JP5375178B2 - 口径の小さいレンズ系及びそれを用いたプロジェクタ装置 - Google Patents
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(1) 7.0 < TL / fw < 10.0
(2) 1.8 < dII w / fw < 2.5
(3) −1.0 < mII w < −0.5
(4) −1.0 < fw / fI < −0.5
(5) 1.4 < mII T / mII w < 2.8
(6) −0.6 < fw / f9 < −0.4
ただし、
TL :広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの光軸上の距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
fw :広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
dII w:広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間の空気間隔
fI :第1レンズ群の合成焦点距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
mII w:広角端における第2レンズ群の倍率
mII T:望遠端における第2レンズ群の倍率
f9 :第2レンズ群の拡大側から4枚目に配置されるレンズの焦点距離
条件式(1)は、広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの光軸上の距離の条件であり、小型、小径化の条件となる。上限を超えると広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの距離が大きくなり、またレンズが大口径になり、小型、小径化を損ねてしまい、下限を超えると、諸収差のバランスを取るのが困難になる。
条件式(2)は、第2レンズ群と第3レンズ群の広角端における間隔条件である。前述のようにライトバルブの照明系のスペースの為、この間隔を確保することが必要となる。上限を超えると照明系のスペース確保は可能になるがレンズが大型化し、下限を超えると照明系のスペースが不足し設計困難となる。
条件式(3)は、第2レンズ群の倍率に対応し、変倍域にわたってレンズ全系を小型にする条件であり、下限を超えると縮小倍率での全長が長くなり、上限を超えると拡大倍率での全長が長くなる。
条件式(4)は、第1レンズ群のパワーに関する条件である。第1レンズ群は強い負のパワーを持ち、DMD等のライトバルブを照明するための光学系を配する為の空間を第2レンズ群と第3レンズ群の空気間隔部分に確保する目的を持っている。上限を超えると、第1レンズ群の負のパワーが小さくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の空気間隔を確保するのが困難になり、下限を超えると負のパワーが大きくなり第2レンズ群の正のパワーを強めなければならず、諸収差のバランスを取るのが困難になる。
条件式(5)は、第2レンズ群の広角端における倍率と、第2レンズ群の望遠端における倍率に関する条件式であり、本ズームレンズ系の変倍率に対応する。上限を超えると、変倍率の大きなレンズ系が得られるが、第2レンズ群の移動量も増大し大型化するとともに性能の変動も大きくなってしまい、下限を超えると、性能的には有利であるが変倍率自体が小さくなり、本発明である小型、高変倍レンズが得られなくなる。
条件式(6)は、第1レンズ群からの発散光束を補正し、大口径比を確保し、球面収差、コマ収差を補正する条件である。第2レンズ群は、第1レンズ群を射出する発散する光線束を集束する状態へと導くための強い正パワーを有しており、球面収差等の諸収差が発生する。第2レンズ群を構成するレンズは、拡大面側から正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚で、トリプレットの構成として諸収差の補正をしているが、第2レンズ群の正パワーが強いため収差補正不足になるため、トリプレット構成のレンズの縮小側に負レンズを配置することにより収差補正を可能にしている。条件式(6)の上限を超えるとアンダーの球面収差が大きくなり、下限を超えるとオーバーの球面収差が大きくなり、周辺でのコマ収差の発生が著しくなり、収差の補正が困難になる。
(7) 1.4 < LI / fw < 2.6
(8) −0.8 < fw / f1 < −0.2
(9) 0.8 < fw / r2 < 1.6
(10) 16 <(V1+V2+V4)/ 3−(V3+V5)/ 2
ただし、
LI :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と、第1レンズ群で最も縮小側に配置されるレンズの縮小側面の光軸上の距離
f1 :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの焦点距離
r2 :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの縮小側面の曲率半径
V1 :第1レンズ群で最も拡大側に配置される負レンズのアッベ数
V2 :第1レンズ群で拡大側から2枚目に配置される負レンズのアッベ数
V3 :第1レンズ群で拡大側から3枚目に配置される正レンズのアッベ数
V4 :第1レンズ群で拡大側から4枚目に配置される負レンズのアッベ数
V5 :第1レンズ群で最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数
条件式(7)は、第1レンズ群の光軸上の寸法に関する条件式であり、少ないレンズ枚数で諸収差を補正する為の条件となる。
第2レンズ群と第3レンズ群の間のバックフォーカスに相当する部分を長く取る為には、特に第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの負パワーを増大することが有効であるが、負パワーが過大になると諸収差を補正することが困難になる。これを第1レンズ群の光軸上の距離を大きくとることにより解決するか、第1レンズ群の負パワーを分散するために、レンズ枚数を増加させることで解決することになり、必然的に第1レンズ群はある程度長くならざるを得ない。条件式(7)の上限を超えると光軸方向の寸法が大きく成り過ぎて仕様を満足することが難しくなり小型化の意味がなくなり、下限を超えると小口径化は難しくなる。
条件式(8)は、第1レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズのパワーに関する条件であり、前述のように第1レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズの負パワーを増大することは、広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間の空気間隔を確保し、かつ小型化に有効であるが、条件式(8)の上限を超えるとレンズの負パワーが強くなり色収差と像面湾曲が発生し、収差の補正が困難になり、下限を超えるとレンズの負パワーが弱くなり第2レンズ群と第3レンズ群の間のバックフォーカスに相当する部分を長く取ることが困難になる。
条件式(9)は、レンズ全系の歪曲収差とコマ収差補正のための条件式である。
第1レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズの縮小側の面形状に関するもので、強いパワーを持たせながら、拡大側の光線束に対して概ね同心的形状とし、根本的に収差の発生を抑えた形状としている。したがって上限を超えると、球面収差、コマ収差が補正不足となり、下限を超えると逆に補正過剰になる。
条件式(10)は、第1レンズ群内での色収差補正のための条件である。単色収差を補正するには、各レンズのパワーが過大とならないことが必要で、そのためには条件式(10)を満たす正レンズ、負レンズのアッベ数であることが必要な条件となる。下限を超えると、色収差の補正が困難となる。
(11) −0.5 < fw / f2
ただし、
f2 :第1レンズ群で拡大側から2枚目に配置されるレンズの焦点距離
前述のように、第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの負パワーを増大することは、広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間の空気間隔を確保し、かつ小型化に有効であるが、球面形状では像面湾曲を含んだ諸収差補正は困難であるため、第1レンズ群の拡大側から2枚目に配置されるレンズに、条件式(11)を満足する弱い負パワーを持つ非球面レンズにすることで、像面湾曲を含んだ諸収差補正が可能になる。条件式(11)を満足する弱い負パワーとすることは、屈折率の低い硝材であるプラスチック材料を使用することが出来るため、軽量化、コストダウンが可能になる。
(12) 0.2 < fw / rII 1 < 0.8
(13) 25 <(V6+V8+V10)/ 3−(V7+V9)/ 2
(14) 69 < V10
ただし、
rII 1:第2レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面の曲率半径
V6 :第2レンズ群で最も拡大側に配置される正レンズのアッベ数
V7 :第2レンズ群で拡大側から2枚目に配置される負レンズのアッベ数
V8 :第2レンズ群で拡大側から3枚目に配置される正レンズのアッベ数
V9 :第2レンズ群で拡大側から4枚目に配置される負レンズのアッベ数
V10 :第2レンズ群で最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数
条件式(12)は、第2レンズ群の最も拡大側に配置される正レンズの拡大側面の形状に関する条件式である。第2レンズ群で拡大側に配置されるレンズは、第1レンズ群を射出する発散光束を収束する状態へと導くための強い正パワーを有するレンズにすることが必要であり、大きな球面収差や色収差を発生させることになるため、第2レンズ群の2枚目以降のレンズで収差補正が可能な形状にする必要がある。条件式(12)の上限を超えると面のパワーが大きくなりアンダーの球面収差が大きくなり、下限を超えると面のパワーが小さくなりオーバーの球面収差が大きくなり補正が困難になる。
条件式(13)は、第2レンズ群内での色収差補正のための条件である。単色収差を補正するには、各レンズのパワーが過大とならないことが必要で、そのためには条件式(13)を満たす正レンズ、負レンズのアッベ数であることが必要な条件となる。下限を超えると、色収差の補正が困難となる。
条件式(14)は、倍率色収差補正のための条件である。第2レンズ群は強い正パワーを有しているため、倍率色収差への影響も大きい。特に、第2レンズ群の中で最も強い正パワーを有している最も縮小側に配置される正レンズの影響が大きく、条件式(14)の下限を超えると収差補正が困難になる。
(15) −0.8 < fw / rII 10 < −0.2
ただし、
rII 10:第2レンズ群の最も縮小面側に配置されるレンズの縮小側面の曲率半径
前述のように、第2レンズ群は、第1レンズ群を射出する発散する光線束を集束する状態へと導くための強い正パワーを有しており、球面収差等の諸収差が発生する。第2レンズ群を構成するレンズは、拡大面側から正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚で、トリプレットの構成として諸収差の補正をしているが、第2レンズ群の正パワーが強いため収差補正不足になるため、トリプレット構成のレンズの縮小側に負レンズを配置することにより収差補正を可能にしている。しかし、球面形状では、収差補正不足になることがあるため、第2レンズ群の拡大側から4枚目に配置されるレンズの少なくとも片面を非球面にすることで、レンズ全系の大口径比を確保し、レンズ全系の小径化と球面収差等の補正が可能になる。
条件式(15)は、レンズ全系における球面収差、コマ収差をきめ細かく補正するための条件式である。前記第2レンズ群の拡大側面から4枚のレンズで補正しきれずに残存する球面収差、コマ収差を補正している。上限を超えると補正不足となり、逆に下限を超えると補正過剰となる。
(1) 7.0 < TL / fw < 10.0
(2) 1.8 < dII w / fw < 2.5
(3) −1.0 < mII w < −0.5
(4) −1.0 < fw / fI < −0.5
(5) 1.4 < mII T / mII w < 2.8
(6) −0.6 < fw / f9 < −0.4
ただし、
TL :広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの光軸上の距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
fw :広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
dII w:広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間の空気間隔
fI :第1レンズ群の合成焦点距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
mII w:広角端における第2レンズ群の倍率
mII T:望遠端における第2レンズ群の倍率
f9 :第2レンズ群の拡大側から4枚目に配置されるレンズの焦点距離
条件式(1)は、広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの光軸上の距離の条件であり、小型、小径化の条件となる。上限を超えると広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの距離が大きくなり、またレンズが大口径になり、小型、小径化を損ねてしまい、下限を超えると、諸収差のバランスを取るのが困難になる。
条件式(2)は、第2レンズ群と第3レンズ群の広角端における間隔条件である。前述のようにライトバルブの照明系のスペースの為、この間隔を確保することが必要となる。上限を超えると照明系のスペース確保は可能になるがレンズが大型化し、下限を超えると照明系のスペースが不足し設計困難となる。
条件式(3)は、第2レンズ群の倍率に対応し、変倍域にわたってレンズ全系を小型にする条件であり、下限を超えると縮小倍率での全長が長くなり、上限を超えると拡大倍率での全長が長くなる。
条件式(4)は、第1レンズ群のパワーに関する条件である。第1レンズ群は強い負のパワーを持ち、DMD等のライトバルブを照明するための光学系を配する為の空間を第2レンズ群と第3レンズ群の空気間隔部分に確保する目的を持っている。上限を超えると、第1レンズ群の負のパワーが小さくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の空気間隔を確保するのが困難になり、下限を超えると負のパワーが大きくなり第2レンズ群の正のパワーを強めなければならず、諸収差のバランスを取るのが困難になる。
条件式(5)は、第2レンズ群の広角端における倍率と、第2レンズ群の望遠端における倍率に関する条件式であり、本ズームレンズ系の変倍率に対応する。上限を超えると、変倍率の大きなレンズ系が得られるが、第2レンズ群の移動量も増大し大型化するとともに性能の変動も大きくなってしまい、下限を超えると、性能的には有利であるが変倍率自体が小さくなり、本発明である小型、高変倍レンズが得られなくなる。
条件式(6)は、第1レンズ群からの発散光束を補正し、大口径比を確保し、球面収差、コマ収差を補正する条件である。第2レンズ群は、第1レンズ群を射出する発散する光線束を集束する状態へと導くための強い正パワーを有しており、球面収差等の諸収差が発生する。第2レンズ群を構成するレンズは、拡大面側から正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚で、トリプレットの構成として諸収差の補正をしているが、第2レンズ群の正パワーが強いため収差補正不足になるため、トリプレット構成のレンズの縮小側に負レンズを配置することにより収差補正を可能にしている。条件式(6)の上限を超えるとアンダーの球面収差が大きくなり、下限を超えるとオーバーの球面収差が大きくなり、周辺でのコマ収差の発生が著しくなり、収差の補正が困難になる。
(7) 1.4 < LI / fw < 2.6
(8) −0.8 < fw / f1 < −0.2
(9) 0.8 < fw / r2 < 1.6
(10) 16 <(V1+V2+V4)/ 3−(V3+V5)/ 2
ただし、
LI :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と、第1レンズ群で最も縮小側に配置されるレンズの縮小側面の光軸上の距離
f1 :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの焦点距離
r2 :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの縮小側面の曲率半径
V1 :第1レンズ群で最も拡大側に配置される負レンズのアッベ数
V2 :第1レンズ群で拡大側から2枚目に配置される負レンズのアッベ数
V3 :第1レンズ群で拡大側から3枚目に配置される正レンズのアッベ数
V4 :第1レンズ群で拡大側から4枚目に配置される負レンズのアッベ数
V5 :第1レンズ群で最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数
条件式(7)は、第1レンズ群の光軸上の寸法に関する条件式であり、少ないレンズ枚数で諸収差を補正する為の条件となる。
第2レンズ群と第3レンズ群の間のバックフォーカスに相当する部分を長く取る為には、特に第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの負パワーを増大することが有効であるが、負パワーが過大になると諸収差を補正することが困難になる。これを第1レンズ群の光軸上の距離を大きくとることにより解決するか、第1レンズ群の負パワーを分散するために、レンズ枚数を増加させることで解決することになり、必然的に第1レンズ群はある程度長くならざるを得ない。条件式(7)の上限を超えると光軸方向の寸法が大きく成り過ぎて仕様を満足することが難しくなり小型化の意味がなくなり、下限を超えると小口径化は難しくなる。
条件式(8)は、第1レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズのパワーに関する条件であり、前述のように第1レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズの負パワーを増大することは、広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間の空気間隔を確保し、かつ小型化に有効であるが、条件式(8)の上限を超えるとレンズの負パワーが強くなり色収差と像面湾曲が発生し、収差の補正が困難になり、下限を超えるとレンズの負パワーが弱くなり第2レンズ群と第3レンズ群の間のバックフォーカスに相当する部分を長く取ることが困難になる。
条件式(9)は、レンズ全系の歪曲収差とコマ収差補正のための条件式である。
第1レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズの縮小側の面形状に関するもので、強いパワーを持たせながら、拡大側の光線束に対して概ね同心的形状とし、根本的に収差の発生を抑えた形状としている。したがって上限を超えると、球面収差、コマ収差が補正不足となり、下限を超えると逆に補正過剰になる。
条件式(10)は、第1レンズ群内での色収差補正のための条件である。単色収差を補正するには、各レンズのパワーが過大とならないことが必要で、そのためには条件式(10)を満たす正レンズ、負レンズのアッベ数であることが必要な条件となる。下限を超えると、色収差の補正が困難となる。
(11) −0.5 < fw / f2
ただし、
f2 :第1レンズ群で拡大側から2枚目に配置されるレンズの焦点距離
前述のように、第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの負パワーを増大することは、広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間の空気間隔を確保し、かつ小型化に有効であるが、球面形状では像面湾曲を含んだ諸収差補正は困難であるため、第1レンズ群の拡大側から2枚目に配置されるレンズに、条件式(11)を満足する弱い負パワーを持つ非球面レンズにすることで、像面湾曲を含んだ諸収差補正が可能になる。条件式(11)を満足する弱い負パワーとすることは、屈折率の低い硝材であるプラスチック材料を使用することが出来るため、軽量化、コストダウンが可能になる。
(12) 0.2 < fw / rII 1 < 0.8
(13) 25 <(V6+V8+V10)/ 3−(V7+V9)/ 2
(14) 69 < V10
ただし、
rII 1:第2レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面の曲率半径
V6 :第2レンズ群で最も拡大側に配置される正レンズのアッベ数
V7 :第2レンズ群で拡大側から2枚目に配置される負レンズのアッベ数
V8 :第2レンズ群で拡大側から3枚目に配置される正レンズのアッベ数
V9 :第2レンズ群で拡大側から4枚目に配置される負レンズのアッベ数
V10 :第2レンズ群で最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数
条件式(12)は、第2レンズ群の最も拡大側に配置される正レンズの拡大側面の形状に関する条件式である。第2レンズ群で拡大側に配置されるレンズは、第1レンズ群を射出する発散光束を収束する状態へと導くための強い正パワーを有するレンズにすることが必要であり、大きな球面収差や色収差を発生させることになるため、第2レンズ群の2枚目以降のレンズで収差補正が可能な形状にする必要がある。条件式(12)の上限を超えると面のパワーが大きくなりアンダーの球面収差が大きくなり、下限を超えると面のパワーが小さくなりオーバーの球面収差が大きくなり補正が困難になる。
条件式(13)は、第2レンズ群内での色収差補正のための条件である。単色収差を補正するには、各レンズのパワーが過大とならないことが必要で、そのためには条件式(13)を満たす正レンズ、負レンズのアッベ数であることが必要な条件となる。下限を超えると、色収差の補正が困難となる。
条件式(14)は、倍率色収差補正のための条件である。第2レンズ群は強い正パワーを有しているため、倍率色収差への影響も大きい。特に、第2レンズ群の中で最も強い正パワーを有している最も縮小側に配置される正レンズの影響が大きく、条件式(14)の下限を超えると収差補正が困難になる。
(15) −0.8 < fw / rII 10 < −0.2
ただし、
rII 10:第2レンズ群の最も縮小面側に配置されるレンズの縮小側面の曲率半径
前述のように、第2レンズ群は、第1レンズ群を射出する発散する光線束を集束する状態へと導くための強い正パワーを有しており、球面収差等の諸収差が発生する。第2レンズ群を構成するレンズは、拡大面側から正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚で、トリプレットの構成として諸収差の補正をしているが、第2レンズ群の正パワーが強いため収差補正不足になるため、トリプレット構成のレンズの縮小側に負レンズを配置することにより収差補正を可能にしている。しかし、球面形状では、収差補正不足になることがあるため、第2レンズ群の拡大側から4枚目に配置されるレンズの少なくとも片面を非球面にすることで、レンズ全系の大口径比を確保し、レンズ全系の小径化と球面収差等の補正が可能になる。
条件式(15)は、レンズ全系における球面収差、コマ収差をきめ細かく補正するための条件式である。前記第2レンズ群の拡大側面から4枚のレンズで補正しきれずに残存する球面収差、コマ収差を補正している。上限を超えると補正不足となり、逆に下限を超えると補正過剰となる。
各実施例において使用している非球面については、周知のごとく、光軸方向にZ軸、光軸と直交する方向にY軸をとるとき、非球面式:
Z=(Y2/r)/〔1+√{1−(1+K)(Y/r)2 }〕
+A・Y3+B・Y4+C・Y5+D・Y6+E・Y7+F・Y8+G・Y9
+H・Y10‥‥
で与えられる曲線を光軸の回りに回転して得られる曲面で、近軸曲率半径:r、円錐定数:K、高次の非球面係数:A、B、C、D‥‥を与えて形状を定義する。尚表中の円錐定数及び高次の非球面係数の表記において「Eとそれに続く数字」は「10の累乗」を表している。例えば、「E−4」は10-4を意味し、この数値を直前の数値に掛ければ良い。
本発明のコンパクトなズームレンズの第1実施例について数値例を表1に示す。また図1は、そのレンズ構成図、図2はその諸収差図である。
表及び図面中、fはズームレンズ全系の焦点距離、FnoはFナンバー、2ωはズームレンズの全画角を表す。また、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、nd はd線に対する屈折率、νd はd線のアッベ数を示す(ただし、表中の合焦動作により変化する数値は101面からの物体距離を1700mmとした合焦状態での数値)。諸収差図中の球面収差図におけるCA1、CA2、CA3はそれぞれCA1=550.0nm、CA2=450.0nm、CA3=620.0nmの波長における収差曲線である。非点収差図におけるSはサジタル、Mはメリディオナルを示している。また、全般に亘り特別に記載のない限り、諸値の計算に使用している波長はCA1=550.0nmである。
本発明のコンパクトなズームレンズの第2実施例について数値例を表2に示す。また図3は、そのレンズ構成図、図4はその諸収差図である。
本発明のコンパクトなズームレンズの第3実施例について数値例を表3に示す。また図5は、そのレンズ構成図、図6はその諸収差図である。
本発明のコンパクトなズームレンズの第4実施例について数値例を表4に示す。また図7は、そのレンズ構成図、図8はその諸収差図である。
本発明のコンパクトなズームレンズの第5実施例について数値例を表5に示す。また図9は、そのレンズ構成図、図10はその諸収差図である。
Claims (6)
- 拡大側から順に、全体で負の屈折力を有する第1レンズ群、全体で正の屈折力を有する第2レンズ群及び全体で正の屈折力を有する第3レンズ群から構成され、前記第1レンズ群は、拡大側から順に、拡大側に凸のメニスカス形状で負の屈折力を有するレンズ、負レンズ、正の屈折力を有するレンズ、負レンズ及び正レンズの5枚を配して構成され、前記第2レンズ群は、拡大側から順に正レンズ、拡大側に凹のメニスカス形状の負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズの5枚のレンズを配して構成され、前記第3レンズ群は、正レンズ1枚を配して構成される変倍可能なズームレンズであって、前記第3レンズ群は変倍動作中固定されており、前記第1レンズ群は広角端から中間域までは拡大側から縮小側方向へ、また中間域から望遠端にかけては縮小側から拡大側方向へ光軸上を移動し、前記第2レンズ群は広角端から望遠端にかけて縮小側から拡大側方向へ光軸上を移動することによってレンズ全系の変倍を成しており、広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの光軸上の距離に関して下記条件式(1)を満足しており、広角端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との位置関係に関して下記条件式(2)を満足しており、前記第2レンズ群の広角端における倍率に関して下記条件式(3)を満足しており、前記第1レンズ群のパワーに関して下記条件式(4)を満足しており、前記第2レンズ群の望遠端における倍率に関して下記条件式(5)を満足しており、前記第2レンズ群の拡大側から4枚目に配置されるレンズのパワーに関して下記条件式(6)を満足していることを特徴とするコンパクトなズームレンズ。
(1) 7.0 < TL / fw < 10.0
(2) 1.8 < dII w / fw < 2.5
(3) −1.0 < mII w < −0.5
(4) −1.0 < fw / fI < −0.5
(5) 1.4 < mII T / mII w < 2.8
(6) −0.6 < fw / f9 < −0.4
ただし、
TL :広角端における第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と合焦位置までの光軸上の距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
fw :広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
dII w:広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間の空気間隔
fI :第1レンズ群の合成焦点距離
(第1レンズ群の最も拡大側面からの拡大側物体距離1700mmに合焦状態)
mII w:広角端における第2レンズ群の倍率
mII T:望遠端における第2レンズ群の倍率
f9 :第2レンズ群の拡大側から4枚目に配置されるレンズの焦点距離 - 前記請求項1記載のコンパクトなズームレンズにおいて、前記第1レンズ群の光軸上の寸法に関して、下記条件式(7)を満足しており、前記第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズのパワーに関して下記条件式(8)を満足しており、前記第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの縮小側面の形状に関して下記条件式(9)を満足しており、前記第1レンズ群を構成する各レンズに使用される硝材の分散特性に関して下記条件式(10)を満足していることを特徴とする。
(7) 1.4 < LI / fw < 2.6
(8) −0.8 < fw / f1 < −0.2
(9) 0.8 < fw / r2 < 1.6
(10) 16 <(V1+V2+V4)/ 3−(V3+V5)/ 2
ただし、
LI :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面と、第1レンズ群で最も縮小側に配置されるレンズの縮小側面の光軸上の距離
f1 :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの焦点距離
r2 :第1レンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの縮小側面の曲率半径
V1 :第1レンズ群で最も拡大側に配置される負レンズのアッベ数
V2 :第1レンズ群で拡大側から2枚目に配置される負レンズのアッベ数
V3 :第1レンズ群で拡大側から3枚目に配置される正レンズのアッベ数
V4 :第1レンズ群で拡大側から4枚目に配置される負レンズのアッベ数
V5 :第1レンズ群で最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数 - 前記請求項1及び2記載のコンパクトなズームレンズにおいて、合焦動作を前記第1レンズ群を光軸方向に移動することにより達成し、前記第1レンズ群を構成する前記第1レンズ群で2枚目に配置されるレンズに関して条件式(11)を満足しており、前記第1レンズ群で2枚目に配置されるレンズの少なくとも片面が非球面形状であることを特徴とする。
(11) −0.5 < fw / f2
ただし、
f2 :第1レンズ群で拡大側から2枚目に配置されるレンズの焦点距離 - 前記請求項1記載のコンパクトなズームレンズにおいて、前記第2レンズ群は、拡大側から順に正レンズ、拡大側に凹のメニスカス形状の負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズの5枚で構成され、前記第2レンズ群を構成するレンズ群で最も拡大側に配置されるレンズの拡大側の形状に関して下記条件式(12)を満足しており、前記第2レンズ群を構成する5枚の各レンズに使用される硝材の分散特性に関して下記条件式(13)を満足しており、前記第2レンズ群の最も縮小側に配置される硝材の分散特性に関して下記条件式(14)を満足していることを特徴とする。
(12) 0.2 < fw / rII 1 < 0.8
(13) 25 <(V6+V8+V10)/ 3−(V7+V9)/ 2
(14) 69 < V10
ただし、
rII 1:第2レンズ群の最も拡大側に配置されるレンズの拡大側面の曲率半径
V6 :第2レンズ群で最も拡大側に配置される正レンズのアッベ数
V7 :第2レンズ群で拡大側から2枚目に配置される負レンズのアッベ数
V8 :第2レンズ群で拡大側から3枚目に配置される正レンズのアッベ数
V9 :第2レンズ群で拡大側から4枚目に配置される負レンズのアッベ数
V10 :第2レンズ群で最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数 - 前記請求項4記載のコンパクトなズームレンズにおいて、前記第2レンズ群の拡大側から4枚目に配置されるレンズのすくなくとも片面が非球面形状であり、前記第2レンズ群の最も縮小側に配置されるレンズの縮小側の面の形状に関して下記条件式(15)を満足していることを特徴とする。
(15) −0.8 < fw / rII 10 < −0.2
ただし、
rII 10:第2レンズ群の最も縮小面側に配置されるレンズの縮小側面の曲率半径 - 前記請求項1から前記請求項5の少なくともいずれかの1項に記載されるコンパクトなズームレンズを搭載していることを特徴としたプロジェクタ装置。
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