JP5353103B2 - フルオロアルケン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はフルオロアルケン化合物の効率的な製造方法に関する。
末端にビニル基を有するフルオロアルケン化合物の製造方法としては、アルコールの存在下に1H,1H,2H,2H-パーフルオロアルキルハロゲン化物とアルキル金属水酸化物とを反応させて1H,1H,2H-パーフルオロアルケンとする方法が知られている(下記非特許文献1参照)。また、式:I C2H4(CF2)n C2H4Iで表されるフッ素化されたα、ω−ジヨードアルカンをアルコールの存在下にアルカリ金属水酸化物と反応させて、脱ヨウ化水素反応によってα、ω−ジビニル化合物とする方法も知られている(下記非特許文献2参照)。
これらの方法では、生成したフルオロアルケン化合物を得るために、通常、後処理工程において、反応溶液に多量の水を加えてアルコール中に溶解しているフルオロアルケン化合物を分液させて回収する方法や、反応溶液を直接蒸留してフルオロアルケン化合物を回収する方法が採られる。しかしながら反応溶液に水を添加する方法では、分離されたアルコール層は水溶液の状態となり、アルコールを回収して再利用をする際には別途分留を行う必要がある。また、反応溶液を直接蒸留する場合には、目的物であるフルオロアルケン化合物をアルコールとの混合留分としてロスする懸念が高く、特にアルコールと共沸組成を持つ低分子量のフルオロアルケン化合物においては、蒸留による損失が顕著である。
このように、従来の末端にビニル基を有するフルオロアルケン化合物の製造方法は、生産時の採算性を悪化させる要因を含んでいるため、改善が望まれている。
J.Org.Chem.1984,49,2361-2368. J.Fluorine.Chem.1995,73,151-158.
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、1H,1H,2H-パーフルオロアルケン、α,ω-ジビニルパーフルオロアルカン等の末端にビニル基を有するフルオロアルケン化合物を製造する方法において、煩雑な後処理を要することなく、効率よく高純度のフルオロアルケン化合物を製造できる方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、末端にハロゲン化エチル基を有するポリフルオロ化合物を原料として、メタノール、エタノールなどのアルコール中においてアルカリ金属水酸化物と反応させてフルオロアルケン化合物を製造する方法において、アルコール中のアルカリ金属水酸化物の濃度を特定の範囲に制限する場合には、驚くべきことに、目的とするフルオロアルケン化合物とアルコールが明確に2層分離して、分液操作をするだけで高純度のフルオロアルケン化合物を収率よく回収でき、従来の煩雑な回収操作やそれに伴う目的物の損失を回避できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のフルオロアルケン化合物の製造方法を提供するものである。
1. メタノール及びエタノールからなる群から選ばれた少なくとも一種のアルコールの存在下に、一般式(I):Rf-C2H4-X(式中、Rfは炭素数1〜11のパーフルオロアルキル基であり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)で表される1H,1H,2H,2H-パーフルオロアルキルハロゲン化物と、一般式:MOH(式中、MはLi、Na又はKである)で表されるアルカリ金属水酸化物とを反応させて、一般式(II):Rf-CH=CH2(式中、Rfは上記に同じ)で表される1H,1H,2H-パーフルオロアルケンを製造する方法であって、
アルカリ金属水酸化物の使用量がアルコール1リットルに対して1.5〜4molの範囲内であることを特徴とする、1H,1H,2H-パーフルオロアルケンの製造方法。
2. Rfが、炭素数5〜10のパーフルオロアルキル基である上記項1に記載の方法。
3. メタノール及びエタノールからなる群から選ばれた少なくとも一種のアルコールの存在下に、一般式(III):X1-C2H4-Rf1-C2H4-X2(式中、Rf1は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基であり、X1及びX2は、同一又は異なって、それぞれ塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である)で表されるα,ω-ビス(2-ハロエチル)パーフルオロアルカンと、一般式:MOH(式中、MはLi、Na又はKである)で表されるアルカリ金属水酸化物とを反応させて、
一般式(IV):H2C=CH-Rf1-CH=CH2(式中、Rf1は上記に同じ)で表されるα,ω-ジビニルパーフルオロアルカンを製造する方法であって、
アルカリ金属水酸化物の使用量がアルコール1リットルに対して1.5〜4molの範囲内であることを特徴とする、α,ω-ジビニルパーフルオロアルカンの製造方法。
4. アルカリ金属水酸化物の使用量がアルコール1リットルに対して2〜3molの範囲内である上記項1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 一般式(I)で表される1H,1H,2H,2H-パーフルオロアルキルハロゲン化物又は一般式(III):X1-C2H4-Rf1-C2H4-X2で表されるα,ω-ビス(2-ハロエチル)パーフルオロアルカンと、アルカリ金属水酸化物との反応で形成されるアルカリ金属ハロゲン化物が、LiBr、LiI、LiCl又はNaIである上記項1〜4のいずれかに記載の方法。
6. アルコールがメタノールである上記項1〜5のいずれかに記載の方法。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
本発明では、原料としては、末端にハロゲン化エチル基を有するポリフルオロ化合である一般式(I):Rf-C2H4-Xで表される1H,1H,2H,2H-パーフルオロアルキルハロゲン化物、又は一般式(III):X1-C2H4-Rf1-C2H4-X2で表されるα,ω-ビス(2-ハロエチル)パーフルオロアルカンを用いる。
上記一般式(I):Rf-C2H4-Xにおいて、Rfは、炭素数1〜11のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ-n-プロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロ-n-ブチル基、パーフルオロ-sec-ブチル基、パーフルオロ-tert-ブチル基、パーフルオロ-n-アミル基、パーフルオロ-sec-アミル基、パーフルオロ-tert−アミル基、パーフルオロイソアミル基、パーフルオロ-n-ヘキシル基、パーフルオロイソヘキシル基、パーフルオロネオヘキシル基、パーフルオロ-n-ヘプチル基、パーフルオロイソヘプチル基、パーフルオロネオヘプチル基、パーフルオロ-n-オクチル基、パーフルオロイソオクチル基、パーフルオロネオオクチル基、パーフルオロ-n-ノニル基、パーフルオロネオノニル基、パーフルオロイソノニル基、パーフルオロ-n-デシル基、パーフルオロイソデシル基、パーフルオロネオデシル基、パーフルオロ-sec-デシル基、パーフルオロ-tert-デシル基等を挙げることができる。
本発明では、パーフルオロアルキル基としては、入手が容易であって、アルコールとの分離が良好な点で、炭素数2〜10のパーフルオロアルキル基が好ましく、特にアルコールとの分離が良好で高収率で目的物が得られる点で炭素数5〜10程度のパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記一般式(I)において、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。特に、入手の容易性を考慮すると臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、ヨウ素原子が最も好ましい。
一般式(I):Rf-C2H4-Xで表される化合物の内で、入手の容易性を考慮すると、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロブタン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロイソペンタン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロヘキサン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロイソヘプタン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロオクタン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロイソノナン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロデカン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロイソウンデカン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロドデカン、1H,1H,2H,2H,1-ブロモパーフルオロヘキサン、1H,1H,2H,2H,1-ブロモパーフルオロオクタン、1H,1H,2H,2H,1-ブロモパーフルオロデカン1H,1H,2H,2H,1-クロロパーフルオロヘキサン、1H,1H,2H,2H,1-クロロパーフルオロオクタンおよび1H,1H,2H,2H,1-クロロパーフルオロデカンが好ましい。中でも特に1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロヘキサン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロオクタン、1H,1H,2H,2H,1-ヨードパーフルオロデカン等が好ましい。
本発明方法において原料として用いる化合物の内で、一般式(III):X1-C2H4-Rf1-C2H4-X2で表されるα,ω-ビス(2-ハロエチル)パーフルオロアルカンにおいて、Rf1は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基であり、その具体例としては、パーフルオロメチレン基、パーフルオロエチレン基、パーフルオロプロピレン基、パーフルオロブチレン基、パーフルオロペンチレン基、パーフルオロヘキシレン基、パーフルオロヘプチレン基、パーフルオロオクチレン基、パーフルオロノニレン基、パーフルオロデシレン基が挙げられる。中でもパーフルオロブチレン基、パーフルオロヘキシレン基、パーフルオロオクチレン基、パーフルオロデシレン基が入手の容易性の観点から好ましい。
また、一般式(III)において、X1及びX2は、同一又は異なって、それぞれ塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。特に、入手の容易性を考慮すると臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、ヨウ素原子が最も好ましい。
一般式(III):X1-C2H4-Rf1-C2H4-X2で表される化合物のうちでは、入手の容易性を考慮すると、3,3,4,4,5,5,6,6-オクタフルオロ-1,8-ジヨードオクタン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,-ドデカフルオロ-1,10-ジヨードデカン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘキサデカフルオロ-1,12-ジヨードドデカン等が好ましい。
本発明方法では、上記した一般式(I)又は一般式(III)で表されるポリフルオロ化合物と反応させる原料物質として、一般式:MOH(式中、MはLi、Na又はKである)で表されるアルカリ金属水酸化物を用いる。アルカリ金属水酸化物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。これらのアルカリ金属水酸化物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。これらの内で、特に、安価で入手可能である点で水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量については特に限定的ではないが、経済性を考慮すると、一般式(I):Rf-C2H4-Xで表される1H,1H,2H,2H-パーフルオロアルキルハロゲン化物1モルに対して1〜1.5モル程度とすることが好ましく、1〜1.2モル程度とすることがより好ましい。また、一般式(III):X1-C2H4-Rf1-C2H4-X2で表されるα,ω-ビス(2-ハロエチル)パーフルオロアルカン1モルに対して2〜2.5モル程度とすることが好ましく、2〜2.2モル程度とすることがより好ましい。
本発明では、メタノール及びエタノールからなる群から選ばれた少なくとも一種のアルコールの存在下に反応を行うことが必要である。
本発明の製造方法の重要な特徴は、上記したアルコールの存在下に行う反応において、アルカリ金属水酸化物の使用量を、アルコール1リットルに対して1.5mol〜4molの範囲内とすることである。この様な特定の濃度範囲でアルカリ金属水酸化物を用いることによって、反応後に生成するフルオロアルケン、即ち、一般式(II):Rf-CH=CH2(式中、Rfは上記に同じ)で表される1H,1H,2H-パーフルオロアルケン又は一般式(IV):H2C=CH-Rf1-CH=CH2(式中、Rf1は上記に同じ)で表されるα,ω-ジビニルパーフルオロアルカンが、アルコールから分離して、フルオロアルケン層とアルコール層に二層に明確に分離する。これにより、フルオロアルケン層とアルコール層を分液するのみで、高純度のフルオロアルケンを回収することができる。また、アルコール層に溶解するフルオロアルケンの量が非常に少ないので、フルオロアルケンの収率も大きく向上する。
アルカリ金属水酸化物の使用量は、特に、アルコール1リットルに対して2mol〜3molの範囲内とすることが好ましい。これにより、アルコール層からのフルオロアルケンの分離性が良好となり、高純度のフルオロアルケンを高収率で得ることが可能となる。
アルコールとしては、メタノール及びエタノールの何れか一方、又は両方を用いることができるが、一般により安価に入手することが可能であって、水との共沸組成を持たないために回収が容易であり、更に、フルオロアルケンの溶解量が少なく、分液後の収率が良好である点でメタノールが好ましい。
本発明では、特に、上記した一般式(I)又は一般式(III)で表される末端にハロゲン化エチル基を有するポリフルオロ化合物と一般式:MOHで表されるアルカリ金属水酸化物との反応で形成されるアルカリ金属ハロゲン化物が、LiBr、LiI、LiCl、NaI等であることが好ましく、NaIであることがより好ましい。これらのアルカリ金属ハロゲン化物はアルコールへの溶解性が良く、生成物であるフルオロアルケン化合物のアルコール層からの分離を容易にすることができる。
本発明の製造方法は水の存在下に行っても良いが、アルコールに対して水の量が多すぎると反応速度の低下を招き、反応後のアルコールの回収に支障を来たして本発明の効力を損なう恐れがある。このため、アルコール100体積部に対して45体積部以下であることが好ましく、11.5体積部以下であることが特に好ましい。
本発明の製造方法を実施するための具体的な方法については特に限定的ではないが、製造方法の一例を示すと次の通りである。
まず、ナスフラスコ等の容器にアルカリ金属水酸化物、アルコール、及び原料とする一般式(I)又は一般式(III)で表されるポリフルオロ化合物を投入して反応を行う。この時、必要であれば反応溶液を加熱、攪拌しても良い。
アルカリ金属水酸化物は、一般式(I)又は(III)の化合物と同時にアルコールに添加してもよく、或いは、一般式(I)又は(III)の化合物を添加する前に予めアルコールに溶解して用いてもよい。
反応温度は特に限定されないが、反応速度や安全性、経済性を考慮すると、通常、0〜150℃程度、好ましくは20〜100℃程度とすればよい。
反応時の圧力については、特に限定されるものではなく、通常は、常圧又は加圧下に反応を行うことができる。
反応時間については、通常、1〜10時間程度とすればよい。
上記した方法によって、フルオロアルケン化合物を製造した後、反応溶液を静置することによって、目的物であるフルオロアルケン層とアルコール層との二層に分離する。下層のポリフルオロアルケンを分液によって回収することによって、高純度のフルオロアルケン化合物を得ることができる。また、アルコール層に溶解するフルオロアルケン化合物が非常に少ないので、高収率でフルオロアルケン化合物を得ることができる。得られたフルオロアルケン化合物は、更に必要に応じて、常法に従って、抽出、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー、洗浄などの公知の方法で精製すればよい。
分離された上層には、アルコールの他に、アルカリ金属ハロゲン化物等が含まれるので、必要に応じて、蒸留、晶析などの公知の方法によって、アルコール、アルカリ金属ハロゲン化物等を回収することが可能である。この際、本発明の方法では、多量の水を添加していないため、回収をより簡便に行うことができる。
本発明のフルオロアルケン化合物の製造方法によれば、生成物を分液するという非常に簡単な方法によって、高純度のフルオロアルカン化合物を収率よく得ることができる。このため、反応後の後処理工程が簡便になり、フルオロアルケン化合物を効率よく得ることができる。
得られたフルオロアルケン化合物は、例えば、樹脂製品原料、有機合成中間体などの各種用途に有効に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに、95%水酸化ナトリウム109.270mmolおよびメタノール38.76gを投入して、水酸化ナトリウムが溶解するまで50℃で攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化ナトリウム量は2.19 molである。
水酸化ナトリウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.591mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたやや白色に濁った2層の溶液を分液して34.65gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は99.09%であった。また、分離されたメタノール層の重量は56.93gであった。
実施例2
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに、95%水酸化ナトリウム108.300mmolおよびメタノール29.36gを投入して、水酸化ナトリウムが溶解するまで50℃で攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化ナトリウム量は2.85 molである。
水酸化ナトリウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.612mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたやや白色に濁った2層の溶液を分液して34.86gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は98.88%であった。また、分離されたメタノール層の重量は47.33gであった。
実施例3
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに、95%水酸化ナトリウム109.250mmolおよびメタノール34.55gを投入して、水酸化ナトリウムが溶解するまで50℃で攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化ナトリウム量は2.43 molである。
水酸化ナトリウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.570mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたやや白色に濁った2層の溶液を分液して34.73gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は98.96%であった。また、分離されたメタノール層の重量は52.83gであった。
実施例4
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに、98%水酸化ナトリウム108.535mmolおよびメタノール38.74gを投入して、水酸化ナトリウムが溶解するまで50℃で攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化ナトリウム量は2.17 molである。
水酸化ナトリウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロデカン104.996mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたやや淡茶色に濁った2層の溶液を分液して45.81gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロデセンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は98.59%であった。また、分離されたメタノール層の重量は56.10gであった。
実施例5
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに、98%水酸化リチウム109.253mmolおよびメタノール38.56gを投入して、50℃で1時間攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化リチウム量は2.19 molである。
大部分の水酸化リチウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.591mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたやや白色に濁った2層の溶液を分液して31.91gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は98.53%であった。また、分離されたメタノール層の重量は57.63gであった。
実施例6
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに98%水酸化リチウム109.253mmolおよびメタノール38.48gを投入して、50℃で1時間攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化リチウム量は2.19 molである。
大部分の水酸化リチウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ブロモパーフルオロオクタン105.527mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたやや白色に濁った2層の溶液を分液して34.33gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は97.96%であった。また、分離されたメタノール層の重量は50.36gであった。
実施例7
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに98%水酸化リチウム108.843mmolおよびメタノール38.45gを投入して、50℃で1時間攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化リチウム量は2.18molである。
大部分の水酸化リチウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-クロロパーフルオロオクタン105.555mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたやや白色に濁った2層の溶液を分液して34.14gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は97.16%であった。また、分離されたメタノール層の重量は45.07gであった。
比較例1
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに、95%水酸化ナトリウム108.775mmolおよびメタノール19.74gを投入して、水酸化ナトリウムが溶解するまで50℃で攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化ナトリウム量は4.18 molである。
水酸化ナトリウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.549mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、白色結晶が析出して白色に濁った2層の溶液を分液して32.32gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は97.08%であった。
また、分離されたメタノール層の重量は40.24gであった。
反応後に白色結晶が多く析出して2層の界面に浮遊していたため、両層の分液が困難であった。
比較例2
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに95%水酸化ナトリウム109.250mmolおよびメタノール87.33gを投入して、水酸化ナトリウムが溶解するまで50℃で攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化ナトリウム量は0.96 molである。
水酸化ナトリウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.570mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
加熱、攪拌を停止して静置後、得られたごく僅かに白色に濁った2層の溶液を分液して27.38gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は99.27%であった。
また、分離されたメタノール層の重量は112.32gであった。
メタノール層のガスクロマトグラフィーによる分析の結果、メタノール層に1H,1H,2H-パーフルオロオクテンが多く溶解していることが確認された。
比較例3
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに95%水酸化ナトリウム219.925mmolおよびメタノール79.00gを投入して、水酸化ナトリウムが溶解するまで50℃で攪拌を行った。この場合のメタノール1リットルに対する水酸化ナトリウム量は2.20 molである。
水酸化ナトリウムが溶解した後に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン211.013mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。
次いでフラスコ内を減圧して反応溶液をコールドトラップに捕集した。捕集された液体は2層に分離しており、これを分液して53.89gの1H,1H,2H-パーフルオロオクテンを得た。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は91.20%であった。なお、分離されたメタノール層の重量は93.63g、フラスコ内に残った白色固体の重量は33.14gであった。
比較例4
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに95%水酸化ナトリウム110.200mmolおよびイソプロパノール38.32gを投入して、50℃で攪拌を行った。溶液は1.5時間後に白色スラリーとなった。
次に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.612mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。その間に反応溶液は2層に分液した無色透明溶液となり、針状結晶が沈殿した。
加熱、攪拌を停止後に反応溶液をろ過して針状結晶を除去した後に両層を分液して38.32gの下層を1H,1H,2H-パーフルオロオクテンとして回収した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は91.37%であった。また、分離されたメタノール層の重量は69.26g、ろ別された白色針状結晶の重量は2.37gであった。
比較例5
ジムロート冷却管を装着した200mLのナスフラスコに95%水酸化ナトリウム108.538mmolおよびtert-ブタノール38.35gを投入して、50℃で攪拌を行った。1.5時間後においても水酸化ナトリウムは溶解せず、水酸化ナトリウムの粒が残った白色懸濁液となった。液相は均一であった。
次に1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン105.549mmolを投入し、さらに2時間、50℃で攪拌を行った。反応前後で溶液の状態は変わらず、2時間後において水酸化ナトリウムの粒が残った均一相溶液であったため、分液によって目的の1H,1H,2H-パーフルオロオクテンを得ることはできなかった。また、1H,1H,2H,2H-1-ヨードパーフルオロオクタン投入より2時間後の時点での転化率はガスクロマトグラフィーによる分析の結果、わずかに31.45%であった。
以上の実施例および比較例より、本発明で示される製造方法は反応後に分液操作のみで目的の末端にビニル基を有するフルオロアルケン化合物を高効率的に得ることが可能であることを確認できる。

Claims (5)

  1. メタノール及びエタノールからなる群から選ばれた少なくとも一種のアルコールの存在下に、一般式(I):Rf-C2H4-X(式中、Rfは炭素数1〜11のパーフルオロアルキル基であり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)で表される1H,1H,2H,2H-パーフルオロアルキルハロゲン化物と、一般式:MOH(式中、MはLi又はNaである)で表されるアルカリ金属水酸化物とを反応させて、一般式(II):Rf-CH=CH2(式中、Rfは上記に同じ)で表される1H,1H,2H-パーフルオロアルケンを製造する方法であって、
    アルカリ金属水酸化物の使用量がアルコール1リットルに対して1.5〜4molの範囲内であり、かつ
    前記反応で形成されるアルカリ金属ハロゲン化物が、LiBr、LiI、LiCl又はNaIであ
    ことを特徴とする、1H,1H,2H-パーフルオロアルケンの製造方法。
  2. Rfが、炭素数5〜10のパーフルオロアルキル基である請求項1に記載の方法。
  3. メタノール及びエタノールからなる群から選ばれた少なくとも一種のアルコールの存在下に、一般式(III):X1-C2H4-Rf1-C2H4-X2(式中、Rf1は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基であり、X1及びX2は、同一又は異なって、それぞれ塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である)で表されるα,ω-ビス(2-ハロエチル)パーフルオロアルカンと、一般式:MOH(式中、MはLi又はNaである)で表されるアルカリ金属水酸化物とを反応させて、
    一般式(IV):H2C=CH-Rf1-CH=CH2(式中、Rf1は上記に同じ)で表されるα,ω-ジビニルパーフルオロアルカンを製造する方法であって、
    アルカリ金属水酸化物の使用量がアルコール1リットルに対して1.5〜4molの範囲内であり、かつ
    前記反応で形成されるアルカリ金属ハロゲン化物が、LiBr、LiI、LiCl又はNaIであることを特徴とする、α,ω-ジビニルパーフルオロアルカンの製造方法。
  4. アルカリ金属水酸化物の使用量がアルコール1リットルに対して2〜3molの範囲内である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. アルコールがメタノールである請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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