JP5355027B2 - ヘッドレスト作動装置及びその取付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の座席シートに設けられたヘッドレストを車両の衝突時に移動させるためのヘッドレスト作動装置及びその取付方法に関する。
一般に、通常の姿勢で自動車等の車両を運転している場合、乗員の頭部とヘッドレストとは離間した状態となっている。このとき、例えば後面衝突等を受けた場合、乗員の頭部は慣性力によって後方へ大きく反るように移動する。このような後方への移動を抑制するため、ヘッドレストを前方に移動させて乗員の頭部を積極的に支持するアクティブヘッドレストシステムが提案されている。
このようなアクティブヘッドレストシステムの1つとして、例えば特許文献1には、機械的な駆動機構によりヘッドレストを移動させるヘッドレスト作動装置が開示されている。この従来技術のヘッドレスト作動装置では、リンク機構により前方に移動可能なヘッドレストが、通常時にはばね部材により前方方向に付勢を受けた状態で保持機構により初期位置に保持されている。そして車両の後突時等には、背もたれ部内の下部に配設されたプレス板が乗員の背もたれ荷重により押し動かされ、この動きに連動して、プレス板と保持機構とを連結する伝達手段(ワイヤ)が牽引される。これにより、保持機構によるヘッドレストの保持が解除され、ヘッドレストが乗員の頭部を拘束する拘束位置に移動するようになっている。
また特許文献2には、電動モータを用いた駆動機構によりヘッドレストを移動させるヘッドレスト作動装置が開示されている。この従来技術のヘッドレスト作動装置では、車両の衝突時には、その衝突の発生(若しくは発生の予測)を検知するセンサからの検知信号に基づき、ヘッドレスト内に設けられた前後駆動用モータによりリンク機構が駆動されてヘッドレストが前後方向に移動されると共に、背もたれ部内に設けられた上下駆動用モータによりヘッドレストの支持ロッドが上下動されてヘッドレストが上下方向に移動され、ヘッドレストが乗員の頭部を拘束する拘束位置に移動するようになっている。
特開2005−104259号公報 特開2006−182277号公報
特許文献1記載のヘッドレスト作動装置においては、プレス板を乗員の背もたれ荷重を受ける部分(すなわち腰部分)に設ける必要があるため、プレス板が背もたれ部の下方に設けられている上に、プレス板と保持機構とを連結する伝達手段が屈曲して配設されている。このため、伝達手段の経路が長くなってしまい、衝突後ヘッドレストが移動を開始するまでに時間を要するおそれがあった。またこのヘッドレスト作動装置においては、上述したように背もたれ部内に設けられたプレス板が乗員の背もたれ荷重で押し動かされることにより伝達手段が牽引され、その結果ヘッドレストが移動する。したがって、例えば車両の急発進時等に加速により乗員の背もたれ加重がプレス板に作用したり、何らかの原因により伝達手段に牽引力が作用した場合には、車両の衝突が発生していないにも拘わらずヘッドレストが誤作動するおそれがあった。
一方、特許文献2記載のヘッドレスト作動装置においては、センサで衝突の発生を検知することにより電動モータを駆動させてヘッドレストを移動させるため、上述したような誤作動を起こす可能性は低いが、電動モータを用いているためにヘッドレストの動作速度が遅いという問題があった。
以上のように、上記いずれの従来技術においても、衝突後ヘッドレストが移動するまでに要する時間や誤作動発生の可能性、動作速度の面で問題があり、アクティブヘッドレストの信頼性が十分であるとは言えなかった。
そこで、シリンダ部材と、シリンダ部材内を軸方向に摺動するピストン部材と、シリンダ部材内にガスを供給するガス供給手段とを有し、ガスの供給によりピストン部材を摺動させ、保持機構によるヘッドレストの保持を解除してヘッドレストを移動させるヘッドレスト作動装置が考えられる。このようにすることで、衝突後ヘッドレストが移動を開始するまでの時間を短縮することができる。また、センサで衝突の発生(若しくは発生の予測)を検知することによりヘッドレストを移動させるため、乗員の背もたれ荷重により機械的にヘッドレストを移動させる場合に比べ、誤作動の発生を抑制することができる。さらに、保持機構による保持を解除することでヘッドレストはばね部材の付勢力により移動されることになるため、電動モータで駆動する場合に比べてヘッドレストの動作速度を速くすることができる。以上のことから、アクティブヘッドレストとしての信頼性を向上することができる。
しかしながら、このような信頼性を向上できるアクティブヘッドレストを現実的に実現するためには、ヘッドレストが移動する都度(すなわちガス供給手段が起動する都度)ヘッドレスト作動装置を交換する必要があることから、交換作業が容易である等、作業性を考慮した構造とする必要がある。
本発明の目的は、信頼性を向上できるアクティブヘッドレストを現実的に実現することができるヘッドレスト作動装置及びその取付方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明のヘッドレスト作動装置は、車両の座席シートの上部に移動可能に設けられたヘッドレストの保持機構による保持を解除することにより、前記ヘッドレストを移動させるためのヘッドレスト作動装置であって、筒状のシリンダ部材と、前記シリンダ部材に形成された筒状の収納部内を第1の筒軸方向に摺動することにより、伝達手段を介し、前記保持機構による前記ヘッドレストの保持を解除するピストン部材と、前記シリンダ部材に形成されかつ前記第1の筒軸とは屈曲した第2の筒軸を有する筒状の装着部に装着されて、前記ピストン部材を摺動させるためのガスを、前記車両の衝突の発生若しくは発生の予測を検知するセンサからの検知信号に基づき、前記シリンダ部材内に供給するガス供給手段と前記シリンダ部材)の前記収納部と前記装着部との間に形成されたブラケットに設けられかつ前記シリンダ部材が前記第1の筒軸を回転軸として回転されることにより、前記ヘッドレスト作動装置を支持する支持部材に形成された嵌合部に嵌合する突起部と、を有していることを特徴とする。
一般に、車両の後面衝突時等に乗員の頭部の後方への移動を抑制するため乗員の頭部を積極的に支持するアクティブヘッドレストシステムにおいては、座席シートの上部に設けられたヘッドレストは、リンク機構により初期位置から乗員の頭部を拘束する前方の拘束位置まで移動可能に構成されている。このヘッドレストは、通常時には、ばね部材により拘束位置方向に付勢を受けた状態で、保持機構により初期位置において静止状態に保持されている。
車両の後突時等には、その衝突の発生(若しくは発生の予測)を検知するセンサからの検知信号に基づき、シリンダ部材に形成されかつ第1の筒軸とは屈曲した第2の筒軸を有する筒状の装着部に装着されたガス供給手段が起動してシリンダ部材内にガスを供給する。これにより、ピストン部材がシリンダ部材の収納部内を第1の筒軸方向に摺動すると、伝達手段を介して保持機構によるヘッドレストの保持が解除され、ヘッドレストがばね部材の付勢力により拘束位置に移動する。
このように、ガスの供給によりピストン部材を摺動させてヘッドレストを移動させる構成であるため、衝突後ヘッドレストが移動を開始するまでの時間を短縮することができる。また、センサで衝突の発生(若しくは発生の予測)を検知することによりヘッドレストを移動させるため、乗員の背もたれ荷重により機械的にヘッドレストを移動させる場合に比べ、誤作動の発生を抑制することができる。さらに、保持機構による保持を解除することでヘッドレストはばね部材の付勢力により移動されることになるため、電動モータで駆動する場合に比べてヘッドレストの動作速度を速くすることができる。以上のことから、アクティブヘッドレストの信頼性を向上することができる。
ここで、このような信頼性を向上できるアクティブヘッドレストを現実的に実現するためには、ヘッドレストが移動する都度(すなわちガス供給手段が起動する都度)ヘッドレスト作動装置を交換する必要があることから、交換作業が容易である等、作業性を考慮した構造とする必要がある。
そこで本願第1発明のヘッドレスト作動装置においては、シリンダ部材が、当該シリンダ部材が第1の筒軸を回転軸として回転されることにより、収納部と装着部との間に形成されたブラケットに設けられてヘッドレスト作動装置を支持するための支持部材に形成された嵌合部に嵌合する突起部を有する構成とする。これにより、作業者は、交換作業においてヘッドレスト作動装置を取り付ける際に、シリンダ部材を回転させて突起部を支持部材の嵌合部に嵌合させることにより、ヘッドレスト作動装置の支持部材に対する仮組み付けを行うことができる。その後、この仮組み付け状態から例えばボルト等による締結を行うことにより、本組み付けを行うことができる。
このように、本願第1発明によれば、ヘッドレスト作動装置の交換作業の際に仮組み付けを行うことが可能となるので、ボルト等による締結を行う際に、作業者が自らヘッドレスト作動装置を支持しなくとも、ヘッドレスト作動装置が支持部材から落下することを防止することができる。これにより、交換作業が容易となり、作業性を向上することができる。したがって、信頼性を向上できるアクティブヘッドレストを現実的に実現することができる。
第2発明のヘッドレスト作動装置は、上記第1発明において、前記ピストン部材が挿通可能なピストン用挿通孔を備え、前記シリンダ部材の他方側端部の開口を覆うように設けられた蓋部材を有しており、前記蓋部材は、前記支持部材に形成された蓋部材挿入孔に挿入された際に、前記第1の筒軸と前記伝達手段軸方向が略一致するように構成され、前記シリンダ部材は、前記蓋部材が前記支持部材の前記蓋部材挿入孔に挿入された状態で回転されることを特徴とする。
本願第2発明のヘッドレスト作動装置においては、ヘッドレスト作動装置の交換作業の際、シリンダ部材の他方側端部に設けられた蓋部材を、支持部材に形成された蓋部材挿入孔に挿入した状態で、シリンダ部材を回転させて仮組み付けを行う。このとき、蓋部材は、支持部材に形成された蓋部材挿入孔に挿入された際に、第1の筒軸と伝達手段軸方向が略一致するように構成されている。これにより、上記仮組み付けを行った際には、第1の筒軸と伝達手段軸方向が略一致するようになっており、作業者はピストン部材と伝達手段との軸ずれを生じることなくヘッドレスト作動装置の交換を行うことができる。その結果、ピストン部材の摺動動作を保持機構へ伝達して保持機構によるヘッドレストの保持を解除するという伝達手段の機能の信頼性を維持しつつ、容易にヘッドレスト作動装置の交換作業を行うことができる。
第3発明のヘッドレスト作動装置は、上記第2発明において、前記シリンダ部材は、当該シリンダ部材を前記支持部材に固定するボルトを挿通するためのボルト用挿通孔が設けられた、前記シリンダ部材を前記座席シートの背もたれ部に固定するためのブラケットを有しており、前記ボルト用挿通孔は、前記シリンダ部材が前記第1の筒軸を回転軸として回転され、前記突起部が前記支持部材の嵌合部に嵌合した際に、前記支持部材に形成され前記ボルトが締結される締結孔と、孔位置が略一致するように形成されていることを特徴とする。
本願第3発明のヘッドレスト作動装置においては、シリンダ部材が当該シリンダ部材を座席シートの背もたれ部に固定するためのブラケットを有しており、このブラケットには、シリンダ部材を支持部材に固定するボルトを挿通するためのボルト用挿通孔が設けられている。このボルト用挿通孔は、シリンダ部材が第1の筒軸を回転軸として回転され、突起部が支持部材の嵌合部に嵌合した際に、支持部材に形成されボルトが締結される締結孔と、孔位置が略一致するように形成されている。これにより、作業者は、シリンダ部材を回転させて仮組み付けを行うだけで、ブラケットのボルト用挿通孔と支持部材の締結孔との孔位置の調整を行うことなく、ボルト用挿通孔にボルトを挿通して支持部材の締結孔に締結させ、ボルトによる本組み付けを容易に行うことができる。したがって、交換作業がさらに容易となり、作業性をさらに向上することができる。
第4発明のヘッドレスト作動装置は、上記第3発明において、前記ブラケットは、前記第1の筒軸方向と略直交する方向における左右両側に2つの前記突起部を有しており、前記2つの突起部は、前記シリンダ部材が前記第1の筒軸を回転軸として回転されることにより、前記支持部材に形成された2つの前記嵌合部にそれぞれ嵌合することを特徴とする。
本願第4発明のヘッドレスト作動装置においては、シリンダ部材のブラケットが、第1の筒軸方向と略直交する方向における左右両側に2つの突起部を有する構成とする。これにより、作業者は、交換作業においてヘッドレスト作動装置を取り付ける際に2つの突起部を支持部材に嵌合させることができ、ヘッドレスト作動装置を支持部材に対し安定して支持させることができる。したがって、仮組み付けの安定性を向上することができる。その結果、交換作業がさらに容易となり、作業性をさらに向上することができる。
上記目的を達成するために、第5発明のヘッドレスト作動装置の取付方法は、筒状のシリンダ部材と、前記シリンダ部材に形成された筒状の収納部内を第1の筒軸方向に摺動するピストン部材と、前記シリンダ部材に形成されかつ前記第1の筒軸とは屈曲した第2の筒軸を有する筒状の装着部に装着されて、前記シリンダ部材内に前記ピストン部材を摺動させるためのガスを供給するガス供給手段と、前記ピストン部材が挿通可能なピストン用挿通孔を備え、前記シリンダ部材の他方側端部の開口を覆うように設けられた蓋部材とを有し、車両の座席シートの上部に設けられたヘッドレストを移動させるためのヘッドレスト作動装置を、前記座席シートに設けられた支持部材に取り付けるためのヘッドレスト作動装置の取付方法であって、前記蓋部材を、前記支持部材に形成された蓋部材挿入孔に前記第1の筒軸と伝達手段の軸方向とが略一致するように挿入する手順と、前記蓋部材を挿入した状態で、前記シリンダ部材を、当該シリンダ部材に形成された筒状の収納部と前記装着部との間に形成されたブラケットに設けられた突起部が前記支持部材に形成された嵌合部に嵌合されるように、前記第1の筒軸を回転軸として回転させる手順と、前記シリンダ部材の回転により、前記シリンダ部材が有するブラケットに設けられて前記シリンダ部材を前記支持部材に固定するボルトを挿通するためのボルト用挿通孔と前記支持部材に形成されて前記ボルトが締結される締結孔との孔位置が略一致するように、前記突起部を前記嵌合部に嵌合させる手順と、前記ボルトを前記ボルト用挿通孔に挿通し、孔位置の略一致した前記支持部材の締結孔に締結させる手順とを有することを特徴とする。
本願第5発明においては、蓋部材を、支持部材に形成された蓋部材挿入孔に第1の筒軸と伝達手段の軸方向とが略一致するように挿入し、この挿入した状態で、シリンダ部材を、当該シリンダ部材に形成された筒状の収納部と装着部との間に形成されたブラケットに設けられた突起部が支持部材に形成された嵌合部に嵌合されるように、第1の筒軸を回転軸として回転させ、この回転により、シリンダ部材が有するブラケットに設けられシリンダ部材を支持部材に固定するボルトを挿通するためのボルト用挿通孔支持部材に形成されボルトが締結される締結孔との孔位置略一致するように、突起部を嵌合部に嵌合させた後に、ボルトをボルト用挿通孔に挿通し、孔位置の略一致した支持部材の締結孔に締結させることにより、ヘッドレスト作動装置を支持部材に取り付ける。
このようにして、作業者は、ヘッドレスト作動装置を取り付ける際に、シリンダ部材を回転させて突起部を支持部材の嵌合部に嵌合させることにより、ヘッドレスト作動装置の支持部材に対する仮組み付けを行うことができる。これにより、ボルトによる締結を行う際に、作業者が自らヘッドレスト作動装置を支持しなくとも、ヘッドレスト作動装置が支持部材から落下することを防止することができる。その結果、交換作業が容易となり、作業性を向上することができる。したがって、信頼性を向上できるアクティブヘッドレストを現実的に実現することができる。
また本願第5発明においては、シリンダ部材の他方側端部に設けられた蓋部材を、支持部材に形成された蓋部材挿入孔に挿入した状態で、シリンダ部材を回転させる。このとき、蓋部材が支持部材に形成された蓋部材挿入孔に挿入された際に、ピストン部材と、ピストン部材の摺動動作を保持機構へ伝達して保持機構によるヘッドレストの保持を解除する伝達手段との軸方向が略一致するように構成すれば、仮組み付けを行った際に、ピストン部材と伝達手段との軸方向を略一致させることが可能である。これにより、作業者はピストン部材と伝達手段との軸ずれを生じることなくヘッドレスト作動装置の交換を行うことができる。その結果、ピストン部材の摺動動作を保持機構へ伝達して保持機構によるヘッドレストの保持を解除するという伝達手段の機能の信頼性を維持しつつ、容易にヘッドレスト作動装置の交換作業を行うことができる。
また本願第5発明においては、シリンダ部材のブラケットに設けられたボルト用挿通孔の孔位置が、シリンダ部材が第1の筒軸を回転軸として回転され、突起部が支持部材の嵌合部に嵌合した際に、支持部材に形成されボルトが締結される締結孔の孔位置と略一致する。これにより、作業者は、シリンダ部材を回転させて仮組み付けを行うだけで、孔位置の略一致したボルト用挿通孔にボルトを挿通して支持部材の締結孔に締結し、ボルトによる本組み付けを容易に行うことができる。したがって、交換作業がさらに容易となり、作業性をさらに向上することができる。
本発明によれば、信頼性を向上できるアクティブヘッドレストを現実的に実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のヘッドレスト作動装置の一実施の形態を備えた自動車の座席シートの上部の外観を表す斜視図であり、図1(a)は平常時、図1(b)はヘッドレスト移動時を示している。
図1において、乗員が着座するための自動車(自動車以外の車両でもよい)の座席シート2は、乗員を下方から支持する着座部(図示せず)と、乗員の背中を支持する背もたれ部4と、背もたれ部4の上部において2本の支持ロッド6,6により支持されたヘッドレスト8とを有している。ヘッドレスト8は、自動車の後面衝突時(以下「後突時」と記載する)等に乗員の頭部の後方への移動を規制するため乗員の頭部を積極的に支持するアクティブヘッドレストであり、リンク機構10により初期位置(図1(a)に示す位置)から乗員の頭部を拘束する前方の拘束位置(図1(b)に示す位置)まで移動可能に構成されている。
ヘッドレスト8は、通常時には、図1(a)に示すように、ばね部材(図示せず)により拘束位置方向に付勢を受けた状態で、保持機構(図示せず)により初期位置において静止状態に保持されている。一方、自動車の後突時等には、図1(b)に示すように、支持ロッド6内に設けられたインナーロッド26(伝達手段。後述の図4及び図5参照)が押し上げられることにより、上記保持機構によるヘッドレスト8の保持が解除され、ヘッドレスト8がばね部材の付勢力により拘束位置に移動する。
リンク機構10は、ヘッドレスト8の裏側に固定され、ヘッドレスト8と共に移動するヘッドレスト側支持部材66と、支持ロッド6,6間に設けられ、その内部に上記ばね部材及び保持機構を有し、支持ロッド6に固定されたヘッドレスト支持ベース68とを有している。ヘッドレスト側支持部材66には、左右に貫通するように連結棒70が設けられている。またヘッドレスト支持ベース68には、上記連結棒70がその内部を摺動可能なスリット72が形成されている(図1(b)参照)。これにより、ヘッドレスト側支持部材66は、連結棒70がスリット72内を摺動可能な範囲において、ヘッドレスト支持ベース68に対し移動可能となっている。
次に、保持機構によるヘッドレスト8の保持が解除される動作について説明する。自動車の後突時等には、インナーロッド26が押し上げられることにより回動部材(図示せず)が回動され、これに伴って回転軸(図示せず)が回転される。これにより、回転軸に設けられたカム部材(図示せず)が回動し、その結果、係止部材(図示せず)により移動を保持されていた連結棒70の係止が解除され、ばね部材の付勢力により連結棒70が引き上げられる。これにより、連結棒70がスリット72の上端まで摺動し、その結果、連結棒70が設けられたヘッドレスト側支持部材66及びヘッドレスト8が図1(b)に示す拘束位置に移動する。なお、上記係止部材が保持機構に相当する。
図2(a)は、背もたれ部4の正面から見た内部構造を表す断面図であり、図2(b)は、図2(a)中X部分を拡大して表す部分拡大図である。
図2(a)に示すように、座席シート2の背もたれ部4内の上部には、ヘッドレスト作動装置12及びこれを支持する支持部材14が設けられている。支持部材14は、ヘッドレスト8を支持する支持ロッド6,6の下端を連結するように設けられており、座席シート2のシートフレーム15に設けられたアジャスタ16によりヘッドレスト8の高さを調節する際には、ヘッドレスト8及び支持ロッド6,6と共に、ヘッドレスト作動装置12及び支持部材14も上下動される。
ヘッドレスト作動装置12は、自動車の後突時等に、ヘッドレスト8の保持機構による保持を解除することにより、ヘッドレスト8を移動させる(すなわち初期位置から拘束位置に移動させる)ためのものである。このヘッドレスト作動装置12は、図2(b)に示すように、筒状のシリンダ部材18と、このシリンダ部材18の一方側端部(図2中下方側端部)に設けられ、ピストン部材20(後述の図3参照)を摺動させるためのガスをシリンダ部材18内に供給するインフレータ22(ガス供給手段)とを有しており(図2(b)にはインフレータ22のイニシエータ22aのみ図示)、シリンダ部材18が、ピストン部材20及びインフレータ22と共にブラケット24を介してボルト(図示せず)により支持部材14の背面側(図2中紙面奥側)に固定されることにより、ヘッドレスト作動装置12が支持部材14の背面側に固定される。またこのとき、ヘッドレスト作動装置12は、一方側(図2中右側)の支持ロッド6に連結される。
本実施形態のヘッドレスト作動装置12が搭載される自動車には、当該自動車が衝突(後突等を含む)した際に、それらの発生(若しくは発生の予測)を検知する各種センサ(図示せず)が設けられている。そして、後突時等の緊急時には、これらのセンサがこれを検知し、インフレータ制御回路(図示せず)がこれらのセンサからの検知信号に基づいてケーブル25を介し起動信号を出力し、インフレータ22のイニシエータ22a(後述の図3参照)を起動させる。これにより、インフレータ22が作動され、ピストン部材20を摺動させるためのガスがシリンダ部材18内に噴出される。
図3は、ヘッドレスト作動装置12の詳細構造を表す分解斜視図である。
この図3において、ヘッドレスト作動装置12は、筒状のシリンダ部材18と、このシリンダ部材18内を筒軸Y方向に摺動することにより、支持ロッド6内に設けられた前述のインナーロッド26を介し、保持機構によるヘッドレスト8の保持を解除するピストン部材20と、シリンダ部材18の一方側端部(図3中下端部)に設けられ、ピストン部材20を摺動させるためのガスを、自動車の衝突の発生若しくは発生の予測を検知するセンサからの検知信号に基づき、シリンダ部材18内に供給するインフレータ22とを有している。
シリンダ部材18は、ピストン部材20を内部に収納するピストン部材収納部18aと、インフレータ22が固定されるインフレータ装着部18bとを有しており、ピストン部材収納部18a側の筒軸Y方向と、インフレータ装着部18b側の筒軸Z方向とが屈曲した構成となっている。これにより、前述の図2に示すように、ヘッドレスト作動装置12を支持部材14に装着した際に、シリンダ部材18のインフレータ装着部18b側がシート前方側に屈曲する。その結果、ヘッドレスト作動装置12を背もたれ部4内に配設した際に、ヘッドレスト作動装置12の下部が背もたれ部4の背板28(図2参照)に接触しないようにすることができる。
またシリンダ部材18は、ピストン部材収納部18a側にシリンダ部材18を支持部材14に固定するためのブラケット24を有しており、このブラケット24とシリンダ部材18とは鋳造(例えばアルミダイカスト等)により一体的に構成されている。ブラケット24には、シリンダ部材18を支持部材14に固定するボルト(図示せず)を挿通するためのボルト用挿通孔30が設けられている。このボルト用挿通孔30は、ヘッドレスト作動装置12を支持部材14に取り付ける際に、シリンダ部材18が筒軸Yを回転軸として回転された際に、支持部材14に形成されボルトが締結されるボルト締結孔32(後述の図6(b)及び図7参照)と、孔位置が略一致するように形成されている(詳細は後述)。
またブラケット24は、その長手方向両端側(シリンダ部材18の筒軸Y方向と略直交する方向における左右両側)に、第1突起部34及び第2突起部36を有している。これら第1突起部34及び第2突起部36は、ヘッドレスト作動装置12を支持部材14に取り付ける際に、シリンダ部材18が筒軸Yを回転軸として回転されることにより、支持部材14に形成された第1スリット38(嵌合部。後述の図6参照)及び第2スリット40(嵌合部。後述の図6参照)にそれぞれ嵌合する(詳細は後述)。
ピストン部材20は、下端部に拡径部41を有しており、この拡径部41には溝部42が形成されている。ピストン部材20は、この溝部42にOリング44が装着された状態で、シリンダ部材18のピストン部材収納部18a内に収納される。また、ピストン部材20の上部には、溝部46が形成されている。この溝部46には、インフレータ22によるガス非供給時に、シリンダ部材18のピストン部材収納部18a側の開口47に設けられた係止部材48(位置決め部材)の爪部48aが係止され、ピストン部材20のシリンダ部材18に対する筒軸Y方向位置が固定される(後述の図4参照)。一方、インフレータ22によるガス供給時には、例えば樹脂製である係止部材48の爪部48aがガスによるピストン部材20の押圧力により拡張され、当該爪部48aによる係止が解除されて、ピストン部材20の筒軸Y方向への摺動が許容される(後述の図5参照)。
シリンダ部材18のピストン部材収納部18aの外周面には外ネジが形成されており、ピストン部材収納部18a内にピストン部材20を収納し、且つ開口47に係止部材48を設けた状態で、内周面に内ネジが形成されたピストン側蓋部材50が開口47を覆うようにピストン部材収納部18aに螺合により固定される。このピストン側蓋部材50(蓋部材)は、ピストン部材20が挿通可能なピストン用挿通孔52を備えており、ピストン側蓋部材50が、支持部材14に形成された蓋部材挿入孔54(後述の図6(b)参照)に挿入された際に、ピストン部材20とインナーロッド26との軸方向が略一致する。
シリンダ部材18のインフレータ装着部18b側端部の外周面には外ネジが形成されており、インフレータ22がインフレータ装着部18b側の開口56に装着された状態で、内周面に内ネジが形成されたインフレータ側蓋部材58が開口56を覆うようにインフレータ装着部18bに螺合により固定される。このインフレータ側蓋部材58は、インフレータ22のイニシエータ22aを挿通させるためのインフレータ用挿通孔60を備えており、このインフレータ用挿通孔60を挿通されたイニシエータ22aが、ケーブル25を介し、インフレータ制御回路(図示せず)と接続される。
図4及び図5は、ヘッドレスト作動装置12のピストン部材20の動作を説明するための図であり、図4(a)は平常時におけるヘッドレスト作動装置12の正面図、図4(b)は図4(a)中A−A断面による断面図、図5(a)はヘッドレスト移動時におけるヘッドレスト作動装置12の正面図、図5(b)は図5(a)中B−B断面による断面図である。
前述したように、ヘッドレスト作動装置12は、ピストン側蓋部材50が支持部材14に形成された蓋部材挿入孔54に挿入されて支持部材14に取り付けられることにより、一方側(図2中右側)の支持ロッド6に連結される。このとき、図4及び図5に示すように、ピストン部材20と支持ロッド6内に設けられたインナーロッド26との軸方向は略一致する。
平常時においては、インフレータ22によりガスが供給されていないため、図4(a)及び図4(b)に示すように、係止部材48が爪部48aをピストン部材20の溝部46に係止させて、ピストン部材20のシリンダ部材18に対する筒軸方向位置を固定する。このとき、ピストン部材20のインフレータ22側端部(図4中下端部)は、シリンダ部材18のピストン部材収納部18a内部に形成された段差部62に当接している。この状態においては、ピストン部材20とインナーロッド26との間には所定のクリアランス(例えば3.5mm程度)が設けられており、ヘッドレスト8は保持機構により初期位置において静止状態に保持されている。
一方、自動車の後突時等には、インフレータ22によりガスが供給されるため、図5(a)及び図5(b)に示すように、係止部材48の爪部48aがガスによるピストン部材20の押圧力により拡張され、当該爪部48aによる係止が解除されて、ピストン部材20の筒軸方向(図5中上方向)への摺動が許容される。その結果、ピストン部材20が上方向に向かって拡径部41が係止部材48に当接するまで摺動してインナーロッド26を押し上げ、これにより保持機構によるヘッドレスト8の保持が解除され、ヘッドレスト8がばね部材の付勢力により拘束位置に移動する。
図6は、ヘッドレスト作動装置12を支持部材14へ取り付ける前の状態を表す図であり、図6(a)はヘッドレスト作動装置12を背面から見た背面図、図6(b)は支持部材14のヘッドレスト作動装置12の取り付け部分を抽出して拡大した斜視図である。
これら図6(a)及び図6(b)において、支持部材14には、ピストン側蓋部材50が挿入される蓋部材挿入孔54が設けられている。前述したように、ピストン側蓋部材50が支持部材14の蓋部材挿入孔54に挿入されると、ピストン部材20とインナーロッド26との軸方向が略一致する。
また支持部材14には、ブラケット24の長手方向両端側に設けられた第1突起部34及び第2突起部36がそれぞれ嵌合される第1スリット38及び第2スリット40が設けられている。これら第1スリット38及び第2スリット40は、ヘッドレスト作動装置12の第1突起部34及び第2突起部36に対応する位置にそれぞれ形成されており、ヘッドレスト作動装置12を支持部材14に取り付ける際に、シリンダ部材18を筒軸Yを回転軸として回転させることにより、その回転に伴ってブラケット24の第1突起部34及び第2突起部36がそれぞれ第1スリット38及び第2スリット40内に進入し、第1スリット38及び第2スリット40にそれぞれ嵌合される。
なお、第1スリット38及び第2スリット40は、第1突起部34及び第2突起部36に当接してシリンダ部材18の回転を停止させる端部38a及び端部40a(後述の図7(c)参照)を有しており、第1突起部34及び第2突起部36がこれら端部38a及び端部40aに当接した際に、ブラケット24に設けたボルト用挿通孔30と、支持部材14に設けられたボルト締結孔32との孔位置が略一致する。
図7は、ヘッドレスト作動装置12の支持部材14への取り付け方法を説明するための図である。
ヘッドレスト作動装置12を支持部材14へ取り付ける際には、作業者は、まず図7(a)に示すように、ヘッドレスト作動装置12を支持部材14に対し傾斜させた状態(ブラケット24の第1突起部34及び第2突起部36が支持部材14の第1スリット38及び第2スリット40に進入しないように傾斜させた状態)で、ピストン側蓋部材50を支持部材14に形成された蓋部材挿入孔54に挿入する。
次に、このピストン側蓋部材50を蓋部材挿入孔54に挿入した状態で、図7(b)に示すように、ヘッドレスト作動装置12(シリンダ部材18)を図中矢印C方向にシリンダ部材18の筒軸Yを回転軸として回転させる。このとき、回転に伴ってブラケット24の第1突起部34及び第2突起部36がそれぞれ第1スリット38及び第2スリット40内に進入し、第1スリット38及び第2スリット40にそれぞれ嵌合される。
そして、図7(c)に示すように、ヘッドレスト作動装置12(シリンダ部材18)を、ブラケット24の第1突起部34及び第2突起部36が、第1スリット38の端部38a及び第2スリット40の端部40aにそれぞれ当接するまで回転させることにより、ブラケット24に設けたボルト用挿通孔30と、支持部材14に設けられたボルト締結孔32との孔位置を略一致させる。
その後、図示しないボルトをブラケット24のボルト用挿通孔30に挿通し、孔位置の略一致した支持部材14のボルト締結孔32に締結させる。これにより、ヘッドレスト作動装置12が支持部材14に取り付けられる。
以上説明した本実施形態のヘッドレスト作動装置12によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、本実施形態のヘッドレスト作動装置12においては、自動車の後突時等には、その衝突の発生(若しくは発生の予測)を検知するセンサからの検知信号に基づき、インフレータ22が起動してシリンダ部材18内にガスを供給する。これにより、ピストン部材20がシリンダ部材18内を筒軸Y方向に摺動すると、インナーロッド26を介して保持機構によるヘッドレスト8の保持が解除され、ヘッドレスト8がばね部材の付勢力により拘束位置に移動する。
このように、ガスの供給によりピストン部材20を摺動させてヘッドレスト8を移動させる構成であるため、衝突後ヘッドレスト8が移動を開始するまでの時間を短縮することができる。また、センサで衝突の発生(若しくは発生の予測)を検知することによりヘッドレスト8を移動させるため、乗員の背もたれ荷重により機械的にヘッドレスト8を移動させる場合に比べ、誤作動の発生を抑制することができる。さらに、保持機構による保持を解除することでヘッドレスト8はばね部材の付勢力により移動されることになるため、電動モータで駆動する場合に比べてヘッドレスト8の動作速度を速くすることができる。以上のことから、アクティブヘッドレストの信頼性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、ヘッドレスト作動装置12を背もたれ部4内の上部に設けている。すなわち、ガスの供給によりピストン部材20を摺動させてヘッドレスト8を移動させる本実施形態のヘッドレスト作動装置12の場合、乗員の背もたれ荷重により機械的にヘッドレスト8を移動させる場合のように、ヘッドレスト作動装置としてのプレス板を背もたれ部4の下方に設ける必要はない。したがって、本実施形態のようにヘッドレスト作動装置12を背もたれ部4内の上部に設けることにより、ピストン部材20の動作を保持機構に伝えるインナーロッド26を短く構成することができ、衝突後ヘッドレスト8が移動を開始するまでの時間をさらに短縮することができる。
また、本実施形態では特に、インフレータ22によるガス非供給時には、係止部材48が爪部48aをピストン部材20の溝部46に係止させて、ピストン部材20のシリンダ部材18に対する筒軸Y方向位置を固定する。これにより、平常時にピストン部材20に対し何らかの外力が作用した場合でも、ピストン部材20がシリンダ部材18内で摺動してヘッドレスト8が誤作動することを防止することができる。一方、インフレータ22によるガス供給時には、係止部材48がガスによる押圧力により爪部48aによる係止を解除し、ピストン部材20の筒軸Y方向への摺動を許容する。これにより、平常時にヘッドレスト8が誤作動することを防止しつつ、自動車の後突時等にはヘッドレスト8を円滑に移動させることができる。
また、本実施形態では特に、インフレータ22によるガス非供給時には、シリンダ部材18内部の段差部62がピストン部材20のインフレータ側の端部に当接する。これにより、平常時において、ピストン部材20に対し何らかの外力が作用した場合でも、ピストン部材20がシリンダ部材18内でインフレータ22側に摺動することを防止することができる。一方で、インフレータ22によるガス供給時には、段差部62はピストン部材20がインフレータ側と反対側(すなわちインナーロッド26を押し上げる方向)へ摺動するのを何ら阻止することはないので、自動車の後突時等にはヘッドレスト8を円滑に移動させることができる。
また、本実施形態では特に、シリンダ部材18とブラケット24とが鋳造により一体的に構成されている。これにより、例えばシリンダ部材18に対しブラケット24を溶接固定する場合に比べ、部品点数を低減することができると共に、製造時の溶接工程を省略することができる。また、溶接固定する場合に比べ、シリンダ部材18の重量及び大きさを低減できる効果もある。
また、本実施形態では特に、ピストン部材収納部18a側の筒軸Y方向と、インフレータ装着部18b側の筒軸Z方向とが屈曲するように、シリンダ部材18が構成されている。これにより、本実施形態のように、シリンダ部材18を真っ直ぐに構成した場合にはヘッドレスト作動装置12の下部が背もたれ部4の背板28に接触し設置できないような場合でも、シリンダ部材18を屈曲構造とすることにより、背もたれ部4内に設置することができる。このように、背もたれ部4内における設置スペースが不足したり、近傍の別の構造物に接触してしまうような場合であっても、シリンダ部材18を適宜の方向に屈曲させることで、背もたれ部4内に設置することができる。したがって、背もたれ部4内におけるヘッドレスト作動装置12の設置の自由度を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば上記実施形態では、ピストン部材20の摺動動作を保持機構へ伝達して保持機構によるヘッドレスト8の保持を解除する伝達手段として、インナーロッド26を用いるようにしたが、これに限られず、ワイヤ等の他の部材を用いてもよい。
また上記実施形態では、ヘッドレスト作動装置12を鉛直上下方向に沿うように設け、ピストン部材20が上方向に摺動してインナーロッド26を押し上げるように構成したが、これに限られない。例えば、ヘッドレスト作動装置12を鉛直上下方向に対して傾斜した方向(例えば水平方向)に沿うように設け、ピストン部材20がその傾斜した方向(例えば水平方向)に摺動してインナーロッド26を押す(あるいは引く)ように構成してもよい。
本発明のヘッドレスト作動装置の一実施の形態を備えた自動車の座席シート上部の、平常時及びヘッドレスト作動時における外観を表す斜視図である。 背もたれ部の正面から見た内部構造を表す断面図、及びX部分を拡大して表す部分拡大図である。 ヘッドレスト作動装置の詳細構造を表す分解斜視図である。 平常時におけるヘッドレスト作動装置の正面図、及びA−A断面による断面図である。 ヘッドレスト作動時におけるヘッドレスト作動装置の正面図、及びB−B断面による断面図である。 ヘッドレスト作動装置を支持部材へ取り付ける前の状態における、ヘッドレスト作動装置を背面から見た背面図、及び支持部材のヘッドレスト作動装置の取り付け部分を抽出して拡大した斜視図である。 ヘッドレスト作動装置の支持部材への取り付け方法を説明するための図である。
符号の説明
2 座席シート
4 背もたれ部
8 ヘッドレスト
12 ヘッドレスト作動装置
14 支持部材
18 シリンダ部材
20 ピストン部材
22 インフレータ(ガス供給手段)
24 ブラケット
26 インナーロッド(伝達手段)
30 ボルト用挿通孔
32 ボルト締結孔(締結孔)
34 第1突起部(突起部)
36 第2突起部(突起部)
38 第1スリット(嵌合部)
40 第2スリット(嵌合部)
46 溝部
47 開口
48 係止部材(位置決め部材)
48a 爪部
50 ピストン側蓋部材(蓋部材)
52 ピストン用挿通孔
54 蓋部材挿入孔
62 段差部(位置決め部材)
Y 筒軸
Z 筒軸

Claims (5)

  1. 車両の座席シートの上部に移動可能に設けられたヘッドレストの保持機構による保持を解除することにより、前記ヘッドレストを移動させるためのヘッドレスト作動装置であって、
    筒状のシリンダ部材と、
    前記シリンダ部材に形成された筒状の収納部内を第1の筒軸方向に摺動することにより、伝達手段を介し、前記保持機構による前記ヘッドレストの保持を解除するピストン部材と、
    前記シリンダ部材に形成されかつ前記第1の筒軸とは屈曲した第2の筒軸を有する筒状の装着部に装着されて、前記ピストン部材を摺動させるためのガスを、前記車両の衝突の発生若しくは発生の予測を検知するセンサからの検知信号に基づき、前記シリンダ部材内に供給するガス供給手段と、
    前記シリンダ部材の前記収納部と前記装着部との間に形成されたブラケットに設けられかつ前記シリンダ部材が前記第1の筒軸を回転軸として回転されることにより、前記ヘッドレスト作動装置を支持する支持部材に形成された嵌合部に嵌合する突起部と、を有している
    ことを特徴とするヘッドレスト作動装置。
  2. 請求項1記載のヘッドレスト作動装置において、
    前記ピストン部材が挿通可能なピストン用挿通孔を備え、前記シリンダ部材の他方側端部の開口を覆うように設けられた蓋部材を有しており、
    前記蓋部材は、前記支持部材に形成された蓋部材挿入孔に挿入された際に、前記第1の筒軸と前記伝達手段の軸方向とが略一致するように構成され、
    前記シリンダ部材は、前記蓋部材が前記支持部材の前記蓋部材挿入孔に挿入された状態で回転される
    ことを特徴とするヘッドレスト作動装置。
  3. 請求項2記載のヘッドレスト作動装置において、
    前記シリンダ部材は、当該シリンダ部材を前記支持部材に固定するボルトを挿通するためのボルト用挿通孔が設けられた、前記シリンダ部材を前記座席シートの背もたれ部に固定するためのブラケットを有しており、
    前記ボルト用挿通孔は、前記シリンダ部材が前記第1の筒軸を回転軸として回転され、前記突起部が前記支持部材の嵌合部に嵌合した際に、前記支持部材に形成され前記ボルトが締結される締結孔と、孔位置が略一致するように形成されている
    ことを特徴とするヘッドレスト作動装置。
  4. 請求項3記載のヘッドレスト作動装置において、
    前記ブラケットは、前記第1の筒軸方向と略直交する方向における左右両側に2つの前記突起部を有しており、
    前記2つの突起部は、前記シリンダ部材が前記第1の筒軸を回転軸として回転されることにより、前記支持部材に形成された2つの前記嵌合部にそれぞれ嵌合する
    ことを特徴とするヘッドレスト作動装置。
  5. 筒状のシリンダ部材と、前記シリンダ部材に形成された筒状の収納部内を第1の筒軸方向に摺動するピストン部材と、前記シリンダ部材に形成されかつ前記第1の筒軸とは屈曲した第2の筒軸を有する筒状の装着部に装着されて、前記シリンダ部材内に前記ピストン部材を摺動させるためのガスを供給するガス供給手段と、前記ピストン部材が挿通可能なピストン用挿通孔を備え、前記シリンダ部材の他方側端部の開口を覆うように設けられた蓋部材とを有し、車両の座席シートの上部に設けられたヘッドレストを移動させるためのヘッドレスト作動装置を、前記座席シートに設けられた支持部材に取り付けるためのヘッドレスト作動装置の取付方法であって、
    前記蓋部材を、前記支持部材に形成された蓋部材挿入孔に前記第1の筒軸と伝達手段の軸方向とが略一致するように挿入する手順と、
    前記蓋部材を挿入した状態で、前記シリンダ部材を、当該シリンダ部材に形成された筒状の収納部と前記装着部との間に形成されたブラケットに設けられた突起部が前記支持部材に形成された嵌合部に嵌合されるように、前記第1の筒軸を回転軸として回転させる手順と、
    前記シリンダ部材の回転により、前記シリンダ部材が有するブラケットに設けられて前記シリンダ部材を前記支持部材に固定するボルトを挿通するためのボルト用挿通孔と前記支持部材に形成されて前記ボルトが締結される締結孔との孔位置が略一致するように、前記突起部を前記嵌合部に嵌合させる手順と、
    前記ボルトを前記ボルト用挿通孔に挿通し、孔位置の略一致した前記支持部材の締結孔に締結させる手順と
    を有することを特徴とするヘッドレスト作動装置の取付方法。
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