JP5370757B2 - 手動操作装置とその信号処理方法 - Google Patents
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多軸同時入力は、単軸入力(ボタン・レバー操作等)に比べて、操作できる自由度が多い反面、操作者の意図と違う方向にも入力が受け付けられることがある。図3のようなデバイスで入力する場合に、例えば、図4のように操作者がx並進のみを意図して、入力Finを加えても、入力/検出点位置が異なるため、デバイス側ではFx(x軸並進)とTθy(y軸回り回転)を検出する(入力が干渉する)。
この場合、入力/検出点距離Lが固定ならば補正により入力点での入力を導出できるが、Lは操作者の手の大きさ、力を込める位置(指先、掌底等)等の個人差・時間毎に変化するため、完全に補正することは困難となる。更に実際には操作入力を加えた後、エンドエフェクタ2が動き、入力デバイス7も動くため、その動特性や遅れ等と、人がグリップを握ることで構成される閉リンク系により、更にそれらの悪影響が増幅して現れることも懸念される。
該入力デバイスで検出された各並進入力と各回転入力をそれぞれ信号処理してロボット制御部にそれぞれ出力する信号処理装置とを備え、
該信号処理装置は、回転入力の絶対値が所定の第1閾値以上でありかつ並進入力の絶対値が所定の第2閾値未満である場合に、並進入力に対する感度を低減する感度調節部を有し、
前記入力デバイスは、手で握る棒状のグリップと、前記グリップの頂部に設置され指による操作量を回転3軸に変換して取得する回転3軸用の入力検出手段とを有し、
前記回転3軸用の入力検出手段は、前記グリップの頂部上面に片手の親指で操作するように取付けられ2軸まわりの回転入力を検出する2軸ポインティングデバイスと、前記グリップの頂部前面に前記片手の親指以外の指で操作するように取付けられ1軸まわりの回転入力を検出する1軸ポインティングデバイスとを有する、ことを特徴とする手動操作装置が提供される。
前記信号処理装置により、回転入力の絶対値が所定の第1閾値以上でありかつ並進入力の絶対値が所定の第2閾値未満である場合に、並進入力に対する感度を低減する、ことを特徴とする手動操作装置の信号処理方法が提供される。
従って、回転操作の際、操作者の意図に反して、手振れ等により並進入力が発生する場合でも、回転入力の絶対値が所定の第1閾値以上であれば、並進入力に対する感度を低減して、並進入力を抑制しながら、回転入力ができる。
また、回転操作の際、並進入力の絶対値が所定の第2閾値以上である場合は、操作者が意図的に並進入力をしたと判断できるので、並進入力に対する感度低減を実施しない(感度低減演算を停止する)ことで、操作者の意図通りに並進入力と回転入力ができる。
本発明による手動操作装置は、この例ではハンドガイド装置であるが、これに限定されず、マニプレータなど用の遠隔操作装置であってもよい。
3軸力覚センサ12は、直交3軸の並進入力x,y,zを検出する。
棒状のグリップ14は、3軸力覚センサ12に下端が取付けられ上方に延び片手で握るようになっている。
2軸ポインティングデバイス16は、グリップ14の頂部上面に片手の親指で操作するように取付けられ、2軸(x,y軸)まわりの回転入力θx,θyを検出する。
1軸ポインティングデバイス18は、グリップ14の頂部前面に片手の親指以外の指(例えば人指し指、中指)で操作するように取付けられ、1軸(z軸)まわりの回転入力θzを検出する。
またこの例では、グリップ14の頂部に更に回転指令するセンサとして、エンドエフェクタに設定するツール座標と感覚的に合う配置として、親指等で操作しやすいグリップ頂部上面に小型の2軸ポインティングデバイス16を設置し、人差し指等で操作しやすいグリップ頂部前面に、小型の1軸ポインティングデバイス18を配置している。
2軸ポインティングデバイス16と1軸ポインティングデバイス18は、コンピュータ等で使用されるカーソル移動用のデバイス(ジョイスティック等)であり、力や変位を検出する。この構成により、グリップ14を片手で握りながら、親指と人差し指等により回転3軸の入力操作を行う。従ってこの構成により、片手(腕)で6軸入力が可能となる。
すなわち信号処理装置20は、入力デバイス10により取得された力や変位信号を処理することで、ロボットに対する位置や速度指令を生成する。
信号処理装置20は、センサ12,16,18から信号を各軸(x,y,x,θx,θy,θz)毎に、正規化部23aによりダイナミックレンジを調整する。また同様に、特性変換部23bにより操作しやすい適切な入出力特性を付与する。例えばout=in2とすることで、低域でより低速化し、高域で高い速度変化率を与える等の特性を付与する。また、不感帯部23dによりノイズ・誤動作防止等のためのゼロ入力近傍での不感帯を設定する。さらに、入力制限部23eにより上・下限値を設定し、物理変換部23cにより物理量を変換する。さらに、変化率制限部25により入力データの変化率を制限する。
上述した構成により、回転入力θx,θy,θzと並進入力x,y,zに対し、それぞれロボット制御部30に適合するデータに信号処理し、ロボット制御装置30に指令する構成となっている。
この例において、感度調節部26は、回転入力θx,θy,θzの少なくとも1つが0でない場合に、設定値変更信号26aを並進指令演算部24X,24Y,24Zの正規化部23a、特性変換部23b、不感帯部23d、および入力制限部23eに出力し、並進入力x,y,zに対する感度を低減するようになっている。
なお、本発明はこの構成に限定されず、感度調節部26により、回転入力θx,θy,θzのいずれかまたはすべてが所定の第1閾値未満である場合に、並進入力x,y,zのいずれかまたはすべてに対する感度を低減するように構成してもよい。
これらの措置により、入力が干渉する余地がある回転入力時には、操作者の意図に反した、例えば手振れ等の並進入力を抑制する。
各並進指令判定部27X,27Y,27Zは、それぞれ上述した正規化部23a、特性変換部23b、物理変換部23c、および不感帯部23dを有する。また、各並進指令判定部27X,27Y,27Zは、さらに、絶対値変換部28aと出力制限部28bとを有する。
絶対値設定部28aは、入力データを絶対値に変換し、出力制限部28bは入力データが所定の設定値より大きい場合のみ信号を出力する。
この例において、入力判定部29は、回転入力θx,θy,θzの少なくとも1つが0でない場合であっても、並進入力x,y,zの少なくとも1つが所定の設定値より大きい場合に、入力判定信号29aを並進指令演算部24X,24Y,24Zの正規化部23a、特性変換部23b、不感帯部23d、および入力制限部23eに出力し、並進入力x,y,zに対する感度低減を無効にするようになっている。
なお、本発明はこの構成に限定されず、感度調節部26と入力判定部29により、回転入力θx,θy,θzの絶対値のいずれかまたはすべてが所定の第1閾値以上であり、かつ並進入力x,y,zの絶対値のいずれかまたはすべてが所定の第2閾値未満である場合に、並進入力x,y,zのいずれかまたはすべてに対する感度を低減するように構成してもよい。
また、用途によっては第1閾値と第2閾値のいずれかを許容してもよい。
また同様に図8の例では、回転入力があり、かつどれか1つ並進入力があった場合、全並進軸の変更を中止するようになっているが、上述のように個別判定に対応した軸のみ変更してもよい。また、回転操作入力のレベルの段階値・連続値及び、並進操作入力のレベルの段階値・連続値の組合せから、並進入力感度の低減を段階的又は連続的に変更してもよい。
従って、回転操作の際、操作者の意図に反して、手振れ等により並進入力が発生する場合でも、回転入力の絶対値が所定の第1閾値以上であれば、並進入力に対する感度を低減して、並進入力を抑制しながら、回転入力ができる。
また、回転操作の際、並進入力が所定の第2閾値以上である場合は、操作者が意図的に並進入力をしたと判断できるので、並進入力に対する感度低減を実施しない(感度低減演算を停止する)ことで、操作者の意図通りに並進入力と回転入力ができる。
14 グリップ、
16 2軸ポインティングデバイス、
18 1軸ポインティングデバイス、
20信号処理装置、
22X,22Y,22Z 回転指令演算部、
23a 正規化部、23b 特性変換部、
23c 物理変換部、23d 不感帯部、
23e 入力制限部、
24X,24Y,24Z 並進指令演算部、
25 変化率制限部、26 感度調節部、
26a 設定値変更信号、
27X,27Y,27Z 並進指令判定部、
28a 絶対値変換部、28b 出力制限部、
29 入力判定部、29a 入力判定信号、
30 ロボット制御部
Claims (4)
- 片手操作で、直交3軸の並進入力x,y,zと該3軸まわりの回転入力θx,θy,θzを入力でき、該各並進入力と各回転入力をそれぞれ検出する入力デバイスと、
該入力デバイスで検出された各並進入力と各回転入力をそれぞれ信号処理してロボット制御部にそれぞれ出力する信号処理装置とを備え、
該信号処理装置は、回転入力の絶対値が所定の第1閾値以上でありかつ並進入力の絶対値が所定の第2閾値未満である場合に、並進入力に対する感度を低減する感度調節部を有し、
前記入力デバイスは、手で握る棒状のグリップと、前記グリップの頂部に設置され指による操作量を回転3軸に変換して取得する回転3軸用の入力検出手段とを有し、
前記回転3軸用の入力検出手段は、前記グリップの頂部上面に片手の親指で操作するように取付けられ2軸まわりの回転入力を検出する2軸ポインティングデバイスと、前記グリップの頂部前面に前記片手の親指以外の指で操作するように取付けられ1軸まわりの回転入力を検出する1軸ポインティングデバイスとを有する、ことを特徴とする手動操作装置。 - 前記入力デバイスは、さらに、前記グリップの下端に設置され手による操作量を並進3軸に変換して取得する並進3軸用の入力検出手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の手動操作装置。
- 前記並進3軸用の入力検出手段は、直交3軸の並進入力x,y,zを検出する3軸力覚センサである、ことを特徴とする請求項2に記載の手動操作装置。
- 請求項1に記載の手動操作装置を準備し、
前記信号処理装置により、回転入力の絶対値が所定の第1閾値以上でありかつ並進入力の絶対値が所定の第2閾値未満である場合に、並進入力に対する感度を低減する、ことを特徴とする手動操作装置の信号処理方法。
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