JP5359821B2 - ビルドアップ配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
このビルドアップ配線基板の製造方法において、更なる導体配線の狭ピッチ化が要求されており、例えば導体配線ピッチ30μmルールでは、導体配線幅/導体間隙幅(以下、ライン/スペース)が15/15μmの導体パターンのように導体配線ピッチの半分である導体配線の間隙幅15μmが要求される。
セミアディティブ工法は、サブトラクティブ工法と比較して導体幅の細り量が少ない工法のため、狭ピッチ導体パターンに向いている工法である。
この原因は、高密度配線化の実現を目的として、銅配線間を狭間隙化するため、ドライフィルムレジストが細くなっても倒れたりしないような高強度の材料設計になっていることによるものである。例えば、バインダーポリマーをより高分子化したり、光重合性モノマーの増量など工夫している。このため、カルボン酸基の相対含有量が少なくなり、ドライフィルムレジストが剥離液を吸水膨潤する量が小さいため、機械的な歪量が少なくなり、剥離しづらくなってきている。
また、狭間隙パターンのドライフィルムレジストの剥離性向上が見込めるため、膜厚が薄いドライフィルムレジストに切り替える必要がなく、微細配線になっても従来の配線厚ルールで、電解銅めっき厚が形成できるビルドアップ配線基板の製造方法を提供することができる。
まず、コア層11の片面または両面に所望のパターン形状を有する銅配線層12を形成する。ここで、銅配線層12は請求項1及び3における導体配線層に該当する。
そして、銅配線層12が形成されたコア層11の上に、絶縁樹脂を塗布して温度120℃程度において真空ラミネートを行い、さらに高温でポストベークして絶縁樹脂層21を形成する(工程A)。ここでは便宜上、コア層11にスルーホールを図示していないが、必要に応じてコア層11を貫通するスルーホール銅配線を形成してもよい。
この無電解銅めっき層31は、従来のセミアディティブ工法におけるシード層と呼ばれる層であり、後の工程Eにおいて無電解銅めっき層31に給電することにより、無電解銅めっき層31の上に所定のパターンの電解銅めっきを行うためのものである。
ドライフィルムレジストとしては、例えば、支持体フィルムと保護層で挟まれた厚み25μm程度の感光性樹脂層であり、無電解銅めっき層31へドライフィルムレジストの保護層を剥がしながら、支持体フィルムをコア層11と逆側に向けて、ホットロールラミネーターにより、ロール温度120℃程度で基材にラミネートする。その後、ドライフィルムレジストの支持体フィルム側に所望のパターンを有するフォトマスクを設置し、フォトマスクの上から露光し、硬化レジストパターンを有するドライフィルムレジストを得る。次に、支持体フィルムを剥離して基材をNa2CO3水溶液中に浸漬して現像し、所望のレジストパターンを有するレジストパターン形状41を得る。
ここで、電解銅めっき層42が請求項1及び2における微細導体配線パターンに該当する。すなわち、電解銅めっき層42は配線間の間隙が15μm以下の導体パターンを構成することとなる。
剥離方法について、図2、図3を用いて説明する。
図2において、高周波電流を流すための絶縁被覆された導体61が、上搬送ロール71と下搬送ロール72の芯を何度も往復するようにビルドアップ配線基板51の搬送部を囲う電磁誘導コイルを形成している。図2は簡易的に4周した状態を示した。この電磁誘導コイルは搬送ロール71、72の芯材であるが、搬送ロールの搬送回転とは独立した構造である。また搬送ロール71、72の表面は、オレフィン系ゴムでコーティングしており、ビルドアップ配線基板51の搬送で傷を付けない構造である。
図3において、隣あう搬送ロールの間には、剥離液のスプレーノズル81を配置しており、剥離液82がビルドアップ配線基板51の上下表面にスプレーされており、搬送ロールに高周波電流を印加すると、上下の搬送ロールの軸が電磁誘導コイルとなり、ビルドアップ配線基板51の銅配線層12を振動させる。誘導コイルと銅配線層12との間に働く電磁力は、誘導コイルに流れる電流と銅配線層12に誘導される誘導電流との間で発生する電磁反発力が支配的である。この電磁反発力は、ビルドアップ配線基板全体に作用する。
この超音波振動による機械的な運動で、レジストパターン形状41の剥離性の向上に寄与するが、この振動によって誘起される剥離液のキャビテーションが、更にまた剥離性の向上に寄与する。
また、剥離し始めた部分に剥離液が浸透しキャビテーションが発生すると、キャビテーション空洞が銅配線層12とドライフィルムレジストとの界面で膨張収縮を繰り返すため、ドライフィルムレジストを浮き上がらせるような物理的な力が発生する。この物理的な力は、剥離して浮き始めたミクロな部分から銅配線層12とドライフィルムレジストとの界面で間隔を広げるように拡大していくため、ドライフィルムレジストの剥離速度向上に効果がある。
ピッチ30μmでL/S=15/15μmの導体パターンの製造方法を図1に即して説明する。
まず、コア層11に形成された銅配線層12上に、絶縁樹脂としてABF GX−13(商品名、アジノモトファインテクノ(株)製)をラミネート温度120℃で真空ラミネートした後、180℃でポストベークして絶縁樹脂層21を得た(工程A)。次いで、レーザードリルにて、絶縁樹脂層21にφ50μmのビアホール22を形成した後、レーザードリルで発生したスミアを除去するため、デスミア処理を行った(工程B)。
更に、ドライフィルムレジストとして、サンフォート(登録商標)UFG−255(商品名、旭化成エレクトロニクス(株)製)を用いた。これは、支持体フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを、保護層としてポリエチレンフィルムを用いており、感光性樹脂層厚みは25μmである。
1μm厚の無電解銅めっき層31へ、ドライフィルムレジストの保護層を剥がしながら、ホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL−70)により、ロール温度120℃で基材にラミネートした。エアー圧力は0.3MPaとし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
ついで、22μm幅の間隙から露出する無電解銅めっき部へ電解銅めっきを行い、20μm厚の電解銅めっき層42を形成した(工程E)。
なお、ここでは40kHzの高周波電源を用いてドライフィルムレジストの剥離を完了した。
その結果、ドライフィルムレジストを剥離不良なく剥離することができ、ピッチ30μmでL/S=15/15μmの導体パターンを有するビルドアップ配線基板を製造することができた。
基材に、電解銅めっきする工程Eまでを実施例1と同様に施した。
ここで、3重量%のNaOH水溶液をドライフィルムレジストの剥膜液として用意した
。ついで、基材をインラインのスプレー剥膜装置に投入し、50℃、圧力0.3MPaで
300秒までスプレーした。13μm以上の硬化レジストパターン(フォトマスクパターンサイズL/S=27/13μm)は剥離できたが、8μm幅のレジストパターン(フォトマスクパターンサイズL/S=32/8μm)は、電解銅めっき層42にドライフィルムレジストが挟まったままで、上手く剥離ができなかった。
12 銅配線層
21 絶縁樹脂層
22 絶縁樹脂層に形成したレーザービアホール
31 無電解銅めっき層
41 ドライフィルムレジストにより形成されたレジストパターン形状
42 電解銅めっき層
51 ビルドアップ配線基板
61 電磁誘導コイル
71 上搬送ロール
72 下搬送ロール
81 スプレーノズル
82 剥離液
Claims (3)
- 狭間隙な微細導体配線パターンを有するビルドアップ配線基板の製造方法であって、
コア層の両面または片面にパターン形状を有した導体配線層を形成する工程と、
前記導体配線層が形成されたコア層の両面または片面に、ビアホールを有する絶縁樹脂層を前記導体配線層及び前記コア層を覆うように形成する工程と、
前記絶縁樹脂層の前記コア層と逆側の面に、導体パターンを有さないシード層を形成する工程と、
前記シード層のコア層と逆側の面に、レジストパターン形状を形成する工程と、
前記レジストパターン形状の非形成部分に前記微細導体配線パターンを形成する工程と、
前記レジストパターン形状を構成するレジストを、前記の工程により得られる積層体から剥離するレジスト剥離工程と、
前記微細導体配線パターンが形成されていない部分の前記シード層をエッチングするエッチング工程を有し、
前記レジスト剥離工程における前記レジストの剥離は、前記積層体に剥離液を塗布したものを、高周波電流を印加した電磁誘導コイルの中を通過させることより、前記導体配線層又は前記微細導体配線パターンの導体を高周波振動させ、機械的な振動力を与えることで行う、
ことを特徴とするビルドアップ配線基板の製造方法。 - 前記印加する高周波電流の周波数は、前記微細導体配線の厚みが15μm以上でかつ隣り合う前記微細導体配線の間隔が15μm以下である場合に、20〜50kHzであることを特徴とする請求項1に記載のビルドアップ配線基板の製造方法。
- 前記レジスト剥離工程において、前記導体配線層を電磁誘導コイルに高周波電流を印加することで誘電加熱することにより、銅配線層を局所過熱することを特徴とする請求項1に記載のビルドアップ配線基板の製造方法。
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