JP5374849B2 - 熱可塑性共重合体の製造方法 - Google Patents
熱可塑性共重合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5374849B2 JP5374849B2 JP2007248390A JP2007248390A JP5374849B2 JP 5374849 B2 JP5374849 B2 JP 5374849B2 JP 2007248390 A JP2007248390 A JP 2007248390A JP 2007248390 A JP2007248390 A JP 2007248390A JP 5374849 B2 JP5374849 B2 JP 5374849B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copolymer
- polymerization
- weight
- devolatilization
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
〔1〕(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行うことにより、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、
<重合工程>
原料である不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物100重量部に対し、連鎖移動剤0.1〜2.0重量部と、重合温度における半減期が0.01〜60分であるラジカル重合開始剤を含有してなる原料混合液を重合槽に供給し、共重合体(A)の含有率が20〜80重量%となるまで反応させ、共重合体(A)と未反応単量体混合物からなる共重合体溶液(a)を製造する工程、
<脱揮工程>
前記重合工程に引き続いて、重合工程で得られた共重合体溶液(a)を連続式脱揮装置に供給し、重合温度以上300℃未満で、圧力が200Torr以下の減圧下において、連続的に脱揮し、未反応単量体を分離除去する脱揮工程であって、この脱揮工程は、重合温度以上、250℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧にした連続式脱揮装置で脱揮を行う前脱揮工程と、それに引き続いて、前脱揮工程における脱揮温度以上、300℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧した連続式脱揮装置で脱揮を行う後脱揮工程を含む工程、
<環化工程>
前記脱揮工程で得られた共重合体(A)を、200℃以上350℃以下の温度で、連続混練押出装置中で加熱処理する工程、
を含むことを特徴とする熱可塑性共重合体の製造方法、
〔2〕(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行うことにより、(iii)前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、重合工程において、原料である不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物100重量部に対し、連鎖移動剤0.1〜2.0重量部と、重合温度における半減期が0.01〜60分であるラジカル重合開始剤を含有してなる原料混合液を重合槽に供給し、重合槽内の共重合体(A)の含有率を20〜80重量%に維持しながら連続重合させ、共重合体(A)と未反応単量体混合物からなる共重合体溶液(a)を連続的に製造し、引き続いて、重合工程で得られた共重合体溶液(a)を、連続的に脱揮装置に供給し、重合温度以上、250℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧にした連続式脱揮装置で脱揮を行う前脱揮工程と、それに引き続いて、前脱揮工程における脱揮温度以上、300℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧した連続式脱揮装置で脱揮を行う後脱揮工程を含む脱揮工程において、未反応単量体を分離除去し、さらに引き続いて、前記脱揮工程で得られた共重合体(A)を連続的に環化装置に供給し、200℃以上350℃以下の温度で、環化装置内で加熱処理し、分子内環化反応すること(環化工程)を、連続的に行うことを特徴とする熱可塑性共重合体の連続的製造方法、
〔3〕前記重合工程が、共重合体(A)を溶解する有機溶媒(C)を、単量体100重量部に対して1〜200重量部含有し、重合工程で得られた共重合体溶液(a)から未反応単量体および有機溶媒(C)を除去することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔4〕前記重合工程における重合槽が完全混合型反応槽であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔5〕前記脱揮工程における連続式脱揮装置が、筒状の容器と多数の攪拌素子を単数又は複数の回転軸に取り付けた撹拌装置を有し、筒部の一端に共重合体溶液(a)を供給する供給口と、他端に脱揮後の共重合体(A)を取り出す吐出口を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔6〕前記連続式脱揮装置がベントを有する二軸押出装置であることを特徴とする前記〔5〕記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔7〕前記環化工程における連続式混練押出装置が複数の攪拌素子と1個以上のベント口を備えた横型二軸攪拌装置であり、温度250℃〜350℃、圧力100Torr以下の条件で、20〜180分間滞留させて環化反応することを特徴とする前記〔1〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔8〕前記横型二軸攪拌装置が、ケーシング内に、スクリュー部を形成した第1軸および第2軸が並列に配置された二軸スクリュー部、および二軸スクリュー部より延長された第1軸が配置された単軸スクリュー部を有し、かつ前記二軸スクリュー部と単軸スクリュー部の連通部に流量調節機構を備え、前記ケーシングに二軸スクリュー部に連通する原料供給口を備えるとともに、前記延長された第1軸の端部に連通する吐出口を備えた二軸・単軸複合型連続混練押出装置であることを特徴とする前記〔7〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔9〕前記横型二軸撹拌装置が、周囲に加熱媒体用のジャケットを有する容器と、この容器の少なくとも上部に1個のベント口を有し、この容器の一端に共重合体(A)を供給する供給口と、他端に熱可塑性共重合体(B)を取り出す吐出口を有し、この内部に少なくとも2本の攪拌軸を持ち、該軸には複数個の掻き取り羽根が取り付けられ、前記軸が同方向または異方向に回転した際に、該羽根が(a)各々の軸に取り付けられた羽根同士がぶつかり合うことがないように互いにずらして取り付けられ、羽根先端が容器内面および相手の攪拌軸表面と隙間を保って接しながら回転するか、または(b)各々の軸に取り付けられた羽根は互いに軸方向と直角の同一平面上に並ぶように配置され、かつ羽根先端は容器内面および相手の羽根の表面と隙間を保って接しながら回転し、それによって溶融状態の共重合体(A)を混練し、その表面を常に更新して、環化反応を進行させられる機能を有する装置であることを特徴とする前記〔7〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔10〕脱揮工程で分離除去した未反応単量体、もしくは未反応単量体と有機溶媒(C)の混合物を前記重合工程にリサイクルすることを特徴とする前記〔1〕〜〔9〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔11〕脱揮工程で分離除去した未反応単量体、もしくは未反応単量体と有機溶媒(C)の混合物を回収して得られた回収液から、重合工程にリサイクルするための回収原料を分離精製する「揮発分回収工程」を含有する前記〔1〕〜〔10〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔12〕前記重合工程において、連鎖移動剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対
して0.1〜2.0重量部であることを特徴とする前記〔1〕〜〔11〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔13〕前記重合工程において、ラジカル重合開始剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対して0.001〜2.0重量部であることを特徴とする前記〔1〕〜〔12〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔14〕前記熱可塑性共重合体の重量平均分子量が3〜15万であることを特徴とする前記[12]または[13]に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔15〕前記重合工程における単量体混合物が、単量体混合物の合計を100重量%として、不飽和カルボン酸5〜50重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル50〜95重量%および、その他共重合可能な単量体成分0〜10重量%からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔14〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔16〕前記熱可塑性共重合体が、(iii)グルタル酸無水物単位を5〜50重量%含有することを特徴とする前記〔15〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔17〕前記〔1〕〜〔16〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体に更にゴム質含有重合体(D)を配合してなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
〔18〕ゴム質含有重合体(D)が内部に1層以上のゴム質層を有する多層構造重合体である前記〔17〕に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
〔19〕多層構造重合体の数平均粒子径が0.05〜1μmである前記〔18〕記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
[20]多層構造重合体の最外殻層を構成する重合体が前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位を含有する前記〔18〕または〔19〕に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
〔21〕多層構造重合体のゴム質層を構成する重合体がアクリル酸アルキルエステル単位、および芳香族ビニル単位を含有する前記〔18〕〜〔20〕のいずれかに記載の熱可塑性樹 脂組成物の製造方法を提供するものである。
重合工程に用いられる不飽和カルボン酸単量体としては特に制限はなく、他のビニル化合物と共重合させることが可能ないずれの不飽和カルボン酸単量体も使用可能である。好ましい不飽和カルボン酸単量体として、下記一般式(2)
で表される化合物、マレイン酸、及びさらには無水マレイン酸の加水分解物などが挙げられるが、特に熱安定性が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種または2種以上用いることができる。なお、上記一般式(2)で表される不飽和カルボン酸単量体は、共重合すると下記一般式(3)で表される構造の不飽和カルボン酸単位を与える。
有機溶媒(C)の添加量が200重量部を越える場合、後の脱揮工程および環化工程において、溶媒除去が不十分となり、熱可塑性共重合体(B)の発生ガス量が増大し、熱安定性が低下するため好ましくない。一方、発生ガス量低減のために残存溶媒を低減させるには、脱揮および環化工程において、高温・長時間の処理を必要とするために、熱可塑性共重合体(B)が著しく着色するため、好ましくない。
重合体含有量(重量%)={(S0−A1)/S0}×100
なお、ここで各記号は下記の数値を示す。
A1=乾燥後の共重合体(A)の重量(g)
S0=共重合体溶液(a)の重量(g)
本発明の特徴は、重合工程によって得られた共重合体溶液(a)を、続く脱揮工程において、連続式脱揮装置に供給し、未反応単量体、または未反応単量体と重合溶媒からなる混合物を分離除去することにより、後述する環化工程において、効率よく(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールが進行させ、塊状重合法または溶液重合法を用いても、得られる熱可塑性共重合体(B)に残存する未反応単量体や重合溶媒が低減され、熱安定性に優れることを見出し、本発明に到達した点にある。
本発明における環化工程、すなわち共重合体(A)を加熱し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールにより分子内環化反応を行いグルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体を製造する際には、環化装置として連続混練押出装置を用い、200〜350℃、より好ましくは250〜330℃の範囲で行うことが重要である。
また、本発明の熱可塑性共重合体(B)の製造方法においては、脱揮工程で分離除去した未反応単量体、もしくは未反応単量体と有機溶媒(C)の混合物を前記重合工程にリサイクルすることが好ましい。また、本発明においては、上記脱揮工程で除去した未反応単量体または、未反応単量体と有機溶媒(C)の混合物(以下、総称して揮発成分と呼ぶことがある)を回収し、重合工程において再利用することが好ましい。
最外層が不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および不飽和カルボン酸単位を含有する重合体である場合、加熱することにより、前述した本発明の熱可塑性共重合体(B)の製造時と同様に、分子内環化反応が進行し、前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位が生成する。従って、最外層に不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および不飽和カルボン酸単位を含有する重合体を有する多層構造重合体を熱可塑性共重合体(B)に配合して溶融混練する際の加熱により、最外層に前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位を含有する多層構造重合体が得られる。これにより、連続相(マトリックス相)となる熱可塑性共重合体(B)中に、前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位を含有する多層構造重合体が良好に分散することが可能となり、本発明の熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性等の機械特性向上とともに、極めて高度な透明性が発現しうるものと考えられる。
重合工程で得られた共重合体溶液(a)5gをテトラヒドロフラン50gに溶解し、ヘキサン500gに再沈殿し、濾過後、140℃にて1時間真空乾燥して、共重合体(A)の白色粉末を得た。得られた共重合体(A)の重量を測定し、下記式から共重合体溶液(a)中の重合体含有率を算出した。
重合体含有量(重量%)={(S0−A1)/S0}×100
なお、各記号は下記の数値を示す。
A1=乾燥後の共重合体(A)の重量(g)
S0=共重合体溶液(a)の重量(g)
ガスクロマトグラフにより共重合体溶液(a)および仕込み原料溶液中の未反応単量体濃度(重量%)を定量し、下式より算出した。
重合率(φ)=100×(1−M1/M0)
なお、各記号は下記の数値を示す。
M1=共重合体溶液(a)中の未反応単量体濃度(重量%)
M0=仕込み原料溶液中の単量体濃度(重量%)
環化工程に導入する前の共重合体(A)および環化後の熱可塑性共重合体(B)各1gをテトラヒドロフラン20gに溶解し、ガスクロマトグラフにより残存する未反応単量体および/または有機溶媒(C)を定量し、下式より揮発成分の含有量を算出した。
揮発成分含有量(重量%)={(α+β)/P1}×100
なお、各記号は下記の数値を示す。
α =ガスクロマトグラフより定量した残存モノマーの重量(g)
β =ガスクロマトグラフより定量した有機溶媒(C)の重量(g)
P1=サンプリングした共重合体(A)または熱可塑性重合体(B)の重量(g)
得られた共重合体(A)および熱可塑性共重合体(B)10mgをテトラヒドロフラン2gに溶解して、測定サンプルとした。テトラヒドロフランを溶媒として、DAWN−DSP型多角度光散乱光度計(Wyatt Technology社製)を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフ(ポンプ:515型,Waters社製、カラム:TSK−gel−GMHXL,東ソー社製)を用いて、重量平均分子量(絶対分子量)、数平均分子量(絶対分子量)を測定した。分子量分布は、重量平均分子量(絶対分子量)/数平均分子量(絶対分子量)で算出した。
重ジメチルスルフォキシド中、30℃で1H−NMRを測定し、各共重合単位の組成決定を行った。
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。
得られた熱可塑性共重合体を、ガラス転移温度+140℃で射出成形し、得た厚さ1mm成形品の23℃での全光線透過率(%)を東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを用いて測定し、透明性を評価した。
得られた熱可塑性共重合体を、ガラス転移温度+140℃で射出成形し、得た厚さ1mm成形品のYI値をJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定した。
得られた熱可塑性共重合体ペレットをメチルエチルケトンに濃度25重量%で、室温で24時間攪拌しながら溶解させ、得られた熱可塑性共重合体溶液をガラス板状に流延した後、50℃で20分、次いで80℃で30分乾燥処理を行い、厚さ100±5μmのフィルムを作成した。このフィルムを光学顕微鏡で観察し、1mm四方単位面積当たりの20μm以上の異物数をカウントした。これを1サンプルあたり、無作為に10カ所の点で観察、異物数のカウントを繰り返し、その平均値を1mm四方単位面積当たりの異物数(個/mm2)とし評価した。
得られた熱可塑性共重合体(B)ペレット5gを80℃で12時間予備乾燥し、ガラス転移温度+130℃に温調した加熱炉内で30分間加熱処理した前後での重量を測定し、下式により算出した重量減少率を滞留時のガス発生量として評価した。
重量減少率(重量%)={(W0−W1)/W0}×100
なお、各記号は下記の数値を示す。
W0=加熱処理前の熱可塑性共重合体(B)の重量(g)
W1=加熱処理後の熱可塑性共重合体(B)の重量(g)
得られた熱可塑性共重合体(B)ペレットを80℃で12時間予備乾燥し、東洋精機社製キャピログラフ1C型(ダイス径φ1mmダイス長5mm)を用いて、ガラス転移温度+130℃、剪断速度12/秒にて測定した。
(A−1):連続塊状重合法
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、20L/分の窒素ガスで15分間バブリングした下記処方の単量体混合物を3kg/hの速度で連続的に供給し、50rpmで撹拌し、内温が130℃に制御し、平均滞留時間3時間で、連続重合を行った。重合率は60%であり、得られた共重合体溶液(a)の共重合体(A)含有量すなわち固形分は60重量%であった。また、共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、60Pa・sであった。得られた共重合体溶液(a)10gを40gのテトラヒドロフランに溶解し、500mLのヘキサンに再沈殿させることで、パウダー状の共重合体(A−1)を得た。この共重合体(A−1)の、重量平均分子量は110000であった。
メタクリル酸 30重量部
メタクリル酸メチル 70重量部
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン 0.05重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.3重量部。
原料を表1に示す単量体混合物に変更した以外は、(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−2)〜(A−5)を得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−2)〜(A−5)の特性を表1に示した。
有機溶媒(C)としてメチルエチルケトンを使用し、表1に示す原料混合物に変更した以外は、(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−6)〜(A−13)を得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−6)〜(A−13)の特性を表1に示した。
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、下記処方の単量体混合物の合計10kgをプランジャーポンプにて供給し、50rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、反応系を撹拌しながら85℃に昇温し、120分間保った後、重合を終了した。重合率は60%であり、得られた共重合体溶液(a)の共重合体(A)含有量すなわち固形分は60重量%であった。また、共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、30Pa・sであった。得られた共重合体溶液(a)10gを40gのテトラヒドロフランに溶解し、500mLのヘキサンに再沈殿させることで、パウダー状の共重合体(A−14)を得た。この共重合体(A−14)の、重量平均分子量は68000であった。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 75重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.08重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部。
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、下記処方の原料混合物の合計10kgをプランジャーポンプにて供給し、50rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、反応系を撹拌しながら85℃に昇温し、120分間保った後、重合を終了した。重合率は95%であり、得られた共重合体溶液(a)の共重合体(A)含有量すなわち固形分は67重量%であった。また、共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、30Pa・sであった。得られた共重合体溶液(a)10gを40gのテトラヒドロフランに溶解し、500mLのヘキサンに再沈殿させることで、パウダー状の共重合体(A−15)を得た。この共重合体(A−15)の、重量平均分子量は70000であった。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 75重量部
2−メトキシ−2−プロパノール 30重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.05重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部。
容量が20リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体系懸濁剤(以下の方法で調整した。メタクリル酸メチル20重量部、アクリルアミド80重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、イオン交換水1500重量部を反応器中に仕込み反応器中を窒素ガスで置換しながら70℃に保つ。反応は単量体が完全に、重合体に転化するまで続け、アクリル酸メチルとアクリルアミド共重合体の水溶液として得る。得られた水溶液を懸濁剤として使用した)2.5gをイオン交換水8250gに溶解した溶液を供給し、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、下記単量体混合物の合計5000gを反応系を撹拌しながら添加し、70℃に昇温した。内温が70℃に達した時点を重合開始として、180分間保ち、重合を終了した。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(A−16)を得た。この共重合体(A−16)の重合率は98%であり、重量平均分子量は13万であった。
メタクリル酸 27重量部
メタクリル酸メチル 73重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.3重量部。
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、下記処方の単量体混合物の合計10kgをプランジャーポンプにて供給し、50rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、反応系を撹拌しながら100℃に昇温して重合を開始したところ、重合開始から160分の時点で、重合暴走が起こり、攪拌が停止し、重合継続が困難となった。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 75重量部
ラウロイルパーオキサイド 1.2重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部。
特許文献2、比較例19に開示された製造方法で共重合体(A−18)得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−18)の特性を表1に示した。
特許文献3、比較例14に開示された製造方法で共重合体(A−19)得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−19)の特性を表1に示した。
共重合体溶液(a)および共重合体(A−20)の特性を表1、2に示した。
〔比較例13〜27〕:(B−1)〜(B−15)
参考例で得られた共重合体(A−1)〜(A−15)を含む共重合体溶液(a)をギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=28.0、ベント部:3箇所)に、供給速度3.0kg/hで供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部分より減圧し、圧力20Torrにて脱揮を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
脱揮工程におけるシリンダ温度を100℃とした以外は、比較例13と同様の方法にて脱揮、環化を行いペレット状の熱可塑性共重合体(B−16)を得た。
脱揮工程におけるシリンダ温度を200℃とした以外は、比較例13と同様の方法にて脱揮、環化を行いペレット状の熱可塑性共重合体(B−17)を得た。
参考例で得られた共重合体(A−2)を含む共重合体溶液(a)をギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=28.0、ベント部:3箇所)に、供給速度3.0kg/hで供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部分より減圧し、圧力20Torrにて脱揮を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
表2に示す共重合体(A)を含む共重合体溶液(a)をギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=28.0、ベント部:3箇所)に、供給速度3.0kg/hで供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部分より減圧し、圧力20Torrにて脱揮を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
参考例で得られた共重合体(A−9)ビーズを38mmφ二軸・単軸複合型連続混練押出機(HTM38(CTE社製、L/D=47.5、ベント部:2箇所)に供給した。ホッパー部より窒素を10L/分の量でパージしながら、スクリュー回転数75rpm、原料供給量10kg/hにて、それぞれ表1に示すシリンダ温度条件で分子内環化反応を行い、ペレット状のグルタル酸無水物含有熱可塑性共重合体(B−28)を得た。
特許文献2、実施例7に開示された方法に従い、参考例で得られた共重合体(A−11)を含む共重合体溶液(a)を250℃に加熱した高温真空室に供給し、60分間、圧力50Torrにて、脱揮と環化反応を行い、塊状生成物を粉砕して、熱可塑性共重合体(B−29)を得た。
特許文献3、実施例2に開示された方法に従い、参考例で得られた共重合体(A−12)を含む共重合体溶液(a)を260℃に加熱した脱揮タンクに供給し、30分間、圧力20Torrにて、脱揮と環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体(B−30)を得た。
特許文献4、実施例17に開示された方法に従い、参考例で得られた共重合体(A−13)を含む共重合体溶液(a)を260℃に加熱した脱揮タンクに供給し、30分間、圧力20Torrにて、脱揮と環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体(B−31)を得た。
参考例で得られた共重合体(A−2)を含む共重合体溶液(a)を、特許文献2に開示された方法に基づき、250℃に加熱した高温真空室に供給し、60分間、圧力50Torrにて、脱揮と環化反応を行い、塊状生成物を粉砕して、熱可塑性共重合体(B−32)を得た。
参考例で得られた共重合体(A−2)を含む共重合体溶液(a)を、特許文献3に開示された方法に基づき、260℃に加熱した脱揮タンクに供給し、30分間、圧力20Torrにて、脱揮と環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体(B−33)を得た。
表3に示す共重合体(A−1)〜(A−15)を含む共重合体溶液(a)を、ギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=10.0、バックベント部:1箇所、フォアベント部:3箇所)に、供給速度8.0kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部からの減圧操作は行わずに、圧力760Torrにて前脱揮処理を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
参考例で得られた共重合体(A−2)を含む共重合体溶液(a)を、ギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=10.0、バックベント部:1箇所、フォアベント部:3箇所)に、供給速度8.0kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部からの減圧操作は行わずに、圧力760Torrにて前脱揮処理を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
表3に示す共重合体(A−1)〜(A−15)を含む共重合体溶液(a)を、ギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=10.0、バックベント部:1箇所、フォアベント部:3箇所)に、供給速度8.0kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部からの減圧操作は行わずに、圧力760Torrにて前脱揮処理を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
<重合工程>:連続塊状重合法
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、20L/分の窒素ガスで15分間バブリングした下記処方の単量体混合物を8kg/hの速度で連続的に供給し、50rpmで撹拌し、内温が130℃に制御し、平均滞留時間3時間で、連続重合を行った。得られた共重合体溶液(a)をサンプリングし、分析を行った結果、重合率は60%であり、共重合体溶液(a)中の共重合体(A)含有量すなわち固形分は60重量%であった。また、得られた共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、60Pa・sであった。
メタクリル酸 30重量部
メタクリル酸メチル 70重量部
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン 0.05重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.3重量部。
続いて、上記重合工程で得られた共重合体溶液(a)を、ギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=45.0、バックベント部:1箇所、フォアベント部:3箇所)に、供給速度8.0kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部分より減圧し、圧力20Torrにて脱揮処理を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
続いて、脱揮工程で得られた共重合体(A)をギアポンプにより、メガネ翼を横型二軸撹拌装置(日立製作所製「日立メガネ翼重合機(商品名)」、容量24L、ベント部:1箇所)に、供給速度4.7kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数10rpm、シリンダ温度300℃、ベント部より減圧し、圧力10Torrにて環化反応を行い、ストランドカッターによりペレット化し、熱可塑性共重合体(B−58)を4.6kg/hの速度で製造した。この時の環化装置の平均滞留時間は60分であった。
上記前脱揮工程の二軸押出機のベント部を冷却器に接続し、揮発成分を2.8kg/hで回収した。続いて得られた回収液を蒸留塔に供給し、90℃、400Torrの条件で減圧蒸留し、回収液を連続的に精製し、97%を回収原料として得た。得られた回収原料は、重合工程で原料混合物としてリサイクルした。
<重合工程>:連続溶液重合法
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、20L/分の窒素ガスで15分間バブリングした下記処方の原料混合物を8kg/hの速度で連続的に供給し、50rpmで撹拌し、内温が130℃に制御し、平均滞留時間3時間で、連続重合を行った。得られた共重合体溶液(a)をサンプリングし、分析を行った結果、重合率は77%であり、共重合体溶液(a)中の共重合体(A)含有量すなわち固形分は50重量%であった。また、得られた共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、50Pa・sであった。
メタクリル酸 10重量部
メタクリル酸メチル 90重量部
メチルエチルケトン 66重量部
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン 0.1重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.3重量部。
続いて、上記重合工程で得られた共重合体溶液(a)を、ギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=45.0、バックベント部:1箇所、フォアベント部:3箇所)に、供給速度8.0kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部分より減圧し、圧力20Torrにて脱揮処理を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
続いて、脱揮工程で得られた共重合体(A)をギアポンプにより、メガネ翼を横型二軸撹拌装置(日立製作所製「日立メガネ翼重合機(商品名)」、容量24L、ベント部:1箇所)に、供給速度3.8kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数10rpm、シリンダ温度300℃、ベント部より減圧し、圧力10Torrにて環化反応を行い、ストランドカッターによりペレット化し、熱可塑性共重合体(B−59)を3.6kg/hの速度で製造した。この時の環化装置の平均滞留時間は60分であった。
上記前脱揮工程の二軸押出機のベント部を冷却器に接続し、揮発成分を4.2kg/hで回収した。続いて得られた回収液を蒸留塔に供給し、90℃、400Torrの条件で減圧蒸留し、回収液を連続的に精製し、97%を回収原料として得た。得られた回収原料は、重合工程で原料混合物としてリサイクルした。
<重合工程>:連続溶液重合法
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、20L/分の窒素ガスで15分間バブリングした下記処方の原料混合物を8kg/hの速度で連続的に供給し、50rpmで撹拌し、内温が130℃に制御し、平均滞留時間3時間で、連続重合を行った。得られた共重合体溶液(a)をサンプリングし、分析を行った結果、重合率は77%であり、共重合体溶液(a)中の共重合体(A)含有量すなわち固形分は50重量%であった。また、得られた共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、50Pa・sであった。
メタクリル酸 20重量部
メタクリル酸メチル 80重量部
メチルエチルケトン 66重量部
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン 0.1重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.3重量部。
続いて、上記重合工程で得られた共重合体溶液(a)を、ギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=45.0、バックベント部:1箇所、フォアベント部:3箇所)に、供給速度8.0kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部分より減圧し、圧力20Torrにて脱揮処理を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
続いて、脱揮工程で得られた共重合体(A)をギアポンプにより、メガネ翼を横型二軸撹拌装置(日立製作所製「日立メガネ翼重合機(商品名)」、容量24L、ベント部:1箇所)に、供給速度3.8kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数10rpm、シリンダ温度300℃、ベント部より減圧し、圧力10Torrにて環化反応を行い、ストランドカッターによりペレット化し、熱可塑性共重合体(B−60)を3.6kg/hの速度で製造した。この時の環化装置の平均滞留時間は60分であった。
上記前脱揮工程の二軸押出機のベント部を冷却器に接続し、揮発成分を4.2kg/hで回収した。続いて得られた回収液を蒸留塔に供給し、90℃、400Torrの条件で減圧蒸留し、回収液を連続的に精製し、97%を回収原料として得た。得られた回収原料は、重合工程で原料混合物としてリサイクルした。
<重合工程>:連続溶液重合法
容量が20リットルで、ダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、20L/分の窒素ガスで15分間バブリングした下記処方の原料混合物を8.0kg/hの速度で連続的に供給し、50rpmで撹拌し、内温が130℃に制御し、平均滞留時間3時間で、連続重合を行った。得られた共重合体溶液(a)をサンプリングし、分析を行った結果、重合率は77%であり、共重合体溶液(a)中の共重合体(A)含有量すなわち固形分は50重量%であった。また、得られた共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、50Pa・sであった。
メタクリル酸 30重量部
メタクリル酸メチル 70重量部
メチルエチルケトン 66重量部
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン 0.1重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.3重量部。
続いて、上記重合工程で得られた共重合体溶液(a)を、ギアポンプにより44mmφ二軸押出機(TEX−44(日本製鋼所社製、L/D=10.0、バックベント部:1箇所、フォアベント部:3箇所)に、供給速度8.0kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数75rpm、シリンダ温度150℃、ベント部からの減圧操作は行わずに、圧力760Torrにて前脱揮処理を行った。この時点で、脱揮後の共重合体(A)をサンプリングし、含有する揮発成分を測定した。
続いて、脱揮工程で得られた共重合体(A)をギアポンプにより、メガネ翼を横型二軸撹拌装置(日立製作所製「日立メガネ翼重合機(商品名)」、容量24L、ベント部:1箇所)に、供給速度3.8kg/hで連続的に供給し、スクリュー回転数10rpm、シリンダ温度300℃、ベント部より減圧し、圧力10Torrにて環化反応を行い、ストランドカッターによりペレット化し、熱可塑性共重合体(B−61)を3.6kg/hの速度で製造した。この時の環化装置の平均滞留時間は60分であった。
上記前脱揮工程の二軸押出機のベント部および後脱揮工程の二軸押出機のバックベント部を冷却器に接続し、揮発成分を4.2kg/hで回収した。続いて得られた回収液を蒸留塔に供給し、90℃、400Torrの条件で減圧蒸留し、回収液を連続的に精製し、97%を回収原料として得た。得られた回収原料は、重合工程で原料混合物としてリサイクルした。
冷却器付きのガラス容器(容量5リットル)内に脱イオン水120重量部、炭酸カリウム0.5重量部、スルフォコハク酸ジオクチル0.5重量部、過硫酸カリウム0.005重量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌後、アクリル酸ブチル53重量部、スチレン17重量部、メタクリル酸アリル(架橋剤)1重量部を仕込んだ。これら混合物を70℃で30分間反応させて、コア層重合体を得た。次いで、メタクリル酸メチル21重量部、メタクリル酸9重量部、過硫酸カリウム0.005重量部の混合物を90分かけて連続的に添加し、さらに90分間保持して、シェル層を重合させた。この重合体ラテックスを硫酸で凝固し、苛性ソーダで中和した後、洗浄、濾過、乾燥して、2層構造のゴム質含有重合体(D)を得た。電子顕微鏡で測定したこの重合体粒子の数平均粒子径は155nmであった。
上記の比較例32〜39、実施例41〜54および比較例1〜6で得られた熱可塑性共重合体(B)と上記参考例で得られたゴム質重合体(D)を表5に示した組成で配合し、2軸押出機(TEX30(日本製鋼社製、L/D=44.5)を用いてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数100rpmで混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。次いで、得られたペレット状の熱可塑性樹脂組成物を射出成形機(住友重機械工業社製 SG75H−MIV)に供して、各試験片を成形した。成形条件は成形温度:(熱可塑性重合体(B)のガラス転移温度+150)℃、金型温度:80℃、射出時間:5秒、冷却時間:10秒、成形圧力:金型に樹脂が全て充填される圧力(成形下限圧力)+1MPaで行った。
2:脱揮装置
2−1:前脱揮工程の脱揮装置
2−2:後脱揮工程の脱揮装置
3:環化装置
4:冷却装置
5:精製装置
6:熱可塑性共重合体(B)
Claims (21)
- (i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行うことにより、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、
<重合工程>
原料である不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物100重量部に対し、連鎖移動剤0.1〜2.0重量部と、重合温度における半減期が0.01〜60分であるラジカル重合開始剤を含有してなる原料混合液を重合槽に供給し、共重合体(A)の含有率が20〜80重量%となるまで反応させ、共重合体(A)と未反応単量体混合物からなる共重合体溶液(a)を製造する工程、
<脱揮工程>
前記重合工程に引き続いて、重合工程で得られた共重合体溶液(a)を連続式脱揮装置に供給し、重合温度以上300℃未満で、圧力が200Torr以下の減圧下において、連続的に脱揮し、未反応単量体を分離除去する脱揮工程であって、この脱揮工程は、重合温度以上、250℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧にした連続式脱揮装置で脱揮を行う前脱揮工程と、それに引き続いて、前脱揮工程における脱揮温度以上、300℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧した連続式脱揮装置で脱揮を行う後脱揮工程を含む工程、
<環化工程>
前記脱揮工程で得られた共重合体(A)を、200℃以上350℃以下の温度で、連続式混練押出装置中で加熱処理する工程、
を含むことを特徴とする熱可塑性共重合体の製造方法。
- (i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行うことにより、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、重合工程において、原料である不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物100重量部に対し、連鎖移動剤0.1〜2.0重量部と、重合温度における半減期が0.01〜60分であるラジカル重合開始剤を含有してなる原料混合液を重合槽に供給し、重合槽内の共重合体(A)の含有率を20〜80重量%に維持しながら連続重合させ、共重合体(A)と未反応単量体混合物からなる共重合体溶液(a)を連続的に製造し、引き続いて、重合工程で得られた共重合体溶液(a)を、連続的に脱揮装置に供給し、重合温度以上、250℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧にした連続式脱揮装置で脱揮を行う前脱揮工程と、それに引き続いて、前脱揮工程における脱揮温度以上、300℃以下に昇温し、200Torr以下に減圧した連続式脱揮装置で脱揮を行う後脱揮工程を含む脱揮工程において、未反応単量体を分離除去し、さらに引き続いて、前記脱揮工程で得られた共重合体(A)を連続的に環化装置に供給し、200℃以上350℃以下の温度で、環化装置内で加熱処理し、分子内環化反応すること(環化工程)、を連続的に行うことを特徴とする熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記重合工程が、共重合体(A)を溶解する有機溶媒(C)を、単量体100重量部に対して1〜200重量部含有し、重合工程で得られた共重合体溶液(a)から未反応単量体および有機溶媒(C)を除去することを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記重合工程における重合槽が完全混合型反応槽であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記脱揮工程における連続式脱揮装置が、筒状の容器と多数の攪拌素子を単数又は複数の回転軸に取り付けた撹拌装置を有し、筒部の一端に共重合体溶液(a)を供給する供給口と、他端に脱揮後の共重合体(A)を取り出す吐出口を有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記連続式脱揮装置がベントを有する二軸押出装置であることを特徴とする請求項5記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記環化工程における連続式混練押出装置が複数の攪拌素子と1個以上のベント口を備えた横型二軸攪拌装置であり、温度250℃〜350℃、圧力100Torr以下の条件で、20〜180分間滞留させて環化反応することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記横型二軸攪拌装置が、ケーシング内に、スクリュー部を形成した第1軸および第2軸が並列に配置された二軸スクリュー部、および二軸スクリュー部より延長された第1軸が配置された単軸スクリュー部を有し、かつ前記二軸スクリュー部と単軸スクリュー部の連通部に流量調節機構を備え、前記ケーシングに二軸スクリュー部に連通する原料供給口を備えるとともに、前記延長された第1軸の端部に連通する吐出口を備えた二軸・単軸複合型連続混練押出装置であることを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記横型二軸撹拌装置が、周囲に加熱媒体用のジャケットを有する容器と、この容器の少なくとも上部に1個のベント口を有し、この容器の一端に共重合体(A)を供給する供給口と、他端に熱可塑性共重合体(B)を取り出す吐出口を有し、この内部に少なくとも2本の攪拌軸を持ち、該軸には複数個の掻き取り羽根が取り付けられ、前記軸が同方向または異方向に回転した際に、該羽根が(a)各々の軸に取り付けられた羽根同士がぶつかり合うことがないように互いにずらして取り付けられ、羽根先端が容器内面および相手の攪拌軸表面と隙間を保って接しながら回転するか、または(b)各々の軸に取り付けられた羽根は互いに軸方向と直角の同一平面上に並ぶように配置され、かつ羽根先端は容器内面および相手の羽根の表面と隙間を保って接しながら回転し、それによって溶融状態の共重合体(A)を混練し、その表面を常に更新して、環化反応を進行させられる機能を有する装置であることを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 脱揮工程で分離除去した未反応単量体、もしくは未反応単量体と有機溶媒(C)の混合物を前記重合工程にリサイクルすることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 脱揮工程で分離除去した未反応単量体、もしくは未反応単量体と有機溶媒(C)の混合物を回収して得られた回収液から、重合工程にリサイクルするための回収原料を分離精製する「揮発分回収工程」を含有する請求項1〜10いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記重合工程において、連鎖移動剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対して0.1〜2.0重量部であることを特徴とする請求項1〜11いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記重合工程において、ラジカル重合開始剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対して0.001〜2.0重量部であることを特徴とする請求項1〜12いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記熱可塑性共重合体(B)の重量平均分子量が3〜15万であることを特徴とする請求項12または13に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記重合工程における単量体混合物が、単量体混合物の合計を100重量%として、不飽和カルボン酸5〜50重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル50〜95重量%および、その他共重合可能な単量体成分0〜10重量%からなることを特徴とする請求項1〜14いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記熱可塑性共重合体(B)が、(iii)グルタル酸無水物単位を5〜50重量%含有することを特徴とする請求項15に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 請求項1〜16いずれかに記載の熱可塑性共重合体(B)に更にゴム質含有重合体(D)を配合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- ゴム質含有重合体(D)が内部に1層以上のゴム質層を有する多層構造重合体である請求項17に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 多層構造重合体の数平均粒子径が0.05〜1μmである請求項18記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 多層構造重合体の最外殻層を構成する重合体が前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位を含有する請求項18または19に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 多層構造重合体のゴム質層を構成する重合体がアクリル酸アルキルエステル単位、および芳香族ビニル単位を含有する請求項18〜20のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248390A JP5374849B2 (ja) | 2006-09-26 | 2007-09-26 | 熱可塑性共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006260391 | 2006-09-26 | ||
JP2006260391 | 2006-09-26 | ||
JP2007248390A JP5374849B2 (ja) | 2006-09-26 | 2007-09-26 | 熱可塑性共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008106248A JP2008106248A (ja) | 2008-05-08 |
JP5374849B2 true JP5374849B2 (ja) | 2013-12-25 |
Family
ID=39439872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007248390A Expired - Fee Related JP5374849B2 (ja) | 2006-09-26 | 2007-09-26 | 熱可塑性共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5374849B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106459251B (zh) * | 2014-06-17 | 2018-09-28 | 大金工业株式会社 | 氢氟烃的回收方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA1231500A (en) * | 1981-10-07 | 1988-01-12 | Richard M. Kopchik | Thermoplastic, non-crosslinked anhydride polymers, imide polymers, and process for preparation |
JP4273794B2 (ja) * | 2002-03-26 | 2009-06-03 | 東レ株式会社 | 熱可塑性重合体、その製造方法および成形品 |
JP2004292811A (ja) * | 2003-03-12 | 2004-10-21 | Toray Ind Inc | 熱可塑性重合体、その製造方法、熱可塑性樹脂組成物および成形品 |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248390A patent/JP5374849B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008106248A (ja) | 2008-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2008035601A1 (fr) | Procédé destiné à produire un copolymère thermoplastique | |
JP2007191706A (ja) | 熱可塑性共重合体、その製造方法、およびそれから成る熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2008101203A (ja) | カルボキシル基含有アクリル共重合体の製造方法 | |
JP2008255175A (ja) | 熱可塑性重合体およびその製造方法 | |
JP2007118266A (ja) | アクリル系フィルムの製造方法およびアクリル系フィルム | |
JP2009235249A (ja) | 熱可塑性共重合体、熱可塑性樹脂組成物およびそれらからなる成形品 | |
EP1602688B1 (en) | Thermoplastic resin composition, molded article, and film | |
JP2008163187A (ja) | 熱可塑性重合体およびその製造方法 | |
JP2006265532A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP2006274118A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品、フィルムおよびシート | |
JP2008101201A (ja) | カルボキシル基含有アクリル共重合体の製造方法 | |
JP5374849B2 (ja) | 熱可塑性共重合体の製造方法 | |
JP4432551B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、成形品およびフィルム | |
JP2008081539A (ja) | 熱可塑性共重合体の製造方法 | |
JP2007254703A (ja) | 熱可塑性重合体およびその製造方法 | |
JP2007177229A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 | |
JP2008106225A (ja) | 熱可塑性重合体およびその製造方法 | |
JP2010001344A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および成形品 | |
JP2009227973A (ja) | 熱可塑性共重合体の製造方法および熱可塑性共重合体 | |
JP2006265543A (ja) | 共重合体の製造方法 | |
JPWO2008143245A1 (ja) | 熱可塑性共重合体の製造方法および熱可塑性共重合体 | |
JP2008088401A (ja) | 原共重合体および熱可塑性重合体ならびにそれらの製造方法 | |
JP2007162013A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法、およびそれを含む成形品またはフィルム | |
JP2009227720A (ja) | 熱可塑性共重合体の製造方法 | |
JP2009227971A (ja) | 熱可塑性共重合体の製造方法および熱可塑性共重合体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130507 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130628 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130827 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130909 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |