JP5376667B2 - 花卉の育苗方法および育苗システム - Google Patents
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Description
ピーク波長400〜550nmの光は、LEDを光源とする光であることが好ましい。また光量子束密度が15〜200μmol・m-2・s-1であることが好ましい。
本発明の育苗方法は、アスター等のキク科、カーネーション等のナデシコ科、カンパニュラ等のキキョウ科およびラークスパー等のキンポウゲ科等の長日植物に適用される。これら長日植物は、通常、プラグトレイ等の育苗トレイに播種し、本葉が出揃ってから所定の期間を経過した後、定植される。本発明では、本葉が出揃ってから定植までの間の幼苗に対し、低温下における光照射を行なう。播種から本葉が出揃うまでは、植物に応じて適切な育苗培土を用い、常温(20℃前後)下、自然日長で管理する。なお、「本葉が出揃う」とは、少なくとも2枚の本葉が出た状態を意味し、植物により異なるが、通常、播種から約1ヶ月程度経過した時点で本葉が2〜5枚程度出る。低温下における光照射を本葉が出揃う前に行なった場合は、胚軸が徒長し好ましくない。
また温度は上述した温度範囲内であれば、恒温である必要はなく、例えば±5℃程度の範囲で変動してもよい。
図1は、本発明の育苗システムを実現する装置の概要を示す図であり、この装置10は、育苗チャンバ20と、チャンバ内に設置されたLED光源30と、チャンバ内を所定の温度に維持するための温度調整手段40と、LED光源30及び温度調整手段40の動作を制御する制御部50とを備えている。チャンバ20内には、必要に応じて、播種後の育苗トレイを載置するための棚60が設けられている。育苗トレイは、多数のポットを配列させて一体としたプラグトレイ等であり、播種から定植までの間の幼苗を生育させるために使用される。本発明の育苗システムは、育苗培土を入れた育苗トレイ内に播種し、発芽させ、さらに本葉が2〜5枚程度出た状態の長日植物の苗に適用される。
本発明の育苗システムによれば、幼苗期の長日植物に対し自動的に管理された条件による処理(低温処理と特定波長の光照射)を施すことができ、商品性の高い花の収穫および収穫時期の早期化に資することができる。
カンパニュラ「チャンピオンピンク」(キキョウ科)を72穴のプラグトレイに播種し、一般栽培用温室で育苗した。本葉が4〜5枚出揃った後に、光および温度の条件が異なる4つの試験区で1〜4週間生長させた。各試験区で1〜4週間、生長させた後、苗を3.5号ポットに定植し、一般栽培用温室内で、自然日長で育成し開花状態を確認した。
試験区1:一般栽培用温室内(温度15℃以上、太陽光)
試験区2:一般栽培用温室内(温度15℃以上、終日LED照射)
試験区3:グロースチャンバ(温度5℃、チャンバ内照明10時間日長)
試験区4:グロースチャンバ(温度5℃、終日LED照射)
図2は、到花日数を各試験区における処理期間毎に示すグラフである。表1および図2に示す結果からわかるように、低温処理したのみでは、到花日数は従来法(試験区1)と大差はなかったが、LED光照射することにより到花日数は早まり、期間が長いほど到花日数が短縮された。特に室温でLED光照射した場合には、大幅に到花日数が短縮された。
図3は、到花日数を各試験区における処理期間毎に示すグラフである。表2および図3に示す結果からわかるように、室温でLED光照射した場合には、花数が激減し、商品性のないものであった。一方、低温処理とLED光照射を併用した場合には、短期間の処理であれば花数が減ることはなかった。
LED光照射を行なった場合について、異なる環境温度における植物長を比較した結果を表3および図4に示す。
以上の結果から、カンパニュラについては、幼苗期に温度15℃以下の低温処理とLED光照射を2週間程度行なうことにより、短い到花日数で、花数が多い切り花を収穫できることがわかった。また定植時の苗品質も徒長が見られず良好であった。
アスター「松本スカーレット」(キク科)を実施例1と同様の育苗トレイに播種し、15℃換気(無加温)の温室内で育苗した。本葉が4〜5枚出揃った後に、光および温度の条件が異なる4つの試験区で1〜4週間生長させた。各試験区で1〜4週間、生長させた後、苗を3.5号ポットに定植し、15℃換気10℃加温の温室内で、自然日長で育成し開花状態を確認した。
試験区1:温室内(15℃換気10℃加温、太陽光)
試験区2:温室内(15℃換気10℃加温、終日LED照射)
試験区3:グロースチャンバ(温度5℃、チャンバ内照明10時間日長)
試験区4:グロースチャンバ(温度5℃、終日LED照射)
各試験区1〜4による処理を施した苗について、播種から開花するまでの日数(到花日数)および開花した花の数(花数)を計測した。結果を表4および図5、図6に示す。
図5は、到花日数を各試験区における処理期間毎に示すグラフである。この結果からわかるように、低温処理のみを行なった場合(試験区3)には、到花日数は従来法(試験区1)より若干長くなる傾向が見られたが、LED光照射した場合(試験区2、4)には到花日数は早まり、期間が長いほど到花日数が短縮された。特に室温でLED光照射した場合には、大幅に到花日数が短縮された。
図6は、到花日数を各試験区における処理期間毎に示すグラフである。この結果からわかるように、室温(15℃)でLED光照射した場合(試験区2)には、試験区環境での育苗期間が2週間になると花数が激減したが、低温処理とLED光照射を併用した場合には、2週間の処理では花数が減ることはなく、3週間になると花数が激減した。
植物長については、実施例1と同様に、15℃でLED光照射した場合には、処理期間が長引くにつれて、植物長が長くなる徒長が見られ苗としての商品性が低下したのに対し、低温処理とLED光照射を組み合わせた場合には、処理期間が4週間経っても徒長は観察されなかった。
以上の結果から、アスターについては、幼苗期に温度15℃以下の低温処理とLED光照射を2週間以上3週間未満行なうことにより、従来法に比べ到花日数を短縮することができ、且つ花数が多い切り花を収穫できることがわかった。また、定植時の苗品質も徒長が見られず良好であった。
Claims (7)
- 発芽後の苗を、管理された環境内で育苗する花卉の育苗方法であって、
発芽後本葉が出揃った後の幼苗に、温度15℃以下の低温下で、ピーク波長400〜550nmの光を100時間以上、600時間以下の期間照射することを特徴とする花卉の育苗方法。 - 請求項1に記載の花卉の育苗方法であって、
前記ピーク波長400〜550nmの光は、LEDを光源とする光であることを特徴とする花卉の育苗方法。 - 請求項1又は2に記載の花卉の育苗方法であって、
前記ピーク波長400〜550nmの光は、光量子束密度が15〜200μmol・m-2・s-1であることを特徴とする花卉の育苗方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の花卉の育苗方法であって、
前記低温下における光の照射は、1日当たり14時間以上であることを特徴とする花卉の育苗方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の花卉の育苗方法であって、
前記花卉は、長日植物であることを特徴とする花卉の育苗方法。 - 定植前の苗を収容するチャンバと、前記チャンバ内の温度を調整する温度調整手段と、前記苗にピーク波長400〜550nmの青色系光を照射する手段と、前記温度調整手段および光照射手段を制御する制御手段とを備えた育苗システムであって
前記制御手段は、3週間を上限とする一定期間、前記チャンバ内の温度が15℃以下となるように前記温度調整手段を制御するとともに、前記一定期間の間、前記青色系光の1日当たりの照射時間が14時間以上となるように前記光照射手段を制御することを特徴とする育苗システム。 - 請求項6に記載の育苗システムであって、
前記光照射手段は、LED装置を含むことを特徴とする育苗システム。
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