JP5353852B2 - 面発光体および面発光体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る一軸光学結晶性である有機化合物粒子とは、光が該有機化合物に入射したときに互いに直交する振動方向を持つ二つの直線偏光(常光および異常光)に分かれて屈折する現象(複屈折)を示す有機化合物からなる粒子を言う。
U−10:下記繰り返し単位を有する重合物、重量平均分子量500
本発明においては、光取り出し層の厚さ方向における波長532nmのレーザ光の透過率Taと該厚さ方向と垂直な方向における波長532nmのレーザ光の透過率Tbとの透過率比T(Ta/Tb)が、1.10〜3.00である。
本発明に係るマトリックス樹脂としては、一軸光学結晶性の有機化合物粒子を担持可能であればよく特に制限はないが、一軸光学結晶性の有機化合物粒子の配向が可能であるものが好ましく、層形成時の経済性および利便性を考えた場合、硬化性樹脂を用いることが好ましい。
珪素(Si)と酸素(O)とが交互に結合したシロキサン結合(−Si−O−)を主鎖としているポリマーであるシリコーン樹脂としては、例えば、特開平6−9937号公報に記載されている所定量のポリオルガノシロキサン樹脂よりなるシリコーン系樹脂が使用可能である。
((R1)(R2)SiO)n
上記一般式(A)において、R1およびR2は各々同種または異種の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示す。具体的には、R1およびR2として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換した基、例えば、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基、γ−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基などが例示される。
本発明に適用可能なエポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−シクロヘキシルカルボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂(例えば、国際公開第2004/031257号参照)を使用することができ、その他、スピロ環を含有したエポキシ樹脂や鎖状脂肪族エポキシ樹脂等も使用することができる。その際、オキセタン樹脂を併用、または単独で用いてもよい。
アクリル系樹脂の原料成分としては、例えば、1)エチル(メタ)アクリレート、エチルへキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、あるいは、2)ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性ジ(又はトリ)アクリレート等の多官能性モノマー等が挙げられる。
芳香環を含まない臭素含有(メタ)アリルエステル(例えば、特開2003−66201号公報参照)、アリル(メタ)アクリレート(例えば、特開平5−286896号公報参照)、アリルエステル樹脂(例えば、特開平5−286896号公報、特開2003−66201号公報参照)、アクリル酸エステルとエポキシ基含有不飽和化合物の共重合化合物(例えば、特開2003−128725号公報参照)、アクリレート化合物(例えば、特開2003−147072号公報参照)、アクリルエステル化合物(例えば、特開2005−2064号公報参照)等を好ましく用いることができる。
本発明に係る光取り出し層は、下記の記載の工程に従って形成されることが好ましい。
本発明において、光取り出し層形成工程Aでは、調製された光取り出し層形成用塗布液を基板4上に、塗布コーター12を用いて塗布して光取り出し層1を形成する。ここで塗布する際に用いる基板4には、後述する様な透明基材を使用することができる。塗布方法としては、ロッドコート法、ナイフコート法、押出法、カーテン法等の一般的に知られている湿式塗布手段を用いることができる。また、マトリックス樹脂として、紫外線または可視光硬化樹脂を使用する場合は、当然ながら、セーフライト等で遮光した状態で塗布することが好ましい。以上のようにして塗設された光取り出し層1は、次工程である配向化工程Bに供される。
一軸光学結晶性の有機化合物の配向工程Bでは、光取り出し層1に磁場を印加することにより、光取り出し層に含まれる一軸光学結晶性の有機化合物粒子を、図1に模式図で示した様に一方向に配向させる。一軸光学結晶性の有機化合物粒子の長軸を膜厚方向に配向させるためには、一軸光学結晶性の有機化合物の磁化の正負によって磁場の印加方向を便宜調整する必要がある。磁場の強度は、一軸光学結晶性の有機化合物の平均粒径および磁化率にもよるが、一軸光学結晶性の有機化合物が配向するのに足りる程度の磁場を印加すればよい。例えば、2〜10Tの磁場強度で配向できる一軸光学結晶性の有機化合物粒子の異方性磁化率と粒径の関係を理論上計算すると、異方性磁化率Δχaが10−6オーダーでは粒径が50〜200nm、異方性磁化率Δχaが10−7オーダーでは粒径が100〜500nmである。
膜固化工程Cでは、光取り出し層中のマトリックス樹脂を固化することにより、マトリックス樹脂中に一軸光学結晶性の有機化合物粒子を固定化する。具体的には、配向工程Bを経た光取り出し層1に、光照射装置14により可視光または紫外線光を照射してマトリックス樹脂を硬化させる。マトリックス樹脂が可視光硬化型樹脂の場合は可視光を照射し、マトリックス樹脂が紫外線硬化型樹脂の場合は紫外線光を照射する。これにより、流動状態であったマトリックス樹脂が硬化されて、塗布液が固化される。これに伴って、マトリックス樹脂中の一軸光学結晶性の有機化合物粒子が、配向状態を保ったまま固定化される。この膜固化工程Cは、図2の(b)に示す様に、上記一軸光学結晶性の有機化合物粒子の配向化工程Bと同一工程で行っても良い。
乾燥工程Dでは、光取り出し層1中のマトリックス樹脂を、乾燥装置15を用いて乾燥させることにより、マトリックス樹脂中に一軸光学結晶性の有機化合物を固定化、および膜中の溶媒を蒸発させる。これに伴って、光取り出し層4がマトリックス樹脂中の一軸光学結晶性の有機化合物粒子が、配向状態を保ったまま固定化される。
本発明において、上記方法に従って形成された本発明に係る光取り出し層は、面発光体の構成部材として使用することができる。本発明に係る光取り出し層が使用される場所は特に限定されず、例えば、透明基材上に本発明に係る光取り出し層を形成したフィルムを、面発光体の出射側表面に貼合して光取り出しシートとして使用したり、本発明に係る光取り出し層を形成した透明基板として有機EL素子等の形成に使用したりできる。また、有機EL素子上に上述の工程により光取り出し層を形成することもできる。
本発明に用いられる透明基材としては、高い光透過性を有していれば、特に制限はない。例えば、基材としての硬度に優れ、またその表面への膜形成のし易さ等の点で、ガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルムなどが好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から、透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
有機EL層(以下、有機EL素子ともいう)の層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
ここで、発光層で発生した光が外部へ出射されるためには、陽極または陰極の少なくとも一方が透明であることが必要であるが、本発明においては、透明導電層を主に陽極として使用することが好ましい。
有機EL素子における透明導電層としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が、透明導電層を形成する電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性光透過性材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。本発明においては、透明導電層は陽極として用いられることが好ましい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
各発光層間に非発光性の中間層(非ドープ領域等ともいう)を設ける場合について説明する。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、および陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
対向電極としては、前記透明導電層に対向する電極をいう。透明導電層を主に陽極として使用するため、対向電極としては以下に示す陰極を用いることができる。陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
本発明の面発光体の一例として、透明基材上に、本発明に係る光取り出し層と、透明導電層、有機エレクトロルミネッセンス層、および対向電極を順次形成したものが挙げられる。
透明基材上に、所望の電極物質を用いて透明導電層を形成することができる。例えば、電極物質としてITO(すずを添加した酸化インジウム)を用いる場合には、蒸着やスパッタリング等の方法により透明導電層を形成することができる。また、金属ナノワイヤや導電性ポリマーあるいは透明導電性金属酸化物を含む材料を、塗布法や印刷法などの液相成膜法を用いて透明導電層を形成することもできる。
陽極バッファー層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、陰極バッファー層の全部または一部からなる、透明導電層と陰極の間に形成された層を有機エレクトロルミネッセンス層という。この有機エレクトロルミネッセンス層の作製方法の一例として、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層からなる有機エレクトロルミネッセンス層の作製法について説明する。
上記の有機エレクトロルミネッセンス層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設ける。
本発明の面発光体は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特にカラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
《光取り出し層の作製(比較例)》
〔光取り出し層1の作製〕
厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以降、PETと略記)フィルム(帝人デュポン社製)の片面に、図2の(a)工程フローに従って、JSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6445(マトリックス樹脂M−1を構成するモノマー)を塗布、硬化、乾燥を行い、乾燥膜厚が4μmのマトリックス樹脂M−1から成る光取り出し層を形成した。
JSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6445中に、屈折率1.49で平均粒径0.3μmのポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を、上記UV硬化性モノマー量に対し10体積%で添加した後、超音波分散して光取り出し層塗布液を調製した。この光取り出し層塗布液を、光取り出し層1と同様にしてPET上に塗布、硬化、乾燥を行い、乾燥膜厚が4μmのマトリックス樹脂M−1とPMMA粒子から成る光取り出し層2を形成した。上記と同様にTの値を測定した(以下の作製した光取り出し層についても同様にしてTの値を求めた)。
光取り出し層2の作製において、PMMAを屈折率1.76で平均粒径0.23μmのアルミナ粒子に変更した以外は光取り出し層2と同様にして、PET上にマトリックス樹脂M−1とアルミナ粒子から成る光取り出し層3を形成した。
PMMAを常光に対する屈折率n0が1.47で異常光に対する屈折率neが1.58の化合物U−1に変更し、プラズマ処理を施したPETを用いた以外は光取り出し層2と同様にして、PET上にマトリックス樹脂M−1とアスペクト比が2.0で、粒径が0.5μmである化合物U−1からなる粒子を含有する光取り出し層4を形成した。
JSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6445をJSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6433(マトリックス樹脂M−2を構成するモノマー)に変更した以外は光取り出し層4と同様にして、PET上にマトリックス樹脂M−2と化合物U−1から成る光取り出し層5を形成した。
化合物U−1を常光に対する屈折率n0が1.53で異常光に対する屈折率neが1.73の化合物U−9に変更した以外は光取り出し層5と同様にして、PET上にマトリックス樹脂M−2と化合物U−9から成る光取り出し層6を形成した。
化合物U−1を常光に対する屈折率n0が1.52で異常光に対する屈折率neが1.88の化合物U−5に変更した以外は光取り出し層5と同様にして、PET上にマトリックス樹脂M−2と化合物U−5から成る光取り出し層7を形成した。
化合物U−1を常光に対する屈折率n0が1.52で異常光に対する屈折率neが2.12の化合物U−6に変更した以外は光取り出し層5と同様にして、PET上にマトリックス樹脂M−2と化合物U−6から成る光取り出し層8を形成した。
JSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6455中に、化合物U−1を、上記UV硬化性モノマー量に対し10体積%で添加した後、超音波分散して光取り出し層塗布液を調製した。図2の(a)に示す工程フローに従って、PET上に光取り出し層塗布液を塗布、磁場の印加(フィルム表面に垂直な方向に3Tの磁場を印加)、硬化、乾燥を行い、乾燥膜厚が4μmのマトリックス樹脂M−1と化合物U−1から成る光取り出し層9を形成した。化合物U−1の配向性に関しては、光取り出し層5と同様な方法で求めた。配向度は15度であった。
磁場の印加工程の磁場を3Tから5Tに変更した以外は光取り出し層9と同様にして、マトリックス樹脂M−1と化合物U−1から成る光取り出し層10を形成した。
JSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6455をJSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6433、化合物U−1を化合物U−6に変更した以外は光取り出し層9に同様にして、マトリックス樹脂M−2と化合物U−6から成る光取り出し層11を形成した。
磁場の印加工程の磁場を3Tから5Tに変更した以外は光取り出し層11と同様にして、マトリックス樹脂M−2と化合物U−6の粒子から成る光取り出し層12を形成した。
化合物U−6を化合物U−10に変更した以外は光取り出し層11に同様にして、マトリックス樹脂M−2と化合物U−10から成る光取り出し層13を形成した。
JSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6455をJSR社製のUV硬化性モノマー溶液KZ6662(マトリックス樹脂を構成するモノマー)、化合物U−6を化合物U−2に変更した以外は光取り出し層11に同様にして、マトリックス樹脂M−3と化合物U−2から成る光取り出し層14を形成した。
光取り出し層12の作製において、磁場をかける工程を行わず、光取り出し層に用いたPETと同様のPETを用いた以外は光取り出し層12と同様にして、マトリックス樹脂M−2と化合物U−6から成る光取り出し層12を形成した。
光取り出し層12の作製において、化合物U−6の添加をUV硬化性モノマーに対して70%とした以外は光取り出し層12と同様にして、マトリックス樹脂M−2と化合物U−6から成る光取り出し層12を形成した。
〔有機EL発光体の作製〕
(ITO導電層の形成)
厚さ100μmの二軸延伸PETフィルム(帝人デュポン社製)上に、上記作製した光取り出し層1を形成したフィルムを基板とし、光取り出し層1を形成していない面側にITO(インジウムチンオキシド)を厚さ100nmとなる条件で製膜してパターニングしてITO導電性層の形成を行った後、このITO導電性層を設けた基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を用い、3000rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、基板表面温度200℃にて1時間乾燥して、膜厚30nmの正孔注入層を設けた。
この基板を、窒素雰囲気下、JIS B 9920に準拠した測定法で測定した清浄度がクラス100で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmのグローブボックスへ移した。グローブボックス中にて正孔輸送層用塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、1500rpm、30秒の条件で塗布した。この基板を、基板表面温度150℃で30分間加熱乾燥して正孔輸送層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は20nmであった。
モノクロロベンゼン 100g
ポリ−N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N′−ビス(フェニル)ベンジジン(ADS254BE:アメリカン・ダイ・ソース社製)
0.5g
(発光層の形成)
次いで、発光層塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、2000rpm、30秒の条件で塗布した。さらに基板表面温度120℃で30分加熱し発光層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は40nmであった。尚、下記発光層組成物のうち、最も低いTgを示したのはH−Aであり、132℃であった。
酢酸ブチル 100g
H−A 1.0g
D−A 0.11g
D−B 0.002g
D−C 0.002g
(電子輸送層の形成)
次いで、電子輸送層用塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、1500rpm、30秒の条件で塗布した。さらに基板表面温度120℃で30分加熱し電子輸送層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は30nmであった。
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール 100g
トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム 0.75g
ET−A 0.75g
次いで、電子輸送層まで設けた基板を大気曝露せずに、蒸着器に移動し、4×10−4Paまで減圧した。尚、フッ化カリウムおよびアルミニウムをそれぞれタンタル製抵抗加熱ボートに入れ、蒸着器に取り付けておいた。
続いて、アルミニウムの入った抵抗加熱ボートに通電加熱し、蒸着速度1〜2nm/秒でアルミニウムからなる膜厚100nmの陰極を設け、有機EL発光体を得た。
上記で得られた有機EL発光体の透明基板側にPETフィルム上に光取り出し層1〜16を有するフィルムを貼合して、各面発光体1〜16を作製した。
〔光取り出し効率の測定〕
上記作製した面発光体1〜16に対し、2.5mA/cm2定電流を流したときの外部取り出し量子効率(%)を、不活性ガス雰囲気下で測定した。なお、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。以上により得られた面発光体1の量子効率を100としたときの相対値(EQE比)を求めた。数値が大きいほど外部光取り出し効率に優れていることを表す。
作製した各面発光体を、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング製)にセットして発光させて、法線方向と法線方向に対する角度45度での輝度と分光スペクトルを測定した。法線方向からの測定値から算出される色度xy(0)と法線方向に対する角度45度からの測定値から算出される色度xy(45)から、色差Δxy=|xy(0)−xy(45)|を求め、これを色ずれの指標とした。Δxyの値が0に近いほど色ずれが良好であることになる。
JIS−K5600−5−5のひっかき硬度試験を行い(荷重50g)、目視により光取り出し層の表面を観察し、傷が認められるものを×、認められないものを○として評価した。
LED素子を縦に3列、横に4列、計12個並べた上にアクリル製の拡散板を設置した面発光体を用意し、その出射面側にPETフィルム上に光取り出し層1〜14を有するフィルムを貼合し、面発光体1A〜16Aを作製したところ、本発明の面発光体である面発光体4Aから14Aは、1Aから3Aおよび15A、16Aに比較して輝度が増加することを目視で確認した。
2 マトリックス樹脂
3 一軸光学結晶性である有機化合物粒子
4 基材
11 巻だしロール
12 塗布コーター
13N 磁石(N極)
13S 磁石(S極)
14 光照射装置
15 乾燥装置
16 巻き取りロール
B 配向工程
Claims (5)
- 発光体を含有する発光層および、マトリックス樹脂と有機化合物粒子を含有する光取り出し層を有する面発光体であって、該有機化合物粒子が、一軸光学結晶性である有機化合物粒子であり、該光取り出し層の厚さ方向における波長532nmのレーザ光の透過率Taと該厚さ方向と垂直な方向における波長532nmのレーザ光の透過率Tbとの透過率比T(Ta/Tb)が、1.10〜3.00であることを特徴とする面発光体。
- 前記一軸光学結晶性である有機化合物粒子の屈折率n0と該マトリックス樹脂の屈折率nmとの差が0.03以下であることを特徴とする請求項1に記載の面発光体。
- 前記一軸光学結晶性である有機化合物の常光に対する屈折率n0と異常光に対する屈折率neとの差が0.1以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の面発光体。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の面発光体を製造する面発光体の製造方法であって、前記一軸光学結晶性である有機化合物粒子を含有する光取り出し層の層前駆体を形成する層前駆体形成工程および当該層前駆体に磁場を印加して、前記一軸光学結晶性である有機化合物を配向させる配向工程を有することを特徴とする面発光体の製造方法。
- 前記磁場の強度が、2〜10テスラ(T)であることを特徴とする請求項4に記載の面発光体の製造方法。
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