JP5360822B2 - 窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法に関し、特に、電極の形状の安定性に優れた窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法に関する。
窒化物系化合物半導体は、青色発光の発光ダイオードやレーザダイオードに実用化されるなど、幅広いバンドギャップをもつ発光素子材料として期待されている。このような窒化物系化合物半導体を用いた発光素子は、一般的に、基板上に窒化物系化合物半導体からなる積層体が形成され、該積層体上に電極が形成された構造を有する。
窒化物系化合物半導体からなる積層体上に電極を形成する方法の1つとして、いわゆるリフトオフ法がある。リフトオフ法では、まず、積層体上にフォトレジストが形成され、該フォトレジストの厚み方向に開口部が形成されることにより積層体の表面の一部が露出する。次いで、開口部を有するフォトレジストが形成された積層体に対して金属膜を蒸着させることにより、フォトレジストの上面および開口部内で露出する積層体の表面に、金属膜が形成される。そして、金属膜が表面に形成されたフォトレジストを積層体から除去することにより、所望の位置に電極としての金属膜が形成された積層体を得ることができる。
このようなリフトオフ法において、フォトレジストの開口部の形状が、たとえば、下部から上部に向けて断面積が段階的に大きくなる、いわゆる逆テーパ形状であった場合、開口部内に露出する積層体上に形成された金属膜と、開口部の表面に形成された金属膜とが繋がってしまう場合がある。この場合、積層体からのフォトレジストの除去が困難になる。さらに、積層体上からフォトレジストを除去する際に、積層体上の金属膜が引きちぎられ、結果として電極にバリが発生してしまうという問題がある。
また、例えば、電極を備えた積層体にさらなる処理を行う場合が考えられるが、バリが発生した電極を備える積層体上に対して、さらなる処理をすべくフォトレジストを形成する際、電極のバリの部分がフォトレジストを突き破ってしまい、フォトレジストを所望の形状に形成できない場合がある。
このため、リフトオフ法では、積層体からのフォトレジストの除去を容易とし、積層体上に形成される電極にバリが発生するのを防止するために、たとえば、下部が上部よりも断面積の大きいアンダーカット形状、または、下部から上部に向けて断面積が段階的に小さくなる順テーパ形状の開口部を形成する方法が採用される。例えば、引用文献1には、アンダーカット形状の開口部の形成方法が、引用文献2には、順テーパ形状の開口部の形成方法が開示されている。
図21(a)〜(c)は、引用文献1に開示される従来のフォトレジストの形成方法を説明するための図である。この形成方法では、まず、図21(a)に示されるように、基板300上に現像液に耐性のある下層レジスト301が形成され、さらに、下層レジスト301上に酸素プラズマに耐性のある上層レジスト302が形成される。次に、露光・現像処理により、図21(b)に示されるように、上層レジスト301にのみ開口部303が形成される。次に、酸素プラズマ処理により、露出した下層レジスト301をアッシングすることによって図21(c)に示されるようなアンダーカット形状の開口部が形成される。
図22(a)〜(c)は、引用文献2に開示される従来のフォトレジストの形成方法を説明するための図である。このフォトレジストの形成方法では、いわゆるイメージリバース法を採用している。具体的には、図22(a)に示されるように、半導体層400上に樹脂401が形成され、樹脂401上に寸法DのマスクMK2が載置された後、波長λの紫外光が図中矢印方向に照射される。このとき、紫外光は、樹脂401の深さe1まで照射する強度に調整される。次に、図22(b)に示されるように、波長λ(λ≧λ)の紫外光が図中矢印方向に照射された後、樹脂401の硬化していない箇所が除去されることにより、図22(c)に示されるような順テーパ形状の開口部が形成される。換言すれば、開口部を構成するフォトレジストの形状が逆テーパ形状になる。
特開2004−200209号公報 特開平7−94523号公報
しかしながら、引用文献1に開示されるフォトレジストの形成方法では、上層レジスト302を形成する前に、下層レジスト301をプリベークする必要がある。このため、プリベーク後の下層レジスト301上に塗布される上層レジスト302の均一性が低くなり、所望のフォトレジストを得ることができず、結果的に電極を所望の形状に形成できないという問題がある。また、引用文献1に開示されるフォトレジストの形成方法では、複数のフォトレジストの材料が必要であるため、製造工程数が多く、製造コストが高くなるという問題もある。
また、引用文献2に開示されるフォトレジストの形成方法、すなわちイメージリバース法に関しても、フォトレジスト材料の設計コストが高いために、製造コストが高くなるという問題がある。
さらに、一般的なリフトオフ法、引用文献1、2に開示されるフォトレジストの形成方法では、フォトレジストに形成される開口部付近からクラックが発生する場合がある。この場合、フォトレジストの開口部の形状が変化してしまい、結果的に、電極の形状を安定的に形成することができないという問題もある。
そこで、本発明の目的は、低コストで、電極の形状の安定性に優れた窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、基板上に、少なくとも第1導電型半導体層と活性層と第2導電型半導体層とをこの順に含む窒化物系化合物半導体の積層体を形成する工程と、積層体上にフォトレジストを塗布する工程と、フォトレジストが塗布された積層体をステージ上に載置して、ステージの上方からフォトレジストに向けて光を照射することによってフォトレジストを上方から露光するとともに、該照射された光をステージから反射させることによってフォトレジストを下方から露光する工程と、露光されたフォトレジストを現像することによってフォトレジストに開口部を形成する工程と、開口部が形成されたフォトレジスト上および開口部が形成されることによって露出した積層体上に金属膜を形成する工程と、金属膜が形成されたフォトレジストを除去する工程と、を有する窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法である。
また、基板は露光時の光を透過可能な透明基板であることが好ましい。
また、露光時の露光量は、適正露光量の3〜4倍であることが好ましい。
また、開口部は、下部から上部に向けて断面積が段階的に小さくなる順テーパ形状、または下部が上部よりも断面積の大きいアンダーカット形状であることが好ましい。
フォトレジストは、耐熱温度が130℃以上である感光性材料からなることが好ましく、感光性材料は、感光性ポリイミド、感光性エポキシ含有樹脂の少なくとも1つを含むことがさらに好ましい。
本発明は、基板上に、少なくとも第1導電型半導体層と活性層と第2導電型半導体層とをこの順に含む窒化物系化合物半導体の積層体を形成する工程と、積層体上にフォトレジストを塗布する工程と、フォトレジストに第1の露光をする工程と、フォトレジストに、第1の露光時の露光量よりも低い露光量で第2の露光をする工程と、第1の露光および第2の露光後のフォトレジストを現像することによってフォトレジストに開口部および凹部を形成する工程と、開口部および凹部が形成されたフォトレジスト上および開口部が形成されることによって露出した積層体上に金属膜を形成する工程と、金属膜が形成されたフォトレジストを除去する工程と、を有する窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法である。
開口部は、第1の露光によって露光された領域に形成され、凹部は、第2の露光によって露光された領域に形成されることが好ましい。
また、凹部をフォトレジストの表面に複数形成することが好ましい。
また、フォトレジストの表面の基板からの距離が、フォトレジストのうち、開口部を構成する開口部外周部以外の部分が開口部外周部よりも短くなるように、凹部を形成することが好ましい。
本発明は、電極を備える窒化物系化合物半導体発光素子であって、該窒化物系化合物半導体発光素子の上方から見たときの電極の周辺端部分に、凹状に窪んだ形状の凹欠部が形成された窒化物系化合物半導体発光素子である。
また、電極は、下部から上部に向けて断面積が段階的に小さくなる順テーパ形状であることが好ましい。
本明細書において第1導電型および第2導電型とは、それぞれp型およびn型のいずれをも含む。また、本明細書において、適正露光量とは、パターニングの為の必要最低限の露光量に対し、100〜200%の露光量をいう。
本発明によれば、低コストで、電極の形状の安定性に優れた窒化物系化合物半導体発光素子を製造することができる。
第1の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。 第1の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造工程を示すフローチャートである。 積層体を形成する工程を説明するための図である。 積層体上にフォトレジストを形成する工程を説明するための図である。 (a)および(b)は、フォトレジストを露光する工程を説明するための図である。 フォトレジストに開口部を形成する工程を説明するための図である。 金属膜を形成する工程を説明するための図である。 第1の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子に保護膜を形成した構成を概略的に示す断面図である。 第2の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。 第2の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造工程を示すフローチャートである。 フォトレジストに第1の露光をする工程を説明するための図である。 フォトレジストに第2の露光をする工程を説明するための図である。 フォトレジストに開口部および凹部を形成する工程を説明するための図である。 フォトレジストの表面に形成される凹部の位置の一例を示した図である。 金属膜を形成する工程を説明するための図である。 図14のフォトレジストを用いた場合に形成される電極を上方から見た場合の形状を示す図である。 (a)は、フォトレジストの表面に形成される凹部の位置の他の一例であり、(b)は、(a)のフォトレジストを用いた場合に形成される電極の形状を示す図である。 フォトレジストの表面に形成される凹部の他の一例を示す、窒化物系化合物半導体発光素子の断面図である。 図18のフォトレジストを上から見た図である。 実施例1により形成されたフォトレジストの開口部の断面形状を示す概略的な断面図である。 (a)〜(c)は、引用文献1に開示される従来のフォトレジストの形成方法を説明するための図である。 (a)〜(c)は、引用文献2に開示される従来のフォトレジストの形成方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものとする。
<第1の実施の形態>
まず、図1を用いて、第1の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の構成を説明する。図1は、第1の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。
図1において、窒化物系化合物半導体発光素子100(以下、単に「発光素子100」という。)は、基板1、積層体8、電極としての金属膜7A,7Bとを備える。基板1は、後述する露光時の光を透過可能な透明基板が好ましく、たとえば、サファイア、GaNなどからなる基板を用いることが好ましい。基板1の厚さは制限されないが、大口径ウエハを考慮し、200μm以上2mm以下の厚さの基板を用いることが好ましい。
基板1上には、基板1側からバッファ層2、第1導電型半導体層としての第1導電型窒化物系化合物半導体層3、窒化物系化合物半導体からなる活性層4、第2導電型半導体層としての第2導電型窒化物系化合物半導体層5、およびITO膜6とが順に形成された積層体8が形成されている。積層体8の厚さは、たとえば、数μmとすることができる。
バッファ層2としては、たとえばAlx1Ga1-x1N(0<x1≦1)の式で表わされる窒化物系化合物半導体からなる窒化物系化合物半導体層を用いることができる。第1導電型窒化物系化合物半導体層3、第2導電型窒化物系化合物半導体層5としては、たとえばAlx2Gay2Inz2Nの式で表わされる窒化物系化合物半導体からなる窒化物系化合物半導体層(0≦x2≦1、0≦y2≦1、0≦z2≦1、x2+y2+z2≠0)にn型不純物またはp型不純物をドーピングした層などを積層することができる。n型不純物としては、たとえばシリコン、ゲルマニウムなどを、p型不純物としては、たとえばマグネシウム、亜鉛などを用いることができる。
また、活性層4は、多重量子井戸構造(MQW;multi quantum well)を有する。たとえば、互いに組成の異なる、Alx3Gay3Inz3Nの式で表わされる窒化物系化合物半導体からなる窒化物系化合物半導体層(0≦x3≦1、0≦y3≦1、0≦z3≦1、x3+y3+z3≠0)と、Alx4Gay4Inz4Nの式で表わされる窒化物系化合物半導体からなる窒化物系化合物半導体層(0≦x4≦1、0≦y4≦1、0≦z4≦1、x4+y4+z4≠0)とを1層ずつ交互に積層した層などを積層することができる。
積層体8のうち、上方に露出している第1導電型窒化物系化合物半導体層3上には第1導電側電極としての金属膜7Aが形成され、ITO膜6上には第2導電側電極としての金属膜7Bが形成される。各金属膜7A,7Bは、下部から上部に向けて断面積が段階的に小さくなるような、いわゆる順テーパ形状を有する。
次に、上記発光素子100の製造方法を説明する。図2は、第1の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造工程を示すフローチャートである。
図2に示されるように、本実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法は、積層体を形成する工程(ステップS21)と、フォトレジストを形成する工程(ステップS22)と、フォトレジストを露光する工程(ステップS23)と、開口部を形成する工程(ステップS24)と、金属膜を形成する工程(ステップS25)と、フォトレジストを除去する工程(ステップS26)と、を有する。以下に、図3〜図7を用いて、各工程について詳細に説明する。
≪積層体を形成する工程≫
図3は、積層体を形成する工程を説明するための図であり、本工程で形成される積層体の概略的な断面図である。
本工程では、まず、図3(a)に示されるように、有機金属気相成長法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いて、基板1上に、バッファ層2、第1導電型窒化物系化合物半導体層3、活性層4、第2導電型窒化物系化合物半導体層5を順に形成する。n型不純物としては、たとえばシリコン、ゲルマニウムなどを、p型不純物としては、たとえばマグネシウム、亜鉛などを用いることができる。
次に、図3(b)に示されるように、第2導電型窒化物系化合物半導体層5上に、ITO膜6を堆積する。ITO膜6の堆積には、たとえば、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。次に、フォトエッチングによってITO膜6のパターンを形成する。なお、ITO膜6は、ウエットエッチングによって好ましく加工され得る。
次に、図3(c)に示されるように、ドライエッチングによって、第2導電型窒化物系化合物半導体層5、活性層4および第1導電型窒化物系化合物半導体層3を部分的に除去する。これにより、第1導電型窒化物系化合物半導体層3が部分的に露出した積層体8が形成される。
≪フォトレジストを形成する工程≫
図4は、積層体上にフォトレジストを形成する工程を説明するための図である。
本工程では、図4に示されるように、積層体8上にフォトレジスト9を塗布する。フォトレジスト9の塗布には、スピンコート法を用いることができる。塗布されたフォトレジスト9をプリベークすることによってフォトレジスト9中の溶剤が除去され、フォトレジスト9を固化することができる。また、他の公知のフォトレジストの形成方法を用いることができる。
フォトレジスト9としては、一般的なポジ型のレジストだけでなく、ノボラック系樹脂、感光性ポリイミド、感光性エポキシ系樹脂などの少なくとも1種を用いることができる。感光性ポリイミドおよび感光性エポキシ系樹脂は、一般的なポジ型レジストと同様に、積層体8上にスピンコート法によって塗布されて、プリベーク、露光処理および現像処理を順にを経ることで、パターニングできる材料である。
≪フォトレジストを露光する工程≫
図5(a)および(b)は、フォトレジストを露光する工程を説明するための図である。
本工程では、まず図5(a)に示されるように、フォトレジスト9上にマスク10を載置する。マスク10は、電極が形成されるべき位置に対応する位置が開口したレジストパターンを有する。
次いで、図5(b)に示されるように、フォトレジスト9を露光する。露光に用いる露光機としては、たとえば、露光ステージ20を備える露光機を用いることができる。露光ステージ20に載置された、積層体8およびフォトレジスト9が形成された基板1に対して、図5(b)中の上方の矢印のように、露光ステージ20の上方から下方に向けて(フォトレジスト9側から基板1側に向けて)光線を照射する。この上方から照射された光線によってフォトレジスト9が露光される。
また、上方からフォトレジスト9に向けて照射された光線は、図5(b)中の中央の矢印のように、フォトレジスト9、積層体8を通過した後に基板1の裏面1aおよび/または基板1の裏面と接する露光ステージ20によって反射される。この反射された光線によって、フォトレジスト9が下方から露光される。
基板1の裏面1aおよび/またはステージ20で反射されて再度フォトレジスト9に到達する光線は、フォトレジスト9と基板1との間の距離を往復することにより、上方からフォトレジスト9に入射したときよりも図中横方向に拡がった状態で下方からフォトレジスト9に入射する。このような下方からの拡がりを伴った光線による露光と、上方からの光線による露光によって、フォトレジスト9のうちのアンダーカット形状の領域9A,9Bが露光される。
本工程で設定される露光量は、適正露光量の200〜500%であることが好ましい。このように露光量を設定することにより、容易にアンダーカット形状の領域を露光することができる。さらには、露光量を、適正露光量の300〜400%、すなわち適正露光量の3〜4倍に設定することが好ましい。このように露光量を設定することにより、適切に基板1の面1aからの光線の反射および露光ステージからの光線の反射を利用することができ、確実にアンダーカット形状の開口部を形成することができる。
また、図5(b)において、厚さ全長がd1のフォトレジスト9の部分において、上部よりも断面積の大きい切り込み形状の下部の横方向の幅d2および高さd3は、露光量によって制御される。したがって、露光時の露光量を調整することにより、たとえば、順テーパ形状の開口部を形成することができる。換言すれば、開口部を構成するフォトレジストの形状が部分が逆テーパ形状になる。
≪開口部を形成する工程≫
図6は、フォトレジストに開口部を形成する工程を説明するための図である。
図6に示されるように、フォトレジスト9を現像することにより、フォトレジスト9のうちの露光された領域9A,9Bの部分が溶解して、溶解した領域に対応したアンダーカット形状の開口部11A,11Bが形成される。現像には、公知の現像方法を用いることができるが、たとえば、基板1、積層体8、およびフォトレジスト9からなる構造体全体を現像液に浸漬してもよい。
≪金属膜を形成する工程≫
図7は、金属膜を形成する工程を説明するための図である。
本工程では、金属蒸着処理によって、フォトレジスト9の開口部11A,11B内に露出する積層体8上に、電極としての金属膜7A,7Bを形成する。この処理により、フォトレジスト9の表面にも金属膜7が形成される。なお、本工程の前処理として、現像処理後、フォトレジスト9をポストベークしておき、フォトレジスト9の積層体8に対する密着性を向上させておくことが好ましい。フォトレジスト9の耐熱性が必要となる場合には、フォトレジスト9へのUV照射を行っても良い。
電極7A,7Bを構成する金属材料としては、公知の材料を用いることができ、たとえば、積層体8側から順にTi、Auを積層した構成を用いることができる。開口部11A,11Bは、アンダーカット形状となっているため、電極7A,7Bは容易に順テーパ形状に形成される。
≪フォトレジストを除去する工程≫
本工程は、金属膜形成後に積層体8上からフォトレジスト9を除去する工程であり、有機溶剤またはフォトレジスト剥離剤を用いることにより、積層体8から、表面に金属膜7が形成されたフォトレジスト9を除去する。フォトレジスト9を除去することにより、図1に示す発光素子100が作製される。
ここで、フォトレジスト9の開口部11A,11Bは、アンダーカット形状であるため、金属膜7A,7Bとフォトレジスト9上の金属膜7との間に段切れが生じる。すなわち、金属膜7A,7Bがフォトレジスト9上に堆積した金属膜7と繋がることがないため、容易にフォトレジスト9を除去することができるとともに、金属膜7A,7Bにバリが発生するのを抑制することができる。したがって、電極としての金属膜7A,7Bの形状を安定的に形成することができる。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、複数の性質の異なるフォトレジストを用いることなく、また、イメージリバース法を用いることなく、少ない工程数で、逆アンダーカット形状の開口部を有するフォトレジスト9を形成することができる。したがって、低コストで、順テーパ形状の金属膜7A,7Bを形成することができ、フォトレジスト9を容易に除去することができるとともに、金属膜7A,7Bのバリの発生を抑制することができる。これにより、低コストで、電極の形状の安定性に優れた窒化物系化合物半導体発光素子を製造することができる。
電極にバリが発生している場合、窒化物系化合物半導体発光素子の必要な領域への保護膜の形成が困難となる。しかし、本実施の形態に係る発光素子100によれば、金属膜7A,7Bが順テーパ形状を有し、バリも発生していないため、図8に示されるような保護膜12を、必要な領域のみに容易に形成することができる。
また、本発明によれば、一般的なポジ型のレジスト、ノボラック系樹脂、感光性ポリイミド、感光性エポキシ系樹脂などを用いることができる。特に、感光性ポリイミド、感光性エポキシ系樹脂は、130℃以上の温度に対する耐熱性を有しているものがあり、たとえば、高融点の金属を電極として用いる場合にも、電極の形状の安定性に優れた窒化物系化合物半導体発光素子を製造することができる。
<第2の実施の形態>
以下に、第2の実施の形態として、金属膜の応力が、フォトレジストの開口部付近に集中するのを抑制することにより、フォトレジストのクラックの発生およびフォトレジストの形状の変化を抑制することが可能な、窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法について説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。
図9において、窒化物系化合物半導体発光素子200(以下、単に「発光素子200」という。)は、図1の発光素子100と比較して、金属膜7C,7Dの形状が金属膜7A,7Bと異なるのみで、他の構成は発光素子100と同じであるので、窒化物系化合物半導体発光素子の構成の説明は繰り返さない。なお、金属膜7C,7Dの形状については後述する。
次に、発光素子200の製造方法を説明する。図10は、第2の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造工程を示すフローチャートである。
図10に示すように、本実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法は、積層体を形成する工程(ステップS31)と、フォトレジストを形成する工程(ステップS32)と、第1の露光をする工程(ステップS33)と、第2の露光をする工程(ステップS34)と、開口部および凹部を形成する工程(ステップS35)と、金属膜を形成する工程(ステップS36)と、フォトレジストを除去する工程(ステップS37)と、を有する。以下に、図11〜16を用いて、各工程について詳細に説明する。なお、積層体を形成する工程、およびフォトレジストを形成する工程は、第1の実施の形態と同様であるので、説明は繰り返さない。
≪第1の露光をする工程≫
図11は、フォトレジストに第1の露光をする工程を説明するための図である。なお、図11および後述する図12、13において、各領域9Eの大きさおよび各凹部32の図中における横幅は、作図上、領域9C,9Dおよび開口部11C,11Dのそれぞれの1/2程度の大きさとなっているが、各領域9Eの大きさおよび各凹部32の大きさは、領域9C,9Dおよび開口部11C,11Dのそれぞれよりも充分に小さい。
図11に示されるように、本工程では、まず、フォトレジスト9上にマスク10を載置する。マスク10は、電極が形成されるべき位置に対応する位置が開口したレジストパターンを有する。そして、フォトレジスト9に第1の露光を行う。露光に用いる露光機としては、たとえば、露光ステージを備える露光機を用いることができる。積層体8およびフォトレジスト9が形成された基板1に対して、図11上方から下方に向けて(フォトレジスト9側から基板1側に向けて)光線を照射する。これにより、フォトレジスト9のうちの領域9C,9Dが露光される。
第1の露光では、領域9C,9Dがアンダーカット形状となるように露光することが好ましく、例えば、上述の第1の実施の形態に係る露光処理を採用することができる。また、通常の露光処理によってアンダーカット形状に形成されるように設計されたフォトレジストを用いることもできる。
≪第2の露光をする工程≫
図12は、フォトレジストに第2の露光をする工程を説明するための図である。
図12に示されるように、本工程では、マスク10の代わりにマスク21をフォトレジスト9上に載置し、第2の露光を行う。マスク21は、複数の円形状の孔が開口したレジストパターンを有する。第2の露光では、フォトレジスト9の厚み方向全長を露光するのではなく、該フォトレジスト9の表面から所定の深さまでを露光する。したがって、第2の露光時は、第1の露光時の露光量よりも低い露光量で行われる。この第2の露光により、各領域9Eが露光される。所定の深さとは、領域9C,9Dのうちの断面積の大きい下部のそれぞれと領域9Eが重ならないような深さであればよい。なお、図12の一点鎖線は、第1の露光処理で露光された領域9C,9Dを示している。
≪開口部および凹部を形成する工程≫
図13は、フォトレジストに開口部および凹部を形成する工程を説明するための図である。
図13に示されるように、本工程では、フォトレジスト9を現像することにより、フォトレジスト9のうち、第1の露光で露光された領域9C,9Dの部分が溶解して、溶解した領域に対応したアンダーカット形状の開口部11C,11Dが形成され、第2の露光で露光された各領域9Eの部分が溶解して、溶解した領域に対応した各凹部32が形成される。現像には、公知の現像方法を用いることができるが、たとえば、基板1、積層体8、およびフォトレジスト9からなる構造体全体を現像液に浸漬してもよい。
図14は、フォトレジストの表面に形成される凹部の位置の一例を示した図であり、図13の開口部11C付近を上方から見た場合の概略図である。
凹部32の形成位置は限定されないが、例えば、図14に示されるように、フォトレジスト9の表面に一様に形成することができる。このように形成することにより、後述する応力を分散することができる。さらには、開口部11Cを構成するフォトレジスト9の開口部外周部33に、折れ曲がった屈曲部分33aがある場合には、屈曲部分33aと凹部32が重なるように、第1の露光および/または第2の露光で露光する各露光位置を調整することが好ましい。このように形成することにより、応力を効果的に分散することができる。
≪金属膜を形成する工程≫
図15は、金属膜を形成する工程を説明するための図である。
本工程では、金属蒸着処理によって、フォトレジストの開口部11C,11D内に露出する積層体8上に、金属膜7C,7Dを形成する。この処理により、フォトレジスト9表面にも金属膜7が形成される。なお、本工程の前処理として、現像処理後、フォトレジスト9をプリベークしておき、フォトレジスト9の積層体8に対する密着性を向上させておくことが好ましい。フォトレジスト9の耐熱性が必要となる場合には、フォトレジスト9へのUV照射を行っても良い。
金属膜7C,7Dを構成する金属材料としては、公知の材料を用いることができ、たとえば、積層体8側から順にTi、Mo、Auを積層した構成を用いることができる。開口部11C,11Dの形状をアンダーカット形状または順テーパ形状とすることによって、金属膜7C,7Dは容易に順テーパ形状に形成される。
本実施の形態において、フォトレジスト9の表面には複数の凹部32が形成されているため、フォトレジスト9のうち、開口部11C,11Dと隣接するフォトレジスト9の部分、たとえば開口部外周部33に集中する金属膜7の応力を分散することができる。また、応力は、開口部外周部33の屈曲部分33aに集中する傾向があるが、上述の開口部および凹部を形成する工程において、図14に示されるように、凹部32を屈曲部分33aと重なるように形成することにより、屈曲部分33aへの応力の集中を効果的に分散することができる。
したがって、フォトレジストの特定の位置に金属膜による応力が集中することによるクラックの発生、フォトレジストの形状変化を抑制することができ、結果的に、電極の形状を安定的に形成することができる。また、凹部32は、ディンプル形状であることが好ましい。凹部32がディンプル形状である場合、より効果的に応力を分散することができる。なお、ディンプル形状とは、半球形状に窪んだ形状をいう。
≪フォトレジストを除去する工程≫
本工程は、金属膜形成後に積層体8上からフォトレジスト9を除去する工程であり、有機溶剤またはフォトレジスト剥離剤を用いることにより、積層体8から金属膜7が形成されたフォトレジスト9を除去する。フォトレジスト9を除去することにより、図8に示す発光素子200が作製される。
例えば、図14に示すフォトレジスト9を用いて金属膜7Cを形成した場合には、図16に示すように、上方から見たときの電極の上面の周辺端部分に、凹状に窪んだ形状の凹欠部34aを有する電極としての金属膜7Cを作成することができる。なお、図16は、図14のフォトレジストを用いた場合に形成される電極を上方から見た場合の形状を示している。
ここで、フォトレジスト9の開口部11C,11Dがアンダーカット形状または逆テーパ形状を有することにより、金属膜7A,7Bとフォトレジスト9上の金属膜7との間に段切れが生じる。すなわち、金属膜7C,7Dがフォトレジスト9上に堆積した金属膜7と繋がることがないため、容易にフォトレジスト9を除去することができるとともに、金属膜7C,7Dにバリが発生するのを抑制することができる。したがって、金属膜7C,7Dの形状を安定的に形成することができる。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、フォトレジスト9の表面に凹部32を形成することにより、金属膜7がフォトレジスト9の表面に蒸着した際に、フォトレジスト9の開口部11C,11Dを構成する開口部外周部33に集中する応力を分散させることができる。これにより、フォトレジスト9のクラックの発生、フォトレジスト9の形状の変化を抑制することができるため、低コストで、電極の形状の安定性に優れた窒化物系化合物半導体発光素子を製造することができる。
電極にバリが発生している場合、窒化物系化合物半導体発光素子の必要な領域への保護膜の形成が困難となる。しかし、本実施の形態に係る発光素子200によれば、金属膜7C,7Dのバリの発生が抑制されるため、図8に示されるような保護膜12を、必要な領域のみに容易に形成することができる。
また、凹部32は、フォトレジストの表面のうち、少なくとも開口部外周部33のうちの屈曲部分33aに重なるように配置されることが好ましい。屈曲部分33aには、応力が特に集中する傾向にあるが、屈曲部分33aに凹部32を形成することにより、応力をより効果的に分散することができる。凹部32がディンプル形状である場合には、応力のさらに効果的な分散が可能となる。
また、例えば、図17(a)に示すように、開口部外周部33の屈曲部分33aのみならず、開口部外周部33全体に凹部32が重なるように、第1の露光および/または第2の露光で露光する各露光位置を調整しても良い。図17(a)のフォトレジスト9は、例えば、第1の露光処理および現像処理によって開口する開口部11C’の外周を鋸歯形状とし、第2の露光処理および現像処理によって形成される凹部を、開口部外周部33の屈曲部分33aのみならず、開口部外周部33全体の鋸歯部分と重なるように形成することによって、形成することができる。フォトレジスト9をこのように形成することにより、開口部外周部33に集中する膜応力を効果的に分散することができる。なお、このようなフォトレジスト9を用いて電極を形成した場合には、図17(b)に示されるような、凹欠部34a,34bを有する金属膜7C’が形成される。
また、図18に示されるように、フォトレジストに開口部および凹部を形成する工程において、開口部外周部33以外の部分のフォトレジスト9の表面と基板との距離が、開口部外周部33の部分のフォトレジスト9の表面と基板との距離よりも短くなるように、凹部32を形成しても良い。
この場合にも、図19に示されるように、開口部外周部33の屈曲部分33aに凹部32が重なるように、第1の露光および/または第2の露光で露光する各露光位置を調整することが好ましい。なお、このようなフォトレジストを用いて電極を形成した場合には、図16に示されるような、凹欠部34aを有する金属膜7Cが形成される。
また、本発明によれば、一般的なポジ型のレジスト、ノボラック系樹脂、感光性ポリイミド、感光性エポキシ系樹脂などを用いることができる。特に、感光性ポリイミド、感光性エポキシ系樹脂は、130℃以上の温度に対する耐熱性を有しているため、たとえば、高融点の金属を金属膜として用いる場合にも、電極の形状の安定性に優れた窒化物系化合物半導体発光素子を製造することができる。
本実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法により製造される窒化物系化合物半導体発光素子が備える電極は、例えば、図16、図17(b)に示されるように、窒化物系化合物半導体発光素子を上方から見たときの電極の上面の周辺端部に凹欠部34aまたは凹欠部34bを有する。
このように、電極の上面の周辺端部に凹欠部が形成されることにより、金属膜形成時のフォトレジストへの応力が分散されるため、結果的に、安定した電極形状を有するという効果を奏することができる。
<実施例1:第1の実施の形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法>
実施例1では、まず、有機金属気相成長法を用いて、サファイアからなる基板1上に、バッファ層2、n型の第1導電型窒化物系化合物半導体層3、活性層4、p型の第2導電型窒化物系化合物半導体層5を順に積層して、基板1上に積層体8を形成した。このときの基板1の厚さは400μmであり、積層体8の厚さは5μmであった。また、n型不純物としてSi等を、p型不純物としてMg等を用いた。
次に、金属蒸着法を用いて、第2導電型窒化物系化合物半導体層5上にITO膜6を堆積した。次に、フォトエッチングによってITO膜6のパターンを形成した後、他のフォトエッチングによって、第2導電型窒化物系化合物半導体層5、活性層4および第1導電型窒化物系化合物半導体層3を部分的に除去した。
次に、スピンコート法により、積層体8上にフォトレジスト9を塗布した。フォトレジスト9の材料には、ノボラック系レジストの「PFI−55B2」(住友化学株式会社製)を用いた。そして、塗布したフォトレジスト9をプリベークすることにより、フォトレジスト9を固化させた。
次に、フォトレジスト9上にマスク10を載置し、基板1をコンタクトアライナーの露光ステージ20に載置して露光した。このフォトレジスト9を、ステージ20から光線を反射させることなく、通常の露光を行うのに必要な適正露光量が150mJであったため、露光時の露光量を400mJとした。
次に、基板1、積層体8、およびフォトレジスト9からなる構造体全体を、TMAH2.38%の現像液に90秒間浸漬することにより、現像処理を行った。これにより、フォトレジスト9において、アンダーカット形状の開口部11A,11Bが形成された。
図20は本発明における実施例1により形成されたフォトレジストの開口部の形状を示す概略的な断面図である。
図20において、フォトレジスト9の開口部11A近傍における厚さd1は2μmであり、開口部11Aの下部の切り込み部11aの横方向の幅d2が0.6μm、切り込み部11aの高さd3が0.6μmであった。なお、d1〜d3は、フォトレジスト9の断面が露出するように基板1を分割したサンプルを、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いることにより測定した。
次に、開口部11A,11Bが形成されたフォトレジスト9をプリベークし、その後、開口部11A,11B内に露出する積層体8上に、金属蒸着法を用いてn側電極としての金属膜7Aおよびp側電極としての金属膜7Bを形成した。このとき、フォトレジスト9上にも金属膜7が形成された。各金属膜7A,7Bの構造は、積層体8側からTiを5nm、Auを300nm積層した構造とした。そして、フォトレジスト剥離剤としてのリムーバーを用いて金属膜7が形成されたフォトレジスト9を除去し、窒化物系化合物半導体発光素子を作製した。さらに、窒化物系化合物半導体発光素子の積層体8上に、P−CVD(Plasma−Chemical Vapor Deposition)による酸化膜12を形成した。
本実施例1で製造された窒化物系化合物半導体発光素子の金属膜7C,7Dにはバリが発生していなかった。これは、電極形成のためのフォトレジスト9の開口部11A,11Bの形状がアンダーカット形状であるため、電極7A,7Bを、バリを発生させることなく、順テーパ形状に形成することができたもの考えられる。また、電極7A,7Bにバリが発生していないことにより、窒化物系化合物半導体発光素子の表面を的確に酸化膜12により覆うことができた。
<実施例2:第2の実施に形態に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法>
実施例2では、まず、有機金属気相成長法を用いて、サファイアからなる基板1上に、バッファ層2、n型の第1導電型窒化物系化合物半導体層3、活性層4、p型の第2導電型窒化物系化合物半導体層5を順に積層して、基板1上に積層体8を形成した。このときの基板1の厚さは400μmであり、積層体8の厚さは5μmであった。また、n型不純物としてSi等を、p型不純物としてMg等を用いた。
次に、金属蒸着法を用いて、第2導電型窒化物系化合物半導体層5上にITO膜6を堆積した。次に、フォトエッチングによってITO膜6のパターンを形成した後、他のフォトエッチングによって、第2導電型窒化物系化合物半導体層5、活性層4および第1導電型窒化物系化合物半導体層3を部分的に除去した。
次に、スピンコート法により、積層体8上にフォトレジスト9を塗布した。このフォトレジストの材料は、通常の露光処理および浸漬処理により、半導体表面まで露光された部分がアンダーカット形状に開口するように設計されたフォトレジストである。そして、塗布したフォトレジスト9をプリベークすることにより、フォトレジスト9を固化させた。固化後のフォトレジスト9の膜厚は3μmであった。
次に、フォトレジスト9上に開口部形成用のマスク10を載置し、基板1をコンタクトアライナーの露光ステージ20に載置して第1の露光を行った。第1の露光時の露光量は180mJであった。次に、マスク10の代わりに凹部形成用のマスク21を載置し、第2の露光を行った。第2の露光時の露光量は50mJであった。マスク21は、直径5μmの円形の孔が一定間隔で配置されたものを用い、第1の露光によって露光される領域と第2の露光によって露光される領域が図11の位置関係となるようにマスク21を載置した。
次に、基板1、積層体8、およびフォトレジスト9からなる構造体全体を、TMAH2.38%の現像液に80秒間浸漬することにより、現像処理を行った。これにより、フォトレジスト9において、アンダーカット形状の開口部11C,11Dおよび凹部32が形成された。
次に、開口部11C,11Dおよび凹部32が形成されたフォトレジスト9をプリベークし、その後、積層体8上に、金属蒸着法を用いてn側電極としての金属膜7Cおよびp側電極としての金属膜7Dを形成した。このとき、フォトレジスト9上にも金属膜7が形成された。各金属膜7C,7Dの構造は、下側からTiを5nm、Moを50nm、Auを300nm積層した構造とした。そして、フォトレジスト剥離剤としてのリムーバーを用いて金属膜7が形成されたフォトレジスト9を除去し、窒化物系化合物半導体発光素子を作製した。さらに、窒化物系化合物半導体発光素子の積層体8上に、P−CVDによる酸化膜12を形成した。
本実施例2で作成されたフォトレジストには、クラックが発生していなかった。これは、フォトレジストの表面に凹部を形成したこと、さらに、開口部を構成する開口部外周部33の屈曲部分33aに凹部を形成したことが原因と考えられる。また、本実施例2で製造された窒化物系化合物半導体発光素子の電極にはバリが発生していなかった。これは、凹部の形成により、フォトレジストの形状が安定していたためと考えられる。さらに、電極形成のためのフォトレジスト9の開口部11C,11Dの形状がアンダーカット形状としたことにより、金属膜7C,7Dを順テーパ形状に形成することができたためと考えられる。また、金属膜7C,7Dにバリが発生していないことにより、窒化物系化合物半導体発光素子の表面を的確に酸化膜12により覆うことができた。
本発明は、青色発光の発光ダイオードやレーザダイオードに用いられる発光素子の製造に適用することができる。
1,200,300 基板、2 バッファ層、3 第1導電型窒化物系化合物半導体層、4 活性層、5 第2導電型窒化物系化合物半導体層、6 ITO膜、7,7A,7B,7C,7C’,7D 金属膜、8 積層体、9,201,202,300 フォトレジスト、10,21 マスク、11A,11B,11C,11D, 開口部、12 保護膜、20 露光ステージ、32 凹部、33 開口部外周部、33a 屈曲部分、34a,34b 凹欠部。

Claims (9)

  1. 基板上に、少なくとも第1導電型半導体層と活性層と第2導電型半導体層とをこの順に含む窒化物系化合物半導体の積層体を形成する工程と、
    前記積層体上にフォトレジストを塗布する工程と、
    前記フォトレジストが塗布された積層体をステージ上に載置して、前記ステージの上方から前記フォトレジストに向けて光を照射することによって前記フォトレジストを上方から露光するとともに、該照射された光を前記ステージから反射させることによって前記フォトレジストを下方から露光する、第1の露光をする工程と、
    前記フォトレジストに、前記第1の露光時の露光量よりも低い露光量で第2の露光をする工程と、
    前記第1の露光および第2の露光後の前記フォトレジストを現像することによって前記フォトレジストに開口部および凹部を形成する工程と、
    前記開口部および前記凹部が形成されたフォトレジスト上および前記開口部が形成されることによって露出した前記積層体上に金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜が形成されたフォトレジストを除去する工程と、を有する窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記基板は前記第1の露光時の光を透過可能な透明基板である請求項1に記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記第1の露光時の露光量は、適正露光量の3〜4倍である請求項1または2に記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記開口部は、下部から上部に向けて断面積が段階的に小さくなる順テーパ形状、または下部が上部よりも断面積の大きいアンダーカット形状である請求項1から3のいずれかに記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記フォトレジストは、耐熱温度が130℃以上である感光性材料からなる請求項1から4のいずれかに記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記感光性材料は、感光性ポリイミド、感光性エポキシ含有樹脂の少なくとも1つを含む請求項5に記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記開口部は、前記第1の露光によって露光された領域に形成され、前記凹部は、前記第2の露光によって露光された領域に形成される請求項1から6のいずれかに記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記凹部を前記フォトレジストの表面に複数形成する請求項1から7のいずれかに記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記フォトレジストの表面の前記基板からの距離が、前記フォトレジストのうち、前記開口部を構成する開口部外周部以外の部分が前記開口部外周部よりも短くなるように、前記凹部を形成する請求項1から8のいずれかに記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
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