Hがフリー層面に対して正確に垂直であれば、その存在によってフリー層の磁気モーメントが影響を受けることはない。しかしながら、印加磁界Hが垂直でない場合には、その面内成分が漂遊磁界Bの作用を著しく乱し、その結果、センサの精度に悪影響が出る。
面内成分の存在はまた、Kahlmanらの特許文献3によって指摘されているように、そのようなセンサの信号対雑音比に対しても悪影響を与え得る。この特許文献3において、Kahlmanらは、外部磁界を変化させる方法、および、これと雑音除去回路とを組み合わせることによってセンサの性能を向上させる方法を開示している。
本発明が目指すことは、以下の目的に示すように、印加磁界の面内成分による悪影響を軽減しつつ、磁気ラベルの存在を検出することである。
米国特許第5981297号 米国特許出願公開第2006/0291108号 米国特許第7250759号
本発明の第1の目的は、微小な磁化粒子(以下、磁気ラベルという。)の有無を判定する方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前述の磁気ラベルが化学的または生物学的分子と結合する場合に、その磁気ラベルを検出する方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、GMRまたはTMRセンサの磁気抵抗効果特性を用いて、印加磁界Hによって誘起された磁気モーメントの漂遊磁界Bによって、微小な磁気ラベルの存在を検出する方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、微小な磁気ラベルの存在の検出に使用されるGMRまたはTMRセンサ、およびそのようなセンサのアレイ、特に、微小な磁気ラベルに誘起された漂遊磁界Bに対するセンサの反応が、この漂遊磁界Bを生成する印加磁界Hの面内成分による悪影響を受けることのないセンサおよびセンサアレイを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、図4の矢印(450)によって示したように、印加磁界Hを基板と直交させる(すなわち、面内成分を持たないようにする)ためには、印加磁界Hは、全体的に(すなわち、下側にセンサが配置された領域全体にわたって)垂直でなければならない、という事実に着目したものである。そのような全体的に垂直な磁界を生成し維持することは非常に難しい。永久磁石によって生成されたものにせよ、あるいは電磁石によって生成されたものにせよ、そのような磁界は必然的に発散するからである。よって、センサアレイ領域における磁力線発散の影響を避けるためには、磁界源がアレイの大きさよりも大幅に大きくなければならない。そのような磁界源は、製造に高い費用がかかるとともに、多くの電力を消費するであろう。
そこで、本発明では、垂直磁界の保持という課題に対処すべく、磁界自体の生成方法の変更を要しない単純な方法により、印加磁界を全体的に自己整合的に揃え、センサ基板に対する垂直性を保持するという過程を用いる。
上記したように、本発明の目的は、「保持層」を備えたGMRセンサ素子平面アレイまたはTMRセンサ素子平面アレイを利用したGMR系またはTMR系のセンサ設計によって達成される。この「保持層」は、例えば、センサ素子アレイと同じ基板上に一平面に沿って基板と同じ広がりをもつように追加形成された「軟」(低保磁力)磁性材料からなる層である。この保持層内における外部磁界Hの接線成分は、この層の低保磁力ゆえに、基本的にゼロとなるが、磁気ラベルからの漂遊磁界Bは、センサの位置において実質的に影響を受けない。それゆえ、以下のように設定することが望ましい。
a)磁気ラベルは、その漂遊磁界の大きさの範囲全体が感知されるように、センサに十分近接していること。
b)保持層は、その漂遊磁界Bを分路させたり歪めたりしないように、磁気ラベルから十分に離れている(すなわち、垂直方向に離隔している)こと。
c)保持層とセンサアレイとの間隔は、センサアレイの大きさと比較して小さいこと。
d)保持層は、少なくともセンサアレイと同じ広がりをもつこと、すなわち、保持層によって覆われた領域の横方向延在範囲の中にセンサアレイ全体を配置すること。
図5(a)〜(c)は、磁気ラベル(10)、センサアレイ(40)、および保持層(100)の考え得る3つの構成を示す模式図である。それぞれの場合において、1以上の保持層は、センサ面に対して平行であり、少なくともセンサと同じ広がりを有する。すなわち、保持層の横方向の境界は、センサの横方向の境界を越えて延びている。
センサ自体は、面内成分を有する外部磁界に対して敏感である平面センサ素子であればいずれのものでもよい。一般に、それに適したセンサには、外部磁界の影響を受けると共に、それ自身の機能として変化する測定可能電気インピーダンスを有するような磁気構成を有するセンサが含まれる。
以下に述べる好適な実施の形態では、磁気構成が、平坦で互いに平行な磁性層の相対的な磁化方向によって確定され、それらの方向の間の角度の作用によって抵抗が変化するGMRまたはTMRセンサについて説明する。
図5(a)において、磁気ラベル(10)およびセンサ(40)はともに、保持層(100)の上側に配置されている。この図では、保持層(100)が、センサ(40)よりも横方向に大きく延長している。
図5(b)においては、保持層(100)が、磁気ラベル(10)およびセンサ(40)の上側に位置している。この図においても、保持層(100)はセンサよりも横方向に大きく延びている。
最後に、図5(c)においては、磁気ラベル(10)およびセンサ(40)が、2つのほぼ平行な保持層(100a)および(100b)の間に挟まれるように示されている。図5(c)にはまた、1組の磁力線(460)が例示されている。これらの磁力線は、保持層領域の外側においては湾曲しているが、保持層間領域では全体的として方向が自己整合的に揃っており(self-aligned)、センサアレイ面についての面内成分を有しない。これらの磁力線は、永久磁石や電磁石、あるいは単なる導電線もしくはリード線等の適切な磁石によって生成される。
図6に示したように、保持層に対する磁気ラベルおよびセンサアレイの位置関係により、磁気ラベル(10)におけるほぼ双極子形の磁界B(550)は、センサアレイ(40)の位置において影響を受けない。保持層は、図5(b)に示したようにセンサアレイの上方(すなわち上面)に配置してもよいし、センサアレイの下方(図5(a))に配置してもよい。後者の場合には、センサアレイが形成された薄い基板の下面に保持層を配置することができる。あるいは、2つの保持層をサンドイッチのように、すなわち、図5(c)のように(保持層/センサ/保持層)という配置にしてもよい。この場合には、印加磁界がたとえ大きな角度をもつものであっても、所望の磁界方向にすることができる。
本発明の目的、特徴、および利点は、下記に述べる、発明を実施するための形態に照らして理解される。発明を実施するための形態は、下記の添付図を参照して理解される。
(従来技術)ターゲット分子に結合した磁性粒子、および、平面基板上のリセプタサイトに結合したターゲット分子を表す模式図である。 (従来技術)図1の基板の下に配置されるGMRセンサを模式的に表す断面図である。 (従来技術)図2に単独で示したセンサからなる平坦なセンサアレイを表す模式図である。 (従来技術)図2の従来センサをその上に結合した磁化粒子と共に模式的に表した側面図であり、センサ面における、磁化粒子の外部の磁界Bを示す。 (a)、(b)、(c)は、磁気ラベルおよびセンサに対する保持層の配置関係の3つの可能性を表す模式図である。 図3の模式図と同様の、センサアレイの模式的な断面図であり、センサを挟みこむ2つの軟磁性保持層が追加されている状態を示す。
本発明の目的を達成するためには、面内成分を有する外部からの入射磁界によって電気インピーダンスが影響を受ける、いかなる平面センサでも用いることができるが、本発明の好適な実施の形態では、平面的に積層されたGMR系またはTMR系のセンサ(すなわち、平面基板上に形成されたGMRまたはTMRセル要素のアレイ)を用いる。
このセンサは、通常、化学的分子に結合することによってセンサ表面に付着している微小な磁化粒子(磁気ラベル)を検出するために使用される。GMR系またはTMR系の平面センサは、保持層とよばれる層のおかげで、磁性粒子の中に磁気モーメントを誘起するために用いられる静的外部磁界の面内成分による悪影響を受けない。この保持層は、例えば、アレイの上側、下側、またはその両方に、アレイに近接してこれと平行に配置される軟磁性材料(低保磁力かつ高透磁性の磁性材料)からなる層であり、少なくともアレイと同じ広がりを有する。この軟磁性材料からなる保持層は、外部磁界が平面アレイの上に垂直に入射するように、外部磁界を自己整合的に揃えるように作用する。このように、少なくともセンサと同じ広がりを有するセンサ隣接平行平面層として形成された一以上の保持層の存在により、非垂直成分からの悪影響を回避することができる。
図6は、本発明の一実施の形態を模式的に表すものである。この実施の形態では、2つの平面的な保持層が、1つはGMRまたはTMRセンサアレイの上側、もう1つは下側に形成されている。これらの両方の層とも、図3に図示したセンサアレイの平面構成に対して(すなわち、センサ基板および個々のセンサ素子の磁性層に対して)平行となっている。本発明におけるこの実施の形態は、外部磁界の向きが決定的影響を与えることのないようにするために構築し開示したものである。保持層を形成しない場合は、たとえ外部磁界を慎重に調整したとしても、この外部磁界の向きに起因してセンサが固有の動作をしてしまうのを排除することができなかった。
なお、センサの上側に1つの保持層のみを形成するという実施の形態もある。そのような実施の形態は、図6において保持層(100a)が存在しない場合に対応するものである。同様に、保持層(100b)を取り除き、保持層(100a)を残した場合のように、1つの保持層をセンサアレイの上側に形成するようにした実施の形態もある。これらの実施の形態は、図5aおよび図5bに示した模式図に対応するものである。
図6は、図3に示すセンサアレイと同様のセンサアレイにおけるセンサ(60a),(60b),(60c),(60d)の上側および下側に2つの保持層(100a),(100b)を追加配置した状態を表すものである。
2つの保持層(100a),(100b)は、同定の目的のために分子(10)を結合させる上側の基板(40)に対して平行に配置されている。保持層はそれぞれ、周知の合金およびフェライトを含むなんらかの軟磁性材料によって形成可能である。
一例として、磁気ラベル(10)は、センサ素子(60a)に隣接した位置に図示している。漂遊磁力線(550)は、磁気ラベルから沸きだすようにしてほぼ双極子の形状をなしており、基板(40)に接する面内成分を表す磁力線を含んでいる。極めて模式化して図示した磁極(590)は、保持層(100b)の下側や保持層(100a)の上側において概して湾曲する磁力線(580)を生成する。しかしながら、磁力線は、2つの保持層の間の領域においては、基板(40)に対して垂直であるため、磁気ラベル(10)の検出に悪影響を与える面内成分が生じない。
当業者であれば明らかにわかるように、図6に示した2つの保持層のうちどちらか一方を取り除き、GMRまたはTMRアレイの上側または下側のいずれかに、一平面に沿って基板と同じ広がりをもつ単一の保持層を有するようにセンサを形成してもよい。
保持層は、印加磁界Hの面内成分によって磁気的に飽和しないように十分な厚さをもたなければならない。層の厚さをt、層の横方向の広がりをw、層の飽和磁化をM、印加磁界の面内成分をHtとすると、tが満たすべき条件は:
t/w≧Ht/(4πM)
である。
このように、保持層の最小厚さは、印加磁界Hの面内成分の予想値と、保持層の(センサアレイのサイズよりも大きい)幅とに比例する。保持層にパーマロイ(商標)等の典型的な軟磁性材料を用いる場合、4πMは約10,000である。保持層が厚い例として、wが1cm(非常に大きなセンサアレイ)であり面内磁界が10000/4π[A/m]である場合、保持層の厚さtは少なくとも10μmでなければならない。保持層が薄い例として、wが10μm(最大で約100個のセンサ)であり面内磁界が10000/4π[A/m]である場合、保持層の厚さtは少なくとも0.01μmでなければならない。
実際的な実装に関していえば、厚さ10μmの保持層は、センサ基板の下部に成膜形成してもよい(例えば図6の層100b参照)。また、より薄い厚さ0.01μmの保持層は、センサアセンブリ自体に一体化することができる。
当業者であれば最終的に理解するように、本発明の好適な実施の形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を具体的に示すものである。磁化粒子に磁気モーメントを誘起させるのに用いられる静的外部磁界の面内成分によって悪影響を受けずに磁化粒子を検出することができるセンサである限りにおいて、その形成および提供に用いられる方法、材料、構造および寸法に修正や変更を加えることが可能であり、添付の請求項によって定義される本発明の精神と範囲に則って、そのようなセンサおよびその製造方法を形成し提供することができる。

Claims (19)

  1. 磁気的構成を有する平面状のセンサの近傍に存在する磁化された微小粒子を検出する方法であって、
    前記微小粒子の周辺に漂遊磁界を生成する印加磁界の中に前記微小粒子を置くことにより、前記微小粒子を磁化し、
    前記センサの前記磁気的構成が、前記漂遊磁界の面内成分および前記印加磁界の面内成分の影響を受けるようにし、
    前記センサの前記影響を受けた磁気的構成を観測することにより、前記磁化された微小粒子の存在を検出し、
    前記センサと平行かつ同じ広がりをもつ少なくとも1つの平面的な磁気保持層を前記センサの近傍に配置することにより、前記印加磁界の前記面内成分を取り除くようにした
    微小磁化粒子の検出方法。
  2. 前記少なくとも1つの平面的な磁気保持層によって前記印加磁界を前記平面状のセンサの面に対して垂直方向に自己配向させることにより、前記印加磁界の前記面内成分を取り除き、前記センサの前記磁気的構成が影響を受けないようにする
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  3. 前記少なくとも1つの平面的な磁気保持層を、低保磁力磁性材料からなる層として形成する
    請求項2記載の微小磁化粒子の検出方法。
  4. 前記印加磁界を、前記少なくとも1つの平面的な磁気保持層の上に配置された第1の磁極片と、前記平面状のセンサの下に配置された第2の磁極片とを有する磁石によって生成する
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  5. 前記印加磁界を、前記微小粒子の近傍に配置した導体を流れる電流によって生成する
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  6. 前記センサが、固定磁化を有する磁気リファレンス層と、前記漂遊磁界の前記面内成分に応答して変化する磁化を有する磁気フリー層とを含むとともに、電気的インピーダンスを有するようにし、
    前記センサの磁気的構成の観測において、前記センサの前記電気的インピーダンスの変化を測定するようにした
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  7. 前記電気的インピーダンスの変化が磁気抵抗効果によって生ずるものである
    請求項6記載の微小磁化粒子の検出方法。
  8. 前記少なくとも1つの平面的な磁気保持層として、前記センサの横方向境界を実質的に越えたところに横方向境界が位置するような横方向の広がりを有するものを用いる
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  9. 1つの磁気保持層を用意し、これを前記磁化された微小粒子の上側に配置する
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  10. 1つの磁気保持層を用意し、これを前記センサの下側に配置する
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  11. 2つの磁気保持層を用意し、これらの2つの磁気保持層の間に前記センサおよび前記磁化された微小粒子を配置する
    請求項1記載の微小磁化粒子の検出方法。
  12. 外部磁界によって磁化された微小粒子の存在を検出するセンサであって、
    下部基板の上に形成され、外部磁界の影響を受ける磁気構成を有するとともにこの磁気構成に応じて変化するインピーダンスを有する複数のセンサ素子からなる平面状のアレイと、
    前記アレイの上側に形成され、前記微小粒子が結合可能なサイトを有する上部基板と、
    前記アレイの近傍に、このアレイと平行かつ少なくとも同様の広がりをもつように形成された、軟磁性材料からなる少なくとも1つの平面的な保持層と
    を備え、
    外部静磁界源によって前記微小粒子を磁化することにより、面内成分を有する漂遊磁界が前記アレイの面に生じており、
    前記少なくとも1つの保持層によって、前記静磁界が前記アレイの面とほぼ垂直な方向に配向している
    微小磁化粒子検出センサ。
  13. 前記少なくとも1つの保持層は、前記上部基板の下側に形成されている
    請求項12記載の微小磁化粒子検出センサ。
  14. 前記少なくとも1つの保持層は、前記上部基板の上側に形成されている
    請求項12の微小磁化粒子検出センサ。
  15. 垂直方向に離間した、互いに平行な2つの保持層が設けられ、前記アレイがそれらの間に形成されている
    請求項12記載の微小磁化粒子検出センサ。
  16. 前記微小粒子を磁化する外部静磁界源をさらに含む
    請求項12記載の微小磁化粒子検出センサ。
  17. 前記微小粒子が磁化された場合に:
    a)前記微小粒子は、その漂遊磁界の大きさの範囲全体を感知できるように、センサ素子に十分近接しており、
    b)前記少なくとも1つの保持層は、前記漂遊磁界を分路させたり歪めたりしないように、前記微小粒子から十分に離れており、
    c)前記少なくとも1つの保持層と前記アレイとの間の垂直方向の距離は、前記アレイの横方向における広がりと比較して小さく、
    d)前記少なくとも1つの保持層は、前記アレイと同等以上の広がりを有する
    請求項12記載の微小磁化粒子検出センサ。
  18. 前記少なくとも1つの保持層が厚さt、横方向幅wおよび飽和磁化Mを有するものとすると、前記少なくとも1つの保持層が存在しないときに前記センサの面に面内成分を有する印加磁界の面内成分Htは、t/w≧Ht/(4πM)であるときに、ゼロになる
    請求項12記載の微小磁化粒子検出センサ。
  19. 前記少なくとも1つの保持層は、フェライト、またはCo、Fe、およびNiからなる合金によって形成されている
    請求項12に記載の微小磁化粒子検出センサ。
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