JP5356363B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ブレーキ装置に関し、特にブレーキ・バイ・ワイヤによりブレーキ力を発生させる車両用ブレーキ装置に関するものである。
電気自動車やハイブリッド自動車では、駆動輪の駆動軸に電動モータを連結し、そのモータを制動時には発電機として使用してエネルギー回生を行うようにしているものがある。このような車両では、モータの定格やバッテリの残量等により、回生ブレーキだけで全ての制動力を実現することが困難である場合があり、電子制御により、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤで駆動される油圧ブレーキと上記回生ブレーキとの協調制御を行うようにしたものがある。
ブレーキ・バイ・ワイヤでは、ブレーキペダルのストロークに応じて電動モータにより液圧発生シリンダのピストンを駆動する等しており、ブレーキペダルと液圧発生シリンダとが機械的に連結されていない。したがって、従来のマスターシリンダに機械的に連結されているブレーキペダルの場合のように、ブレーキ液圧増大に伴う反力が直接的にブレーキペダルに生じないため、ブレーキペダルの操作に対するペダル踏力を与えるペダルシミュレータを設けたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2009−29294号公報
一方、ブレーキ・バイ・ワイヤを用いたシステムでは、ペダルストロークとペダル踏力との関係はペダルシミュレータで調整し、ペダルストロークと車体減速度との関係およびペダル踏力と車体減速度との関係は、油圧制御とモータの回生トルクとの合計となる総ブレーキ力の目標値の設定によって調整することができる。
また、ブレーキ・バイ・ワイヤ方式には様々な方式があるが、回生トルク制御やブレーキ液圧制御によって生じるブレーキの動特性には、公知のメカニカルブレーキシステムとは異なった応答性やメカニカルなヒステリシス特性がある。そのため、ブレーキ・バイ・ワイヤ方式により構成されたシステムを、メカニカルブレーキシステムと同等の静特性が得られるように設定しても、ブレーキ・バイ・ワイヤ方式における上記ヒステリシス特性違いから、動特性については違和感を生じることがある。
なお、上記したペダルシミュレータを有するブレーキ・バイ・ワイヤシステムでは、ペダルの操作量(例えばペダルストローク)に基づいて制動力目標値を算出するため、上記動特性の違和感は、ペダルシミュレータの特性として多目のフリクションやダンピング特性を持たせることで緩和することができる。しかしながら、その場合にはペダルシミュレータの機構が複雑になりかつ部品コストも高くなりがちになるという問題があった。
また、動特性をペダルシミュレータに頼らないブレーキ・バイ・ワイヤシステムの場合にはブレーキペダル操作に対して応答性をやや高めることにより制御に余裕を持たせて設計すると良いが、それにより過敏なブレーキフィーリングが生まれるため、何等かの手法によりブレーキペダル操作に対する応答性を運転者の感覚に合わせるように落とす必要がある。
また、ペダルストロークやペダル踏力に対する減速度は、ブレーキ・バイ・ワイヤシステムではヒステリシス特性がメカニカルなシステムよりも小さくなることがあり、その場合にはブレーキペダルの微小な操作に対して減速度変化が過敏になり易く、特にブレーキペダルをリリースする際には車両に減速中のピッチングから跳ね返りが生じて、乗員の上体や頭が揺さぶられて不快感が生じることがある。この問題の対応のためにシステムの応答性を下げる(例えばブレーキペダルにダンパを設け、そのダンピングを増強させる)と、本来のブレーキ特性に必要な応答性が犠牲になってしまうという問題が生じる。
このような課題を解決して、ブレーキ・バイ・ワイヤシステムにおけるブレーキ力の増減時の応答性を簡単な構成で運転者の感覚に合うようにすることを実現するために、本発明に於いては、運転者が操作するブレーキ操作量を検出信号として出力するブレーキ操作量検出手段(11a)と、前記検出信号の大きさに応じて車両の制動力を発生する制動力発生手段(5・7・8・10)とを有する車両用ブレーキ装置であって、前記検出信号を第1のカットオフ周波数を有する第1ローパスフィルタ(32)と、前記検出信号を前記第1のカットオフ周波数より低い第2のカットオフ周波数を有する第2ローパスフィルタ(33)と、前記第1ローパスフィルタの出力信号と前記第2ローパスフィルタの出力信号とのいずれか大きい方を選択して制動力目標値を生成する制動力目標値設定手段(36)とを有し、前記制動力発生手段が、前記制動力目標値に応じて前記制動力を発生するものとした。
これによれば、ブレーキ操作量の検出信号が増加する側となるローパスフィルタの出力信号の増加側ではカットオフ周波数の高い第1のローパスフィルタの出力信号の方が第2のローパスフィルタの出力信号よりも大きくなり、ブレーキ操作量の検出信号が減少する側となるローパスフィルタの出力信号の減少側ではカットオフ周波数の低い第2のローパスフィルタの出力信号の方が第1のローパスフィルタの出力信号よりも大きくなることから、ブレーキ操作量に対する制動力目標値の応答遅れを、ブレーキ操作量の増加側では小さく、ブレーキ操作量の減少側では大きくすることができる。
特に、前記第1のカットオフ周波数および前記第2のカットオフ周波数の少なくとも一方を調整するカットオフ調整手段(32a・33a)が設けられていると良い。これによれば、ブレーキ装置の個体差や使用環境条件の差に対応した調整を容易に行うことができ、広範な使用環境下での望ましい制動力特性を得ることができる。また、前記制動力発生手段が、回生制動および油圧制動の協調制御を行うと良い。
このように本発明によれば、各ローパスフィルタのカットオフ周波数(時定数)を調整するという簡単な構成で、運転者に違和感の無いブレーキフィーリングを与えることができる。
本発明が適用された自動車のブレーキ系の要部系統図である。 本発明が適用された自動車のブレーキ装置を模式的に示す油圧回路図である。 本発明に基づく制御要領を示す要部回路ブロック図である。 本発明の制御要領を説明するための波形図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明が適用された電気自動車またはハイブリッド自動車のブレーキ系の要部系統図である。
図1に示される自動車は、車両1の前側に配設された左右一対の前輪2と、車両1の後側に配設された左右一対の後輪3とを有する。左右の前輪2に連結された前輪車軸4にはモータ・ジェネレータ5がトルク伝達関係で連結されている。なお、前輪車軸4に設けられる差動機構は図示省略する。
モータ・ジェネレータ5は、車両走行用の電動機と回生用の発電機とを兼ねたものであり、二次電池であるバッテリ7を電源としてインバータ10によってバッテリ7よりの電力供給とバッテリ7に対する電力供給(充電)とを制御され、減速時には減速エネルギを電力に変換回生して回生制動力を発生する制動力発生手段をなす。
また、CPUを用いた制御回路を備えることにより車両の各種制御を行うと共に制動力配分手段としての制御ユニット(ECU)6が設けられている。制御ユニット6には、上記インバータ10が電気的に接続されている。なお、電気自動車の場合にはこの構成のまま、または後輪3を駆動するモータ・ジェネレータを設けても良いが、ハイブリッド自動車の場合には前輪車軸4には図の二点鎖線で示されるエンジン(内燃機関)Eの出力軸が連結される。図のエンジンEの場合には前輪駆動の例であるが、四輪駆動とすることもできる。
前輪2及び後輪3の各車輪には、摩擦制動を行う摩擦制動手段として、車輪(前輪2・後輪3)と一体のディスク2a・3a及びホイールシリンダ2b・3bを備えるキャリパにより構成される公知のディスクブレーキが設けられている。ホイールシリンダ2b・3bには、公知のブレーキ配管を介して制動力発生手段を構成するブレーキ液圧発生装置8が接続されている。ブレーキ液圧発生装置8は、後で詳述するが、各車輪別にブレーキ圧を増減させて配分可能な油圧回路で構成されている。
また、前輪2及び後輪3の各車輪に対応して車輪速を検出する車輪速検出手段としての各車輪速センサ9が設けられており、運転者が操作するブレーキペダル11にはその踏み込み量であるブレーキ操作量を検出する変位センサ11aが設けられている。各車輪速センサ9と変位センサ11aとの各検出信号は制御ユニット6に入力する。
制御ユニット6は、ブレーキペダル11の変位センサ11aの出力信号が0より大きい場合に制動の指令が発生したと判断し、制動時の制御を行う。本図示例では、制動を回生制動を行いかつ油圧制動も行う回生協調制御により行うことから、ブレーキ・バイ・ワイヤによるものとする。
次に、図2を参照してブレーキ液圧発生装置8について説明する。本実施形態の制動システムは、制動操作部材としてのブレーキペダル1の操作を機械的にブレーキ液圧発生シリンダに伝達してブレーキ液圧を発生させるのではなく、ブレーキペダル11の操作量(ペダル変位量)を操作量センサとしての変位センサ11aにより検出し、その操作量検出値に基づいて電動サーボモータ12により駆動されるブレーキ液圧発生シリンダとしてのモータ駆動シリンダ13によりブレーキ液圧を発生させる、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤにより構成されている。
図1に示されるように、車体に回動自在に支持されたブレーキペダル11にはその円弧運動を略直線運動に変換するロッド14の一端が連結されており、ロッド14の他端は、直列的に配設されたマスターシリンダ15の第1ピストン15aを押し込むように係合している。マスターシリンダ15には第1ピストン15aに対してロッド14とは相反する側に直列的に第2ピストン15bが配設されており、各ピストン15a・15bはそれぞれロッド14側にばね付勢されている。なお、ブレーキペダル11は、ばね付勢され、ブレーキ操作がされていない場合には図示されないストッパにより止められて図1の状態である待機位置に位置している。
また、マスターシリンダ15には、各ピストン15a・15bの変位に応じてブレーキ液をやり取りするためのリザーバタンク16が設けられている。なお、各ピストン15a・15bには、リザーバタンク16と連通する各油路16a・16bとの間をシールするための公知構造のシール部材が各適所に設けられている。そして、マスターシリンダ15の筒内には、第1ピストン15aと第2ピストン15bとの間に第1液室17aが形成され、第2ピストン15bの第1ピストンとは相反する側に第2液室17bが形成されている。
一方、上記したモータ駆動シリンダ13には、上記電動サーボモータ12と、電動サーボモータ12に連結されたギアボックス18と、ギアボックス18にボールねじ機構を介してトルク伝達されることにより軸線方向変位するねじ溝付きロッド19と、ねじ溝付きロッド19と同軸かつ互いに直列的に配設された第1ピストン21a及び第2ピストン21bとが設けられている。
なお、第2ピストン21bには第1ピストン21a側に延出する連結部材27の一端部が固設されており、連結部材20の他端部は第1ピストン21aに対して相対的に軸線方向に所定量変位可能に支持されている。これにより、第1ピストン21aの前進(第2ピストン21b側変位)時は第2ピストン21bとは別個に変位可能であるが、第1ピストン21aの前進状態から図2の初期状態に戻る後退時には、連結部材20を介して第2ピストン21bも初期位置まで引き戻されるようになっている。なお、各ピストン21a・21bは、それぞれに対応して設けられた各戻しばね27a・27bによりロッド19側にばね付勢されている。
また、モータ駆動シリンダ13には、上記リザーバタンク16に連通路22を介してそれぞれ連通する各油路22a・22bが設けられており、各ピストン21a・21bには、各油路22a・22bとの間をシールするための公知構造のシール部材が各適所に設けられている。モータ駆動シリンダ13の筒内には、第1ピストン21aと第2ピストン21bとの間に第1液圧発生室23aが形成され、第2ピストン21bの第1ピストン21aとは相反する側に第2液圧発生室23bが形成されている。
そして、マスターシリンダ15の第1液室17aが、常時開型の電磁弁24aを介してモータ駆動シリンダ13の第1液圧発生室23aと連通し、第2液室17bが、常時開型の電磁弁24bを介してモータ駆動シリンダ13の第2液圧発生室23bと連通し得るようにそれぞれ配管されている。なお、第1液室17aと電磁弁24aとの間にはマスターシリンダ側ブレーキ圧センサ25aが接続され、電磁弁24bと第2液圧発生室23bとの間にはモータ駆動シリンダ側ブレーキ圧センサ25bが接続されている。
また、第2液室17bと電磁弁24bとの間に、常時閉型の電磁弁24cを介してシリンダ型のシミュレータ28が接続されている。シミュレータ28には、そのシリンダ内を分断するピストン28aが設けられ、ピストン28aの電磁弁24b側に貯液室28bが形成され、ピストン28aの貯液室28a側とは相反する側には圧縮コイルばね28cが受容されている。両電磁弁24a・24bが閉じていると共に電磁弁24cが開いている状態で、ブレーキペダル11を踏み込んで第2液室17b内のブレーキ液が貯液室28bに入り込むことにより、圧縮コイルばね28cの付勢力がブレーキペダル11に伝達され、それにより公知のマスターシリンダとホイールシリンダとが直結されているブレーキ装置と同様の踏み込みに対する反力が得られるようになっている。
さらに、モータ駆動シリンダ13の第1液圧発生室23aと第2液圧発生室23bとは、それぞれ本実施形態における例えばVSA装置26を介して複数(図示例では4つ)の各ホイールシリンダ2b・3bに連通するように配管されている。なお、VSA装置26は、ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS、加速時などの車輪空転を防ぐTCS(トラクションコントロールシステム)に、旋回時の横すべり抑制を加え、3つの機能をトータルにコントロールする車両挙動安定化制御システムとして公知のものであって良く、その説明を省略する。なおVSA装置26には、前輪の各ホイールシリンダ2bに対応する第1系統と、後輪の各ホイールシリンダ3bに対応する第2系統とをそれぞれ構成する各種油圧素子を用いた各ブレーキアクチュエータと、それらを制御するVSA制御ユニット26aとにより構成されている。
このようにして構成されたブレーキ液圧発生装置8は、上記制御ユニット6により総合的に制御されるようになっている。制御ユニット6には、ストロークセンサ11aと各ブレーキ圧センサ25a・25bとの各検出信号が入力し、また車両の挙動を検出するための各種センサ(図示せず)からの検出信号も入力している。制御ユニット6では、ストロークセンサ11aからの検出信号に基づき、かつ上記各種センサからの検出信号から判断した走行状況等に応じて、モータ駆動シリンダ13により発生するブレーキ液圧を制御する。さらに、本実施形態の対象車両となるハイブリッド車(または電気自動車)の場合には、モータ・ジェネレータによる回生制御を行うようにしており、制御ユニット6では、回生制御を行う場合の回生の大きさに対するモータ駆動シリンダ13によるブレーキ液圧の大きさの配分制御も行う。
次に、通常制動時の制御要領について説明する。図2は、運転者がブレーキペダル11を操作していない状態である。ストロークセンサ11aの検出値は初期値(=0)であり、制御ユニット6からブレーキ液圧発生信号は出力されない。この状態では、図2に示されるように、モータ駆動シリンダ13では、ねじ溝付きロッド19が最も後退した位置にあり、それに伴って各戻しばね27a・27bにより付勢されている各ピストン21a・21bも後退しており、両液圧発生室23a・23bにブレーキ液圧は発生していない。
ブレーキペダル11が踏み込まれて、ストロークセンサ11aの検出値が0より大きくなった場合には、ブレーキ・バイ・ワイヤによる制御を行うべく、両電磁弁24a・24bを閉じて、マスターシリンダ15で発生する液圧がモータ駆動シリンダ13へ伝達されるのを遮断すると共に電磁弁24cを開いてシミュレータ28に伝達されるようにする。そして、ストロークセンサ11aで検出された操作量検出値(ブレーキ操作量)に基づいて、制御ユニット6からモータ駆動指令値(操作量)が電動サーボモータ12に出力され、その操作量に応じてねじ溝付きロッド19すなわち第1ピストン21aが押し出される向きに駆動されて、入力としてのブレーキペダル11の踏み込み量(ブレーキ操作量)に応じたブレーキ液圧が第1液圧発生室23aに発生する。同時に、第1液圧発生室23aの液圧により押圧されて第2ピストン21bが戻しばね27bの付勢力に抗して変位し、第2液圧発生室23bにも同じくブレーキ液圧が発生する。
運転者がブレーキペダル11を戻す方向に変位させた場合には、ストロークセンサ11aで検出された戻し方向変位に応じて、電動サーボモータ12によりねじ溝付きロッド19すなわち第1ピストン21aを戻すことにより、ブレーキペダル11の踏み込み量に応じて制動力を低減させることができる。また、ブレーキペダル11が図示されない戻しばねにより初期位置に戻された場合には、制御ユニット6により各電磁弁24a・24bを開く。それに伴って各ホイールシリンダ2b・3bのブレーキ液がモータ駆動シリンダ13を介してリザーバタンク16に戻ることができ、制動力は解除される。ストロークセンサ11aの検出値が初期値になることにより、第1ピストン21a及び上記したように連結部材20を介して第2ピストン21bも初期位置に戻る。
上記モータ駆動シリンダ13で発生したブレーキ液圧は、VSA装置26を介して前後輪の各ホイールシリンダ2b・3bに供給されて、制動力が発生し、通常の制動制御が行われる。なお、VSA装置26による各輪に対する制動力分配制御が行われる場合にはその制御に応じて各輪の制動力の調整が行われる。
なお、ブレーキペダル11の踏み込み量(ブレーキ操作量)が小さい場合、すなわち車体減速度が小さい場合には回生ブレーキのみの制御が行われて良い。この場合には、制御ユニット6により、モータ・ジェネレータ5を発電機として制御し、ブレーキペダル11によるブレーキ操作量に応じて回生ブレーキ量を増減する。そして、ブレーキ操作量の大きさ(運転者が要求する減速度の大きさ)に対して回生ブレーキだけでは車体減速度が不足するようになったら、上記した電動サーボモータ12によりモータ駆動シリンダ13を駆動制御して、回生ブレーキと油圧ブレーキとによる回生協調制御を行う。
なお、電磁弁24cを閉じるタイミングは、圧縮コイルばね28cによりピストン28aが図2に示される初期位置に戻ることができるまで第2液室17bの液圧が低下したタイミングとすると良く、例えば両電磁弁24a・24bを開いてから所定時間経過後とすることができる。または、モータ駆動シリンダ側ブレーキ圧センサ25bの検出値が所定値(例えば液圧が0近傍)以下になった後とすることができる。
次に、図3を参照して制御ユニット6の本発明に基づく要部について説明する。ストロークセンサ11aからの検出信号が制御における操作量として操作量制動力変換回路31に入力しており、操作量制動力変換回路31では、ブレーキペダル11のブレーキ操作量(ペダルストローク)に対応して例えばマップや関数により制動力値Boを設定する。
操作量制動力変換回路31で設定された制動力値Boは、第1ローパスフィルタとしての増加用ローパスフィルタ32と、第2ローパスフィルタとしての減少用ローパスフィルタ33とに並列に入力する。増加用ローパスフィルタ32は、制動力を増加させる場合の応答性を少し低下する目的に使用するためのものであり、位相遅れを伴うローパスフィルタとなる。減少用ローパスフィルタ33は、制動力を減少させる場合の応答性を少し低下する目的に使用するためのものであり、位相遅れを伴うローパスフィルタとなる。この減少用ローパスフィルタ33は、車両のピッチング跳ね返り挙動を穏やかにする目的として好適である。
なお、各ローパスフィルタ32・33は、共にノイズ除去を兼ねることができ、増加用ローパスフィルタ32の第1カットオフ周波数としてのカットオフ周波数は5〜15Hz程度であって良く、減少用ローパスフィルタ33の第2カットオフ周波数としてのカットオフ周波数は、増加用ローパスフィルタ32のカットオフ周波数より低い2〜4Hz程度であって良い。また、各ローパスフィルタ32・33には、それぞれのカットオフ周波数を自由に設定するためのカットオフ調整手段としての各調整器32a・33aが接続されている。調整器32a・33aとしては、デジタルスイッチであったり、可変抵抗器であったりして良い。
増加用ローパスフィルタ32でフィルタ処理された増加側目標値Biと、減少用ローパスフィルタ33でフィルタ処理された減少用目標値Bdとの各波形信号は、最大値選択回路34に入力する。最大値選択回路34では、両目標値Bi・Bdの大きい方(最大値)により生成された制御目標値Bmaxを制動力目標値として制動力制御回路35に出力する。このようにして、制動力目標値設定手段としての制動力目標値設定部36が、操作量制動力変換回路31及び両ローバスフィルタ32・33及び最大値選択回路34により構成されている。なお、制動力目標値設定部36では、本実施例においては、ブレーキ操作量を一旦制動力値に変換した後、各ローパスフィルタ32・33に入力する構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、ブレーキ操作量を各ローパスフィルタ32・33に直接入力した後に、各ローパスフィルタ32・33のそれぞれの出力をもとに制動力目標値を生成するように構成しても良い。
このようにして構成された両ローバスフィルタ32・33及び最大値選択回路34による処理を図4を参照して説明する。図4では、ブレーキペダル11のストロークの変化を正弦波とした制動力値Boが二点鎖線で示されている。その制動力値Boが増加用ローパスフィルタ32によりフィルタ処理された波形は実線の上昇側と破線とにより示されるようになり、制動力値Boが減少用ローパスフィルタ33によりフィルタ処理された波形は一点鎖線と実線の下降側とにより示されるようになる。
そして、両ローパスフィルタ32・33からの各出力信号の最大値(大きい方)が最大値選択回路34にて選択されることにより、図4の実線により示される波形となって最大値選択回路34から出力される。この最大値選択回路34からの出力波形が最終的な制動力目標値となり、制動力制御回路35に入力する。制動力制御回路35では、この制動力目標値を公知の手法を用いて配分するなどにより公知のハイブリッド自動車等におけるモータ・ジェネレータ5による回生制動力とサーボモータ12による油圧制動力とを各々決定し、協調制御を行う。
このようにして図4の実線で示される波形となる制御目標値Bmaxを用いることにより、制動力値Boに対して制御目標値Bmaxは、波形の増加側では位相遅れΔt1が生じた波形となって増加し、波形の減少側では位相遅れΔt2が生じた波形となって減少する。上記カットオフ周波数の関係から、増加側の位相遅れΔt1は減少側の位相遅れΔt2よりも小さいため、制御目標値Bmaxの入力波形(制動力値Bo)に対する応答性を、増加側を減少側よりも高くすることができる。
これにより、公知のブレーキ・バイ・ワイヤシステムにおける制御特性として、ブレーキ力の立ち上がり特性に余裕を持たせるためにブレーキペダル操作に対するブレーキ応答性が過敏になるように設定しても、通常のブレーキ操作において運転者の感覚に合わせるように鈍らすことができ、運転者は何等違和感を生じることなくブレーキ操作を行い得る。
また、ブレーキ力増大時よりも減少時の方の位相遅れを大きく設定することにより、減少時の応答性を大きく低減でき、ブレーキペダル11のリリース(戻し)時に車両の減速中のピッチングから跳ね返りが生じる現象を抑制することができると共に、ディスクブレーキを用いた場合にブレーキパッドがディスクに吸い付いているようなしっかりとしたブレーキ感覚を与えることができる。
このようなブレーキ力増大時と減速時との各応答性をそれぞれ別個に設定できることから、良好なブレーキフィーリングが得られ、ハイブリッド自動車のように回生及び油圧ブレーキの協調制御を行う場合に、その合計ブレーキ力である制御目標値Bmaxに対する動特性を規定することから、回生及び油圧の各ブレーキ力の割合に関係なく、一貫したブレーキフィーリングを容易に得ることができる。
さらに、応答性の大きさの設定をローパスフィルタを2つ設けるという簡単な回路構成で実現できると共に、それぞれのカットオフ周波数も自由に設定でき、ブレーキ力の増大時には高い応答性を確保しかつブレーキ力の減少時には車両のピッチング挙動の収斂を穏やかにすることを容易に行うことができる。また、カットオフ周波数を自由に設定できることから、ブレーキペダル11の反力特性及びアクチュエータとしてのスレーブシリンダ13のブレーキ力に対する応答特性によって生じる個体差や使用環境条件による応答性の差を、装置または車体別に調整することができるため、より広範な使用環境下で望ましい制動力特性を得ることができる。
5 モータ・ジェネレータ(制動力発生手段)
7 バッテリ(制動力発生手段)
8 ブレーキ液圧発生装置(制動力発生手段)
10 インバータ(制動力発生手段)
11a 変位センサ(ブレーキ操作量検出手段)
32 増加用ローパスフィルタ(第1ローパスフィルタ)
33 減少用ローパスフィルタ(第2ローパスフィルタ)
32a・33a 調整器(カットオフ調整手段)
36 制動力目標値設定部(制動力目標値設定手段)

Claims (3)

  1. 運転者が操作するブレーキ操作量を検出信号として出力するブレーキ操作量検出手段と、前記検出信号の大きさに応じて車両の制動力を発生する制動力発生手段とを有する車両用ブレーキ装置であって、
    前記検出信号を第1のカットオフ周波数を有する第1ローパスフィルタと、
    前記検出信号を前記第1のカットオフ周波数より低い第2のカットオフ周波数を有する第2ローパスフィルタと、
    前記第1ローパスフィルタの出力信号と前記第2ローパスフィルタの出力信号とのいずれか大きい方を選択して制動力目標値を生成する制動力目標値設定手段とを有し、
    前記制動力発生手段が、前記制動力目標値に応じて前記制動力を発生することを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 前記第1のカットオフ周波数および前記第2のカットオフ周波数の少なくとも一方を調整するカットオフ調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 前記制動力発生手段が、回生制動および油圧制動の協調制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
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