JP5376782B2 - 原子炉用制御棒及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰水型原子炉に用いられる原子炉用制御棒、特にハフニウムを主要な中性子吸収材とする長寿命型の原子炉用制御棒及びその製造方法に関する。
沸騰水型原子炉(BWR)に用いられる長寿命型の原子炉用制御棒200は、例えば図17(A)、(B)、(C)に示すように、深いU字状断面を有するステンレス鋼(SUS)製のシース201の開口部を、断面十字形の細長いタイロッド202の突出部に嵌合し、該シース201の挿入先端を先端構造材203に、挿入末端を末端構造材204にそれぞれに固着し、該シース201内に形成された空間に中性子吸収材である2枚のハフニウム板(板対)205を、間隙206を挟んで収納保持した4枚の翼207によって構成されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
このような構成の原子炉用制御棒200では、2枚のハフニウム板(中性子吸収要素と呼ぶ)205の間に形成される間隙206は原子炉内において炉水で満たされ、その炉水によって中性子が減速されるので、ハフニウム板205により中性子はより効果的に吸収される。このような構成の制御棒は『フラックストラップ型制御棒』と呼ばれ、間隙206は『トラップ』と呼ばれている。従って、ハフニウム板205間の水の働きにより、高価で重量が大きいハフニウムの材料を節約することができる。また、制御棒200を挿抜する軸方向では挿入末端ほどハフニウム材料を節約出来るため、ハフニウム板対205は軸方向に多数に分割され、それぞれの板対は間隔保持兼荷重支持部材である複数のコマ208を用いてシース201に支持される。
このような従来の制御棒200において、各コマ208とシース201とを溶接により固定すると、溶接変形により薄いシース201は厚いハフニウム板205側へ曲り、両者の間の間隙206が無くなったり、相互に拘束し合う可能性があった。このような状態に陥った場合には、シース201とハフニウム板205の間に形成される腐食生成物の占める間隙が消滅するばかりでなく、シース201とハフニウム板205の間の熱膨張差異や照射成長差異による相対変位も許さない構造となることから、ハフニウム板205よりも薄いシース201に過大な応力がかかる可能性が生じる。
また、従来の制御棒200では、2枚のハフニウム板205は複数のコマ208を介して溶接によりシース201に保持される構造となっており、この溶接部はスクラム時の荷重をはじめとする運転中の各種荷重を受けることになる。このようにコマ208を溶接部で固定すると溶接部近傍には各種の応力を生じるため、溶接部近傍のシース201に応力腐食割れが生じる可能性があり、制御棒200の健全性の低下、つまり制御棒200の寿命減少につながる可能性がある。しかしながら、従来の特許文献等では応力腐食割れについて記載されていない。
ところで、シース201を構成しているステンレス鋼と、中性子吸収材のハフニウム金属とは異種金属であり、両者が近接対峙している従来の制御棒200では電気化学的にも腐食しやすい条件が形成されており、腐食しやすい原子炉環境ではなおさらである。
また、特許文献2には、シースを用いないハフニウム制御棒210が開示されている。この制御棒210は、L字形状に形成された4枚のハフニウム板211間にタイロッド212を配置し、対向するハフニウム板211の端部に、ハフニウム製の側縁部材213を溶接して翼214が構成され、4枚の翼214の挿入先端、挿入末端が先端構造部材215、末端構造部材216にそれぞれ結合されて構成される。
この制御棒210では、ハフニウムとステンレス鋼を溶接しない点に着目した構造であるが、タイロッド212としてステンケス鋼を使用する構成であり、耐蝕性や、以下に述べるブレードヒストリー現象への対策に関する示唆が含まれていない。
また、長寿命型の制御棒はその長さの大部分が高出力運転中に挿入されているので、燃料集合体において制御棒の中性子吸収材に隣接する部分では、中性子束レベルは大幅に低下して燃焼が遅れ、残留する核***性物質の濃度が比較的高い。このため、制御棒を引き抜くと高い出力が発生し、燃料の健全性を脅かすことになる。このような現象は『ブレードヒストリー現象』と呼ばれている。中性子束の低下を抑制すればこのような現象は緩和されるが、制御棒の反応度価値が低下して、反応度不足を生ずる恐れがある。
特開昭63-8594号公報 特開昭58-147687号公報 1. M. Ueda, T. Tanzawa, R. Yoshioka: "Critical Experiment on a Flux-Trap-Type Hafnium Control Rod for BWRs", Transaction of the American Nuclear Society, vol.55, p.616(1987).
以上説明したように、従来の制御棒は実用炉においてかなり満足な照射実績を重ねてはきたものの、応力腐食割れが生じやすい構造であり、電気化学的に活性化する構成であることが明らかになった。また、原子炉内で長期間使用する場合、制御棒に隣接する燃料において、制御棒を引き抜いた際に大きな出力上昇を生じる現象(ブレードヒストリー現象)に対しても、その現象を緩和する余地があることが分かった。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、応力腐食割れ、電気化学的活性度及びブレードヒストリー現象を緩和することができる原子炉用制御棒及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る原子炉用制御棒は、ハフニウムまたはハフニウム合金を中性子吸収材とする4枚の翼の挿入先端と挿入末端を横断面十字形の先端構造材と末端構造材にそれぞれ結合した原子炉用制御棒において、前記制御棒の中心軸を中心に含み、当該制御棒の軸方向に所定の間隔を隔てて配置されたタイクロスを用いて4枚の前記翼を十字型に結合し、前記先端構造材と前記タイクロスは、天然組成程度またはそれ以上にハフニウムの含有を許容するジルコニウム合金としてのジルカロイ製であり、前記翼の主要部を構成する前記中性子吸収材には、炉水を介在可能な間隙が形成され、前記翼の少なくとも翼端部には、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材が配置され、前記翼内における前記制御棒の中心軸側にジルカロイ製の棒状のバー部材が配設され、前記中性子吸収材には、前記制御棒の中心軸側と翼端部との間で前記制御棒の軸方向に複数の導入孔が形成され、前記中性子吸収材は、全長が略同一の板厚とされ、挿入末端から挿入先端側へ向かう半分の長さにおいて、挿入先端側よりも幅が狭く形成され、翼端部が挿入先端側と同一位置に設定されて構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る原子炉用制御棒は、1枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板に、山曲げ部と谷曲げ部が等間隔で平行に交互に設けられ、前記谷曲げ部には軸方向に規則的に複数の長窓が設けられ、前記山曲げ部が山曲げされ前記谷曲げ部が谷曲げされた状態で、前記谷曲げ部が相互に近接されて横断面が十字形となるように構成され、少なくとも翼端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材が配設され、前記谷曲げ部に、ジルカロイ製のタイクロスが、制御棒の軸方向に所定間隔で配置されて構成されたことを特徴とするものである。
更に、本発明に係る原子炉用制御棒は、4枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板の谷曲げ部に、軸方向に規則的な間隔で複数の長窓が設けられ、前記板が谷曲げ部で谷曲げされてL字状に形成された状態で、当該各板が、前記曲げられた部分を相互に近接させて十字形に配置され、対向配置された前記板の両端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材が配設され、前記L字状に曲げられた前記板には、制御棒の軸方向における前記各長窓間に、ジルカロイ製のタイクロスが配置されて構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る子炉用制御棒の製造方法は、1枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板に、山曲げ部と谷曲げ部を等間隔で平行に交互に設けると共に、前記谷曲げ部には軸方向に規則的に複数の長窓を設け、次に、前記山曲げ部を山曲げし、前記谷曲げ部を谷曲げした後に、前記谷曲げ部を相互に近接して横断面が十字形となるようにし、その後、少なくとも翼端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材を配設し、前記谷曲げ部に、ジルカロイ製のタイクロスを、制御棒の軸方向に所定間隔で配置して制御棒を製造することを特徴とするものである。
また、本発明に係る原子炉用制御棒の製造方法は、4枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板の谷曲げ部に、軸方向に規則的な間隔で複数の長窓を設け、次に、前記板を谷曲げ部で谷曲げしてL字状に形成した後に、当該各板を、前記曲げられた部分を相互に近接させて十字形に配置し、その後、対向配置された前記板の両端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材を配設し、前記L字状に曲げられた前記板には、制御棒の軸方向における前記各長窓間に、ジルカロイ製のタイクロスを配置して制御棒を製造することを特徴とするものである。
本発明に係る原子炉用制御棒及びその製造方法によれば、応力腐食割れの生じ易さや、電気化学的な活性化を顕著に改善でき、また、原子炉内で制御棒を長期間使用する場合、制御棒に隣接する燃料において制御棒を引き抜いた際に大きな出力上昇を生じるブレードヒストリー現象を積極的に緩和でき、更に、制御棒の反応度価値を高めて核的寿命を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
[A]第1の実施の形態(図1〜図3)
図1(A)は、本発明に係る原子炉用制御棒の第1の実施の形態についての背景を説明するための臨界実験体系を示す平面図、図1(B)は図1(A)のB部を拡大して示す平面図である。
図1に示す臨界実験では、臨界実験装置の炉心10を備えたタンクの中で、中央に、実機と横断面を等しくした十字型の原子炉用制御棒(以下、制御棒を称する)11を配置し、それを取り囲むように4体の燃料集合体(チャンネルボックスは無い)12を配置し、各燃料集合体12には、外周に対称かつ横断面が正方形になるように燃料棒13を装荷した。使用した燃料棒13は全て濃縮度2%のものである。
制御棒11の中性子吸収材には、図2(A)に示すように、外径4.8mm、内径3.5mmのステンレス(SUS)鋼管に、ボロンカーバイド(B4C)粉末を約70%の理論密度で充填した中性子吸収棒14と、外径が同じで反応度価値も殆ど等しいハフニウム(Hf)棒15を用いた。水入りSUS管16は、前記SUS管にB4C粉末ではなく、水を満たしたものである。中性子吸収棒14、15、16の外側は、深いU字状の横断面を有する厚さ約1.4mmのステンレス鋼製のシース17内に収容されている。
制御棒11の中心軸付近は、通常中央構造材(タイロッド)18が存在するが、この実験では、タイロッド18が存在する通常の構成の制御棒11dと、各翼ごとに、タイロッド18側から3本の中性子吸収棒14を水入りSUS管16と置換した構成の制御棒11aと、水入りSUS管16とハフニウム棒15をタイロッド18側から交互に翼幅の2/3まで配置した構成の制御棒11bと、タイロッド18を取り外し、水が占めるようにした構成の制御棒11cとの4種の模擬制御棒について、これらの制御棒11a、11b、11c、11dの表面の中性子束分布を銅箔放射化率として測定した。尚、図2(A)中の符号1はアクリル角棒である。
つまり、制御棒11a、11b、11c、11dのシース17の表面に密着するように銅箔をストリップ状に配置し、炉心10を備えたタンクに給水して炉心10を臨界にし、中性子照射を行った後、これらの制御棒11a、11b、11c、11dを炉心10から取り出して切断し、個々の誘導放射能のベータ線を計測した。
図2(C)はその放射能強度分布であり、制御棒11a、11b、11c、11dにおける構成の変化の影響をあまり受けない点(図中の『規格化点』)で規格化して示したものである。また、図2(B)は、各制御棒11a、11b、11cにおける放射能強度分布を、制御棒11dの放射能強度分布との比として示したものである。即ち、図2(B)中の符号a/d、b/d、c/dは、制御棒11a、11b、11cの各放射能強度分布を、制御棒11dの放射能強度分布の比としてそれぞれ表したものである。
銅の放射化は低エネルギー、おおよそ熱エネルギーを持った中性子によって引き起こされるので、ほぼ『熱中性子束』の分布と見なすことができる。図2(C)に示すように、制御棒11a、11b、11c、11dの翼端部19Aから中心軸側に15mm程度の範囲で、中性子束分布が急激に高くなっている。この中性子束分布は、制御棒11dでは、タイロッド18の近傍で若干高くなっており、制御棒11cでは、タイロッド18の場所を水が占めているため非常に高くなっている。制御棒11aでは、制御棒中心軸に近いものの近傍で、中性子束分布が大幅に高くなっているのが確認される。制御棒11bでは、広い範囲で中性子束分布が盛り上がっている。
制御棒11の近傍における燃料棒13の出力は、これら表面中性子束分布ほど急激な変化は生じないが、類似の変化を生じる。本発明では、制御棒11の反応度価値を余り低下させないで中性子束分布を広い範囲で高めることを狙っている。測定結果では、好適な中性子束分布が得られた制御棒11bの場合に反応度価値が最も低下したが、その低下率は約8%であり許容範囲である。しかし、制御棒11の全長もしくは全体にわたって8%の低下を起こさせるのは望ましくないので、必要な場所に限ってこの構成を採用するものとする。
尚、通常の制御棒11の設計では、制御棒11全体の反応度価値の低下が10%を越えると許容できないとされている。制御棒11aでは、反応度価値の低下率は約3.5%であった。制御棒11cでは反応度価値はかえって増大した。また、中性子束分布が特に高くなる翼端部19Aでは、中性子吸収材をなるべく多くすることによって制御棒11の寿命と反応度価値を高めることができる。
実機の制御棒11では、翼19のうち、翼端部19A側と中心軸側とで中性子照射量が高くなるため、長寿命型の制御棒11を設計する場合には、翼19の両端部に長寿命型の中性子吸収材を、反応度の高い制御棒を設計する場合には、翼19の両端部に中性子吸収効果の高い吸収材をそれぞれ配置すべきことを示している。逆に、翼19の中央部分では、中性子吸収材の選択条件は比較的緩いことを示している。以降の各実施の形態では、これらの測定値を念頭におき、好適な制御棒の構成を提案した。
図3に示す本実施の形態の原子炉用制御棒20(以下、制御棒20と称する)は、中性子吸収材としての2枚のハフニウム板21を具備する4枚の翼22の挿入先端、挿入末端を、横断面十字形状の先端構造材23、末端構造材24にそれぞれ結合し、更に4枚の翼22を、制御棒20の中心軸Oを中心に含み、制御棒20の軸方向に所定間隔を隔てて配置されたタイクロス(翼局所結合部材)25により結合して、横断面十字形状に構成される。
なお、中性子吸収材としては、ハフニウム板21を構成するハフニウム(Hf)に限らず、このハフニウムをジルコニウム(Zr)やチタン等で希釈したハフニウム合金を用いて、ハフニウム合金板としてもよい。
ハフニウム板21は、挿入先端から挿入末端側へ向かう約半分の長さのハフニウム板21Aが、挿入末端側のハフニウム板21Bよりも板厚が厚くなるように構成されている。これは、制御棒20において、挿入末端側の約半分は中性子照射量が低く、従って反応度価値が挿入先端側よりも低くてよいからであり、挿入末端側のハフニウム板21Bが挿入先端側のハフニウム板21Aよりも薄くされて、制御棒20の重量が削減される。制御棒20の軸方向中央部には、タイクロス25から延在する中央付近固着腕26が配置され、この中央付近固着腕26が、挿入先端側のハフニウム板21Aの下端と、挿入末端側のハフニウム板21Bの上端とを溶接により結合する。
制御棒20の有効部であるハフニウム板21のうち、挿入先端側のハフニウム板21Aの挿入先端は先端構造材23に溶接により固着され、また挿入末端側のハフニウム板21Bの挿入末端は、ピン27を介して末端構造材24に支持される。先端構造材23は、タイクロス25及び中央付近固着腕26と共に、天然組成またはそれ以上のハフニウムの含有を許容するジルコニウム合金としてのジルカロイにて構成される。このジルカロイは、ハフニウムとの共存性が特に優れているため、応力腐食割れや電気化学的な活性を大幅に緩和することができる。更に、ジルカロイは、ステンレス鋼よりも比重が小さいため、中性子吸収材としてのハフニウム板21またはハフニウム合金板に、より多くのハフニウムを含有させることができ、ハフニウム板21またはハフニウム合金板による中性子吸収効果を高めることができる。
末端構造材24はステンレス鋼にて構成され、ピン27は、ハフニウムまたはジルカロイにて構成されている。
図3(B)及び(C)に示すように、制御棒20の翼22には、制御棒20の挿抜方向に直交する方向(水平方向)において、制御棒20の中心軸O側に、ハフニウム板21A、21Bに一部が挟み込まれたタイクロス25が、ハフニウムまたはジルカロイ製のピン28を介して支持され、翼端部22Aに、ハフニウムまたはハフニウム合金製の短尺化されたスペーサ部材29が一部挟み込まれている。このスペーサ部材29は、その長さの中央付近で、ハフニウムまたはジルカロイ製のピン30を介して、対向配置された2枚のハフニウム板21に支持される。これらのタイクロス25とスペーサ部材29によって、対向する2枚のハフニウム板21間に、炉水が介在可能な間隙(トラップ)31が形成される。
スペーサ部材29を翼22における翼端部22Aに配置するのは、図2(C)の曲線から理解できるように、中性子束が特に高い場所に中性子吸収材を多く配置して、制御棒20の反応度価値を高め、制御棒20の核的寿命を向上させるためである。なお、スペーサ部材29は、挿入先端側のハフニウム板21A間に配置されるもの(スペーサ部材29A)よりも、挿入末端側のハフニウム板21B間に配置されるもの(スペーサ部材29B)の方が幅が狭く形成される。これは、制御棒20の挿入末端側では中性子照射量が低く、反応度価値が低くても構わないため、重量の削減を図っているのである。
ハフニウム板21とスペーサ部材29とは、製造過程が同一でないため金属結晶に差異があり、そのため長期間中性子に照射されると、照射成長の差異により微妙ながら寸法に差異が生じ、制御棒20の翼22を変形させたり、破損に至らしめる可能性がある。このような現象を防止するため、スペーサ部材29は短尺化され、その中心付近でハフニウム板21がピン30により支持されている。スペーサ部材29に形成されてピン30を通す孔32は、ピン30の大きさよりも微妙に大きくされているので、ハフニウム板21とスペーサ部材29との照射成長の僅かな変異を受容できる。この結果、ハフニウム板21とスペーサ部材29は、制御棒20の使用期間を通じて相対的な変位が許容されるので、翼22の変形や損傷を防止でき、制御棒20の健全性を確保できる。
尚、タイクロス25は、制御棒20の軸方向長さが例えば25〜35mm程度とに短尺であり、ハフニウム板21との間での照射成長差異による変形の可能性は殆ど無いが、ピン28挿通用の孔33にクリアランスを設けてピン28により支持すれば、制御棒20の健全性を更に確保できる。
2枚のハフニウム板21の間隙31には炉水が侵入し、この炉水は、ハフニウム板21を透過して侵入してきた中性子を減速捕獲して熱中性子とし、ハフニウム板21に内側から吸収させる機能を有する。従って、この間隙31は『トラップ』または『トラップ間隙』と称される。
タイクロス25は、先端構造材23と末端構造材24の間で4枚の翼22を十字型に結合するために、制御棒20の軸方向に散在して複数配置されるものである。従って、軸方向に隣接するタイクロス25の間は、このタイクロス25の軸方向長さに比べて極めて長く、ハフニウム板21間の間隙31と共に、炉水が占める空間となる。この炉水によって中性子が減速され、図2(C)の符号cから明らかなように高い熱中性子束が形成されるので、制御棒20に近傍の燃料棒20の出力が回復し、制御棒20の存在による燃焼の遅れがある程度緩和される。このため、制御棒20の引抜きの際に大幅に出力が増大するブレードヒストリー現象が抑制され、燃料の急激な膨脹が緩和されて、燃料の健全性が向上する。尚、タイクロス25が制御棒20の軸方向に配置される間隔は通常15〜30cm程度であり、制御棒20の機械的強度を適切に保持する観点から決定される。
ハフニウム板21には、図示している先端部、中央部、末端部の通水孔34の他に多数の通水孔が設けられているが、後者は本発明の主眼ではないため図示を省略している。以降の諸図でも同様に省略されている。
ハフニウム板21は高い耐蝕性を有しているが、高温の炉水中で長期間使用すると表面に腐食生成物が発生し、この腐食生成物は何等かのきっかけで剥離することが判ってきた。剥離した腐食生成物は放射能を帯びる。核種は主にHf-181で、半減期が43日であり、比較的低いエネルギーのガンマ線(482,346,及び133keV)を放出する。尚、半減期が111日のTa-182も僅かに生成し、1.2MeVのガンマ線を放出する。沸騰水型原子炉(BWR)では炉水の水質が初期に比べて著しく向上し、放射能レベルが著しく低下したため、弱いHf-181の放射能でも確認出来るようになった。半減期が比較的短いため外部環境への問題は考えられないが、原子炉建屋内部では今後放射能低減の目標になることが判ってきた。
そこで、本実施の形態では、ハフニウム板21の表面の微細な凹凸をなるべく減らすように『表面仕上げ』が行われている。制御棒20の外面は制御棒駆動に伴い、対面する燃料集合体12のジルカロイ製チャンネルボックスと摩擦を起こし、腐食生成物が剥離する可能性が高いと考えられる。このため、ハフニウム板21の外面の大部分を入念に表面仕上げ(研磨仕上げ)して、ハフニウム板21の実効的な表面積を減少させ、これにより、ハフニウム板21の外面が炉水と接触する面積を低減させて、腐食生成物の発生を抑制する。また、ハフニウム板21の内面に発生する腐食生成物は、スクラム時や地震時など何等かの振動によって剥離し、通水孔を通じて炉水中に混入する可能性が考えられるので、この内面も表面仕上げすることが好ましい。
従って、本実施の形態によれば、タイクロス25間に、ハフニウム板21間の間隙31と同様に、炉水が満たされることでブレードヒストリー現象を抑制できる。また、先端構造材23、タイクロス25、中央付近固着腕26等がジルカロイ製であるため、応力腐食割れや電気化学的な活性度を緩和できる。更に、翼22の翼端部22Aにハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材29が配置されることで、制御棒20の反応度価値を高め、核的寿命を向上させることができる。また、スペーサ部材29を短尺化し、長手方向中央部でピン支持することで、ハフニウム板21とスペーサ部材29との中性子照射成長差異による翼22の変形などを防止できる。また、ハフニウム板21の外面を研磨仕上げすることで、腐食生成物の発生を抑制できる。
[B]第2の実施の形態(図4)
図4は、本発明に係る原子炉用制御棒の第2の実施の形態を示し、(A)が図3(B)に対応する断面図、(B)が図3(C)に対応する断面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒40(以下、制御棒40と称する)が、前記第1の実施の形態の制御棒20と異なる点は、制御棒40の翼42におけるハフニウム板21の外面の大部分または略全面を、薄い板41で覆って層を形成している点にあり、この板41はジルカロイ、またはハフニウムをジルコニウムにて希釈したハフニウム合金にて構成されている。ハフニウム板21と板41との複合板を使用することによって、ハフニウム板21が炉水に直接接触しないので、翼42の外面におけるハフニウムによる腐食生成物の発生を確実に防止できる。但し、複合板であるため製造コストが上昇する問題がある。また、間隙31が狭くなるため制御棒40の反応度価値が低下する現象が生ずるが、ハフニウム板21を若干厚くすることによって補償することが可能となる。
ハフニウム板21と板41との複合板は圧延により製造されるので、基本的には結晶構造は揃い、照射成長差異の問題は小さいと考えられる。原則としてジルカロイ製の板41の方が薄く形成されるので、ハフニウム板21と板41との間に照射成長の差異が生じた場合には、板41に小さな亀裂やしわが発生してジルカロイの剥離が予想される。しかし、ジルカロイはハフニウムと異なり、放射能は殆ど無いため、本実施の形態の効果は発揮される。その他、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
[C]第3の実施の形態(図5)
図5は、本発明に係る原子炉用制御棒の第3の実施の形態を示し、(A)が図3(B)に対応する断面図、(B)が図3(C)に対応する断面図である。この第3の実施の形態において、前記第1及び第2の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒45(以下、制御棒45と称する)が前記第1の実施の形態の制御棒20と異なる点は、制御棒45の翼47におけるハフニウム板21の両面(外面及び内面)を薄い板46で覆っている点にあり、この板46は、ジルカロイ、またはハフニウムをジルコニウムにて希釈したハフニウム合金にて構成される。ハフニウム板21と板46との複合板を使用することによって、ハフニウム板21の両面におけるハフニウムによる腐食生成物の発生を確実に防止できる。
ハフニウム板21は、例えば薄いジルカロイ製の板46によってサンドイッチ状に圧延加工されるので、製造性や健全性は第2の実施形態(図4)の場合より良好であるが、間隙31が狭くなるため制御棒45の反応度価値が低下する。この現象は、ハフニウム板21を若干厚くすることによって補償することが可能である。その他、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
[D]第4の実施の形態(図6)
図6は、本発明に係る原子炉用制御棒の第4の実施の形態を示し、(A)が図3(B)に対応する断面図、(B)が図3(C)に対応する断面図である。この第4の実施の形態において、前記第1〜第3の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒50(以下、制御棒50と称する)は、第2の実施の形態における制御棒40(図4)の場合と実質的に等しいが、ハフニウム板21と板41との複合材を先ず円筒形にして端面を溶接などで固着し、その後、平管状につぶして翼51を形成している点が異なる。翼51の翼端部51Aにスペーサ部材が挿入されている点は同じであるが、このスペーサ部材52(スペーサ部材52A、スペーサ部材52B)は、平管状のハフニウム板21との間で相対変位が許される点がスペーサ部材29(スペーサ部材29A、29B)と異なる。
スペーサ部材52は、図3のようなピン支持構造でも良く、また中央付近固着腕26で一端を固着し、他端側が自由に伸縮する構造とすることもできる。その他、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
[E]第5の実施の形態(図7)
図7は、本発明に係る原子炉用制御棒の第5の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)が図7(A)のB−B線、C−C線、D−D線にそれぞれ沿う断面図である。この第5の実施の形態において、前記第1〜第4の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒55(以下、制御棒55と称する)は、第4の実施の形態における制御棒50(図6)と類似しているが、挿入末端側の平管状のハフニウム板56Bが、挿入先端側の平管状のハフニウム板56Aに対し、板厚を同一とし、翼端を同一位置として翼幅を狭くし、制御棒55の中心軸O側にハフニウム板56Aよりも広い間隙57(炉水が占める空間)を設けている点で異なっている。
ハフニウム材料の節約の面では制御棒50(図6)の場合よりも若干不利であるが、制御棒55の中心軸O側に大きな間隙57を形成し、この間隙57に炉水を導入できるので、図2(C)の符号cの特性から明らかなように、制御棒55の側面でも中性子束の低下を大きく緩和でき、燃料の出力低下を緩和できる。このため、制御棒55を引き抜いた際の急激な出力上昇が抑制され、ブレードヒストリー現象を緩和でき、燃料の健全性向上の面で制御棒50(図6)の場合よりも良好となる。その他、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
[F]第6の実施の形態(図8)
図8は、本発明に係る原子炉用制御棒の第6の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)、(E)が、図8(A)のB−B線、C−C線、D−D線、E−E線にそれぞれ沿う断面図である。この第6の実施の形態において、前記第1〜第5の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒60(以下、制御棒60と称する)は、第4の実施の形態における制御棒50(図6)と類似しているが、挿入先端側において、翼端部61A内に長尺状のスペーサ部材62Aを配置し、このスペーサ部材62Aに短いスパンで深い切れ込み部(薄くされた部分)63を設けて、照射成長差異に起因する応力を受け止める機能を設けている。この切れ込み部63には、孔64を設けて弱くすると共に、通水孔の機能も持たせている。即ち、スペーサ部材62Aが引っ張られれば機械的に弱い切り込み部63に亀裂が入ったり切断され、圧縮されると容易に曲がって応力の発生を回避し、翼61への応力発生を防いでいる。
長尺化されたスペーサ部材62Aの中央には、固定用のピン65が設けられている。スペーサ部材62Aを長尺にした理由は製造の容易性にある。短尺のスペーサ部材29を装着するにはかなり手間を要するが、長尺であればスペーサ部材62Aを一度に装着ができる。このスペーサ部材62Aの核的な機能は他の例と同様である。
制御棒60の中心軸O側には、挿入先端側では、比較的細い短尺のハフニウムまたはジルカロイ製のバー部材66Aが、その長さの中央付近でピン67により支持されている。この軸方向に隣接するバー部材66Aの間には、タイクロス25が、平管状のハフニウム板68Aの一部まで侵入し、ピン69により支持される。この実施形態では、それぞれ3本のピン69が使用されているが、1本でも良い。1本のピン69の場合には、他の翼61とのしなやかな結合がより可能となる。3本のピン69でも、ピン69と、当該ピン69挿通用の孔70との間に適切なクリアランスを設ければある程度しなやかな結合ができる。
制御棒60の挿入末端側は反応度価値が低くて良いため、翼端部61Aのスペーサ部材62Bは、挿入先端側のスペーサ部材62Aよりも細くされている。このスペーサ部材62Bには、スペーサ部材62Aと同様に機械的に弱い切れ込み部63が設けられている。
また、中心軸O側では、重くて高価なハフニウムの代わりに、ジルカロイ製のバー部材66Bをピン71でハフニウム板68Bに支持している。この実施形態では、ジルカロイ製のバー部材66Bを短尺化していない。挿入末端側では中性子照射量が少ないため、平管状のハフニウム板68Bとバー部材66Bとの照射成長差異は小さいが無視していない。つまり、ハフニウム板68Bの一部に亀裂拡大防止の孔72を設け、側端から孔72までに小さな切り込み73を設け、この部分で上記照射成長差異を吸収する構造としている。
バー部材66Bを短尺化しても良いが、挿入末端側はハフニウム板68Bが薄いため、バー部材66Bを長尺一体化することによって、挿入末端側の機械的強度向上に寄与している。
ハフニウム板68A、68Bの中心軸O側にバー部材66A、66Bを配置することで、翼61の変形や破損を防止できるほか、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
[G]第7の実施の形態(図9)
図9は、本発明に係る原子炉用制御棒の第7の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)、(E)が図9(A)のB−B線、C−C線、D−D線、E−E線にそれぞれ沿う断面図である。この第7の実施の形態において、前記第1〜第6の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒75(以下、制御棒75と称する)は、第6の実施の形態における制御棒60(図8)と類似しているが、更に、翼76の翼端部76Aにおける挿入先端側のスペーサ部材77Aは、挿入先端側における平管状のハフニウム板68Aの製造時に、そのハフニウム板68Aのすぐ近傍の材料で作られた板片を積み重ねることによって、スペーサ部材77Aとハフニウム板68Aとの間の照射成長差異が生じないようにされている。翼端部76Aにおける挿入末端側のスペーサ部材77Bも、挿入末端側の平管状のハフニウム板68Bに対し、同様に製作される。
製造時にハフニウム板68A、68Bの隣接材をそれぞれスペーサ部材77A、77Bとして使用するため、圧延時の金属結晶が揃っており、従って、ハフニウム板68Aとスペーサ部材77Aとの間、ハフニウム板68Bとスペーサ部材77Bとの間で、照射成長について差異は殆ど生じない。それでも万が一の健全性確保のため、図8の場合と同様に、スペーサ部材77A、77Bに切り込み部78が設けられ、この切り込み部78に孔79が設けられている。スペーサ部材77A、77Bは、板片を積み重ねて構成されるので、これらの板片間の隙間に炉水が侵入しないように、スペーサ部材77A、77Bの表面周囲の隙間を溶接などで塞ぐことが望ましい。
[H]第8の実施の形態(図10)
図10は、本発明に係る原子炉用制御棒の第8の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)が図10(A)のB−B線、C−C線にそれぞれ沿う断面図である。この第8の実施の形態において、前記第1〜第7の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒80(以下、制御棒80と称する)は、第7の実施の形態における制御棒75(図9)と類似しているが、次の2点で異なっている。一つは、挿入先端側で制御棒80の中心軸O側にジルカロイ製のバー部材81Aを用いており、そのためハフニウム板68Aとの間に照射成長差異による健全性低下を避けるために、ハフニウム板68Aに亀裂進展防止用切り込み部82を設けた点である。
もう一つは、ハフニウム板68Aの側面付近で、制御棒80の軸方向に多数の導入孔83が設けられた点である。この導入孔83は、主に中性子吸収効果を部分的に低下させ、減速材となる炉水を導入することによって、図2(A)の制御棒11bの構成の効果、つまり、制御棒80の中性子吸収能力を抑制して、燃料の出力低下を抑制し、ブレードヒストリー現象を緩和することができる。この導入孔83によって制御棒80の通水特性も向上する。
ジルカロイ製のバー部材81Aは、水の排除により『トラップ効果』を無くして、この部分の中性子吸収効果を若干低下させ、図2(A)の制御棒11bの構成の効果増大を支援している。また、このバー部材81Aは翼81の強度確保の機能も果す。
[I]第9の実施の形態(図11)
図11は、本発明に係る原子炉用制御棒の第9の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)が図11(A)のB−B線、C−C線にそれぞれ沿う断面図である。この第9の実施の形態において、前記第1〜第8の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒85(以下、制御棒85と称する)は、翼86の翼端部86Aにおける挿入先端側のスペーサ部材87Aと挿入末端側のスペーサ部材87Bに、ジルカロイ、またはハフニウムを含むジルカロイ合金を用いて被覆88が施されている。これ以外の点については、図8に示す第6の実施形態の制御棒60とほぼ同様であり、例えば、中心軸O側における挿入先端側の細いバー部材66Aや、挿入末端側のバー部材66Bについても、第6の実施形態の制御棒60(図8)と同様である。スペーサ部材87A及び87Bに対し腐食対策が積極的に行われている点を除き、作用・効果も第1及び第6の実施の形態と同様である。
[J]第10の実施の形態(図12)
図12は、本発明に係る原子炉用制御棒の第10の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)が図12(A)のB−B線、C−C線、D−D線にそれぞれ沿う断面図である。この第10の実施の形態において、前記第1〜第9の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒90(以下、制御棒90と称する)では、翼91の翼端部91Aのスペーサ部材92A、92Bは、図9の第7実施形態のスペーサ部材77A、77Bを短尺化したものである。また、制御棒90の中心軸O側のバー部材93A、93Bは、図10の第8実施形態のバー部材81A、81Bと同様であるが、挿入先端側の2枚のハフニウム板94Aにバー部材93Aがピン95で支持され、挿入末端側のハフニウム板94Bにバー部材93Bがピン95で支持された構造となっている。平管を作る工程が無いため、製造性は図10のハフニウム板68A及び68Bよりも良好と考えられる。
また、挿入末端から挿入先端側へ向かう約半分の長さの挿入末端側のハフニウム板94Bは、ハフニウムの濃度が挿入先端側のハフニウム板94Aよりも1/2程度となるようにジルカロイにて希釈されている。そして、これらのハフニウム板94Aと94Bは、板厚及び形状が略同一に構成されている。このようにハフニウム板94Aと94Bが同様に構成されているため、機械的な構造の面から製造が容易になると共に、制御棒90の軸方向全体の強度も一様となって、制御棒90の健全性を向上させることができる。
[K]第11の実施の形態(図13)
図13は、本発明に係る原子炉用制御棒の第11の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)が図13(A)のB−B線、C−C線、D−D線にそれぞれ沿う断面図である。この第11の実施の形態において、前記第1〜第10の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒100(以下、制御棒100と称する)は、第10の実施の形態における制御棒90(図12)と類似しているが、挿入末端側のハフニウム板102Bを挿入先端側のハフニウム板94Aよりも幅を狭くし、ハフニウム板102Bにおける翼101の翼端部101A側を、ハフニウム板94Aの翼端部101A側と揃えて、制御棒100の中心軸O側に広い水空間(中性子吸収材が排除され炉水が導入される空間)103を設けている点で異なっている。核的な作用・効果は図7の第5実施形態の制御棒55と同様であり、その他、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
[L]第12の実施の形態(図14、図15)
図14は、本発明に係る原子炉用制御棒の第12の実施の形態を製造する平板形状のハフニウム板を示す展開図である。図15は、(A)が、図14の平板形状のハフニウム板の山曲げ部を山曲げして両端部を溶接した断面図、(B)が、図15(A)のB部を拡大して示す断面図、(C)が、図15(A)の谷曲げ部を谷曲げして構成された制御棒の一翼を示す横断面図である。この第12の実施の形態において、前記第1〜第11の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒110(以下、制御棒110と称する)は、制御棒110の横断面構造に着目し、制御棒の製造方法とブレードヒストリー対策に主眼を置いた新規な形態である。
図15(B)の厚さδで示す薄いジルカロイ製の皮膜112で覆われた平板形状のハフニウム板111に、前もって図14のような孔開け加工を施す。つまり、4個対のスペーサ部材52取付け用の小孔113が、山曲げ線114に沿って直線状に断続して並び、この山曲げ線114を直角に山曲げしてハフニウム板111の両端のαα同士、ββ同士をそれぞれ突合せ溶接して正方形にすると、図15(A)に示す断面正方形の構造体が得られる(第1ステップ)。
また、ハフニウム板111には、図14に示すように、谷曲げ線115に沿って直線状に、複数の長窓116と一対の固定孔117が形成されている。この固定孔117は、タイクロス25をピン支持するための孔である。この谷曲げ線115をステップ1の後に谷曲げする(第2ステップ)。
このとき、溶接部118(図15(A))は、山曲げ線114と谷曲げ線115の間になるように配置する。溶接部118は、金属結晶が溶接によって変化しているため、曲り部に配置すると、照射に伴う健全性劣化の原因になる可能性が考えられるためである。第2ステップの加工により、山曲げ部121(山曲げ線114近傍部分)は180度曲げられて、制御棒110の翼120の翼端部120Aとなり、谷曲げ部122(谷曲げ線115近傍部分)は90度曲げられて、制御棒110の中心軸O近傍を形成することになる。
図14において、山曲げ部121では、一例を2点鎖線で示すように、短尺化されたスペーサ部材52がピン30で支持される。また、谷曲げ部122では、軸方向に並ぶ複数の長窓116間の一対の固定孔117に、同様に2点鎖線で示すように、タイクロス25がピン28で支持される。ピン28、30は、ジルカロイまたはハフニウムが用いられる。こうして図15(C)の状態の構造体が得られる。
図14に示すハフニウム板111のαβ間は最終的には厚さを変えながら3m以上とする必要があり、また、αα間も通常1m程度の長さとなる。このため、このようなハフニウムとジルカロイの複合板は、ハフニウム板111の板厚が異なるものを複数製作し、図15(C)の状態まで加工した後、これらを軸方向に溶接して連結し、全長3mを越える長い制御棒110を得る。連結する際には、例えば中央付近結合腕26(図3)を用いることが出来るが、直接結合も考えられる。図15(C)に示すように製造されたハフニウム板111の軸方向両端に、先端構造材23と末端構造材24が装着されて、制御棒110が製造される。
谷曲げ部122の長窓116は制御棒110の軸方向に変化させ(挿入末端側ほど翼端部120A方向への拡がりを大きくする)ることによって、第5の実施形態の制御棒55(図7)及び第11の実施形態の制御棒100(図13)と同様の核的特性(ブレードヒストリー緩和特性)が得られる。また、タイクロス25を長窓116に近接して設けることで、タイクロス25の取付作業が容易となる。その他、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
[M]第13の実施の形態(図16)
図16(A)は、本発明に係る原子炉用制御棒の第13の実施の形態を製造する平板形状のハフニウム板の一部を示す展開図であり、図16(B)は、図16(A)のハフニウム板の谷曲げ部を谷曲げして構成された制御棒の部分横断面図である。この第13の実施の形態において、前記第1〜第12の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の原子炉用制御棒130(以下、制御棒130と称する)は、制御棒130の横断面構造に着目し、制御棒の製造方法とブレードヒストリー対策に主眼を置いた新規な形態であり、第12の実施形態の製造方法を簡素化したものである。
ジルカロイ製の皮膜112で覆われた平板形状のハフニウム板111には、谷曲げ部122に縦長の長窓116が、谷曲げ線115に沿って所定の間隔で設けられ、その境にタイクロス25をピン支持する固定孔117が一対で設けられる。符号131は切断線である。
このハフニウム板111を谷曲げ線115に沿って谷曲げして、横断面L字形状とする。その後、このハフニウム板111のL字形状に曲げられた部分を相互に接近させて十字形に配置する。破線で示す山部132は、最終的には翼133の翼端部133Aとなる部分で、短尺化されたスペーサ部材29が、小孔113を介してジルカロイまたはハフニウム製のピン30により取り付けられる。このようにして、制御棒130が製造される。
この実施形態では、翼133の幅が通常25cm程度であるため、分割製造しても良いが、軸方向に3mを越える長さでも一体物として制御棒130を製造することができる。長窓116は、挿入末端側ほど翼端部133Aに向かって拡大するように大きくするのが好適である点は、前記第12の実施形態の場合と同じである。
本実施の形態では、平板形状のハフニウム板111をL字形状に折り曲げるので、第12の実施形態の場合よりも制御棒130の製造を容易化できる。その他、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏する。
(A)は、本発明に係る原子炉用制御棒の第1の実施の形態についての背景を説明するための臨界実験体系を示す平面図、(B)は図1(A)のB部を拡大して示す平面図。 (A)は、図1(A)及び(B)の制御棒における一翼部の構成を示す横断面図、(B)は、図2(A)の各制御棒における制御棒表面の放射化率分布の変化を示すグラフ、(C)は、図2(A)の各制御棒における制御棒表面の銅箔放射化率分布を示すグラフ。 本発明に係る原子炉用制御棒の第1の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)が図3(A)のB−B線、C−C線、D−D線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第2の実施の形態を示し、(A)が図3(B)に対応する断面図、(B)が図3(C)に対応する断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第3の実施の形態を示し、(A)が図3(B)に対応する断面図、(B)が図3(C)に対応する断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第4の実施の形態を示し、(A)が図3(B)に対応する断面図、(B)が図3(C)に対応する断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第5の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)が図7(A)のB−B線、C−C線、D−D線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第6の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)、(E)が、図8(A)のB−B線、C−C線、D−D線、E−E線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第7の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)、(E)が図9(A)のB−B線、C−C線、D−D線、E−E線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第8の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)が図10(A)のB−B線、C−C線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第9の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)が図11(A)のB−B線、C−C線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第10の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)が図12(A)のB−B線、C−C線、D−D線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第11の実施の形態を示し、(A)が一翼の縦断面図、(B)、(C)、(D)が図13(A)のB−B線、C−C線、D−D線にそれぞれ沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第12の実施の形態を製造する平板形状のハフニウム板を示す展開図。 (A)が、図14の平板形状のハフニウム板の山曲げ部を山曲げして両端部を溶接した断面図、(B)が、図15(A)のB部を拡大して示す断面図、(C)が、図15(A)の谷曲げ部を谷曲げして構成された制御棒の一翼を示す横断面図 (A)は、本発明に係る原子炉用制御棒の第13の実施の形態を製造する平板形状のハフニウム板の一部を示す展開図であり、(B)は、図16(A)のハフニウム板の谷曲げ部を谷曲げして構成された制御棒の部分横断面図。 従来の制御棒の概要を示し、(A)が一部を切り欠いて示す斜視図、(B)が図17(A)の前側のシースを切り欠いて示す正面図、(C)が図17(A)の一翼を示す横断面図。 従来の制御棒の概要を示し、(A)が正面図、(B)、(C)、(D)、(E)が図18(A)のB−B線、C−C線、D−D線、E−E線にそれぞれ沿う断面図。
符号の説明
20 原子炉用制御棒
21 ハフニウム板
21A、21B ハフニウム板
22 翼
23 先端構造材
24 末端構造材
25 タイクロス
29 スペーサ部材
31 間隙
40 原子炉用制御棒
41 板
45 原子炉用制御棒
46 板
50 原子炉用制御棒
52 スペーサ部材
55 原子炉用制御棒
56、56A、56B ハフニウム板
57 間隙
60 原子炉用制御棒
62A、62B スペーサ部材
66A、66B バー部材
68A、68B ハフニウム板
75 原子炉用制御棒
77A、77B スペーサ部材
80 原子炉用制御棒
81A バー部材
83 導入孔
85 原子炉用制御棒
87A、87B スペーサ部材
88 被覆
90 原子炉用制御棒
94A、94B ハフニウム板
100 原子炉用制御棒
102B ハフニウム板
103 水空間
110 原子炉用制御棒
121 山曲げ部
122 谷曲げ部
130 原子炉用制御棒

Claims (13)

  1. ハフニウムまたはハフニウム合金を中性子吸収材とする4枚の翼の挿入先端と挿入末端を横断面十字形の先端構造材と末端構造材にそれぞれ結合した原子炉用制御棒において、
    前記制御棒の中心軸を中心に含み、当該制御棒の軸方向に所定の間隔を隔てて配置されたタイクロスを用いて4枚の前記翼を十字型に結合し、
    前記先端構造材と前記タイクロスは、天然組成程度またはそれ以上にハフニウムの含有を許容するジルコニウム合金としてのジルカロイ製であり、
    前記翼の主要部を構成する前記中性子吸収材には、炉水を介在可能な間隙が形成され、
    前記翼の少なくとも翼端部には、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材が配置され、
    前記翼内における前記制御棒の中心軸側にジルカロイ製の棒状のバー部材が配設され、
    前記中性子吸収材には、前記制御棒の中心軸側と翼端部との間で前記制御棒の軸方向に複数の導入孔が形成され、
    前記中性子吸収材は、全長が略同一の板厚とされ、挿入末端から挿入先端側へ向かう半分の長さにおいて、挿入先端側よりも幅が狭く形成され、翼端部が挿入先端側と同一位置に設定されて構成されたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  2. 前記中性子吸収材は、内面と外面の少なくとも一方の大部分または略全面に、ジルカロイ、またはハフニウムをジルコニウムに希釈したハフニウム合金の層で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  3. 前記翼を構成する中性子吸収材は、円筒形に形成された後に平管化されて構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  4. 前記翼を構成する板状の中性子吸収材は間隙を挟んで対向配置され、翼端部内には、短尺化された棒状のスペーサ部材が、その長さ方向の中央付近において前記中性子吸収材に支持されて配設されたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  5. ハフニウムまたはハフニウム合金を中性子吸収材とする4枚の翼の挿入先端と挿入末端を横断面十字形の先端構造材と末端構造材にそれぞれ結合した原子炉用制御棒において、
    前記制御棒の中心軸を中心に含み、当該制御棒の軸方向に所定の間隔を隔てて配置されたタイクロスを用いて4枚の前記翼を十字型に結合し、
    前記先端構造材と前記タイクロスは、天然組成程度またはそれ以上にハフニウムの含有を許容するジルコニウム合金としてのジルカロイ製であり、
    前記翼の主要部を構成する前記中性子吸収材には、炉水を介在可能な間隙が形成され、
    前記翼の少なくとも翼端部には、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材が配置され、
    前記翼内における前記制御棒の中心軸側にジルカロイ製の棒状のバー部材が配設され、
    前記中性子吸収材には、前記制御棒の中心軸側と翼端部との間で前記制御棒の軸方向に複数の導入孔が形成され、
    前記中性子吸収材は、挿入先端から挿入末端側へ向かう半分の長さにおいて、前記挿入末端側よりも板厚が厚く構成されたことを特徴とする記載の原子炉用制御棒
  6. 前記中性子吸収材は、挿入末端から挿入先端側へ向かう約半分の長さにおいて、前記挿入先端側よりもハフニウムの濃度が1/2程度となるように希釈され、板厚が挿入先端側と略等しくなるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  7. 1枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板に、山曲げ部と谷曲げ部が等間隔で平行に交互に設けられ、前記谷曲げ部には軸方向に規則的に複数の長窓が設けられ、
    前記山曲げ部が山曲げされ前記谷曲げ部が谷曲げされた状態で、前記谷曲げ部が相互に近接されて横断面が十字形となるように構成され、
    少なくとも翼端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材が配設され、
    前記谷曲げ部に、ジルカロイ製のタイクロスが、制御棒の軸方向に所定間隔で配置され
    て構成されたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  8. 4枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板の谷曲げ部に、軸方向に規則的な間隔で複数の長窓が設けられ、
    前記板が谷曲げ部で谷曲げされてL字状に形成された状態で、当該各板が、前記曲げられた部分を相互に近接させて十字形に配置され、
    対向配置された前記板の両端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材が配設され、
    前記L字状に曲げられた前記板には、制御棒の軸方向における前記各長窓間に、ジルカロイ製のタイクロスが配置されて構成されたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  9. 前記スペーサ部材は、ジルカロイ、またはハフニウムを含むジルカロイ合金で被覆されたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  10. 前記翼を構成する中性子吸収材の外面の大部分が研磨仕上げされたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  11. 前記翼の翼端部に配置されるスペーサ部材は、前記翼を構成する中性子吸収材と同時に圧延された素材から製作された当該素材と同じ厚さの板片を、単数または複数枚重ねて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  12. 1枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板に、山曲げ部と谷曲げ部を等間隔で平行に交互に設けると共に、前記谷曲げ部には軸方向に規則的に複数の長窓を設け、
    次に、前記山曲げ部を山曲げし、前記谷曲げ部を谷曲げした後に、前記谷曲げ部を相互に近接して横断面が十字形となるようにし、
    その後、少なくとも翼端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材を配設し、前記谷曲げ部に、ジルカロイ製のタイクロスを、制御棒の軸方向に所定間隔で配置して制御棒を製造することを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
  13. 4枚の平板形状のハフニウム板またはハフニウム合金板の谷曲げ部に、軸方向に規則的な間隔で複数の長窓を設け、
    次に、前記板を谷曲げ部で谷曲げしてL字状に形成した後に、当該各板を、前記曲げられた部分を相互に近接させて十字形に配置し、
    その後、対向配置された前記板の両端部に、ハフニウムまたはハフニウム合金製のスペーサ部材を配設し、前記L字状に曲げられた前記板には、制御棒の軸方向における前記各長窓間に、ジルカロイ製のタイクロスを配置して制御棒を製造することを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
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