JP5377543B2 - 色変換シートおよびその製造方法並びにそれを用いた発光ダイオード照明器具 - Google Patents

色変換シートおよびその製造方法並びにそれを用いた発光ダイオード照明器具 Download PDF

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Description

この発明は、発光ダイオード(以下、LEDとする)から発せられる発光波長を変化して発光色を変化させる蛍光部を有する色変換シートおよびその製造方法並びにそれを用いた発光ダイオード照明器具に関するものである。
LEDは、PN結合を持つ結晶体であり、順方向に電圧を加えた時に、伝導帯に注入される電子と価電子帯に形成されるホールがバンドギャップを超えて再結合する際に、光を発する。このような発光原理であるため、LEDの発光色は単一色となる。そこで、LEDを照明用途に利用する場合には、青色を発光するLEDの表面に蛍光体を配置し、白色化している。しかし、LEDの製造バラツキが発光波長のバラツキを引き起こすため、蛍光部材をLEDの発光の光路に位置するようにLED実装基板に配置し、発色の微調整や色温度の変更を行う必要があった。
このような状況を鑑み、蛍光体物質を含有する透光性被覆部材をシート基材に形成された開口を覆うようにシート基材の表面に接合して構成された色変換シートを、透光性被覆部材がLEDと対向するようにLED実装基板に装着した発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、特許文献1では、当該色変換シートは、シート基材にLEDに対応する開口を形成し、開口より大きく形成された透光性被覆部材を開口を覆うようにシート基材の表面に溶着又は接着して、あるいは、所定形状に形成された透光性被覆部材を金型に配置し、シート基材を成形加工する際に、透光性被覆部材をシート基材に加硫接着して、製造されていた。
特開2000−323756号公報
特許文献1では、所定形状に作製された透光性被覆部材をシート基材に接合しているので、透光性被覆部材の作製工程が別途必要となるとともに、LEDの個数分の透光性被覆部材の接合工程が必要となり、色変換シートの量産性が低下するという課題があった。また、透光性被覆部材がシート基材の表面に接合されているので、透光性被覆部材がシート基材の表面から突出し、色変換シートの梱包、保管、運搬、LED実装基板への装着時に、透光性被覆部材の表面が損傷、あるいは汚染され、光学特性が低下するという課題もあった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、LED実装基板への装着時などに蛍光部材表面の損傷や汚染の発生を抑え、光学特性の低下を抑制できるとともに、量産性に優れた色変換シートおよびその製造方法並びにそれを用いた発光ダイオード照明器具を得ることを目的とする。
この発明による色変換シートの製造方法は、発光ダイオードが実装された発光ダイオード実装基板に装着される色変換シートの製造方法であって、上記発光ダイオード実装基板に装着されたときに、上記発光ダイオードに対向する開口を基板に形成する工程と、上記開口を塞口するように上記基板の一面に平坦な塞口板を貼り付ける工程と、蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂を上記開口に充填する工程と、上記開口に充填された上記液状のシリコーン樹脂をレベリングする工程と、レベリングされた上記液状のシリコーン樹脂を硬化して、一面が上記基板の一面と面一な平坦面で、かつ他面が上記開口内に位置する凹型メニスカスの下面で構成された蛍光部材を作製する工程と、上記塞口板を上記基板から剥離する工程と、を備えている。
この発明によれば、蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂を、基板に形成され、かつ塞口板により塞口された開口に充填し、リベリング後硬化して蛍光部材を基板に形成しているので、蛍光部材を発光ダイオードの個数分別途作製する必要がなく、色変換シートの量産性を向上させることができる。
このように製造された色変換シートは、蛍光部材の一面が基板の一面と面一となる平坦面で構成され、他面が開口内に位置する凹型メニスカスの下面で構成されているので、蛍光部材の基板からの突出がなく、発光ダイオード実装基板への装着時などに蛍光部材表面の損傷や汚染の発生を抑え、光学特性の低下を抑制できる。
この発明の実施の形態1に係るLED照明器具の構成を模式的に示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係るLED照明器具に用いられる色変換シートの製造方法を説明する工程断面図である。 この発明の実施の形態2に係るLED照明器具に用いられる色変換シートの製造方法を説明する工程断面図である。
以下、本発明の色変換シートおよびその製造方法並びにそれを用いたLED照明器具の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るLED照明器具の構成を模式的に示す断面図である。
図1において、LED照明器具1は、LED3が実装されたLED実装基板2と、LED実装基板2の上部に配設され、LED3の発色の微調整や色温度の変更を行う色変換シート4と、LED3の上方に位置するように色変換シート4の上部に配設され、LED3から発光される光を反射して所定の方向に配光するリフレクタ10と、を備えている。
LED実装基板2は、例えば多数のLED3が実装されたプリント配線板であり、筐体(図示せず)内に配設される。そして、LED3がLED実装基板2の電極に半田などにより接合され、実装されている。
色変換シート4は、LED実装基板2上に配設されたときに、LED3のそれぞれに相対する開口6が形成された基板5と、蛍光体が分散されたシリコーン樹脂からなり、開口6に充填・硬化された蛍光部材7と、基板5の一面の全面に形成された再剥離性接着剤層8と、を備えている。開口6に充填・硬化された蛍光部材7は、その一面が基板5の一面に形成された再剥離性接着剤層8と略面一な平坦面で構成され、他面が開口6内に位置する凹型メニスカスの下面で構成されている。そして、色変換シート4は、LED実装基板2に突設された支持台座9に支持されて、蛍光部材7がLED3に近接して相対するようにLED実装基板2に配設され、LED実装基板2あるいは筐体に取り付けられる。
リフレクタ10は、例えば、LED3のそれぞれに相対する口開き状の筒部を有し、アルミニウムなどにより鏡面化処理が施された樹脂成型体により作製されている。そして、リフレクタ10は、開口6が筒部内に位置するように色変換シート4上に配設され、LED実装基板2あるいは筐体に取り付けられる。なお、リフレクタ10に代えて、レンズなどの光学部材を用いてもよい。
このように構成されたLED照明器具1は、例えば居住空間の天井に設置される。そして、LED3から発せられた光は、蛍光部材7を通過し、リフレクタ10により所定の方向に配光されて、居住空間に照射される。このとき、LED3から発せられた光は、蛍光部材7により、所定の発色に微調整され、あるいは所定の色温度に変更される。
この実施の形態1によれば、開口6に充填・硬化された蛍光部材7は、その一面が基板5の一面と略面一な平坦面で構成され、他面が開口6内に位置する凹型メニスカスの下面で構成されているので、蛍光部材7が基板5の表面から突出していない。そこで、色変換シート4の梱包、保管、運搬、LED実装基板2への装着時に、蛍光部材7の表面が損傷、あるいは汚染されにくくなり、光学特性の低下を抑制できる。
蛍光部材7は、蛍光体が分散されたシリコーン樹脂で構成されているので、LED3から発せられる熱や光に起因する変色の発生が抑えられ、長期的に安定した光学特性が得られる。
再剥離性接着剤層8が基板5の一面に形成されているので、色変換シート4をLED実装基板2に取り付ける際に、再剥離性接着剤層8が支持台座9に接着し、色変換シート4を仮固定できる。そこで、蛍光部材7がLED3と相対するように色変換シート4の位置決めが容易となり、LED照明器具1の組立性が向上する。特に、天井に設置されているLED照明器具1の色温度を変更する場合には、LED3の実装面が下向きとなっているLED実装基板2に色変換シート4を仮固定できるので、色温度の変更作業の作業性が向上する。さらに、LED3に対する開口6の位置精度が高められるので、位置ずれを見越した開口6のサイズ設計を行う必要がなく、蛍光部材7の開口6への充填量を低減できる。そこで、蛍光部材7に分散される高価な蛍光体の消費量が少なくなり、低コスト化が図られる。
色変換シート4をLED実装基板2に近づけて配置することができるので、開口6の開口面積を小さくでき、蛍光部材7の開口6への充填量を低減できる。そこで、蛍光部材7に分散される高価な蛍光体の消費量が少なくなり、低コスト化が図られる。
リフレクタ10が色変換シート4を介してLED実装基板2の上部に配設されているので、リフレクタ10はLED3から発せられる熱や光による影響を受けにくくなる。そこで、リフレクタ10として樹脂成型体を用いることができ、低コスト化が図られる。また、リフレクタ10に代えて、樹脂製の光学部品を用いても、光学部品の熱劣化や光分解による変色がおきにくいので、光学部品として透明ガラスなどの無機透明材料を用いる必要がなく、低コスト化が図られる。
つぎに、色変換シート4の製造方法について図2を参照しつつ説明する。図2はこの発明の実施の形態1に係るLED照明器具に用いられる色変換シートの製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図2の(a)に示されるように、再剥離性接着剤層8が、両面が平坦な基板5の一面の全面に形成される。ついで、図2の(b)に示されるように、開口6が基板5にプレス成形により形成される。ここで、開口6はLED実装基板2に実装されたLED3のそれぞれに対向する位置関係で基板5に形成される。つぎに、図2の(c)に示されるように、平坦な塞口板11を再剥離性接着剤層8により基板5の一面に貼り合わせる。ついで、蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂12を塞口板11により塞口された開口6に充填し、レベリングする。これにより、液状のシリコーン樹脂12は、図2の(d)に示されるように、凹型のメニスカスとなる。レベリングの後、図2の(e)に示されるように、シリコーン樹脂12を硬化させる。ついで、塞口板11を基板5から剥離し、図2の(f)に示されるように、開口6内に蛍光部材7が充填された色変換シート4が得られる。
この製造方法によれば、LED3の個数分の開口6を基板5にプレス成形し、蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂12を各開口6に充填・硬化して、蛍光部材7がLED3のそれぞれと相対するように配設された色変換シート4を製造しているので、蛍光部材7を別途作製する必要がなく、量産性が高められる。つまり、蛍光部材7を別途作製する場合に必要となる工程、例えば、LED3の個数分の蛍光部材7を作製する工程、蛍光部材7を基板5に接着するための接着剤を塗布する工程、さらには蛍光部材7を基板5に配置、接着する工程などが省略できる。また、適当なエッチング液がある場合には、プレス成形に代えて、該エッチング液を用いて基板5を部分的にエッチングすることにより開口6を形成してもよい。
LED3の個数分の開口6を基板5にプレス成形し、蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂12を各開口6に充填し、レベリング後に液状のシリコーン樹脂12を硬化している。そこで、その一面が基板5の一面と略面一な平坦面で構成され、他面が開口6内に位置する凹型メニスカスの下面で構成されている蛍光部材7を有する色変換シート4を簡易に製造することができる。また、硬化されたシリコーン樹脂12、すなわち蛍光部材7の厚みの均一性を確保することができ、LED3の色温度のバラツキが抑制される。
開口6を基板5にプレス成形するに先立って、再剥離性接着剤層8を基板5の一面に形成しているので、再剥離性接着剤層8の開口6内へのはみ出しが抑えられる。
ここで、プレス成形とは、トムソン刃や金型を用いてプレス機械により開口6を基板5に打ち抜き成形することを意味する。
基板5は、その材料は特に限定されるものではなく、蛍光部材7を支持でき、かつハンドリング性を確保する剛性があればよい。特に、樹脂や金属のシート材であれば、加工成形性に優れており好ましく、さらには、LED3から発生する熱に耐えうる耐熱性があれば好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂シート、やこれらの樹脂を繊維強化した繊維強化樹脂シートは、高密度に極性基を有することからシリコーン樹脂との密着性を確保できるとともに、加工成形性に優れているため好ましい。また、銅、ステンレス、アルミニウムなどの金属も同様に好ましい。
塞口板11は、表面が平滑であればよく、その材料は特に限定されない。特に、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂シートは、極性基を高密度に有していないことから、シリコーン樹脂との離型性が高いため好ましい。
再剥離性接着剤層8は、基板5の一面に形成されるものとしているが、塞口板11の表面に形成されてもよい。この場合、再剥離性接着剤層8は、塞口板11の表面の開口6に対応する部位には形成されない。また、開口6に充填された液状のシリコーン樹脂12が漏れ出ないように、再剥離性接着剤層8は、塞口板11の表面の開口6の縁部に対応する部位に途切れることなく環状に形成される必要がある。
再剥離性接着剤層8は、液状のシリコーン樹脂12のレベリング時および硬化時に、液状のシリコーン樹脂12が漏れ出ない粘着力(接着力)が必要となる。特に、液状のシリコーン樹脂12を高温で硬化させる場合には、基板5と塞口板11との熱膨張率差に起因して基板5から塞口板11を剥離させる力が発生するので、この剥離力に抗する接着力が必要となる。しかし、接着力が大き過ぎると、シリコーン樹脂12の硬化後、基板5から塞口板11を剥離させる際に、基板5に変形を生じさせるので、接着力を過大に大きくすることは好ましくない。さらに、塞口板11を剥離したときに、再剥離性接着剤層8が基板5に残留するように、基板5との間の接着力を塞口板11との間の接着力より大きくすることが好ましい。そこで、再剥離性接着剤層8は、例えば、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤が用いられ、上述条件を考慮して、基板5、塞口板11、シリコーン樹脂12の材質に応じて、その接着力が適宜調整される。
液状のシリコーン樹脂12は、蛍光体粉末を分散可能、かつレベリング可能な粘度であることが必要となる。レベリング性は蛍光部材7の厚みの均一性と関連しており、重要な要素であるが、レベリング性の高い液状樹脂は、表面張力も低くいので、一般的に曳糸性が高くなる。その結果、充填方法としては、スクリーン印刷などの孔版印刷法は適さず、ディスペンサ(液体定量吐出装置)による充填方法が好ましい。ディスペンサによる充填方法は、他の充填方法に比べて、液状樹脂の無駄が少なくなり、ディスペンサノズル毎の吐出量を確認するだけで、非常に高い定量充填が可能となる。その結果、高価な蛍光体の消費量が削減され、低コスト化が図られるとともに、蛍光部材7の厚みのバラツキを極力抑えることができる。
また、ディスペンサによる充填方法では、開口6の上方から見て、ディスペンサノズル先端を開口6内を2次元的に満遍なく移動させながら、開口6内に液状のシリコーン樹脂12を充填することが好ましい。これにより、開口6の断面積(広さ)が広くなっても、液状のシリコーン樹脂12が開口6内に均等に充填され、レベリングし易くなる。
また、複数のノズルを有するディスペンサを用いると、量産性が向上する。この場合、複数のノズルから1つの開口6に液状のシリコーン樹脂12を充填すると、液状のシリコーン樹脂12は予め濡れ広がった状態で開口6に充填されるので、開口6の広さが広くなっても、レベリングし易くなる。しかし、ノズル毎に吐出量が異なるため、複数のノズルのそれぞれから異なる開口6に同時に液状のシリコーン樹脂12を充填させることは、蛍光部材7の厚みのバラツキを発生させるので、好ましくない。
液状のシリコーン樹脂12のレベリングのし易さは、液状のシリコーン樹脂12の粘度、開口6の広さ、塞口板11の表面エネルギー、液状のシリコーン樹脂12の表面張力および充填量に左右される。そして、塞口板11の表面エネルギーと液状のシリコーン樹脂12の表面張力および充填量が、濡れ広がりを決める要因となる。しかし、液状のシリコーン樹脂12の表面張力は極めて小さいので、塞口板11および液状のシリコーン樹脂12に一般的な材料を選択し、適度な充填量とすれば、必ず濡れ広がる。濡れ広がるための時間、すなわちレベリングするまでの時間は、液状のシリコーン樹脂12の粘度と開口6の広さに左右される。そこで、開口6の上方から見て、ディスペンサノズル先端を開口6内を2次元的に満遍なく移動させながら、開口6内に液状のシリコーン樹脂12を充填した場合には、レベリング前の液状のシリコーン樹脂12が開口6内に比較的に均等に充填されるので、レベリング性は開口6の広さにもあまり影響されない。このことから、液状のシリコーン樹脂12の粘度がレベリング性に最も影響すると考えられる。
ここで、それぞれ、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、および電解脱脂したステンレスで作製された3種類の塞口板11を用い、開口6の断面積を30mmとして、3種類の色変換シート4を作製した。そして、ディスペンサを用いて液状のシリコーン樹脂12を3種類の色変換シート4の開口6に充填し、室温放置し、液状のシリコーン樹脂12の濡れ状態および硬化後の厚みのバラツキを観察した。
液状のシリコーン樹脂12の粘度が室温で2.5Pa・s以下の場合には、いずれの種類の色変換シート4でも、液状のシリコーン樹脂12は開口6全体に濡れ広がり、硬化後の蛍光部材7の厚みのバラツキは10%以内であった。また、液状のシリコーン樹脂12の粘度が室温で3.0Pa・sを超えると、いずれの種類の色変換シート4でも、液状のシリコーン樹脂12は開口6全体に濡れ広がる前にゲル化した。そこで、液状のシリコーン樹脂12の粘度は室温で2.5Pa・s以下に調整することが好ましい。
蛍光体の比重は液状のシリコーン樹脂12より高いので、液状のシリコーン樹脂12の粘度が低すぎると、蛍光体がディスペンサのシリンジ内で沈殿し易くなり、分散性に問題が発生する。液状のシリコーン樹脂12がシリンジ内で放置される時間などで、分散性の劣化度合いが変わるが、分散性の劣化度合いを観察した結果、0.8Pa・s以上であれば、問題ないことが確認できた。
これらのことから、液状のシリコーン樹脂12の粘度は、室温で、0.8Ps・s以上、2.5Pa・s以下に調整することが好ましい。
蛍光体が分散されるシリコーン樹脂は、液状であることが必要であるが、ミラブルタイプのように室温では固形状で、高温となると液状となるものがあるが、ディスペンサを用いて充填することから、室温で液状であることが好ましい。また、気泡や透明度の低下を招く反応副生成物を発生しない硬化系である付加型液状シリコーン樹脂が好ましい。さらには、フェニル基がシロキサンの側鎖に含まれているもの、さらにメチル基に対してフェニル基が多いものは、ラジカルに対する共鳴安定化効果が見込め、熱劣化による変色が少ないので、特に好ましい。
液状のシリコーン樹脂12に分散される蛍光体は、耐熱性、耐候性に比較的に優れる無機酸化物であることが好ましく、例えば、希土類元素が含有されるアルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩などが用いられる。蛍光体の分散量は、必要とされる色温度、蛍光部材7の厚みによって適宜設定される。
液状のシリコーン樹脂12は、その硬化温度が、基板5、再剥離性接着剤層8、塞口板11の耐熱温度により決められる最大許容温度以下となるように、シリコーン樹脂を選択すればよい。
液状のシリコーン樹脂12を加熱硬化させる場合には、基板5および塞口板11の反りを考慮する必要がある。基板5と塞口板11とが同じ材質であれば、反りは発生しないが、両者が異なる材料であれば、熱膨張率差から反り発生する。そこで、一方の曲げ剛性が他方の曲げ剛性に対して十分に大きくなるように、基板5および塞口板11の材質を選択すればよい。つまり、液状のシリコーン樹脂12の加熱硬化後の基板5および塞口板11の反りが蛍光部材7の許容厚さバラツキと開口6の広さから確定された許容反り量より小さくなるように、基板5および塞口板11の材質を選択すればよい。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係るLED照明器具に用いられる色変換シートの製造方法を説明する工程断面図である。
この実施の形態2による色変換シートの製造方法について図3を参照しつつ説明する。
まず、図3の(a)に示されるように、2枚の積層板13を粘着剤15により貼り合わして基板としての積層体14を作製し、再剥離性接着剤層8が、積層体14の一面の全面に形成される。ついで、図3の(b)に示されるように、開口6が積層体14にプレス成形により形成される。ここで、開口6はLED実装基板2に実装されたLED3のそれぞれに対向する位置関係で積層体14に形成される。つぎに、図3の(c)に示されるように、平坦な塞口板11を再剥離性接着剤層8により積層体14の一面に貼り合わせる。ついで、蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂12を塞口板11により塞口された開口6に充填し、レベリングする。これにより、液状のシリコーン樹脂12は、図3の(d)に示されるように、凹型のメニスカスとなる。レベリングの後、図3の(e)に示されるように、シリコーン樹脂12を硬化させる。ついで、塞口板11を基板5から剥離し、図3の(f)に示されるように、開口6内に蛍光部材7が充填された色変換シート4Aが得られる。
この実施の形態2においても、LED3の個数分の開口6を積層体14にプレス成形し、蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂12を各開口6に充填し、リベリング後硬化して、蛍光部材7がLED3のそれぞれと相対するように配設された色変換シート4を製造しているので、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
この実施の形態2によれば、開口6の内壁面には粘着剤15が露出しているので、蛍光部材7は、開口6の内壁面との間の密着力に加えて、粘着剤15との間の密着力により積層体14に支持される。そこで、積層体14による蛍光部材7の支持力が大きくなり、塞口板11の剥離時の蛍光部材7の損傷の発生が抑えられ、歩留まりを高めることができるとともに、色変換シート4Aのハンドリング時の蛍光部材7の損傷発生を抑えることができる。さらに、積層板13の材料選択の幅が広がり、高熱伝導性の材料、例えば、ステンレス、銅、アルミニウムなどの金属材料を用いることができるので、LED3で発生する熱を効果的に放熱し、LED3の温度上昇を抑制し、LED3の発光効率を向上させることができるとともに、LED照明器具1の長寿命化を図ることができる。
また、粘着剤15が液状、すなわち損失弾性率と貯蔵弾性率の比が1以上であると、プレスにより開口6を打ち抜く際に、粘着剤15が開口6の内壁面に濡れ広がる。これにより、蛍光部材7と開口6の内壁面との間の密着力がさらに大きくなり、積層体14による蛍光部材7の支持力を大きくすることができる。粘着剤15には、例えば、ポリアクリル、シリコーン、エチレン・酢酸ビニル共重合体をそれぞれ主成分としたものが用いられる。
1 発光ダイオード照明器具、2 LED実装基板、4,4A 色変換シート、5 基板、6 開口、7 蛍光部材、8 再剥離性接着剤層、11 塞口板、12 液状のシリコーン樹脂、13 積層板、14 積層体(基板)、15 粘着剤。

Claims (12)

  1. 発光ダイオードが実装された発光ダイオード実装基板に装着される色変換シートであって、
    上記発光ダイオード実装基板に装着されたときに、上記発光ダイオードに対向する部分に開口が形成された基板と、
    蛍光体が分散されたシリコーン樹脂の硬化体からなり、上記開口内に配設されて上記基板に支持され、一面が上記基板の一面と面一となる平坦面で構成され、他面が上記開口内に位置する凹型メニスカスの下面で構成されている蛍光部材と、
    を備えていることを特徴とする色変換シート。
  2. 上記基板は、複数枚の積層板を粘着剤により貼り合わせて作製された積層体であることを特徴とする請求項1記載の色変換シート。
  3. 再剥離性接着剤層が上記基板の一面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の色変換シート。
  4. 上記液状のシリコーン樹脂は、付加型液状シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の色変換シート。
  5. 上記蛍光体は、無機酸化物であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の色変換シート。
  6. 発光ダイオードが実装された発光ダイオード実装基板に装着される色変換シートの製造方法であって、
    上記発光ダイオード実装基板に装着されたときに、上記発光ダイオードに対向する開口を基板に形成する工程と、
    上記開口を塞口するように上記基板の一面に平坦な塞口板を貼り付ける工程と、
    蛍光体が分散された液状のシリコーン樹脂を上記開口に充填する工程と、
    上記開口に充填された上記液状のシリコーン樹脂をレベリングする工程と、
    レベリングされた上記液状のシリコーン樹脂を硬化して、一面が上記基板の一面と面一な平坦面で、かつ他面が上記開口内に位置する凹型メニスカスの下面で構成された蛍光部材を作製する工程と、
    上記塞口板を上記基板から剥離する工程と、
    を備えていることを特徴とする色変換シートの製造方法。
  7. 上記開口を上記基板に形成するに先立って、再剥離性接着剤層を上記基板の一面に形成することを特徴とする請求項6記載の色変換シートの製造方法。
  8. 上記液状のシリコーン樹脂は、ディスペンサを用いて上記開口に充填されることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の色変換シートの製造方法。
  9. 上記基板は、複数枚の積層板を粘着剤により貼り合わせて作製された積層体であることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の色変換シートの製造方法。
  10. 上記液状のシリコーン樹脂は、付加型液状シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の色変換シートの製造方法。
  11. 上記蛍光体は、無機酸化物であることを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載の色変換シートの製造方法。
  12. 発光ダイオードが実装された発光ダイオード実装基板と、
    上記開口が上記発光ダイオードに対向するように、上記発光ダイオード実装基板上に配設された請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の色変換シートと、
    を備えた発光ダイオード照明器具。
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