JP5358907B2 - カラーフィルター保護膜用樹脂組成物およびカラーフィルター - Google Patents
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Description
カラーフィルターに用いられるRGBレジストには、光重合開始剤の分解物や界面活性剤、顔料や染料に由来するイオン性不純物が多く含まれている。これらの分解生成物やイオン性不純物が液晶層へ移行すると、液晶表示装置の信頼性を低下させてしまうという問題があった。
このためカラーフィルター保護膜の要求性能の中でも、特に分解生成物やイオン性不純物の液晶層への移行を抑制する高いバリア性能を有することが強く求められている。
さらに、液晶表示装置の技術の進歩に伴い、保護膜に対する要求性能も高度化してきている。特に、液晶表示装置をテレビとして使用する際には、信頼性、即ち長期間使用しても表示画質を低下させないことが求められている。このため先に述べたイオンバリア性に関しても、長期間、過酷な試験で評価されることが多くなった。
保護膜自身の中に未反応の物質が含まれる場合には、この未反応物質が液晶層へ移行すると、液晶層を汚染して液晶表示性能を低下させてしまうことがある。また、保護膜上に形成された透明電極を酸やアルカリ溶液によってエッチングし、パターンを形成する場合には、保護膜がこれらのエッチング工程条件によって劣化したり損傷したりすることがあれば、信頼性を低下させる原因となりうる。
さらに特許文献2においては、重合体に含まれるカルボキシル基が(メタ)アクリロイルオキシ基含有ビニルエーテルによってブロックされた化合物を必須成分とする感光性樹脂組成物が開示されているが、(メタ)アクリロイルオキシ基の重合だけでは十分な架橋密度を得るのが難しい上に、カルボキシル基という極性の高い官能基を多量に含有するために、イオンバリア性や液晶汚染性、耐薬品性に劣るのが実状であった。
しかしながら、近年液晶表示装置がテレビ用途に用いられるようになり、液晶表示装置の更なる長寿命化が強く求められ、カラーフィルターの保護膜にはさらに高いイオンバリア性が求められるようになってきた。特許文献3および4における開示技術によれば、上述のように高いイオンバリア性を有する硬化物が得られるが、さらに架橋密度を上げるべく、カルボン酸誘導体中のカルボキシル基、エポキシ樹脂中のエポキシ基の割合を増やした場合、反応率が低下し、硬化物中に多くの未反応官能基が残存してしまうこととなり、結果としてイオンバリア性や液晶汚染性が低下してしまうことから、近年要求されているような優れた信頼性を得るのは困難であった。
また、本発明の第二の目的は、前記の優れた保護膜特性を有するカラーフィルターを提供することにある。
〔1〕下記の(A)および(B)成分を含有し、(A)成分の有するヘミアセタールエステル基と(B)成分の有するエポキシ基またはオキセタニル基のモル当量比[(A)/(B)]が2/10〜50/10であることを特徴とするカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
(A)下記式(1)で表されるヘミアセタールエステル化合物。
(B)1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物。
〔2〕(C)熱または光によりラジカルを生じる化合物を(A)および(B)成分の合計100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする前記の〔1〕に記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
〔3〕前記の〔1〕または〔2〕に記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の層を有するカラーフィルター。
1.カラーフィルター保護膜用樹脂組成物
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物は、下記の(A)、(B)成分と、必要により(C)成分からなる。
(A)下記式(1)で表されるヘミアセタールエステル化合物。
(B)1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物。
(C)熱または光によりラジカルを生じる化合物
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物におけるヘミアセタールエステル化合物(A)は、下記式(2)で表されるカルボン酸のヘミアセタールエステル結合を有する。
前記の式(1)で示されるヘミアセタールエステル化合物(A)は、加熱によって前記の式(2)で示されるカルボン酸のヘミアセタールエステル結合が解裂することによって下記式(3)で示される多価カルボン酸化合物(a1)と、下記式(4)で示されるビニルエーテル化合物(a2)とが生成される。
前記式(3)で示される多価カルボン酸化合物は、1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物とのエステル化反応により架橋構造を形成する。
さらに、前記式(4)で示されるビニルエーテル化合物は、先のエステル化反応によって生成した水酸基への付加反応により付加反応体を生成する。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が形成している架橋構造は、多価カルボン酸とエポキシ反応によって生成された架橋構造に加えて、(メタ)アクリロイルオキシ基の重合体と共存した構造を形成している。さらには多価カルボン酸とエポキシとの反応によって生成した水酸基は、(メタ)アクリロイルオキシ基重合体とが結合した構造を形成している。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物における、ヘミアセタールエステル化合物(A)は、例えば下記式(3)で表される多価カルボン酸化合物(a1)と下記式(4)で表されるエチレン性不飽和基を含有するビニルエーテル化合物(a2)とを用いて反応させることによって得られる。
前記の多価カルボン酸化合物(a1)において、式(1)におけるR1が炭素数3〜30のアルキル基であるものとして、アジピン酸等の脂肪族多価カルボン酸が挙げられる。また、式(1)におけるR1が炭素数3〜30のシクロアルキル基であるものとして、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(以下、CHTA)等の脂環式トリカルボン酸;シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸が挙げられる。式(1)におけるR1が炭素数3〜30のアリール基であるものとして、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(以下、トリメリット酸)等の芳香族トリカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等の芳香族テトラカルボン酸が挙げられ、式(1)におけるR1が炭素数3〜30のイソシアヌルトリアルキル基であるものとして、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート(CIC酸)などの複素環式トリカルボン酸が挙げられる。なお、以上のカルボン酸の中では、硬化性に優れ、かつカラーフィルターの保護膜として十分なガラス転移温度(Tg)をはじめとする機械物性、耐熱性が得られることから、ピロメリット酸、トリメリット酸またはCHTAのような炭素6員環構造を有する3または4価のカルボン酸化合物、もしくはCIC酸のような複素環式トリカルボン酸が好ましい。
R1の炭素数が3を下回る場合、硬化物の耐熱性が十分でなく、R1の炭素数が30を上回る場合、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を調製する際に十分な混和性が得られず本発明の目的を達することができない。
また、ブロック化反応を行う際、反応系を均一にし、反応を容易にする目的で有機溶剤も使用してもよい。この際に使用する有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素、エーテル類、エステルおよびエーテルエステル類、ケトン類、リン酸エステル類、ニトリル類、非プロトン性極性溶媒、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。より好ましくは、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。当該有機溶剤としては、アルコールまたはイオン性溶剤を除く有機溶剤であることが好ましい。アルコールまたはイオン性溶剤に関しては脱ブロック反応を進行させる場合があることが知られており、カラーフィルター保護膜用樹脂組成物の保存安定性を著しく低下させ、本発明の効果を得ることが難しくなる場合があるからである。
さらに、本発明に用いるエチレン性不飽和基含有ビニルエーテル化合物(a2)を用いブロック化反応時におけるエチレン性不飽和基の重合を防ぐことを目的として、ラジカル重合禁止剤を添加することが出来る。ラジカル重合禁止剤としては、p−メトキシフェノール、ヒドロキノンなどの重合禁止剤が使用される。
1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物(B)としてより具体的には、多価エポキシ樹脂(B1)、多価オキセタニル化合物(B2)、もしくは、エポキシ基またはオキセタニル基含有(メタ)アクリル樹脂(B3)等の1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物が挙げられる。
<多価エポキシ樹脂(B1)>
多価エポキシ樹脂(B1)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型またはビキシレノール型のエポキシ樹脂またはそれらの混合物、ナフタレン基含有エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、DPP(ジ−n−ペンチルフタレート)型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテル等の芳香族ポリグリシジルエーテル;
フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の脂肪族ポリジグリシジルエステル;
N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、テトラグリシジルジアミノフェニルメタン等の芳香族アミン系多価エポキシ樹脂;
エチレングリコールールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族ポリグリジジルエーテル類;
1,2:8,9ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変成3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,1−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプチル3−)−スピロ[1,3−ジオン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、ジシクロペンタジエンジオキサイド等の脂環式多価エポキシ化合物;
N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、テトラグリシジルジアミノフェニルメタン、アニリンジグリシジルエーテル、N−(2−メチルフェニル)−N−(オキシラニルメチル)オキシランメタンアミン、N−グリシジルフタルイミド等のグリジジルアミン類、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等の多価複素環式エポキシ化合物などが挙げられる。
前記の多価エポキシ樹脂(B1)の中で、硬化物の機械物性、高い耐熱性、基材との良好な密着性を得るためには、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、さらにより高いイオンバリア性を有する硬化物が得られることから、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好適なものとして挙げられる。
多価オキセタニル化合物(B2)としては、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタンや3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン等の、炭素数1〜4の分岐を有していてもよい脂肪族アルキル基を有する3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類から誘導される、i)ヒドロキシル化合物と3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのエーテル化物;またはii)カルボキシル化合物と3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのエステル化物が挙げられる。
i)ヒドロキシル化合物と3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのエーテル化物として、例えば、炭素数2〜8のアルキレン基からなる脂肪族グリコール、炭素数2〜18の芳香族アルコール、フェノールノボラック樹脂、重合単位が第4級構造で重合度2〜8のポリシロキサン等のヒドロキシル化合物と、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン等のオキセタン類とをエーテル縮合した化合物等が挙げられる。より具体的には例えば、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)ビフェニル等が挙げられる。
エポキシ基またはオキセタニル基含有(メタ)アクリル樹脂(B3)は、エポキシ基またはオキセタニル基を有する構成単位を分子骨格中に有する。エポキシ基を有する構成単位は、具体的には下記式(6)〜(8)のいずれかで表され、オキセタニル基を有する構成単位としては、具体的には下記式(9)で表される。
前記式(6)〜(9)で表される構成単位はそれぞれ、下記式(10)〜(13)で表されるエポキシ基またはオキセタニル基含有単量体から誘導される。
前記の式(6)および式(10)において、R5は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基である。炭素数が5を超えると重合性の点で不都合となる。また、pは1〜5の整数であり、p=1がより好ましい。pが5を超えると、硬化後に硬化物のTgをはじめ十分な機械物性を得ることができない。
前記の式(7)および式(11)において、R7は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基である。炭素数が5を超えると重合性の点で不都合となる。また、R8は−CH2O−基または−CH2−基、R9は水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、好ましくは−CH2−基である。また、qは1〜7の整数であり、好ましくはq=1である。qが7を超えると、硬化後に硬化物のTgをはじめ十分な機械物性を得ることができない。
前記の式(9)および式(13)において、R11およびR12は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基である。炭素数が5を超えると重合性や反応性の点で不都合となる。また、R13は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水素原子である。炭素数が5を超えると重合性の点で不都合となる。また、sは1〜5の整数であり、好ましくはs=1である。sが5を超えると、硬化後に硬化物のTgをはじめ十分な機械物性を得ることができない。
これらのエポキシ基またはオキセタニル基含有単量体のうち、入手性等の点から、グシシジルメタクリレートが好ましく挙げられる。
エポキシ基またはオキセタニル基含有(メタ)アクリル樹脂(B3)の分子量は、通常3,000以上、好ましくは5,000以上であり、分子量が低すぎると(メタ)アクリル骨格を導入する意義が薄れ、保護膜の硬度が低下し、塗布・硬化後の平坦性が低下する場合がある。
また、1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物(B)のエポキシ当量としては60〜4,000g/eqであることが好ましく、より好ましくは、90〜3,500g/eqである。1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物(B)のエポキシ当量が60g/eq未満であると、架橋密度が高くなりすぎるために、硬化時における収縮が大きくなり、結果として保護膜にひび割れなどの欠陥が生じてしまう可能性があり、4,000g/eqを上回ると保護膜の架橋密度が低くなり保護膜のバリア性や液晶汚染性、耐薬品性が著しく低下する可能性がある。
このようにして得られる本発明の樹脂硬化物の層は、多価カルボン酸化合物とエポキシ基を含有する化合物による架橋構造体であるため、透明性や耐薬品性、耐熱性(加熱による膜減りや変色の程度など)に優れている。さらに、多価カルボン酸とエポキシとの反応によって生成された架橋構造体と、(メタ)アクリロイルオキシ基の重合体とが共存した高架橋密度構造を形成し、さらには多価カルボン酸とエポキシとの反応によって生成した水酸基と(メタ)アクリロイルオキシ基重合体とが結合した構造を形成することによって、高架橋密度かつ極性官能基が少なく、バリア性、液晶汚染性、耐薬品性に優れた保護膜が得られるため、信頼性に優れたカラーフィルターが得られる。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物において、熱または光によりラジカルを生じる化合物(C)は、ヘミアセタールエステル化合物(A)の有しているラジカル重合性基である(メタ)アクリロイルオキシ基の重合反応を促進させることを目的として加えられ、(メタ)アクリロイルオキシ基の重合反応を促進し、架橋密度をさらに高める機能を有する。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に用いる、熱によりラジカルを生じる化合物(C)としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものを使用することができる。その具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のニトリル系アゾ化合物(ニトリル系アゾ系重合開始剤);ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等の非ニトリル系アゾ化合物(非ニトリル系アゾ系重合開始剤);t−ヘキシルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、サクシニックペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、1,1’−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物(パーオキサイド系重合開始剤)などが挙げられる。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物において、(A)成分の有する潜在化多価カルボン酸基と(B)成分の有するエポキシ基又はオキセタニル基のモル当量比[(A)/(B)]は、2/10〜50/10である。
(A)成分の有する潜在化多価カルボン酸基と(B)成分の有するエポキシ基又はオキセタニル基のモル当量比[(A)/(B)]は、好ましくは4/10〜30/10であり、より好ましくは5/10〜20/10である。(A)成分の有する潜在化多価カルボン酸基と(B)成分の有するエポキシ基又はオキセタニル基のモル当量比[(A)/(B)]が2/10よりも小さい場合は、得られる硬化物の架橋密度が低くなるために、本願が目的としている十分なバリア性、液晶汚染性、耐薬品性が得られない。(A)成分の有する潜在化多価カルボン酸基と(B)成分の有するエポキシ基又はオキセタニル基のモル当量比[(A)/(B)]が50/10よりも大きい場合、極性の高いカルボキシル基が過剰に残存することになるため、硬化物の耐薬品性が低下してしまう。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物において、(A)成分と(B)成分の合計量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。合計量が少なすぎると本願の優れた効果を発揮できない場合がある。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物には、粘度等を調整する目的で有機溶剤を添加して使用しても良い。この際に使用する有機溶剤としては、芳香族炭化水素、エーテル類、エステルおよびエーテルエステル類、ケトン類、リン酸エステル類、ニトリル類、非プロトン性極性溶媒、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。
これらの有機溶剤は1種単独または2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
また、これら有機溶剤の添加量については特に制限はされず、所定膜厚、表明の平滑性、および成膜方法等に応じ、任意の量添加し、塗布適性を付与することができる。通常は、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物100重量部に対して、5〜2000重量部を添加して使用される。
前記のシラン系カップリング剤を用いる場合は、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物100重量部に対して、通常1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%である。シラン系のカップリング剤の配合量が1重量%未満であると、得られる保護膜の基材への密着性の向上効果が不充分である。また、シラン系カップリング剤が30重量%を越えると保護膜の硬度等の性能が低下する。
前記の表面調整剤を用いる場合は、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物100重量部に対して、通常0.001〜3重量%添加するのが好ましい。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物には、さらに、粘度調整の目的で、増粘剤、チキソ剤等の粘度調整剤を添加しても良い。また、赤外線や紫外線吸収剤を添加しても良い。
また、線膨張係数の調整、平坦性向上、表面硬度の向上、粘度調整、屈折率の調整、所定波長の光線吸収、密着性の向上等の目的で、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に任意量フィラーを添加することができる。この際用いられるフィラーとしては、透明性を妨げるものでなければ特に限定されないが、シリカゾル、シリカゲル、酸化チタン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が例として挙げられる。これらのフィラーは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
また、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じて、炭酸ガス発生防止剤、可撓性付与剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、表面処理剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、レベリング剤、イオントラップ剤、摺動性改良剤、各種ゴム、有機ポリマービーズ、硝子ビーズ、揺変性付与剤、表面張力低下剤、消泡剤、光拡散剤、抗酸化剤、蛍光剤等の添加剤を配合することができる。
以下に本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物の配合、攪拌、分散手法に関して説明する。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物において、上記(A)〜(C)の必須成分をはじめとする各成分を一括配合しても良いし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合しても良い。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解して調製してもよいし、必要に応じては各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して調製してもよい。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物において、上記(A)〜(C)の必須成分をはじめとする各成分混合後の攪拌に関しては、羽根形撹拌機、デソルバー、ニーダー、ボールミル混和機、ロール分散機等を用いて撹拌をおこなってもよいし、各成分をガロン瓶等の容器に配合してから容器ごとミックスローターで回転させて攪拌してもよい。混合および攪拌の温度は、配合成分にもよるが、通常、結露や溶剤の揮散を避けるために、10〜60℃が好ましい。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物は、硬化させて硬化物の層を形成し、保護膜として利用することができる。この方法としては、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に溶剤を添加し適宜粘度調整して塗布液とし、まず、それを例えばカラーフィルターの着色層を形成した側の表面に塗布する。塗布の方法に関しては、特に限定されるものではなく、通常用いられる塗布手法として、例えば、スピンコーター塗布法、浸漬塗布法、スプレーコーター塗布法、ロールコーター塗布法、スクリーン印刷塗布法、オフセット印刷塗布法、スリットコーター塗布法、ダイコーター塗布法等の単独または組み合わせにより、基材に塗布することができる。
次に、得られた塗膜を乾燥し、さらに必要に応じて予備加熱(以下、プリベーク)を行った後、本硬化加熱(以下、ポストベーク)を経て樹脂硬化物の層を形成する。この際には、プリベーク条件として40〜140℃、0〜1時間、ポストベーク条件として150〜280℃、0.2〜2時間が好ましい条件として挙げられる。また、この際の加熱手法としては、特に限定されるものではなく、例えば、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の硬化装置を採用することができる。加熱源は特に制約されることなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等の方法で行うことができる。
以下に本実施例および比較例で用いた測定方法、評価方法を示す。
<全酸当量>
全酸当量は、JIS K 0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」の加水分解酸価測定によって測定した。
<平均分子量>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び多分散度(Mw/Mn)は、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、カラムとして昭和電工(株)製SHODEX K−801を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算により求めた。
<エポキシ当量>
エポキシ当量は、JIS K 7236:2001「エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方」によって規定される方法によって測定した。
バリア性の評価は、水蒸気透過度の測定を用いて行った。
硬化物をJIS K7129:1992「プラスチック及びシートの水蒸気透過度試験方法(機器測定法)」のB法に準じて、水蒸気透過度測定装置MOCON社製PERMATRANを用いて、90%R.H.で行った。
判定基準は次のとおりである。
水蒸気透過度測定によって得られた結果X(g/m2/day)が、
◎:X≦4.0
○:4.0<X≦5.0
△:5.0<X≦7.0
×:X>7.0
実用に供するには△以上が必要であり、近年要求される高い信頼性を得るためには○以上が必要である。
液晶汚染性の評価サンプルは、次のようにして作製した。
ガラス基板上に作製した硬化物を剥離、粉砕することで各硬化物の粉末を得た。次に得られた粉末0.1gを、1.0gのMerk社製液晶材料ZLI−4792と試験管中で混合し、密閉したものに対して150℃、60分の促進試験を施した。
促進試験後の液晶材料の上澄みを、実際の液晶パネルを模した小型の評価用セルに注入し、測定サンプルとした。
液晶汚染性の測定は、電圧保持率の測定を用いて行った。
電圧保持率の測定は、(株)東陽テクニカ製液晶物性測定システム6254型を用いて、80℃、フレーム周期166.7ミリ秒にて行った。
判定基準は以下のとおりである。
電圧保持率測定によって得られた結果Y(%)が、
◎:Y≧95
○:95>Y≧90
△:90>Y≧85
×:Y<85
実用に供するには○以上が必要であり、近年要求される高い信頼性を得るためには◎以上が必要である
耐薬品性の評価は、硬化物の酸・アルカリ溶液への浸漬試験前後の膜厚測定によって行った。
硬化物を作製したガラス基板を、酸処理(H2O/HCl/HNO3=1/1/0.04〈重量比〉、50℃×8分間)、およびアルカリ処理(5%NaOHaq、60℃×5分間または10分間)した際のサンプル膜厚の変化率を測定した。
膜厚変化率は次の式によって算出した
[膜厚変化率(%)]={[浸漬後の膜厚(μm)−浸漬前の膜厚(μm)]/[浸漬前の膜厚(μm)]}×100
判定基準は次のとおりである。
膜厚変化率の算出結果Zの絶対値|Z|が
◎:|Z|≦1.0
○:1.0<|Z|≦2.0
△:2.0<|Z|≦3.0
×:|Z|>3.0
実用に供するには○以上が必要である。
<ヘミアセタールエステル化合物A−1の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、PMA31.8g、三菱瓦斯化学(株)製トリメリット酸(以下、TMA)13.7g、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート (以下、VEEA)54.5g、p−メトキシフェノール0.05gを仕込み、攪拌しながら加熱し70℃に昇温した。次いで、温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が2.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了し、溶液の酸価0.64mgKOH/gのブロック化されたカルボキシル基を2個以上有するヘミアセタールエステル化合物(A−1)の溶液を得た。
<ヘミアセタールエステル化合物A−2〜5の合成>
合成例1と同様にヘミアセタールエステル化合物(A−2〜5)を得た。各原料の仕込み比、反応温度、酸価および全酸当量を表1に示す。
TMA:無水トリメリット酸
ADA:アジピン酸
CHTA:1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸
CIC:トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート
VEEA:2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート
VEEM:2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルメタアクリレート
pMP:p−メトキシフェノール
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<重合体(B−1)の重合>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた容量500mLの4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PMA)を152g仕込み、攪拌しながら加熱して80℃に昇温した。次いで、80℃の温度で日本油脂(株)製「ブレンマー GH」(;商品名)メタクリル酸グリシジル(以下、GMA)113.7g、メタクリル酸シクロヘキシル(以下、CHMA)86.3g、日本油脂(株)製の過酸化物系重合開始剤「パーヘキシルO(以下、PHO)(;商品名、純度93%)」16g、およびPMA32gを予め均一混合したもの(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を7時間維持した後、反応を終了した。重量平均分子量(Mw)14,000、数平均分子量(Mn)6,700および多分散度(Mw/Mn)2.1、溶液のエポキシ当量1.000g/eqの重合体溶液(重合体のエポキシ当量500g/eq)を得た。
<重合体(B−2の重合)>
重合例1と同様に操作を行い、重合体(B−2)を得た。各原料の仕込み比、重量平均分子量、数平均分子量、多分散度およびエポキシ当量を表2に示す。
GMA:メタクリル酸グリシジル
OXMA:メタクリル酸3−メチル−3−オキセタン−イルメチルエステル
PHO:過酸化物系重合開始剤「パーヘキシルO」
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<ヘミアセタールエステル化合物(a−1)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、PMA36g、三菱瓦斯化学(株)製トリメリット酸(以下、TMA)22.5g、n−プロピルビニルエーテル(以下、nPr−VE)41.5gを仕込み、攪拌しながら加熱し70℃に昇温した。次いで、温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が2.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了し、溶液の酸価0.64mgKOH/gのブロック化されたカルボキシル基を2個以上有するヘミアセタールエステル化合物(a−1)の溶液を得た。
合成例1と同様にヘミアセタールエステル化合物(a−2〜4)を得た。各原料の仕込み比、反応温度、酸価および全酸当量を表3に示す。
TMA:無水トリメリット酸
ADA:アジピン酸
CHTA:1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸
nPr−VE:n−プロピルビニルエーテル
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
表4に示す配合割合で溶解混合した実施例1〜10のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した後、10cm角のガラス基板上にスピンコーター(型式1H−DX−2、ミカサ(株)製)により、塗布した。この塗布膜をホットプレート上で90℃、2分間乾燥を行った後に、クリーンオーブンにより220℃で30分間加熱することにより膜厚1.5μmの硬化物を得た。
得られた硬化物について、バリア性、液晶汚染性、耐薬品性の評価を行った。結果を配合割合とともに表4に示す。
表4に示す配合割合で溶解混合した実施例11および12のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した後、10cm角のガラス基板上にスピンコーター(型式1H−DX−2、ミカサ(株)製)により、塗布した。この塗布膜をホットプレート上で90℃、2分間乾燥を行った後に、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナー(型式MA1200、大日本スクリーン(株)製)を用いて、100mJ/cm2の強度(405nm照度換算)で紫外線を照射した。
紫外線照射後、クリーンオーブンにより220℃で30分間加熱することにより膜厚1.5μmの硬化物を得た。
得られた硬化物について、バリア性、液晶汚染性、耐薬品性の評価を行った。結果を配合割合とともに表4に示す。
表5に示す配合割合で溶解混合した比較例1〜9のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に対し、実施例1〜10と同様の手順を行うことにより膜厚1.5μmの硬化物を得た。
得られた硬化物について、バリア性、液晶汚染性、耐薬品性の評価を行った。結果を配合割合とともに表5に示す。
表5に示す配合割合で溶解混合した比較例10のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を、実施例11、12と同様の手順を行うことにより膜厚1.5μmの硬化物を得た。
なお、実施例および比較例の全ての場合において、得られた塗膜の表面は極めて平滑であり、ピンホール等は全く見られなかった。
Ep−157:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製商品名「エピコート 157」、エポキシ当量210g/eq。
PBP:過酸化物系重合開始剤、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、日本油脂(株)製、商品名「パーブチルP」
PHI:過酸化物系重合開始剤、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂(株)製、商品名「パーヘキシルI」
Irg184:感光性重合開始剤、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」
Irg907:2−メチル−1[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、感光性重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア907」
LCAT−1:オクチル酸亜鉛とN−メチルモルホリンの反応物(特開2001−350010号公報記載)
BYK−355:レベリング剤(ビッグケミー・ジャパン(株)製)
GPS:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製、商品名「KBM−403」
一方、比較例1および2においては、本発明に用いるヘミアセタールエステル化合物を用いていないので、充分なイオンバリア性、液晶汚染性、耐薬品性が得られていないことがわかる。
また、比較例3〜6においては、従来のヘミアセタールエステル化合物を用いていることにより比較例1および2と比較して良好な性能が得られているが、本発明に用いるヘミアセタールエステル化合物を含有していないために、本願が目的としている十分な性能を得ることができていない。
さらに、比較例7および8においては、(A)成分の有する潜在化カルボキシル基と(B)成分の有するエポキシ基又はオキセタニル基のモル当量比[(A)/(B)]が、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物における範囲から外れるために本発明の効果が得られなかった。
また、比較例9および10においては、(C)成分の含有量が本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物における範囲から外れるために液晶汚染性に劣っていた。
以上の結果から、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を用いたときにのみ、本願の目的を達することができることが明らかである。
Claims (3)
- 下記の(A)および(B)成分を含有し、(A)成分の有するヘミアセタールエステル基と(B)成分の有するエポキシ基またはオキセタニル基のモル当量比[(A)/(B)]が2/10〜50/10であることを特徴とするカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
(A)下記式(1)で表されるヘミアセタールエステル化合物。
(B)1分子中にエポキシ基またはオキセタニル基を2個以上有する化合物。 - さらに、(C)熱または光によりラジカルを生じる化合物を(A)および(B)成分の合計100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の層を有するカラーフィルター
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