JP5374381B2 - 窒化アルミニウム単結晶多角柱状体及びそれを使用した板状の窒化アルミニウム単結晶の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム単結晶多角柱状体及びそれを使用した板状の窒化アルミニウム単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多角柱状の形状をした窒化アルミニウム単結晶(窒化アルミニウム単結晶多角柱状体)およびその製造方法、ならびに該多角柱状体を使用した板状の窒化アルミニウム単結晶の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶、および六方晶の単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶を成長させて多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を製造する方法、ならびに窒化アルミニウム焼結体を代表とする窒化アルミニウム原料を昇華せしめ、窒化アルミニウムを六方晶の無機単結晶基板上に析出させることにより窒化アルミニウム単結晶を生成・成長させて板状の窒化アルミニウム単結晶を製造する方法に関する。
窒化アルミニウム単結晶は、半導体デバイスの基板などへの応用の観点から、近年特に注目されている。この窒化アルミニウム単結晶の製造方法としては、原料の窒化アルミニウムを昇華させて、炭化ケイ素、窒化アルミニウムなどの種結晶上に析出させて窒化アルミニウム単結晶を成長させる方法が知られている。
たとえば、特許文献1では、99.99%窒化アルミニウム粉体を焼結した塊を昇華の原料とするとともに、表面を傾斜させたサセプターおよび種結晶を用いることにより、欠陥が少なく、大口径の単結晶を析出させる試みがされている。そして、ロッキングカーブ半値幅が小さく、厚さが20mm程度の単結晶が得られたことが記載されている。また、特許文献2では、窒化アルミニウム粉末を昇華の原料として用い、結晶成長容器の内壁に単結晶を接触させながら単結晶を成長させることにより、多結晶化を抑制する試みがされている。そして、上記方法によれば、表面粗さが小さい、直径48mm×厚さ1.5mmの窒化アルミニウム単結晶が得られたことが記載されている。
一方、窒化アルミニウム単結晶のウィスカーを製造する方法として、特許文献3には、アルミナ粉末に特定の金属酸化物を配合した組成物を原料とし、これを窒素雰囲気中、炭素の存在下に加熱することにより、該組成物中において窒化アルミニウム単結晶のウィスカーを生成させる方法が提案されている。
特開2004−284869号公報 特開2006−21964号公報 特開2005−132699号公報
前記、従来の窒化アルミニウム単結晶の製造方法においては、高い品質の窒化アルミニウム単結晶を得ることはできるが、成長速度が遅く、特に、大型の単結晶を得るために極めて長時間を要するという問題を有していた。
そこで、本発明の目的は、高い品質を備えた窒化アルミニウム単結晶を高い成長速度で効率良く得ることが可能な製造方法を提供することにある。
また、従来の窒化アルミニウム単結晶ウィスカーの製造方法においては、前記したように、原料粉末中でウィスカーの生成が起こるため、原料粉末の残存を防止することが困難であり、得られるウィスカー中には、分離が困難な状態で原料粉末が存在することが懸念される。また、生成したウィスカーには、原料の金属酸化物が残存しやすい。
そこで、本発明の他の目的は、微粉等の混入や不純物の含有量が少ない、窒化アルミニウム単結晶多角柱状体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究した結果、特定の窒化アルミニウム原料を用い、これを昇華せしめて六方晶の単結晶基板上に窒化アルミニウムを析出せしめて成長させることにより、極めて高純度の多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が高速度で生成すること、該多角柱状体は、粉末中に生成しないため、前記金属不純物や、微粉等の付着物が殆ど無いことを見出し、本発明を完成するに至った。また、前記単結晶基板上に生成した多角柱状の窒化アルミニウム単結晶は、窒化アルミニウムの昇華ガスを接触させると、窒化アルミニウム単結晶を高速で成長させることができ、大型の単結晶を得る際の前駆体として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。いいかえると、昇華に使用する窒化アルミニウム原料として、特定の窒化アルミニウム原料を組み合わせて用いることにより、上記課題(高い品質を備えた板状の窒化アルミニウム単結晶を高い成長速度で効率良く得ること)を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、たとえば前記方法によって得られる、下記[a]〜[c]を満たし、形状が多角柱状であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶柱状体が提供される。[a]金属不純物の含有量が検出限界以下である。[b]底面積が平均で5×103〜2×105μm2である。[c]高さが平均で50μm〜5mmである。
尚、金属不純物の含有量が検出限界以下とは、金属元素において、ICP発光分析による分析で、検出されないことを意味する。具体的には、窒化アルミニウム単結晶柱状体を粉砕後、硝酸及びリン酸を加え加熱分解し溶液を作製し、島津製作所製「ICPS−7510」を使用してICP発光分析を行う。なお、金属濃度は、予め準備した検量線を元に定量する。この分析において、金属不純物の含有量が検出されないことを意味する。例えば、イットリウムについては、5ppm以下である。
また、本発明の窒化アルミニウム単結晶柱状体は、希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で含む窒化アルミニウム原料(A)を2000℃以上に加熱して昇華させ、六方晶の単結晶基板上に窒化アルミニウムを析出させることにより多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させて得られたものであることが好ましい。
ここで、上記窒化アルミニウム単結晶柱状体は、上記六方晶の単結晶基板上に成長せしめた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を切断して得ることができる。
上記六方晶の無機単結晶基板は、α−Al23単結晶基板、SiC単結晶基板、又はAlN単結晶基板であることが好ましい。
本発明の窒化アルミニウム単結晶柱状体の製造方法は、希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で含む窒化アルミニウム原料(A)を2000℃以上に加熱して昇華させ、六方晶の単結晶基板上に窒化アルミニウムを析出させることにより多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の板状の窒化アルミニウム単結晶の製造方法は、[1]希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で含む窒化アルミニウム原料(A)を2000℃以上に加熱して昇華させ、六方晶の無機単結晶基板上に析出させることにより複数本の多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程と、[2]希土類酸化物の含有量が50ppm以下である窒化アルミニウム原料(B)を昇華させ、上記多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の表面に析出させることにより該窒化アルミニウム単結晶を更に成長させて板状の窒化アルミニウム単結晶と成す工程と、を含む。
上記六方晶の無機単結晶基板は、α−Al23単結晶基板、SiC単結晶基板、又はAlN単結晶基板であることが好ましい。
上記工程[1]は、上記六方晶の無機単結晶基板における窒化アルミニウム単結晶を成長させる面の面積に対する、析出した多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の底面積の合計の割合(生成密度)が20〜90%となるように、複数本の多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程であることが好ましい。
本発明の窒化アルミニウム単結晶柱状体は、高純度で且つ微粉を含まない新規なものであり、フィラー等の用途において、有効に使用することができる。また、上記窒化アルミニウム単結晶柱状体を製造するための本発明の方法によって得られる、前記窒化アルミニウム単結晶被覆構造体は、窒化アルミニウムを昇華して更に結晶を成長させれば、前記大型の単結晶を製造する際の前駆体としても有用である。
本発明に係る板状の窒化アルミニウム単結晶の製造方法によれば、高い品質と十分な大きさとを備えた単結晶が得られる。さらに、本発明に係る窒化アルミニウム単結晶の製造方法によれば、高い成長速度で上記のような単結晶が得られる。
図1は、本発明を説明するための図である。 図2は、本発明を説明するための図である。 図3は、本発明を説明するための図である。 図4−1は、実施例の工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を斜め上から見たSEM写真である。 図4−2は、工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を斜め上から見たSEM写真の一例である。 図5は、工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を上から見たSEM写真の一例である。 図6は、実施例の工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶における断面のSEM写真である。
符号の説明
1: 炉
10: 炉本体
12: るつぼ
14: 六方晶の無機単結晶基板
16: ガス排気口
18: ガス導入口
20: ヒーター
22: 多角柱状の窒化アルミニウム単結晶
24: 多角柱状の窒化アルミニウム単結晶22を成長させた基板
26: 板状の窒化アルミニウム単結晶
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る多角柱状の窒化アルミニウム単結晶は、下記[a]〜[c]を満たし、形状が多角柱状である(図4−2、図5参照)。[a]金属不純物の含有量が検出限界以下である。[b]底面積が平均で5×103〜2×105μm2である。[c]高さが平均で50μm〜5mmである。
この多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を製造するとともに、六方晶の無機単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶を成長させて板状の窒化アルミニウム単結晶を製造する方法は、後述する工程[1]および[2]を含む。
以下、本発明に用いられる装置の図を参照しながら、本発明について具体的に説明する。なお、以下の装置は、本発明に係る板状の窒化アルミニウム単結晶を製造するための装置の一例であり、本発明に係る板状の窒化アルミニウム単結晶を製造できるものであれば、その構成などは以下の説明には限定されない。
<工程[1]>
工程[1]では、希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で含む窒化アルミニウム原料(A)を昇華させ、六方晶の無機単結晶基板上に窒化アルミニウムを析出させることにより、複数本の多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる。
本発明に用いられる六方晶の無機単結晶基板としては、特に限定されないが、α−アルミナ(Al23)単結晶基板、窒化珪素(SiC)単結晶基板、窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板等が挙げられる。これらのうちで、一般的なエピタキシャル成長用α−アルミナ単結晶基板、具体的には、サファイア基板が好適であり、上記基板の結晶面としては、{1 1 −2 0}面および{0 0 0 1}面が好ましい。また、六方晶の無機単結晶基板の大きさは特に制限されないが、均一な厚さの板状の窒化アルミニウム単結晶を製造するためには、通常10〜50mm、好ましくは10〜30mmである。
また、六方晶の無機単結晶基板は、その表面を鏡面加工して、表面粗さ(Ra)を0.02μm以下としておくことが好ましい。これにより、基板と柱状結晶との接着強度が高くなること、および柱状結晶の成長方向がより垂直になるとともに均一になることなどの利点がある。
本発明に用いる窒化アルミニウム原料(A)は、希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で、好ましくは0.1〜10質量%の量で含むことが重要である。いいかえると、本発明では、希土類酸化物の含有量が特定の範囲にある焼結体(A)を用いることで、比較的低温での加熱でも多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が得られる。上記希土類酸化物としては、たとえば、Y23、CeO2、Ho23、Yb23、Gd23、Nd23、Sm23、Dy23などが挙げられ、これらのうちで、Y23、CeO2、Yb23が好ましい。即ち、窒化アルミニウム原料(A)が上記希土類酸化物を上記範囲の量で含んでいると、高い品質と十分な大きさとを備えた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を早い速度で成長させることができる。また、窒化アルミニウム原料(A)が上記希土類酸化物を上記範囲の量で含んでいると、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の生成本数を増やせるとともに、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶一つ一つの底面積を大きくすることができる。そして、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の生成密度(基板表面の面積に対する多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の占める割合)を後述するような適切な範囲にすることが可能である。なお、窒化アルミニウム原料(A)は、上記希土類酸化物を単独で含んでいても二種以上含んでいてもよく、二種以上含んでいるときは、それらの合計が上記範囲の量にあればよい。
上記希土類酸化物量は、蛍光X線分析法により測定することができる。具体的には、蛍光X線分析法により希土類金属の量を求め、次いで、この量を希土類酸化物の量に換算する。
本発明に使用する窒化アルミニウム原料(A)は、前記組成を有するものであれば特に制限されず、焼結体の形態でも良いし、窒化アルミニウム粉末と希土類酸化物粉末との混合物、或いは、その成形体であっても良い。しかし、後述する昇華を安定して実施し、確実に多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を形成するためには、焼結体の形態が最も好ましい。
上記焼結体(以下、かかる焼結体を「焼結体(A)」ともいう)は、上述のように、希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で、好ましくは0.1〜10質量%の量で含む。焼結体(A)の場合も、上記希土類酸化物量は、蛍光X線分析法により測定する。具体的には、蛍光X線分析法により、焼結体(A)中の希土類金属の量を求め、次いで、この量を焼結体(A)の製造に用いた希土類酸化物の量に換算する。なお、焼結体(A)の製造に用いた希土類酸化物の例示および好ましい範囲は上記と同様である。
上記焼結体は、具体的には以下のようにして製造することができる。原料である窒化アルミニウム粉末において、酸素濃度は特に制限されず、一般的に入手可能な粉末が用いられる。原料である窒化アルミニウム粉末に含まれる酸素濃度は通常0.5〜3.0重量%である。また、金属不純物濃度(Al以外の金属の濃度)が50ppm以下であることが好ましい。なお、窒化アルミニウム粉末において、酸素原子は、窒化アルミニウム粒子の表面にAl23の状態で存在していると考えられる。
原料である希土類酸化物としては、Y23、CeO2、Ho23、Yb23、Gd23、Nd23、Sm23、Dy23などが挙げられる。
また、希土類酸化物の比表面積(BET比表面積)は、焼結性の観点から1〜50m2/gであることが好ましい。
上述した希土類酸化物の使用量は、得られる焼結体(A)中の希土類酸化物の量が上記範囲になるよう適宜調整する。
窒化アルミニウム粉末と希土類酸化物粉末との混合は、公知の方法によって行うことができる。たとえば、ボールミル等の混合機によって、乾式または湿式により混合する方法が好適に採用できる。また、湿式混合では、アルコール類、炭化水素類等の分散媒を使用するが、分散性の点でアルコール類、炭化水素類を用いることが好ましい。
なお、この混合にあたっては、希土類酸化物の水分吸着または凝集を生じないように、ドライエア中で保存され、必要により真空乾燥された希土類酸化物の粉末を直ちに窒化アルミニウム粉末と混合するのがよい。
焼成に先立っては、上記のようにして得られた混合粉末を、所望の部材が得られるような形状に成形する。このような成形は、それ自体公知の手段で行うことができるが、強度の高い成形体とし、歩留まりを高めるためには、有機バインダーを用いて成形を行うことが好ましい。
たとえば、上記混合粉末を有機バインダーと、必要により分散剤、可塑剤、溶媒などとを混合して成形用スラリーまたはペーストを調製し、この成形用スラリーまたはペーストを、押出成形法、射出成形法、鋳込み成形法などの成形手段によって成形体を作製する。また、成形用スラリーから顆粒を作製して圧縮成形法により成形体を作製することも可能である。
有機バインダーとしては、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等のアクリル樹脂等を例示することができる。このような有機バインダーは、窒化アルミニウム粉末100重量部当り、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜15重量部の量で使用される。
また、分散剤としては、グリセリン化合物類などが挙げられ、可塑剤としては、フタル酸エステル類などが挙げられる。溶媒には、イソプロピルアルコールや炭化水素類などが使用される。
なお、有機バインダーを用いずに、圧縮成形法により成形を行うこともできる。たとえば、窒化アルミニウム粉末と希土類酸化物粉末との混合粉末を、一軸成形機にて、仮成形したグリーン体を製造し、これを、CIP(冷間等方圧)成形機にて1〜4t/cm2で加圧成形することにより、上記成形体を作製できる。
このようにして得られた成形体は、脱脂(脱バインダー)した後、焼成される。
脱脂は、空気中、窒素中、水素中等の任意の雰囲気で加熱することにより行うことができる。また、脱脂温度は、有機バインダーの種類によっても異なるが、一般には、300〜900℃、特に300〜700℃が好適である。なお、圧縮成形法のように、有機バインダーを用いずに成形したときは脱脂工程は不要である。
希土類酸化物の量を上記範囲とするために、焼成は、N2ガスなどの不活性ガス雰囲気で行われる。
上記不活性ガス雰囲気下における焼成は、温度1650〜1950℃で、1〜10時間実施することが好ましい。
上記焼成工程を経て焼結体(A)が得られる。
工程[1]では、上述した六方晶の無機単結晶基板および前記焼結体(A)に代表される窒化アルミニウム原料(A)と共に、たとえば、図1に示すような炉1を用いる。この炉1における炉本体10の中央には、カーボンの発生源としてカーボン製のるつぼ12が設けられている。まず、このるつぼ12に六方晶の無機単結晶基板14および窒化アルミニウム原料(A)を配置するが、六方晶の無機単結晶基板14の表面と窒化アルミニウム原料(A)の表面との距離を通常1〜35mm、好ましくは30〜35mmとすることが望ましい。上記範囲よりも距離が近すぎると、基板温度が所望の温度よりも高くなって、基板にダメージが加わる場合がある。また、上記範囲よりも距離が遠すぎると、単結晶が成長しない場合がある。尚、上記距離は、るつぼの大きさ等によって、最適範囲が異なるので、予め実験を行うことにより、最適な距離を決定することが好ましい。
次いで、炉本体10中の圧力を1〜1000kPa、好ましくは90〜1000kPaとする。具体的には、たとえば、ガス排気口16から排気を行うとともに、ガス導入口18から25℃で上記圧力となるようにN2ガスを導入する。また、N2ガスとしては、純度99.9999%以上であるガスがより好ましい。
炉本体10中が上記雰囲気になった後、炉本体10の外側に設けられた高周波加熱コイル20を作動し、るつぼ12、すなわち、窒化アルミニウム原料(A)および六方晶の無機単結晶基板14を加熱して、窒化アルミニウム原料(A)の温度T1を1900〜2300℃、好ましくは2000〜2300℃とするとともに、六方晶の無機単結晶基板14の温度T2を1800〜2100℃とする。温度T1が上記範囲より低いと、多角柱状体が製造できない場合がある。また、温度T1は、温度T2よりも50〜200℃、好ましくは100〜200℃高いことが好ましい。温度差が上記範囲より小さいと、多角柱状体が製造できない場合がある。なお、本発明において、六方晶の無機単結晶基板14および窒化アルミニウム原料(A)などの温度は、放射温度計などにより測定できる。また、上記説明においては、上記雰囲気になった後に加熱を開始する場合について説明したが、加熱を先に行ってもよく、また、上記雰囲気生成と同時に加熱を行ってもよい。
1およびT2を上記範囲とするために、制御系統が独立した2つのヒーターを用いてもよい。この場合は、具体的には、窒化アルミニウム原料(A)を加熱するためのヒーターの出力と、無機単結晶基板14を加熱するためのヒーターの出力とを、それぞれ上記温度となるように適宜調整する。
なお、工程[1]においては、上記のように窒化アルミニウム原料(A)とカーボンの発生源としてカーボン製のるつぼ12を共存させる。カーボンの発生源であるるつぼ12は加熱されて炭素ガスを発生し、るつぼ12内が還元性雰囲気となる。カーボンの発生源としては、カーボン製のるつぼの他、カーボン製の炉本体を用いてもよく、無定形炭素や黒鉛等のカーボンを用いてもよい。
上述してきた工程により、上記窒化アルミニウム原料(A)を昇華させ、上記六方晶の無機単結晶基板14上に窒化アルミニウムを析出させることにより、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶22を成長させることができる(図2参照)。したがって、工程[1]で得られる窒化アルミニウム単結晶被覆構造体は、六方晶の単結晶基板上に、多角柱状である窒化アルミニウム単結晶を成長せしめて有する。十分な大きさの多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させるためには、温度T1およびT2が上記範囲になってから、通常1〜3時間保持することが好ましい。
上記のようにして得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶は、通常下記[a]〜[c]を満たし、形状が多角柱状である(図4−2、図5参照)。[a]金属不純物の含有量が検出限界以下である。[b]底面積が平均で5×103〜2×105μm2である。[c]高さが平均で50μm〜5mmである。
尚、金属不純物の含有量が検出限界以下とは、アルミニウム以外の金属元素が、ICP発光分析による分析で、いずれも検出されないことを意味する。ここで、アルミニウム以外の金属元素とは、原料中に含まれる不純物金属等をいい、たとえばCa、Fe、Si、Ti、Ni、Cr、Na、希土類金属元素(たとえばY)等である。具体的には、窒化アルミニウム単結晶柱状体を粉砕後、硝酸及びリン酸を加え加熱分解し溶液を作製し、島津製作所製「ICPS−7510」を使用してICP発光分析を行う。なお、金属濃度は、予め準備した検量線を元に定量する。この分析において、アルミニウム以外の金属元素がいずれも検出されないことを意味する。例えば、イットリウムについては、5ppm以下である。その他のアルミニウム以外の金属元素について、Tiは0.6ppm以下、Ca、Fe、Crは1ppm以下、Niは2ppm以下、Naは5ppm以下、Siは9ppm以下である。
また、上記多角柱状の窒化アルミニウム単結晶において、通常、X線回折における(002)面のロッキングカーブ半値全幅は100〜300arcsecである。ロッキングカーブの半値全幅とは、試料がブラックの回折条件を満たす角度にX線発生装置と検出器とのなす角度を固定して、X線入射角ωを変化させて得られる回折チャートにおいて、最大検出カウント数の50%以上の値をとるωの範囲であり、この値が小さいほど単結晶の品質が高いことを意味する。
なお、窒化アルミニウム単結晶の生成は、X線回折測定により確認することができる。
なお、本発明に係る窒化アルミニウム単結晶柱状体は、六方晶の単結晶基板上に成長せしめた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を切断して得られる。
上述した条件で(特に、昇華の材料として、特定の希土類化合物を含む窒化アルミニウム焼結体を使用して)窒化アルミニウム単結晶を成長させれば、上述した物性を有する複数本の多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。
かかる単結晶は、生成密度が、好ましくは20〜90%、より好ましくは40〜85%となるように成長させることが望ましい。なお、生成密度とは、六方晶の無機単結晶基板における窒化アルミニウム単結晶を成長させる面の面積に対する、析出した多角柱状の窒化アルミニウム単結晶における底面積の合計の割合を意味する。上述した物性を有する単結晶の生成密度が上記範囲のうち、特に、40〜90%、より好ましくは60〜90%、さらに好ましくは60〜85%の範囲となってから工程[1]を終了すること、具体的には、高周波加熱コイル20による加熱を停止することにより、続く工程[2]を実施した場合において、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が横方向にも成長して相互に繋がって板状となり易く、また、同時に縦方向にも成長するため、十分な大きさの板状の単結晶を効率的に得ることができる。また、得られる単結晶も十分に高い品質を有する。
ところで、上記工程[1]で、焼結体(A)を用い、比較的低温での加熱でも多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が生成する機構は、以下のように考えられる。ここで用いられる焼結体(A)は、AlN粒子と、粒界に存在するAlと希土類金属とを含む複合酸化物およびAlとNと希土類金属とを含む複合酸窒化物とを含む。これは、焼結体(A)の製造に用いた希土類酸化物は、焼成過程でAlNやAlN粒子表面に存在するAl23と反応し、上記複合酸化物や上記複合酸窒化物となって、粒界に残存するためである。工程[1]で焼結体(A)が加熱されると、複合酸化物および複合酸窒化物はそれ自体が昇華するとともに、AlNの昇華を促進する。昇華した複合酸化物および複合酸窒化物は、カーボン発生源を共存させたことによって生成される還元雰囲気中でN2ガスと反応して(すなわち還元窒化され)、AlNとなり、基板上に析出する。もちろん、昇華したAlNも基板上に析出する。これにより、基板上に多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が生成する。このようにして、比較的低温での加熱でも多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が生成すると考えられる。
また、上記工程[1]で、AlN粉末および希土類酸化物粉末の混合物を用いたときの機構は、以下のように考えられる。まず、AlNやAlN粒子表面に存在するAl23と希土類酸化物とが反応し、Alと希土類金属とを含む複合酸化物およびAlとNと希土類金属とを含む複合酸窒化物が生成する。次いで、焼結体(A)の場合と同様に多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が生成する。このようにして、比較的低温での加熱でも多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が生成すると考えられる。
<工程[2]>
工程[1]に次いで、工程[2]では、希土類酸化物の含有量が50ppm以下である窒化アルミニウム原料(B)の窒化アルミニウムを昇華させ、前記多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の表面に析出させることにより該窒化アルミニウム単結晶を更に成長させて板状の窒化アルミニウム単結晶と成す。
より具体的には、工程[2]において、上記多角柱状の単結晶は、昇華した窒化アルミニウムの析出と共に、個々の単結晶における断面積が増加し、結合しあって最終的には一つの板状の単結晶になる。同時に析出は縦方向にも起こり、生成した板状の単結晶においてもその厚みが大きくなっていく。その結果、上記多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の少なくとも上部を取り込んで成長した板状の窒化アルミニウム単結晶が速い成長速度で得られる(図6参照)。
なお、上記多角柱状の単結晶の生成密度、或いは、多角柱の高さによっては、個々の単結晶における下部に十分な窒化アルミニウムが供給されず、該結晶の下部において断面積の増加は小さくなり、結合し合わないことがある。このような場合は、六方晶の単結晶基板と板状の窒化アルミニウム単結晶との間に、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶部分が残存する。このように、十分に板状の窒化アルミニウム単結晶が形成されていない部分が存在する場合は、後工程において残存する多角柱状の窒化アルミニウム単結晶部分を切断し、かかる部分を除去することも可能である。
本発明に用いられる窒化アルミニウム原料(B)は、希土類酸化物の含有量が50ppm以下、好ましくは40ppm以下である。0ppm以上50ppm以下、好ましくは0ppm以上40ppm以下であることが望ましい。なお、「希土類酸化物の含有量が50ppm以下である」とは、窒化アルミニウム原料(B)1kg中に希土類酸化物が合計で50mg以下に制限されていることを意味する。
上記希土類酸化物としては、Y23、CeO2、Ho23、Yb23、Gd23、Nd23、Sm23、Dy23などが挙げられる。
前記窒化アルミニウム原料(B)に含まれる希土類酸化物の含有量が上記範囲に制限されていると、高い品質と十分な大きさとを備えた板状の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。即ち、前記窒化アルミニウム原料(A)中の窒化アルミニウムの昇華により生成した窒化アルミニウム昇華ガスは、基板上に析出して適度な生成密度で多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を効率よく生成せしめ、次いで、前記窒化アルミニウム原料(B)中の窒化アルミニウムの昇華により生成した窒化アルミニウム昇華ガスは、該多角柱状の窒化アルミニウム単結晶上に析出して立体的に効率よく成長し、板状の単結晶窒化アルミニウム基板とすることができる。
上記希土類酸化物量は、ICP発光分析法により測定することができる。具体的には、蛍光X線分析法により希土類金属の量を求め、次いで、この量を希土類酸化物の量に換算する。
本発明に使用する窒化アルミニウム原料(B)は、前記のように希土類酸化物の含有量を制御された組成を有するものであれば特に制限されず、焼結体の形態でも良いし、窒化アルミニウム粉末、或いは、その成形体であっても良い。しかし、取扱い上、焼結体の形態が最も好ましい。
上記焼結体(以下、かかる焼結体を「焼結体(B)」ともいう)において、上述のように、希土類酸化物の量は50ppm以下、好ましくは40ppm以下である(0ppmを超え50ppm以下、好ましくは0ppmを超え40ppm以下であるか、あるいは0ppm(希土類酸化物を含まない)である)。原料(B)の場合も、上記希土類酸化物量は、蛍光X線分析法により測定する。具体的には、蛍光X線分析法により、原料(B)中の希土類金属の量を求め、次いで、この量を原料(B)の製造に用いた希土類酸化物の量に換算する。
上記焼結体は、具体的には以下のようにして製造することができる。
原料である窒化アルミニウム粉末は、純度97重量%以上、望ましくは99重量%以上のものが好ましい。最も好適には、金属不純物濃度(Al以外の金属の濃度)が50ppm以下であり、かつ酸素濃度が1重量%以下、特に0.8重量%以下に低減されている高純度のAlN粉末が使用される。
焼成に先立っては、上記粉末を、所望の部材が得られるような形状に成形する。このような成形は、それ自体公知の手段で行うことができるが、強度の高い成形体とし、歩留まりを高めるためには、有機バインダーを用いて成形を行うことが好ましい。
たとえば、上記粉末を有機バインダーと、必要により分散剤、可塑剤、溶媒などとを混合して成形用スラリーまたはペーストを調製し、この成形用スラリーまたはペーストを、押出成形法、射出成形法、鋳込み成形法などの成形手段によって成形体を作製する。また、成形用スラリーから顆粒を作製して圧縮成形法により成形体を作製することも可能である。
有機バインダーとしては、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等のアクリル樹脂等を例示することができる。このような有機バインダーは、窒化アルミニウム粉末100重量部当り、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜15重量部の量で使用される。
また、分散剤としては、グリセリン化合物類などが挙げられ、可塑剤としては、フタル酸エステル類などが挙げられる。溶媒には、イソプロピルアルコールや炭化水素類などが使用される。
なお、有機バインダーを用いずに、圧縮成形法により成形を行うこともできる。たとえば、窒化アルミニウム粉末を、一軸成形機にて、仮成形したグリーン体を製造し、これを、CIP(冷間等方圧)成形機にて1〜4t/cm2で加圧成形することにより、上記成形体を作製できる。
このようにして得られた成形体は、脱脂(脱バインダー)した後、焼成される。
脱脂は、空気中、窒素中、水素中等の任意の雰囲気で加熱することにより行うことができる。また、脱脂温度は、有機バインダーの種類によっても異なるが、一般には、300〜900℃、特に300〜700℃が好適である。なお、圧縮成形法のように、有機バインダーを用いずに成形した場合、脱脂工程は不要である。
上記不活性ガス雰囲気下における焼成は、温度1650〜1950℃で、1〜10時間実施することが好ましい。
上記焼成工程を経て焼結体(B)が得られる。
工程[2]では、上記多角柱状の窒化アルミニウム単結晶22を成長させた基板24(本明細書において、工程[1]で得られた基板24ともいう。)および窒化アルミニウム原料(B)を、るつぼ12に配置する(図2参照)。このとき、具体的には、たとえば工程[1]後、高周波加熱コイル20による加熱を停止してるつぼ12内を常温まで冷却し、炉本体10中の雰囲気を常圧に戻した後、窒化アルミニウム原料(A)を窒化アルミニウム原料(B)に取り替える。また、工程[1]で得られた基板24の表面(ここで、表面とは多角柱状体の先端ではなく、工程[1]に用いた六方晶の無機単結晶基板の表面をいう。)と窒化アルミニウム原料(B)の表面との距離を通常1〜35mm、好ましくは30〜35mmとすることが好ましい。上記範囲よりも距離が近すぎると、基板温度が所望の温度よりも高くなり、基板にダメージが加わる場合がある。また、上記範囲よりも距離が遠すぎると、単結晶が成長しない場合がある。尚、上記距離は、るつぼの大きさ等によって、最適範囲が異なるので、予め実験を行うことにより、最適な距離を決定することが好ましい。次いで、炉本体10中の圧力を1〜1000kPa、好ましくは90〜1000kPaとする。具体的には、たとえば、ガス排気口16から排気を行うとともに、ガス導入口18から25℃で上記圧力となるようにN2ガスまたはArガスを導入する。なお、N2ガスが好適に用いられる。また、N2ガスまたはArガスとしては、純度99.9999%以上であるガスがより好ましい。
炉本体10中が上記雰囲気になった後、炉本体10の外側に設けられた高周波加熱コイル20を作動し、るつぼ12、すなわち、窒化アルミニウム原料(B)および工程[1]で得られた基板24を加熱して、窒化アルミニウム原料(B)の温度T3を1900〜2300℃とするとともに、工程[1]で得られた基板24の温度T4を1800〜2100℃とする。また、温度T3は、温度T4よりも50〜200℃高いことが好ましい。また、上記説明においては、上記雰囲気になった後に加熱を開始する場合について説明したが、加熱を先に行ってもよく、また、上記雰囲気生成と同時に加熱を行ってもよい。
3およびT4を上記範囲とするために、制御系統が独立した2つのヒーターを用いてもよい。この場合は、具体的には、窒化アルミニウム原料(B)を加熱するためのヒーターの出力と、工程[1]で得られた基板24を加熱するためのヒーターの出力とを、それぞれ上記温度となるように適宜調整する。
上述してきた工程により上記窒化アルミニウム原料(B)の窒化アルミニウムを昇華させ、上記工程[1]で得られた基板24に生成した単結晶上にさらに析出させて板状の窒化アルミニウム単結晶26を成長させることができる(図3参照)。十分な大きさおよび厚みを有する板状の窒化アルミニウム単結晶を成長させるためには、温度T3およびT4が上記範囲になってから、通常1〜50時間保持することが好ましい。
なお、図1〜3には詳しく示していないが、るつぼ12は、容器本体とふたとからなる。上記工程[1]、[2]においては、容器本体に原料(A)または(B)を入れ、ふたに基板14または基板24を装着している。容器本体とふたとは密閉されないため、ガス排気口18およびガス導入口16を用いて排気やガスの導入を行うと、るつぼ12内の雰囲気も変えることができる。
また、上記工程[1]、[2]において、多角柱状または板状の窒化アルミニウム単結晶の表面の温度は、通常基板14または基板24の温度と同じであるとみなせる。しかしながら、上記窒化アルミニウム単結晶の厚みが大きくなり、窒化アルミニウム単結晶の表面の温度がT2またはT4の範囲から外れるときは、窒化アルミニウム単結晶の表面と原料(A)または(B)の表面との距離を変化させて、窒化アルミニウム単結晶の表面の温度を温度T2またはT4の範囲に維持してもよい。
上記の方法により、厚みが0.05〜10mm程度の板状の窒化アルミニウム単結晶を効率よく得ることができる。また、板状の窒化アルミニウム単結晶の直径は用いた基板14の大きさや装置に依存するが、上記の方法によれば通常10〜50mm、好ましくは10〜30mmとなる。
また、工程[2]によれば、高い成長速度で上記のような単結晶が得られる。具体的には、本発明の二つの工程による製造方法と従来の製造方法とについて、同程度の高い品質を有する板状の単結晶を製造する場合で比較すると、本発明の製造方法(工程[2])では、成長速度300μm/h以上を達成可能であり、従来の製造方法の100μm/hに対して、極めて高速で板状の単結晶窒化アルミニウムを得ることができる。
また、上記のようにして得られる板状の窒化アルミニウム単結晶において、通常、X線回折における(002)面のロッキングカーブ半値全幅は100〜200arcsecである。
なお、工程[1]において記載したように、窒化アルミニウム単結晶の生成は、X線回折測定により確認することができる。
このように先に柱状のAlN単結晶を育成し、その表面にAlN単結晶を育成して板状と成した場合、下地結晶との不整合が少ないため、貫通転位や格子歪みの無い高品位を有する板状の窒化アルミニウム単結晶が得られるという利点を有する。また、その大きさもφ50mmの形状も可能である。
上述した条件で窒化アルミニウム単結晶を成長させれば、上述した物性を有する板状の窒化アルミニウム単結晶を成長させられる。
また、前述したように、本発明においては、窒化アルミニウム原料(A)を用いて多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程を経てから、窒化アルミニウム原料(B)を用いて最終的に板状の窒化アルミニウム単結晶を得るため、高い品質と十分な大きさとを備えた単結晶が得られる。
本発明に係る多角柱状の窒化アルミニウム単結晶は、高靭性窒化アルミニウム基板のフィラーとして好適に利用できる。また、高い配向性を有する窒化アルミニウム膜の原料としても好適に利用できる。
また、本発明に係る多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を配向させて成形し、焼結すれば、高い熱伝導性を有する窒化アルミニウム基板を製造できる。
なお、本発明によって得られた板状の窒化アルミニウム単結晶が形成された六方晶の単結晶基板について、六方晶の単結晶基板と板状の窒化アルミニウム単結晶との間に多角柱状の窒化アルミニウム単結晶部分が存在するときは、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶部分で、六方晶の単結晶基板と平行に切断すれば、工程[1]で得られた基板(多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させた基板)と同じ構成を有する基板とすることができる。従って、この基板を使用することにより、工程[1]の操作を省略して、工程[2]を直接実施することができる。
また、本発明によって得られた板状の窒化アルミニウム単結晶が形成された六方晶の単結晶基板について、板状の窒化アルミニウム単結晶部分で、六方晶の単結晶基板と平行に切断し、その表面を鏡面加工した基板を作製してもよい。この鏡面加工された基板は、さらに板状の単結晶を成長させるための基板として用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
〔評価方法〕
1.単結晶の大きさ
走査型電子(SEM)顕微鏡を用いて、倍率50〜1000倍で上部から多角柱状のAlN単結晶の写真を撮り、単結晶の大きさを測定した。
2.結晶性評価
X線回折装置を用いて、各面方位のピークの半値幅から結晶性を評価した。
3.焼結体(A)、焼結体(B)中の希土類酸化物の濃度
蛍光X線分析装置により希土類酸化物濃度を分析した。ICP発光分析法により希土類金属濃度を測定し、希土類酸化物量を算出した。具体的には、試料を粉砕後、硝酸及びリン酸を加え加熱分解し溶液を作製し、島津製作所製「ICPS−7510」を使用してICP発光分析を行った。なお、金属濃度は、予め準備した検量線を元に定量した。より詳細には、焼結体(A)中の希土類金属の量を求め、次いで、この量を焼結体(A)の製造に用いた希土類酸化物の量に換算した。焼結体(B)についても同様に求めた。
4.柱状体中の金属不純物の含有量
窒化アルミニウム単結晶柱状体を粉砕後、硝酸及びリン酸を加え加熱分解し溶液を作製し、島津製作所製「ICPS−7510」を使用してICP発光分析を行った。なお、金属濃度は、予め準備した検量線を元に定量した。
5.生成密度
1mm□の範囲のSEM写真を撮影し、単位面積あたりの多角柱状のAlN単結晶の生成面積(析出面積)からAlN単結晶の占有率を求め、生成密度を算出した。
〔焼結体(A)の作製〕
酸素濃度0.8wt%、Al以外の金属元素濃度35ppmの窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、比表面積が12m2/gの酸化イットリウムを5重量部添加し、有機バインダー、可塑剤、および滑剤を添加して、混合し、顆粒を作製した後、一軸プレス成形法により、板状の成形体を作製した。
得られた成形体を空気雰囲気中で保持温度550℃、保持時間4時間で脱脂した。次いで、この脱脂体を、窒素雰囲気中、保持温度1800℃、保持時間5時間で焼成した。
これにより、φ30mm、厚み5mmの焼結体(A)が得られた。焼結体(A)の希土類酸化物の濃度は3.8質量%であった。
〔焼結体(B)の作製〕
酸素濃度0.8wt%、Al以外の金属元素濃度50ppmの窒化アルミニウム粉末に対して、有機バインダー、可塑剤、および滑剤を添加し、混合し、顆粒を作製した後、一軸プレス成形法により、板状の成形体を作製した。
得られた成形体を空気雰囲気中で保持温度550℃、保持時間4時間で脱脂した。次いで、この脱脂体を、窒素雰囲気中、保持温度1850℃、保持時間8時間で焼成した。
これにより、φ30mm、厚み5mmの焼結体(B)が得られた。焼結体(B)の希土類酸化物の濃度は20ppmであった。
〔実施例1〕
<工程[1]>
工程[1]では、サファイア基板(直径10mm)および焼結体(A)とともに、図1に示す炉1を用いた。この炉1における炉本体10の中央には、カーボン製のるつぼ12が設けられていた。まず、このるつぼ12にサファイア基板および焼結体(A)を配置したが、サファイア基板の表面と焼結体(A)の表面との距離を30mmとした。次いで、炉本体10中の雰囲気を100kPaの窒素ガス雰囲気とした。具体的には、ガス排気口16から排気を行うとともに、ガス導入口18から上記圧力となるように窒素ガス(純度99.9999%)を導入した。
炉本体10中が上記雰囲気になった後、炉本体10の外側に設けられた高周波加熱コイル20を作動し、るつぼ12、すなわち、焼結体(A)およびサファイア基板を加熱して、焼結体(A)の温度T1を2100℃とするとともに、サファイア基板の温度T2を1950℃とした。
上述してきた工程により、上記焼結体(A)の窒化アルミニウムを昇華させ、上記サファイア基板上に析出させて多角柱状の窒化アルミニウム単結晶22を成長させた(図2参照)。温度T1およびT2が上記温度になってから、1時間保持した。このとき、生成密度が70%となったため、高周波加熱コイル20による加熱を停止した。
多角柱状のAlN単結晶は、ピンセットにより基板から剥がして各種分析に使用した。
<工程[2]>
工程[2]では、工程[1]で得られた基板および焼結体(B)を、るつぼ12に配置した(図2参照)。このとき、具体的には、高周波加熱コイル20による工程[1]での加熱を停止してるつぼ12内を常温まで冷却し、炉本体10中の雰囲気を常圧に戻した後、焼結体(A)を焼結体(B)に取り替えた。また、工程[1]で得られた基板の表面と焼結体(B)の表面との距離を30mmとした。次いで、炉本体10中の雰囲気を100kPaの窒素ガス雰囲気とした。具体的には、工程[1]と同様にして上記雰囲気を生成した。
炉本体10中が上記雰囲気になった後、炉本体10の外側に設けられた高周波加熱コイル20を作動し、るつぼ12、すなわち、焼結体(B)および工程[1]で得られた基板を加熱して、焼結体(B)の温度T3を2100℃とするとともに、工程[1]で得られた基板の温度T4を1950℃とした。
上述してきた工程により上記焼結体(B)の窒化アルミニウムを昇華させ、上記工程[1]で得られた基板上にさらに析出させて板状の窒化アルミニウム単結晶26を成長させた(図3参照)。温度T3およびT4が上記範囲になってから、通常2時間保持した。その後高周波加熱コイル20による加熱を停止した。
また、基板は、評価のために、ダイヤモンドペンで切断した。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
図4−1のSEM写真より、工程[1]では多角柱状の窒化アルミニウム単結晶が生成したことが分かる。
また、多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の底面積は平均で7.1×104μm2であり、高さは平均で300μmであった。
X線回折による002面のピークの半値幅は、250arcsecであった。また、金属不純物は、ICP発光分析による検出限界以下であった。
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
図6のSEM写真より、工程[2]では板状の窒化アルミニウム単結晶が得られたことが分かる。
また、板状の窒化アルミニウム単結晶の底面積は直径φ10mmであり、厚さは360μmであった。
X線回折による002面のピークの半値幅は、124arcsecであった。
〔実施例2〕
サファイア基板(直径10mm)をSiC単結晶基板(直径10mm)に変更したこと以外は実施例1と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 7.2×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 300μm
002面のピークの半値幅 230arcsec
多角柱状AlNの生成密度 70%
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 360μm
002面の半値幅 110arcsec
〔実施例3〕
サファイア基板(直径10mm)をAlN単結晶(直径10mm)に変更したこと以外は実施例1と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 7.3×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 300μm
多角柱状AlNの生成密度 70%
002面のピークの半値幅 200arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 360μm
002面の半値幅 100arcsec
〔実施例4〕
サファイア基板(直径10mm)をSiC単結晶基板(直径10mm)に変更したこと、焼結体(A)の温度T1を2100℃、SiC単結晶基板の温度T2を1900℃(基板−原料間の温度差:200℃)としたこと以外は実施例1と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 1.0×10+5μm2
多角柱状AlNの高さ 270μm
多角柱状AlNの生成密度 72%
002面のピークの半値幅 250arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 310μm
002面の半値幅 130arcsec
〔実施例5〕
サファイア基板(直径10mm)をSiC単結晶基板(直径10mm)に変更したこと、焼結体(A)の温度T1を2100℃、SiC単結晶基板の温度T2を1980℃(基板−原料間の温度差:120℃)としたこと以外は実施例1と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 6.5×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 350μm
多角柱状AlNの生成密度 68%
002面のピークの半値幅 250arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 410μm
002面の半値幅 125arcsec
〔実施例6〕
サファイア基板(直径10mm)をSiC単結晶基板(直径10mm)に変更したこと、焼結体(A)の温度T1を2050℃、SiC単結晶基板の温度T2を1950℃(基板−原料間の温度差:100℃)としたこと以外は実施例1と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 7.0×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 280μm
多角柱状AlNの生成密度 73%
002面のピークの半値幅 250arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 340μm
002面の半値幅 125arcsec
〔実施例7〕
サファイア基板(直径10mm)をSiC単結晶基板(直径10mm)に変更したこと、焼結体(A)の温度T1を2150℃、SiC単結晶基板の温度T2を1950℃(基板−原料間の温度差:200℃)としたこと以外は実施例1と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 7.1×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 350μm
多角柱状AlNの生成密度 67%
002面のピークの半値幅 250arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 410μm
002面の半値幅 125arcsec
〔実施例8〕
工程[1]において、基板14の表面と原料(A)の表面との距離を10mmとしたこと、および工程[2]において、基板24の表面と原料(B)の表面との距離を10mmとしたこと以外は実施例2と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 8.0×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 330μm
多角柱状AlNの生成密度 68%
002面のピークの半値幅 250arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 390μm
002面の半値幅 125arcsec
〔実施例9〕
工程[1]において、基板14の表面と原料(A)の表面との距離を5mmとしたこと、および工程[2]において、基板24の表面と原料(B)の表面との距離を5mmとしたこと以外は実施例2と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 8.5×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 350μm
多角柱状AlNの生成密度 67%
002面のピークの半値幅 250arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 410μm
002面の半値幅 125arcsec
〔実施例10〕
工程[1]において、基板14の表面と原料(A)の表面との距離を1mmとしたこと、および工程[2]において、基板24の表面と原料(B)の表面との距離を1mmとしたこと以外は実施例2と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 9.0×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 370μm
多角柱状AlNの生成密度 65%
002面のピークの半値幅 250arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 430μm
002面の半値幅 125arcsec
〔実施例11〕
サファイア基板(直径10mm)をSiC単結晶基板(直径10mm)に変更したこと、工程[1]の処理時間を6時間としたこと、さらに、工程[2]の処理時間を6時間としたこと以外は実施例1と同様に行った。
<工程[1]で得られた多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
多角柱状AlNの底面積 7.2×10+4μm2
多角柱状AlNの高さ 2mm
多角柱状AlNの生成密度 68%
002面のピークの半値幅 230arcsec
金属不純物の含有量 検出下限以下
<工程[2]で得られた板状の窒化アルミニウム単結晶の評価結果>
板状AlN単結晶の厚さ 2.2mm
002面の半値幅 110arcsec
本発明によれば、転移欠陥が少なく、格子配列の乱れが小さな高品質の窒化アルミニウム単結晶が得られる。したがって、紫外線発光ダイオード等の半導体発光素子、高い放熱特性が望まれる半導体素子の基板、ヒートシンクなどに利用可能である。このように、電気・電子部品、光学部品、電気機器部品、OA機器部品などに利用できる。

Claims (4)

  1. 希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で含む窒化アルミニウム原料(A)を2000℃以上に加熱して昇華させ、六方晶の単結晶基板上に窒化アルミニウムを析出させることにより多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム単結晶柱状体の製造方法。
  2. [1]希土類酸化物を0.1〜30質量%の量で含む窒化アルミニウム原料(A)を2000℃以上に加熱して昇華させ、六方晶の無機単結晶基板上に析出させることにより複数本の多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程と、
    [2]希土類酸化物の含有量が50ppm以下である窒化アルミニウム原料(B)を昇華させ、前記多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の表面に析出させることにより該窒化アルミニウム単結晶を更に成長させて板状の窒化アルミニウム単結晶と成す工程と、
    を含む板状の窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
  3. 前記六方晶の無機単結晶基板が、α−Al23単結晶基板、SiC単結晶基板、又はAlN単結晶基板である請求項に記載の板状の窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
  4. 前記工程[1]が、前記六方晶の無機単結晶基板における窒化アルミニウム単結晶を成長させる面の面積に対する、析出した多角柱状の窒化アルミニウム単結晶の底面積の合計の割合(生成密度)が20〜90%となるように、複数本の多角柱状の窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程である請求項又は記載の板状窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
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