JP5359926B2 - 質量分析装置 - Google Patents
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Description
図6は、ESI法を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置の一例を示す概略構成図である。図7及び図8は、図6に示すイオン化室の斜視図であり、図5は、スプレーの詳細図である。なお、図7は、扉を閉めた状態のイオン化室であり、図8は、扉を開けた状態のイオン化室である。
液体クロマトグラフ質量分析装置には、チャンバ(筐体)210を備えるイオン化室11と、イオン化室11に隣接する第1中間室12と、第1中間室12に隣接する第2中間室13と、第2中間室13に隣接する質量分析室(MS部)14とがそれぞれ隔壁を介して連続的に設けられている。
ここで、図5(a)は、スプレーの側面図であり、図5(b)は、図5に示すAの拡大断面図である。スプレー15は、二重管構造になっており、流路155を介して供給される液体試料は円管159の内側から噴出される。一方、流路156から供給される窒素ガスは円管159と円管形状のノズル152との間から噴射される。このようにすることにより、噴出された液体試料は、円管159の周囲に噴射されるネブライズガスとの衝突作用により霧状態となって噴霧される。
また、ノズル152の先端に電圧源(図示せず)から数kVの高電圧が印加されるように配線(図示せず)が接続されており、イオン化が行われるようになっている。
また、スプレー15の先端部は、スプレー本体に対して位置調節ツマミ(図示せず)によりx軸に直交するyz面内の所定範囲で略平行に移動可能となっており、適宜に位置を調整した後に位置固定ツマミにより位置を固定することができるようになっている。さらに、スプレー15は、スプレー本体に対してx軸方向に抜き差しができる(突出量dxを調整することができる)ようになっており、適宜に位置を調整した後にナット(図示せず)により位置を固定することができるようになっている。
上面210aには、上下方向に連通する円形状の開口部11aが形成されており、開口部11aにスプレー15が上方向から取り付けられるようになっている。
隔壁210bは、イオン化室11の内部と第1中間室12の内部とを仕切るように配置され、隔壁210bには、温調機構(図示せず)が内蔵されたヒータブロック20が固定してあり、ヒータブロック20には、円管形状(直径外径1.6mm、内径0.5mm)の脱溶媒管19が形成されている。これにより、イオン化室11の内部と第1中間室12の内部とは、脱溶媒管19を介して連通する。よって、脱溶媒管19は、スプレー15により噴霧されたイオンや微細な試料の液滴が内部を通過するときに、加熱作用や衝突作用により脱溶媒化、イオン化が促進される機能を有する。
なお、脱溶媒管19の入口は、スプレー15からの試料噴霧方向に対して略直角方向に向けてあり、噴霧された巨大な試料の液滴がそのまま脱溶媒管19内に飛び込むのを防ぐようにしてある。また、スプレー15の試料噴霧方向の前方の下面210fには、ドレイン30が形成されており、不要な試料はドレイン30から外部へ排出されるようになっている。
第2中間室13の内部には、オクタポール23と、フォーカスレンズ24とが設けられ、第2中間室13の下面には、ターボ分子ポンプ(TMP)で真空排気するための排気口32が設けられている。第2中間室13と質量分析室14との間の隔壁には、細孔を有する入口レンズ25が設けられ、この細孔を介して第2中間室13の内部と質量分析室14の内部とが連通する。
質量分析室14の内部には、第1四重極16と、第2四重極17と、検出器18とが設けられ、質量分析室14の下面には、ターボ分子ポンプ(TMP)で真空排気するための排気口33が設けられている。
なお、イオンレンズ21と、オクタポール23と、フォーカスレンズ24と、入口レンズ25とは、それぞれの真空状態下で、それぞれのイオン速度下のもとで通過するイオンを効率的に次段に送り出すための収束作用を有する。
なお、扉150は、耐熱性のカバーと金属製の本体部とゴム製のOリング56とが表側からこの順で積層された構造となっている。
また、本発明の質量分析装置は、前記レバーにおける一端部から回転軸までの長さは、前記他端部から回転軸までの長さより、長くなるようにしてもよい。
本発明の質量分析装置によれば、テコ比により、さらに容易に扉を開くことができる。
そして、本発明の質量分析装置は、前記雄部は、前記レバーに形成された柱状体であるとともに、前記雌部は、前記筐体に形成された柱状体であり、前記四角形の扉の第一辺は上下方向となるように配置され、前記扉は前方に引かれることにより開かれ、前記ロック状態であるときには、前記雄部の柱状体は、前記雌部の柱状体と同じ高さとなる位置で雌部の柱状体の後側に位置し、一方、前記非ロック状態であるときには、前記雌部の柱状体と同じ高さとなるように位置させなくてもよい。
本発明の質量分析装置によれば、前方からはレバーが見えなくなり、見栄えがよくなる。
液体クロマトグラフ質量分析装置には、チャンバ(筐体)110を備えるイオン化室11と、イオン化室11に隣接する第1中間室12と、第1中間室12に隣接する第2中間室13と、第2中間室13に隣接する質量分析室(MS部)14とがそれぞれ隔壁を介して連続的に設けられている。
上面110aには、上下方向に連通する開口部11aが形成されており、開口部11aにスプレー15が上方向から取り付けられるようになっている。
隔壁110bは、イオン化室11の内部と第1中間室12の内部とを仕切るように配置され、隔壁110bには、温調機構(図示せず)が内蔵されたヒータブロック20が固定してあり、ヒータブロック20には、円管形状(直径外径1.6mm、内径0.5mm)の脱溶媒管19が形成されている。これにより、イオン化室11の内部と第1中間室12の内部とは、脱溶媒管19を介して連通する。
なお、脱溶媒管19の入口は、スプレー15からの試料噴霧方向に対して略直角方向に向けてあり、噴霧された巨大な試料の液滴がそのまま脱溶媒管19内に飛び込むのを防ぐようにしてある。また、スプレー15の試料噴霧方向の前方の下面110fには、ドレイン30が形成されており、不要な試料はドレイン30から外部に排出されるようになっている。
なお、扉50は、金属製の本体部とゴム製のOリング56とが表側からこの順で積層された構造となっている。
扉50の第二辺(右辺)50bの側面には、一の字形状部60aと、一の字形状部60aから垂直に所定の長さ(3cm)で伸びる伸長部60bとを有する略Tの字形状のレバー60が取り付けられている。
レバー60の一の字形状部60aの一端部は、測定者に取り扱われるようになっている。これにより、測定者はレバー60を順回転や逆回転で回動することができる。
レバー60の伸長部60bの左側面には、回転軸と平行な中心軸を有する円柱体(直径1cm、高さ0.6cm)のカム(雄部)61が形成されている。
また、扉50が開けられるときには、レバー60の一の字形状部60aの一端部が引かれることにより、レバー60の一の字形状部60aは、上下方向に対して傾くので、レバー60の一の字形状部60aの一端部が、前面110cから離れることになるが、レバー60の一の字形状部60aの他端部が、前面110cの右上延長板11dとぶつかることになる。すなわち、扉50に開く力が加わることになる。よって、レバー60の一の字形状部60aの一端部を、前面110cから離れるように回動すると、レバー60の一の字形状部60aの他端部が、前面110cの右上延長板11dを押圧することで、扉50が開くことになる。このとき、レバー60の一の字形状部60aの一端部から回転軸部60cまでの長さ(7cm)は、レバー60の一の字形状部60aの他端部から回転軸部60cまでの長さ(2cm)より、長くなっているので、テコ比により、容易に扉50を開くことができる。
これにより、扉50が閉まった状態において、カム61は、ピン62と同じ高さとなる位置hでピン62の後側に位置するようになっている(ロック状態)。つまり、カム61とピン62とが同じ高さにあるためぶつかるので、扉50が第一辺50aを軸として開閉不可能になる。
また、扉50が開けられるときには、測定者がレバー60の一の字形状部60aの一端部を回動することで、カム61は、回転軸を中心としてピン62を回り込んで、ピン62より低い高さとなる位置h’に位置するようになっている(非ロック状態)。つまり、カム61とピン62とが同じ高さにないためぶつからず、扉50が第一辺50aを軸として開閉可能になる。
カバー70の側面の上辺は、第一辺50aと垂直となる回転軸で回動可能となるように、扉50の上辺50cとヒンジ63によって固定されている。カバー70の側面の右下部は、ピン65を有するブロック72が形成されており、レバー60の一の字形状部60aの一端部に形成された長穴66に、ピン65が挿入されることで固定されている。これにより、カバー70は、扉50とレバー60とを覆った状態を維持したまま、レバー60とともに、扉50の上辺50cを回転軸として回動する。このとき、扉50が開けられたときには、カバー70の側面は、バネ64によって扉50と平行とならないようになっている。また、扉50が閉まった状態においてロック状態となるときには、カバー70の側面は扉50と平行となるようになっている。よって、測定者は扉50を閉めてカバー70を後方に押圧すると、扉50はロック状態となることになる。
(1)上述した液体クロマトグラフ質量分析装置において、前面110cの右側にはピン(雌部)62が固定して形成されている構成としたが、ピン(雌部)62が前後方向に移動するように形成されているような構成としてもよい。
(2)上述した液体クロマトグラフ質量分析装置において、レバー60の伸長部60bは、前面110cの右側に位置する構成としたが、レバー60の伸長部60bは、前面110cの右下部に形成された直方体形状の凹部に位置するように形成されているような構成としてもよい。
14: 質量分析部
15: スプレー(プローブ)
19: 脱溶媒管
50、150: 扉
60: レバー
60a: 一の字形状部
61: カム(雄部)
62: ピン(雌部)
110、210: チャンバ(筐体)
110a、210a: 上面(第一壁面)
110b、210b: 隔壁(第二壁面)
110c、210c: 前面(第三壁面)
Claims (4)
- 試料をイオン化するイオン化室と、当該イオン化室からイオンが導入される質量分析部とを備え、
前記イオン化室は、第一壁面と第二壁面と第三壁面とを有する筐体を備え、当該筐体によって内部空間が形成され、
前記第一壁面には、前記イオン化室の内部に試料を噴霧するプローブが取り付けられ、
前記第二壁面には、前記イオン化室の内部と質量分析部の内部とを連通する管が形成される質量分析装置であって、
前記第三壁面には、前記イオン化室の内部を開放する開口部が形成されるとともに、当該開口部を覆うための四角形の平板形状の扉が取り付けられ、
前記四角形の扉の第一辺を軸として、前記扉が開閉可能となり、
前記扉の第一辺と対向する扉の第二辺の側面には、前記第一辺と垂直となる回転軸で回動可能となる一の字形状部を有するレバーが形成され、
前記レバーの一の字形状部の一端部は、測定者に取り扱われ、
前記扉が閉まった状態において、前記測定者がレバーの一の字形状部の一端部を順回転で回動することにより、前記レバーに形成された雄部と、前記筐体に形成された雌部とが係合するロック状態となることで、前記扉が開閉不可能となり、
一方、前記測定者がレバーの一の字形状部の一端部を逆回転で回動することにより、前記レバーに形成された雄部と、前記筐体に形成された雌部とが係合しない非ロック状態となることで、前記扉が開閉可能となるように構成され、
前記測定者が非ロック状態とするときには、前記レバーの一の字形状部の一端部を逆回転で回動することにより、前記レバーの一の字形状部の他端部が第三壁面の一部を押圧することで、前記扉に開く力が加わることを特徴とする質量分析装置。 - 前記レバーにおける一端部から回転軸までの長さは、前記他端部から回転軸までの長さより、長いことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
- 前記雄部は、前記レバーに形成された柱状体であるとともに、前記雌部は、前記筐体に形成された柱状体であり、
前記四角形の扉の第一辺は上下方向となるように配置され、前記扉は前方に引かれることにより開かれ、
前記ロック状態であるときには、前記雄部の柱状体は、前記雌部の柱状体と同じ高さとなる位置で雌部の柱状体の後側に位置し、一方、前記非ロック状態であるときには、前記雌部の柱状体と同じ高さとなる位置に位置しなくなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の質量分析装置。 - 前記扉とレバーとを前方から覆うカバーを備え、
前記カバーは、前記扉の第一辺と垂直となる回転軸で回動可能となるように、前記扉と固定されるとともに、前記レバーの一の字形状部の一端部と固定され、
前記カバーは、前記扉とレバーとを覆った状態を維持したまま、前記レバーとともに、前記扉の第一辺と垂直となる回転軸で回動することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の質量分析装置。
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