JP5358371B2 - 全方向移動車両 - Google Patents
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Description
これにより、利用者が歩行する際に、荷重受け部を利用者の尻部等の所定部位に押し付けて体重を支えながら、歩行に合わせて移動可能な全方向移動車両とすることができる。また、利用者の歩行時における姿勢や振動などに関わらず、利用者と全方向移動車両との位置関係を一定に保持することができる。
これにより、利用者が全方向移動車両に搭乗して移動することもでき、また、利用者の歩行を補助するために全方向移動車両を利用することもできる。
これにより、前記搭乗モードと前記補助モードとの2つの動作モードの一方を自動選択できるようになる。
これにより、前記搭乗モードと前記補助モードとの2つの動作モードの一方を手動選択できるようになる。
請求項3に記載した発明によれば、前記搭乗モードと前記補助モードとの2つの動作モードの一方を自動選択できるようになるため、利用者にモード選択のための余計な操作を強制することなく、利便性の向上に寄与することができる。
請求項4に記載した発明によれば、前記搭乗モードと前記補助モードとの2つの動作モードの一方を手動選択できるようになるため、利用者が自分の好みの動作モードに固定して全方向移動車両を使用できる。
まず、図1〜図6を参照して、本実施形態における全方向移動車両1の構造について説明する。なお、以下では、図中に示すXYZ直交座標系を用いて、全方向移動車両1の各部の構造を説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態における全方向移動車両1は、利用者の荷重を受ける荷重受け部となるシート3と、床面に接地しながら該床面上を全方向(前後方向及び左右方向を含む2次元的な全方向)に移動可能な移動動作部5と、この移動動作部5を駆動する動力を該移動動作部5に付与するアクチュエータ装置7と、これらのシート3、移動動作部5及びアクチュエータ装置7が組付けられた基体9とを備える。
なお、上記移動動作部5及びアクチュエータ装置7は、本発明における駆動機構を構成するものである。
また、第1支柱フレーム13aの右側面には、制御ユニット50の動作モードを手動で選択するための動作モード切替用のスイッチ16が外部に露出するように配置されている。
また、カバー部材21R、21Lのそれぞれの外面部には、前記シート3に着座した利用者の右足を載せるステップ25Rと左足を載せるステップ25Lとが各々、右向き、左向きに張り出すように突設されている。
アクチュエータ装置7は、車輪体5と右側のカバー部材21Rとの間に介装される回転部材27R及びフリーローラ29Rと、車輪体5と左側のカバー部材21Lとの間に介装される回転部材27L及びフリーローラ29Lと、回転部材27R及びフリーローラ29Rの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Rと、回転部材27L及びフリーローラ29Lの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Lとを備える。
回転部材27Rは、左右方向の軸心を有する支軸33Rを介してカバー部材21Rに回転可能に支持されている。同様に、回転部材27Lは、左右方向の軸心を有する支軸33Lを介してカバー部材21Lに回転可能に支持されている。この場合、回転部材27Rの回転軸心(支軸33Rの軸心)と、回転部材27Lの回転軸心(支軸33Lの軸心)とは同軸心である。
回転部材27Rのテーパ外周面39Rの周囲には、回転部材27Rと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数のフリーローラ29Rが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Rは、それぞれ、ブラケット41Rを介してテーパ外周面39Rに取付けられ、該ブラケット41Rに回転自在に支承されている。
同様に、回転部材27Lのテーパ外周面39Lの周囲には、回転部材27Lと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数(フリーローラ29Rと同数)のフリーローラ29Lが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Lは、それぞれ、ブラケット41Lを介してにテーパ外周面39Lに取付けられ、該ブラケット41Lに回転自在に支承されている。
この場合、図1及び図6に示すように、各フリーローラ29R,29Lは、その軸心C3が車輪体5の軸心C2に対して傾斜すると共に、車輪体5の直径方向(車輪体5をその軸心C2の方向で見たときに、該軸心C2と各フリーローラ29R,29Lとを結ぶ径方向)に対して傾斜する姿勢で配置されている。そして、このような姿勢で、各フリーローラ29R,29Lのそれぞれの外周面が車輪体5の内周面に斜め方向に圧接されている。
また、例えば、回転部材27R,27Lを互いに逆方向に同じ大きさの速度で回転駆動した場合には、車輪体5は、その横断面中心C1の周りに回転することとなる。これにより、車輪体5がその軸心C2の方向(すなわち左右方向)に移動し、ひいては、全方向移動車両1の全体が左右方向に移動することとなる。なお、この場合は、車輪体5は、その軸心C2の周りには回転しない。
この時、これらの回転動作の複合動作(合成動作)によって、前後方向及び左右方向に対して傾斜した方向に車輪体5が移動し、ひいては、全方向移動車両1の全体が車輪体5と同方向に移動することとなる。この場合の車輪体5の移動方向は、回転部材27R,27Lの回転方向を含めた回転速度(回転方向に応じて極性が定義された回転速度ベクトル)の差に依存して変化するものとなる。
以上のように車輪体5の移動動作が行なわれるので、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転速度(回転方向を含む)を制御し、ひいては回転部材27R,27Lの回転速度を制御することによって、車両1の移動速度及び移動方向を制御できることとなる。
そこで、本実施形態では、利用者及び車両1の全体の重心点が、車輪体5の中心点(軸心C2上の中心点)のほぼ真上に位置する状態(より正確には当該重心点が車輪体5の接地面のほぼ真上に位置する状態)での基体9の姿勢を目標姿勢とし、基本的には、基体9の実際の姿勢を目標姿勢に収束させるように、車輪体5の移動動作が制御される。
この場合、計測する傾斜角度θb(以降、基体傾斜角度θbということがある)は、より詳しくは、それぞれ、Y軸周り方向(ピッチ方向)の成分θb_xと、X軸周り方向(ロール方向)の成分θb_yとから成る。同様に、計測する傾斜角速度θbdot(以降、基体傾斜角速度θbdotということがある)も、Y軸周り方向(ピッチ方向)の成分θbdot_x(=dθb_x/dt)と、X軸周り方向(ロール方向)の成分θbdot_y(=dθb_y/dt)とから成る。
この場合において、並進速度等の並進運動に係わる変数については、そのX軸方向の成分に添え字“_x”を付加し、Y軸方向の成分に添え字“_y”を付加する。
一方、角度、回転速度(角速度)、角加速度など、回転運動に係わる変数については、並進運動に係わる変数と添え字を揃えるために、便宜上、Y軸周り方向の成分に添え字“_x”を付加し、X軸周り方向の成分に添え字“_y”を付加する。
さらに、X軸方向の成分(又はY軸周り方向の成分)と、Y軸方向の成分(又はX軸周り方向の成分)との組として変数を表記する場合には、該変数の参照符号に添え字“_xy”を付加する。例えば、上記基体傾斜角度θbを、Y軸周り方向の成分θb_xとX軸周り方向の成分θb_yの組として表現する場合には、「基体傾斜角度θb_xy」というように表記する。
制御ユニット50は、上記の各計測値を用いて所定の演算処理を実行することによって、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転角速度の目標値である速度指令値を決定し、その速度指令値に従って、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転角速度をフィードバック制御する。
制御ユニット50は、所定の制御処理周期で図7のフローチャートに示す処理(メインルーチン処理)を実行する。
まず、ステップS1において、制御ユニット50は、傾斜センサ52の出力を取得する。
次いで、ステップS2に進んで、制御ユニット50は、取得した傾斜センサ52の出力を基に、基体傾斜角度θbの計測値θb_xy_sと、基体傾斜角速度θbdotの計測値θbdot_xy_sとを算出する。
なお、以降の説明では、上記計測値θb_xy_sなど、変数(状態量)の実際の値の観測値(計測値又は推定値)を参照符号により表記する場合に、該変数の参照符号に、添え字“_s”を付加する。
そして、制御ユニット50は、ステップS4の判断結果が肯定的である場合には、基体傾斜角度θbの目標値θb_xy_objを設定する処理と、車両1の動作制御用の定数パラメータ(各種ゲインの基本値など)の値を設定する処理とを、それぞれステップS5、S6で実行する。
ここで、「搭乗モード」は、図8(a)に示すように、車両1に利用者が搭乗している場合での車両1の動作モードを意味する。この搭乗モード用の目標値θb_xy_objは、車両1とシート3に着座した利用者との全体の重心点(以降、車両・乗員全体重心点という)が車輪体5の接地面のほぼ真上に位置する状態となる基体9の姿勢において、傾斜センサ52の出力に基づき計測される基体傾斜角度θbの計測値θb_xy_sに一致又はほぼ一致するようにあらかじめ設定されている。
また、ステップS6においては、制御ユニット50は、車両1の動作制御用の定数パラメータの値として、あらかじめ定められた搭乗モード用の値を設定する。なお、定数パラメータは、後述するhx,hy,Ki_a_x,Ki_b_x,Ki_a_y,Ki_b_y(i=1,2,3)等である。
そして、制御ユニット50は、次のステップS8において、搭乗モード時の車両制御演算処理を実行することによって、電動モータ31R,31Lのそれぞれの速度指令値を決定する。この搭乗モード時の車両制御演算処理の詳細は後述する。
ステップS9においては、制御ユニット50は、傾斜角度θbの目標値θb_xy_objとして、あらかじめ定められた補助モード用の目標値を設定する。
ここで、「補助モード」は、図8(b)に示すように、車両1に利用者が搭乗していないが、シート3によって利用者の尻部を支えることにより、利用者の歩行を補助する場合での車両1の動作モードを意味する。この補助モード用の目標値θb_xy_objは、車両1単体の重心点(以降、車両単体重心点という)が車輪体5の接地面のほぼ真上に位置する状態となる基体9の姿勢において、傾斜センサ52の出力に基づき計測される基体傾斜角度θbの計測値θb_xy_sに一致又はほぼ一致するようにあらかじめ設定されている。この補助モード用の目標値θb_xy_objは、搭乗モード用の目標値θb_xy_objと一般的には異なる。
搭乗モードと補助モードとで、上記定数パラメータの値を異ならせるのは、それぞれのモードで上記重心点の高さや、全体質量等が異なることに起因して、制御入力に対する車両1の動作の応答特性が互いに異なるからである。
補足すると、搭乗モード及び補助モードのいずれにおいても、基体傾斜角速度θbdotのY軸周り方向の成分θbdot_xの目標値とX軸周り方向の成分θbdot_yの目標値とは、いずれも“0”である。このため、基体傾斜角速度θbdot_xyの目標値を設定する処理は不要である。
以上が、制御ユニット50が実行する全体的な制御処理である。
制御ユニット50は、荷重センサ54の出力信号に基づいて、シート3に作用するZ軸方向の荷重計測値Fzactを取得すると、その取得した荷重計測値Fzactと、荷重目標値Fzcmd(一定値)と、比例ゲイン係数Kpとからなる下記(1)式を用いて伸縮方向の速度指令値vzcmdを決定する。
vzcmd=Kp・(Fzact−Fzcmd) ・・・(1)
これにより、搭乗モード時において、シート3に作用する荷重が一定となるような、直動アクチュエータ14の伸縮速度の速度指令値vzcmdが決定されることになる。
制御ユニット50は、荷重センサ54の出力信号に基づいて、シート3に作用するZ軸方向の荷重計測値Fzactを取得すると、この荷重計測値Fzactを微分して荷重計測微分値Fzact_dotを算出し、これら荷重計測値Fzactと、荷重計測微分値Fzact_dotと、荷重目標値Fzcmd(一定値)と、比例ゲイン係数Kpと、微分ゲイン係数Kdからなる下記(2)式を用いて伸縮方向の速度指令値vzcmdを決定する。
vzcmd=Kp・(Fzact−Fzcmd)+Kd・Fzcmd_dot ・・・(2)
これにより、補助モード時において、シート3に作用する荷重が一定となるような、直動アクチュエータ14の伸縮速度の速度指令値vzcmdが決定されることになる。
なお、上記(1)式に示すように、搭乗モード時では、シート3の荷重変動が小さいので(利用者はシート3に着座しているため)比例制御のみで対応可能であるが、上記(2)式に示すように、補助モード時では、シート3の荷重変動が大きいので(利用者はシート3に体重を預けつつ歩行しているため)微分制御を加えて追従性を良くしている。
なお、以降の説明においては、前記搭乗モードにおける車両・乗員全体重心点と、前記自立モードにおける車両単体重心点とを総称的に、車両系重心点という。該車両系重心点は、車両1の動作モードが搭乗モードである場合には、車両・乗員全体重心点を意味し、自立モードである場合には、車両単体重心点を意味する。
また、以降の説明では、制御ユニット50が各制御処理周期で決定する値(更新する値)に関し、現在の(最新の)制御処理周期で決定する値を今回値、その1つ前の制御処理周期で決定した値を前回値ということがある。そして、今回値、前回値を特にことわらない値は、今回値を意味する。
また、X軸方向の速度及び加速度に関しては、前方向きを正の向きとし、Y軸方向の速度及び加速度に関しては、左向きを正の向きとする。
この場合、Y軸方向から見た挙動を表現する倒立振子モデルは、車両系重心点に位置する質点60_xと、Y軸方向に平行な回転軸62a_xを有して床面上を輪転自在な仮想的な車輪62_x(以降、仮想車輪62_xという)とを備える。そして、質点60_xが、仮想車輪62_xの回転軸62a_xに直線状のロッド64_xを介して支持され、該回転軸62a_xを支点として該回転軸62a_xの周りに揺動自在とされている。
なお、仮想車輪62_x,62_yは、それぞれ、あらかじめ定められた所定値Rw_x,Rw_yの半径を有するものとされる。
ωw_x=(ω_R+ω_L)/2 ・・・(3)
ωw_y=C・(ω_R−ω_L)/2 ・・・(4)
なお、上記(4)式における“C”は、前記フリーローラ29R,29Lと車輪体5との間の機構的な関係や滑りに依存する所定値の係数である。
d2θbe_x/dt2=α_x・θbe_x+β_x・ωwdot_x ・・・(5)
d2θbe_y/dt2=α_y・θbe_y+β_y・ωwdot_y ・・・(6)
上記(5)式におけるωwdot_xは、仮想車輪62_xの回転角加速度(回転角速度ωw_xの1階微分値)、α_xは、質点60_xの質量や高さh_xに依存する係数、β_xは、仮想車輪62_xのイナーシャ(慣性モーメント)や半径Rw_xに依存する係数である。上記(6)式におけるωwdot_y、α_y、β_yについても上記と同様である。
そこで、本実施形態では、Y軸方向から見た車両系重心点の運動を制御するための操作量(制御入力)として、仮想車輪62_xの回転角加速度ωwdot_xを用いると共に、X軸方向から見た車両系重心点の運動を制御するための操作量(制御入力)として、仮想車輪62_yの回転角加速度ωwdot_yを用いる。
なお、本実施形態では、操作量(制御入力)としての上記仮想車輪回転角加速度指令ωwdot_x_cmd,ωwdot_y_cmdは、それぞれ、後述する(9)式,(10)式に示す如く、3個の操作量成分を加え合わせることによって決定される。
すなわち、制御ユニット50は、基体傾斜角度計測値θb_xy_sと基体傾斜角度目標値θb_xy_objとの偏差である基体傾斜角度偏差計測値θbe_xy_sを算出する偏差演算部70と、前記車両系重心点の移動速度である重心速度Vb_xyの観測値としての重心速度推定値Vb_xy_sを算出する重心速度算出部72と、利用者等による車両1の操縦操作(車両1に推進力を付加する操作)によって要求されていると推定される上記重心速度Vb_xyの要求値としての要求重心速度Vb_xy_aimを生成する要求重心速度生成部74と、これらの重心速度推定値Vb_xy_s及び要求重心速度Vb_xy_aimから、電動モータ31R,31Lの回転角速度の許容範囲に応じた制限を加味して、重心速度Vb_xyの目標値としての制御用目標重心速度Vb_xy_mdfdを決定する重心速度制限部76と、後述する(9)式,(10)式のゲイン係数の値を調整するためのゲイン調整パラメータKr_xyを決定するゲイン調整部78とを備える。
なお、図10中の参照符号84を付したものは、姿勢制御演算部80が制御処理周期毎に算出する仮想車輪回転角速度指令ωw_xy_cmdを入力する遅延要素を示している。該遅延要素84は、各制御処理周期において、仮想車輪回転角速度指令ωw_xy_cmdの前回値ωw_xy_cmd_pを出力する。
すなわち、制御ユニット50は、まず、偏差演算部70の処理と重心速度算出部72の処理を実行する。
偏差演算部70には、前記ステップS2で算出された基体傾斜角度計測値θb_xy_s(θb_x_s及びθb_y_s)と、前記ステップS5で設定された目標値θb_xy_obj(θb_x_obj及びθb_y_obj)とが入力される。そして、偏差演算部70は、θb_x_sからθb_x_objを減算することによって、Y軸周り方向の基体傾斜角度偏差計測値θbe_x_s(=θb_x_s−θb_x_obj)を算出すると共に、θb_y_sからθb_y_objを減算することによって、X軸周り方向の基体傾斜角度偏差計測値θbe_y_s(=θb_y_s−θb_y_obj)を算出する。
ここで、搭乗モード時では、目標値θb_xy_objは0度に設定されており、結局、基体傾斜角度偏差計測値θbe_xy_s=基体傾斜角度計測値θb_xy_sとなる。
具体的には、重心速度算出部72は、下記(7)式、(8)式により、Vb_x_s及びVb_y_sをそれぞれ算出する。
Vb_x_s=Rw_x・ωw_x_cmd_p+h_x・θbdot_x_s ・・・(7)
Vb_y_s=Rw_y・ωw_y_cmd_p+h_y・θbdot_y_s ・・・(8)
そして、要求重心速度生成部74は、詳細は後述するが、車両1の動作モードが搭乗モードである場合に、入力された重心速度推定値Vb_xy_s(Vb_x_s及びVb_y_s)を基に、要求重心速度V_xy_aim(V_x_aim,V_y_aim)を決定する。なお、本実施形態では、車両1の動作モードが補助モードである場合には、要求重心速度生成部74は、要求重心速度V_x_aim及びV_y_aimをいずれも“0”とする。
このゲイン調整部78の処理を図11及び図12を参照して以下に説明する。
図11に示すように、ゲイン調整部78は、入力された重心速度推定値Vb_x_s,Vb_y_sをリミット処理部86に入力する。このリミット処理部86では、重心速度推定値Vb_x_s,Vb_y_sに、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転角速度の許容範囲に応じた制限を適宜、加えることによって、出力値Vw_x_lim1,Vw_y_lim1を生成する。出力値Vw_x_lim1は、前記仮想車輪62_xのX軸方向の移動速度Vw_xの制限後の値、出力値Vw_y_lim1は、前記仮想車輪62_yのY軸方向の移動速度Vw_yの制限後の値としての意味を持つ。
リミット処理部86は、まず、重心速度推定値Vb_x_s,Vb_y_sをそれぞれ処理部86a_x,86a_yに入力する。処理部86a_xは、Vb_x_sを仮想車輪62_xの半径Rw_xで除算することによって、仮想車輪62_xのX軸方向の移動速度をVb_x_sに一致させたと仮定した場合の該仮想車輪62_xの回転角速度ωw_x_sを算出する。同様に、処理部86a_yは、仮想車輪62_yのY軸方向の移動速度をVb_y_sに一致させたと仮定した場合の該仮想車輪62_yの回転角速度ωw_y_s(=Vb_y_s/Rw_y)を算出する。
この変換は、本実施形態では、上記(2)式,(3)式のωw_x,ωw_y,ω_R,ω_Lをそれぞれ、ωw_x_s,ωw_y_s,ω_R_s,ω_L_sに置き換えて得られる連立方程式を、ω_R_s,ω_L_sを未知数として解くことにより行なわれる。
上記右モータ用許容範囲は右側の電動モータ31Rの回転角速度(絶対値)が高くなり過ぎないようにし、ひいては、電動モータ31Rが出力可能なトルクの最大値が低下するのを防止するために設定された許容範囲である。このことは、左モータ用許容範囲についても同様である。
この変換は、前記XY−RL変換部86bの変換処理の逆変換の処理である。この処理は、前記(2)式、(3)式のωw_x,ωw_y,ω_R,ω_Lをそれぞれ、ωw_x_lim1,ωw_y_lim1,ω_R_lim1,ω_L_lim1に置き換えて得られる連立方程式を、ωw_x_lim1,ωw_y_lim1を未知数として解くことにより行なわれる。
従って、リミット処理部86は、その出力値Vw_x_lim1,Vw_y_lim1の組に対応する電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転角速度が許容範囲を逸脱しないことを必須の必要条件として、その必要条件下で可能な限り、出力値Vw_x_lim1,Vw_y_lim1をそれぞれVb_x_s,Vb_y_sに一致させるように、出力値Vw_x_lim1,Vw_y_lim1の組を生成する。
一方、リミット処理部86の出力値Vw_x_lim1,Vw_y_lim1が、入力値Vb_x_s,Vb_y_sに対して強制的な制限を施して生成された場合には、Vw_x_lim1のVb_x_sからの修正量(=Vw_x_lim1−Vb_x_s)と、Vw_y_lim1のVb_y_sからの修正量(=Vw_y_lim1−Vb_y_s)とがそれぞれ、演算部88_x,88_yから出力される。
上記処理部90_xは、入力されるVover_xの絶対値を算出して出力する。また、処理部92_xは、その出力値Kr_xが入力値|Vover_x|に対して単調に増加し、且つ、飽和特性を有するようにKr_xを生成する。該飽和特性は、入力値がある程度大きくなると、入力値の増加に対する出力値の変化量が“0”になるか、もしくは、“0”に近づく特性である。
また、処理部90_y,92_yの処理は、それぞれ上記した処理部90_x,92_xの処理と同様である。
この重心速度制限部76には、重心速度算出部72で算出された重心速度推定値Vb_xy_s(Vb_x_s及びVb_y_s)と、要求重心速度生成部74で決定された要求重心速度Vb_xy_aim(Vb_x_aim及びVb_y_aim)とが入力される。そして、重心速度制限部76は、これらの入力値を使用して、図13のブロック図で示す処理を実行することによって、制御用目標重心速度Vb_xy_mdfd(Vb_x_mdfd及びVb_y_mdfd)を決定する。
この場合、定常偏差算出部94_xには、X軸方向の重心速度推定値Vb_x_sが入力されると共に、X軸方向の制御用目標重心速度Vb_x_mdfdの前回値Vb_x_mdfd_pが遅延要素96_xを介して入力される。そして、定常偏差算出部94_xは、まず、入力されるVb_x_sが比例・微分補償要素(PD補償要素)94a_xに入力する。この比例・微分補償要素94_xは、その伝達関数が1+Kd・Sにより表される補償要素であり、入力されるVb_x_sと、その微分値(時間的変化率)に所定値の係数Kdを乗じてなる値とを加算し、その加算結果の値を出力する。
そして、定常偏差算出部94_yは、上記した定常偏差算出部94_xと同様に、比例・微分補償要素94a_y、演算部94b_y及びローパスフィルタ94c_yの処理を順次実行し、ローパスフィルタ94c_yの出力値Vb_y_prdを出力する。
従って、演算部98_xの出力値Vb_x_tは、X軸方向の重心速度定常偏差予測値Vb_x_prdに、X軸方向の要求重心速度Vb_x_aimを付加した速度となる。同様に、演算部98_yの出力値Vb_y_tは、Y軸方向の重心速度定常偏差予測値Vb_y_prdに、Y軸方向の要求重心速度Vb_y_aimを付加した速度となる。
次いで、この各回転角速度ωw_x_lim2,ωw_y_lim2に対応する各仮想車輪62_x,62_yの移動速度Vw_x_lim2,Vw_y_lim2がそれぞれ処理部86e_x,86e_yによって算出され、これらの移動速度Vw_x_lim2,Vw_y_lim2がリミット処理部100から出力される。
なお、リミット処理部100における右モータ用及び左モータ用の各許容範囲は、リミット処理部86における各許容範囲と同一である必要はなく、互いに異なる許容範囲に設定されていてもよい。
なお、この場合、X軸方向の要求重心速度Vb_x_aimが“0”であれば、X軸方向の制御用目標重心速度Vb_x_mdfdも“0”となり、Y軸方向の要求重心速度Vb_y_aimが“0”であれば、Y軸方向の制御用目標重心速度Vb_y_mdfdも“0”となる。
この場合において、例えばX軸方向の速度に関し、要求重心速度Vb_x_aimが“0”でない場合には、制御用目標重心速度Vb_x_mdfdは、要求重心速度Vb_x_aimよりも“0”に近づくか、もしくは、要求重心速度Vb_x_aimと逆向きの速度となる。また、要求重心速度Vb_x_aimが“0”である場合には、制御用目標重心速度Vb_x_mdfdは、定常偏差算出部94_xが出力するX軸方向の重心速度定常偏差予測値Vb_x_prdと逆向きの速度となる。これらのことは、Y軸方向の速度に関しても同様である。
以上が、重心速度制限部76の処理である。
この姿勢制御演算部80の処理を、以下に図14を参照して説明する。なお、図14において、括弧を付していない参照符号は、X軸方向に輪転する仮想車輪62_xの回転角速度の目標値である前記仮想車輪回転角速度指令ωw_x_comを決定する処理に係わる参照符号であり、括弧付きの参照符合は、Y軸方向に輪転する仮想車輪62_yの回転角速度の目標値である前記仮想車輪回転角速度指令ωw_y_comを決定する処理に係わる参照符号である。
そして、姿勢制御演算部80は、まず、これらの入力値を用いて、下記(9)式,(10)式により、仮想車輪回転角加速度指令ωdotw_xy_comを算出する。
ωwdot_x_cmd=K1_x・θb_x_s+K2_x・θbdot_x_s+K3_x・(Vb_x_s−Vb_x_mdfd)
+W1・Fx1/(1+TS)+bias ・・・(9)
ωwdot_y_cmd=K1_y・θb_y_s+K2_y・θbdot_y_s
+K3_y・(Vb_y_s−Vb_y_mdfd) ・・・(10)
Ki_x=(1−Kr_x)・Ki_a_x+Kr_x・Ki_b_x ・・・(11)
Ki_y=(1−Kr_y)・Ki_a_y+Kr_y・Ki_b_y ・・・(12)
(i=1,2,3)
ここで、(11)式におけるKi_a_x、Ki_b_xは、それぞれ、第iゲイン係数Ki_xの最小側(“0”に近い側)のゲイン係数値、最大側(“0”から離れる側)のゲイン係数値としてあらかじめ設定された定数値である。このことは、(12)式におけるKi_a_y、Ki_b_yについても同様である。
補足すると、上記定数値Ki_a_x、Ki_b_x及びKi_a_y,Ki_b_y(i=1,2,3)は、前記ステップS6において値が設定される定数パラメータに含まれるものである。
さらに詳細には、図14を参照して、姿勢制御演算部80は、基体傾斜角度偏差計測値θbe_x_s(=基体傾斜角度計測値θb_x_s)に第1ゲイン係数K1_xを乗じてなる操作量成分u1_xと、基体傾斜角速度計測値θbdot_x_sに第2ゲイン係数K2_xを乗じてなる操作量成分u2_xとをそれぞれ、処理部80a,80bで算出する。さらに、姿勢制御演算部80は、重心速度推定値Vb_x_sと制御用目標重心速度Vb_x_mdfdとの偏差(=Vb_x_s−Vb_x_mdfd)を演算部80dで算出し、この偏差に第3ゲイン係数K3_xを乗じてなる操作量成分u3_xを処理部80cで算出する。さらに、姿勢制御演算部80は、X軸荷重計測値Fx1に伝達関数W1/(1+TS)を乗じてなる操作量成分u4_xを処理部80gで算出する。
そして、姿勢制御演算部80は、これらの操作量成分u1_x,u2_x,u3_x、u4_xとバイアス定数biasを演算部80eにて加え合わせることにより、仮想車輪回転角加速度指令ωwdot_x_comを算出する。
この場合には、姿勢制御演算部80は、基体傾斜角度偏差計測値θbe_x_s(=基体傾斜角度計測値θb_x_s)に第1ゲイン係数K1_yを乗じてなる操作量成分u1_yと、基体傾斜角速度計測値θbdot_y_sに第2ゲイン係数K2_yを乗じてなる操作量成分u2_yとをそれぞれ、処理部80a,80bで算出する。さらに、姿勢制御演算部80は、重心速度推定値Vb_y_sと制御用目標重心速度Vb_y_mdfdとの偏差(=Vb_y_s−Vb_y_mdfd)を演算部80dで算出し、この偏差に第3ゲイン係数K3_yを乗じてなる操作量成分u3_yを処理部80cで算出する。
そして、姿勢制御演算部80は、これらの操作量成分u1_y,u2_y,u3_yを演算部80eにて加え合わせることにより、仮想車輪回転角加速度指令ωwdot_y_comを算出する。
また、(9)式の右辺の第3項(=第3操作量成分u3_x)は、重心速度推定値Vb_x_sと目標重心速度Vb_x_mdfdとの偏差をフィードバック制御則としての比例則により“0”に収束させる(Vb_x_sをVb_x_mdfdに収束させる)ためのフィードバック操作量成分としての意味を持つ。
これらのことは、(10)式の右辺の第1〜第3項(第1〜第3操作量成分u1_y,u2_y,u3_y)についても同様である。
以上が姿勢制御演算部80の処理の詳細である。
また、本実施形態では、車両系重心点の挙動を制御するための操作量(制御入力)として、仮想車輪62_x,62_yの回転角加速度指令ωw_x_cmd,ωw_y_cmdを用いるようにしたが、例えば、仮想車輪62_x,62_yの駆動トルク、あるいは、この駆動トルクに各仮想車輪62_x,62_yの半径Rw_x,Rw_yを乗じてなる並進力(すなわち仮想車輪62_x,62_yと床面との間の摩擦力)を操作量として用いるようにしてもよい。
具体的には、モータ指令演算部82は、前記(3)式,(4)式のωw_x,ωw_y,ω_R,ω_Lをそれぞれ、ωw_x_com,ωw_y_com,ω_R_cmd,ω_L_cmdに置き換えて得られる連立方程式を、ω_R_cmd,ω_L_cmdを未知数として解くことによって、電動モータ31R,31Lのそれぞれの速度指令ω_R_com,ω_L_comを決定する。
以上により前記ステップS8、つまり搭乗モード時の車両制御演算処理が完了する。
ωwdot_x_cmd=K1_x・θb_x_s+K2_x・θbdot_x_s+K3_x・(Vb_x_s−Vb_x_mdfd)
+W1・Fx1/(1+TS)+bias ・・・(13)
ωwdot_y_cmd=K1_y・θb_y_s+K2_y・θbdot_y_s+K3_y・(Vb_y_s−Vb_y_mdfd)
+ Wo・θbe_xy_s+Wo・θbdot_y_s ・・・(14)
さらに詳細には、姿勢制御演算部80‘は、基体傾斜角度計測値θb_x_sに第1ゲイン係数K1_xを乗じてなる操作量成分u1_xと、基体傾斜角速度計測値θbdot_x_sに第2ゲイン係数K2_xを乗じてなる操作量成分u2_xとをそれぞれ、処理部80a,80bで算出する。さらに、姿勢制御演算部80’は、重心速度推定値Vb_x_sと制御用目標重心速度Vb_x_mdfdとの偏差(=Vb_x_s−Vb_x_mdfd)を演算部80dで算出し、この偏差に第3ゲイン係数K3_xを乗じてなる操作量成分u3_xを処理部80cで算出する。さらに、姿勢制御演算部80は、X軸荷重計測値Fx1に伝達関数W1/(1+TS)を乗じてなる操作量成分u4_xを処理部80gで算出する。
そして、姿勢制御演算部80’は、これらの操作量成分u1_x,u2_x,u3_x、u4_xとバイアス定数biasを演算部80eにて加え合わせることにより、仮想車輪回転角加速度指令ωwdot_x_comを算出する。
この場合には、姿勢制御演算部80’は、基体傾斜角度計測値θb_y_sに第1ゲイン係数K1_yを乗じてなる操作量成分u1_yと、基体傾斜角速度計測値θbdot_y_sに第2ゲイン係数K2_yを乗じてなる操作量成分u2_yとをそれぞれ、処理部80a,80bで算出する。また、姿勢制御演算部80’は、重心速度推定値Vb_y_sと制御用目標重心速度Vb_y_mdfdとの偏差(=Vb_y_s−Vb_y_mdfd)を演算部80dで算出し、この偏差に第3ゲイン係数K3_yを乗じてなる操作量成分u3_yを処理部80cで算出する。
さらに、姿勢制御演算部80’は、基体傾斜角度偏差計測値θbe_xy_sにゲイン係数W0を乗じてなる操作量成分u5_yを処理部80hで算出し、基体傾斜角速度計測値θbdot_y_sにゲイン係数W0を乗じてなる操作量成分u6_yを処理部80iで算出する。
そして、姿勢制御演算部80’は、これらの操作量成分u1_y,u2_y,u3_y、u5_y、u6_yを演算部80eにて加え合わせることにより、仮想車輪回転角加速度指令ωwdot_y_comを算出する。
以上が補助モード時における姿勢制御演算部80’の処理の詳細である。
なお、上記実施形態では、荷重センサ54にて検出された荷重に応じて搭乗モードと補助モードとのいずれか一方の動作モードを選択する機能を制御ユニット50に設けたが、これに限らず、図1に示すモード切替用のスイッチ16の状態に応じて搭乗モードと補助モードとのいずれか一方の動作モードを選択する機能を制御ユニット50に設けても良い。
これによると、搭乗モードと補助モードとの2つの動作モードの一方を手動選択できるため、利用者が自分の好みの動作モードに固定して全方向移動車両1を使用できるようになる。
上記実施形態では、伸縮機構である直動アクチュエータ14としてボールネジ機構を例示して説明したが、これに限らず、基体9を伸縮させることが可能であれば、どのような機構を用いても良い。例えば、図17(a)に示すように、マジックハンド構造の伸縮機構14−1を用いても良く、また、図17(b)に示すように、はしご構造の伸縮機構14−2を用いても良い。
具体的には、本実施形態の車両1の移動動作部としての車輪体5は一体構造のものであるが、例えば、前記特許文献2の図10に記載されているような構造のものであってもよい。すなわち、剛性を有する円環状の軸体に、複数のローラをその軸心が該軸体の接線方向に向くようにして回転自在に外挿し、これらの複数のローラを軸体に沿って円周方向に配列させることによって、車輪体を構成してもよい。
さらに移動動作部は、例えば、特許文献1の図3に記載されているようなクローラ状の構造のものであってもよい。
あるいは、例えば、前記特許文献1の図5、特許文献2の図7、もしくは特許文献3の図1に記載されているように、移動動作部を球体により構成し、この球体を、アクチュエータ装置(例えば前記車輪体5を有するアクチュエータ装置)によりX軸周り方向及びY軸周り方向に回転駆動するように車両を構成してもよい。
さらには、本発明における全方向移動車両は、床面上を全方向に移動可能な移動動作部を複数(例えば、左右方向に2つ、あるいは、前後方向に2つ、あるいは、3つ以上)備えていてもよい。この場合、例えば、移動動作部を3つ以上備えた場合には、基体が傾動しないようにして、該基体の傾斜角度の制御を省略してもよい。
Claims (4)
- 基体と、
前記基体に接続され、床面上の互いに直交する二方向を含む全方向に駆動力を発生する駆動機構と、
前記基体を伸縮させる伸縮機構と、
前記基体に接続され、利用者の荷重を受ける荷重受け部と、
前記荷重受け部に作用する荷重を検出する荷重検出部と、
前記基体の傾斜角を検出する傾斜角検出部と、
前記荷重検出部にて検出された前記荷重が一定値となるように前記伸縮機構を制御することで前記荷重受け部の高さ制御を行うと共に、前記傾斜角検出部にて検出された前記傾斜角が一定値となるように前記駆動機構を制御することで前記基体の姿勢制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする全方向移動車両。 - 前記制御部は、前記傾斜角検出部にて検出された前記傾斜角が0度となるように前記基体の姿勢制御を行う搭乗モードと、前記傾斜角検出部にて検出された前記傾斜角が所定の設定値となるように前記基体の姿勢制御を行う補助モードとの2つの動作モードを選択的に使用することを特徴とする請求項1記載の全方向移動車両。
- 前記制御部は、前記荷重検出部にて検出された前記荷重に応じて前記搭乗モードと前記補助モードとのいずれか一方の動作モードを選択することを特徴とする請求項2記載の全方向移動車両。
- 動作モード切替用のスイッチを備え、
前記制御部は、前記スイッチの状態に応じて前記搭乗モードと前記補助モードとのいずれか一方の動作モードを選択することを特徴とする請求項2記載の全方向移動車両。
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