JP5363183B2 - 木造建築物用制震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、木造建築物に設けられ、耐震性能の向上に加えて制震性能も付加することができる木造建築物用制震装置に関する。
近年、地震等の災害に対する関心が高まる中、木造建築物に対しても地震や強風時に発生する水平方向の振動を減衰させる制震装置を設置するニーズが多くなっている。このような制震装置として、例えば特許文献1には、横架材や柱で構成される矩形状の枠体(フレーム)の中に、側面に傾斜面を有する耐力板を嵌め込んで中央を固定具によって保持すると共に、柱と傾斜面との間に緩衝材を挟み込む壁面構造の発明が開示されている。よって、水平荷重が枠体に加わると、横架材や柱が耐力板に接触して枠体の変位を抑制すると共に、緩衝材による振動の減衰作用も生じさせることになる。
特開2009−46855号公報
上記特許文献1の制震装置は、耐力板が左右両側の固定具によって半ば宙に浮いた状態で枠内に保持されているため、枠体が変位した際には面外方向(枠体で囲まれるフレーム面との直交方向)へ変位しやすく、座屈が生じるおそれがある。よって期待される耐力や減衰力が十分発揮されない問題があった。
そこで、本発明は、フレーム面外方向への変位や座屈を好適に防止でき、木造建築物において十分な耐力と減衰力とを発揮できる木造建築物用制震装置を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上下に配設される第1横材及び第2横材と、その第1横材と第2横材間に立設される一対の縦材とからなる木造建築物のフレーム内に取り付けられる木造建築物用制震装置であって、フレームのフレーム面と平行に配置され、フレーム面の四隅に対応する角部を夫々所定形状に切り欠いて、当該切欠き部分を除く左右の側縁を夫々隣接する縦材に近接或いは当接させる面材と、面材の上下において夫々隣接する横材との間に跨って設けられる減衰部材と、面材の左右の側縁を夫々隣接する縦材に固定する固定手段と、フレーム面の上下軸対称位置に配置され、フレーム面との直交方向への面材の変位を防止する座屈防止手段と、を備えたことを特徴とするものである。
ここで、第1横材及び第2横材は、軸組工法における土台、胴差し、梁材、敷げた等であり、枠組壁工法における上枠、下枠に相当する。
また、縦材は、軸組工法における柱、間柱等であり、枠組壁工法における縦枠に相当する。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、面材の角部を全て同じ大きさの矩形状に切り欠いたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、座屈防止手段を、面材の前後で縦材間へ水平に架設される少なくとも一対の横受け材としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、座屈防止手段を、面材の左右の側縁の前後で夫々隣接する縦材に固定される少なくとも二対の縦受け材としたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、固定手段を、面材の前後で縦材間へ水平に架設されて面材に固定される少なくとも一対の連結材として、連結材を座屈防止手段と兼用したことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、各横材に、フレーム面と平行な第1受け板を面材側へ向けて突設した第1金具を夫々固定する一方、面材の上下に固定した各減衰部材における横材側の端縁に、フレーム面と平行な第2受け板を横材側へ向けて突設した第2金具を夫々固定して、第1受け板と第2受け板とをフレーム面との直交方向で直接或いは両受け板間に介在させた中間部材を介して間接的に接合したことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、各横材に固定した各減衰部材における面材側の端縁に、フレーム面との直交方向で減衰部材より突出する第1連結端部を備えた第1金具を夫々固定する一方、面材の上下に、フレーム面との直交方向で且つ第1連結端部と同じ突出側へ向けて面材より突出する第2連結端部を備えた第2金具を夫々固定して、面材の上下で夫々重合する第1金具と第2金具とを第1連結端部と第2連結端部とを利用して接合したことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、軸組工法や枠組壁工法といった工法にかかわりなく、木造建築物において面材のフレーム面外方向への変位や座屈を好適に防止でき、減衰部材への入力ロスが軽減可能となる。よって、面材による耐力(耐震性能)と減衰部材による減衰力(制震性能)とが好適に発揮される。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、面材の角部を矩形状としたことで、面材の加工がし易い上、フレーム内に面材を設置する際のハンドリングも容易となり、施工に係る作業性が良好となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、横受け材の採用により、座屈防止手段が胴縁等を利用して簡単に得られる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、縦受け材の採用により、座屈防止手段が壁の受け材等を利用して簡単に得られる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、連結材の採用により、構成が合理化して部品点数が少なくて済み、施工が容易となる。
請求項6及び7に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、フレームの片面側から施工可能となる。よって、既設の木造建築物に対しても壁を片面側だけ開放すれば足り、工期の短縮化やコスト低減が期待できる。
形態1の木造建築物用制震装置の説明図で、(A)が正面、(B)が右側面、(C)が平面を夫々示す。 形態2の木造建築物用制震装置の説明図で、(A)が正面、(B)が右側面、(C)が平面を夫々示す。 形態3の木造建築物用制震装置の説明図で、(A)が正面、(B)が右側面、(C)が平面を夫々示す。 形態4の木造建築物用制震装置における上枠部分の説明図である。 形態5の木造建築物用制震装置における上枠部分の説明図である。 形態6の木造建築物用制震装置における下枠部分の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[形態1]
図1において、10は、枠組壁工法の木造建築物において上側の根太1と下側の根太2との間で壁を形成するフレームで、このフレーム10は、根太1側に固定される第1横材としての上枠11と、根太2側に固定される第2横材としての下枠12と、上枠11と下枠12との間で左右両端とその中央とにおいて立設される縦材としての縦枠13,13・・とから形成されて、フレーム10内に、上枠11と下枠12と縦枠13とによって囲まれる左右一対のフレーム面14,14を形成している。
20は、フレーム面14,14に夫々組み込まれる木造建築物用制震装置(以下単に「制震装置」という。)で、この制震装置20は、フレーム面14と平行に配置される面材としての合板21と、その合板21の上下方向の中心で左右の側縁を夫々隣接する縦枠13と固定する固定手段としてのアングル金具22と、合板21の上端と上枠11との間及び合板21の下端と下枠12との間に夫々設けられる減衰部材23と、縦枠13,13間で上下軸対称位置に架設される座屈防止手段としての横受け材24とを備えてなる。
まず合板21は、フレーム面14の左右方向の内法と略同じ寸法で形成される矩形の中間部25と、その中間部25の上下端縁から夫々上下に突設され、中間部25よりも幅狭の矩形となる上部26及び下部27とからなり、フレーム面14内で四隅を矩形状に切り欠いた上下軸対称形となっている。
アングル金具22は、合板21における中間部25の前後両面を挟む格好で夫々左右端に一対ずつ配置され、隣接する縦枠13と合板21とに跨って木ネジで固定されている。
次に、減衰部材23は、直方体の防振ゴムからなり、合板21の上部26及び下部27の端縁に夫々固着された横断面コ字状の内側金具28と、上枠11及び下枠12に夫々固着された平板状の外側金具29との間でフレーム面14と平行姿勢で接着されている。
そして、横受け材24は、合板21の中間部25と上部26及び下部27との各境目において、合板21を前後に挟んで夫々上下に一対ずつ配設されて、両端が縦枠13に夫々木ネジで固定されている。各横受け材24は、合板21に対しては固定されておらず、フレーム面14内での合板21の相対的な移動を許容している。
以上の如く構成された制震装置20においては、地震等でフレーム10に水平方向の外力が反復して加わると、上枠11と下枠12とが相反方向へ水平移動して変位する。この変位により、上枠11及び下枠12と合板21との間で上下の減衰部材23,23が剪断変形して減衰作用を生じさせる。また、外力が大きくなっても、合板21の中間部25が縦枠13,13間に嵌合しているため、フレーム10の変位が抑制されて耐力がアップする。このとき、合板21は横受け材24によってフレーム面外方向(フレーム面14との直交方向)への変位を規制されるため、座屈のおそれが低減される。
このように、上記形態1の制震装置20によれば、フレーム10のフレーム面14と平行に配置され、フレーム面14の四隅に対応する角部を夫々所定形状に切り欠いて、当該切欠き部分を除く左右の側縁を夫々隣接する縦枠13に当接させる合板21と、合板21の上下において夫々隣接する上枠11及び下枠12との間に跨って設けられる減衰部材23と、合板21の左右の側縁を夫々隣接する縦枠13に固定する固定手段(アングル金具22)と、フレーム面14との直交方向への合板21の変位を防止する座屈防止手段(横受け材24)と、を備えたことで、軸組工法や枠組壁工法といった工法にかかわりなく、木造建築物において合板21のフレーム面外方向への変位や座屈を好適に防止でき、減衰部材23への入力ロスが軽減可能となる。よって、合板21による耐力(耐震性能)と減衰部材23による減衰力(制震性能)とが好適に発揮される。
特にここでは、合板21の角部を全て同じ大きさの矩形状に切り欠いているため、合板21の加工がし易い上、フレーム10内に合板21を設置する際のハンドリングも容易となり、施工に係る作業性が良好となる。
また、座屈防止手段を、合板21の前後で縦枠13間へ水平に架設される横受け材24としたことで、座屈防止手段が胴縁等を利用して簡単に得られる。
以下、本発明の他の形態を説明する。但し、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。
[形態2]
図2に示す制震装置20aにおいては、座屈防止手段として、縦向き矩形の縦受け材30,30・・を用いた点が形態1と異なっている。この縦受け材30は、中間部25と上部26、中間部25と下部27との夫々の上下の境目において、上下方向の中心が当該境目に夫々位置する高さで左右に一対ずつ、且つ合板21を挟む格好で前後に一対ずつ、隣接する縦枠13に沿って木ネジで固定されている。
以上の如く構成された制震装置20aにおいても、加振時には減衰部材23,23の剪断変形による減衰作用が得られると共に、合板21の中間部25による耐力アップが期待できる。そして、合板21は縦受け材30によってフレーム面外方向への変位を規制されるため、座屈のおそれが低減され、減衰部材23による減衰力とフレーム10内での耐力とが好適に発揮される。
特にここでは、座屈防止手段を、合板21の左右の側縁の前後で夫々隣接する縦枠13に固定される縦受け材30としたことで、座屈防止手段が壁の受け材等を利用して簡単に得られる。
[形態3]
図3に示す制震装置20bは、座屈防止手段として、合板21の上下方向の中央位置で縦枠13,13間に連結材31を架設し、その連結材31に合板21も木ネジで固定して、アングル金具を省略した点が形態1と異なっている。すなわち、連結材31に、合板21のフレーム10内での固定とフレーム面外方向への変位防止との両機能を具備したものである。
以上の如く構成された制震装置20bにおいても、加振時には減衰部材23,23の剪断変形による減衰作用が得られると共に、合板21の中間部25による耐力アップが期待できる。そして、合板21は連結材31によってフレーム面外方向への変位を規制されるため、座屈のおそれが低減され、減衰部材23による減衰力とフレーム10内での耐力とが好適に発揮される。
特にここでは、固定手段を、合板21の前後で縦枠13間へ水平に架設されて合板21に固定される連結材31として、連結材31を座屈防止手段と兼用しているので、形態1,2に比較して部品点数が少なくて済み、施工が容易となる利点がある。
一方、このような制震装置は、木造建築物の建築の際にフレームに組み込むことは勿論、既設の木造建築物に対しても後施工によってフレームに組み込むことができる。この場合、先の形態ではフレームの前後両側から施工する必要があるため、壁を広い範囲で切除する必要があり、工期やコスト等の面で不利となる。そこで、フレームの片面側から施工可能な形態を以下に説明する。
[形態4]
図4は、制震装置20cにおける上枠11部分の拡大断面図で、ここでは第1金具となる外側金具29の下面で後方(図4の左側)寄りには、フレーム面14と平行な第1受け板32が下向きに突設されている。一方、内側金具28に接着される減衰部材23の上面には、フレーム面14と平行な第2受け板34を前方寄りで上向きに突設した第2金具としての中間金具33が接着されている。
そして、第1受け板32と第2受け板34との間には、横断面矩形でフレーム14の厚み方向に重なる中間部材としての一対の受け木材35,35が、両受け板32,34と平行に配置されて、第1受け板32を後方の受け木材35の後面に、第2受け板34を前方の受け木材35の前面に夫々当接させて、夫々前後から木ネジ37,39(図4では概略で示す。このうち木ネジ39は受け木材35,35に跨ってねじ込まれる。)で固定している。これらの構造は下枠12側でも同様である。また、合板21のフレーム10内での固定や座屈防止手段は、形態1と同じ構造となっている。
以上の如く構成された制震装置20cは、まず上下に対応する内側金具28と中間金具33との間に減衰部材23を夫々接着し、内側金具28を木ネジ36によって合板21の上下端部に夫々固定する。一方、上下に対応する外側金具29の第1受け板32に、後側の受け木材35を木ネジ37で夫々固定し、各外側金具29を木ネジ38によって上枠11及び下枠12に夫々固定する。この状態で、合板21の上下には減衰部材23と中間金具33とが夫々固定され、上枠11及び下枠12には後側の受け木材35が夫々固定される。
そして、上下の受け木材35,35の間に合板21を配置し、後側の受け木材35と上下の中間金具33の第2受け板34との間に前側の受け木材35をセットして前方から嵌め込むようにすると、上下の中間金具33の第2受け板34が夫々前側の受け木材35の前面に当接してフレーム面14内で位置決めされる。最後に上下の第2受け板34を木ネジ39によって前後の受け木材35,35に夫々固定すれば、制震装置20cの施工は完了する。
横受け材24は、後側を先に縦枠13,13間に架設しておき、合板21をフレーム10内に嵌め込んだ後、前側の横受け材24を縦枠13,13間に架設すればよい。
このように、上記形態4の制震装置20cによれば、上枠11及び下枠12に、フレーム面14と平行な第1受け板32を合板21側へ向けて突設した外側金具29を夫々固定する一方、合板21の上下に固定した各減衰部材23の端縁に、フレーム面14と平行な第2受け板34を突設した中間金具33を夫々固定して、第1受け板32と第2受け板34とをフレーム面14との直交方向で受け木材35,35を介して間接的に接合したことで、フレーム10の片面側(ここでは前方側)から施工可能となる。よって、既設の木造建築物に対しても壁を片面側だけ開放すれば足り、工期の短縮化やコスト低減が期待できる。勿論形態1〜3と同様に、加振時には減衰部材23,23の剪断変形による減衰作用が得られると共に、合板21の中間部25による耐力アップが図られ、座屈のおそれが低減されて、減衰部材23による減衰力とフレーム10内での耐力とが好適に発揮される。
[形態5]
図5に示す制震装置20dにおいては、受け木材35が省略されて、外側金具29の第1受け板32と中間金具33の第2受け板34とが夫々中央寄りでフレーム面14との直交方向で重合するように設けられており、第1受け板32にナット40(図5では概略で示す)が溶接されている。
この制震装置20dは、まず上下に対応する内側金具28と中間金具33との間に減衰部材23を夫々接着し、内側金具28を木ネジ36によって合板21の上下端部に夫々固定する。一方、上下の外側金具29を木ネジ38によって上枠11及び下枠12に夫々固定する。この状態で、合板21の上下には減衰部材23と中間金具33とが夫々固定され、上枠11及び下枠12には外側金具29が夫々固定される。
そして、上下の外側金具29,29の間に合板21を配置して前方から嵌め込むようにすると、上下の中間金具33の第2受け板34が外側金具29の第1受け板32に夫々重合して当接し、合板21はフレーム面14内で位置決めされる。最後に上下の第2受け板34をボルト41(図5では概略で示す)によって第1受け板32のナット40にねじ込んで両板を接合すれば、制震装置20dの施工は完了する。
このように、上記形態5の制震装置20dにおいても、上枠11及び下枠12に、フレーム面14と平行な第1受け板32を合板21側へ向けて突設した外側金具29を夫々固定する一方、合板21の上下に固定した各減衰部材23の端縁に、フレーム面14と平行な第2受け板34を突設した中間金具33を夫々固定して、第1受け板32と第2受け板34とをフレーム面14との直交方向で直接接合したことで、フレーム10の片面側から施工可能となる。よって、既設の木造建築物に対しても壁を片面側だけ開放すれば足り、工期の短縮化やコスト低減が期待できる。
勿論形態1〜3と同様に、加振時には減衰部材23,23の剪断変形による減衰作用が得られると共に、合板21の中間部25による耐力アップが図られ、座屈のおそれが低減されて、減衰部材23による減衰力とフレーム10内での耐力とが好適に発揮される。
特にここでは、受け木材35を用いずに外側金具29と中間金具33とを直接接合しているため、形態4に比べて部品点数が少なくなり、施工も容易となる。
[形態6]
図6に示す制震装置20eにおいては、下枠12側の減衰部材23の上面に、フレーム面14との直交方向で減衰部材23より突出する第1連結端部43を備えた第1金具42が接着されている。一方、合板21の下端には、同じくフレーム面14との直交方向で且つ第1連結端部43の突出側へ向けて合板21より突出する第2連結端部45と、合板21の後面に位置する後板部46とを備えたL字状の第2金具44が、木ネジ36によって固定されている。そして、第1金具42の第1連結端部43と、第2金具44の第2連結端部45とが、合板21の前方においてボルト47及びナット48(図6では夫々概略で示す)によって接合される形態となっている。これは上枠11側でも同様である。49は壁材である。
以上の如く構成された制震装置20eは、まず減衰部材23の上下に外側金具29と第1金具42とを接着し、各外側金具29を上枠11及び下枠12に夫々木ネジ38で固定する一方、上下の第2金具44の後板部46を合板21に木ネジ36で夫々固定する。この状態で、合板21の上下には第2金具44が夫々固定され、上枠11及び下枠12には減衰部材23と第1金具42とが夫々固定される。
よって、上下の第1金具42の間に合板21を前方から嵌め込むようにすると、下枠12側では第2金具44の第2連結端部45が第1金具42上に載置し、上枠11側では第2連結端部45が第1金具42の下方に重合する。最後に第1連結端部43と第2連結端部45とをボルト47及びナット48で接合すれば、制震装置20eの施工は完了する。
このように、上記形態6の制震装置20eによれば、上枠11及び下枠12に固定した各減衰部材23における合板21側の端縁に、フレーム面14との直交方向で減衰部材23より突出する第1連結端部43を備えた第1金具42を夫々固定する一方、合板21の上下に、フレーム面14との直交方向で且つ第1連結端部43と同じ突出側へ向けて合板21より突出する第2連結端部45を備えた第2金具44を夫々固定して、合板21の上下で夫々重合する第1金具42と第2金具44とを第1連結端部43と第2連結端部45とを利用して接合したことで、フレーム10の片面側から施工可能となる。よって、既設の木造建築物に対しても壁を片面側だけ開放すれば足り、工期の短縮化やコスト低減が期待できる。勿論形態1〜3と同様に、加振時には減衰部材23,23の剪断変形による減衰作用が得られると共に、合板21の中間部25による耐力アップが図られ、座屈のおそれが低減されて、減衰部材23による減衰力とフレーム10内での耐力とが好適に発揮される。
なお、上記形態1〜3では、制震装置をフレーム内に一対並設しているが、1セットのみでもよいし、逆に3セット以上配設してもよい。
また、各形態において、面材の構造は上記形態に限らず、例えば角部の切欠きを矩形状以外の扇形や多角形等にしたり、左右の側縁を隙間をおいて縦材に近接させたり等、適宜変更可能である。減衰部材も粘弾性体等の他のデバイスが使用できる。
さらに、座屈防止手段も、形態1では横受け材の幅や架設位置を変えたり、数を増減したりでき、形態2では上下の縦受け材を連結したり、数を増減したり、金具を用いたりでき、形態3では連結材の幅を大きくしたりでき、何れの場合も各形態に限らず設計変更可能である。
一方、形態4〜6では、夫々制震装置の取付け側は前後逆からであってもよいし、形態4では受け部材は1本の木材や金属部材を採用したりしてもよい。また、フレームの寸法等によっては、例えば面材の上側では形態4の構造を採用し、面材の下側では形態5の構造を採用する等、形態4〜6の構造を組み合わせて採用することも考えられる。
1,2・・根太、10・・フレーム、11・・上枠、12・・下枠、13・・縦枠、14・・フレーム面、20,20a〜20e・・木造建築物用制震装置、21・・合板、22・・アングル金具、23・・減衰部材、24・・横受け材、25・・中間部、26・・上部、27・・下部、28・・内側金具、29・・外側金具、30・・縦受け材、31・・連結材、32・・第1受け板、33・・中間金具、34・・第2受け板、35・・受け部材、36〜39・・木ネジ、40,48・・ナット、41,47・・ボルト、42・・第1金具、43・・第1連結端部、44・・第2金具、45・・第2連結端部。

Claims (7)

  1. 上下に配設される第1横材及び第2横材と、その第1横材と第2横材間に立設される一対の縦材とからなる木造建築物のフレーム内に取り付けられる木造建築物用制震装置であって、
    前記フレームのフレーム面と平行に配置され、前記フレーム面の四隅に対応する角部を夫々所定形状に切り欠いて、当該切欠き部分を除く左右の側縁を夫々隣接する前記縦材に近接或いは当接させる面材と、
    前記面材の上下において夫々隣接する前記横材との間に跨って設けられる減衰部材と、
    前記面材の左右の側縁を夫々隣接する前記縦材に固定する固定手段と、
    前記フレーム面の上下軸対称位置に配置され、前記フレーム面との直交方向への前記面材の変位を防止する座屈防止手段と、
    を備えたことを特徴とする木造建築物用制震装置。
  2. 前記面材の角部を全て同じ大きさの矩形状に切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載の木造建築物用制震装置。
  3. 前記座屈防止手段を、前記面材の前後で前記縦材間へ水平に架設される少なくとも一対の横受け材としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築物用制震装置。
  4. 前記座屈防止手段を、前記面材の左右の側縁の前後で夫々隣接する前記縦材に固定される少なくとも二対の縦受け材としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築物用制震装置。
  5. 前記固定手段を、前記面材の前後で前記縦材間へ水平に架設されて前記面材に固定される少なくとも一対の連結材として、前記連結材を前記座屈防止手段と兼用したことを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築物用制震装置。
  6. 各前記横材に、前記フレーム面と平行な第1受け板を前記面材側へ向けて突設した第1金具を夫々固定する一方、前記面材の上下に固定した各前記減衰部材における前記横材側の端縁に、前記フレーム面と平行な第2受け板を前記横材側へ向けて突設した第2金具を夫々固定して、前記第1受け板と第2受け板とを前記フレーム面との直交方向で直接或いは両受け板間に介在させた中間部材を介して間接的に接合したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木造建築物用制震装置。
  7. 各前記横材に固定した各前記減衰部材における前記面材側の端縁に、前記フレーム面との直交方向で前記減衰部材より突出する第1連結端部を備えた第1金具を夫々固定する一方、前記面材の上下に、前記フレーム面との直交方向で且つ前記第1連結端部と同じ突出側へ向けて前記面材より突出する第2連結端部を備えた第2金具を夫々固定して、前記面材の上下で夫々重合する前記第1金具と第2金具とを前記第1連結端部と第2連結端部とを利用して接合したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木造建築物用制震装置。
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