JP5378974B2 - タイヤの検査方法及び検査装置 - Google Patents
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Description
具体的には、タイヤの外観検査を行う検査装置は、図11(a),(b)に示すように、タイヤ表面5に半導体レーザからなるスリット光11pを照射する投光手段としての投光器11と、スリット光11pの照射部11Aを撮像する撮像手段としてのエリアカメラ12と、撮像された検査画像を平面状の2次元画像に変換処理するコンピュータ等からなる画像処理装置14により構成されている。投光器11の照射するスリット光11pは、例えば、タイヤ表面5に対して垂直に照射され、この照射部11Aをエリアカメラ12で傾斜方向θから撮像するようにしている。
これにより、タイヤ表面5に照射されるスリット光11pの拡散反射光11qをエリアカメラ12で撮像することで、全反射光を撮像しないようにして撮像におけるハレーションを抑制している。
しかしこのような撮像方法では、図11(a),(b)に示すように、例えば、タイヤ表面5に凸部6や凹部7がある場合には、エリアカメラ12の撮像範囲に照射部11Aが、範囲Lにおいて凸部6や凹部7の死角となってしまうため、タイヤ表面5の検査画像に検査画像の輝度が欠落した輝度落ち画像として撮像されてしまい、画像処理装置14では、輝度落ちした部分をタイヤにキズ有りとして判定し、良品タイヤを不良タイヤとして判定する場合があった。
上記構成の検査方法によれば、タイヤ表面5に凸部6や凹部があっても少なくとも一方のエリアカメラにより照射部11Aの撮像が行われるので、撮像した検査画像の検査画像に輝度が欠落することなく検査画像を取得して、タイヤ表面5の検査を行うことができる。
インペインティングとは、もともと経年劣化によって生じた絵画等の美術品の傷やひび割れを修復するための技術を指すが、画像処理においては、ディジタル画像の欠落部分を周囲の画素の情報からそれとはわからないように復元する技術として近年注目されている。本検査方法において、インペインティング法は、死角部分として撮像された輝度落ちした画素を、これらに隣接する輝度落ちしていない画素から繰り返し処理によって徐々に輝度値を伝播させて補間する画像復元方法である。
これによれば、特許文献1に示すように装置構成を増やすことなく、画像処理装置の内部における画像処理の一貫として輝度落ちした画素を補間し、検査画像を取得して、タイヤの外観検査を行うことができる。
また、インペインティング法により検査画像の輝度欠落部分を補間する場合には、処理時間に対する制約が緩やかである場合が多い。このため、死角部分全体を補間したときに、例えば、補間した画素の平均値の変化量がある一定値以下となり、かつ、モニタに表示された補間した画像を目視によって判定するような場合は、画像の補間における客観的な終了判定基準が明らかでなく、タイヤの検査に適用した場合には、検査にかかる生産性に問題を生じさせるおそれがある。
本発明によれば、タイヤ表面を撮像するときにタイヤ表面の凹部や凸部により死角となるため、タイヤ表面を撮像した検査画像において輝度落ちした部分を構成する輝度落ち画素を画像処理装置により自動検出し、この自動検出された画素をインペインティング処理により自動的に補間できるので、タイヤ表面を撮像する装置の装置構成を増やすことなく検査画像を得て、タイヤの良否を自動的に判定することができる。
本発明によれば、撮像された検査画像を構成する画素の4方又は8方に隣接する画素同士の輝度の変化量を比べることで変化量が閾値以上のときに、画素が輝度落ちしていることが検出されるので、検査画像から容易に輝度落ちした画素を検出することができる。
本発明によれば、輝度落ち画素の上下左右の4方に隣接する画素の輝度に基づいて補間することで、輝度落ち画素を中心とした8方向の輝度に基づいて補間したときよりも高速で補間できるので、検査効率が向上する。
本発明によれば、インペインティング処理で輝度落ち画素の輝度を計算するときに、輝度落ち画素を包囲する画素の輝度の平均値を輝度落ち画素に仮に与えてから、補間すべき輝度を計算することで、計算の過程における輝度の変化が単調増加した後に平衡状態となるように輝度が計算されるので、平衡状態が所定回数繰り返されたときに補間処理を終了させるように判定させることができる。
本発明によれば、インペインティング処理により逐次計算されて更新される輝度落ち画素の輝度と輝度落ち画素を包囲する画素の標準偏差値の変化する範囲が設定された閾値以内のときに補間が終了されるので、自動で補間終了の判定をさせることができる。
本発明によれば、輝度落ち画素を補間するときに、輝度落ち画素を包囲する画素の外側2画素の輝度まで用いることで、輝度落ち画素の輝度を計算するときにより正確な計算を行うことができ、補間された画素とこの画素を包囲する画素との輝度の変化が滑らかに得られる。
本発明によれば、タイヤ表面を撮像するときにタイヤ表面の凹部や凸部により死角となるため、タイヤ表面を撮像した検査画像において輝度落ちした部分を構成する輝度落ち画素を画像処理装置により自動検出し、この自動検出された画素をインペインティング処理により自動的に補間できるので、タイヤ表面を撮像する装置の装置構成を増やすことなく検査画像を得て、タイヤの良否を自動的に判定することができる。
本発明によれば、インペインティング処理で輝度落ち画素の輝度を計算するときに、輝度落ち画素を包囲する画素の輝度の平均値を輝度落ち画素に仮に与えて、補間すべき輝度を計算することで、計算の過程における輝度の変化が単調増加した後に平衡状態となるように輝度が計算されるので、平衡状態が所定回数繰り返されたときに補間処理を終了させるように判定させることができる。
図1は、本発明に係るタイヤの検査装置を示す概略図である。同図において、40は被検査体の成型後のタイヤ4を載置してタイヤ4を回転させる検査台であり、検査手段としてのタイヤ表面5のタイヤ側面5aに対して略直角をなすようにライン状の光を照射する照射手段としての投光器11と、上記ライン状の光が照射されたタイヤ側面5aの照射部11Aを投光器11に対して所定の角度θを保って撮像する撮像手段としてのエリアカメラ12と、このエリアカメラ12が撮像した検査画像を処理するコンピュータ等からなる画像処理装置14と、この画像処理装置14に接続される表示手段としてのモニタと入力手段としてのキーボードやマウスによって構成される。
これにより、タイヤ側面5aで反射するスリット光の直接反射光をエリアカメラに入射させることなく、タイヤ側面5aの照射部11Aの拡散反射光11qを撮像することで、撮像される検査画像にハレーションが生じないようにして検査面のタイヤ側面5aが撮像される。
なお、検査されるタイヤは、ホイールリム等に組み付けられていない成型後のタイヤを回転テーブルに載置し、撮像するとして説明したが、これに限らず、タイヤ4を図外のホイールリム等に装着し、実際にタイヤに内圧をかけてタイヤ表面を検査するようにしても良い。また、上記検査台は上記構成に限らず、タイヤをエリアカメラと投光器に対して相対的に移動させるものであれば良い。
画像処理装置14は、スリット幅で撮像されるタイヤ周方向に一定の幅を持つタイヤ側面5aの帯状の検査画像を結合する結合処理手段101と、結合された検査画像から撮像における異常の有無を検出する検出処理手段102と、検出処理手段102により異常が検出された検査画像画素を後述のTVインペインティング法によりインペインティング処理して輝度を補間する補間処理手段103と、補間処理されたタイヤ側面5aの検査画像から実際にタイヤの傷等の不良個所を検査する検査処理手段104とにより構成される。
この画像処理装置14を構成する結合処理手段101、検出処理手段102、補間処理手段103、検査処理手段104は、それぞれプログラミングされたソフトウェアにより実施される。
図2,図11(a)に示すように、エリアカメラ12は照射部11Aを撮像するときに、照射部11Aに対してエリアカメラ12が傾斜方向θに位置し、タイヤ回転方向Rに移動するタイヤ側面5aに対してエリアカメラ12が撮像方向Fで撮像する。輝度落ちとは、照射部11Aよりも手前にスピューと呼ばれるタイヤ外周面に見られるヒゲ状の凸部6が照射部11Aよりもエリアカメラ12側に位置するとともに撮像する視野内に位置していると、図2に示すように、タイヤ側面5aの撮像された検査画像は、凸部6が輝度(色情報)を持たない黒い影のように撮像され、この凸部6を包囲する画像の輝度と不連続になることである。
なお、スピューとは、複数の金型によりタイヤ外周面を包囲して成型するときに、金型に設けられた空気抜きの穴にゴムが入り込んでタイヤ外周面にヒゲ状に形成される、例えば図11(a)に示す凸部6である。
上記のように撮像された凸部6を示す影(輝度落ち)の画像を構成する画素の輝度は、0となり影を示す画素を包囲する画素の輝度とは明らかに異なる。なお、輝度は色情報を示す物理量であり、本例においては、グレースケールの256階調で各画素の輝度が0〜255の数値により色情報として扱われる。
すなわち、検出処理手段102では、輝度落ちした画素を包囲する画素との輝度の変化量、つまり輝度の勾配を求め、その値が閾値以上又は以下のときに輝度落ちありとの判定を行って撮像画像における輝度落ち画素として検出する。
図3(a)に示すように、例えば、画像が画素数8×8からなる場合、画像の左上から右方向に走査し、左上から右下まで撮像した検査画像全体の各画素を走査して、画素一つ一つについて、その画素を包囲する画素との輝度の変化量(勾配)を求めて、全画素の色情報としての輝度の変化を調べて輝度落ち画素を検出する。
具体的には、図3(a)に示す、8×8の画素から成る画像において、縦方向にi(i=1〜8),横方向にj(j=1〜8)として画素の位置をG(i,j)のように表すと、走査により輝度落ち画素23は、図3(b)の拡大図に示すように、図中の黒丸で示すG(2,3)における画素22周りの8方向に隣接する図中の白丸で示す画素との輝度の勾配が調べられることでG(4,3)における画素が輝度落ち画素23として検出される。
同様にG(4,2)における画素22に隣接する画素の輝度の勾配が調べられてG(4,4)において輝度落ち画素23が検出される。これを繰り返すことで図3(a),(b)の斜線で示す輝度落ち画素23の領域が検出される。
なお、この輝度落ち画素23の検出の走査に伴って、図3(a),(b)中の×で示すように、検査画像には輝度落ち画素を包囲する検査画像の画素22には、輝度落ち画素23との境界であることを示す、例えば、フラグが付けられて検査画像が処理される。
本例に用いたTVインペインティング法については、非特許文献1等の論文などに記載されている。
本発明の検査装置ではTVインペインティング法を用いて検査画像のインペインティング処理により輝度の補間処理を行う。
TVインペインティング法は、以下の式1を最小化することにより検査画像の補間処理を行う。
u:最適解としての修復画像、つまり補完すべき画素の最適輝度を示す値。
λ:バランス係数。
Ω:目標とする画素を中心とした隣接する画素を含む画像領域、又は、輝度落ちした領域全体を示す画像領域。
u0:劣化画像つまり補完すべき画素の初期の輝度を示す値(初期値)。
|∇u|:エッジの傾き、すなわち、修復する画素を中心とした隣接する画素との勾配。
上記式1において、右辺第1項目は、画像を補間するときに不自然な画像を排除するための項であり、右辺第2項目は、最適解が元の劣化画像から逸脱し過ぎないようにするために制約を与える項である。
また、上記式を解いて補間すべき輝度を求めるにあたり、初期条件及び境界条件が必要となる。
初期条件は、一般的に元の画像の輝度を示す値が輝度落ち画素に挿入されるか、若しくは、タイヤ表面を撮像した場合には黒を示す値の0又は白を示す値の255が挿入されるが、本例では、輝度落ち画素23を包囲する外側2画素の輝度の平均値を輝度落ち画素23に初期値として仮補間する。
ここで、輝度落ち画素23を包囲する外側2画素とは、図5に示すように、輝度落ち画素23(図中斜線で示す)を包囲する画素22(図中×で示す)と、画素22をさらに包囲する画素21(図中クロスハッチで示す)を示す。つまり、輝度落ち画素23を中心として上下左右と斜め方向の8方向において包囲する外側の2画素、画素21及び画素22が、輝度落ちした画素に仮補間される輝度の平均値を求めるにあたり用いられる。
このように、TVインペインティング法により、輝度落ち画素に最適な輝度を計算するときに、輝度落ち画素において、図9に示すように、計算により補間される輝度の標準偏差値σが、単調増加した後に平衡状態とすることができる。
また、境界条件には、輝度落ち画素を包囲する画素の輝度が与えられる。
上記式5〜式7により式4の係数を計算した後に、すべての画素についての輝度vαを求め、輝度落ちとして検出された全ての画素に挿入される輝度vαの標準偏差値σが平衡状態となり、この平衡状態が所定回数、例えば、5回以上繰り返されたときに計算を終了させて、このときに計算された輝度vαを輝度落ちした全ての画素に補間することで検査画像が得られる。
なお、TVインペインティング法において、補間すべき解を提供する方程式がエネルギー最小の原理に基づいて解かれることを考えると、例えば、有限体積法等により積分型の離散方程式を構成し、かつ、求める解がビット表記された輝度を表していることから、繰り返し計算前に解をビットシフトさせて整数型にして、共役勾配法により繰り返し計算を行うことで解を得るようにしても良く、上記式3の微分方程式から補間する画素を計算する方法については適宜決めれば良い。
エリアカメラ12によりタイヤ側面5aの1周分が撮像された検査画像は結合処理手段101により撮像画像が検査画像として結合されるとともに、長方形状の検査画像に変換される(S1)。
次に、検出処理ステップでは、結合された検査画像から輝度落ち画素が検出処理手段102により検出される(S2)。
次に、補間処理ステップでは、検出された輝度落ち画素は補間処理手段103で次のように処理される。
まず、初期値設定ステップにより、検出された輝度落ち画素に輝度落ち画素を包囲する外側2画素の輝度の平均値で仮補間する(S3)。
次に、インペインティング法の上記式3に基づいて補間すべき輝度uを計算する(S4)。
次に、TVフィルターである式4より輝度uをフィルター処理して輝度vとして計算する(S5)。
次に、輝度vで補間した輝度落ちした画素全体の標準偏差値σを計算する(S6)。
次に、輝度落ちした画素全体の標準偏差値σが、前回計算した標準偏差値σと比べてその差が閾値以下、例えば、0.01以下であれば、yesのS8に進み、noであればS12に進む(S7)。
次に、S7においてyesの場合には、補間した輝度vの平均値の変化量が閾値以下、例えば、0.01以下であれば、yesのS9に進み、noであればS12に進む(S8)。
次に、S8においてyesの場合には、S7とS8が共にyesの回数が連続して、例えば5回以上のときには、yesのS10に進み補間が終了し、noであればS12に進む(S9)。
上記S7〜S9において、noのときには、S5で計算された輝度vをS4における輝度uとして更新する(S12)。
つまり上記S7〜S9における判定がすべてyesとして満たされるまで、S4からS9のループがS12を経由して行われることで繰り返し計算が行われる。
S10により補間が終了した検査画像は、検査処理手段104により、補間後の検査画像から隣接する輝度の変化を所定の閾値に基づいて計算し、タイヤ側面のキズ等不良個所の有無が判定されて終了する(S11)。
まず、検査台40の回転テーブル42上に被検査体のタイヤ4を横向きに載置し、検査するタイヤ側面5aに対して垂直にスリット光11pが照射されるように投光器11の位置や角度を調整し、このスリット光11pに対して所定の傾斜角度θから照射部11Aの拡散反射光11qを撮像するようにエリアカメラ12の調整を行う。
タイヤ4に対するエリアカメラ12と投光器11の調整が終了すると、回転テーブル42を駆動させてタイヤ4を回転させ、投光器11からスリット光11pをタイヤ表面5としてのタイヤ側面に連続的に照射しつつ、このタイヤ表面5の照射部11Aをエリアカメラ12により撮像する。
エリアカメラ12により撮像されたタイヤ表面5の検査画像は、逐次、画像処理装置14に出力され、スリット光11pのスリット幅で撮像された検査画像が画像処理装置14内の結合処理手段101で結合され、タイヤ表面1周分の撮像が終了すると、結合処理手段101では撮像した画像を2次元の平面状に処理して、タイヤ表面1周分の検査画像としてモニタ上に撮像画像を表示させる。
次に検出処理手段102では、結合処理された画像から輝度落ちした輝度落ち画素がないかを調べ、輝度落ち画素23とその画素を包囲する境界の画素22にフラグを付けて、その情報を補間処理手段103に出力する。
補間処理手段103では、輝度落ちした画像を構成する画素、一つ一つについて各画素と、上下左右(斜め方向は含まない)に隣接する画素との輝度に基づいてTVインペインティング法により輝度落ちした画素の各画素に最適な輝度を計算するインペインティング処理を行い、輝度落ちした画素に輝度を補間して、撮像したタイヤ表面5の検査画像として検査処理手段104に出力する。
検査処理手段104では、上記検査画像において凹部や凸部からなるキズを構成する画素の輝度が所定の閾値の範囲外のときに成型不良有りと判定し、閾値の範囲内のときには成型不良無しとして、製品としてのタイヤ4の良否を判定する。
図中において、白丸はあらかじめ設定された円径のキズを示し、凸部6は撮像により輝度落ちした領域を示している。
図8は、補間処理するときに初期条件として輝度落ちした画素に0の輝度すなわち2階調の場合には黒で仮に補間した後に、TVインペインティング法により輝度落ち画素を補間するようにしたときの、計算の繰り返し回数に対する輝度落ち画素の標準偏差値σの収束について調べた結果である。
また、図9は、補間処理するときに初期条件として輝度落ちした画素に、輝度落ち画素を包囲する輝度落ちしていない画素の2画素分外側の輝度までの平均値で仮に補間した後に、TVインペインティング法により輝度落ち画素を補間するようにしたときの、計算の繰り返し回数に対する輝度落ち画素の標準偏差値σの収束について調べた結果である。
一方、輝度落ち画素に、輝度落ち画素を包囲する輝度落ちしていない画素の外側2画素分までの輝度の平均値で仮に補間した後に、TVインペインティング法で補間する輝度を計算すると、図9に示すように、サンプル1〜8すべての標準偏差値σが単調に増加した後にそれぞれ、サンプル1〜8の大きさに見合った標準偏差値σで平衡状態となっている。
輝度落ち画素の輝度を自動的に判定させて補間するためには、輝度の標準偏差値σが平衡状態となるまでに幾つかのピークがあった場合、標準偏差値σが安定したとの条件を判定することが難しくなる。平衡状態との判定は、繰り返し計算における標準偏差値σの変化量が所定の範囲内で所定回数繰り返されたときに終了させるため、場合によっては、図8に示す2つのピークのいずれかで誤判定してしまうおそれがある。また、誤判定を防ぐために、判定における繰り返し回数を多くする方法も考えられるが、検査効率を考慮すると良い方法ではない。
一方、本発明の方法のように、輝度落ち画素を包囲する輝度落ちしていない画素の2画素分外側の輝度までの平均値で仮に補間することで、図9に示すように、サンプル1〜8のすべてにおいて、標準偏差値σの変化がオーバーシュートすることなく、単調増加した後に平衡状態となる。これにより、判定の基準とする繰り返し回数を多くすることなく補間を終了させることができるので、効率良くタイヤを検査することができる。
なお、上記実施形態において、本発明のタイヤの検査装置によりタイヤ側面を検査するとして説明したがこれに限らず、図1における投光器11とエリアカメラ12を上記例と異なる方法で固定して、所望のタイヤ表面を撮像できるように構成することで、タイヤ側面以外の部位、例えば、トレッド部等のタイヤ外周面やタイヤ内周面の外観検査に適用しても、本例のように、検査画像において死角となって撮像されなかった部位を構成する画素から輝度落ち画素を自動的に検出して、正しく補間されるので、タイヤの外観検査を効率良く行うことができる。
11p スリット光、11q 拡散反射光、12 エリアカメラ、
14 画像処理装置、40 検査台、42 回転テーブル、101 結合処理手段、
102 検出処理手段、103 補間処理手段、104 検査処理手段。
Claims (8)
- タイヤ表面を撮像して得られた検査画像を画像処理してタイヤ表面のキズの有無を判定するタイヤの検査方法であって、
前記検査画像を構成する画素のうち輝度落ち画素を検出する検出処理ステップと、
前記輝度落ち画素をインペインティング処理して輝度を補間する補間処理ステップとを含むことを特徴とするタイヤの検査方法。 - 前記検出処理ステップは、各画素のうち隣接する画素の輝度の変化量を検出し、前記変化量があらかじめ設定した閾値以上のときに前記輝度落ち画素として検出することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの検査方法。
- 前記補間処理ステップは、前記輝度落ち画素を包囲する画素の輝度のうち上下左右に隣接する画素の輝度に基づいて輝度を補間することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤの検査方法。
- 前記補間処理ステップは、前記輝度落ち画素を包囲する画素の輝度の平均値を求め、輝度落ち画素に前記平均値の輝度で仮補間する初期値設定ステップを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のタイヤの検査方法。
- 前記補間処理ステップは、前記輝度落ち画素と、前記輝度落ち画素を包囲する画素の標準偏差値の変化の範囲が閾値以内になったときに処理を終了することを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のタイヤの検査方法。
- 前記輝度落ち画素を包囲する画素には、前記輝度落ち画素よりも少なくとも外側2画素分を用いることを特徴とする請求項3乃至請求項5いずれかに記載のタイヤの検査方法。
- タイヤ表面を撮像して得られた検査画像を画像処理してタイヤ表面のキズの有無を判定するタイヤの検査装置であって、
前記検査画像を構成する画素のうち輝度落ち画素を検出する検出処理手段と、
前記輝度落ち画素をインペインティング処理により輝度を補間する補間処理手段とを備えることを特徴とするタイヤの検査装置。 - 前記補間処理手段は、前記輝度落ち画素を包囲する画素の輝度の平均値を求め、前記輝度落ち画素に前記平均値の輝度を仮補間する初期値設定手段を備えることを特徴とする請求項7に記載のタイヤの検査装置。
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